JP2004519152A - 無線パケットデータ通信システムにおける順方向リンクの閉ループの電力制御設定点を判断するための方法および装置 - Google Patents

無線パケットデータ通信システムにおける順方向リンクの閉ループの電力制御設定点を判断するための方法および装置 Download PDF

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Abstract

選択された専用の電力制御された順方向リンクの信号を使用して、閉ループの順方向リンクの電力制御を行うための新規で向上した方法および装置について記載されている。各選択信号の“ビット”が、1フレーム上に分布している多数の選択信号のチップで構成されているとして、“選択信号のビット誤り率(Selected Signal Bit Error Rate, SSEBR)”を推定する。さらに加えて、この方法では、各パケットごとの信号エネルギーの正規化された分散(またはC/I)を推定する。さらに加えて、平均ロックフィンガー数を使用して、電力制御設定点を判断する。
【選択図】図3

Description

【0001】
背景
I.分野
開示されている実施形態は、無線通信に関する。とくに、開示されている実施形態は、無線通信システムにおける伝送エネルギーを制御するための新規で向上した方法および装置に関する。
【0002】
II.背景
符号分割多重アクセス(code division multiple access, CDMA)変調技術は、多数のシステムユーザが存在しているときの通信を容易にするための幾つかの技術の中の1つとして使用されている。この技術では、他の多重アクセス通信システム技術、例えば時分割多重アクセス(time division multiple access, TDMA)および周波数分割多重アクセス(frequency division multiple access, FDMA)も知られている。しかしながら、CDMAのスペクトル拡散変調技術は、多重アクセス通信システムのためのこれらの変調技術よりも相当に有利である。多重アクセス通信システムにおけるCDMA技術の使用については、米国特許出願第4,901,307号(“SPREAD SPECTRUM MULTIPLE ACCESS COMMUNICATION SYSTEM USING SATELLITE OR TERRESTRIAL REPEATERS”)に開示されており、米国特許出願第4,901,307号は本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として全体的に取り上げられている。多重アクセス通信システムにおけるCDMA技術の使用については、米国特許第5,103,459号(“SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING WAVEFORMS IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)にも開示されており、米国特許第5,103,459号は本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として全体的に取り上げられている。
【0003】
CDMAでは、周波数ダイバーシティの1つの形態が、広帯域信号の本質的な性質によって、広い帯域幅上で信号エネルギーを拡散することによって得られる。したがって、周波数選択フェージングは、CDMA信号のバンド幅の小部分のみに影響を与える。空間または経路ダイバーシティは、同時リンクによって、1移動ユーザから2以上のセルサイトを通る多数の信号路を用意することによって得られる。さらに、経路ダイバーシティは、スペクトル拡散処理においてマルチパス環境を利用して、異なる伝搬遅延で到達する信号を個々に受信して処理することによって得られる。経路ダイバーシティの例は、米国特許第5,101,501号(“METHOD AND SYSTEM FOR PROVIDING A SOFT HANDOFF IN COMMUNICATIONS IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)および米国特許第5,109,390号(“DIVERSITY RECEIVER IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)に示されており、米国特許第5,101,501号および第5,109,390号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0004】
CDMAのような通信システムでは、4位相シフトキーイング(Quaternary Phase Shift Keying, QPSK)変調方式を使用して、データを供給しており、QPSK信号のI成分およびQ成分と、通信チャンネルの推定値とのクロス積をとることによって、送られているデータ信号に関する情報を得ることができる。2つの成分の相対位相を知ることによって、基地局に対する移動局の速度をおおざっぱに判断することができる。QPSK変調通信システムにおいてI成分およびQ成分とチャンネル推定値とのクロス積を判断するための回路については、米国特許第5,506,865号(“PILOT CARRIER DOT PRODUCT CIRCUIT”)に開示されており、米国特許第5,506,865号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0005】
ディジタル情報を高レートで送ることができる無線通信システムに対する要求が増えている。高レートのディジタルデータを中央基地局から加入者ユニットへ送るための1つの方法では、CDMAスペクトル拡散技術を使用して、基地局からデータを送る。1つの提案方法では、直交チャンネルの小さい組を使用して、遠隔局からデータを送り、この方法については、同時出願中の米国特許第08/886,604号(“HIGH DATA RATE CDMA WIRELESS COMMUNICATION SYSTEM”)に詳しく記載されており、米国特許第08/886,604号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0006】
電力制御は、無線通信システムに必要な要素である。通信システムにおいて移動局が電力制御する従来の方法、すなわち逆方向リンクの電力制御方法では、基地局において移動局からの受信信号の電力を監視する。基地局は、監視している電力レベルに応答して、電力制御ビットを移動局へ定期的に送る。このやり方で伝送電力を制御するための方法および装置は、米国特許第5,056,109号(“METHOD AND APPARATUS FOR CONTROLLING TRANSMISSION POWER IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)に記載されており、米国特許第5,056,109号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0007】
しかしながら、従来の電力制御方法では、高データレートシステムの順方向リンクには適用されない。従来の電力制御方法では、一般に、パイロット信号の周知の特性を使用して、チャンネル特徴を推定する。高データレートシステムの順方向リンクでは、これらの周知の特性は存在しない。高データレートシステムの順方向リンクのパイロット信号は、単一の加入者ユニットのために電力制御されることも、また、専用パイロットチャンネル上で送られることもない。
