JP2008067182A - 無線通信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】HSDPA方式を用いたパケット通信において、セル境界などの最大送信パワーを必要とする場所でも、安定した接続が行える無線通信装置を提供する。
【解決手段】制御部300は、送信電力制御部500を制御して、HSDPA通信が開始された場合、すなわち物理チャネルの多重数が増えた場合に、ゲインの増加幅を通常の1[dB]からX[dB]に増加させるようにして、多重数増加に伴う1チャネル当たりのパワー目減り分を早期に回復するようにしたものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、CDMA(Code Division Multiple Access)方式による無線通信を行う無線通信システムに関する。
近年、無線移動通信システムに適用する通信方式の一つとして、干渉や妨害に強いスペクトル拡散通信方式が注目されている。このスペクトル拡散通信方式を利用したW-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式では、通信帯域が従来のCDMA方式に比べて広帯域なため、画像情報、動画などを送受信することに優れている事に加え、高速パケット伝送を目的としたHSDPA(High Speed Data Packet Access)方式が3GPP(3rd Generation Partnership Project) Rel.5(例えば、非特許文献1参照)で規格化され、2006年から商用サービスが開始されることになっている。
このHSDPA方式では、移動局で受信する下り回線の品質が良いかどうかに応じてスループットを可変させるシステムであって、移動局は、その受信状態を、上り回線を通じてCQI(Channel Quality Indicator)およびACK/NACKとして送信することにより基地局へ通知する。
また移動局は、送信時において、Qchで送信するこれまでの制御チャネル(DPCCH)、Ichで送信するデータチャネル(DPDCH)に加えて、新しくQchにHS-DPCCH(CQI,ACK)を多重して送信しなければならないが、多重すると送信時のPAR(Peak to Average Ratio)が劣化してしまうため、最大で送信できる電力値に制限が新たに加えられている。この影響により、HSDPA方式を用いたパケット通信にあっては、セル境界などの最大送信パワーを必要とする場所で、基地局と移動局との間で、以前のRel.99パケットよりもつながりにくいという問題があった。
3GPP TS 25.308 V5.7.0 (2004-12) Technical Specification 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; High Speed Downlink Packet Access (HSDPA); Overall description; Stage 2 (Release 5)。
従来では、HSDPA方式を用いたパケット通信にあっては、セル境界などの最大送信パワーを必要とする場所で、以前のRel.99パケットよりもつながりにくいという問題があった。
この発明は上記の問題を解決すべくなされたもので、HSDPA方式を用いたパケット通信において、セル境界などの最大送信パワーを必要とする場所でも、安定した接続が行える無線通信装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明は、送信信号を増幅する増幅手段と、多重通信を行うか否かを検出する検出手段と、この検出手段が多重通信を行うことを検出しない場合には、利得調整値として第1の値を設定し、一方、検出手段が多重通信を行うことを検出した場合には、利得調整値として第1の値よりも大きい第2の値を設定する設定手段と、増幅手段の利得を可変する場合に、設定手段が設定した利得調整値だけ増幅手段の利得を可変する制御手段とを具備して構成するようにした。
以上述べたように、この発明では、送信信号を増幅する増幅手段と、多重通信を行うか否かを検出する検出手段とを備え、この検出手段が多重通信を行うことを検出しない場合には、増幅手段の利得を可変する場合に、第1の値だけ増幅手段の利得を可変し、一方、検出手段が多重通信を行うことを検出した場合には、増幅手段の利得を可変する場合に、第1の値よりも大きい第2の値だけ増幅手段の利得を可変するようにしている。
したがって、この発明によれば、多重通信を行う場合には、多重通信を行わない場合よりも利得の増加幅を増加させるようにしているので、多重数増加に伴う1チャネル当たりのパワー目減り分を早期に回復でき、セル境界などの最大送信パワーを必要とする場所でも、安定した接続を行うことが可能な無線通信装置を提供できる。
