JP2008066963A - 撮影支援システム、カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影者が特定の被写体を探して撮影する際に、その被写体の位置情報を提供して撮影者を支援する。
【解決手段】施設内に設置されたICタグ受信機102の上を被写体が通過すると、ICタグ受信機102は、被写体が所持するICタグ101から無線通信によりタグ情報を読み込む。制御装置104は、そのタグ情報からICタグ101を所持する被写体の所在位置を特定してカメラ103に送信する。カメラ103は、被写体の相対位置を算出して被写体の位置情報をファインダ内に表示し撮影者に提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラを用いて撮影を行う際に撮影者を支援するシステムに関する。
被写体を検出して撮影を行うシステムが従来より知られている。たとえば特許文献1に開示される自動撮影システムでは、ユーザに関する情報を格納した無線タグを各ユーザに配布しておき、各撮影スポットに設置された撮影ユニットは、ユーザが所持する無線タグを検出した場合には、ユーザの画像を撮影する。
特開2005−99439号公報
特許文献1に開示されるような従来の自動撮影システムは、テーマパークや遊園地等の娯楽施設内の撮影スポットにおける自動撮影に用いられるものであるため、たとえば運動会で親が自分の子供を撮影する場合のように、撮影者が特定の被写体を探して撮影する状況での使用には適していない。したがって、撮影者が特定の被写体を探して撮影する際に撮影者を支援する撮影支援システムが求められている。
請求項1の発明による撮影支援システムは、1または2以上の被写体によってそれぞれ所持され、各々が固有の識別情報を送信する単数または複数の送信手段と、被写体を撮影するためのカメラとを備え、送信手段から送信される識別情報に基づいて求められるカメラに対する被写体の相対位置に基づいて、カメラにより被写体の位置情報を撮影者に提供するものである。
請求項2の発明は、請求項1の撮影支援システムにおいて、施設内にそれぞれ設置され、送信手段から送信される識別情報を受信する複数の受信手段と、受信手段により受信された識別情報とその識別情報を受信した受信手段の設置位置とに基づいて、施設内における被写体の所在位置を特定する被写体位置特定手段と、施設内におけるカメラの所在位置を特定するカメラ位置特定手段と、被写体位置特定手段により特定された被写体の所在位置とカメラ位置特定手段により特定されたカメラの所在位置とに基づいて、カメラに対する被写体の相対位置を求める相対位置算出手段とをさらに備えるものである。
請求項3の発明は、請求項2の撮影支援システムにおいて、送信手段は、さらに撮影者によって所持され、カメラ位置特定手段は、撮影者によって所持された送信手段から送信されて受信手段により受信された識別情報と、その識別情報を受信した受信手段の設置位置とに基づいて、施設内におけるカメラの所在位置を特定するものである。
請求項4の発明は、請求項2または3の撮影支援システムにおいて、カメラは、被写体が撮影範囲内にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて、撮影者に提供する被写体の位置情報を変化させることとするものである。
請求項5の発明は、請求項4の撮影支援システムにおいて、被写体が撮影範囲内にあると判定した場合、カメラは、その撮影範囲内における被写体の位置を表示することにより、被写体の位置情報を撮影者に提供するものである。
請求項6の発明は、請求項5の撮影支援システムにおいて、カメラは、撮影時のオートフォーカス領域を示すためにファインダ像に重ねて表示されるオートフォーカスエリアの一部を用いて、撮影範囲内における被写体の位置を表示するものである。
請求項7の発明は、請求項4〜6いずれか一項の撮影支援システムにおいて、被写体が撮影範囲内にないと判定した場合、カメラは、その撮影範囲に対する被写体の方向を表示することにより、被写体の位置情報を撮影者に提供するものである。
請求項8の発明は、請求項7の撮影支援システムにおいて、カメラは、撮影範囲に対する被写体の方向を示す図形をファインダに表示するものである。
請求項9の発明は、請求項5〜8いずれか一項の撮影支援システムにおいて、カメラは、被写体の位置または方向を表示するときに、撮影者がそのカメラを構えた向きに応じて、縦表示または横表示のいずれかに切り替えるものである。
請求項10の発明は、請求項2〜9いずれか一項の撮影支援システムにおいて、カメラは、相対位置算出手段により求められた被写体の相対位置に基づいて、ピント調節を行うこととするものである。
請求項11の発明は、請求項10の撮影支援システムにおいて、カメラは、被写体が撮影範囲内にある場合は、その撮影範囲内にある被写体に合わせてピント調節を行い、被写体が撮影範囲内にない場合は、相対位置算出手段により求められた被写体の相対位置に基づいてピント調節を行うものである。
請求項12の発明は、請求項1の撮影支援システムにおいて、カメラは、送信手段から送信される識別情報を受信するための受信手段と、その受信手段により受信された識別情報およびその受信方向に基づいて、そのカメラに対する被写体の相対位置を求める相対位置算出手段とを備えるものである。
請求項13の発明は、請求項12の撮影支援システムにおいて、カメラは、被写体が撮影範囲内にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて、撮影者に提供する被写体の位置情報を変化させることとするものである。
請求項14の発明は、請求項13の撮影支援システムにおいて、被写体が撮影範囲内にあると判定した場合、カメラは、その撮影範囲内における被写体の位置を表示することにより、被写体の位置情報を撮影者に提供するものである。
請求項15の発明は、請求項14の撮影支援システムにおいて、カメラは、撮影時のオートフォーカス領域を示すためにファインダ像に重ねて表示されるオートフォーカスエリアの一部を用いて、撮影範囲内における被写体の位置を表示するものである。
請求項16の発明は、請求項13〜15いずれか一項の撮影支援システムにおいて、被写体が撮影範囲内にないと判定した場合、カメラは、その撮影範囲に対する被写体の方向を表示することにより、被写体の位置情報を撮影者に提供するものである。
請求項17の発明は、請求項16の撮影支援システムにおいて、カメラは、撮影範囲に対する被写体の方向を示す図形をファインダに表示するものである。
請求項18の発明は、請求項14〜17いずれか一項の撮影支援システムにおいて、カメラは、被写体の位置または方向を表示するときに、撮影者がそのカメラを構えた向きに応じて、縦表示または横表示のいずれかに切り替えるものである。
請求項19の発明は、請求項1〜18いずれか一項の撮影支援システムにおいて、カメラに予め登録された被写体が所持する送信手段の情報に基づいて、カメラにより撮影者に位置情報を提供する被写体を選択するものである。