【0008】
高データレートの無線通信システムにおいて、基地局による効率的な電力制御方法、すなわち順方向リンクの効率的な電力制御方法が求められている。さらに加えて、加入者ユニットにおいて基地局からの受信信号の電力を監視し、かつ監視している電力レベルに応答して、逆方向リンク上で加入者ユニットから基地局へ電力制御ビットを定期的に送ることも求められている。
【0009】
概要
開示されている実施形態では、順方向リンクの閉ループの電力制御を行うための新規で向上した方法および装置を提示している。したがって、1つの態様では、無線通信システムにおける順方向リンクの電力制御方法には、電力制御された順方向リンクの信号を選択するステップと、選択信号のビット誤り率を計算するステップと、選択信号の分散を計算するステップと、ビット誤り率と分散とから、順方向リンクの電力制御の設定点を計算するステップとが含まれる。
【0010】
開示されている実施形態の特徴、目的、および長所は、別途記載する詳細な説明を、図面と共に参照することによって、一致する参照符号により全体的に対応して同定され、より明らかになるであろう。
【0011】
好ましい実施形態の詳細な説明
開示されている実施形態は、高データレートの無線通信システムの順方向リンクにおいて閉ループの電力制御を行うための方法を示している。このような方法は、データ信号が短いバーストでのみ存在し、したがってパケット誤り率(packet error rate, PER)またはフレーム誤り率(frame error rate, FER)を正確に推定できないときに、とくに有益である。さらに加えて、この方法により、PER(FER)の推定値がなくても、順方向リンクの設定点を正確に調節するための機構が得られるので、PER(FER)の推定値が得られると、外部ループの性能の精度を向上することもできる。開示されている実施形態では、順方向リンク上の選択された電力制御された信号のビット誤り率を推定する。さらに加えて、1パケットにおける信号エネルギーの正規化された分散(またはC/I)を推定し、また、平均ロックフィンガー数を使用して、電力制御の設定点を判断する。
【0012】
開示されている実施形態には、閉ループの電力制御システムの設定点を判断する方法が記載されている。例示的な実施形態では、この方法および装置はパケットデータ伝送システムへ適用される。パケットデータ伝送システムでは、データおよび信号をバーストで送るが、バースト伝送の間には相当な時間期間を置く。例示的な実施形態は、無線通信システムにおけるパケットデータ伝送のために最適化されたシステムに関して記載されており、これについては、1997年11月3日に出願された同時出願中の米国特許出願第08/963,386号(“METHOD AND APPARATUS FOR HIGHER RATE PACKET DATA TRANSMISSION AND APPARATUS FOR HIGHER RATE PACKET DATA TRANSMISSION”)に詳しく記載されていて、米国特許出願第08/963,386号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。開示されている実施形態を、パケットデータ伝送を送るように設計された他の提案のシステムに拡張することもでき、他の提案には、例えば、国際電気通信連合(International Telecommunications Union, ITU)への米国電気通信工業会の提案(“The cdma2000 ITU−R RTT Candidate Submission”)および国際電気通信連合(ITU)への欧州電気通信標準化協会(European Telecommunications Standard Institute)の提案(“The ETSI UMTS Terrestrial Radio Access (UTRA) ITU−R RTT Candidate Submission”)がある。
【0013】
開示されている実施形態は、データ信号が短いバーストで送られ、したがってパケット誤り率(PER)またはフレーム誤り率(FER)を正確に推定できず、順方向リンク上で、パイロット信号が電力制御されることも、また専用チャンネルをもつこともないときに、適用することができる。さらに加えて、開示されている実施形態では、PER(FER)の推定値がなくても、専用の電力制御されたパイロットチャンネルから、正確に設定点を調節するための機構を提供しているので、PER(FER)の推定値が得られるときは、本発明の実施形態を、PER(FER)の推定値と共に使用して、外部ループの性能の精度を向上することもできる。
【0014】
開示されている実施形態では、疑似するように生成された“ビット”の各々が、1フレームまたは1フレームの一部分上に分布している選択された順方向リンクの信号からの多数のチップで構成されているものとして、疑似ビットの誤り率に基づいて、順方向リンクの電力制御設定点を設定することについて記載している。例示的な実施形態では、付加的に、設定点の判断を、1パケットにおける1電力制御ビット(power control bit, PCB)当りの信号エネルギーの正規化された分散(または信号対雑音比)にしたがったり、またロックフィンガー数を用いたりして行う。これらの2つの付加的な要素を用いることによって、設定点を判断すると、チャンネル特徴(例えば、異なるドップラスペクトル)とほぼ無関係に、信号品質の良好な指標を得ることができる。したがって、これらの要素に基づいて、順方向リンクの閉ループの電力制御設定点(T)を判断することができる。
【0015】
例示的なIS−2000の実施形態では、電力制御グループ(Power Control Group, PCG)は、長さが1.25ミリ秒(millisecond, ms)、すなわち1536チップである。各順方向のPCGには、1つの電力制御ビット(power control bit, PCB)、すなわち平均の加入者ユニットの出力電力レベルを増加または低減するための命令が含まれている。20ミリ秒の1フレームにおいて、16個のPCGが、順方向電力制御サブチャンネル(Forward Power Control Sub−channel, FPSC)上を送られる。FPSCは、順方向基本チャンネル(Forward Fundamental Channel, F−FCH)または順方向専用制御チャンネル(Forward Dedicated Control Channel, F−DCCH)上のランダムな位置にパンクチャされたPCGで構成される。
【0016】
図1は、加入者ユニットにおいて閉ループの順方向リンクの電力制御命令を生成するための従来のシステムを示している。信号は、アンテナにおいて受信され、デュープレクサ122へ送られ、その後で、受信機(receiver, RCVR)100へ供給される。受信機100は、受信信号をダウンコンバートし、増幅し、フィルタにかけ、復調器(demodulator, DEMOD)102へ供給する。復調器102は、受信信号を復調する。復調器102内には、チャンネル推定値生成器(図示されていない)が構成されていて、チャンネル推定値生成器は、伝送信号に基づいて、チャンネル特徴を、送信機および受信機の両者に分かっている値を使用して推定し、本明細書ではこれを、選択された電力制御された信号(selected power controlled signal)と呼ぶ。選択された電力制御された信号は復調され、受信信号の位相のあいまいさは、受信信号とパイロット信号のチャンネル推定値とのドット積をとることによって解決される。復調された信号は、通常は、デインターリーバ(deinterleaver, DEINT)104へ供給され、デインターリーバ104は、所定の再順序付け方式にしたがって、復調された符号を再び順序付ける。