以下、図面を参照して、この発明の一実施形態について説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係わる無線通信装置の送信系の構成を示すものである。無線通信装置は、その送信系の構成として、TPC抽出部100と、タイミング生成部200と、制御部300と、拡散部400と、送信電力制御部500と、増幅部600とを備えている。またこの無線通信装置は、図示しないが受信系の構成も備える。
TPC抽出部100は、図示しない受信RF部が受信した受信信号から、この信号に含まれるTPC(Transmit Power Control)ビットを抽出し、これを送信電力制御部500に出力する。
タイミング生成部200は、上記受信信号に基づいて、送信電力を制御するパワーコントロールタイミング(slot境界時)を示すタイミング信号を周期的に生成し、これを送信電力制御部500に出力する。
制御部300は、当該無線通信装置の各部を統括して監視・制御するものであって、例えば、HSDPA方式による送信が行われるか否かを検出し、この検出結果に応じて、拡散部400で用いるゲイン値βhs,βc,βdなどの生成、送信電力制御部500による電力制御範囲の設定、増幅部600の増幅レベルゲインの調整幅G[dB]の調整などを行う。
拡散部400は、送信データとして、Rel.99のデータチャネルDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)、Rel.99の制御チャネルDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)、HSDPA(High Speed Data Packet Access)チャネルが入力され、これらを制御部300からの指示にしたがってそれぞれ拡散符号で拡散した後、それぞれゲイン調整し、そして多重化する。拡散部400の構成例を図2に示す。この図では、6つのDPDCHを用いる場合を例に挙げている。
拡散部400は、拡散器411〜419と、乗算器421〜429と、多重部431,432と、乗算器441と、加算器442と、乗算器443とを備える。拡散器411〜419は、それぞれ対応するデータチャネルDPDCH〜DPDCH、制御チャネルDPCCH、HSDPAチャネルを、拡散符号で拡散する。この拡散結果は、それぞれ対応する乗算器421〜429により、制御部300から与えられるゲイン値βhs,βc,βdでゲイン調整される。
多重部431,432は、それぞれ対応する乗算器421〜429の出力を多重して、IチャネルとQチャネルの信号を生成する。このうち、Qチャネルの信号は、乗算器441によって、虚数単位j (j2=-1)が乗算される。この乗算結果は、加算器442にて、Iチャネルの信号と加算される。この加算結果は、乗算器443にて、当該無線通信装置に固有に割り当てられたスクランブリングコードが乗算される。このスクランブリングコードは、基地局側でユーザの識別に用いられるものと同じものである。以上によって、送信信号が生成される。
送信電力制御部500は、制御部300からの指示にしたがい、タイミング生成部200が生成するタイミングで、TPC抽出部100が抽出したTPCビットに応じて増幅部600の増幅レベルの制御を行い、その増幅レベルが制御部300から予め設定されたMAX値に到達した場合には、その旨を制御部300に通知する。
増幅部600は、送信電力制御部500の制御にしたがった増幅ゲインレベルで、拡散部400が生成した送信信号を増幅する。
次に、上記構成の無線通信装置の動作について説明する。ここでは特に、増幅部600のゲイン調整に関わる動作について説明する。図3は、この制御動作を説明するためのフローチャートであって、HSDPA通信が開始されると、制御部300および送信電力制御部500によってなされ、上記HSDPA通信が終了するまで繰り返し実行される。
ステップ3aにおいて制御部300は、送信電力制御部500からの通知に基づいて、送信電力レベルがMAX値に到達したか否かを判定する。ここで、送信電力レベルがMAX値に到達した場合には、ステップ3bに移行し、一方、送信電力レベルがMAX値に到達していない場合には、ステップ3cに移行する。
ステップ3bにおいて制御部300は、自己が備えるタイマTpcm(power control modify time)を始動(すでに始動している場合には、再始動)させ、ステップ3cに移行する。
ステップ3cにおいて制御部300は、タイマTpcmの値が予め設定したタイマ継続時間Tslotを超過したか否かを判定する。ここで、タイマTpcmの値が予め設定したタイマ継続時間Tslotを超過した場合には、ステップ3dに移行し、一方、タイマTpcmの値が予め設定したタイマ継続時間Tslotを超過していない場合には、ステップ3eに移行する。なお、ステップ3cの時点で、タイマTpcmが始動していない場合には、ステップ3dに移行する。
