JP2008067466A - 回転電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの回転時においても冷却剤がロータの外周面に達し、ロータを冷却することができ、効率の向上が図られた回転電動機を提案する。
【解決手段】回転電動機500は、筒状に形成されたステータ501と、回転可能な回転シャフト108と、ステータ501内に挿入され、回転シャフト108に固設されたロータ502と、ロータ502の外周面に向けて冷却剤Bを吐出する吐出口520aと、ロータ502の外周面に形成され、ロータ502の外周面515から流体Aを噴出可能な噴出口504aと、流体Aを吸入する吸入口507aと、吸入口507aと噴出口504aとを連通する連通路530とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転電動機に関し、特に、ロータを冷却する冷却機構を備えた回転電動機に関する。
自動車用内燃機関には自然吸気式エンジンと過給式エンジンとがある。過給機構としては、一般にターボチャージャと呼ばれる排気タービン駆動式のものと、一般にスーパチャージャと呼ばれる機械駆動式のものとが実用化されている。ターボチャージャは、排気ガスのエネルギでタービンを回転させ、それと直結したコンプレッサで吸入空気を圧縮してエンジンに供給するものである。
内燃機関の低回転域においては、排気エネルギが小さいことから、電動機によりコンプレッサを回転させることにより、低回転域の過給圧を強制的に上昇させるターボチャージャが公知である。このようなターボチャージャにおいては、電動機が排気ガスなどの高温に曝されるため、温度上昇により電動機の効率が低下するという問題がある。
このような問題に鑑みて、特開2002−58207号公報(特許文献1)には、回転電動機の冷却を簡便に行なえ、回転電動機の効率低下を抑制することのできるターボチャージャが提案されている。このターボチャージャは、螺旋溝が形成された固定子および回転子を備えている。螺旋溝には、シャフトの軸受けに潤滑油を供給する潤滑油供給口からの潤滑油が垂れ込む。そして、回転子の回転に伴って、潤滑油を回転軸方向に強制的に流し、回転子および固定子を強制的に冷却する。
また、特開2003−274607号公報にも、発電機を冷却して、発電効率の向上を図ることができる発電機が提案されている。この発電機は、孔が形成された鉄心と、この鉄心の孔に挿入されたロータと、鉄心の内周とロータの外周とを経る冷却エア通路とを備えている。そして、冷却エア通路内に冷却オイルのミストを供給して、鉄心およびロータとを冷却する。
さらに、実開平4−54467号公報にも、ベアリングに供給する潤滑油の油路にノズルを設けて、このノズルから潤滑油を回転子の外周面や側面に噴き出させて、回転子を冷却するタービン発電機が提案されている。
特表2002−527710号公報には、ステータを貫通し、ロータとステータ間のギャップに達する複数の通路を備え、この通路に液冷媒を供給して、ロータおよびステータを冷却する液体チラーが提案されている。
特開2002−58207号公報 特開2003−274607号公報 実開平4−54467号公報 特表2002−527710号公報
ロータが高速で回転すると、ロータの表面近傍の空気もロータの動きに追従し、回転電動機の駆動中、ロータの外周面近傍の空気の流速は高速となっている。このため、特開2002−58207号公報に提案されているように、潤滑油供給口から螺旋溝に潤滑油を垂れ流しても、潤滑油がロータ表面の空気によって弾き飛ばされてしまい、潤滑油が螺旋溝内に入り込まない。
さらに、特開2003−274607号公報、実開平4−54467号公報、特表2002−527710号公報に提案されているように、ステータからロータの外周面に向けて液体冷媒を吹付けても、ロータ表面の空気によって液体冷媒が吹き飛ばされてしまい、液体冷媒がロータの表面に届かない。
このため、従来の回転電動機においては、ロータの外周面を冷却することが困難であり、回転電動機の効率低下を抑制しがたいものとなっている。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的はロータの回転時においても冷却剤がロータの外周面に達し、ロータを冷却することができ、効率の向上が図られた回転電動機を提案することである。
