JP2008065282A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラインエッジラフネス(LER)の低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)は、有橋脂環式基をアセタール結合を介して側鎖に有する単位と3級エステル型の酸解離性基を有する単位とを含む。
【選択図】なし
【解決手段】酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)は、有橋脂環式基をアセタール結合を介して側鎖に有する単位と3級エステル型の酸解離性基を有する単位とを含む。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂と酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、たとえば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、たとえば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている(たとえば特許文献1参照)。
特開2003−241385号公報
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、たとえば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、たとえば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている(たとえば特許文献1参照)。
しかしながら、従来のレジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した際、レジストパターン側壁の表面に荒れ(ラフネス)が生じる場合がある。
かかるラフネスは、たとえば、ラインパターン側壁表面のラフネス、すなわちラインエッジラフネス(LER)の場合、ライン幅のばらつき等の原因となり、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与える恐れがある。
したがって、レジストパターンの微細化がますます進む状況のなか、高解像性の要望がさらに高まるにつれ、LERの低減がさらに重要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、LERの低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
かかるラフネスは、たとえば、ラインパターン側壁表面のラフネス、すなわちラインエッジラフネス(LER)の場合、ライン幅のばらつき等の原因となり、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与える恐れがある。
したがって、レジストパターンの微細化がますます進む状況のなか、高解像性の要望がさらに高まるにつれ、LERの低減がさらに重要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、LERの低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ベース樹脂としてイソボルニル基を含有するアセタール型の酸解離性溶解抑制基を含む構成単位を有する樹脂成分を用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)は、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)を有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)は、下記一般式(I)で表される構成単位(a1)を有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜5のアルキル基を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜5のアルキル基を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、LERの低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供できる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有する。
かかるポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が(A)成分に作用してアルカリ溶解性を増大させる。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像を行うことにより、レジストパターンを形成することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有する。
かかるポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が(A)成分に作用してアルカリ溶解性を増大させる。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像を行うことにより、レジストパターンを形成することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)を有する。
また、(A)成分は、好ましくは、さらに、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有する。
また、(A)成分は、好ましくは、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する。
また、(A)成分は、好ましくは、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する。
本発明において、(A)成分は、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)を有する。
また、(A)成分は、好ましくは、さらに、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有する。
また、(A)成分は、好ましくは、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する。
また、(A)成分は、好ましくは、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、前記一般式(I)で表される構成単位である。構成単位(a1)を有することにより、LERの低減されたレジストパターンを形成することができる。
構成単位(a1)は、前記一般式(I)で表される構成単位である。構成単位(a1)を有することにより、LERの低減されたレジストパターンを形成することができる。
一般式(I)において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示す。Rにおいて、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよいハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。なかでも、水素原子またはメチル基であることが特に好ましく、メチル基であることが最も好ましい。
R1’は、水素原子または低級アルキル基を示す。R1’において、低級アルキル基は、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明において、R1’は、なかでも水素原子であることがより好ましい。
nは0〜3の整数であり、0〜2であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0が最も好ましい。
R1’は、水素原子または低級アルキル基を示す。R1’において、低級アルキル基は、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明において、R1’は、なかでも水素原子であることがより好ましい。
nは0〜3の整数であり、0〜2であることが好ましく、0または1であることがより好ましく、0が最も好ましい。
以下に、前記一般式(I)で表される構成単位の具体例を示す。
上記のなかでも、化学式(a1−2−36)〜(a1−2−39)から選択される少なくとも1種以上を用いることがより好ましく、なかでも化学式(a1−2−38)を用いることが最も好ましい。
構成単位(a1)を誘導するモノマーは、たとえば下記一般式(1)で表される化合物と、下記一般式(2)で表される化合物とを反応させることにより合成することができる。
上記一般式(1)において、R1’、nは、上記一般式(I)中のR1’、nとそれぞれ同様である。
Xはハロゲン原子を示す。なかでも、Xとしては、塩素原子又は臭素原子が好ましく挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、たとえば(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ブロモメチルエーテル等が挙げられる。
上記一般式(2)において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示す。Rとしては、一般式(I)中のRと同様である。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸又はトリフルオロメチルアクリル酸等が挙げられる。
Xはハロゲン原子を示す。なかでも、Xとしては、塩素原子又は臭素原子が好ましく挙げられる。
一般式(1)で表される化合物の具体例としては、たとえば(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)ブロモメチルエーテル等が挙げられる。
上記一般式(2)において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示す。Rとしては、一般式(I)中のRと同様である。
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸又はトリフルオロメチルアクリル酸等が挙げられる。
構成単位(a1)を誘導するモノマーの製造方法において、一般式(2)で表される化合物の使用量としては、一般式(1)で表される化合物に対して、通常0.8〜5倍モル、好ましくは1.0〜2.0倍モルである。
反応温度としては、通常、−200〜200℃であり、−50〜100℃が好ましい。
反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、常圧〜1MPaが好ましい。
反応圧力が低すぎる場合、発生するハロゲン化水素ガスの溶媒等への溶解度が低下するため、反応時間が長くなる。
反応圧力が高すぎる場合は、特別な装置が必要となり、経済的でない。
反応温度としては、通常、−200〜200℃であり、−50〜100℃が好ましい。
