JP2008242011A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、たとえば基板等の支持体上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂と、酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、たとえば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、たとえば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、たとえば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、たとえば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている(たとえば、特許文献1参照)。
一方、レジスト材料の面からの超微細化対応策に加え、パターン形成方法の面からも、レジスト材料のもつ解像度の限界を超える技術の研究・開発が行われている。
そのような微細化技術の1つとして、最近、通常のリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、該レジストパターンに熱処理を行い、レジストパターンを微細化するサーマルフロープロセスが提案されている(たとえば、特許文献2、3参照)。
サーマルフロープロセスは、ホトリソグラフィー技術により一旦レジストパターンを形成した後、レジストパターンを加熱し、軟化させ、パターンの隙間方向にフローさせることにより、レジストパターンのパターンサイズ、つまり、レジストパターンが形成されていない部分のサイズ(ホールパターンの口径やラインアンドスペース(L&S)パターンのスペース幅など)を小さくする方法である。
特開2003−241385号公報
特開2000−188250号公報
特開2000−356850号公報
そのような微細化技術の1つとして、最近、通常のリソグラフィー技術によりレジストパターンを形成した後、該レジストパターンに熱処理を行い、レジストパターンを微細化するサーマルフロープロセスが提案されている(たとえば、特許文献2、3参照)。
サーマルフロープロセスは、ホトリソグラフィー技術により一旦レジストパターンを形成した後、レジストパターンを加熱し、軟化させ、パターンの隙間方向にフローさせることにより、レジストパターンのパターンサイズ、つまり、レジストパターンが形成されていない部分のサイズ(ホールパターンの口径やラインアンドスペース(L&S)パターンのスペース幅など)を小さくする方法である。
しかしながら、従来のArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用されるレジスト組成物では、たとえばアクリル系樹脂等のベース樹脂のガラス転移温度が高いために、サーマルフロープロセスにおける加熱温度によるベース樹脂の軟化が不充分である、あるいはベース樹脂の質量平均分子量や分散度の影響を受けやすい等、サーマルフローによるレジストパターンの形成が困難であるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用され、サーマルフロー用として好適なポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用され、サーマルフロー用として好適なポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、下記一般式(I)で表される化合物(G)とを含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、下記一般式(I)で表される化合物(G)とを含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程、およびサーマルフロー処理を行う工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書および本特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状、および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素数1〜5のアルキル基を意味する。
「露光」とは、光の照射のみならず、電子線の照射等の放射線の照射全体を包括する概念とする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状、および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素数1〜5のアルキル基を意味する。
「露光」とは、光の照射のみならず、電子線の照射等の放射線の照射全体を包括する概念とする。
本発明によれば、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用され、サーマルフロー用として好適なポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法が提供できる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)と、前記一般式(I)で表される化合物(G)(以下、(G)成分という。)とを含有する。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用によって(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ現像液に対して可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)と、前記一般式(I)で表される化合物(G)(以下、(G)成分という。)とを含有する。
本発明のポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用によって(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ現像液に対して可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、特に限定されず、これまでポジ型の化学増幅型レジスト用のベース樹脂として提案されているものを使用することができ、たとえばヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、なかでもアクリル樹脂が好ましく、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するものが特に好ましい。
かかる構成単位を有する(A)成分は、特にArFエキシマレーザーに対する透明性が高く、ArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィーにおいて好適に使用できる。
(A)成分中のアクリル酸エステルから誘導される構成単位の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、20モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、100モル%であってもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物においては、(A)成分として酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、(A)成分は、前記構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、(A)成分は、前記構成単位(a1)に加えて、または前記構成単位(a1)および前記構成単位(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
本発明において、(A)成分は、特に限定されず、これまでポジ型の化学増幅型レジスト用のベース樹脂として提案されているものを使用することができ、たとえばヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、なかでもアクリル樹脂が好ましく、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するものが特に好ましい。
かかる構成単位を有する(A)成分は、特にArFエキシマレーザーに対する透明性が高く、ArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィーにおいて好適に使用できる。
(A)成分中のアクリル酸エステルから誘導される構成単位の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、20モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましく、100モル%であってもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物においては、(A)成分として酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、(A)成分は、前記構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、(A)成分は、前記構成単位(a1)に加えて、または前記構成単位(a1)および前記構成単位(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
ここで、本明細書および本特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基、またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基、またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基、またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基、またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