請求項20の発明によるカメラは、請求項1〜19いずれか一項の撮影支援システムにおいて用いられるものである。
本発明によれば、運動会において親が自分の子供を撮影するときなどのように撮影者が特定の被写体を探して撮影する際に、その被写体の位置情報を提供して撮影者を支援することができる。
−第1の実施の形態−
図1は、本発明の一実施形態による撮影支援システムの構成を示すブロック図である。この撮影支援システムは、主に幼稚園や保育園、小学校等の施設において、撮影者が特定の被写体を容易に探し出せるようにするためのものである。この撮影支援システムを用いることにより、たとえば運動会などのイベントにおいて親が撮影者となって自分の子供を撮影するときに、自分の子供がどこにいるかを容易に探すことができるようになる。
図1の撮影支援システム100は、ICタグ101と、ICタグ受信機102と、カメラ103と、制御装置104と、管理情報記録メモリ105とで構成される。なお、ICタグ受信機102、制御装置104および管理情報記録メモリ105は施設内に予め設置されている。一方、ICタグ101およびカメラ103は、レンタルまたは販売により、撮影支援システム100のユーザである子供と撮影者に提供される。
ICタグ101は、カメラ103により被写体とされる子供達(園児、児童など)が各自1つずつ所持している。例えば、名札、帽子、靴、園児服、体操服などにICタグ101を装着しておき、これらのものを身に着けることによって子供達にICタグ101を所持させる。さらに、カメラ103を所持している撮影者(親など)も、各自ICタグ101を所持している。この場合、子供と同様にICタグ101を撮影者の衣服などに装着してもよいし、あるいはカメラ103に装着してもよい。すなわち、図1ではICタグ101を代表して1つのブロックで表しているが、実際には子供と撮影者の数に応じた複数のICタグ101が撮影支援システム100に含まれる。
ICタグ101には、ICタグ101の各々を一意に識別するための固有のタグ番号がそれぞれ付与されている。このタグ番号は、タグ情報の一部としてICタグ受信機102に送信される。すなわち各ICタグ101は、各々に固有の識別情報としてタグ情報を送信する。
なお、撮影者である親とその子供がそれぞれ所持しているICタグ101のタグ番号は、その撮影者が所持するカメラ103において予め登録されている。具体的には、複数のICタグ101と一つのカメラ103がセットにされてレンタルまたは販売によりユーザに提供される。このセットに含まれる複数のICタグ101のうち、一つは撮影者である親が所持するためのものであり、残りは被写体とされる子供が所持するためのものである。このセットにおいて、カメラ103には同じセットに含まれるICタグ101のタグ番号が予め登録されている。なお、撮影者が所持するICタグ101のタグ番号も被写体のものとして登録するようにしてもよい。
ICタグ受信機102は、撮影支援システム100が用いられる施設内に所定間隔ごとに設置される。具体的には、園庭や校庭の地中などに所定の間隔を空けて(例えば1mおきに)碁盤の目状に埋め込まれて設置される。すなわち、このICタグ受信機102も図1では代表して1つのブロックで表しているが、実際には複数のICタグ受信機102が撮影支援システム100に含まれている。また、各ICタグ受信機102には、それぞれのICタグ受信機102を一意に識別するための受信機番号が付加されている。そして、各ICタグ受信機102の設置位置と受信機番号とを対応付けた受信機管理情報が後述する管理情報記録メモリ105に記録されている。
上記のように施設内に所定間隔ごとに設置されたICタグ受信機102のいずれかの上を子供や撮影者が通過すると、そのICタグ受信機102は、通過した人物が所持しているICタグ101から無線通信によりタグ情報を読み込んで、そのタグ情報と自身の受信機番号とを制御装置104へ出力する。制御装置104では、後述するように、タグ情報に含まれるタグ番号を特定し、さらに受信機番号に基づいてその受信機の設置位置を特定することで、ICタグ101を所持する人物(すなわち、子供または撮影者)の施設内における所在位置をそれぞれ特定することができる。換言すると、ICタグ受信機102により受信されたICタグ101の各々に固有の識別情報と、そのICタグ101からの識別情報を受信したICタグ受信機102の設置位置とに基づいて、被写体である子供の所在位置や、撮影者が所持するカメラ103の施設内における所在位置を特定することができる。
図2は、園庭や校庭におけるICタグ受信機102の設置例を示す図である。図2においては、ICタグ受信機102の設置位置を白丸で示している。この図2に示す例では、ICタグ受信機102は施設内に等間隔で設置されている。なお、ICタグ受信機102の設置間隔は必ずしも図2のように等間隔である必要はない。
カメラ103は、撮影者によって所持されるデジタルスチルカメラであり、撮影者の操作に応じて撮影を行い、その撮影画像を記録する。さらにカメラ103は、前述の予め登録された同一セット内のICタグ101のタグ番号、すなわち撮影者(親)と被写体(子供)がそれぞれ所持しているICタグ101のタグ番号を制御装置104に送信することにより、被写体とカメラ103自身の位置情報を制御装置104から受信する。そして、受信したこれらの位置情報からカメラ103に対する被写体の相対位置を算出し、その相対位置に基づいて、後述するような方法で被写体の位置情報をファインダ内に表示して撮影者に提供する。
なお、被写体が所持するICタグ101のタグ番号として複数のタグ番号が登録されている場合、すなわち撮影対象として複数の子供がいる場合は、撮影者がカメラ103を操作することにより、その複数のタグ番号のうち被写体としたい子供が所持しているICタグ101のタグ番号を選択する。こうして撮影者に選択されたタグ番号が付与されたICタグ101を所持する子供が被写体に指定され、そのタグ番号が制御装置104に送信される。
上記のようにして複数の子供のいずれかを被写体に指定する場合、撮影者から近い方を優先的に被写体に指定してもよい。あるいは、予め運動会の競技プログラムなどのスケジュール情報を登録しておき、その中でいつ子供が出場するかを設定することにより、出場競技の開始時間に近づいたらその子供を自動的に被写体に指定することとしてもよい。さらに、複数の子供とカメラ103との位置関係を示す位置マップ画面を表示するようにしてもよい。なお、被写体に指定されなかった子供については、その位置情報を液晶ディスプレイのサブ画面などに表示することとしてもよい。
また、撮影者はカメラ103に予め登録されたタグ番号のみを被写体が所持するICタグ101のタグ番号として指定することができ、登録されていないタグ番号は指定できない。すなわち、カメラ103に予め登録されたタグ番号に基づいて、カメラ103により撮影者に位置情報を提供する被写体が選択される。これにより、撮影者である親は自分の子供を間違いなく被写体に指定できると共に、他人の子供を許可なく被写体に指定できないようになっている。