反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、常圧〜1MPaが好ましい。
反応圧力が低すぎる場合、発生するハロゲン化水素ガスの溶媒等への溶解度が低下するため、反応時間が長くなる。
反応圧力が高すぎる場合は、特別な装置が必要となり、経済的でない。
反応に際しては、場合により、溶媒を用いることができ、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;アセトン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
反応は、必要により、塩基性物質の存在下で行うことができる。
塩基性物質としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
塩基性物質の使用量としては、一般式(2)で表される化合物1モルに対し、1〜5倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
塩基性物質としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
塩基性物質の使用量としては、一般式(2)で表される化合物1モルに対し、1〜5倍モル、好ましくは1〜2倍モルである。
反応終了後、通常、未反応で存在する一般式(2)で表される化合物を除去する目的で反応生成物を、塩基性化合物水溶液を用いて洗浄する。
ここで、塩基性化合物としては、一般的な塩基性化合物を用いることができるが、中でも、無機塩基性化合物が好ましい。
具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸二水素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン等の有機塩基性化合物を使用することもできるが、無機塩基性化合物に比べ、有機塩基性化合物は水洗により除去され難いため、構成単位(a1)を誘導するモノマー中に残留し、該化合物の保存安定性に影響する恐れがある。
ここで、塩基性化合物としては、一般的な塩基性化合物を用いることができるが、中でも、無機塩基性化合物が好ましい。
具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、燐酸二水素ナトリウム、燐酸水素二ナトリウム、燐酸ナトリウム、燐酸二水素カリウム、燐酸水素二カリウム、燐酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、ピリジン等の有機塩基性化合物を使用することもできるが、無機塩基性化合物に比べ、有機塩基性化合物は水洗により除去され難いため、構成単位(a1)を誘導するモノマー中に残留し、該化合物の保存安定性に影響する恐れがある。
反応生成物を、塩基性化合物水溶液を用いて洗浄後、一般的な後処理操作を行った後、溶媒を減圧留去することにより、構成単位(a1)を誘導するモノマーを得ることができる。
このようにして得られた構成単位(a1)を誘導するモノマーは、このまま製品とすることもできるし、更に、得られる構成単位(a1)を誘導するモノマーの性状と含まれる不純物の種類を考慮して、蒸留、晶析等の精製を行ってもよい。
このようにして得られた構成単位(a1)を誘導するモノマーは、このまま製品とすることもできるし、更に、得られる構成単位(a1)を誘導するモノマーの性状と含まれる不純物の種類を考慮して、蒸留、晶析等の精製を行ってもよい。
一般式(1)で表される化合物は、例えば、ボルネオールに、有機溶媒中、ホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒド並びに塩化水素ガス又は臭化水素ガスを反応させることにより製造することができる。
反応温度としては、通常、−200〜200℃であり、−50〜100℃が好ましい。
反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、常圧〜1MPaが好ましい。
反応圧力が低すぎる場合、反応に用いる塩化水素ガス又は臭化水素ガスの溶媒等への溶解度が低下するため、反応時間が長くなる。
反応圧力が高すぎる場合は、特別な装置が必要となり、経済的でない。
反応温度としては、通常、−200〜200℃であり、−50〜100℃が好ましい。
反応圧力としては、通常、絶対圧力で0.01〜10MPaであり、常圧〜1MPaが好ましい。
反応圧力が低すぎる場合、反応に用いる塩化水素ガス又は臭化水素ガスの溶媒等への溶解度が低下するため、反応時間が長くなる。
反応圧力が高すぎる場合は、特別な装置が必要となり、経済的でない。
有機溶媒としては、通常、反応温度における有機溶媒への水の溶解度が5質量%以下の有機溶媒を用いる。
具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
具体的には、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒等が挙げられる。
反応終了後、反応により生成する水と有機層を分離する。
未反応のホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドは、水層に移行し除去される。
得られた反応生成物より溶媒を減圧留去することにより、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
得られた一般式(1)で表される化合物は、このまま構成単位(a1)を誘導するモノマーの製造に用いてもよいし、必要に応じて、蒸留、再結晶等の精製を行った後、構成単位(a1)を誘導するモノマーの製造に用いてもよい。
未反応のホルムアルデヒド又はパラホルムアルデヒドは、水層に移行し除去される。
得られた反応生成物より溶媒を減圧留去することにより、一般式(1)で表される化合物を得ることができる。
得られた一般式(1)で表される化合物は、このまま構成単位(a1)を誘導するモノマーの製造に用いてもよいし、必要に応じて、蒸留、再結晶等の精製を行った後、構成単位(a1)を誘導するモノマーの製造に用いてもよい。
(A)成分において、構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a1)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a1)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a1’)
本発明において、(A)成分は、さらに、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有することが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、第3級炭素原子を有する鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。
酸解離性溶解抑制基における「酸解離性」とは、露光時に(B)成分から発生する酸の作用により(A)成分から解離可能であることを意味する。
「溶解抑制基」は、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後は(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
酸解離性溶解抑制基が「第3級アルキルエステル型」であるとは、当該酸解離性溶解抑制基が、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に結合した第3級炭素原子を含むことを意味する。かかる構造においては、通常、(B)成分から酸が発生すると、当該酸の作用により、カルボニルオキシ基末端の酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、当該第3級炭素原子を含む酸解離性溶解抑制基(第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基)が解離する。
本発明において、(A)成分は、さらに、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有することが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、第3級炭素原子を有する鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。
酸解離性溶解抑制基における「酸解離性」とは、露光時に(B)成分から発生する酸の作用により(A)成分から解離可能であることを意味する。
「溶解抑制基」は、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後は(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
酸解離性溶解抑制基が「第3級アルキルエステル型」であるとは、当該酸解離性溶解抑制基が、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に結合した第3級炭素原子を含むことを意味する。かかる構造においては、通常、(B)成分から酸が発生すると、当該酸の作用により、カルボニルオキシ基末端の酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、当該第3級炭素原子を含む酸解離性溶解抑制基(第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基)が解離する。
第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基としては、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基として提案されているものから任意に選択して使用することができ、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基の水素原子と置換されて第3級アルキルエステルを形成する環状または鎖状のアルキル基等が広く知られている。前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基として、より具体的には、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基として、より具体的には、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」において、脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、たとえば低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
構成単位(a1’)において、脂肪族環式基は、単環式基であっても多環式基であってもよく、特に単環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、たとえば低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