本発明に係る回転電動機は、筒状に形成されたステータと、回転可能な回転シャフトと、ステータ内に挿入され、回転シャフトに固設されたロータと、ロータの外周面に向けて冷却剤を吐出する吐出口と、ロータの外周面に形成され、ロータの外周面から流体を噴出可能な噴出口と、流体を吸入する吸入口と、吸入口と噴出口とを連通する連通路とを備える。好ましくは、上記噴出口は、該噴出口から噴出される流体がロータの回転方向と反対方向の速度成分を有するように、流体を噴出可能とする。好ましくは、上記吸入口は、ロータとステータとの隙間の圧力よりも、高い空間に開口する。好ましくは、上記吸入口は、吐出口よりロータの径方向内方に位置する。好ましくは、上記記連通路は、ロータに形成され、噴出物を収容可能な収容空間と、収容空間と噴出口とを連通する第1連通路と、吸入口と収容空間とを連通する第2連通路とを含む。好ましくは、上記ロータおよびステータを収容するケーシングをさらに備え、吸入口は、ケーシング内に位置する。
本発明に係る回転電動機によれば、流体物が噴出口から噴出することにより、ロータの表面およびその近傍を流れる空気と流体とが衝突し、空気の流速を低減させることができる。これにより、吐出口から吐出した冷却剤がロータ表面およびその近傍を流れる空気によって弾き飛ばされることを抑制することができ、ロータを良好に冷却することができる。
以下、図面を参照しつつ、本実施の形態に係る回転電動機500について説明する。図1は、本実施の形態に係る回転電動機500を備えたターボチャージャ100の断面図である。この図1に示されるように、ターボチャージャ100は、内燃機関(以下、エンジンと記載する)の吸気経路上に設けられたコンプレッサ124と、エンジンの排気経路上に設けられたタービン126と、コンプレッサ124とタービン126との間に設けられるベアリングハウジング102とを備えている。コンプレッサ124は、コンプレッサハウジング104と、コンプレッサホイール(コンプレッサロータ、コンプレッサブレードなどとも呼ばれる)110とを備えている。タービン126は、タービンハウジング106と、タービンホイール(タービンロータ、タービンブレードなどとも呼ばれる)112とを備えている。コンプレッサホイール110と、タービンホイール112とは、シャフト108により連結されている。ベアリングハウジング102は、シャフト108を回転自在に支持する。
なお、本実施の形態に係るターボチャージャ100は、車両のエンジンに搭載される過給機構である。エンジンは、ガソリンエンジンであってもよいし、ディーゼルエンジンであってもよく、特に限定されるものではない。また、車両はハイブリッド車両であってもよく、特に限定されるものではない。また、本発明に係るターボチャージャは車両に限定して適用されるものではない。
コンプレッサハウジング104は、シャフト108に対して、シャフト108の軸方向に位置する部分に形成された入口122と、コンプレッサハウジング104の側面に形成された出口とを備えている。
入口122には、シャフト108の軸方向に沿って延びる吸気通路200の一方の端部が接続される。出口には、シャフト108の軸方向に対して直交する方向から吸気通路210の一方の端部が接続される。
そして、吸気通路200の他方の端部は、エアクリーナに接続されており、吸気通路210の他方の端部は、インタークーラに接続されている。吸気通路200の途中には、調整弁204が設けられている。この調整弁204より上流側に位置する吸気通路200には、この吸気通路200と吸気通路210とを接続するバイパス通路202が接続されている。
また、バイパス通路202の端部にも、調整弁206が設けられており、初期状態は、閉状態とされている。
ベアリングハウジング102に隣接するタービンハウジング106には、シャフト108の回転軸と直交する位置に入口が設けられる。タービンハウジング106の入口には、排気通路212の一方端に接続される。排気通路212の他方端には、エンジンのエキゾーストマニホールドに接続される。タービンハウジング106には、シャフト108の回転軸の延長方向に出口128が設けられる。タービンハウジング106の出口128は、触媒に接続される。
