JP2008066478A - テープ接着方法および電子部品製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造効率を上げると共に、ワークとテープ部材との間の気泡の発生を防ぐこと。また、気泡が発生したとしても除去可能とすること。
【解決手段】このテープ接着方法は、伸縮シート部材126の上面側に配置されるワーク11に対し、テープ部材を接着する。まず、伸縮シート部材126の上面側に位置する第1の真空室Vを第1の弁部材114などで真空吸引を開始させ、その後、伸縮シート部材126の下面側に位置する第2の真空室を第2の弁部材115などで真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、伸縮シート部材126を膨張させ、ワーク11をテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワーク11の外縁に先に接着しないように接着させる接着ステップと、上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、ワークに対してテープ部材を接着させるテープ接着方法および電子部品製造方法に関する。
半導体の製造工程においては、ウエハ表面の汚染、ウエハ表面の傷の発生を防止するために、ウエハ表面に粘着状の保護テープを貼り付ける場合がある。かかる保護テープを貼り付けるためのテープ接着方法は、現状ではローラを駆動させて貼り付ける方法が一般的である。
しかしながら、ローラ方法以外に、例えば特許文献1に示すように、真空方式のテープ接着方法も存在する。この特許文献1に開示されているテープ接着方法では、本体側の部屋および上蓋側の部屋の両方を真空とし、その状態から、上蓋側の部屋を大気圧に切り替える。それによって、上蓋側の部屋と本体側の部屋との間に差圧が生じ、その差圧によって、ゴムシートが本体側の部屋に膨らむ。そして、この膨らみによって、ゴムシートがテープ部材を押し、ワークに対して保護テープとなるテープ部材を接着させている。
また、真空方式の他のテープ接着方法としては、特許文献2に開示されているものがある。この特許文献2には、第1の真空室と第2の真空室との間の差圧を利用して、平滑性の高い基台の中央部を保護テープ側に向けて撓ませる技術に関して開示されている。これと共に、中央部を撓ませた基台を、ウエハに貼付された保護テープに押し付けながら、昇降装置の駆動によりウエハを持ち上げている。このようにすることで、保護テープの中央側から外方に向けて空気を押し出しながら、ウエハに対してテープ部材となる保護テープを接着している。
上述の特許文献1記載の構成では、ゴムシートが上部に位置しているため、該ゴムシートの弛みを除去するためには、ゴムシートを張る際の張力をかなり高める必要がある。このため、ゴムシートの取り付けが困難となる、という課題を有している。ここで、接着作業を効率的に行わせるためには、ゴムシートに対して接触している保護テープと、ウエハとの間の隙間を小さくする場合が多い。かかる隙間が小さい状態で、ゴムシートに弛みが生じると、真空吸引を行う前の段階から、ウエハに保護テープが接着し、接着面に気泡が入り込む、という不具合が生じることがある。また、特許文献1記載の構成では、複数の押しネジが設けられていて、これらの押しネジの全てを同時に回転させる必要があり、作業性が悪い。
また、特許文献2記載の構成では、第1の真空室と第2の真空室との間の差圧を利用して、ガラス板等の基台を撓ませて、ウエハが貼付された保護テープに対して基台を接着させると共に、この接着状態から、さらにウエハが貼付された保護テープおよび基台を持ち上げている。このため、2段階の接着工程を有し、手間が掛かり、コスト的にも好ましくない。また、ウエハ等を持ち上げるために、別途昇降装置が必要となるので、構成が複雑となり、その分だけコストが掛かる。
ここで、本出願人は、特許文献3の出願を行い、これら従来のテープ接着装置を改良するようにしている。これらによれば、上述の特許文献1および特許文献2等に開示されている構成が備える、不具合が除去されている。
特開2003−7808号公報(段落番号0007、図2〜4参照) 特開2000−349047号公報(要約、図1〜図5参照) 特開2005−93987号公報(要約参照)
しかしながら、特許文献3記載のテープ接着方法においては、接着面に気泡が入り込むのを防止するという点では、非常に有用であるものの、気泡を完全に無くすには、真空の程度を強くする必要があり、製造効率が悪くなりがちである。また、特許文献3記載の技術の場合、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げようとすると、ときには、接着面に気泡が残り、接着不良が発生することも生じている。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、製造効率を上げることが可能になると共に、ワークとテープ部材との間の気泡の発生を防ぐことができるテープ接着方法および電子部品製造方法を提供しよう、とするものである。また、他の発明は、気泡が発生したとしても除去可能となるテープ接着方法および電子部品製造方法を提供しよう、とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のテープ接着方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、まず、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有するものである。
このような方法を採用した場合には、テープ部材側が早めに吸引されるため、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、気泡の発生も防止できる。さらに、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着させているので、気泡が発生しても、その気泡を空気開放ステップで、ワーク外へ排出させることができる。なお、ワークとしては、半導体集積回路用のウエハ、液晶表示体、ディプレイ用のガラス基板、などテープ部材が接着されるものであれば、すべての部材が採用される。
また、他の発明のテープ接着方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、まず、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、ワークをテープ部材に接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入し、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出する空気開放ステップと、を有するものである。
このような方法を採用すると、テープ部材側が早めに吸引されるため、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、気泡の発生も防止できる。さらに、気泡が発生しても、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ排出させることができる。
また、他の発明のテープ接着方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、伸縮シート部材の下面側に位置し、第1の真空室より大きな空間となる第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引させる吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入し、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出する空気開放ステップと、を有している。
このような方法を採用した場合には、第1の真空室が小さいため、テープ部材側が早めに吸引されることとなり、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着させるので、気泡が中心部に発生するのを防止できる。さらに、気泡が発生しても、ワークの外縁が接着されていないので、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ排出させることができる。
さらに、他の発明のテープ接着方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で、少なくとも吸引当初は、第1の真空室より小さい吸引力で真空吸引させる吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入し、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出する空気開放ステップと、を有している。
このような方法を採用した場合には、第2の真空室が、少なくとも吸引当初は、第1の真空室より小さい吸引力で真空吸引されるので、テープ部材側が早めに吸引されることとなり、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着させるので、気泡が中心部に発生するのを防止できる。さらに、気泡が発生しても、ワークの外縁が接着されていないので、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ排出させることができる。
さらに、他の発明のテープ接着方法は、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、ワークをテープ部材に接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、伸縮シート部材の下面側に比べ、テープ部材が配置される側を早めに吸引または強く吸引し、テープ部材のワーク側への垂れ下がりを阻止している。
このような方法を採用した場合には、テープ部材側が早めに吸引され、ワーク側にテープ部材がたれてこないので、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、気泡の発生を防ぐことができる。
また、他の発明のテープ接着方法は、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、ワークをテープ部材に接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、接着ステップでは、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させ、空気開放ステップでは、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出している。
このような方法を採用した場合には、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着されるので、気泡が中心部に発生するのを防止できる。さらに、気泡が発生しても、ワークの外縁が接着されていないので、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ確実に排出させることができる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第1の吸引手段と第2の吸引手段は、同一の真空ポンプを駆動源としている。この方法を採用した場合には、弁部材の制御、2つの真空室の大きさを変える、真空ポンプから真空室までの距離を変える、などの各種の方法で、テープ部材側を早めに吸引させることができる。また、コストも低減される。
上記課題を解決するために、本発明の電子部品製造方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、まず、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、テープ部材が接着されたワークを移動または処理するワーク処理ステップと、ワークをテープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、を有するものである。
この電子部品製造方法を採用した場合には、テープ部材側が早めに吸引されるため、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、気泡の発生も防止できる。さらに、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着させているので、気泡が発生しても、その気泡を空気開放ステップで、ワーク外へ排出させることができる。この結果、ワーク処理ステップやテープ剥がしステップを確実かつ安定的に実行でき、電子部品の安定的生産が可能となる。
また、他の発明の電子部品製造方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、まず、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、ワークをテープ部材に接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入し、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出する空気開放ステップと、テープ部材が接着されたワークを移動または処理するワーク処理ステップと、ワークをテープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、を有している。
このような電子部品製造方法を採用すると、テープ部材側が早めに吸引されるため、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、気泡の発生も防止できる。さらに、気泡が発生しても、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ排出させることができる。この結果、ワーク処理ステップやテープ剥がしステップを確実かつ安定的に実行でき、電子部品の安定的生産が可能となる。
また、他の発明の電子部品製造方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、伸縮シート部材の下面側に位置し、第1の真空室より大きな空間となる第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引させる吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入し、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出する空気開放ステップと、テープ部材が接着されたワークを移動または処理するワーク処理ステップと、ワークをテープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、を有している。
この電子部品製造方法を採用した場合には、第1の真空室が小さいため、テープ部材側が早めに吸引されることとなり、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着させるので、気泡が中心部に発生するのを防止できる。さらに、気泡が発生しても、ワークの外縁が接着されていないので、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ排出させることができる。この結果、ワーク処理ステップやテープ剥がしステップを確実かつ安定的に実行でき、電子部品の安定的生産が可能となる。
また、他の発明の電子部品製造方法は、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で、少なくとも吸引当初は、第1の真空室より小さい吸引力で真空吸引させる吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入し、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出する空気開放ステップと、テープ部材が接着されたワークを移動または処理するワーク処理ステップと、ワークをテープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、を有している。