【0017】
再び順序付けられた符号は、デコーダ106へ供給される。その後で、デコードされた符号は、オプションで巡回冗長検査(cyclic redundancy check, CRC)のビット検査素子107へ供給される。CRC検査素子107は、デコードされたデータから1組のCRCビットを局所的に生成し、これらの局所的に生成されたビットを推定の受信したCRCビットと比較する。CRC検査素子107は、CRCビット検査を示す信号を制御プロセッサ110へ供給する。さらに加えて、デコーダ106は、ヤマモト測度(Yamamoto metric)または符号誤り率のような他の品質測度を制御プロセッサ110へ供給する。応答して、制御プロセッサ110は、デコードされたデータフレームか、またはフレーム消去を示す信号の何れかを出力する。
【0018】
通信システムには、公称の性能レートがある。従来のシステムでは、受信信号のフレーム誤り率に基づいて、性能を判断する。フレーム誤り率は、受信信号の平均受信信号対雑音比(signal to noise ratio, SNR)と、受信信号に関係する他の品質測度とに依存する。フレーム誤り率が、目標のフレーム誤り率よりも低いときは、電力制御設定点を下げる。逆に、フレーム誤り率が、目標のフレーム誤り率よりも高いときは、設定点を上げる。信号対雑音比の閾値を調節するための1つの方法では、フレーム消去が検出されたときは、設定点を比較的に大きい量、例えば1デシベル上げる。逆に、フレームが適切にデコードされているときは、信号対雑音比の閾値を0.01デシベル下げる。制御プロセッサ110は、設定点を比較器(comparator, COMP)112へ供給する。従来のパイロット支援形のコヒーレントな通信システムでは、パイロット信号に基づいて信号対雑音比を推定する。パイロット信号に基づいて、信号対雑音比を推定するための方法の例は、同時出願中の米国特許第5,903,554号(“METHOD AND APPARATUS FOR MEASURING LINK QUALITY IN A SPREAD SPECTRUM COMMUNICATION SYSTEM”)に開示されており、米国特許第5,903,554号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0019】
復調器102からの復調された信号は、信号対雑音比計算器(signal to noise ratio calculator, SNR CALC)108へ供給される。信号対雑音比計算器108は、復調された符号のエネルギーと、チャンネル推定値生成器(図示されていない)からの入力とに基づいて、信号エネルギーを計算する。さらに加えて、受信したバンド内エネルギーを示す信号も、信号対雑音比計算器108へ供給される。信号対雑音比計算器108は、受信信号の信号対雑音比の推定値を生成し、この推定値を比較器112へ供給する。
【0020】
比較器112では、推定の信号対雑音比を、制御プロセッサ110によって供給される電力制御ループ設定点と比較する。比較の結果を示す信号は、電力制御ビット生成器(power control bit generator, PCN GEN)114へ供給される。推定のSNRが設定点よりも低いときは、電力制御ビット生成器114は、送信機が伝送エネルギーを増加することを要求するメッセージを供給する。推定のSNRが設定点よりも高いときは、電力制御ビット生成器114は、送信機が伝送エネルギーを低減することを要求するメッセージを供給する。
【0021】
電力制御メッセージ、すなわち送信機が伝送エネルギーを所定量分、増加または低減することを要求する1ビットのメッセージを、パンクチャリング素子(puncturing element, PUNC)118へ供給する。パンクチャリング素子118は、パイロット信号生成器121からパイロット信号を受信して、電力制御メッセージを所定のやり方でパイロット信号へパンクチャする。結合器117は、電力制御データを含んでいるパイロットチャンネルを、トラヒック変調器およびウオルシュカバー素子120のトラヒックチャンネルの出力と結合する。送信機(transmitter, TMTR)116は、結合されたチャンネルをアップコンバートし、フィルタにかけ、増幅して、送信する。送信機116は、電力制御メッセージに応答して、伝送エネルギーを所定のやり方で増加または低減する。送信機116の出力は、デュープレクサ122へ供給され、アンテナによって同報通信される。
【0022】
図2には、順方向リンクの電力制御設定点を判断するための方法についての例示的な実施形態が示されている。逆方向リンク上で電力制御設定点を判断するための方法とは異なり、開示されている実施形態は、パイロットチャンネルに依存しない。逆方向リンクのパイロットチャンネルは、逆方向リンク上を送られるトラヒックがなくても、専用の電力制御されたチャンネルであるので、逆方向リンク上で電力制御設定点を判断するときは、パイロットチャンネルに依存してもよい。順方向リンクのパイロット信号は、符号分割多重化(Code Division Multiplexed, CDM)方式では、共用され、また電力制御されることを保証されないので、開示されている実施形態では、他の順方向リンク信号の新規な使用を用いている。開示されている実施形態では、加入者ユニットのチャンネル状態に基づいて電力制御される符号、チャンネル、または信号を用いている。IS2000またはWCDMAシステムでは、パイロットチャンネルが、特定の加入者ユニットごとに専用で電力制御されるときは、パイロットチャンネル信号を用いてもよい。当業者には、図2に示されているステップの順序が限定的でないことが分かるであろう。この方法は、開示されている実施形態の技術的範囲から逸脱することなく、図2に示されているステップを省くか、または再び順序付けることによって、容易に変更することができる。開示されている実施形態は、CDMA電話に関連付けて記載されている。しかしながら、開示されている実施形態は、他の変調技術に等しく適用することができる。
【0023】
ステップ200では、選択された電力制御された順方向リンクの信号のビット誤り率を計算する。選択信号は、専用の電力制御される順方向リンクの信号である。例示的な実施形態では、FPSCは選択信号である。当業者には、開示されている実施形態が、他の順方向リンクの専用の電力制御されたチャンネル構造、例えばWCDMAにおける専用のパイロット符号に等しく適用可能であることが容易に分かるであろう。
【0024】
例示的な実施形態では、FPSCは、F−FCHまたはF−DCCHへパンクチャされる。FPSCは、加入者ユニットへの電力制御のフィードバック命令、すなわちPCBで構成されていて、加入者ユニットが出力電力を増加または低減することを命令するものである。電力制御命令が加入者ユニットによって正確に受信されるために、パンクチャされたPCBも電力制御される。順方向リンクのPCBは、トラヒックの存在とは無関係に、F−FCHまたはF−DCCHへパンクチャされる。トラヒックがF−FCHまたはF−DCCH上に存在しないときは、逆方向リンクの伝送電力を正しいレベルに維持するために、FPSCを送り続ける。FPSCへパンクチャされるPCBについての記載されている特徴のために、受信したPCBを用いて、ビット誤りおよび分散の測度を加入者ユニットにおいて生成する。