なお、施設内に複数の撮影者がいる場合は、その撮影者ごとにカメラ103が所持される。すなわち、このカメラ103も図1では代表して1つのブロックで表しているが、実際には複数のカメラ103が撮影支援システム100に含まれることがある。
制御装置104は、例えばパソコンやサーバなどのコンピュータ装置であり、施設内の複数箇所に設置されたICタグ受信機102とは、施設内に敷設されたLAN等を介して接続されている。また、カメラ103とは無線LANなどの無線通信回線を介して接続され、管理情報記録メモリ105とは所定のインタフェースを介して接続される。
この制御装置104は、ICタグ受信機102からタグ情報と受信機番号が入力されると、上述したように管理情報記録メモリ105に記録されている受信機管理情報に基づいて、入力された受信機番号に対応するICタグ受信機102の設置位置を特定すると共に、入力されたタグ情報に基づいて、そのタグ情報を発信したICタグ101のタグ番号を特定する。こうして特定されたICタグ受信機102の設置位置とICタグ101のタグ番号から、そのタグ番号が付与されたICタグ101を所持する人物(子供または撮影者)が施設内のどこにいるかを特定する。そして、特定された各人物の所在位置の情報をタグ番号ごとに記録しておき、カメラ103からタグ番号の送信があると、それに応じてそのタグ番号に対応する人物の所在位置をカメラ103に送信する。
次に、カメラ103の構成を図3のブロック図により説明する。カメラ103は、可変光学系1、光学部品2、撮像素子3、アナログ信号処理部4、A/D変換部5、タイミング制御部6、画像処理部7、操作部8、制御部9、通信部10、メモリ11、圧縮/伸長部12、表示画像生成部13、液晶ディスプレイ14、メモリカード用インタフェース部15、撮影情報表示部17、ファインダ18および縦横検出部19を備える。これら各構成のうち、A/D変換部5、画像処理部7、制御部9、通信部10、メモリ11、圧縮/伸長部12、表示画像生成部13、メモリカード用インタフェース部15、撮影情報表示部17および縦横検出部19は、バス20を介して相互に接続されている。
可変光学系1は、複数の光学レンズ群よりなる撮影レンズや、絞り、シャッター等によって構成されている。可変光学系1の撮影レンズの焦点距離は、制御部9の制御によって調節される。光学部品2は、光学フィルタやカバーガラスなどによって構成される。被写体からの光束が可変光学系1と光学部品2を通過することにより、撮像素子3上に被写体像が結像される。
撮像素子3は、可変光学系1によって結像される被写体像を撮像し、撮像された被写体像に対応する画像信号(撮像信号)を出力する。撮像素子3は、複数の画素から構成される矩形形状の撮像領域を有し、各画素に蓄積された電荷に対応するアナログ信号である画像信号を、画素単位で順次、アナログ信号処理部4に出力する。撮像素子3は、例えば単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)などで構成される。
アナログ信号処理部4は、内部にCDS(相関2重サンプリング)回路や、AGC(オートゲインコントロール)回路などを有し、入力された画像信号に対して所定のアナログ処理を行う。A/D変換部5は、アナログ信号処理部4で処理された画像信号をデジタル画像データに変換する。
タイミング制御部6は、制御部9により制御され、撮像素子3、アナログ信号処理部4、A/D変換部5、画像処理部7の各動作のタイミングを制御する。画像処理部7は、例えば、画像処理専用の1チップ・マイクロプロセッサで構成され、A/D変換部5によって画像信号から変換された画像データに対して所定の画像処理を行う。操作部8は、各種の操作ボタンやスイッチ類を有している。操作部8からの出力は制御部9に入力され、その操作内容が認識される。
通信部10は、データのフォーマット変換や暗号化、変復調、周波数変換など所定の通信処理を行い、制御装置104との間で無線通信を行う。この無線通信により、前述のように撮影者と被写体がそれぞれ所持するICタグ101のタグ番号を制御装置104へ送信し、それに応じて制御装置104から返信される被写体とカメラ103の位置情報を受信する。
メモリ11にはフラッシュメモリが用いられており、カメラ103の制御用ソフトウェアや、前述のようにカメラ103において予め登録された同一セット内のICタグ101のタグ番号などが記録されている。このメモリ11に記録されたタグ番号が、撮影者と被写体がそれぞれ所持するICタグ101のタグ番号として制御装置104へ送信される。圧縮/伸張部12は、画像データに対して所定の圧縮処理や伸張処理を必要に応じて行う。なお、圧縮処理とは画像データのデータ量を圧縮するための処理であり、伸張処理とは圧縮された画像データのデータ量を元のデータ量に戻すための処理である。
表示画像生成部13は、液晶ディスプレイ14に表示させるための画像を生成する。液晶ディスプレイ14は、表示画像生成部13において生成された画像を表示する。これにより、カメラ103の操作状態に応じて各種の操作画面を表示したり、撮像素子3で撮像した被写体像やメモリカード16に格納された画像データに基づく再生画像を表示したりする。
メモリカード用インタフェース部15は、カメラ103内にセットされたメモリカード(カード状のリムーバブルメモリ)16とのインタフェースをとる。メモリカード16は画像データを記録するための着脱可能な不揮発性メモリである。撮影時に生成された画像データがメモリカード16に記録されることにより、カメラ103において撮影画像が記録される。
撮影情報表示部17は、撮影に関する様々な情報、たとえばシャッタースピード、絞り値、オートフォーカスエリアなどの情報をファインダ18に表示する。ファインダ18には、撮像素子3上に結像される被写体像と同じファインダ像が表示される。このファインダ像により、撮影者は撮影時の構図を確認することができる。さらに、上記のような撮影に関する情報が撮影情報表示部17によってファインダ18に表示される。この情報のうちオートフォーカスエリアはファインダ像に重ねて表示される。これにより撮影時のピント調節領域が示され、撮影者は被写体像のどの部分に合わせてピント調節が行われるかを知ることができる。
撮影情報表示部17は、前述の撮影に関する情報の一つとして、カメラ103に対する被写体の相対位置に基づいた被写体の位置情報をファインダ18に表示する。この被写体の位置情報の表示内容については、後で詳しく説明する。なお、カメラ103に対する被写体の相対位置は、前述のように制御装置104から受信する被写体とカメラ103自身の位置情報によって算出される。縦横検出部19は、撮影者がカメラ103を縦方向と横方向のどちらで構えているかを検出する。この検出結果は制御部9に出力される。