このような電子部品製造方法を採用した場合には、第2の真空室が、少なくとも吸引当初は、第1の真空室より小さい吸引力で真空吸引されるので、テープ部材側が早めに吸引されることとなり、ワーク側にテープ部材がたれてこない。このため、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着させるので、気泡が中心部に発生するのを防止できる。さらに、気泡が発生しても、ワークの外縁が接着されていないので、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ排出させることができる。この結果、ワーク処理ステップやテープ剥がしステップを確実かつ安定的に実行でき、電子部品の安定的生産が可能となる。
また、他の発明の電子部品製造方法は、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、ワークをテープ部材に接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、伸縮シート部材の下面側に比べ、テープ部材が配置される側を早めに吸引または強く吸引し、テープ部材のワーク側への垂れ下がりを阻止している。
このような方法を採用した場合には、テープ部材側が早めに吸引され、ワーク側にテープ部材がたれてこないので、テープ部材とワークとの間隔を狭くし、製造効率を上げることができる。また、気泡の発生を防ぐことができる。この結果、ワーク処理ステップやテープ剥がしステップを確実かつ安定的に実行でき、電子部品の安定的生産が可能となる。
さらに、他の発明の電子部品製造方法は、伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、吸引ステップが所定時間実行された後または第1の真空室及び第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、第2の吸引手段の作動停止により第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、空気導入ステップの後に、伸縮シート部材を第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、ワークをテープ部材に向かって持ち上げて、ワークをテープ部材に接着させる接着ステップと、接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、接着ステップでは、テープ部材がワークの外縁に先に接着し、その後、ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させ、空気開放ステップでは、テープ部材とワークの間に発生した気泡をワーク外へ排出するものとしている。
このような電子部品製造方法を採用した場合には、テープ部材がワークの外縁に先に接着しないように接着されるので、気泡が中心部に発生するのを防止できる。さらに、気泡が発生しても、ワークの外縁が接着されていないので、空気開放ステップにて、その気泡をワーク外へ確実に排出させることができる。この結果、ワーク処理ステップやテープ剥がしステップを確実かつ安定的に実行でき、電子部品の安定的生産が可能となる。
さらに、他の発明は、上述の発明に加えて更に、第1の吸引手段と第2の吸引手段は、同一の真空ポンプを駆動源としている。この方法を採用した場合には、弁部材の制御、2つの真空室の大きさを変える、真空ポンプから真空室までの距離を変える、などの各種の方法で、テープ部材側を早めに吸引させることができる。また、コストも低減される。
本発明によると、製造効率を上げることが可能になると共に、ワークとテープ部材との間の気泡の発生を防ぐことができる。また他の発明によると、気泡が発生したとしても除去可能とすることができる。
以下、本発明の一実施の形態に係るテープ接着方法について説明する。なお、テープ接着方法の説明に当たり、この方法を実施する際に利用するテープ接着装置10の構成、作用および電子部品製造方法を、テープ接着方法と併せ、説明する。
このテープ装置10について、図1から図35に基づいて説明する。図1は、テープ接着装置10の全体構成を示すと共に、上蓋ユニット200がチャン場ンバユニット100側に位置している状態を示す斜視図である。また、図2は、テープ接着装置10の全体構成を示すと共に、上蓋ユニット200が待機ユニット300側に位置している状態を示す斜視図である。また、図3は、テープ接着装置10の全体構成を示す側面図、図4は同じく平面図、図5は同じく正面図、図6は同じく背面図である。また、図7は、テープ接着装置10のうち、チャンバユニット100および上蓋ユニット200を中心とする主要部を示す概略図である。
なお、以下の説明においては、テープ接着装置10において、基台部110(図5参照)から見てチャンバプレート120が存在する側を上側とすると共に、チャンバプレート120から見て基台部110が存在する側を下側とする。また、以下の説明では、スライド方向とは上蓋ユニット200がスライドする方向(図1においてXXで示される方向)を指す。また、前端側とは、スライド方向において待機ユニット300からチャンバユニット100に向かう側を指し、後端側とは、スライド方向においてチャンバユニット100から待機ユニット300に向かう側を指す。
上述の図1〜図6に示すように、テープ接着装置10は、チャンバユニット100と、このチャンバユニット100と共に真空室V(図7等参照)を形成する上蓋ユニット200と、チャンバユニット100に隣接する待機ユニット300と、を主要な構成要素としている。これらのうち、チャンバユニット100は、基台部110を具備している。基台部110は、テープ接着装置10のうち、最も下方側に位置する部分であり、内部スペースに真空ポンプ111等の構成要素を内蔵している。また、基台部110の上方には、後述するチャンバプレート120が取り付けられている。
ここで、図7においては、真空ポンプ111は、1つのみ用いられている。しかしながら、本実施の形態で用いられる真空ポンプ111は、1つには限られず、第1〜第3の弁部材114〜116の個数(3つ)に応じて、別途設けるように構成しても良い。
図7等に示すように、この基台部110には、吸引管路112と、吸引管路113と、第1の弁部材114と、第2の弁部材115と、第3の弁部材116と、突出管路117と、管部材118と、が設けられている。これらのうち、吸引管路112は、貫通孔124に向かって複数分岐している。以下、吸引管路112のうち、貫通孔124側の分岐部分を、分岐管路112aとする。なお、分岐管路112aの本数としては、2〜4本等が挙げられる。
また、吸引管路113には、上述の貫通孔125が接続されている。この吸引管路113は、上述の吸引管路112とは異なり、分岐せずに1本のみ設けられている。しかしながら、貫通孔125が複数存在する場合には、その貫通孔125の個数に合わせて、複数の分岐管路を設けるように構成しても良い。
また、吸引管路112の中途部分には、第1の弁部材114が設けられていて、吸引管路113の中途部分には、第2の弁部材115が設けられている。第1の弁部材114、第2の弁部材115は、代の真空室となる真空室Vまたは第の真空室となる空気導入部127の内部を真空吸引するために、真空ポンプ111側と連通するように切り替える(以下、この切り替えを、吸引側への切り替えという。)ことを可能としていると共に、大気導入側へ開放するように切り替える(図7において突出管路117側への切り替え;以下、この切り替えを、大気導入側への切り替えという。)ことも可能となっている。
さらに、基台部110の内部には、上述の吸引管路112,113と同様な管部材118が設けられている。この管部材118は、例えば基台部110の外壁に向かっていて、その一端側が基台部110の側面から突出している。この管部材118の一端側には、柔軟に曲がることが可能なホース119の一端側が連結されている。ホース119は、基台部110から上方の上蓋ユニット200側に向かって延伸している。そして、ホース119の他端側は、後述する上蓋プレート210の上面の径方向の略中心部分において、後述する管継手215を介して、挿通孔214の一端側と連結されている。なお、このホース119は、後述する上蓋ユニット200のスライドを許容可能な程度の長さ寸法を有している。このように、管部材118と管継手215の間に、柔軟に曲がると共に、適宜の長さを有するホース119が設けられているため、上蓋プレート210の開閉(スライド)に対応可能となっている。
また、管部材118の中途部分には、第3の弁部材116が設けられている。第3の弁部材116も、真空ポンプ111側と連通するように切り替える(吸引側へ切り替える)ことを可能としていると共に、突出管路117を介して大気導入側へ開放するように切り替えることが可能である。また、この第3の弁部材116においては、管部材118を気密に閉塞し、真空吸引も大気開放も行わないようにすることも可能となっている。なお、管部材118が大気導入側へ開放されると、この管部材118を介して保護テープTAの裏面側(図8において保護テープTAの上面側)に大気が導入される。それにより、保護テープTAの保持状態が解除される。
また、第1の弁部材114、第2の弁部材115および第3の弁部材116としては、例えば、ソレノイドにより開閉可能な、電磁弁を用いることが可能であるが、モータ等の他の駆動源を用いて開閉する方式であっても良い。なお、真空ポンプ111、吸引管路112、第1の弁部材114等によって、第1の吸引手段が構成される。また、真空ポンプ111、吸引管路113、第2の弁部材115によって、第2の吸引手段が構成される。また、吸引管路113、第2の弁部材115、突出管路117等によって、空気導入手段が構成される。
また、チャンバユニット100の上方側には、後述する上蓋プレート210に近接対向可能なチャンバプレート120(第1の蓋部材に対応)が設けられている。チャンバプレート120は、真空吸引時に負荷される圧力(特に上蓋プレート210側から負荷される垂直荷重)を受け止めるために、適切な強度を有した構成となっている。なお、チャンバユニット100を支えると共にその一部となる側壁および底壁も、真空吸引時に負荷される圧力に、十分抗し得るだけの強度を有する構成である。
図7等に示すように、このチャンバプレート120には、上面部121と、凹陥部122とが設けられている。これらのうち、上面部121は、凹陥部122よりも外径側に位置すると共に、凹陥部122よりも高さ位置が高く設けられている。上面部121のうち、凹陥部122の縁部から所定だけ離間する部位には、円環状の溝部121aが設けられている。この溝部121aには、真空室Vを気密に封止するパッキンとなる、シールリング123(Oリング;第1のシール部材に対応)が嵌め込まれる。シールリング123は、例えばニトリルゴム(NBR)等を材質として形成されている。しかしながら、シールリング123は、シリコン等のような柔軟性に富む材質(柔軟部材)としても良い。
ここで、第1の真空室となる真空室Vとは、2つのシールリング123,216が互いに接触する場合に、これらシールリング123,216、チャンバプレート120の上面側および上蓋プレート210の下面側、ゴムシート126の上面側とで囲まれる部位をいい、外部の雰囲気から遮断される空間部分をいう。
また、図7に示すように、上面部121のうち、シールリング123よりも内径側の部位には、開口124aが設けられている。この開口124aは、チャンバプレート120を貫く貫通孔124の露出部分である。すなわち、貫通孔124の上端側は、上面部121に露出する開口124aとなっている。また、貫通孔124の下端側は、上述の吸引管路112の一端側に接続されている。
また、チャンバプレート120のうち、上面部121よりも内径側の部位には、凹陥部122が設けられている。凹陥部122は、上面部121よりも下方に向かって窪む部位である。この凹陥部122も、上述の溝部121aおよびシールリング123と同様に、平面形状が円形に設けられている。また、凹陥部122の中央部にも、上述の開口124aと同様の開口125aが設けられている。この開口125aは、チャンバプレート120を貫く貫通孔125の露出部分である。また、この貫通孔125の下端側は、吸引管路113の一端側に接続されている。
なお、貫通孔125は、ゴムシート126を均等に吸引するために、凹陥部122の中央部分に存在することが望ましい。しかしながら、貫通孔125は、凹陥部122の所定部位に、所定の間隔毎に配置される構成を採用しても良い。また、この開口125a、ゴムシート126および凹陥部122の底面で囲まれる部位は、第2の真空室となる空気導入部127に対応する。この空気導入部127には、吸引管路113における大気開放により、空気が導入され、ゴムシート126が上方に向かって膨らむように設けられている。
また、凹陥部122の底面には、開口125aを覆うように、伸縮シート部材に対応するゴムシート126が設置されている。このゴムシート126は、その上面に、ワークとしてのウエハ11が搭載される。後述するように、ゴムシート126にウエハ11が搭載された状態で、空気導入部127に空気を導入すると、ゴムシート126が上側に向かって膨らむ。それにより、ウエハ11を後述する保護テープTAに向かって上昇させることが可能となる。
ゴムシート126は、例えば、EPTゴム(エチレンプロピレンゴム;Ethylene-Propylene Terpolymer Rubber)、クロロプレンといった、気泡の発生を低減できる材質によって構成されている。しかしながら、ゴムシート126の材質は、かかるEPTゴム、クロロプレンに限られるものではなく、通常の天然ゴム又は合成ゴム等を用いても良い。なお、ゴムシート126の好ましい材質としては、上述のEPTゴム、クロロプレンのような、気泡の発生を防ぐことができる材質である。
また、本実施の形態では、ゴムシート126の上面に搭載されるワークとなるウエハ11には、その直径が12インチのものがある。しかしながら、ウエハ11のサイズは特に限定されず、例えば8インチウエハ、6インチウエハ等、他のサイズであっても良い。なお、ウエハ11のサイズを変更する場合には、それに応じて他の部材(ゴムシート126、後述する押さえリング130等)のサイズも変更されることになる。しかしながら、例えば8インチウエハ等の小さいサイズのウエハ11への接着に際して、12インチのウエハ11の接着に対応しているテープ接着装置10を利用しても良い。この場合、後述するように、治具Jを用いるようにするのが好ましい。
また、本実施の形態で用いられるテープ部材Tについて、図9および図10に基づいて説明する。このテープ部材Tは、保護テープTAと、剥離シートTBと、を有している。保護テープTAは、その一面(粘着面)に粘着材が塗布された粘着層TCを有しており、この粘着層TCがウエハ11に接着されることで、保護テープTAがウエハ11に貼付される。また、剥離シートTBは、粘着層TCに貼付されている部分であり、ウエハ11に保護テープTAを貼付する際に剥がされる。そして、剥がされた剥離シートTBは、後述する巻き取りリール226で巻き取られる。
ここで、本実施の形態では、2つのテープ部材T(以下、図9に示すテープ部材をT1とすると共に、図10に示すテープ部材をT2とする。)を用いている。これらテープ部材T1,T2のうち、後述する第1テープ供給機構220には、図9に示すテープ部材T1がセットされる。このテープ部材T1の保護テープTAには、予め打ち抜き加工等が為されていない。すなわち、ロール状に巻回されているテープ部材T1を引き出し、剥離シートTBを剥がすと、平面状の保護テープTAが得られる。
また、後述する第2テープ供給機構320には、図10に示すテープ部材T2がセットされる。このテープ部材T2の保護テープTAには、ウエハ11の形状および大きさに対応する打ち抜き加工が為されている。すなわち、ロール状に巻回されているテープ部材T2を引き出し、剥離シートTBを剥がすと、ウエハ11の形状に対応する保護テープTA(本実施の形態では、略円形状)と、それ以外の周囲の保護テープTAとが得られる。