シャフト108は、ベアリングハウジング102を貫通するように設けられる。シャフト108の一方端には、コンプレッサホイール110が設けられ、コンプレッサハウジング104に収納される。シャフト108の他方端には、タービンホイール112が設けられ、タービンハウジング106に収納される。
ECU500は、CPUおよびメモリ等から構成される。ECU500は、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより、温度検知センサ302により検知された温度に応じて、アクチュエータを介して調整弁(1)204、調整弁(2)206の状態を制御したり、回転電動機500を制御したりする。なお、上記温度センサ302は、ベアリングハウジング102内に配置されており、ベアリングハウジング102内の温度を測定可能となっている。
ベアリングハウジング102は、コンプレッサハウジング104およびタービンハウジング106の間に、それぞれに隣接するように設けられる。ベアリングハウジング102は、シャフト108の周りで中空の筒状に形成され、軸方向の両端部に、シャフト108を回転自在に支持する2つのベアリング114がそれぞれ設けられる。
また、ベアリングハウジング102の軸方向の両端部において、軸に直交する方向に潤滑油通路116が形成されており、その潤滑油通路116を介して、ベアリング114とシャフト108との間に潤滑油が供給される。潤滑油は、エンジンの作動に応じてオイルポンプが駆動することにより、ベアリング114とシャフト108との間に供給される。
ベアリングハウジング102内には、さらに、中空部120と、中空部120内に収納され、シャフト108を回転軸とする回転電動機500が設けられる。
回転電動機500は、電力の供給を受けてシャフト108を回転させる。回転電動機500は、たとえば、交流モータであり電動機としても発電機としても機能し得る。回転電動機500は、特に交流モータに限定されるものではなく、直流モータであってもよい。
図2は、回転電動機500の要部を示す断面図である。この図2および図1に示されるように、回転電動機500は、筒状に形成されたステータ501と、回転可能なシャフト108と、ステータ501内に挿入され、シャフト108に固設されたロータ502と、ロータ502の外周面515に向けて冷却剤Bをロータ502の外周面515に向けて吐出する吐出口520aと、流体物Aを噴出する噴出口504aとを、流体物Aを吸入する吸入口507aと、吸入口507aと噴出口504aとを連通する連通路530とを備えている。
ここで、ロータ502が回転すると、ロータ502の表面およびその近傍に位置する空気は、ロータ502の回転に追従して、ロータ502の回転方向Pに沿って流動する。
噴出口504aから流体物Aが噴出すると、ロータ502の外周面およびその近傍を流れる空気と噴出物とが衝突して、空気の流速が低減される。そして、吐出口520aから冷却剤Bがロータ502の外周面515に向けて吐出すると、冷却剤Bが外周面515およびその近傍を流れる空気によって弾き飛ばされることを抑制することができる。このため、冷却剤Bがロータ502の外周面515に届き、外周面515を良好に冷却することができる。これにより、ロータ502を冷却することができ、回転電動機500の駆動能力の向上を図ることができる。なお、冷却剤Bとしては、冷却用潤滑油などの液体冷媒などを採用する。
図3は、図2に示すIII−III線における断面図である。この図3に示すように、流体物Aは、噴出口504aから径方向よりロータ502の回転方向後方側に向けて噴出する。このため、流体物Aの噴出方向のうち、ロータ502の外周面515の接線方向の成分は、ロータ502の回転方向Pと反対方向を向いている。
すなわち、ロータ502の表面およびその近傍を流れる空気の流通方向と、流体物Aの噴出方向のうち、ロータ502の外周面515の接線方向の成分とは、互いに反対方向を向いている。
このため、外周面515表面およびその近傍を流れる空気と、流体物Aとが衝突するこにより、確実に、空気のロータ502の周方向の流速を低減することができる。
図1および図2に示すように、吸入口507aは、ロータ502とステータ501との間の隙間GPの圧力よりも、圧力が高い空間に開口している。
具体的には、吸入口507aは、噴出口504aよりも、ロータ502の径方向内方側に形成されている。