【0025】
選択信号のビット誤り率を計算するために、実際のビットか、または選択信号のサンプルセグメントから生成される疑似“ビット”を、振幅または記号の閾値と比較する。選択信号のビット誤り率(selected Signal Bit Error Rate, SSBER)は、ビットグループ内の消去数を、ビットグループ内の総ビット数によって除算することによって計算される。Nをビットグループ内の総ビット数として、これを式(1)に示す。
SSBER=(Nビットのグループ内の消去数)/(N) (1)
N(1グループ当りの総ビット数)、T(比較閾値レベル)、および信号サンプル長は、システム設計のパラメータである。疑似ビットと、対応する代理ビットの誤り率とを生成するための方法の例は、同時出願中の米国特許出願第09/438,988号(“METHOD AND APPARATUS FOR MONITORING TRANSMISSION QUALITY”)に開示されており、米国特許出願第09/438,988号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。IS2000またはWCDMAシステムにおいて、パイロットチャンネルが加入者局ごとに専用で電力制御されているときは、SSBERをパイロットチャンネル信号から生成することができる。パイロットのビット誤り率を生成するための方法の例は、同時出願中の米国特許出願第09/370,081号(“METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING THE CLOSED LOOP POWER CONTROL SET POINT IN A WIRELESS PACKET DATA COMMUNICATIONS SYSTEM”)に開示されており、米国特許出願第09/370,081号は、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0026】
例示的な実施形態では、FPSCごとにSSBERを計算する。PCBに対する正しい振幅値は、1および−1である。追加の雑音により、受信振幅値が記号を変更するときに、PCBの誤差が生じる。PCBの誤差は、絶対振幅の閾値(T)を設定して、受信したPCBの絶対振幅値をその閾値と比較することによって判断される。受信したPCBの絶対振幅値が閾値よりも低いとき、すなわち、Aをビット誤差(A=1,2,3....N)として、
|A|<T (2)
であるときは、受信したPCBには、消去、すなわちビット誤差が含まれる。
別の実施形態では、受信したPCBの一部分の記号を、PCB全体の記号と比較する。SSBERが計算されているときは、制御フローはステップ202へ進む。
【0027】
ステップ202では、正規化された信号分散を計算する。SSBERは、フレーム誤り率と関係している一方で、ビークルの速度と他のチャンネル特徴との関数でもある。例示的な実施形態では、別途記載するように、受信信号電力の正規化された分散またはC/Iを使用することによって、ビークルの速度の効果を補償するための方法が記載されている。
【0028】
例示的な実施形態では、順方向リンクの閉ループの電力制御命令は、毎秒800回送られる。すなわち、20ミリ秒ごとに、16個のPCBが送られる。例示的な実施形態において、正規化された信号電力の分散は、式(3)として定められている。
【0029】
【数1】
Figure 2004519152
【0030】
SSBERと正規化された信号分散とは、ビークルの速度に対して異なる傾向を有することが示されている。したがって、これらの2つの量の線形の組合せ、すなわちSSBER+αρを構成することができ、これはビークルの速度とは無関係にほぼ一定である。実際には、pおよびpの平均の推定値は、単極ローパスフィルタへこれらの推定値を通すことによって計算することができ、これらを式(3)および(4)として定める。
【0031】
【数2】
Figure 2004519152
【0032】
ステップ204では、ロックフィンガー数を計算する。レーキ受信の処理において、各復調されたフィンガーの信号強度を計算する。レーキ受信機がフィンガーをソフト結合するには、信号強度は閾値を越えていなければならない。フィンガーがソフト結合されるのに十分であるとき、フィンガーは“ロック”しているといわれる。改良形の実施形態では、平均ロックフィンガー数(N)の関数を設定点にすることによって、多数のフィンガーの影響は補償される。例示的な実施形態では、各PCGごとに、フィンガーがロックしているかどうかについての判断を行う。例示的な実施形態では、平均ロックフィンガー数は、フレーム内の各PCGにおけるロックフィンガー数を加算し、1フレーム内のPCG数によって除算することによって計算される。制御フローはステップ206へ進む。
【0033】
ステップ206では、設定点を計算する。設定点を計算する第1のステップでは、上述の3つの係数の関数である測度(η)を生成する。例示的な実施形態では、Nの線形関数である項、すなわちフィンガー数を追加することによって、SSBERの測度を修正し、これは非常に適切に働く。例示的な実施形態では、式(6)にしたがって測度(η)を生成する。
η(n)=SSBER(n−1)+αρ(n−1)+α(n−1) (6)
なお、例示的な実施形態では、η(n)は、現在の(n番目の)フレームの測度であり、SSBER(n−1)は、前の((n−1)番目)フレームにおける選択信号のビット誤り率であり、ρ(n−1)は、前の((n−1)番目)フレームにおける選択信号の分散であり、N(n−1)は、前のフレームのロックフィンガー数であり、αおよびαはスケーリング係数である。
【0034】
フレーム誤り率についての統計値を累算することによって、外部ループの閾値を向上することができる。現在のフレームの誤り(ε(n))は、式(7)、
ε(n)=η(n)−C (7)
にしたがって計算される。現在のフレームの設定点(T(n))は、式(8)、
T(n)=T(n−1)+Δε(n) (8)
にしたがって変更される。
【0035】
図3は、外部ループの設定点を判断するための装置の例示的な実施形態を示している。選択信号は、アンテナにおいて受信され、デュープレクサ330へ送られ、その後で、受信機(receiver, RCVR)300へ供給される。受信機300は、受信信号をダウンコンバートし、増幅し、フィルタにかける。例示的な実施形態では、受信機300は、4位相シフトキーイング(quaternary phase shift keying, QPSK)方式にしたがって受信信号をダウンコンバートし、生成された同相成分および直角位相成分を測度計算器302へ供給する。例示的な実施形態では、受信機システムによって復調された各フィンガーごとに、別々の測度計算器302が用意されている。
【0036】