なお、以下の説明においては、テープ部材T1を剥がすことにより生じる保護テープTAを保護テープTA1とすると共に、テープ部材T2を剥がすことにより生じる保護テープTAを保護テープTA2とする。しかしながら、両者を区別して称呼する必要がない場合には、これらを単に保護テープTAとする。また、保護テープTA1は、第1の保護テープに対応すると共に、保護テープTA2は、第2の保護テープに対応する。また、テープ部材T2は、第2の保護テープを生じさせるテープ部材に対応する。
図2等に示すように、ゴムシート126の上部であって外周縁部には、外観が略リング状となっている、押さえリング130が取り付けられている。押さえリング130は、ゴムシート126を押さえ付けるためのものである。この押さえ付けにより、空気導入部127と真空室Vとの間は、略気密に封止される。この押さえリング130は、凹陥部122の上面に対して、例えばネジによって、上方側から取り付け固定される。この場合、押さえリング130は、その周方向に沿ってネジによって適宜の間隔で固定されている。
この押さえリング130には、位置決め部131が設けられている。位置決め部131は、内径側から外径側に向かって所定だけ窪んでいる部位であり、例えば180度間隔で配置されている。この位置決め部131には、後述する図31に示すような治具(リング部材J1)の突出部11が嵌合される。
また、図30に示すように、テープ接着装置10には、圧力(気圧)を測定するための真空計132が設けられている。この真空計132は、吸引管路112,113、および管部材118といった、合計3つの配管の個数に対応させて設けるのが好ましい。しかしながら、真空室Vと空気導入部127の圧力を測定するだけでも良く、この場合には、2つの真空計132のみを設けるようにすれば良い。
また、基台部110には、移動機構に対応する上蓋封止機構140が設けられている。この上蓋封止機構140には、図11〜図14に示すように、基台固定部141が設けられている。基台固定部141は、基台部110の幅方向の両側に、それぞれ固定的に設けられている。すなわち、基台固定部141は、後述するアクチュエータ143が作動する場合でも、移動しない部位である。この基台固定部141のうち、上方側かつ待機ユニット300側の部位には、アクチュエータ取付部142が存在している。アクチュエータ取付部142は、アクチュエータ143を回動自在に軸支する部分である。かかる軸支を可能とするために、アクチュエータ取付部142には、軸孔142aが設けられていると共に、この軸孔142aには、支軸143aが挿通されている。
また、基台固定部141には、下方延伸部144が存在している。下方延伸部144は、後述する上下プレート150よりも、基台部110の幅方向の中央寄りに位置している。また、この下方延伸部144は、その外観が略矩形状となるように設けられているが、当該下方延伸部144の下端側には、後述するローラ148を逃がすための切欠部144bが設けられている。さらに、下方延伸部144は、上蓋ユニット200のスライド方向が長手となるように取り付けられると共に、スライド方向における所定の部位を境に対称となる形状に設けられている。
この下方延伸部144のうち、上下プレート150と対向する側には、一対の案内レール145が取り付けられている。この案内レール145は、例えば細長の四角柱形状に設けられていて、上下方向に沿うように取り付けられている。なお、本実施の形態では、一対の案内レール145は、下方延伸部144の中心部を挟んで対称となる位置に、それぞれ取り付けられている。
また、この下方延伸部144には、アーム支持部144aが設けられている。アーム支持部144aは、アーム部材147を回動自在に支持するための部位である。なお、本実施の形態では、アーム支持部144aは、上下プレート150と対向しない側に、例えばネジ等を介して取り付けられている。
また、上述のアクチュエータ取付部142には、アクチュエータ143が連結されている。アクチュエータ143は、例えば電動シリンダや油圧シリンダのような駆動手段であり、作動時にはシリンダ部143bから、棒状のロッド部材143cを出入可能としている。また、ロッド部材143cは、その長手がスライド方向に沿うように設けられている。それにより、アクチュエータ143が作動すると、ロッド部材143cは、スライド方向に沿って出入される。
なお、アクチュエータ143としては、上述の電動シリンダや油圧シリンダ以外に、モータとギヤ機構を用いるようにしても良い。
また、ロッド部材143cのうち、待機ユニット300から離間する側の先端部分には、不図示の支軸を介してアーム部材147が連結されている。このアーム部材147は、上述のアーム支持部144aに回動自在に支持されている。なお、このアーム部材147は、アーム支持部144aを境に、延伸する方向が変化している。以下の説明においては、アーム部材147のうち、アーム支持部144aよりも上方に延伸してロッド部材143cに連結される部分をアクチュエータ連結部147aとすると共に、アーム支持部144aよりも下方に延伸する部分を、プレート連結部147bとする。
ここで、アクチュエータ連結部147aの長手方向と、プレート連結部147bの長手方向とは、互いに所定の角度を為すように設けられている。本実施の形態では、この角度は、180度よりは小さいものの、所定の鈍角を為すように設けられている。この角度の範囲の好ましい具体例としては、150度〜170度とするものがある。
また、プレート連結部147bのうち、アーム支持部144aから離間する先端部分(最も下端側に位置する部分)には、支軸148aを介してローラ148が取り付けられている。このローラ148は、上下プレート150の下端側に設けられている溝部154に嵌まり込む。なお、ローラ148は、プレート連結部147bに対して回転自在に設けられるのが好ましいが、プレート連結部147bに対して固定的に設けられるように構成しても良い。
また、基台固定部141およびアーム部材147よりも基台部110の幅方向における外方側には、上下プレート150が配置される。この上下プレート150は、基台固定部141とは異なり、上下方向に移動可能に設けられている。この上下プレート150は、その側面形状が略T字形状を為すように設けられている。なお、以下の説明においては、略T字形状を為す上下プレート150のうち、上下方向に延伸する部分を上下案内部151とすると共に、スライド方向に延伸する部分をレール支持部152とする。
また、上下案内部151のうち、下方延伸部144と対向する側には、レール受け部材153が取り付けられている。レール受け部材153は、上述の案内レール145に対応させて、所定の個数(本実施の形態では4つ)配置されている。また、レール受け部材153は、断面形状が凹形状となる凹溝部153aを有している。凹溝部153aは、レール受け部材153を突っ切るように設けられている。また、この凹溝部153aには、上述の案内レール145が嵌まり込む。そして、この嵌まり込みによって、上下プレート150の上下動をガイド可能となっている。
なお、この凹溝部153aは、上下方向に沿って設けられている。また、レール受け部材153は、上下方向に沿って、2つ並べられて配置されている。それにより、レール受け部材153は、案内レール145に対して、良好に摺動され、上下プレート150の上下方向に沿うスライドが良好にガイドされる。
また、上下案内部151のうち、下方延伸部144およびプレート連結部147bと対向する部位であって、下方側の部位には、溝部154が設けられている。この溝部154は、対向配置されている一対の案内片154aの間の部分となっている。すなわち、一対の案内片154aは、上下案内部151に対して平行を為す状態で取り付けられているが、これらの案内片154aの間の部位が、上述のローラ146が嵌まり込む溝部154となっている。
この案内片154aは、断面が矩形となる細長の棒状部材である。かかる案内片154aは、アクチュエータ143が作動してアーム部材147がアーム支持部144aを中心として回動する場合であっても、ローラ148が溝部154から外れない程度の長さ寸法を有している。また、一対の案内片154aは、それぞれがスライド方向に沿うように取り付けられる。
なお、上述のローラ148が回転自在に設けられている場合、案内片154a同士の間隔は、ローラ148が溝部154に入り込んだ場合に、ローラ148が僅かに上下方向に遊びを有する程度に設けられるのが好ましい。
また、図12〜図14に示すように、レール支持部152には、ガイドレール155が固定的に取り付けられている。そのため、上下プレート150が上下動すると、ガイドレール155も上下動する。ガイドレール155は、スライド方向に沿って設けられている。このガイドレール155は、チャンバユニット100の内部において、待機ユニット300側の後端部から、正面部に近接する部位までの長さ寸法を有している。また、本実施の形態では、ガイドレール155は、レール支持部152よりも幅方向の外方側に位置している(図12参照)。それにより、後述するガイド車輪163は、上下プレート150と干渉することなく、スライド方向に移動可能となっている。
また、図12に示すように、ガイドレール155を正面視すると、その下端側は、尖形状となるように設けられている。このガイドレール155の上面側および下面側では、後述するガイド車輪163が転動する。
また、図11〜図14に示すように、上蓋プレート210の幅方向における両端側の部位には、車輪支持部材160が取り付けられている。本実施の形態では、車輪支持部材160は、幅方向の端部側に、それぞれ2つずつ(合計4つ)設けられている。このとき、それぞれの幅方向の端部側においては、車輪支持部材160は、チャンバユニット100の前端側と後端側に、それぞれ設けられている。
この車輪支持部材160には、鍔部161と、プレート部162とが設けられている。これらのうち、鍔部161は、上蓋プレート210の上面に対して略平行となるように設けられている。この鍔部161には、ネジを挿通させるための複数の孔部が設けられている。そして、この孔部にネジを挿通させると共に、上蓋プレート210に設けられている不図示のネジ孔にネジを捻じ込むことにより、車輪支持部材160は上蓋プレート210に対して取付固定される。
また、プレート部162の下方側には、回転自在となるようにガイド車輪163が取り付けられている。ガイド車輪163は、例えば回転軸を介して、プレート部162に回転自在に取り付けられている。なお、ガイド車輪163は、プレート部162の幅方向の両端に、それぞれ設けられている。また、ガイド車輪163は、ガイドレール155を挟み込む状態で、当該ガイドレール155の上下方向にそれぞれ設けられている。すなわち、ガイド車輪163は、車輪支持部材160の幅方向の両端およびガイドレール155の上下両端に、合計4つ設けられている。
このガイド車輪163の回転により、上蓋ユニット200は、スライド方向に沿って滑らかに移動可能となっている。なお、本実施の形態では、下方側のガイド車輪163は、略プーリ形状に設けられている。かかるプーリ形状の車輪が、尖形状のガイドレール155の下端側に嵌まり込むことにより、ガイドレール155から上蓋ユニット200が外れるのを防止している。
なお、これらガイドレール155、後述するガイドレール313、ガイド車輪163、車輪支持部材160は、スライド機構を構成する。
また、図30に示すように、チャンバユニット100と上蓋ユニット200との間には、センサ164が設けられている。このセンサ164は、上蓋ユニット200が前端側に向かってスライドし、例えば度当たり等する位置である規定の停止位置まで到達した場合に、その状態を検出するための検出手段である。すなわち、センサ164が、上蓋ユニット200の到達を検出すると、この検出に応じた検出信号を生じさせる。また、このセンサ164は、制御装置400に電気的に接続されている。そして、この制御装置400では、センサ164での検出に基づいて、上述のアクチュエータ143の作動を制御する。
また、チャンバユニット100には、図1、図2、図15および図16に示すような、環状切断機構170が設けられている。環状切断機構170は、当該環状切断機構170が不使用である場合、チャンバユニット100に対して、幅方向の一端側から飛び出すように配置されている。なお、この環状切断機構170には、幅方向に沿うスライドをガイドする、直線状の引き出しレール171が設けられている。
また、環状切断機構170は、フレーム172を有している。このフレーム172は、その正面形状が略コ字状を為すように設けられている。そして、フレーム172は、略コ字状の開放部分がチャンバユニット100側に対向するように、配置されている。また、フレーム172の平面形状は、略囲型形状を為すように設けられている。
このフレーム172の上面側には、環状レール173が設けられている。この環状レール173の外周側には、後述する車輪176aを介して、回転カッター部174が回転自在に取り付けられている。ここで、回転カッター部174は、図15に示すように、所定幅を有して平行に設けられている一対の支柱175を有している。なお、一対の支柱175は、互いに平行となるように設けられている。この支柱175の両端側には、それぞれ台車176が取り付けられている。それぞれの台車176には、複数(本実施の形態では2つ)の車輪176aが回転自在に取り付けられている。なお、本実施の形態では、車輪176aは、プーリ状に設けられていると共に、環状レール173は、その断面形状が、傾斜角度の緩やかな尖形状となっている。
また、回転カッター部174には、押入カッター部177が設けられている。この押入カッター部177は、支柱挟持部177aを具備しており、例えばウエハ11のサイズに応じた位置で、上下両方向から支柱175を挟み込むことにより、押入カッター部177の支柱175における位置が固定される。この押入カッター部177には、ロッド状部材178が設けられている。ロッド状部材178は、その長手方向が、上下方向に沿うように設けられている。また、ロッド状部材178は、上述の支柱175に対して、上下動可能に設けられている。ここで、押入カッター部177には、不図示のバネが設けられている。バネは、ロッド状部材178に対して当接しており、このロッド状部材178に対して、上方に向かう付勢力を与えている。
なお、ロッド状部材178がバネによる付勢力を受けて、上方に位置している場合、ウエハ11に貼付された保護テープTA1に対して、カッター179aの刃の先端が到達しない状態となっている。しかしながら、作業者が次述する把持部178aを把持し、バネによる付勢力に抗しながらロッド状部材178を下方に押し込むと、カッター179aの刃の先端は、保護テープTA1よりも下方に位置すると共に、刃の後端は保護テープTA1よりも上端に位置する。そのため、保護テープTA1を切断することが可能となっている。
また、ロッド状部材178の上端側には、作業者が把持するための把持部178aが設けられている。また、ロッド状部材178の下端側には、カッター取付部179が設けられている。そして、このカッター取付部179を介して、保護テープTA1を切断するためのカッター179aが取り付けられる。なお、カッター179aは、その刃先が、環状レール173の接線方向に沿うように取り付けられる。
また、図2、図17〜図19に示すように、チャンバユニット100には、横切断機構180が設けられている。横切断機構180は、図2等に示すように、チャンバユニット100の前端部に設けられている。この横切断機構180も、上述の環状切断機構170と同様に、保護テープTA1を切断するための手段である。この横切断機構180は、直線状レール181を具備している。この直線状レール181には、摺動カッター部182がスライド自在に取り付けられている。また、摺動カッター部182には、上述のロッド状部材178と同様のロッド状部材183が設けられている。なお、このロッド状部材183の構成は、上述のロッド状部材178の構成と同様であるため、その詳細に関する説明は省略する。また、ロッド状部材183に設けられているカッター184は、その刃先が直線状レール181の長手方向に沿うと共に、上面部121に略平行を為すように取り付けられている。