構成単位(a1’)において、脂肪族環式基は、単環式基であっても多環式基であってもよく、特に単環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
本発明において、構成単位(a1’)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位と、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
一般式(a1−0−1)において、Rのハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基については上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよいハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
X1は、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されず、上記で挙げた第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
X1は、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されず、上記で挙げた第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2は、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は、前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。なかでも、Y2の脂肪族環式基としては、下記一般式(y−1)で表される基が特に好ましい。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2は、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は、前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。なかでも、Y2の脂肪族環式基としては、下記一般式(y−1)で表される基が特に好ましい。
一般式(a1−0−1)で表される構成単位として、より具体的には、下記式(a1−1−1)〜(a1−1−45)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a1−0−2)で表される構成単位として、より具体的には、下記式(a1−3−1)〜(a1−3−24)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a1−0−2)で表される構成単位として、より具体的には、下記式(a1−3−1)〜(a1−3−24)で表される構成単位が挙げられる。
構成単位(a1’)としては、特に、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表される構成単位や、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表される構成単位が好ましい。
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基は、前記Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基は、前記Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基であることが好ましく、LERの低減効果が向上することから、メチル基であることが最も好ましい。hは、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基は、前記Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基であることが好ましく、LERの低減効果が向上することから、メチル基であることが最も好ましい。hは、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
(A)成分において、構成単位(a1’)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも構成単位(a1’)としては、本発明の効果が特に良好なことから、前記式(a1−1−02)で表される構成単位を用いることがより好ましい。
(A)成分中の構成単位(a1’)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができる。一方、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
なかでも構成単位(a1’)としては、本発明の効果が特に良好なことから、前記式(a1−1−02)で表される構成単位を用いることがより好ましい。
(A)成分中の構成単位(a1’)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができる。一方、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
本発明において、(A)成分は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
本発明において、(A)成分は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
Aの炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
Aの炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−5)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種以上を用いることがより好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが特に好ましい。
(A)成分において、構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
本発明において、(A)成分は、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
本発明において、(A)成分は、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、下記式(a3−2)で表される構成単位、下記式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
式(a3−1)中、jは、1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは、1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは、1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
(A)成分において、構成単位(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(その他の構成単位)
本発明において、(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)、(a1’)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
かかる他の構成単位としては、上述の構成単位(a1)〜(a3)、(a1’)に分類されない構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
他の構成単位として具体的には、たとえばアセタール型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a11)、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)等が挙げられる。
本発明において、(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)、(a1’)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
かかる他の構成単位としては、上述の構成単位(a1)〜(a3)、(a1’)に分類されない構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
他の構成単位として具体的には、たとえばアセタール型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a11)、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)等が挙げられる。
・構成単位(a11)
本発明において、(A)成分は、アセタール型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a11)を含んでいてもよい。ただし、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)と同様の構成単位を除く。
「アセタール型の酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型の酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型の酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型の酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1−1)で表される基が好適なものとして挙げられる。
本発明において、(A)成分は、アセタール型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a11)を含んでいてもよい。ただし、前記一般式(I)で表される構成単位(a1)と同様の構成単位を除く。
「アセタール型の酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型の酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型の酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型の酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1−1)で表される基が好適なものとして挙げられる。
上記式(p1−1)中、R1’、nは、上記一般式(I)中のR1’、nとそれぞれ同様である。
nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
R1’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、特に、上記式(p1−1)中のR1’が水素原子である基が好ましい。