ステップ3dにおいて制御部300は、送信電力制御部500に対して、増幅レベルゲインの調整幅G[dB]として、通常値を設定(もしくは再設定)するとともに、ゲイン値βhs,βc,βdを、送信データに基づいて決定し、これらを拡散部400および送信電力制御部500に出力する。また制御部300は、上記決定したゲイン値βc,βdと、予め記憶する制御テーブル(図4参照)とに基づいて、リージョン番号を決定し、このリージョン番号に対応するMAX値を検出し、これを送信電力制御部500に出力して、ステップ3fに移行する。なお、通常値とは、HSDPA通信を行わない場合に用いている値であって、増加分として1[dB]、減少分として−1[dB]である。
ステップ3eにおいて制御部300は、送信電力制御部500に対して、増幅レベルゲインの調整幅G[dB]として、増加分としてX[dB](X>1)、減少分として−1[dB]を設定(もしくは再設定)するとともに、ゲイン値βhs,βc,βdを、送信データに基づいて決定し、これらを拡散部400および送信電力制御部500に出力する。また制御部300は、上記決定したゲイン値βc,βdと、予め記憶する制御テーブル(図4参照)とに基づいて、リージョン番号を決定し、このリージョン番号に対応するMAX値を検出し、これを送信電力制御部500に出力して、ステップ3fに移行する。
ステップ3fでは、ステップ3dもしくは3eにおいて制御部300から増幅レベルゲインの調整幅G[dB]を設定されたことを受けて、送信電力制御部500が、タイミング生成部200から入力されるタイミング信号を監視し、送信電力を制御するタイミングが到来したか否かを判定する。ここで、送信電力を制御するタイミングが到来した場合には、ステップ3gに移行し、送信電力を制御するタイミングが到来していない場合には、ステップ3hに移行する。
ステップ3gにおいて送信電力制御部500は、TPC抽出部100から入力されるTPCビットに基づいて、送信電力を上げるか下げるかを決定する。そして、送信電力制御部500は、上記決定に基づいて、送信電力を調整幅G[dB]だけ調整することを決定して、ステップ3hに移行する。
すなわち、ステップ3dでゲイン調整幅G[dB]が設定された場合、送信電力を上げる場合には、1[dB]だけ送信電力を上げることを決定し、一方、送信電力を下げる場合には、1[dB]だけ送信電力を下げることを決定する。そして、ステップ3eでゲイン調整幅G[dB]が設定された場合、送信電力を上げる場合には、X[dB]だけ送信電力を上げることを決定し、一方、送信電力を下げる場合には、1[dB]だけ送信電力を下げることを決定する。
ステップ3hにおいて送信電力制御部500は、ステップ3dもしくは3eにおいて設定されたゲイン値βhs,βc,βdと、現時点で増幅部600に設定しているゲインと、ステップ3gで決定した調整幅G[dB](ステップ3gを経ていない場合には、不要)とに基づいて、データチャネルDPDCH、制御チャネルDPCCH、HSDPAチャネルの送信電力の合計値を求める。
そして送信電力制御部500は、上記合計値が、ステップ3dもしくは3eにおいて設定されたMAX値以上か否かを判定する。ここで、上記合計値がMAX値以上の場合には、ステップ3iに移行し、一方、上記合計値がMAX値未満の場合には、ステップ3jに移行する。
ステップ3iにおいて送信電力制御部500は、増幅レベルがMAX値に到達した旨を制御部300に通知するとともに、上記MAX値に基づく増幅レベルで送信信号を増幅するように、増幅部600を制御する。増幅レベルの制御を行うと、その旨を制御部300に通知して、ステップ3aに移行する。
ステップ3jにおいて送信電力制御部500は、上記合計値に基づく増幅レベルで送信信号を増幅するように、増幅部600を制御する。増幅レベルの制御を行うと、その旨を制御部300に通知して、ステップ3aに移行する。
増幅レベルの制御を行った旨が通知された制御部300は、ステップ3aを実行する。
以上のように、上記構成の無線通信装置では、HSDPA通信が開始された場合、すなわち物理チャネルの多重数が増えた場合には、ゲインの増加幅を通常の1[dB]からX[dB]に増加させるようにしているので、多重数増加に伴う1チャネル当たりのパワー目減り分を早期に回復できるので、セル境界などの最大送信パワーを必要とする場所でも、安定した接続を行うことができる。
また上記構成の無線通信装置では、上述したようなゲインの増加幅を通常の1[dB]からX[dB]に増加させる制御を、送信電力が最大値に達してから所定時間Tslotの間だけ実施するようにしている。これは、最後に最大送信電力に達してから、再び最大送信電力に達するまでに、所定時間Tslot以上経過している場合には、HSDPA方式の多重が影響しているわけではなく、受信環境が改善しているために、最大送信電力での送信が不要な状態となったことが推測できるからである。