続いて、上蓋ユニット200について説明する。図1、図2等に示すように、上蓋ユニット200は、チャンバユニット100と、待機ユニット300との間をスライド可能に設けられている。この上蓋ユニット200は、テープ搬送手段に対応している。
図1等に示すように、上蓋ユニット200には、その側方に、作業者が把持するための取手201が設けられている。また、図7等に示すように、上蓋ユニット200は、上述のチャンバプレート120の上方側に位置して、真空室Vを形成する上蓋プレート210を有している。上蓋プレート210は、第2の蓋部材に対応する。また、上蓋プレート210は、平面的な寸法がチャンバプレート120と略同等に設けられている。この上蓋プレート210の下面側には、真空室Vを形成する際に、上述の上面部121と対向する下面部211が設けられている。また、この下面部211よりも内径側の部位には、凹部212が設けられている。凹部212は、下面部211から所定の寸法だけ、上蓋プレート210の上方側に向かって窪んでいる部分である。
この凹部212には、例えば多孔質セラミックスのような、多孔質の材質からなる吸着部材213が嵌め込まれる。かかる吸着部材213は、真空ポンプ111、挿通孔214、第3の弁部材116、管部材118、ホース119と共に、吸着手段を構成している。また、この吸着部材213は、後述する剥がし板353の上面353bに近接する状態となっている。このため、テープ部材T2(保護テープTA2)は、吸着部材213を介して、吸引保持される。
ここで、吸着部材213の下面は、後述するシールリング216の下面よりも上方に位置するように設けられている。また、ゴムシート126が上方に向かって膨らむ場合、保護テープTA1はウエハ11によって上方に押し上げられ、ウエハ11の上面に対して保護テープTA1が貼付される。この場合、吸着部材213の下面に保護テープTA1が接触し、当該保護テープTA1の上方への移動(上方へ向かう保護テープTA1の伸び)を規制する。そのため、吸着部材213の下面は、プレート部材J2の下面よりも、さほど上方ではなく、ゴムシート126がウエハ11を上方に持ち上げる場合に、保護テープTAが張設状態で吸着部材213の下面に当接可能な程度の高さ位置に設けられている。
また、図7、図8に示すように、凹部212の底面の中央部分には、開口214aが設けられている。この開口214aは、上蓋プレート210を貫く挿通孔214の露出部分である。すなわち、挿通孔214の下端側は、凹部212の底面に露出する開口214aとなっている。また、挿通孔214の上端側には、管継手215の一端側が取り付けられている。この管継手215の他端側は、上述のホース119に接続されている。それにより、真空ポンプ111の吸引力を、吸着部材213に及ぼすことを可能としている。
なお、凹部212の底面には、この底面よりも若干窪んでいる吸引凹部212aが設けられている。この吸引凹部212aは、例えば溝状かつ網目状に設けられていて、凹部212の底面の全体に吸引力を及ぼすことが可能となるように設けられている。それにより、吸着部材213には、その全体に亘って吸引力が及ぼされる。なお、吸引凹部212aは、溝状かつ網目状には限られない。例えば、吸引凹部212aが平面的な形状に設けられると共に、この吸引凹部212aから多数の突出部を突出形成し、この突出部で吸着部材213を受け止めるように構成しても良い。
また、上蓋プレート210のうち、凹部212よりも外径側の下面部211には、円環状の溝部211aが設けられている。この溝部211aには、真空室Vを気密に封止するパッキンとなる、シールリング216(Oリング;第2のシール部材および柔軟部材に対応)が嵌め込まれる。シールリング216は、上述のシールリング123とは異なり、例えばシリコンゴム等のような柔軟性に富む材質から形成されている。しかしながら、上述のシールリング123が柔軟性に富む材質から形成されている場合、シールリング216は、例えばニトリルゴム(NBR)等のような、若干硬質のゴムを材質として形成しても良い。また、シールリング123およびシールリング216を、共にシリコンゴム等のような柔軟性に富む材質から形成しても良い。
このシールリング216は、上述のシールリング123と同一の直径を有している。また、上蓋ユニット200がチャンバユニット100側に移動し、規定の位置で停止した後に、上述の上蓋封止機構140が作動して上蓋プレート210が下方に移動すると、シールリング216の下端側は、シールリング123の上端側と接触し、真空室Vを気密に封止するように設けられている。
また、図1〜図6等に示すように、上蓋プレート210の上方側であって、待機ユニット300から離間する部位には、第1のテープ供給手段に対応する第1テープ供給機構220が設けられている。この第1テープ供給機構220は、ロール状に巻回されているテープ部材T1を巻回すると共に、テープ部材T1を剥がした後に生じる(不用となる)剥離シートTBを巻き取るための部分である。
図20〜図23に示すように、この第1テープ供給機構220は、支持プレート221と、供給リール222と、モータ223と、第1プーリ224と、ベルト225と、巻き取りリール226と、第2プーリ227と、第1ガイドローラ228と、第2ガイドローラ229と、第3ガイドローラ230と、第4ガイドローラ231と、を具備している。また、図1等に示すように、第1テープ供給機構220は、開閉自在なハウジング220aを具備しており、これら各構成要素を覆っている。
これらのうち、支持プレート221は、上述の各部材を支持する部分である。なお、支持プレート221は、上述の供給リール222、巻き取りリール226、第1〜第4ガイドローラ228〜231等を軸支するが、これらとの間には、軸受等(図示省略)が介在する。また、供給リール222は、テープ部材T1を供給する部分であり、ロール状に巻回されているテープ部材T1を保持している部分である。
図21、図22に示すように、この供給リール222は、一対のローラ部材222Aを有している。このローラ部材222Aは、回転軸222Bと、シール係止部222Cとを有している。これらのうち、回転軸222Bは、支持プレート221に対して、軸受222B1を介して回転自在に軸支されている。また、この回転軸222Bには、シール係止部222Cが取り付けられている。シール係止部222Cは、円錐形のうち、頂点側を底面に平行に切り欠いた形状に設けられている。そのため、このシール係止部222Cには、供給リール222の中心側から外側に向かうにつれて大径となるテーパ部222C1が設けられている。このテーパ部222C1には、ロール状に巻回されているテープ部材T1の空芯部の縁部が係止される。
また、供給リール222は、テープ部材T1の幅寸法に応じて、一対のシール係止部222Cの間の間隔を可変としている。すなわち、ウエハ11の直径が小さい場合には、幅寸法の小さなテープ部材T1を用いるため、一対のシール係止部222Cの間の間隔が小さくなる。しかしながら、ウエハ11の直径が大きい場合には、幅寸法の大きなテープ部材T1を用いるため、一対のシール係止部222Cの間の間隔が大きくなる。
なお、一対のシール係止部222Cの間の間隔は、例えばシリンダ(アクチュエータ)の作動によって調整可能としても良い。この場合、シリンダ(アクチュエータ)の作動により、回転軸222Bを軸線方向に送ることが可能な機構を採用しても良い。また、シール係止部222Cには、例えばバネによる付勢力が及ぼされるように構成しても良い。この場合、一対のシール係止部222Cには、互いに近づく向きの付勢力が与えられる。このようにすれば、テーパ部222C1には、バネによる付勢力により、空芯部の縁部が係止される。また、このように付勢力を及ぼしてテープ部材T1を保持している場合、一対のシール係止部222Cの間を、ジョイント等で連結しなくても、一方のシール係止部222Cに伝達されるモータ223からの駆動力が、テープ部材T1を介して、他方のシール係止部222Cに伝達される。
また、支持プレート221のうち、供給リール222の一方のシール係止部222Cの近傍には、モータ223が取り付けられている。このモータ223は、一方の回転軸222Bに駆動力を伝達する。また、他方のローラ部材222Aの回転軸222Bには、第1プーリ224が取り付けられている。この第1プーリ224と、後述する第2プーリ227との間には、ベルト225が掛け渡される。それにより、後述する巻き取りリール226側に駆動力を伝達可能としている。
また、支持プレート221のうち、待機ユニット300から離間する側には、巻き取りリール226が取り付けられている。この巻き取りリール226も、一対のローラ部材226Aを有している。このローラ部材226Aは、回転軸226Bと、シール係止部226Cとを有している。これらのうち、回転軸226Bは、支持プレート221に対して、軸受226B1を介して回転自在に軸支されている。また、この回転軸226Bには、シール係止部226Cが取り付けられている。このシール係止部226Cも、テーパ部226C1を有していて、巻き取られる剥離シートTBの空芯部の縁部を係止可能としている。
また、他方のローラ部材226Aの回転軸226Bには、第2プーリ227が取り付けられている。この第2プーリ227には、上述のベルト225が掛け渡されている。
また、図20および図23に示すように、支持プレート221には、第1ガイドローラ228、第2ガイドローラ229、第3ガイドローラ230および第4ガイドローラ231が、不図示の軸受を介して取り付けられている。このうち、第1ガイドローラ228は、最も上方側に位置している。この第1ガイドローラ228では、テープ部材T1が、保護テープTA1と剥離シートTBとに剥がされる。また、第2ガイドローラ229と第3ガイドローラ230は、互いに対向して設けられている。そして、この第2ガイドローラ229と第3ガイドローラ230との間で、剥がされた保護テープTA1を挟み込んで、テンションが掛かっていない状態における保護テープTA1の弛みを防止している。また、第4ガイドローラ231は、最も下方側に位置している。この第4ガイドローラ231は、保護テープTA1に対してテンションを及ぼしながら、当該保護テープTA1の引き出しをガイドする部分である。
なお、図23に示すように、保護テープTA1が第4ガイドローラ231から引き出されると、その保護テープTA1の先端部分が、後述する先端貼付バー331に貼付される。そして、この先端貼付バー331に保護テープTA1が貼り付けられた状態で、上蓋ユニット200が待機ユニット300側からチャンバユニット100側にスライドすると、保護テープTA1が引き出されると共に、張力が付与された状態でシールリング123に貼付される。それにより、保護テープTA1は凹陥部122(シールリング123)の上方に位置する状態となる。
続いて、待機ユニット300の構成について説明する。図3、図6および図7等に示すように、待機ユニット300は、基台部310を備えている。この基台部310には、観音開きが可能な開閉扉311が設けられている(図6参照)。この開閉扉311を開放することにより、内部スペースに存在する構成要素のメンテナンスを行ったり、内部スペースに作業に必要な用具やテープ部材T1,T2を収納することが可能となる。
この基台部310の上面には、開口部312が設けられている(図7参照)。この開口部312を介して、後述するシール剥がし機構340で剥がされた保護テープTA2を、吸着部材213で吸着保持させることを可能としている。また、図13および図14に示すように、基台部310には、ガイドレール155と同様のガイドレール313が設けられている。このガイドレール313は、上蓋封止機構140を作動させて、上蓋ユニット300が持ち上げられた場合、ガイドレール155と高さ位置が同一となる位置に設けられている。それにより、ガイド車輪163は、ガイドレール155とガイドレール313との間を良好に転動し、上蓋ユニット200のスライドをガイド可能となっている。
また、図1他に示すように、開口部312の後端側の部位には、第2のテープ供給手段に対応する第2テープ供給機構320が設けられている。この第2テープ供給機構320は、ロール状に巻回されているテープ部材T2を供給する部分であり、このテープ部材T2を順次供給する部位である。
ここで、この第2テープ供給機構320に巻回されるテープ部材T2においては、保護テープTA2に対して予めウエハ11の大きさおよび形状に対応するように、打ち抜き加工が為された状態となっている(図10参照)。そのため、後述するシール剥がし機構340を用いてテープ部材T2から保護テープTA2を剥がすと、当該剥がした後の保護テープTA2は、ウエハ11の形状に対応する形状(略円形状)となっている。なお、剥離シートTBに対しては、予め打ち抜き加工は為されていない。
図24および図25に示すように、この第2テープ供給機構320には、支持プレート321と、供給リール322と、第1ガイドローラ323と、第2ガイドローラ324と、第3ガイドローラ325と、第4ガイドローラ326と、ブレーキ機構327と、を具備している。また、図1等に示すように、第2テープ供給機構320は、開閉自在なハウジング320aを具備しており、これら各構成要素を覆っている。
これらのうち、支持プレート321は、上述の支持プレート221と同様に、上述の各部材を支持する部分である。また、供給リール322も上述の供給リール222と同様に、テープ部材T2を供給する部分であり、ロール状のテープ部材T2を保持している部分である。なお、この供給リール322も、一対のローラ部材322Aを有している。また、ローラ部材322Aも、回転軸322Bと、テーパ部322C1を備えるシール係止部322Cとを有している。また、第1〜第4ガイドローラ323〜326は、テープ部材T2の供給をガイドする部分である。
また、第2ローラ機構320には,ブレーキ機構327が設けられている。このブレーキ機構327は、エアブレーキを採用しており、空気圧によって摩擦部材328を回転軸322Bに接触/離間可能に設けられている。そのため、ブレーキ機構327を作動させ、摩擦部材328を回転軸322Bに接触させる場合、回転軸322Bの回転は停止させられる。
また、図26に示すように、基台部310のうち、前端側の部位(基台部110の後端側の部位)には、貼付手段に対応するテープ押さえ機構330が設けられている。なお、テープ押さえ機構330は、待機ユニット300側の基台部310に取り付けられる構成を採用せずに、チャンバユニット100側の基台部110の前端側に取り付けられる構成を採用しても良い。
このテープ押さえ機構330には、先端貼付バー331と、ガイド軸332と、摺動カバー333と、連結バー334と、アクチュエータ335と、受け部材336と、ストッパ部材337,338と、が設けられている。これらのうち、先端貼付バー331は、所定の長さ寸法を有すると共に、略丸棒状の外観を呈している。しかしながら、先端貼付バー331の下方側は、平面状に切り欠かれた切り欠き部331aとなっている。この切り欠き部には後述するガイド軸332の先端部分、および出力ロッド335bの先端部分が当接し、ネジ等の手段によって取付固定されている。
この先端貼付バー331は、その長手方向が待機ユニット300の幅方向に沿うように取り付けられる。すなわち、先端貼付バー331は、第1テープ供給機構220から引き出される保護テープTA1の幅方向に沿う状態で取り付けられている。また、先端貼付バー331は、第1テープ供給機構220から保護テープTA1を引き出した場合に、この保護テープTA1の先端部分が貼り付けられる高さ位置に取り付けられている。
この先端貼付バー331の両端側には、ガイド軸332の先端部分が取付固定されている。このガイド軸332も、先端貼付バー331と同様に、略丸棒状の部材となっている。また、ガイド軸332は、摺動カバー333によって上下方向の摺動がガイドされる。この摺動カバー333は、基台部310の前端側の外面に、ネジ等の固定手段を介して取り付けられている。この摺動カバー333は、その正面形状が略矩形状を為すように設けられている。また、この摺動カバー333には、貫通孔333aが設けられている。貫通孔333aは、摺動カバー333を貫く状態で設けられている。また、この貫通孔333aは、上下方向に沿う状態で、基台部310に取り付けられている。