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。ただし、前記一般式(I)で表される構成単位中に含有される脂肪族多環式基(すなわち、イソボルナンから1個の水素原子を除いた基)を除くものとする。
Yの脂肪族環式基として具体的には、下記化学式で示される構造のものが例示できる。
nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
R1’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、特に、上記式(p1−1)中のR1’が水素原子である基が好ましい。
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。ただし、前記一般式(I)で表される構成単位中に含有される脂肪族多環式基(すなわち、イソボルナンから1個の水素原子を除いた基)を除くものとする。
Yの脂肪族環式基として具体的には、下記化学式で示される構造のものが例示できる。
また、アセタール型の酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
R17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a11)としては、前記構成単位(a1’)において挙げた前記一般式(a1−0−1)のX1における第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基、または前記一般式(a1−0−2)のX2における第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を、上述したアセタール型の酸解離性溶解抑制基にそれぞれ置き換えた構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
上記一般式(a1−0−1)のX1における第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を前記アセタール型の酸解離性溶解抑制基に置き換えた構成単位の具体例としては、下記式(a1−2−1)〜(a1−2−43)等が挙げられる。
上記一般式(a1−0−2)のX2における第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を前記アセタール型の酸解離性溶解抑制基に置き換えた構成単位の具体例としては、下記式(a1−4−1)〜(a1−4−30)等が挙げられる。
上記一般式(a1−0−1)のX1における第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を前記アセタール型の酸解離性溶解抑制基に置き換えた構成単位の具体例としては、下記式(a1−2−1)〜(a1−2−43)等が挙げられる。
上記一般式(a1−0−2)のX2における第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を前記アセタール型の酸解離性溶解抑制基に置き換えた構成単位の具体例としては、下記式(a1−4−1)〜(a1−4−30)等が挙げられる。
(A)成分において、構成単位(a11)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
かかる構成単位(a11)を(A)成分に含有させる際、(A)成分中の構成単位(a11)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
かかる構成単位(a11)を(A)成分に含有させる際、(A)成分中の構成単位(a11)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
・構成単位(a4)
本発明において、(A)成分は、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)を含んでいてもよい。
該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1’)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
本発明において、(A)成分は、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4)を含んでいてもよい。
該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1’)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
かかる構成単位(a4)を(A)成分に含有させる際、(A)成分中の構成単位(a4)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、少なくとも前記構成単位(a1)を有する樹脂(重合体)を含むものである。
また、本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
かかる(A)成分としては、1種を単独で用いる場合、前記構成単位(a1)を有する樹脂(重合体)であり;好ましくは、前記構成単位(a1)と、前記構成単位(a2)および/または前記構成単位(a3)とを有する樹脂である。係る樹脂としては、たとえば、前記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体が好適なものとして挙げられ、当該共重合体としては、本発明の効果が向上することから、後述する下記式(A1−11)で表される様な構成単位の組み合わせを含む共重合体が特に好ましい。
また、かかる(A)成分として、2種以上を併用する場合、前記構成単位(a1)を有する樹脂(A1)と、前記構成単位(a1’)を有する樹脂(A2)とを含むことが好ましい。樹脂(A1)と樹脂(A2)とを含むことにより、LERの低減されたレジストパターンを形成することができる。特に、より微細なレジストパターン形成において、LERの低減されたレジストパターンを形成することができる。
以下、樹脂(A1)と樹脂(A2)について説明する。
以下、樹脂(A1)と樹脂(A2)について説明する。
[樹脂(A1)]
本発明において、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)を有する。
また、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)に加え、さらに、前記構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)に加え、または前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)に加え、さらに、前記構成単位(a3)を有することが好ましい。
なお、該樹脂(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(たとえば、前記構成単位(a11)、(a4)等)を含んでいてもよい。
本発明において、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)を有する。
また、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)に加え、さらに、前記構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)に加え、または前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)に加え、さらに、前記構成単位(a3)を有することが好ましい。
なお、該樹脂(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(たとえば、前記構成単位(a11)、(a4)等)を含んでいてもよい。
係る樹脂(A1)において、各構成単位の割合(モル比)は、本発明の効果が向上することから、樹脂(A1)を構成する全構成単位の合計に対し、
構成単位(a1)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2)は5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a3)は5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a11)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a11)は1〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a4)は1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
構成単位(a1)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2)は5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a3)は5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a11)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a11)は1〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a4)は1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明において、樹脂(A1)の好適なものとしては、たとえば前記構成単位(a1)、(a2)および(a3)を有する共重合体が挙げられる。
係る共重合体としては、前記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体が好適なものとして例示できる。係る共重合体として具体的には、下記式(A1−11)で表される様な構成単位の組合せを含むものが特に好ましい。
係る共重合体としては、前記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体が好適なものとして例示できる。係る共重合体として具体的には、下記式(A1−11)で表される様な構成単位の組合せを含むものが特に好ましい。
一般式(A1−11)において、Rについては上記と同様であり、水素原子またはメチル基が好ましい。なかでも、いずれのRもメチル基であることが最も好ましい。
nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
樹脂(A1)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分中、樹脂(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の樹脂(A1)の割合は、10〜90質量%であることが好ましく、15〜80質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、LERの低減されたレジストパターンが得られやすくなる。一方、上限値以下であることにより、樹脂(A2)とのバランスが良好となってリソグラフィー特性(露光余裕度等)が向上する。