各測度計算器302において、選択信号復調器304では、受信した選択信号の符号流を復調して、受信した選択信号の符号の推定値を求め、それらの復調された符号をフィンガー結合器310へ供給する。各測度計算器302において、選択信号のエネルギーの計算器306では、受信した選択信号の符号のエネルギーを計算して、測定されたエネルギーをフィンガー結合器310へ供給する。さらに加えて、各測度計算器302において、ロック検出器308では、測度計算器302の対応するフィンガーがロックしているかどうかを判断する。CDMA通信システムにおけるダイバーシティ受信は、この技術においてよく知られており、上述の米国特許第5,109,390号に詳しく記載されている。
【0037】
フィンガー結合器310は、選択信号復調器304からの復調された選択信号の符号のエネルギーを加算し、選択信号のエネルギーの計算器306の各々からの選択信号のエネルギーを加算し、かつロックしていると判断されたフィンガー数を加算して、ロックフィンガー数の値Nを供給する。
【0038】
結合された選択信号の符号は、オプションのサンプラー312へ供給される。サンプラー312は、復調された選択信号の符号流をデシメート(decimate)して、復調された選択信号の符号流をデシメートしたものを誤り検出器314へ供給する。受信機には伝送符号値が分かっているので、誤りを検出することには、受信した選択信号の符号の推定値をデシメートしたものか、または完全な状態のものを、予測の選択信号の符号系列と比較することが含まれる。例示的な実施形態では、選択されたFPSCの符号が+1のときは、振幅が正であることを表わし、−1のときは、振幅が負であることを表わす。したがって、選択されたFPSCの符号を復調したものが、1と−1の閾値範囲外の振幅値であるときは、誤り検出器314は、選択信号のビット誤りを宣言する。検出された選択信号のビット誤り率(selected signal bit error rate, SSBER)は、設定点計算器316へ供給される。
【0039】
結合された選択信号の符号のエネルギーp(n)は、選択信号の分散の計算器315へ供給され、選択信号の分散の計算器315では、上述の式(3)ないし(5)に記載されているように、正規化された信号の分散ρ(n)を計算し、その結果を設定点計算器316へ供給する。
【0040】
各測度計算器302は、その測度計算器に割り当てられているフィンガーが、そのスロット中にロックしているかどうかについて示す信号を供給する。フィンガー結合器310は、各フィンガーがロック状態であるスロット数を加算して、その和を、1フレーム内のスロット数によって除算し、平均ロックフィンガー数Nを供給する。フィンガー結合器310は、値Nを示す信号を、設定点計算器316へ供給する。
【0041】
例示的な実施形態では、設定点計算器316は、上述の式(6)ないし(8)にしたがって設定点(T)を判断する。設定点計算器316は、設定点(T)を比較器320へ供給する。受信機300は、ベースバンドサンプルを信号対雑音比計算器318へ供給する。この技術では、信号対雑音比を推定するための多数のやり方が知られている。雑音のエネルギーを推定するための簡単な方法では、全てのバンド内エネルギーが雑音であると仮定する。受信機300には、一般に、自動利得制御デバイス(図示されていない)が構成されていて、バンド内エネルギーは、一般に、自動利得制御デバイスによる受信信号の規準化に基づいて推定することができる。信号エネルギーは、復調されたトラヒックまたはパイロット符号のエネルギーに基づいて推定することができる。信号対雑音比を推定するための多数の方法については、1999年5月11日に発行された同時出願の米国特許第5,903,554号(“METHOD AND APPARATUS FOR MEASURING LINK QUALITY IN A SPREAD SPECTRUM COMMUNICATION SYSTEM”)に開示されており、米国特許第5,903,554号には、本発明の譲受人に譲渡され、本明細書では参考文献として取り上げられている。
【0042】
推定の信号対雑音比は、比較器320へ供給される。比較器320では、推定の信号対雑音比を閾値(T)と比較する。この比較にしたがって、送信機が伝送エネルギーを増加するか、または低減するかを要求する電力制御命令を判断する。比較の結果は、電力制御ビット生成器(power control bit generator, PCB GEN)322へ供給される。推定の信号対雑音比が閾値(T)を越えているときは、電力制御ビット生成器322は、遠隔局が伝送エネルギーを低減することを要求するメッセージを供給する。対照的に、推定の信号対雑音比が閾値(T)よりも低いときは、電力制御ビット生成器322は、遠隔局が伝送エネルギーを増加することを要求するメッセージを供給する。
【0043】
電力制御ビット生成器322からの電力制御命令は、マルチプレクサ(multiplexer, MUX)324へ供給される。例示的な実施形態では、上述の同時出願の米国出願第08/963,386号に記載されているように、電力制御命令はトラックデータで時分割多重化される。電力制御命令が伝送データフレームへ時分割多重化されるシステムが例示されているが、当業者には、本発明が、電力制御ビットが伝送信号へパンクチャされる通信システム、例えばcama2000またはWCDMAの提案されているシステムへ等しく応用できることが分かるであろう。
【0044】
多重化されたデータフレームは変調器(modulator, MOD)326によって変調される。例示的な実施形態では、変調は、スペクトル拡散通信信号である。次に、変調された符号は送信機(transmitter, TMTR)328へ供給される。送信機328は、信号をアップコンバートして、増幅して、フィルタにかけて、送信する。送信機328の出力は、デュープレクサ330へ供給され、アンテナによって同報通信される。
【0045】
図4は、測度計算器302の拡張された機能ブロック図についての例示的な実施形態を示している。既に記載したように、受信機(receiver, RCVR)300は、受信した逆方向リンクのRF信号をベースバンド周波数へダウンコンバートし、IおよびQのベースバンド信号を生成する。例示的な実施形態では、この技術においてよく知られている方法によって、同相のPN系列と直角位相のPN系列とを使用して、受信信号を複合PN拡散する。この方法については、上述の米国特許出願第08/886,604号に詳しく記載されている。逆拡散器510および514は、PN系列を使用して、I信号およびQ信号を逆拡散する。同様に、逆拡散器512および516は、PN系列を使用して、I信号およびQ信号を逆拡散する。結合器518では、逆拡散器510の出力と514の出力とを結合する。結合器520では、逆拡散器512の出力から、逆拡散器516の出力を差し引く。
【0046】