また、一対のガイド軸332には、連結バー334が取り付けられている。この連結バー334は、ガイド軸332の下方側において、ガイド軸332同士を掛け渡す状態で設けられている。この連結バー334は、アクチュエータ335が作動してガイド軸332が上下動すると、その上下動に伴って上下動可能に設けられている。
また、一対のガイド軸332の間の部位には、アクチュエータ335が配置されている。アクチュエータ335は、チューブ部335aと出力ロッド335bとを具備している。なお、本実施の形態では、アクチュエータ335としては、エアシリンダを用いており、チューブ部335a内の空気圧によって、出力ロッド335bを上下動させることを可能としている。しかしながら、アクチュエータ335は、エアシリンダには限られず、油圧シリンダや、各種モータとギヤ機構との組合せを用いるように構成しても良い。
また、本実施の形態では、出力ロッド335bは、チューブ部335aの上方側から突出すると共に、下方側からも突出している。そして、これら上方側から突出する出力ロッド335bと、下方側から突出する出力ロッド335bとは、チューブ部335aから独立して出没させることが可能となっている。しかしながら、出力ロッド335bが独立して出没する構成を採用しなくても良い。
また、この出力ロッド335bの上端部分には、受け部材336が連結されており、この受け部材336は、先端貼付バー331の長手方向の中央部分に存在する切り欠き部331aに対して、例えばスペーサ等を介して当接している。なお、この受け部材336は、本実施の形態では、先端貼付バー331とは固定的に連結されていない。しかしながら、この受け部材336と、先端貼付バー331とを、例えばネジ等の手段を用いて、連結するように構成しても良い。
また、チューブ部335aの下方側から突出する出力ロッド335bには、その下端側に、ストッパ部材337が連結されている。このストッパ部材337は、上述の摺動カバー333と同様に、基台部310の前端側の外面に、ネジ等の固定手段を介して取り付けられている。また、このストッパ部材337を基点として、アクチュエータ335が作動すると、上述の先端貼付バー331を上方に移動させることを可能としている。また、先端貼付バー331が上昇すると、いずれはこのストッパ部材337に連結バー334の上面側が衝突する。それにより、先端貼付バー331の上方側への移動が規制される。
そのため、アクチュエータ335が作動し、チューブ部335aの内部に空気が送り込まれると、出力ロッド335bが上方に向かって上昇し、先端貼付バー331を持ち上げる。この持ち上げ状態では、先端貼付バー331の上面は、シールリング123の上端部よりも上方に位置し、保護テープTA1の引き出し先端部の貼り付きを可能としている。
また、連結バー334よりも下方側には、ストッパ部材338が設けられている。このストッパ部材338は、上述の連結バー334に当接可能に設けられている。すなわち、このストッパ部材338が、連結バー334の下面に当接することにより、先端貼付バー331の下方側に移動が規制される。
次に、シール剥がし機構340について説明する。図27〜図29に示すように、シール剥がし機構340は、基台部310の内部に設けられている。このシール剥がし機構340は、一対のレール341を有している。このレール341は、基台部310の下方側に取付固定されている。また、一対のレール341は、その長手方向がスライド方向に沿うように設けられていると共に、互いに所定の間隔を有する状態で離間して設けられている。
これら一対のレール341の間には、アクチュエータ342が配置されている。このアクチュエータ342の作動により、スライド方向に沿って移動体343を移動可能としている。なお、本実施の形態では、アクチュエータ342としては、例えばエアシリンダを用いている。しかしながら、アクチュエータ342はエアシリンダには限られず、油圧シリンダやモータとボールネジとの組み合わせによるネジ送り機構を採用しても良い。
また、上述のレール341には、移動体343がスライド自在に設けられている。この移動体343は、支持プレート344を具備し、この支持プレート344の下面側に、レール341と嵌合するレール嵌合部345、およびアクチュエータ342の駆動力を受け止める受け部346が設けられている。また、この支持プレート344は、基台部310の設置面に対して、略平行となるように設けられている。この支持プレート344の幅方向のうち、最も両端側には、リール支持板347が、上方に向かって突出する状態で取り付けられている。このリール支持板347は、軸受347aを介して巻き取りリール348の回転軸348aを回転自在に軸支する部分である。また、リール支持板347は、後述する側方支持板350よりも、後端側(チャンバユニット100側)に取り付けられている。
なお、リール支持板347に回転自在に支持される巻き取りリール348は、上述の第1テープ供給機構220における巻き取りリール226と同様の構成であり、一対のローラ部材348Aを有する。また、ローラ部材348Aは、回転軸348Bと、シール係止部348Cとを有している。また、この回転軸348Bの一方の端部側には、第1プーリ349が取り付けられている。また、この巻き取りリール348には、テープ部材T2を剥がした後に生じる、剥離シートTBが巻き取られる。
また、支持プレート344のうち、リール支持板347よりも前端側には、側方支持板350が取り付けられている。この側方支持板350も、支持プレート344の幅方向における両端側に、それぞれ1つずつ(合計2つ)取り付けられている。また、この側方支持板350は、リール支持板347との干渉を防ぐべく、当該リール支持板347よりも若干だけ支持プレート344の幅方向の中央寄りに取り付けられている。また、この側方支持板350は、その上端側がリール支持板347よりも高くなるように設けられている。この側方支持板350の上端側には、ブリッジ板351が、それぞれの側方支持板350を連結する状態で掛け渡される。
このブリッジ板351は、上述の支持プレート344に略平行を為す状態で取り付けられている。また、このブリッジ板351には、支持脚部352が取り付けられている。支持脚部352は、ブリッジ板351の両端側に、例えばネジ等を介して、それぞれ取付固定されている。この支持脚部352の上端側は、剥がし板353の下面に取付固定されている。また、この支持脚部352に支持されている剥がし板353は、一対の支持脚部352に掛け渡されている。この剥がし板353は、その上面353bが、上蓋プレート210の凹部212の底面に対して、略平行となるように設けられている。また、この剥がし板353には、当該剥がし板353の前端側から下方側に向かうように、テーパ部353aが設けられている。図27に示すように、このテーパ部353aと上面353bとは、鋭角である角度θを為している。
上述の剥がし板353の前端部分には、尖形部353cが設けられている。尖形部353cは、上面353bとテーパ部353aとが交差する部分であり、尖形状に設けられている。しかしながら、この尖形部353cは、後述するモータ357が作動した場合であっても、剥離シートTBが切断されない程度の緩やかさを有している。
この尖形部353cは、供給されるテープ部材T2を剥がすための部分である。このとき、テープ部材T2の上面側には、保護テープTA2が位置すると共に、テープ部材T2の下面側には、剥離シートTBが位置する状態で、テープ部材T2が供給される。そして、巻き取りリール348のロック状態で移動体343を前端側へ移動させ、その移動に伴って、テープ部材T2を規定の寸法(1ウエハ分)だけ引き出す。その後、ブレーキ機構327の作動による供給リール322のロック状態でモータ357を駆動させて、剥離シートTBを巻き取る。すると、その巻き取り動作によって、移動体343が後端側に移動しつつ、尖形部353cによって、テープ部材T2から剥離シートTBが剥がされる。
また、剥がし板353の後端側かつ側面には、ローラ支持板354が取り付けられている。このローラ支持板354には、上面353bおよびテーパ部353aに剥離シートTBを倣わせるためのガイドローラ355が、回転自在に取り付けられている。なお、剥離シートTBをテーパ部353aに倣わせるため、尖形部353cとガイドローラ355の上面側とを結ぶ接線と上面353bとが為す角度は、上述の角度θよりも鋭角となるように設けられている。
また、図28等に示すように、上述の一対の側方支持板350のうち、第1プーリ349が取り付けられている側の側方支持板350には、モータ支持板356が取り付けられている。このモータ支持板356は、側方支持板350よりも前端側に突出するように取り付けられている。このモータ支持板356には、モータ357が取付固定されている。なお、モータ357の回転軸357aは、このモータ支持板356を貫いて、モータ357が取り付けられている側とは反対側に延伸している。また、この回転軸357aには、第2プーリ358が取り付けられている。この第2プーリ358と、上述の第1プーリ349との間には、ベルト359が張設状態で掛け渡されている。それにより、モータ357が駆動すると、その駆動力を、巻き取りリール348側に伝達することを可能としている。
なお、シール剥がし機構340には、位置検出のためのセンサ360が設けられている。このセンサ360は、移動体343のスライドの前端側および後端側にそれぞれ設けられるのが好ましい。
また、図30に示すように、テープ接着装置10には、制御手段としての制御装置400が設けられている。この制御装置400は、例えばCPU、所定の制御プログラムが記憶されているROM、データの一次記憶を行うRAM、各種センサ等からの信号が入力されると共に制御信号を出力するためのインターフェース等を具備している。なお、制御装置400として好適なものは、例えばA/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を具備する1チップマイコンの如きである。
この制御装置400は、上述したように、真空ポンプ111、第1〜第3の弁部材114,115,116、アクチュエータ143,335,342、モータ223,357、ブレーキ機構327、真空計132、センサ164,360等に対して電気的に接続されている。この様子を、図30に示す。また、この制御装置400には、オン作動を行うための操作ボタン401が連結されている。このため、作業者が操作ボタン401を押すと、真空ポンプ111が作動する。
なお、真空室Vにおける所定の真空度としては、約20Pa程度とする場合が、その一例として挙げられる。しかしながら、所定の真空度はこれに限られるものではなく、大気圧よりも低い状態であれば、どのような真空度であっても良い。また、この制御装置400の制御については、後述する。
次に、ウエハ11に保護テープTA1を貼り付けるために用いられる治具Jについて説明する。図31に示すように、治具Jには、リング部材J1と、プレート部材J2と、テープ保持リングJ3とが存在する。これらのうち、リング部材J1は、図32に示すように、その外観が略リング形状に設けられている。また、このリング部材J1は、押さえリング130の内径に対応させて設けられている。このリング部材J1の外周部分には、略180度間隔で、突出部J11が設けられている。この突出部J11は、位置決め部131に嵌まり込む。それにより、リング部材J1のラジアル方向の位置決めが為される。また、このリング部材J1の内周側にも、上述の位置決め部131と同様の位置決め部J12が設けられている。この位置決め部J12も、略180度間隔となるように設けられている。また、このリング部材J1のリング孔J13に近接する内周側には、ピン孔J14が設けられている。このピン孔J14には、ピン部材J15が差し込まれ、このピン部材J15によって後述するテープ保持リングJ3を下方から保持する。
また、上述のリング部材J1のリング孔J13には、プレート部材J2がセットされる。プレート部材J2は、リング部材J1の内周側に配置される。このプレート部材J2は、略円盤状の部材であり、ウエハ11を載置するための部材である。このプレート部材J2は、リング孔J13の内径に対応させて設けられている。また、このプレート部材J2の外周部分には、略180度間隔で、突出部J21が設けられている。この突出部J21は、位置決め部J12に嵌まり込む。それにより、プレート部材J2のラジアル方向の位置決めが為される。
また、プレート部材J2の外周側には、ピン挿通孔J22が設けられている。ピン挿通孔J22には、位置決めピンJ23が差し込まれる。このピン挿通孔J22は、ウエハ11の外周縁部に倣うように設けられている。そして、このピン挿通孔J22に位置決めピンJ23が差し込まれると、ウエハ11の外周縁部が係止され、ウエハ11のずれが防止される。なお、ウエハ11のオリフラ部分11aを基準として、当該ウエハ11のラジアル方向における位置決めを行わせるために、オリフラ部分11aには、2つの位置決めピンJ23が接触するように、ピン挿通孔J22が設けられている。
また、上述のピン部材J15のうち、高さ寸法の低いピン部材J15の上部には、テープ保持リングJ3が取り付けられる。テープ保持リングJ3は、ウエハ11よりも先に、保護テープTAに接触する部材である。このテープ保持リングJ3がウエハ11よりも先に保護テープTA1に接触することにより、保護テープTA1の弛みが除去されると共に、ウエハ11の上面と保護テープTA1とが略平行な状態で、貼付を実行することが可能となる。このテープ保持リングJ3は、その外周側に複数の切欠部J31を有している。そして、この切欠部J31に所定のピン部材J15を入り込ませることにより、当該テープ保持リングJ3のラジアル方向における位置決めを行っている。また、このテープ保持リングJ3には、上述のリング孔J13と同等の直径のリング孔J32が設けられている。
以上のような構成を有するテープ接着装置10の作用(動作)について、図34のフローチャートを参照しながら、以下に説明する。なお、最初に図9に示すテープ部材T1を、ウエハ11に対して貼り付ける場合について説明する。
まず、作業者は、上蓋ユニット200を待機ユニット300側に位置させて、チャンバプレート120の上面側が開放する状態とする。この状態で、作業者は、ゴムシート126に、図31等に示すようなリング部材J1、プレート部材J2およびテープ保持リングJ3をセットする。そして、このセットが終了した後に、位置決めピンJ23を基準として、プレート部材J2の上部にワークとなるウエハ11を載置する(ステップS11)。
また、上述のウエハ11の載置とは別に、作業者は、テープ部材T1の設置準備を行う(ステップS12)。すなわち、作業者は、テープ部材T1を供給リール222から引き出し、そのテープ部材T1の先端部分を剥がす。そして、剥がされたテープ部材T1のうち、保護テープTA1に関しては、図23に示すように、第1〜第4ガイドローラ228〜231を通過させて、先端貼付バー331の上面側に貼付する。このとき、アクチュエータ335を作動させて、先端貼付バー331を上方に位置させる。なお、このとき、先端貼付バー331は、上蓋ユニット200のスライドと干渉しない程度の高さ位置まで持ち上げられる。また、アクチュエータ335は、外部からの力が先端貼付バー331に作用した場合に、先端貼付バー331が下方に退避可能となる程度の圧力で、持ち上げられる。
また、剥がされたテープ部材T1のうち、剥離シートTBに関しては、巻き取りリール226側の保持部分に保持させる。また、保護テープTA1の先端部分は、先端貼付バー331に貼付する。このとき、保護テープTA1の先端は、先端貼付バー331の上面において、後端側から前端側に向かうように貼付される。
かかる保護テープTA1の先端の貼付が終了すると、作業者は、取手201を把持して、上蓋ユニット200を先端側に向けてスライドさせる。このとき、例えば別途のスライドを検知するセンサ164、またはユーザの操作ボタン401の押下により、モータ223が駆動され、剥離シートTBを巻き取りリール226で巻き取る状態となる。