(A)成分中の樹脂(A1)の割合は、10〜90質量%であることが好ましく、15〜80質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、LERの低減されたレジストパターンが得られやすくなる。一方、上限値以下であることにより、樹脂(A2)とのバランスが良好となってリソグラフィー特性(露光余裕度等)が向上する。
[樹脂(A2)]
本発明において、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1’)を有する。
また、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1’)に加え、さらに、前記構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1’)に加え、または前記構成単位(a1’)と前記構成単位(a2)に加え、さらに、前記構成単位(a3)を有することが好ましい。
なお、該樹脂(A2)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1’)、(a2)、(a3)以外の他の構成単位(たとえば、前記構成単位(a11)、(a4)等)を含んでいてもよい。
本発明において、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1’)を有する。
また、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1’)に加え、さらに、前記構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1’)に加え、または前記構成単位(a1’)と前記構成単位(a2)に加え、さらに、前記構成単位(a3)を有することが好ましい。
なお、該樹脂(A2)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1’)、(a2)、(a3)以外の他の構成単位(たとえば、前記構成単位(a11)、(a4)等)を含んでいてもよい。
係る樹脂(A2)において、各構成単位の割合(モル比)は、本発明の効果が向上することから、樹脂(A2)を構成する全構成単位の合計に対し、
構成単位(a1’)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2)は5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a3)は5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a11)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a11)は1〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a4)は1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
構成単位(a1’)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2)は5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a3)は5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a11)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a11)は1〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A1)に含有させる際、構成単位(a4)は1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明において、樹脂(A2)の好適なものとしては、たとえば前記構成単位(a1’)、(a2)および(a3)を有する共重合体が挙げられる。
係る共重合体としては、前記構成単位(a1’)、(a2)および(a3)からなる共重合体が好適なものとして例示できる。係る共重合体として具体的には、下記式(A2−11)で表される様な構成単位の組合せを含むものが特に好ましい。
係る共重合体としては、前記構成単位(a1’)、(a2)および(a3)からなる共重合体が好適なものとして例示できる。係る共重合体として具体的には、下記式(A2−11)で表される様な構成単位の組合せを含むものが特に好ましい。
一般式(A2−11)において、Rについては上記と同様であり、水素原子またはメチル基が好ましい。なかでも、いずれのRもメチル基であることが最も好ましい。
R10の低級アルキル基は、上記Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R10の低級アルキル基は、上記Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
樹脂(A2)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
(A)成分中、樹脂(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の樹脂(A2)の割合は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、樹脂(A1)とのバランスが良好となってリソグラフィー特性(露光余裕度等)が向上する。一方、上限値以下であることにより、LERの低減されたレジストパターンが得られやすくなる。
(A)成分中の樹脂(A2)の割合は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜85質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、樹脂(A1)とのバランスが良好となってリソグラフィー特性(露光余裕度等)が向上する。一方、上限値以下であることにより、LERの低減されたレジストパターンが得られやすくなる。
本発明において、(A)成分中、樹脂(A1)と樹脂(A2)との混合割合(質量比)は、特に制限されるものではなく、本発明の効果を考慮すると、樹脂(A1):樹脂(A2)=90:10〜10:90であることが好ましく、85:15〜15:85であることが特に好ましく、50:50〜20:80であることが最も好ましい。樹脂(A1)の割合が上記範囲の下限値以上であると、LERの低減されたレジストパターンが得られやすくなる。一方、樹脂(A1)の割合が上記範囲の上限値以下であると、樹脂(A2)とのバランスが良好となって、リソグラフィー特性(露光余裕度等)が向上する。
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記樹脂(A1)および樹脂(A2)以外に、従来、化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂として提案されている任意の樹脂成分(重合体)を含有してもよい。
本発明の効果のためには、(A)成分中の樹脂(A1)と樹脂(A2)との合計の割合は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
本発明の効果のためには、(A)成分中の樹脂(A1)と樹脂(A2)との合計の割合は、50〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A)成分は、たとえば上記方法により得られた各重合体を混合することによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A)成分は、たとえば上記方法により得られた各重合体を混合することによって得ることができる。
(A)成分全体の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、(A)成分全体の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
本発明において、ポジ型レジスト組成物中の(A)成分全体の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
また、(A)成分全体の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
本発明において、ポジ型レジスト組成物中の(A)成分全体の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−0)で表される酸発生剤を好適に用いることができる。
[式中、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;u”は1〜3の整数である。]
一般式(b−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
R53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基などが挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザーなどの露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
一般式(b−0)で表される酸発生剤の好ましいものは以下の様なものを挙げることができる。
一般式(b−0)で表される酸発生剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
また一般式(b−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物も好適に用いられる。
式(b−1)中、R1”〜R3”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
R4”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
前記直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R5”〜R6”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R5”〜R6”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R5”〜R6”のすべてがアリール基であることが好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
R31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
R31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜15質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜15質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(D)成分>