以上説明したような構成のカメラ103において、撮影可能状態でシャッター操作が行われると、制御部9は、可変光学系1を制御してピント調節を行うとともに、タイミング制御部6を介して、撮像素子3、アナログ信号処理部4、A/D変換部5に対するタイミング制御を行い、被写体の撮影を行う。なお、被写体の種類などによって複数の撮影モードを選択可能とし、撮影モードに応じてタイミング制御を変化させてもよい。
撮像素子3は、可変光学系1により撮像領域に結像された被写体像に対応する画像信号を生成する。その画像信号は、アナログ信号処理部4で所定のアナログ信号処理が施され、アナログ処理後画像信号としてA/D変換部5へ出力される。A/D変換部5では、アナログ処理後の画像信号をデジタル化し、画像データとして、画像処理部7に供給する。
画像処理部7は、上記のようにして供給された画像データに対して、補間、階調変換や輪郭強調などの画像処理を行う。このような画像処理が完了した画像データは、必要に応じて圧縮/伸長部12で所定の圧縮処理が施された後、撮影画像データとして、メモリカード用インタフェース部15を介してメモリカード16に記録される。なお、画像処理が完了した撮影画像データは、補間処理が完了し、各画素にはRGBのすべての色成分の色情報が存在するものとする。以上説明したようにして撮影画像が取得され、その撮影画像データがメモリカード16に記録される。
図4は、カメラ103を背面方向から見たときの外観図の例である。カメラ103の背面には、液晶ディスプレイ14およびファインダ18が配置されている。撮影者はファインダ18を覗くと見えるファインダ像により、撮影時の構図を確認することができる。なお、カメラ103の背面には操作部8を構成する各種の操作ボタンや操作スイッチ類も配置されているが、その説明については省略する。
図5は、撮影支援システム100を用いてカメラ103により撮影を行う際に、カメラ103において実行される処理を示すフローチャートである。この処理はカメラ103の制御部9によって実行される。
ステップS10では、被写体を選択する。図6は、ステップS10において被写体を選択する際に液晶ディスプレイ14に表示される画面例を示している。この図6の画面例では、カメラ103に予め登録されているタグ番号のうち、被写体とされる子供が所持しているICタグ101のタグ番号が「ID 1001」および「ID 1002」と表示されている。このタグ番号のいずれかを撮影者が選択することにより、被写体の選択が行われる。すなわち、この例では2人の子供がICタグ101をそれぞれ所持しており、そのうちいずれかが撮影者により被写体として選択される。なお、ICタグ101を所持している子供が一人しかいない場合は、その子供を自動的に被写体とすることでステップS10の処理を省略してもよい。
ステップS20では、通信部10を用いて、ステップS10において選択された被写体が所持しているICタグ101のタグ番号、および撮影者が所持しているICタグ101のタグ番号を制御装置104へ送信する。これらのタグ番号は前述のようにメモリ11に記録されている。
ステップS30では、ステップS20で送信したタグ番号に応じて制御装置104から送信される被写体とカメラ103の位置情報を通信部10を用いて受信することにより、被写体位置情報およびカメラ位置情報を取得する。このとき制御装置104は、前述のようにICタグ受信機102から入力されるタグ情報と受信機番号に基づいて特定したタグ番号ごとの所在位置のいずれかを、被写体位置情報とカメラ位置情報としてカメラ103に送信する。すなわち、ステップS10で選択された被写体が所持するICタグ101のタグ番号をステップS20でカメラ103から送信すると、それに対して制御装置104から当該タグ番号の所在位置の情報が送信される。この所在位置によって被写体位置が表される。また、撮影者が所持するICタグ101のタグ番号をステップS20でカメラ103から送信すると、それに対して制御装置104から当該タグ番号の所在位置の情報が送信される。この所在位置によってカメラ位置が表される。
ステップS40では、ステップS30で取得した被写体位置情報およびカメラ位置情報に基づいて、カメラ103に対する被写体の相対的な位置を算出する。すなわち、カメラ103の位置を基準点として、その基準点から見て被写体がどの方向に位置しており、その基準点から被写体までの距離がどの程度であるかを求める。
なお、上記のステップS30およびS40の処理を制御装置104において実行することとしてもよい。すなわち、カメラ103はステップS20において被写体と撮影者が所持するICタグ101のタグ番号を制御装置104へ送信する。制御装置104は、このタグ番号により被写体とカメラ103の位置を特定し、その位置関係によりカメラ103に対する被写体の相対位置を算出して、その算出結果をカメラ103に送信する。このようにしてもよい。
ステップS50では、カメラ103の撮影方向を検出する。ここでは、たとえばカメラ103に内蔵された方位検出センサや姿勢検出センサなどを用いて、カメラ103がどちらを向いているかを検出することにより撮影方向を検出する。なお、必ずしも3次元の撮影方向を検出する必要はなく、カメラ103がどちらの方角を向いているか、すなわち水平面に対する撮影方向が少なくとも分かればよい。
ステップS60では、ステップS40において算出された被写体の相対位置と、ステップS50において検出された撮影方向とに基づいて、カメラ103の撮影範囲内に被写体があるか否かを判定する。このとき、ステップS50で検出された撮影方向を中心に、カメラ103の画角や撮影レンズのズーム量などに基づいて定められる所定の範囲を撮影範囲とする。この撮影範囲内の方向に被写体が位置しているか否かを判定することにより、撮影範囲内に被写体があるか否かを判定する。なお、ステップS50において水平面に対する撮影方向のみが検出された場合は、カメラ103が撮影者によって水平に構えられているものとすればよい。この判定の結果、撮影範囲内に被写体がある場合はステップS70へ進み、撮影範囲内に被写体がない場合はステップS120へ進む。以下、ステップS70へ進んだ場合から先に説明する。
ステップS60からステップS70へ進んだ場合、すなわち撮影範囲内に被写体がある場合は、ステップS70において、その撮影範囲内における被写体の位置を表示する。ここでは、被写体に応じた位置のオートフォーカスエリアをファインダ18において表示することにより、被写体位置の表示が行われる。
ファインダ18における被写体位置の表示例を図7に示す。図7(a)は被写体30が撮影範囲の中心付近に位置している場合の表示例であり、図7(b)は被写体30が撮影範囲の右端付近に位置している場合の表示例であり、図7(c)は被写体30が撮影範囲の中心からやや左寄りに位置している場合の表示例である。このように、被写体30の位置に合わせてオートフォーカスエリア31をファインダ像に重ねて縦一列に表示することにより、撮影範囲内における被写体30の位置を表示する。なお、このとき表示されるオートフォーカスエリア31が撮影時のピント調節領域を示すものではないことが分かるように、ピント調節領域を示す場合とは違う色で表示したり、あるいは点滅表示したりすることによって異なる表示形態とすることが好ましい。