また、上蓋ユニット200を前端側へスライドさせる場合、保護テープTA1の先端部分は、先端貼付バー331に保持されていて、移動しない。そのため、供給リール222がフリーに回転可能な状態で上蓋ユニット200を前端側に向けてスライドさせると、そのスライド量に応じて、供給リール222から、保護テープTA1が順次供給される。この場合、保護テープTA1は、第4ガイドローラ231の下面と、先端貼付バー331の上面との間で、張設されている状態となる。なお、巻き取りリール226には、ベルト225を介して駆動力が伝達されるため、上蓋ユニット200のスライドに伴って、剥離シートTBを順次巻き取って行く。
そして、上蓋ユニット200が、例えば度当たり等によって規定の停止位置までスライドし、上蓋ユニット200のスライドが停止させられると、この停止をセンサ164によって検出する。すると、制御装置400は、このセンサ164から出力される検出信号を受信すると共に、この検出信号に基づいて、アクチュエータ143を作動させる。すると、このアクチュエータ143が備えるロッド部材143cは、前端側に向かって押し出される。それにより、アーム部材147は、図14において反時計回りに回動させられる。
このアーム部材147が規定の停止位置まで反時計回りに回動させられると、その回動により、プレート連結部147bは、上下方向に対して斜めに傾斜している状態から、上下方向に沿う状態となる(図14から図13に移行する状態となる)。このとき、回動角度をθとすると、ローラ148は、そのプレート連結部147bの回動によって、「L×(1−cosθ)」だけ下方に押し下げられる。また、ローラ148は、溝部154に嵌め込まれているため、上下プレート150は、ローラ148の移動に伴って、下方に移動させられる。
また、上述のように上下プレート150が下方に移動させられると、シールリング123とシールリング216とが衝突し、上下プレート150の規定の停止位置では、シールリング123,216同士が弾性変形する状態となる。それにより、シールリング123,216の間に、保護テープTA1が挟み込まれる状態となる。これで、ステップS13のテープ部材となる保護テープTA1の設置、張設が完了する。なお、テープ部材T1の幅寸法は、シールリング123,216の直径よりも小さく設けられている。そのため、シールリング123,216には、保護テープTA1を挟持する部分と、当該保護テープTA1を挟持していない部分との境界部分が存在する状態となる。
ここで、本実施の形態では、シールリング216は、シリコン等のような、柔軟性を有する材質から形成されている。そのため、この境界部分では、当該シールリング216は、この境界部分において隙間が生じないように弾性変形し、真空室Vに向かって外気がリークするのを防止することが可能となっている。
続いて、制御装置400は、真空ポンプ111および第1〜第3の弁部材114〜116を作動させて、真空室Vおよび空気導入部127の真空吸引を開始して、吸引ステップを開始する。このとき、まず、第1および第3の弁部材114,116は、吸引側となるように切り替える。しかしながら、第3の弁部材116を、真空吸引も大気開放を行わずに、管部材118を気密に閉塞するように切り替えるようにしても良い。このように、制御装置400は、弁部材114,116を切り替えた後に、真空ポンプ111を作動させる。
真空ポンプ111を作動させると、真空室Vは真空吸引される(ステップS14)。この真空吸引の開始後、制御装置400は、第2の弁部材115を吸引側となるように切り替える。これによって、ステップS15が開始される。すなわち、空気導入部127も真空吸引される。このように、まず、真空室Vの吸引が開始されるため、保護テープTA1の外周、すなわち、ウエハ11と対向していない部分が、ウエハ11側に引かれるのを防止でき、保護テープTA1の外周の垂れ下がりを防止することができる。この結果、保護テープTA1は、ウエハ11の上面と平行状態を保って接触することが可能となり、気泡の発生を防止できる。また、気泡が発生したとしても、後に、気泡をウエハ11の外方へ排出することが可能となる。
そして、かかる真空吸引を所定時間行い、真空計132で所定の真空度が検出される(ステップS16)と、制御装置400は、この真空計132からの検出信号に基づいて、第2の弁部材115を大気開放側に切り替える。それによって、空気導入ステップが開始され、空気導入部127には、突出管路117を介して大気が導入される(ステップS17)。このステップS16では、真空度を検出することなく、所定時間経過したら、第2の弁部材115を大気開放側に切り替えるようにしても良い。ここで、空気導入部127に大気が導入されると、この空気導入部127と真空室Vに存在する圧力差によって、ゴムシート126が真空室V側に向かって膨張し、接着ステップが開始する。
この場合、ゴムシート126の膨張によって、ウエハ11およびテープ保持リングJ3が持ち上げられる。すると、ウエハ11よりもテープ保持リングJ3の高さ位置が高いため、まずテープ保持リングJ3に保護テープTA1が接触する。このように、テープ保持リングJ3に保護テープTA1が接触するので、保護テープTA1に生じている弛みが除去され、保護テープTA1が張設される状態となる(ステップS18)。この状態は、いわゆる太鼓状態で、保護テープTA1がピンと張られた状態である。
さらに、ゴムシート126が膨張すると、例えば保護テープTA1の張力および上蓋プレート210の下面への接触等により、ゴムシート126の中央側がテープ保持リングJ3の高さ位置に近づく。それにより、ウエハ11の上面に、保護テープTA1が接着される。このとき、製造効率を考え、真空室Vの真空度は強くされておらず、また、保護テープTA1とウエハ11との当初の間隔は狭くされているため、速やかに、両者は接触する。このため、保護テープTA1とウエハ11との間には、図35に示すように、気泡Pが分散して発生している。逆に言えば、気泡Pが分散発生するように、両者を接着させる(ステップS19)。気泡Pは、このように接着面で分散配置させるのが好ましい。以上のようにして、ウエハ11の上面の前面に保護テープTA1が接着され、接着ステップが完了する。この接着ステップでは、保護テープTA1は、ウエハ11の外縁に先に接着しないように接着させられる。このため、図35に示すような気泡Pが発生していても、その気泡Pを空気開放ステップで、ウエハ11外へ排出させることができる。仮に、図36に示すように、ウエハ11の外縁に保護テープTA1が接着し、円輪状の接着域Sが生じていた場合、ウエハ11の中央に発生した気泡Pは、ウエハ11外へ排出できず、残存することとなる。この接着域Sは、完全に円輪状ではなく、外縁の一部が接着域Sとならない場合も、気泡Pは,排出されず、残存する確率が高くなる。なお、この保護テープTA1へのウエハ11の接着に前後させて、横切断機構180を用いて、保護テープTA1を切断する。このとき、ロッド状部材183を押し込みつつ、直線状レール181に沿って、摺動カッター部182をスライドさせることにより、保護テープTA1が切断される。
制御装置400は、所定時間が経過するか監視し(ステップS20)、所定時間が経過すると、第1の弁部材114と第3の弁部材116を大気開放側に切り替えて、真空室Vの圧力を低下させ、気泡Pをウエハ11外に排出させる(ステップS21)。この空気開放ステップS21では、気泡Pは、図35の矢印で示すように、ワークとなるウエハ11の中心側から外周側に向かって、直線的に移動し、排出される。その後、真空室Vと空気導入部127との間の圧力差が解消され、ゴムシート126が膨張しない状態となる。なお、第3の弁部材116は、ステップS21の以前に、真空吸引を停止するようにしても良い。そして、制御装置400は、例えば所定時間が経過した後または真空計132で真空室Vの内部が大気圧になったことを確認すると、再びアクチュエータ143を作動させる。このとき、ロッド部材143cは、後端側に向かって進行し、シリンダ部143bの内部にロッド部材143cが入り込む。すると、アーム部材は、図13において時計回りに回動させられる。
その回動により、プレート連結部147bは、上下方向に沿う状態から、上下方向に対して斜めに傾斜している状態へと移行する(図13に示す状態から図14に示す状態へと移行する)。このときの回動により、上蓋プレート210(上下プレート150)は、「L×(1−cosθ)」だけ上方に持ち上げられる。それにより、シールリング123,216の間の接触が解除される。また、ガイドレール155も、ガイドレール313と同等の高さ位置に持ち上げられ、上蓋ユニット200を待機ユニット300側に移動させることが可能となる。
この状態で、作業者は、取手201を把持し、上蓋ユニット200を待機ユニット300側に移動させる。すると、凹陥部122が露呈するが、このとき、ウエハ11が保護テープTA1に接着した状態で、出現する。次に、環状切断機構170を用いて、テープ保持リングJ3の内周側で、保護テープTA1を切断する。この場合も、押入カッター部177のロッド状部材178を押し込みつつ、環状レール173に沿って回転させることにより、保護テープTA1は、ウエハ11に対応した大きさで、円形状に切断される(ステップS22)。
以上のような手順を順次行うことにより、ウエハ11に保護テープTA1を良好に貼付することが可能となる。この後、保護テープTA1付きのウエハ11を作業者またはロボットが取り出す(ステップS23)。以上の動作が繰り返され、次から次へと、保護テープTA1付きのウエハ11を製造することができる。取り出された保護テープTA1付きのウエハ11は、別な場所に移動され、処理される。なお、保護テープTA1付きのウエハ11を移動させることなく、その場で処理するようにしても良い。ウエハ11は、保護テープTA1付きの状態で、細かく切断され、その後、保護テープTA1から、切断されたウエハ11が剥がされる(テープ剥がしステップ)。剥がされることで、多数に分断された状態となる各小ウエハは、電子部材として利用される。なお、保護テープTA1を剥がした後で、ウエハ11を切断するようにしても良い。
続いて、図10に示すようなテープ部材T2をウエハ11に貼付する場合について、先の図34のフローチャートを参照しながら説明する。この場合、まず、ステップS11のウエハ11の設置を行うと共に、作業者は、テープ部材T2の設置準備を行う(ステップS12)。すなわち、作業者は、剥離シートTBの先端を、予め巻き取りリール348に保持させておく。また、この場合、最初に第3の弁部材116は、ステップS13以前に、真空吸引側に切り替えられている。そして、真空ポンプ111を作動させ、吸着部材213に真空吸引力を及ぼさせる。この状態で、シール剥がし機構340を作動させる。このとき、供給リール322がフリーに回転可能な状態とすると共に、モータ357のブレーキ作用等により巻き取りリール348の回転が阻止される状態としておく。そして、アクチュエータ342を作動させ、移動体343をレール341に沿って、後端側から前端側に向けて移動させる。すると、移動体343の進行に伴って、テープ部材T2が引き出されて行く。
ここで、移動体343が移動すると、テープ部材T2は、剥がし板353の上面353bの上方に載せられつつ、引き出されて行く。すると、このテープ部材T2のうち、打ち抜き加工されている部分に対して、吸着部材213が近接する状態となるため、テープ部材T2は、吸着部材213によって吸引保持される。そして、移動体343が、前端側の規定位置まで進行すると、制御装置400の制御指令によって、アクチュエータ342の作動が停止させられる。
次に、制御装置400は、モータ357に対して制御指令を与え、剥離シートTBを巻き取る方向に駆動させる。また、ブレーキ機構327にも制御指令を与え、ブレーキ機構327を作動させて摩擦部材328を回転軸322Bに接触させ、供給リール322の回転を阻止する状態とする。すると、モータ357が回転し、剥離シートTBを巻き取るにつれて、移動体343は、後端側に向かって移動して行く。また、この巻き取りにより、剥離シートTBには、張力が与えられる。このとき、引き出されたテープ部材T2は、尖形部353cにより、急激に折り曲げられる状態となる。この状態で、モータ357がしばらく作動すると、尖形部353cは、テープ部材T2の打ち抜き加工に対応する部位に到達する。
ここで、テープ部材T2の打ち抜き加工では、当該テープ部材T2に対して、上方側から真空吸引力が及ぼされている。このため、打ち抜き加工が為されている保護テープTA2には、尖形部353cにおける急激な折り曲げによって生じる当該保護テープTA2の弾性力と、真空吸着とを合計した力が上方に向かって作用する。この上方に向かう力は、保護テープTA2と剥離シートTBとの間の粘着力よりも大きくなる。それにより、保護テープTA2は、真空吸引が為されている打ち抜き部分の端部から、徐々に剥がされて行く。
そして、移動体343が規定の後端位置まで到達すると、吸着部材213は、打ち抜き加工が為された保護テープTA2を吸引保持している状態となる。そして、この状態のまま、作業者は取手201を把持して、上蓋ユニット200をチャンバユニット100側にスライドさせる。これによって、ステップS13が完了する。
なお、ステップS14以後の動作は、上述のテープ部材T1における説明と同様であるが、テープ部材T1の場合との相違点は、第1の弁部材114によっての真空室Vの本体委部分の真空吸引開始前に、上述したように、第3の弁部材116を動作させ、吸着部材213と上蓋プレート210との間の空間および吸着部材213について真空吸引を開始していることである。第3の弁部材116による真空吸引は、ステップS14の際も継続する。しかし、ステップS14の際、すなわち、上蓋プレート210を降下させ、シールリング123,216同士が接触した後には、吸着部材213による保護テープTA2の真空吸引を停止するようにしても良い。この真空吸引の停止により、真空室Vが真空吸引されるにつれて、保護テープTA2に対する吸引保持力が弱まる。そのため、ウエハ11が持ち上げられて、当該ウエハ11の上面に保護テープTA2が接触すると、ウエハ11の上面に保護テープTA2が、良好に接着される場合がある。
このような構成のテープ接着装置10によれば、ゴムシート126の上方にウエハ11をセットし、保護テープTA1,TA2がシールリング123,216の間に介在する状態で両者を突き合わせると、これらシールリング123,216の間に、保護テープTA1,TA2が挟み込まれる状態となる。この状態で、真空室Vの真空吸引を開始し(ステップS14)、その後、空気導入部127との間の真空排気を開始し(ステップS15)、その後、空気導入部127の内部に空気を導入する(ステップS17)ことにより、ゴムシート126は、真空室Vの上方に向かって膨張する。それにより、ゴムシート126は、ウエハ11を持ち上げ、ステップS18を経由し、当該ウエハ11の上面に対して、保護テープTA1,TA2を、気泡分散状態で接着させる(ステップS19)。この場合、真空室Vの真空吸引が為された後に、ウエハ11が持ち上げられる。このため、ウエハ11に対して、気泡Pの入り込み過ぎを防ぎながら、気泡Pが適度に分散した状態で、保護テープTA1,TA2を接着させることが可能となる。なお、制御装置400は、その後、所定時間が経過するかを監視し(ステップS20)、所定時間が経過すると、少なくとも第1の弁部材114を大気開放側に切り替えて、真空室Vとその上部の圧力を大きくし、気泡Pをウエハ11外に排出させる(ステップS21)。このため、気泡Pが介在しない状態で、両者を完全に接着させることができる。
また、このテープ接着装置10によって実施される方法の場合には、気泡Pが残った状態でテープ部材となる保護テープTA1,TA2をワークとなるウエハ11に接着させることができるので、真空の程度を強くする必要がなく、また、テープ部材とワークとの間隔を狭くすることができる。このため、テープ部材の接着に要する時間の短縮化が可能になる。また、残った気泡Pは、空気開放ステップで、ワーク外へ排出されるので、ワークとテープ部材との間の気泡Pを確実に除去できることとなる。さらに、空気開放ステップでは、気泡Pがワークの中心側から外周側に向かって、直線的に移動し、排出されるものとしているので、排出の時間が短縮され、製造効率がさらにアップする。また、吸引ステップでは、テープ部材の接着面とは反対となる側を多孔質からなる吸着部材213を介して真空吸着しているので、テープ部材の張設状態が維持され、接着状態の不具合発生のリスクが軽減される。