図5および図6に、上記無線通信装置による送信電力制御の一例を示す。図5は、データチャネルDPDCH、制御チャネルDPCCH、HSDPAチャネル、ACK、CQIにそれぞれ割り当てられる送信電力と、その合計値と、上限値(MAX値)との関係の時間的変化を数値で示すものであり、これをグラフ化したものを図6に示す。
時刻0でHSDPA通信が開始され、この時点から時刻1.0までの間に、最大送信電力に達しているため、ゲイン調整幅がX[dB]に設定される。その後、時刻1.0では、HSDPA方式の多重通信の開始に伴って、データチャネルDPDCH、制御チャネルDPCCHの送信電力割り当てが急減している。その後、時刻1.5〜2.0でACKの送信がなされ、この時点の上限値0.8に達している。そして、時刻2.5では、ACKに代わってCQIが送信され、これに伴って一時的に送信電力の合計値が減少するが、時刻3.0以降では、X[dB]だけゲインを増加させることにより、この時点の上限値0.8に達している。
これに対して、従来の無線通信装置による送信電力制御では、図7および図8に示すような制御が為される。すなわち、時刻3.0以降において、通常の1[dB]だけゲインを増加させる送信電力制御が為されるため、この時点の上限値0.8にすぐさま達することはなく、時刻4.0においてようやく上限値0.8に達している。
また、時刻5.0以降を比較してみても、本発明の無線通信装置では、その送信電力制御により、上限値1.0に向かい急伸しているが、従来では、通常の1[dB]だけのゲイン増加のため、その上昇は緩慢であり、上限値に達するまでに本発明より時間を要している。 すなわち、図9に示すように、本発明によれば、従来に比して、送信電力レベルを上限値に迅速に調整することができる。
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
その一例として例えば、上記実施の形態では、HSDPA方式による送信を行う場合に、図3に示すような制御を行うようにしたが、これに代わり、もしくはこれに加えて例えば、チャネルの多重数に応じて、増幅レベルゲインの調整幅G[dB]を制御するようにしてもよい。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
この発明に係わる無線通信装置の一実施形態の構成を示す回路ブロック図。 図1に示した無線通信装置の拡散部の構成を示す回路ブロック図。 図1に示した無線通信装置の動作を説明するためのフローチャート。 図1に示した無線通信装置の制御部が記憶する制御テーブルの一例を示す図。 図1に示した無線通信装置の送信電力の変動を説明するための図。 図1に示した無線通信装置の送信電力の変動を説明するための図。 従来の無線通信装置の送信電力の変動を説明するための図。 従来の無線通信装置の送信電力の変動を説明するための図。 図1に示した無線通信装置と、従来の無線通信装置の送信電力の変動を比較する図。
符号の説明
100…TPC抽出部、200…タイミング生成部、300…制御部、400…拡散部、500…送信電力制御部、600…増幅部、411〜419…拡散器、421〜429…乗算器、431,432…多重部、441…乗算器、442…加算器、443…乗算器。

Claims (3)

  1. 送信信号を増幅する増幅手段と、
    多重通信を行うか否かを検出する検出手段と、
    この検出手段が多重通信を行うことを検出しない場合には、利得調整値として第1の値を設定し、一方、前記検出手段が多重通信を行うことを検出した場合には、前記利得調整値として前記第1の値よりも大きい第2の値を設定する設定手段と、
    前記増幅手段の利得を可変する場合に、前記設定手段が設定した利得調整値だけ前記増幅手段の利得を可変する制御手段とを具備することを特徴とする無線通信装置。
  2. さらに、前記増幅手段の利得が予め設定された最大値に達しているか否かを検出する最大値検出手段と、
    この最大値検出手段が最大値に達していることを検出した場合に、時間の計測を開始する計測手段とを備え、
    前記設定手段は、前記計測手段が計測する時間が予め設定した時間を経過した場合には、前記検出手段が多重通信を行うことを検出した場合でも、前記利得調整値として前記第1の値を設定することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 送信信号を増幅する増幅手段と、
    送信信号のチャネル多重数を検出する検出手段と、
    この検出手段が検出したチャネル多重数に応じて、利得調整値を設定する設定手段と、
    前記増幅手段の利得を可変する場合に、前記設定手段が設定した利得調整値だけ前記増幅手段の利得を可変する制御手段とを具備することを特徴とする無線通信装置。
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