ステップS80では、ピント調節に用いるオートフォーカスエリアの選択を行う。ここでは、ステップS70で被写体位置を示すために表示されたオートフォーカスエリアを、ピント調節用のオートフォーカスエリアとして選択する。次のステップS90では、ステップS80で選択されたオートフォーカスエリア内の被写体に合わせてピント調節を行う。たとえば、図7の縦一列のオートフォーカスエリアにおいてそれぞれのエリア内における被写体までの距離を算出し、そのうちステップS40で算出されたカメラ103から被写体までの距離に最も近いものに合わせて、ピント調節を行う。
ステップS100では、ステップS90のピント調節処理の結果に基づいて、ステップS80で選択されたオートフォーカスエリア内に被写体が存在しているか否かを判定する。たとえば、ステップS90のピント調節時に各オートフォーカスエリアにおいて求められた被写体までの距離が、いずれもステップS40で被写体位置を算出したときに求められたカメラ103から被写体までの距離と大きく異なっているような場合には、選択されたオートフォーカスエリア内に被写体が存在していないと判定してステップS110へ進む。そうでない場合は、選択されたオートフォーカスエリア内に被写体が存在していると判定してステップS130へ進む。
ステップS100からステップS110へ進んだ場合、ステップS110では、ステップS40で被写体位置を算出したときに求められたカメラ103から被写体までの距離に合わせてピント調節を行う。このように、選択されたオートフォーカスエリア内に被写体が存在していないとステップS100において判定された場合は、制御装置104から受信した被写体位置情報およびカメラ位置情報により算出された被写体の相対位置に基づいてピント調節を行う。これにより、被写体がオートフォーカスエリア内にいなくても、適切にカメラ103のピントを調節することができる。ステップS110を実行したら、ステップS130へ進む。
ステップS130では、撮影者によってシャッターボタンが押されたか否かを判定する。シャッターボタンが押された場合はステップS140へ進み、ステップS140において撮影処理を行って撮影画像を取得した後、その撮影画像を次のステップS150においてメモリカード16に記録する。こうしてカメラ103による撮影が行われる。ステップS150を実行したらステップS30へ戻り、上記のような処理を繰り返す。
一方、ステップS130においてシャッターボタンが所定時間以上押されなかった場合は、ステップS140およびS150の処理を実行せずにステップS30へ戻り、上記のような処理を繰り返す。これにより、所定時間ごとに被写体位置の表示が更新される。
次にステップS60からステップS120へ進んだ場合について説明する。この場合すなわち撮影範囲内に被写体がない場合は、ステップS120において、撮影範囲に対する被写体の方向を表示する。ここでは、ファインダ18において被写体の方向を示す矢印を表示することにより、撮影範囲の外にある被写体方向の表示が行われる。
ファインダ18における被写体方向の表示例を図8に示す。図8(a)は被写体が撮影範囲に対して右方向に位置している場合の表示例であり、図8(b)は被写体が撮影範囲に対して左方向に位置している場合の表示である。このように、撮影範囲に対して被写体が位置している方向に矢印32を表示することにより、撮影範囲外における被写体の位置(方向)を表示する。このとき、被写体がどれだけ離れているかに応じて矢印32の点滅速度を変化させることにより、その離れ度合いが分かるようにしてもよい。
なお、図8の矢印32ではなくオートフォーカスエリアを用いて被写体の方向を表示するようにしてもよい。この場合、ステップS80で撮影範囲内にある被写体を表示するときとは異なる表示形態とすることが好ましい。
図8にはカメラ103を横に構えた場合の被写体方向の表示例を示しているが、カメラ103を縦に構えた場合はファインダ18の向きが右または左方向に90度回転するため、図8とは異なる表示とする必要がある。その場合の表示例を図9に示す。図9(a)は被写体が撮影範囲に対して右方向に位置している場合の表示例であり、図9(b)は被写体が撮影範囲に対して左方向に位置している場合の表示である。このとき被写体の方向を示すために表示される矢印33は、カメラ103を横に構えた場合に表示される図8の矢印32とは異なる。このように、撮影者がカメラ103を構えた向きに応じて、ファインダ18における被写体方向の表示が縦表示または横表示のいずれかに切り替えられる。このとき図3の縦横検出部19において、撮影者がカメラ103を縦または横のどちらで構えているかが検出される。
以上ではステップS120において被写体方向を表示する場合の縦表示と横表示の切り替えについて説明したが、ステップS70においても同様に、ファインダ18における被写体位置の表示を縦表示または横表示のいずれかに切り替えることができる。すなわち、撮影者がカメラ103を縦に構えた場合は、それに応じて、縦向きのファインダ18においてもオートフォーカスエリア31が縦一列に表示されるように、オートフォーカスエリア31の表示配置を変化させる。このようにすることが好ましい。
ステップS120を実行したら、ステップS110へ進んで前述のような処理を実行することにより、ステップS40で被写体位置を算出したときに求められたカメラ103から被写体までの距離に合わせてピント調節を行う。これにより、撮影範囲外に被写体がある場合であっても、適切にカメラ103のピントを調節することができる。
以上説明した第1の実施の形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)ICタグ101から固有の識別情報として送信されるタグ情報に基づいてステップS40で求められるカメラ103に対する被写体の相対位置に基づいて、カメラ103により、ステップS70またはS120において被写体の位置または方向をファインダ18において表示することで、その被写体の位置情報を撮影者に提供することとした。このようにしたので、運動会において親が自分の子供を撮影するときなどのように撮影者が特定の被写体を探して撮影する際に、その被写体の位置情報を提供して撮影者を支援することができる。
(2)施設内に複数のICタグ受信機102を設置し、そのICタグ受信機102により受信された被写体が所持するICタグ101のタグ情報と、そのタグ情報を受信したICタグ受信機102の設置位置とに基づいて、制御装置104により、施設内における被写体の所在位置を特定する。そして、制御装置104により特定された被写体の所在位置とカメラ103の所在位置の情報をカメラ103において取得し(ステップS30)、これらの情報に基づいて、カメラ103に対する被写体の相対位置を求める(ステップS40)こととした。このようにしたので、撮影者に提供する被写体の位置情報を精度よく求めることができる。