また、本実施の形態では、第1テープ供給機構220からは、シート状の保護テープTA1が供給可能であると共に、第2テープ供給機構320からは、予め打ち抜き加工が為されている保護テープTA2が供給可能である。このため、異なる保護テープTA1,TA2を真空室Vに供給することが可能となり、ウエハ11に対する保護テープの貼付の多用なニーズに応えることが可能となる。
また、本実施の形態では、第1テープ供給機構220からは、シート状の保護テープTA1が、掛け渡される状態で供給される。また、第2テープ供給機構320からは、保護テープTA2が、上蓋ユニット200を用いて真空室Vに供給される。このため、保護テープTA1,TA2は、ウエハ11に貼り付けられる状態で供給され、作業性を良好にすることが可能となる。
さらに、シールリング123,216の間で、保護テープTA1を挟持できるため、チャンバプレート120と上蓋プレート210との間の突き合わせの動作を利用して、保護テープTA1を簡易に保持させることが可能となる。また、この保持状態では、保護テープTA1をウエハ11の上面よりも上方に位置させることができる。それにより、ゴムシート126を上方に向けて膨張させれば、ウエハ11を、保護テープTA1に対して良好に接触させることができる。
また、本実施の形態では、シールリング216は、例えばシリコンゴムのような、柔軟性を有する柔軟部材から形成されている。このため、シールリング123とシールリング216とが突き合わされると、この柔軟部材が柔軟に弾性変形する。それにより、シールリング123とシールリング216との間に保護テープTA1が介在する場合でも、保護テープTA1を挟持する境界部分で隙間が形成されるのを防止することが可能となる。さらに、真空吸引時には、シールリング123,216の間には、互いに押し付ける力が一層強まり、シールリング216は、上述の境界部分で隙間が形成されるのを一層確実に防止する。それにより、真空室Vを外部から気密に封止することが可能となる。
また、特に、シールリング216の材質が、シリコンゴムであるため、シールリング123,216が、保護テープTA1を挟持する状態で互いに突き合わされる場合、この挟持の端部において、隙間が生じるのを確実に防ぐことが可能となる。
また、本実施の形態では、チャンバユニット100に隣り合う状態で、待機ユニット300が設けられていて、上蓋ユニット200は、これらチャンバユニット100と待機ユニット300との間をスライド可能に設けられている。そのため、この上蓋ユニット200のスライドを利用すれば、保護テープTA1,TA2を容易に引き出し/搬送可能となる。また、ウエハ11をゴムシート126の上面に設置する場合には、上蓋ユニット200がチャンバユニット100を覆う状態から退避させ、凹陥部122を開放させることが可能となる。それにより、ウエハ11を設置する際の作業性を向上させることが可能となる。
特に、上蓋ユニット200には、第1テープ供給機構220が設けられているため、上蓋ユニット200のスライドを利用して、当該上蓋ユニット200を待機ユニット300からチャンバユニット100に向かってスライドさせれば、保護テープTA1を容易に引き出すことが可能となる。それにより、保護テープTA1を供給する際の作業効率を一層良好にすることが可能となる。
加えて、上蓋ユニット200の前端側には、第1テープ供給機構220が設けられていて、さらにチャンバユニット100の後端側には、テープ押さえ機構330が設けられている。そのため、保護テープTA1の引き出しの先端部分を先端貼付バー331に貼付し、その状態で上蓋ユニット200を前端側に向けてスライドさせるだけで、保護テープTA1を、張力を有する状態でシールリング123,216の間に掛け渡すことが可能となる。すなわち、保護テープTA1の引き出しの先端部分を先端貼付バー331に貼り付け、その後上蓋ユニット200をスライドさせれば、保護テープTA1の引き出し作業が完了するので、保護テープTA1の設置作業を大幅に簡略化することができ、作業効率を一層良好にすることが可能となる。
また、本実施の形態では、待機ユニット300には、シール剥がし機構340が設けられている。このため、保護テープTA2は、シール剥がし機構340によってテープ部材T2から良好に剥がすことが可能となる。また、上蓋ユニット200には、吸着部材213が設けられている。このため、上蓋ユニット200をチャンバプレート210の上方に向けてスライドさせれば、剥がされた保護テープTA2を、真空室Vに向けて搬送可能となる。それにより、真空室Vの内部に対して保護テープTA2を設置する作業を大幅に簡略化することが可能となり、作業効率を一層良好にすることが可能となる。
さらに、シール剥がし機構340においては、剥がし板353にテープ部材T2を倣わせる状態で、移動体343を後端側に移動させると、テープ部材T2が尖形部353cを通過する。この場合、テープ部材T2は、尖形部353cにより、急激に折り曲げられ、折り曲げに対する反力(弾性力)が、保護テープTA2に生じると共に、当該保護テープTA2の上面からは、真空吸引力が及ぼされる。そのため、テープ部材T2は、尖形部353cに倣う状態で通過させれば、テープ部材T2から保護テープTA2を良好に剥がすことが可能となる。それにより、ウエハ11に保護テープTA2を貼付する際の作業性を、一層良好にすることが可能となる。
また、チャンバユニット100(チャンバプレート120)と上蓋ユニット200(上蓋プレート210)の間には、上蓋封止機構140が設けられている。そのため、上蓋封止機構140を用いることにより、上蓋プレート210を上下方向に移動させることが可能となる。それにより、上蓋プレート210を下方に移動させると、シールリング123,216を互いに突き合わせることが可能となり、真空室Vの内部を、外部から気密に封止することが可能となる。
また、本実施の形態では、ウエハ11の持ち上げに、ゴムシート126を用いているため、真空室Vおよび空気導入部127の圧力を種々変更することにより、該ゴムシート126を真空室V側に膨らませたり、逆に真空室V側に膨らんでいる状態から戻したりする動作を容易に行うことができる。それによって、ウエハ11を保護テープTAに容易に接着させることが可能となる。
また、吸着部材213は、多孔質セラミックスから構成されている。このため、保護テープTAの全面に亘って確実に、かつ均一に吸着保持することができる。それによって、保護テープTAに弛みが生じるのを防ぐことができる。さらに、制御装置400は、真空ポンプ111、第1〜第3の弁部材114〜116、真空計132、センサ164に接続されていて、これらの作動を良好に制御することができる。
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の実施の形態においては、ワークとして、ウエハ11を用いる場合について説明している。しかしながら、ワークとしては、ウエハ以外に液晶等のガラス基板や特殊ガラス材、有機EL用のガラス基板等、各種MEMS(micro electro mechanical systems)に用いられるデバイスを形成するための基板を採用しても良い。また、上述の実施の形態では、真空化後に大気(空気)を導入しているが、空気以外のもの、例えばアルゴンガス等を導入して、加圧する状態としても良い。また、テープ部材Tは、上述の実施の形態のものには限られず、UV硬化型(紫外線硬化型)テープ、偏光フィルム、保護シート、透明電極等、ワークの表面に接着可能であれば、種々のものを用いることができる。
上述の実施の形態では、一旦、気泡Pを分散配置するようにしたが、この分散配置とならない例としては、図36に示すように、ウエハ11の外周部分がテープ部材と確実に接着し、気泡Pがウエハ11の外周部分に配置されない状況や、気泡Pがウエハ11の周方向で、所定の角度範囲のみに配置される状況が上げられる。この分散配置とは、たまたま中心に位置した気泡Pが、他の気泡Pが存在することで、ウエハ11の外周方向に拡散していき、結果として、ウエハ11から排出される状況のものをいう。
また、上述の実施の形態において、伸縮シート部材となるゴムシート126の下面側に比べ、保護テープTAが配置される側を早めに吸引または強く吸引する方法として、第1の真空室となる真空室Vを、第2の真空室となる空気導入部127より先に真空吸引を開始させているが、真空室Vの体積を、空気導入部127の体積より小さくしたり、真空ポンプ111からの距離を真空室Vの方を短くしても良い。また、真空ポンプを2つ用意し、真空室Vを吸引する真空ポンプの吸引力を、空気導入部127を吸引する真空ポンプの吸引力に比べ、大きくしても良い。
また、上述の実施の形態において、テープ接着装置10の内部に、ワークとしてのウエハ11の表面に接着されている保護テープTAを、シール剥がし機構340を利用して剥離させるようにしても良い。この場合、真空吸引されるテープ接着装置10の内部において、保護テープTAを剥がすことができる。そのため、テープ剥がしが為されるに際して、ウエハ11の表面に埃が付着するのを防ぐことができる。特に、現状では、クリーンルーム内で保護テープTAを剥離させても、ウエハ11の表面に埃が付着するのを防止することが困難であるが、本実施の形態のテープ接着装置10を利用する場合、真空内部において保護テープTAの剥離が為されるため、ウエハ11に埃が付くのを、一層確実に防ぐことができる。
また、上述の真空室Vの内部において、テープ部材Tをウエハ11から剥がす場合、保護テープTAの剥がし時に発生する静電気による、ウエハ11の表面への塵埃の付着を防止することができる。すなわち、保護テープTAの剥がしを真空室Vの内部で行う場合、剥がしに際して仮に静電気が発生したとしても、外部雰囲気を飛散している塵埃が、ウエハ11の表面に付着するのを防止することができる。
また、上述のテープ接着装置10に、イオナイザを設けるように構成しても良い。イオナイザが設けられる場合、このイオナイザによってウエハ11またはテープ部材T1,T2にイオン化された空気を吹き付けるようにする。すると、これらウエハ11またはテープ部材T1,T2に付着している塵埃の除去が図れる。また、ウエハ11またはテープ部材T1,T2が除電され、帯電している塵埃等がウエハ11またはテープ部材T1,T2に付着しないようになる。また、イオン化された空気で、ウエハ11またはテープ部材T1,T2の殺菌処理を行うこともできる。
また、上述の環状切断機構170および横切断機構180は、例えばカッター179a,184の先端部を加熱するための、ヒータを内蔵する構成を採用しても良い。かかるヒータを内蔵する場合、カッター179a,184の先端部が保護テープTAに接触すると、熱によって保護テープTAが溶ける。そのため、先端部を保護テープTAに押し当てて、該先端部を保護テープTAに対して相対的に移動させれば、簡易に保護テープTAを切断することが可能となる。
ここで、カッター179a,184がヒータにより熱せられる場合、カッター179a,184の押し当てのみで保護テープTAを切断する方式と比較して、切り屑等の発生を防ぐことが可能となる。すなわち、カッター179a,184を押し当てるだけの切断方式を採用する場合、保護テープTAの切断箇所から細かな切り屑等が発生し、その切り屑等がウエハ11に付着する等すると、該ウエハ11の後処理において不良の原因となり、好ましくない。しかしながら、カッター179a,184がヒータにより熱せられる場合、かかる切り屑等が発生するのを防止できるため、かかる不良の原因を、除去することが可能となる。また、カッター179a,184を押し当てるのみで、保護テープTAを切断する場合、当該カッター179a,184の刃先には、常に鋭利さが求められ、磨耗によっていずれ刃物交換等が必要となる。しかしながら、カッター179a,184がヒータによって熱せられる場合、カッター179a,184の先端部には鋭利さが必要とされることはなく、そのため、磨耗等の問題が発生するのを抑えることが可能となる。
なお、カッター179a,184以外に、保護テープTAを切断するための手段としては、上述のヒータ以外に、レーザ光を照射するレーザ光照射装置を具備する構成を採用しても良い。レーザ光を照射する場合も、ヒータと同様に、保護テープTAを熱によって溶かしながら切断することが可能となる。
また、上述の上蓋ユニット200は、作業者が取手201を把持してスライドさせる構成を採用せずに、シリンダやモータ等のアクチュエータを用いて、自動的にスライドするように構成しても良い。特に、上蓋ユニット200の重量が重い場合には、当該上蓋ユニット200をアクチュエータを用いて自動的にスライドさせることにより、作業効率を向上させることが可能となる。
また、テープ接着装置10に対してウエハ11を搬送するための、搬送ロボットを設置するようにしても良い。この場合、ウエハ11に対する保護テープTAの接着を、一層自動化させることが可能となる。また、上述の実施の形態では、テープ接着装置10の内部に、ウエハ11を一枚ずつ設置している。しかしながら、ウエハ11を複数枚収納可能なカセットをテープ接着装置10の内部に設置し、かかるカセットからウエハ11を順次取り出すようにしても良い。
さらに、上述の実施の形態では、第1の蓋部材としてチャンバプレート120、第2の蓋部材として上蓋ユニット200を用いる場合について説明している。しかしながら、第1の蓋部材および第2の蓋部材は、これらに限られるものではない。例えば、第1の蓋部材としては、凹陥部122を有しないものを第1の蓋部材としても良い。また、第2の蓋部材としては、例えば吸着部材213およびこの吸着部材213を嵌め込む凹部212を有しないものを、第2の蓋部材としても良い。
また、本実施の形態では、シールリング123を第1のシール部材とすると共に、シールリング216を第2のシール部材としている。しかしながら、第1のシール部材および第2のシール部材は、真空室Vの封止性が良好であるならば、他の部材を材質としても良い。例えば、シールリングをシリコンゴムとすると共に、シールリングを、平滑性の高い平面部を有する金属製のリング等、またはその逆とするが如きである。
また、本実施の形態では、保護テープTAを吸着保持するための吸着手段に、多孔質セラミックスを材質とする吸着部材213を用いているが、吸着部材は、多孔質体であればどのような材質であっても良い。多孔質体の他の例としては、スポンジ体が挙げられる。
さらに、上述の実施の形態においては、吸着部材213は、多孔質セラミックスから構成されている。この場合において、多孔質セラミックスを別途加熱する機構を設け、該吸着部材213にセラミックスヒータといった、加熱のための機能を持たせるようにしても良い。この場合には、保護テープTAが加熱されるため、保護テープTAのウエハ11に対する接着性(粘着性)が良好となる。このため、保護テープTAをウエハ11に対して一層強固に接着させることが可能となる。
また、上述の実施の形態においては、スライド機構は、ガイドレール155,313、ガイド車輪163等を用いている。しかしながら、スライド機構は、これに限られるものではなく、レール同士を対向させ、これらを単純に滑らせることにより構成しても良い。また、上述の実施の形態においては、テープ搬送手段としては、上蓋ユニット200が用いられている。しかしながら、上蓋ユニット200とは別に保護テープTAを搬送するためのテープ搬送手段を設けるように構成しても良い。
また、制御装置400は、予め制御条件が設定されているものでも良く、作業者側で任意に制御条件を設定可能な構成でも良い。また、上述の実施の形態におけるテープ接着装置10は、加圧を行わないタイプとなっている。しかしながら、テープ接着装置10は、真空室Vの内部で加圧するように構成しても良い。
本発明のテープ接着方法や電子部品製造方法は、ウエハを用いた半導体集積回路の製造過程や液晶を用いた液晶表示装置の製造過程において利用することができる。すなわち、半導体製造産業等において利用することができる。また、ガラス基板を用いたディスプレイの製造産業等において利用することもできる。