結合器518および520の各出力は、ウオルシュデカバー(図示されていない)によってウオルシュカバーを取去られ、アキュムレータ530および532によって加算される。アキュムレータ530および532の出力は、選択信号の短期間の和である。アキュムレータ530の出力は遅延素子(delay element, D)531へ供給され、アキュムレータ532の出力は遅延素子(delay element, D)533へ供給される。遅延素子531および533は、選択信号フィルタ534および536がフィルタリング処理を行なった結果、フィルタにかけた選択信号に加わった遅延を等化するために用意されている。さらに加えて、フィルタリングに有限インパルス応答フィルタ(Finite Impulse Response, FIR)フィルタを使用するときに、遅延素子531および533は、FIRフィルタを中心に置く。さらに加えて、結合器518の出力はアキュムレータ526によって加算され、結合器520出力はアキュムレータ528によって加算される。アキュムレータ526および528の出力は、選択信号の長期間の和である。比較閾値が固定されている実施形態では、長期間の和は必要なく、素子526、528、534、および536を削除してもよい。アキュムレータ526の出力は選択信号フィルタ534へ供給され、アキュムレータ528の出力は、選択信号フィルタ536へ供給される。選択信号フィルタ534および536は、選択信号のデータの推定電力および位相を判断することによってチャンネル状態の推定値を生成する。選択信号フィルタ534の出力、選択信号フィルタ536の出力、遅延素子531の出力を二乗して加算したもの、および遅延素子533の出力を二乗して加算したものは、閾値比較器560へ入力され、閾値比較器560は復調されたFPSC符号と、予測PCB値の固定閾値とを比較する。例示的な実施形態では、閾値比較器560は、PCBの記号の決定か、またはPCBの消去指標を出力する。閾値が固定されていない別の実施形態では、閾値比較器560内の固定値ではなく、むしろ選択信号フィルタ534および536の長期間の和の出力によって、閾値を得る。
【0047】
さらに加えて、選択信号フィルタ534および536の出力は、デシメータ(decimator, DEC)552へ供給される。例示的な実施形態では、選択信号フィルタ534および536は、移動平均フィルタであり、1PCBまたは1PCBの一部における受信した選択信号の符号の振幅の平均をとる。デシメータ(decimator, DEC)552は、PCBの範囲において選択信号フィルタ534および536の出力をサンプル取りし、フレーム内の各PCBにおける平均符号振幅を供給する。
【0048】
フレーム内の各PCBにおける平均符号振幅は、エネルギー計算機(I+Q)554へ供給される。エネルギー計算器554は、選択信号フィルタ534および536からのサンプルの振幅の二乗を加算して、生成されたエネルギー値をアキュムレータ(accumulator, ACC)559へ供給する。アキュムレータ559は、1フレームの継続期間の間、PCBのエネルギーを累算し、累算されたフレームエネルギーを設定点計算器316へ出力する。さらに加えて、エネルギー計算器554からの平均のPCBエネルギー値を、ローパスフィルタ(low pass filter, LPF)556へ供給する。例示的な実施形態では、ローパスフィルター556は、多数のPCBにおいて平均の選択信号の符号のエネルギーを計算して、この値を比較器558へ供給する。比較器558は、平均選択信号の符号のエネルギーを閾値と比較して、この比較に基づいて、フィンガーがロックしているかどうかを判断する。比較器558は、比較結果をフィンガー結合器310へ出力する。当業者には、フィンガーがロックしているかどうかを判断するための、本明細書に提示されている方法には種々の変更形があり、提示されている方法は例示的に示されていることが分かるであろう。
【0049】
図5には、正規化された信号分散計算器315についての例示的な実施形態が示されている。1つの実施形態では、各選択信号のエネルギー計算器306のアキュムレータ(accumulator, ACC)559からの選択信号の符号のエネルギーは、フィンガー結合器310において加算され、ローパスフィルタ(low pass filter, LPS)560および二乗素子562へ供給される。
【0050】
【数3】
Figure 2004519152
【0051】
ローパスフィルタ563も、エネルギーの二乗の平均を、除算素子566の分子の入力へ供給する。除算素子566は、加算器565からの和を、ローパスフィルタ563からのエネルギーの二乗の平均によって除算する。除算結果は、平方根素子567へ供給され、平方根素子567では、除算素子566によって行われた除算の平方根を計算する。例示的な実施形態では、ルックアップテーブルによって、平方根を計算する。当業者には、平方根の値を判断するための他の方法が既知のものであり、かつその方法を、応用の技術的範囲から逸脱することなく、開示されている実施形態に適用できることが分かるであろう。
【0052】
他の例示的な実施形態では、多数の正規化された信号分散計算器315によって生成される多数の分散値から、平均分散を計算する。例えば、選択信号がFPSCであるときは、2つの正規化された信号分散計算器315を使用する。第1の正規化された信号分散計算器315は、+1の値のPCBの分散を計算し、第2の正規化された信号分散器315は、−1の値のPCBの分散を計算する。FPSCの信号の平均分散は、2つの個別に求められる分散値から計算される。
【0053】
以上では、無線パケットデータ通信システムにおける順方向リンクの閉ループの電力制御設定点を判断するための新規で向上した方法および装置を記載した。当業者は、本明細書に開示されている実施形態と関連して記載されている種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップが、電子ハードウエア、コンピュータソフトウエア、またはこれらの両者の組合せとして構成されることが分かるであろう。種々の例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、それらの機能に関して概ね記載されている。機能がハードウエアとして構成されるか、またはソフトウエアとして構成されるかは、全体的なシステムに課せられた特定の応用および設計の制約に依存する。熟練した職人には、これらの環境下におけるハードウエアまたはソフトウエアの互換性、および各特定の応用についての記載されている機能を実行することがどのくらい最良であるかが分かるであろう。例として、本明細書に開示されている実施形態に関連して記載した種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、ディジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP);特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC);フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array, FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス;ディスクリートのゲートまたはトランジスタ論理;ディスクリートのハードウエア構成要素、例えばレジスタおよびFIFO;1組のファームウエアの命令を実行するプロセッサ;従来のプログラマブルソフトウエアモジュールおよびプロセッサ;あるいはその組み合わせで構成または実行される。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、その代わりに、従来のプロセッサ、制御装置、マイクロプロセッサ、または状態機械であってもよい。ソフトウエアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、取り外し可能なディスク、CD−ROM、またはこの技術において知られている他の形態の記憶媒体内にあるであろう。さらに加えて、当業者には、上述で全体的に参照したデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、符号、およびチップが、電圧、電流、電磁波、磁界または磁粒、光のフィールドまたは粒子、あるいはその組み合わせによって表わされることが分かるであろう。