(3)撮影者が所持するICタグ101から送信されてICタグ受信機102により受信されたタグ情報と、そのタグ情報を受信したICタグ受信機102の設置位置とに基づいて、制御装置104により、施設内におけるカメラ103の所在位置を特定することとした。このようにしたので、撮影者に提供する被写体の位置情報をさらに精度よく求めることができる。
(4)カメラ103により、被写体が撮影範囲内にあるか否かを判定し(ステップS60)、その判定結果に応じて、撮影者に提供する被写体の位置情報を変化させる。具体的には、被写体が撮影範囲内にあると判定した場合は、その撮影範囲内における被写体の位置を表示し(ステップS70)、被写体が撮影範囲内にないと判定した場合は、その撮影範囲に対する被写体の方向を表示する(ステップS120)こととした。このようにしたので、被写体が撮影範囲内にある場合とない場合とで、それぞれの場合において適切な内容により被写体の位置情報を提供することができる。
(5)撮影範囲内における被写体の位置をステップS70で表示するときに、ファインダ像に重ねて表示されるオートフォーカスエリアの一部を用いて表示することとしたので、撮影時に見やすく分かりやすい表示とすることができる。
(6)撮影範囲に対する被写体の方向をステップS120で表示するときに、その方向を示す図形をファインダに表示することとしたので、撮影時に見やすく分かりやすい表示とすることができる。
(7)ステップS70またはS120において被写体の位置または方向を表示するときに、撮影者がカメラ103を構えた向きに応じて、縦表示または横表示のいずれかに切り替えることとした。このようにしたので、カメラ103を縦横いずれの向きで構えた場合にも見やすい表示とすることができる。
(8)ステップS40において求められた被写体の相対位置に基づいて、カメラ103のピント調節を行う(ステップS110)こととした。このとき、被写体が撮影範囲内にある場合は、その撮影範囲内にある被写体に合わせてオートフォーカスエリアを用いた通常のピント調節を行い(ステップS90)、被写体が撮影範囲内にない場合は、ステップS110の処理を実行することとした。このようにしたので、撮影範囲外に被写体がある場合であっても、適切にカメラ103のピントを調節することができる。
(9)カメラ103に予め登録された被写体が所持するICタグ101のタグ番号の情報に基づいて、カメラ103により撮影者に位置情報を提供する被写体を選択することとした。このようにしたので、撮影者である親は自分の子供を間違いなく被写体に指定できると共に、他人の子供を許可なく被写体に指定できないようにすることができる。
−第2の実施の形態−
次に、以上説明した実施形態とは別の本発明の一実施形態による撮影支援システムについて説明する。図10は、本実施の形態による撮影支援システムの構成を示すブロック図である。この撮影支援システム200は、赤外線送信機201およびカメラ202によって構成されている。
赤外線送信機201は、図1に示すICタグ101の代わりに用いられるものであり、ICタグ101と同様に、カメラ202により被写体とされる子供達が各自1つずつ所持している。なお、本実施形態において赤外線送信機201は被写体のみが所持していればよく、撮影者は所持する必要がない。すなわち、図10では赤外線送信機201を代表して1つのブロックで表しているが、実際には子供の数に応じた複数の赤外線送信機201が撮影支援システム200に含まれる。この赤外線送信機201にも、ICタグ101と同様にそれぞれ固有の識別番号が付与されている。この識別番号を含む赤外線信号を所定の時間間隔でカメラ202へ送信する。すなわち各赤外線送信機201は、各々に固有の識別情報として赤外線信号を送信する。
カメラ202は、図1に示すカメラ103と同様に撮影者によって所持されるデジタルスチルカメラであり、撮影者の操作に応じて撮影を行い、その撮影画像を記録する。さらにカメラ202は、赤外線送信機201から送信される赤外線信号を受信することにより、その赤外線送信機201に付与された識別番号を認識すると共に、その赤外線信号が送信されてきた方向を検出する。これにより、カメラ202に対して被写体がどの方向に位置しているのかを検出することができる。そして、第1の実施の形態において上記に説明したのと同様に、被写体の方向をファインダ内に表示して撮影者に提供する。なお、施設内に複数の撮影者がいる場合は、その撮影者ごとにカメラ202が所持される。すなわち、このカメラ202も図10では代表して1つのブロックで表しているが、実際には複数のカメラ202が撮影支援システム200に含まれることがある。
以上説明したように、撮影支援システム200は複数の赤外線送信機201およびカメラ202によって構成されており、図1のICタグ受信機102や制御装置104、管理情報記録メモリ105のように、施設内に予め特別な設備を設置する必要がない。そのため、第1の実施の形態で説明した撮影支援システム100よりも低コストで簡単に構成することができる。
次に、カメラ202の構成を図11のブロック図により説明する。このブロック図は、通信部10が赤外線受信部10aとなった点以外については、図3のカメラ103のブロック図と同じである。したがって以下では赤外線受信部10aのみについて説明し、他の構成については説明を省略する。
赤外線受信部10aは、赤外線送信機201から送信される赤外線信号を受信する。赤外線受信部10aにおいて受信された赤外線信号は制御部9へ出力され、制御部9において、その赤外線信号を送信した赤外線送信機201に付与された識別番号が認識される。さらに赤外線受信部10aは、赤外線信号が送信されてきた方向、すなわち赤外線送信機201の方向を検出する。そのため赤外線受信部10aは、たとえば撮像素子3と同様の複数画素からなるCCDおよびそのCCD上に結像するための赤外線レンズなどを有している。
図12は、撮影支援システム200を用いてカメラ202により撮影を行う際に、カメラ202において実行される処理を示すフローチャートである。この処理はカメラ202の制御部9によって実行される。
ステップS210では、図5のステップS10で説明したのと同様の方法により被写体を選択する。次のステップS220では、赤外線受信部10aを用いて、ステップS210において選択された被写体が所持している赤外線送信機201から送信される赤外線信号を受信する。このとき、赤外線受信部10aにおいて受信された赤外線信号が、選択した被写体の所持する赤外線送信機201から送信されたものであるか否かを、その赤外線信号に含まれる識別番号により判別する。これにより該当する赤外線信号のみを使用し、それ以外の赤外線信号は使用しないようにする。すなわち、ステップS220以降の処理は、被写体選択時に選択した識別番号を含む赤外線信号のみに基づいて実行され、それ以外の赤外線信号が受信されても無視される。