本発明のポジ型レジスト組成物は、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミン、アルキルアルコールアミンがさらに好ましく、トリ−n−オクチルアミン、トリイソプロパノールアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、なかでも(D)成分として炭素数5〜10のトリアルキルアミン、アルキルアルコールアミンを用いることが好ましい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミン、アルキルアルコールアミンがさらに好ましく、トリ−n−オクチルアミン、トリイソプロパノールアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、なかでも(D)成分として炭素数5〜10のトリアルキルアミン、アルキルアルコールアミンを用いることが好ましい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
<任意成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、サリチル酸が最も好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、サリチル酸が最も好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
さらに、(S)成分としては、上述のPGMEAとPGMEとの混合溶剤と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトンが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
さらに、(S)成分としては、上述のPGMEAとPGMEとの混合溶剤と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、ラインエッジラフネス(LER)の低減されたレジストパターンを形成できるという効果を有する。その理由は明らかではないが、以下のように推測される。
本発明に用いられる樹脂成分は、アセタール型の酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有する。かかる酸解離性溶解抑制基は、たとえば第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基に比べて低い活性化エネルギーによる解離が可能である。そのため、露光部において、構成単位(a1)の酸解離性溶解抑制基が解離しやすく、露光部と未露光部とのアルカリ溶解性の差(コントラスト)が大きくなることにより、露光部と未露光部との境界部分でのラフネスが改善されると考えられる。
また、構成単位(a1)の酸解離性溶解抑制基は、イソボルニル基を含有する。イソボルニル基を含有することにより、樹脂成分のガラス転移温度が従来よりも下がると考えられる。そのため、たとえばレジストパターン形成の際、PEB(露光後加熱)等の処理によりレジスト膜が軟化しやすくなって、レジストパターン表面の微細な凹凸が低減されやすくなると考えられる。
以上の理由から、本発明のポジ型レジスト組成物は、LERの低減されたレジストパターンを形成できると推測される。
本発明に用いられる樹脂成分は、アセタール型の酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(a1)を有する。かかる酸解離性溶解抑制基は、たとえば第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基に比べて低い活性化エネルギーによる解離が可能である。そのため、露光部において、構成単位(a1)の酸解離性溶解抑制基が解離しやすく、露光部と未露光部とのアルカリ溶解性の差(コントラスト)が大きくなることにより、露光部と未露光部との境界部分でのラフネスが改善されると考えられる。
また、構成単位(a1)の酸解離性溶解抑制基は、イソボルニル基を含有する。イソボルニル基を含有することにより、樹脂成分のガラス転移温度が従来よりも下がると考えられる。そのため、たとえばレジストパターン形成の際、PEB(露光後加熱)等の処理によりレジスト膜が軟化しやすくなって、レジストパターン表面の微細な凹凸が低減されやすくなると考えられる。
以上の理由から、本発明のポジ型レジスト組成物は、LERの低減されたレジストパターンを形成できると推測される。
また、本発明においては、露光余裕度が良好である(露光マージンが大きい)。
たとえばラインアンドスペースパターンを形成する際に、ラインとラインとが完全に分離する(スペースが形成される)最小の露光量を「Eclr」、ライン幅:スペース幅=1:1に形成できる最適露光量を「E1:1」とすると、本発明のポジ型レジスト組成物を用いた場合、EclrとE1:1との間の幅が大きい。
そのため、下記計算式で求められるマージン[Ms(Margin to separate)]の値が大きくなって露光余裕度が良好である。
Ms=(「E1:1」/「Eclr」−1)×100
また、たとえば上記E1:1の±5%の範囲において、ターゲット寸法のL/Sパターンを形成する際の1mJ/cm2当たりの寸法変化量[nm/(mJ/cm2)]の絶対値が小さくなって露光余裕度が良好である。
たとえばラインアンドスペースパターンを形成する際に、ラインとラインとが完全に分離する(スペースが形成される)最小の露光量を「Eclr」、ライン幅:スペース幅=1:1に形成できる最適露光量を「E1:1」とすると、本発明のポジ型レジスト組成物を用いた場合、EclrとE1:1との間の幅が大きい。
そのため、下記計算式で求められるマージン[Ms(Margin to separate)]の値が大きくなって露光余裕度が良好である。
Ms=(「E1:1」/「Eclr」−1)×100
また、たとえば上記E1:1の±5%の範囲において、ターゲット寸法のL/Sパターンを形成する際の1mJ/cm2当たりの寸法変化量[nm/(mJ/cm2)]の絶対値が小さくなって露光余裕度が良好である。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む方法である。
本発明のレジストパターン形成方法は、たとえば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、場合によっては、上記アルカリ現像後にポストベーク工程を含んでもよいし、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
また、露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、特に、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む方法である。
本発明のレジストパターン形成方法は、たとえば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、場合によっては、上記アルカリ現像後にポストベーク工程を含んでもよいし、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
また、露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、特に、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
下記実施例1〜2および比較例1〜2で用いた樹脂(A)−1〜(A)−3は、以下に示すモノマー(1)〜(5)を用いてそれぞれ合成した。
下記実施例1〜2および比較例1〜2で用いた樹脂(A)−1〜(A)−3は、以下に示すモノマー(1)〜(5)を用いてそれぞれ合成した。
[モノマー(1)の合成]
モノマー(1)は、下記の手順で合成した。
モノマー(1)は、下記の手順で合成した。
[(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1の合成]
撹拌器及び塩化水素ガス導入用のノズルを取付けた500mLナスフラスコに、ボルネオール(endo、exo混合物)46.24g(300mmol)、パラホルムアルデヒド11.71g(390mmol)及び乾燥したジクロロメタン200mLを加え、水浴で30℃に保ちながら撹拌した。
次に、常圧において、塩化ナトリウム175.5gと濃硫酸200mLを混合して発生させた塩化水素ガスを上記ジクロロメタン溶液にノズルを通して60分間吹き込んだ。
更に、60分間撹拌後、反応生成物のガスクロマトグラフィ分析を行ったところボルネオールは完全に消失し、選択率99%で(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1が得られていることを確認した。
反応生成物を分液ロートに移し、有機層と水層を分離し、有機層から溶媒を減圧蒸留により留去することにより、粗反応生成物を得た。
更に、粗反応生成物を減圧蒸留することにより、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1を収率76.2%(収量46.36g、ガスクロマトグラフィ純度97.0質量%)で得た。
撹拌器及び塩化水素ガス導入用のノズルを取付けた500mLナスフラスコに、ボルネオール(endo、exo混合物)46.24g(300mmol)、パラホルムアルデヒド11.71g(390mmol)及び乾燥したジクロロメタン200mLを加え、水浴で30℃に保ちながら撹拌した。
次に、常圧において、塩化ナトリウム175.5gと濃硫酸200mLを混合して発生させた塩化水素ガスを上記ジクロロメタン溶液にノズルを通して60分間吹き込んだ。
更に、60分間撹拌後、反応生成物のガスクロマトグラフィ分析を行ったところボルネオールは完全に消失し、選択率99%で(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1が得られていることを確認した。
反応生成物を分液ロートに移し、有機層と水層を分離し、有機層から溶媒を減圧蒸留により留去することにより、粗反応生成物を得た。
更に、粗反応生成物を減圧蒸留することにより、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1を収率76.2%(収量46.36g、ガスクロマトグラフィ純度97.0質量%)で得た。
[(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシメチルメタクリレート2の合成]
撹拌器、温度計及び滴下ロートを取り付けた500mLナスフラスコに、上記で得られた(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1を44.60g(220mmol)、重合禁止剤としてメトキノン59mg及びヘキサン200mLを加えた後、氷浴で液温が2℃になるまで冷却した。
この時点でフラスコ内の状態は無色透明な溶液となった。