このため、ロータ502が回転すると、噴出口504a近傍の空気の流速は、吸入口507a近傍に位置する空気の流速より速くなる。ここで、ベルヌーイの定理より、流速が速くなると、圧力が低くなる。したがって、噴出口504a近傍の空気の圧力より、吸入口507a近傍の空気の圧力の方が低くなる。このため、吸入口507aから吸入された流体物Aが噴出口504aから噴出する。
すなわち、本実施の形態に係る回転電動機500によれば、流体物Aを加圧して、噴出口504aから流体物Aを噴出すさせるための供給装置を要さず、回転電動機500の大型化を抑制することができる。なお、本実施の形態においては、吸入口507aは、ロータ502に形成されているが、この位置に限られず、たとえば、シャフトの表面に開口してもよい。
連通路530は、ロータ502に形成され、流体物Aを収容可能な収容空間505と、この収容空間505と吸入口507aとを連通する経路507と、収容空間505と噴出口504aとを連通する経路504とを含む。
収容空間505は、ロータ502の軸方向に延在しており、ロータ502の径方向に延びる経路504を軸方向に複数間隔を隔てて形成することができる。
ロータ502に装着された磁石503の避けるように経路504を配置することもでき、磁石503に孔を形成せずにすむようにできる。
吸入口507aは、図1に示す中空部120に開口しており、中空部120内の空気およびオイルミストを流体物Aとして吸入する。
オイルミスとを流体物A内に取り込むことにより、ロータ502表面を流通する空気の流速を低減することができると共に、オイルミスとを冷却剤として機能させることができる。すなわち、ロータ502内にオイルミストおよび空気を流通させることにより、ロータ502を内部から冷却することができる。以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、回転電動機に好適である。
本実施の形態に係る回転電動機を備えたターボチャージャの断面図である。 回転電動機の要部を示す断面図である。 図2に示すIII−III線における断面図である。
符号の説明
100 ターボチャージャ、102 ベアリングハウジング、104 コンプレッサハウジング、106 タービンハウジング、108 シャフト(回転シャフト)、110 コンプレッサホイール、112 タービンホイール、120 中空部、124 コンプレッサ、126 タービン、500 回転電動機、501 ステータ、502 ロータ、503 磁石、504a 噴出口、504 経路、505 収容空間、507a 吸入口、
507 経路、515 外周面、520a 吐出口、連通路 530。

Claims (6)

  1. 筒状に形成されたステータと、
    回転可能な回転シャフトと、
    前記ステータ内に挿入され、前記回転シャフトに固設されたロータと、
    前記ロータの外周面に向けて冷却剤を吐出する吐出口と、
    前記ロータの外周面に形成され、前記ロータの外周面から流体を噴出可能な噴出口と、
    前記流体を吸入する吸入口と、
    前記吸入口と前記噴出口とを連通する連通路と、
    を備えた回転電動機。
  2. 前記噴出口は、該噴出口から噴出される流体が前記ロータの回転方向と反対方向の速度成分を有するように、前記流体を噴出可能である、請求項1に記載の回転電動機。
  3. 前記吸入口は、前記ロータと前記ステータとの隙間の圧力よりも、高い空間に開口する、請求項1に記載の回転電動機。
  4. 前記吸入口は、前記吐出口より前記ロータの径方向内方に位置する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の回転電動機。
  5. 前記連通路は、前記ロータに形成され、前記噴出物を収容可能な収容空間と、前記収容空間と前記噴出口とを連通する第1連通路と、前記吸入口と前記収容空間とを連通する第2連通路とを含む、請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転電動機。
  6. 前記ロータおよび前記ステータを収容するケーシングをさらに備え、
    前記吸入口は、前記ケーシング内に位置する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の回転電動機。
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