ステップS230では、ステップS220で受信した赤外線信号に基づいて、カメラ202に対する被写体の相対位置として、その被写体のカメラ202に対する方向を算出する。ここでは、赤外線受信部10aにおいて検出される赤外線信号の送信方向により、被写体の方向を求める。なお、図5のステップS40とは異なり、このステップS230ではカメラ202の基準軸(たとえばレンズ中心軸)に対する被写体の相対的な方向が算出される。すなわち、カメラ202の基準軸から被写体がどれだけ離れた方向に位置しているかが求められる。
ステップS240では、ステップS230において算出された被写体方向に基づいて、カメラ202の撮影範囲内に被写体があるか否かを判定する。この判定は図5のステップS60とは異なり、カメラ202の撮影方向を用いずに行われる。すなわち、カメラ202の基準軸をレンズ中心軸とすれば、ステップS230においてレンズ中心軸から被写体がどれだけ離れた方向に位置しているかが求められる。このレンズ中心軸に対する被写体方向の範囲が、カメラ202の画角や撮影レンズのズーム量などに基づいて定められる撮影範囲内にあるか否かを判定することにより、撮影範囲内に被写体があるか否かを判定することができる。この判定の結果、撮影範囲内に被写体がある場合はステップS250へ進み、撮影範囲内に被写体がない場合はステップS280へ進む。
ステップS240からステップS250へ進んだ場合、ステップS250、S260およびS270では、図5のステップS70〜S90と同様の処理を行う。すなわちステップS250では、図7のようにして撮影範囲内の被写体位置に応じたオートフォーカスエリアをファインダ18において表示する。ステップS260では、ステップS250で表示されたオートフォーカスエリアをピント調節用のオートフォーカスエリアとして選択する。ステップS270では、ステップS260で選択されたオートフォーカスエリア内の被写体に合わせてピント調節を行う。ステップS270を実行したら、ステップS290へ進む。
一方、ステップS240からステップS280へ進んだ場合、ステップS280では図5のステップS120と同様に、ファインダ18において図8または図9のようにして被写体方向を示す矢印を表示する。ステップS280を実行したら、ステップS270の実行後と同様にステップS290へ進む。
ステップS290、S300およびS310では、図5のステップS130〜S150と同様の処理を実行する。すなわちステップS290では撮影者によってシャッターボタンが押されたか否かを判定し、シャッターボタンが押された場合はステップS300において撮影処理を行い、取得した撮影画像をステップS310においてメモリカード16に記録する。ステップS290においてシャッターボタンが所定時間以上押されなかった場合はこれらの処理を実行しない。その後ステップS220へ戻り、上記のような処理を繰り返す。
以上説明した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で説明した作用効果に加えて、さらに次の作用効果を奏することができる。
(1)カメラ202の赤外線受信部10aにより、被写体が所持する赤外線送信機201から固有の識別情報として送信される赤外線信号を受信し(ステップS220)、受信した赤外線信号およびその受信方向に基づいて、カメラ202に対する被写体の相対位置として被写体の方向を求める(ステップS230)。このようにしたので、低コストで簡単なシステムにより撮影者に提供する被写体の位置情報を求めることができる。
なお、以上説明した第2の実施の形態では、被写体が所持する赤外線送信機201から赤外線信号を送信し、その赤外線信号をカメラ202において受信することにより、カメラ202に対する被写体の方向を検出することとした。しかし、赤外線信号以外にもたとえば電波やレーザ光、超音波などを信号に用いることもできる。その信号がどの方向から送信されたかをカメラにおいて検出できる限り、どのような信号であってもよい。
また、上記の各実施の形態では、幼稚園や保育園、小学校等の施設において、運動会などのイベントにおいて親が撮影者となって自分の子供を撮影するときに、その撮影を支援する撮影支援システムを例に説明したが、これ以外の場合にも適用することができる。たとえば、自分の子供以外を被写体として撮影する場合に用いてもよいし、あるいは公園、体育館、遊園地、観光施設などの様々な施設において使用してもよい。これ以外にも様々な使用形態が考えられる。
上記の各実施の形態では使用するカメラをそれぞれ一種類のものとしたが、機能の異なる様々なカメラを使用できるようにしてもよい。たとえば、被写体が撮影範囲内にある場合はその位置を表示せずに、撮影範囲外にある場合にのみ被写体の方向を表示するようなカメラや、あるいはファインダではなく液晶ディスプレイに被写体の位置や方向を表示するようなカメラなどを同時に使用できるようにすることができる。なお、第1の実施の形態においてこのようにすると、制御装置104から受信する必要のある情報がカメラの種類ごとに異なる場合もありうる。その場合は、制御装置104からは各カメラに共通の情報を送信し、各カメラではその情報を取捨選択することにより、自身が対応する情報のみを利用すればよい。
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
上記の実施の形態では、送信手段をICタグ101または赤外線送信機201、受信手段をICタグ受信機102またはカメラ202の赤外線受信部10a、被写体位置特定手段およびカメラ位置特定手段を制御装置104によりそれぞれ実現し、相対位置算出手段をカメラ103が実行するステップS40の処理、またはカメラ202が実行するステップS230の処理によって実現することとした。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
本発明の第1の実施の形態による撮影支援システムのブロック図である。 ICタグ受信機の設置例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態による撮影支援システムにおけるカメラのブロック図である。 カメラを背面方向から見たときの外観図の例である。 本発明の第1の実施の形態による撮影支援システムにおいてカメラが実行する処理のフローチャートである。 被写体を選択する際に表示される画面例を示す図である。 ファインダにおける被写体位置の表示例を示す図である。 ファインダにおける被写体方向の表示例を示す図である。 カメラを縦に構えた場合のファインダにおける被写体方向の表示例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による撮影支援システムのブロック図である。 本発明の第2の実施の形態による撮影支援システムにおけるカメラのブロック図である。 本発明の第2の実施の形態による撮影支援システムにおいてカメラが実行する処理のフローチャートである。
符号の説明
100:撮影支援システム 101:ICタグ
102:ICタグ受信機 103:カメラ
104:制御装置 105:管理情報記録メモリ
200:撮影支援システム 201:赤外線送信機
202:カメラ

Claims (20)