次に、トリエチルアミン33.39g(330mmol)を滴下ロートより滴下した後、更に、メタクリル酸28.41g(330mmol)を滴下した。
メタクリル酸を滴下する場合、発熱が観察されるので、液温が15℃以下になるよう滴下速度を調節した。
この時点で反応溶液の状態は、白濁溶液となった。
メタクリル酸の滴下終了後、経時的にサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィを用いて、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1が消失するまで3時間撹拌を行い、目的物の生成を確認した。
次に、反応生成物に氷水100mLを加え、3分間撹拌したところ、白濁した反応生成物が無色透明な溶液となった。
この溶液を分液ロートに移し、水層を分離後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mLで3回洗浄した。
更に、飽和塩化ナトリウム水溶液200mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムをろ過後、重合禁止剤としてメトキノン6mgを加えた後、溶媒を減圧留去することにより、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシメチルメタクリレート2を収率97.7%(収量54.2g、ガスクロマトグラフィ純度96.8%)で得た。
撹拌器、温度計及び滴下ロートを取り付けた500mLナスフラスコに、上記で得られた(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1を44.60g(220mmol)、重合禁止剤としてメトキノン59mg及びヘキサン200mLを加えた後、氷浴で液温が2℃になるまで冷却した。
この時点でフラスコ内の状態は無色透明な溶液となった。
次に、トリエチルアミン33.39g(330mmol)を滴下ロートより滴下した後、更に、メタクリル酸28.41g(330mmol)を滴下した。
メタクリル酸を滴下する場合、発熱が観察されるので、液温が15℃以下になるよう滴下速度を調節した。
この時点で反応溶液の状態は、白濁溶液となった。
メタクリル酸の滴下終了後、経時的にサンプリングを行い、ガスクロマトグラフィを用いて、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)クロロメチルエーテル1が消失するまで3時間撹拌を行い、目的物の生成を確認した。
次に、反応生成物に氷水100mLを加え、3分間撹拌したところ、白濁した反応生成物が無色透明な溶液となった。
この溶液を分液ロートに移し、水層を分離後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mLで3回洗浄した。
更に、飽和塩化ナトリウム水溶液200mLで洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。
硫酸マグネシウムをろ過後、重合禁止剤としてメトキノン6mgを加えた後、溶媒を減圧留去することにより、(1,7,7,−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)オキシメチルメタクリレート2を収率97.7%(収量54.2g、ガスクロマトグラフィ純度96.8%)で得た。
(分光データ)
・核磁気共鳴スペクトル(溶媒:クロロホルム−d)〔日本電子株式会社製JNM−ECA500〕
1H−NMR(500MHz):0.78−1.25(m,13H),1.92(s,3H),1.50−2.25(m,3H),3.50−4.85(m,1H),5.25−5.45(m,2H),5.59(s,1H),6.13(s,1H)
13C−NMR(126MHz):11.86,13.55,18.29,18.89,19.71,20.15,20.20,26.54,27.20,28.19,34.36,36.85,39.48,45.06,45.18,46.71,47.64,49.15,49.43,86.29,88.55,90.09,90.18,125.98,126.03,136.39,166.92
・GC−MS(EI)〔株式会社島津製作所製GCMS−QP2010〕
252(M+,0.1%),166(22.2%),137(32.6%),121(30.4%),109(43.1%),95(100%),81(38.5%),69(98.6%),55(15.6%),41(51.7%)
・核磁気共鳴スペクトル(溶媒:クロロホルム−d)〔日本電子株式会社製JNM−ECA500〕
1H−NMR(500MHz):0.78−1.25(m,13H),1.92(s,3H),1.50−2.25(m,3H),3.50−4.85(m,1H),5.25−5.45(m,2H),5.59(s,1H),6.13(s,1H)
13C−NMR(126MHz):11.86,13.55,18.29,18.89,19.71,20.15,20.20,26.54,27.20,28.19,34.36,36.85,39.48,45.06,45.18,46.71,47.64,49.15,49.43,86.29,88.55,90.09,90.18,125.98,126.03,136.39,166.92
・GC−MS(EI)〔株式会社島津製作所製GCMS−QP2010〕
252(M+,0.1%),166(22.2%),137(32.6%),121(30.4%),109(43.1%),95(100%),81(38.5%),69(98.6%),55(15.6%),41(51.7%)
樹脂(A)−1を例にとって説明すると、窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下でPGMEAを入れ、撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
次に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と、PGMEAと、モノマー(1)/モノマー(4)/モノマー(5)=4/4/2(モル比)とを混合した単量体溶液を、滴下装置を用いて、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。
次いで、得られた反応溶液を、約30倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、該沈殿を、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下、50℃で約40時間乾燥することにより、樹脂(A)−1を得た。
樹脂(A)−2、(A)−3の合成は、上記樹脂(A)−1の合成方法において各重合体の構成単位を誘導するモノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記樹脂(A)−1の合成方法と同様の方法により合成した。
次に、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)と、PGMEAと、モノマー(1)/モノマー(4)/モノマー(5)=4/4/2(モル比)とを混合した単量体溶液を、滴下装置を用いて、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。
次いで、得られた反応溶液を、約30倍量のメタノール中に撹拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、該沈殿を、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下、50℃で約40時間乾燥することにより、樹脂(A)−1を得た。
樹脂(A)−2、(A)−3の合成は、上記樹脂(A)−1の合成方法において各重合体の構成単位を誘導するモノマーを所定のモル比で用いた以外は、上記樹脂(A)−1の合成方法と同様の方法により合成した。
得られた樹脂(A)−1〜(A)−3を下記に示す。
なお、樹脂(A)−1〜(A)−3において、質量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準でそれぞれ求めた。
また、樹脂(A)−1〜(A)−3の熱分解温度(Td)およびガラス転移温度(Tg)をそれぞれ測定した。Td(℃)は、熱分析装置DSC6200(製品名、Seiko Instrument社製)にて10℃/minの昇温条件で測定を行った。Tg(℃)は、熱分析装置TG/DTA6200(製品名、Seiko Instrument社製)にて10℃/minの昇温条件で測定を行った。
また、樹脂(A)−1〜(A)−3中の各構成単位の割合(モル%)を示す組成比は、カーボンNMRにより算出した。樹脂(A)−1〜(A)−3の構造を示す下記化学式(A)−1〜(A)−3中、各構成単位の右下に付した数字は、樹脂中の各構成単位の割合(モル%)を示す。
なお、樹脂(A)−1〜(A)−3において、質量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準でそれぞれ求めた。
また、樹脂(A)−1〜(A)−3の熱分解温度(Td)およびガラス転移温度(Tg)をそれぞれ測定した。Td(℃)は、熱分析装置DSC6200(製品名、Seiko Instrument社製)にて10℃/minの昇温条件で測定を行った。Tg(℃)は、熱分析装置TG/DTA6200(製品名、Seiko Instrument社製)にて10℃/minの昇温条件で測定を行った。
また、樹脂(A)−1〜(A)−3中の各構成単位の割合(モル%)を示す組成比は、カーボンNMRにより算出した。樹脂(A)−1〜(A)−3の構造を示す下記化学式(A)−1〜(A)−3中、各構成単位の右下に付した数字は、樹脂中の各構成単位の割合(モル%)を示す。
(実施例1〜2、比較例1〜2)
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される酸発生剤。
(B)−2:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート。
(D)−1:トリイソプロパノールアミン。
(D)−2:トリ−n−オクチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
(D)−1:トリイソプロパノールアミン。
(D)−2:トリ−n−オクチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
得られたポジ型レジスト組成物を用いてラインアンドスペースのレジストパターンを形成し、以下のラインエッジラフネス(LER)、露光余裕度の評価をそれぞれ行った。
<レジストパターン形成1>
市販の有機系反射防止膜組成物を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で185℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚38nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、実施例1および比較例1のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、表2に示すPAB温度で60秒間のプレベーク(PAB)を行い、乾燥することにより、膜厚130nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S302A(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンマスク)を介して選択的に照射した。