【0054】
好ましい実施形態についてのこれまでの記載は、この技術において普通の技能をもつ者が、開示されている実施形態を作成または使用できるようにするために与えられている。当業者には、これらの実施形態に対する種々の変更が容易に分かり、かつ本明細書に定義されている全体的な原理を、発明の能力を使用せずに他の実施形態に応用してもよい。したがって、開示されている実施形態は、本明細書に示されている実施形態に制限されることを意図されていないが、本明細書に開示されている原理および新規な特徴に一致する最も幅広い範囲にしたがうことを意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】閉ループの電力制御システムのブロック図。
【図2】閉ループの設定点を判断するための方法を示すフローチャート。
【図3】閉ループの電力制御命令を生成するための装置を示すブロック図。
【図4】閉ループの設定点を判断する際に使用される測度を生成するための方法を示すブロック図。
【図5】閉ループの設定点を判断するための正規化された信号分散を計算するための例示的な装置を示すブロック図。

Claims (41)

  1. 無線通信システムにおける順方向リンクの電力制御方法であって、
    電力制御された順方向リンクの信号を選択することと、
    選択信号のビット誤り率を計算することと、
    選択信号の分散を計算することと、
    ビット誤り率と分散とから、順方向リンクの電力制御設定点を計算することとが含まれている方法。
  2. 選択信号が、順方向リンクの電力制御サブチャンネルである請求項1記載の方法。
  3. 平均ロックフィンガー数を計算することと、ロックフィンガー数から、順方向リンクの電力制御設定点を計算することとがさらに含まれる請求項1記載の方法。
  4. 電力制御された順方向リンクの信号を選択するための手段と、
    選択信号のビット誤り率を計算するための手段と、
    選択信号の分散を計算するための手段と、
    ビット誤り率と分散とから、順方向リンクの電力制御設定点を計算するための手段とが構成されている無線通信受信機。
  5. 平均ロックフィンガー数を計算するための手段がさらに構成されている請求項4記載の無線通信受信機。
  6. 信号を選択するための手段が、順方向リンクの電力制御サブチャンネルの信号を選択する請求項4記載の無線通信受信機。
  7. 受信機には、加入者ユニットが含まれる請求項4記載の無線通信受信機。
  8. 無線通信受信機であって、
    電力制御された順方向リンクの信号を選択するための選択装置と、
    選択信号のビット誤り率を計算するための計算器と、
    選択信号の分散を計算するための分散計算器と、
    ビット誤り率と分散とから、順方向リンクの電力制御設定点を計算するための計算器とが構成されている無線通信受信機。
  9. 信号を選択するための選択装置が、順方向リンクの電力制御サブチャンネル信号を選択する請求項8記載の無線通信受信機。
  10. 平均ロックフィンガー数を計算するためのロック検出器がさらに構成されている請求項8記載の無線通信受信機。
  11. 順方向リンクの閉ループの電力命令を生成するための装置であって、
    選択された順方向リンクの電力制御された信号を復調するための信号復調器と、
    選択信号のエネルギーを計算するための信号エネルギー計算器と、
    ロックしている受信機フィンガー数を検出するためのロック検出器と、
    選択信号の分散を判断するための信号分散計算器と、
    順方向リンクの電力制御設定点を判断するための設定点計算器とが構成されている装置。
  12. 順方向リンクの電力制御設定点を判断するための装置であって、
    選択された順方向リンクの信号のビット誤り率を計算するための計算器と、
    選択信号のビット誤り率にしたがって、順方向リンクの電力制御設定点を計算するための計算器とが構成されている装置。
  13. 選択信号のビット誤り率を計算するための計算器には、
    受信した選択信号の符号を復調するための選択信号の符号の復調器と、
    復調された選択信号の符号と所定の符号系列とを比較するための比較器とが構成されている請求項12記載の装置。
  14. 選択信号のビット誤り率を計算するための計算器には、
    少なくとも1つのチャンネル特徴を判断するためのチャンネル解析器と、
    選択信号のビット誤り率と少なくとも1つのチャンネル特徴とにしたがって、順方向リンクの電力制御設定点を計算するための電力制御設定点計算器とがさらに構成されている請求項12記載の装置。
  15. 選択信号復調器には、
    受信した選択信号の符号にしたがってチャンネル推定値を生成するためのチャンネル推定器と、
    チャンネル推定値と、受信した選択信号の符号とのドット積を計算するためのドット積回路とが構成されている請求項12記載の装置。
  16. チャンネル推定器が、
    所定数の選択信号の符号を累算するためのウオルシュ加算器と、
    累算された選択信号の符号をローパスフィルタにかけるための選択信号フィルタとが構成されている請求項15記載の装置。
  17. 選択信号復調器には、
    複合PN逆拡散方式にしたがって、受信信号を復調するための複合PN復調器と、
    複合PN復調された選択信号を逆拡散するための逆拡散手段と、
    複合PN復調された信号を逆拡散し、かつ逆拡散された信号をフィルタにかけるためのチャンネル推定器と、
    逆拡散された信号とチャンネル推定値とのドット積を計算して、復調された選択信号の符号を求めるためのドット積回路とが構成されている請求項11記載の装置。
  18. 選択符号復調器には、
    各選択信号復調器がダイバーシティ受信機の対応するフィンガーを復調して、選択信号の符号のエネルギーを供給する、複数の選択信号復調器と、
    選択信号の符号のエネルギーを受信し、かつ選択信号の符号のエネルギーを結合するための結合器とが構成されている請求項13記載の装置。
  19. 順方向リンクの電力制御設定点を判断するための装置であって、
    選択信号の分散を判断するための信号分散計算器がさらに構成されていて、
    順方向リンクの電力制御設定点を判断するための装置が、選択信号の分散にしたがって判断する請求項12記載の装置。
  20. 選択信号の分散を判断するための信号分散計算器が、
    復調された選択信号の符号のエネルギーを計算するための選択信号の符号のエネルギーの計算器と、
    選択信号の符号のエネルギーの分散を計算するための分散計算器とが構成されている請求項19記載の装置。
  21. 選択信号の分散を判断するための信号分散計算器には、
    選択信号の符号のエネルギーの計算器の各々が、ダイバーシティ受信機の対応するフィンガーの復調された選択信号の符号のエネルギーを計算する、複数の選択信号の符号のエネルギーの計算器と、
    選択信号の符号のエネルギーを結合するための結合器と、
    復調された選択信号の符号のエネルギーを結合したものの分散を計算するための分散計算器とが構成されている請求項19記載の装置。
  22. 分散計算器には、
    復調された選択信号の符号のエネルギーを受信して、選択信号の符号のエネルギーをフィルタにかけるための第1のフィルタと、