本発明の一実施の形態に係るテープ接着方法を実施するために用いられるテープ接着装置の構成を示す斜視図であり、上蓋ユニットがチャンバユニット側に位置している状態を示す図である。 図1のテープ接着装置において、上蓋ユニットが待機ユニット側に位置している状態を示す斜視図である。 図1のテープ接着装置において、側面形状を示す図である。 図1のテープ接着装置において、平面形状を示す図である。 図1のテープ接着装置において、正面形状を示す図である。 図1のテープ接着装置において、背面形状を示す図である。 図1のテープ接着装置において、チャンバユニットおよび上蓋ユニットを中心とした主要な構成を示す概略的な図である。 図1のテープ接着装置のうち、真空室および空気導入部付近を拡大して示す部分的な側断面図である。 図1のテープ接着装置において、第1テープ供給機構から供給されるテープ部材の概略を示す斜視図である。 図1のテープ接着装置において、第2テープ供給機構から供給されるテープ部材の概略を示す斜視図である。 図1のテープ接着装置において、チャンバユニットのうち上蓋封止機構を示す平面図である。 図1のテープ接着装置において、チャンバユニットのうち上下封止機構を示す正面図である。 図1のテープ接着装置において、チャンバユニットのうち上下封止機構を示すと共に、プレート連結部が上下方向に沿う状態を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、チャンバユニットのうち上下封止機構を示すと共に、プレート連結部が斜めとなっている状態を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、環状切断機構の構成を示す平面図である。 図1のテープ接着装置において、環状切断機構の構成を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、横切断機構の構成を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、横切断機構の構成を示す平面図である。 図1のテープ接着装置において、横切断機構の構成を示す正面図である。 図1のテープ接着装置において、第1テープ供給機構の構成を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、第1テープ供給機構の構成を示す平面図である。 図1のテープ接着装置において、第1テープ供給機構の構成を示す正面図である。 図1のテープ接着装置において、第1テープ機構から引き出されるテープ部材とガイドローラおよび先端貼付バーの関係を示す概略図である。 図1のテープ接着装置において、第2テープ供給機構の構成を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、第2テープ供給機構の構成を示す平面図である。 図1のテープ接着装置において、テープ押さえ機構の構成を示す図である。 図1のテープ接着装置において、シール剥がし機構の構成を示す側面図である。 図1のテープ接着装置において、シール剥がし機構の構成を示す平面図である。 図1のテープ接着装置において、シール剥がし機構の構成を示す正面図である。 図1のテープ接着装置の制御関係を示すブロック図である。 図1のテープ接着装置で用いられる治具の取付関係を示す平面図である。 図31の治具のうち、リング部材の構成を示す平面図である。 図31の治具のうち、テープ保持リングの構成を示す平面図である。 図1のテープ接着装置を使用してテープ部材をワークとなるウエハに接着するフローチャートを示す図である。 図1のテープ接着装置を使用してテープ部材をワークとなるウエハに接着する際に発生させる気泡の分散状態と、その気泡のウエハ外への排出を示す図である。 図1のテープ接着装置を使用してテープ部材をワークとなるウエハに接着する際に、ウエハの外縁が先に接着し、気泡がウエハ外へ排出できない状態を示す図である。
符号の説明
10…テープ接着装置
11…ウエハ(ワークに対応)
100…チャンバユニット
110…基台部
111…真空ポンプ(第1の吸引手段の一部、第2の吸引手段の一部、吸着手段の一部に対応)
112…吸引管路(第1の吸引手段の一部、第1の空気導入手段の一部)
113…吸引管路(第2の吸引手段の一部、第2の空気導入手段の一部)
114…第1の弁部材(第1の吸引手段の一部、第1の空気導入手段の一部)
115…第2の弁部材(第2の吸引手段の一部、第2の空気導入手段の一部)
116…第3の弁部材(吸着手段の一部に対応)
117…突出管路(第1,第2の空気導入手段の一部)
118…管部材(吸着手段の一部に対応)
119…ホース(吸着手段の一部に対応)
120…チャンバプレート(第1の蓋部材に対応)
126…ゴムシート(伸縮シート部材に対応)
127…空気導入部(第2の真空室に対応)
140…上蓋封止機構(移動機構に対応)
155,313…ガイドレール(スライド機構の一部に対応)
160…車輪支持部材(スライド機構の一部に対応)
163…ガイド車輪(スライド機構の一部に対応)
200…上蓋ユニット(テープ搬送手段に対応)
210…上蓋プレート(第2の蓋部材に対応)
213…吸着部材(吸着手段の一部に対応)
214…挿通孔(吸着手段の一部に対応)
220…第1テープ供給機構(第1のテープ供給手段に対応)
300…待機ユニット
310…基台部
320…第2テープ供給機構(第2のテープ供給手段に対応)
330…テープ押さえ機構(貼付手段に対応)
340…シール剥がし機構
400…制御装置
V…真空室(第1の真空室に対応)
P…気泡
S…接着域
T1,T2…テープ部材
TA1…保護テープ(テープ部材、第1の保護テープに対応)
TA2…保護テープ(テープ部材、第2の保護テープに対応)

Claims (14)

  1. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、
    まず、上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、
    を有することを特徴とするテープ接着方法。
  2. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、
    まず、上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記ワークを上記テープ部材に接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入し、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出する空気開放ステップと、
    を有することを特徴とするテープ接着方法。
  3. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、
    上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置し、上記第1の真空室より大きな空間となる第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引させる吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入し、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出する空気開放ステップと、
    を有することを特徴とするテープ接着方法。
  4. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着するテープ接着方法において、
    上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で、少なくとも吸引当初は、上記第1の真空室より小さい吸引力で真空吸引させる吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入し、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出する空気開放ステップと、
    を有することを特徴とするテープ接着方法。
  5. 伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記ワークを上記テープ部材に接着させる接着ステップと、上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、上記伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、上記テープ部材を接着するテープ接着方法において、
    上記伸縮シート部材の下面側に比べ、上記テープ部材が配置される側を早めに吸引または強く吸引し、上記テープ部材の上記ワーク側への垂れ下がりを阻止したことを特徴とするテープ接着方法。
  6. 伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記ワークを上記テープ部材に接着させる接着ステップと、上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、上記伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、上記テープ部材を接着するテープ接着方法において、
    上記接着ステップでは、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させ、上記空気開放ステップでは、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出することを特徴とするテープ接着方法。
  7. 前記第1の吸引手段と前記第2の吸引手段は、同一の真空ポンプを駆動源とすることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のテープ接着方法。
  8. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、
    まず、上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、
    上記テープ部材が接着された上記ワークを移動または処理するワーク処理ステップと、
    上記ワークを上記テープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、
    を有することを特徴とする電子部品製造方法。
  9. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、
    まず、上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引を開始させ、その後、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引を開始させ、両真空室を真空吸引する吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記ワークを上記テープ部材に接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入し、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出する空気開放ステップと、
    上記テープ部材が接着された上記ワークを移動または処理するワーク処理ステップと、
    上記ワークを上記テープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、
    を有することを特徴とする電子部品製造方法。
  10. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、
    上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置し、上記第1の真空室より大きな空間となる第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引させる吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入し、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出する空気開放ステップと、
    上記テープ部材が接着された上記ワークを移動または処理するワーク処理ステップと、
    上記ワークを上記テープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、
    を有することを特徴とする電子部品製造方法。
  11. 伸縮シート部材の上面側に配置されるワークに対し、テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、
    上記伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引させると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で、少なくとも吸引当初は、上記第1の真空室より小さい吸引力で真空吸引させる吸引ステップと、
    上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、
    上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させる接着ステップと、
    上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入し、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出する空気開放ステップと、
    上記テープ部材が接着された上記ワークを移動または処理するワーク処理ステップと、
    上記ワークを上記テープ部材から剥がすテープ剥がしステップと、
    を有することを特徴とする電子部品製造方法。
  12. 伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記ワークを上記テープ部材に接着させる接着ステップと、上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、上記伸縮シート部材の上面側に配置される上記ワークに対し、上記テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、
    上記伸縮シート部材の下面側に比べ、上記テープ部材が配置される側を早めに吸引または強く吸引し、上記テープ部材の上記ワーク側への垂れ下がりを阻止したことを特徴とする電子部品製造方法。
  13. 伸縮シート部材の上面側に位置する第1の真空室を第1の吸引手段で真空吸引すると共に、上記伸縮シート部材の下面側に位置する第2の真空室を第2の吸引手段で真空吸引する吸引ステップと、上記吸引ステップが所定時間実行された後または上記第1の真空室及び上記第2の真空室が設定された真空度に到達した後に、上記第2の吸引手段の作動停止により上記第2の真空室の真空吸引を停止すると共に、第2の空気導入手段を作動させて該第2の真空室に空気を導入する空気導入ステップと、上記空気導入ステップの後に、上記伸縮シート部材を上記第1の真空室の内部に向けて膨張させ、かかる伸縮シート部材の膨張によって、上記ワークを上記テープ部材に向かって持ち上げて、上記ワークを上記テープ部材に接着させる接着ステップと、上記接着ステップを実行した後に、第1の空気導入手段を作動させて上記第1の真空室に空気を導入する空気開放ステップと、を有し、上記伸縮シート部材の上面側に配置される上記ワークに対し、上記テープ部材を接着し、その後、上記ワークを処理し、電子部品を製造する電子部品製造方法において、
    上記接着ステップでは、上記テープ部材が上記ワークの外縁に先に接着し、その後、上記ワークの中心に接着するという状態が生じないように接着させ、上記空気開放ステップでは、上記テープ部材と上記ワークの間に発生した気泡を上記ワーク外へ排出することを特徴とする電子部品製造方法。
  14. 前記第1の吸引手段と前記第2の吸引手段は、同一の真空ポンプを駆動源とすることを特徴とする請求項8から13のいずれか1項記載の電子部品製造方法。
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