そして、表2に示すPEB温度で60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間パドル現像し、その後20秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて、ライン幅120nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、L/Sパターンという。)をそれぞれ形成した。
市販の有機系反射防止膜組成物を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で185℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚38nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、実施例1および比較例1のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、表2に示すPAB温度で60秒間のプレベーク(PAB)を行い、乾燥することにより、膜厚130nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S302A(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンマスク)を介して選択的に照射した。
そして、表2に示すPEB温度で60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間パドル現像し、その後20秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて、ライン幅120nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、L/Sパターンという。)をそれぞれ形成した。
[感度の評価]
120nmのL/Sパターンが、ライン幅:スペース幅=1:1に形成される際の露光量(感度)(単位:mJ/cm2)を「E1:1」として求めた。その結果を表2に示した。
120nmのL/Sパターンが、ライン幅:スペース幅=1:1に形成される際の露光量(感度)(単位:mJ/cm2)を「E1:1」として求めた。その結果を表2に示した。
[ラインエッジラフネス(LER)の評価]
上記E1:1において得られた120nmのL/Sパターン(1:1)について、LERを示す尺度である3σを求めた。
ここで「3σ」とは、側長SEM(日立製作所社製,製品名:S−9220,測定電圧300V)により、上記ポジ型レジスト組成物によって形成された各レジストパターンの幅を測定し、その結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を示す。
この3σは、その値が小さいほどライン側壁のラフネスが小さく、均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。その結果を表2に示した。
上記E1:1において得られた120nmのL/Sパターン(1:1)について、LERを示す尺度である3σを求めた。
ここで「3σ」とは、側長SEM(日立製作所社製,製品名:S−9220,測定電圧300V)により、上記ポジ型レジスト組成物によって形成された各レジストパターンの幅を測定し、その結果から算出した標準偏差(σ)の3倍値(3σ)を示す。
この3σは、その値が小さいほどライン側壁のラフネスが小さく、均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。その結果を表2に示した。
表2の結果から明らかなように、本発明に係る実施例1は、比較例1に比べてLERの値が小さいことから、LERの低減されたレジストパターンを形成できることが確認できた。
[露光余裕度の評価]
露光量を次第に上げていき、上記[レジストパターン形成]と同様の手順で120nmのL/Sパターンを形成する際に、ラインとラインとの間が分離する最小の露光量を「Eclr」として求めた。
そして、露光余裕度を評価する値として、下記計算式により、Ms(Margin to separate)を算出した。
Ms=(「E1:1」/「Eclr」−1)×100
また、上記E1:1の±5%の範囲において、85nmのL/Sパターンを形成する際の1mJ/cm2当たりの寸法変化量[nm/(mJ/cm2)]を求めた。
ここで、露光余裕度は、「Ms」の値が大きいほど良好であり、また、「寸法変化量」の絶対値が小さいほど良好であることを示す。
表3に、Eclr、E1:1、Msおよび寸法変化量の値をそれぞれ示した。
露光量を次第に上げていき、上記[レジストパターン形成]と同様の手順で120nmのL/Sパターンを形成する際に、ラインとラインとの間が分離する最小の露光量を「Eclr」として求めた。
そして、露光余裕度を評価する値として、下記計算式により、Ms(Margin to separate)を算出した。
Ms=(「E1:1」/「Eclr」−1)×100
また、上記E1:1の±5%の範囲において、85nmのL/Sパターンを形成する際の1mJ/cm2当たりの寸法変化量[nm/(mJ/cm2)]を求めた。
ここで、露光余裕度は、「Ms」の値が大きいほど良好であり、また、「寸法変化量」の絶対値が小さいほど良好であることを示す。
表3に、Eclr、E1:1、Msおよび寸法変化量の値をそれぞれ示した。
表3の結果から、本発明に係る実施例1は、比較例1に比べてMsの値が大きく、また、寸法変化量の絶対値が小さいことから、露光余裕度が良好であることが確認できた。
<レジストパターン形成2>
市販の有機系反射防止膜組成物を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で185℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚38nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、実施例2および比較例2のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、表4に示すPAB温度で60秒間のプレベーク(PAB)を行い、乾燥することにより、膜厚130nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S306C(ニコン社製;NA(開口数)=0.78,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンマスク)を介して選択的に照射した。
そして、表4に示すPEB温度で60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間パドル現像し、その後20秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて、ライン幅80nm、85nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、L/Sパターンという。)をそれぞれ形成した。
市販の有機系反射防止膜組成物を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で185℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚38nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、実施例2および比較例2のポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、表4に示すPAB温度で60秒間のプレベーク(PAB)を行い、乾燥することにより、膜厚130nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S306C(ニコン社製;NA(開口数)=0.78,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンマスク)を介して選択的に照射した。
そして、表4に示すPEB温度で60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間パドル現像し、その後20秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて、ライン幅80nm、85nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、L/Sパターンという。)をそれぞれ形成した。
[感度の評価]
80nm、85nmの各L/Sパターンが、ライン幅:スペース幅=1:1に形成される際の露光量(感度)(単位:mJ/cm2)をそれぞれ「E1:1」として求めた。その結果を表4に示した。
80nm、85nmの各L/Sパターンが、ライン幅:スペース幅=1:1に形成される際の露光量(感度)(単位:mJ/cm2)をそれぞれ「E1:1」として求めた。その結果を表4に示した。
[ラインエッジラフネス(LER)の評価]
上記E1:1において得られた80nm、85nmの各L/Sパターン(1:1)について、LERを示す尺度である3σを、側長SEM(日立製作所社製,製品名:S−9360,測定電圧300V)を用いて上記と同様の方法により求めた。その結果を表4に示した。
上記E1:1において得られた80nm、85nmの各L/Sパターン(1:1)について、LERを示す尺度である3σを、側長SEM(日立製作所社製,製品名:S−9360,測定電圧300V)を用いて上記と同様の方法により求めた。その結果を表4に示した。
表4の結果から明らかなように、本発明に係る実施例2は、80nm、85nmのL/Sパターン(1:1)のいずれにおいても、比較例2に比べてLERの値が小さいことから、LERの低減されたレジストパターンを形成できることが確認できた。
Claims (6)
- 前記樹脂成分(A)は、前記構成単位(a1)を有する樹脂(A1)と、第3級アルキルエステル型の酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1’)を有する樹脂(A2)とを含む請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(A1)および/または前記樹脂(A2)は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(A1)および/または前記樹脂(A2)は、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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