    復調された選択信号の符号のエネルギーをフィルタにかけたものを受信して、復調された選択符号のエネルギーをフィルタにかけたものを二乗して、選択符号のエネルギーの平均の二乗を求めるための第1の二乗乗算器と、
    復調された選択信号の符号のエネルギーを受信して、選択信号の符号のエネルギーを二乗するための第2の二乗乗算器と
    復調された選択信号の符号の二乗を受信して、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均を求めるための第2のフィルタと、
    選択符号のエネルギーの平均の二乗と選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均とを受信して、選択信号の符号のエネルギーの平均の二乗と選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均とを加算するための加算器と、
    選択信号の符号のエネルギーの平均の二乗と選択符号のエネルギーの二乗の平均との和と、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均とを受信して、選択信号の符号のエネルギーの平均の二乗と選択符号のエネルギーの二乗の平均との和を、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均によって除算するための除算器とが構成されている請求項20記載の装置。
  23. 順方向リンクの電力制御設定点を計算するための計算器が、選択信号の分散と選択信号の符号の誤り率との線形の組合せにしたがって、設定点を計算する請求項19記載の装置。
  24. 順方向リンクの電力制御設定点を判断するための装置には、
    平均ロックフィンガー数を計算するためのロック検出器がさらに構成されていて、
    順方向リンクの電力制御設定点を計算するための装置が、平均ロックフィンガー数にしたがって計算を行う請求項19記載の装置。
  25. 少なくとも2つの順方向リンクチャンネルが伝送される第1の通信デバイスであって、通信サービス時間の大半において、伝送されるのが第1の順方向リンクチャンネルであって、残りの順方向リンクチャンネルではない第1の通信デバイスにおいて、少なくとも2つのチャンネルの受信機において順方向リンクの電力制御設定点を判断するための方法には、
    受信信号の第1の順方向リンクチャンネルを復調することと、
    受信信号の残りの順方向リンクチャンネルを復調することと、
    復調された第1の順方向リンクチャンネルにしたがって、順方向リンクの電力制御設定点を判断することとが含まれる方法。
  26. 第1の順方向リンクチャンネルが、順方向の電力制御サブチャンネルである請求項25記載の方法。
  27. 残りの順方向リンクチャンネルには、順方向基本伝送チャンネルが含まれる請求項25記載の方法。
  28. 残りの順方向リンクのチャンネルには、順方向の専用制御伝送チャンネルが含まれる請求項25記載の方法。
  29. 第1の通信デバイスは基地局であり、第2の通信デバイスは加入者ユニットである請求項25記載の方法。
  30. 順方向リンクの電力制御設定点を判断することには、
    選択信号のビット誤り率を計算することと、
    選択信号のビット誤り率にしたがって、電力制御設定点を計算することとが含まれる請求項25記載の方法。
  31. 選択信号のビット誤り率を計算することには、
    受信した選択信号の符号を復調することと、
    復調された選択信号の符号を、所定の選択信号の符号系列と比較することとが含まれる請求項30記載の方法。
  32. 選択信号のビット誤り率を計算することには、
    少なくとも1つのチャンネル特徴を判断することがさらに含まれ、
    順方向リンクの電力制御設定点の計算において、選択信号のビット誤り率と少なくとも1つのチャンネル特徴とにしたがって、順方向リンクの電力制御設定点を計算する請求項30記載の方法。
  33. 少なくとも1つの順方向リンクのチャンネル特徴には、第1の通信デバイスと第2の通信デバイスとの間の相対的な速度が含まれる請求項32記載の方法。
  34. 選択信号の符号を復調することには、
    受信した選択信号の符号にしたがってチャンネル推定値を生成することと、
    チャンネル推定値と受信した選択信号の符号とのドット積を計算することとが含まれる請求項31記載の方法。
  35. チャンネル推定値を生成することには、
    所定数の選択信号の符号を累算することと、
    累算された選択信号の符号をローパスフィルタにかけることとが含まれる請求項34記載の方法。
  36. 選択信号の符号を復調することには、
    複合PN逆拡散方式にしたがって受信信号を復調することと、
    複合PN復調された信号を逆拡散することと、
    複合PN復調された信号を逆拡散して、逆拡散された信号をフィルタにかけることと、
    逆拡散された信号とチャンネル推定値とのドット積を計算して、復調された選択信号の符号を求めることとが含まれる請求項34記載の方法。
  37. 選択信号の符号を復調することには、
    複数の選択信号の各々がダイバーシティ受信機のフィンガーに対応する、複数の選択信号を復調することと、
    復調から生成される選択信号の符号のエネルギーを結合することとが含まれる請求項34記載の方法。
  38. 順方向リンクの電力制御設定点を判断することには、
    選択信号の分散を判断することがさらに含まれ、
    順方向リンクの電力制御設定点の計算には、選択信号の分散にしたがって計算することが含まれる請求項33記載の方法。
  39. 選択信号の分散を判断することには、
    復調された選択信号の符号のエネルギーを計算することと、
    復調された選択信号の符号のエネルギーの分散を計算することとが含まれる請求項38記載の方法。
  40. 選択信号の分散を判断することには、
    選択信号の符号のエネルギーの各々がダイバーシティ受信機のフィンガーに対応する、複数の選択信号の符号のエネルギーを計算することと、
    選択信号の符号のエネルギーを結合することと、
    復調された選択信号の符号のエネルギーを結合したものの分散を計算することとが含まれる請求項38記載の方法。
  41. 結合されたエネルギーの分散を計算することには、
    選択信号の符号のエネルギーをフィルタにかけることと、
    復調された選択信号の符号のエネルギーをフィルタにかけたものを二乗して、選択信号の符号のエネルギーの平均の二乗を求めることと、
    選択符号のエネルギーを二乗することと、
    復調された選択信号の符号の二乗をフィルタにかけて、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均を求めることと、
    選択信号の符号のエネルギーの平均の二乗と、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均とを加算することと、
    選択信号の符号のエネルギーの平均の二乗と、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均との和を、選択信号の符号のエネルギーの二乗の平均によって除算することとが含まれる請求項40記載の方法。
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