  1. 1または2以上の被写体によってそれぞれ所持され、各々が固有の識別情報を送信する単数または複数の送信手段と、
    前記被写体を撮影するためのカメラとを備え、
    前記送信手段から送信される識別情報に基づいて求められる前記カメラに対する前記被写体の相対位置に基づいて、前記カメラにより前記被写体の位置情報を撮影者に提供することを特徴とする撮影支援システム。
  2. 請求項1の撮影支援システムにおいて、
    施設内にそれぞれ設置され、前記送信手段から送信される識別情報を受信する複数の受信手段と、
    前記受信手段により受信された識別情報と、その識別情報を受信した受信手段の設置位置とに基づいて、前記施設内における前記被写体の所在位置を特定する被写体位置特定手段と、
    前記施設内における前記カメラの所在位置を特定するカメラ位置特定手段と、
    前記被写体位置特定手段により特定された被写体の所在位置と、前記カメラ位置特定手段により特定されたカメラの所在位置とに基づいて、前記カメラに対する前記被写体の相対位置を求める相対位置算出手段とをさらに備えることを特徴とする撮影支援システム。
  3. 請求項2の撮影支援システムにおいて、
    前記送信手段は、さらに前記撮影者によって所持され、
    前記カメラ位置特定手段は、前記撮影者によって所持された送信手段から送信されて前記受信手段により受信された識別情報と、その識別情報を受信した受信手段の設置位置とに基づいて、前記施設内における前記カメラの所在位置を特定することを特徴とする撮影支援システム。
  4. 請求項2または3の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記被写体が撮影範囲内にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて、撮影者に提供する被写体の位置情報を変化させることを特徴とする撮影支援システム。
  5. 請求項4の撮影支援システムにおいて、
    前記被写体が撮影範囲内にあると判定した場合、前記カメラは、その撮影範囲内における被写体の位置を表示することにより、前記被写体の位置情報を撮影者に提供することを特徴とする撮影支援システム。
  6. 請求項5の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、撮影時のオートフォーカス領域を示すためにファインダ像に重ねて表示されるオートフォーカスエリアの一部を用いて、撮影範囲内における被写体の位置を表示することを特徴とする撮影支援システム。
  7. 請求項4〜6いずれか一項の撮影支援システムにおいて、
    前記被写体が撮影範囲内にないと判定した場合、前記カメラは、その撮影範囲に対する被写体の方向を表示することにより、前記被写体の位置情報を撮影者に提供することを特徴とする撮影支援システム。
  8. 請求項7の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、撮影範囲に対する被写体の方向を示す図形をファインダに表示することを特徴とする撮影支援システム。
  9. 請求項5〜8いずれか一項の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記被写体の位置または方向を表示するときに、撮影者がそのカメラを構えた向きに応じて、縦表示または横表示のいずれかに切り替えることを特徴とする撮影支援システム。
  10. 請求項2〜9いずれか一項の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記相対位置算出手段により求められた被写体の相対位置に基づいて、ピント調節を行うことを特徴とする撮影支援システム。
  11. 請求項10の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記被写体が撮影範囲内にある場合は、その撮影範囲内にある被写体に合わせてピント調節を行い、
    前記被写体が撮影範囲内にない場合は、前記相対位置算出手段により求められた被写体の相対位置に基づいてピント調節を行うことを特徴とする撮影支援システム。
  12. 請求項1の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記送信手段から送信される識別情報を受信するための受信手段と、その受信手段により受信された識別情報およびその受信方向に基づいて、そのカメラに対する前記被写体の相対位置を求める相対位置算出手段とを備えることを特徴とする撮影支援システム。
  13. 請求項12の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記被写体が撮影範囲内にあるか否かを判定し、その判定結果に応じて、撮影者に提供する被写体の位置情報を変化させることを特徴とする撮影支援システム。
  14. 請求項13の撮影支援システムにおいて、
    前記被写体が撮影範囲内にあると判定した場合、前記カメラは、その撮影範囲内における被写体の位置を表示することにより、前記被写体の位置情報を撮影者に提供することを特徴とする撮影支援システム。
  15. 請求項14の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、撮影時のオートフォーカス領域を示すためにファインダ像に重ねて表示されるオートフォーカスエリアの一部を用いて、撮影範囲内における被写体の位置を表示することを特徴とする撮影支援システム。
  16. 請求項13〜15いずれか一項の撮影支援システムにおいて、
    前記被写体が撮影範囲内にないと判定した場合、前記カメラは、その撮影範囲に対する被写体の方向を表示することにより、前記被写体の位置情報を撮影者に提供することを特徴とする撮影支援システム。
  17. 請求項16の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、撮影範囲に対する被写体の方向を示す図形をファインダに表示することを特徴とする撮影支援システム。
  18. 請求項14〜17いずれか一項の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラは、前記被写体の位置または方向を表示するときに、撮影者がそのカメラを構えた向きに応じて、縦表示または横表示のいずれかに切り替えることを特徴とする撮影支援システム。
  19. 請求項1〜18いずれか一項の撮影支援システムにおいて、
    前記カメラに予め登録された前記被写体が所持する送信手段の情報に基づいて、前記カメラにより撮影者に位置情報を提供する被写体を選択することを特徴とする撮影支援システム。
  20. 請求項1〜19いずれか一項の撮影支援システムにおいて用いられるカメラ。
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