・構成単位(a1)
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲および本明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素原子および水素原子からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、たとえば、低級アルキル基、フッ素原子、またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、たとえば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素原子および水素原子からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、たとえば、低級アルキル基、フッ素原子、またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、たとえば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
R1’、R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’、R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
R1’、R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’、R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環または多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環または多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
R17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であり、炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17およびR19が、それぞれ独立に直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
R19は直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であり、炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17およびR19が、それぞれ独立に直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
一般式(a1−0−1)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは、上記と同様である。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2は、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は、前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
X2は、式(a1−0−1)中のX1と同様である。
Y2は、好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は、前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
前記R1’、R2’は、好ましくは少なくとも1つが水素原子であり、より好ましくは共に水素原子である。nは、好ましくは0または1である。
X’は、前記X1において例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものである。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
(A)成分中の構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりする上で有効なものである。
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりする上で有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
Aの炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
Aの炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−5)から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)および(a2−3−10)から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、たとえばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、たとえばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、下記式(a3−2)で表される構成単位、下記式(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
式(a3−1)中、jは1または2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5または6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a4)
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、たとえば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、たとえば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、およびノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、たとえば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、たとえば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、およびノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
かかる構成単位(a4)を(A)成分に含有させる際には、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、構成単位(a4)を1〜30モル%含有させることが好ましく、10〜20モル%含有させることがより好ましい。
本発明において、(A)成分として好適なものとしては、たとえば、上記の構成単位(a1)、(a2)、および(a3)を有する共重合体が挙げられる。
係る共重合体としては、たとえば、構成単位(a1)、(a2)、および(a3)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a2)、(a3)、および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
なかでも、(A)成分としては、特に下記一般式(A−11)〜(A−12)で示される構成単位の組合せを有する共重合体を含むことが好ましい。
係る共重合体としては、たとえば、構成単位(a1)、(a2)、および(a3)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a2)、(a3)、および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
なかでも、(A)成分としては、特に下記一般式(A−11)〜(A−12)で示される構成単位の組合せを有する共重合体を含むことが好ましい。
前記式(A−11)中、R12の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
前記式(A−12)中、R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
前記式(A−12)中、R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
(A)成分は、1種の重合体を単独で用いてもよく、2種以上の重合体を併用してもよい。
(A)成分として2種以上の重合体を併用する場合、係る(A)成分は、リソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)、マスクリニアリティ、近接効果、露光量マージン等)が向上することから、前記式(A−11)で示される構成単位の組合せからなる共重合体(A1)と、前記式(A−12)で示される構成単位の組合せからなる共重合体(A2)との混合樹脂組成物であることが最も好ましい。
共重合体(A1)と共重合体(A2)との混合割合は、リソグラフィー特性が向上することから、質量比で9:1〜1:9であることが好ましく、9:1〜4:6であることがより好ましく、9:1〜7:3であることが特に好ましい。
(A)成分として2種以上の重合体を併用する場合、係る(A)成分は、リソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)、マスクリニアリティ、近接効果、露光量マージン等)が向上することから、前記式(A−11)で示される構成単位の組合せからなる共重合体(A1)と、前記式(A−12)で示される構成単位の組合せからなる共重合体(A2)との混合樹脂組成物であることが最も好ましい。
共重合体(A1)と共重合体(A2)との混合割合は、リソグラフィー特性が向上することから、質量比で9:1〜1:9であることが好ましく、9:1〜4:6であることがより好ましく、9:1〜7:3であることが特に好ましい。
また、(A)成分としては、共重合体(A1)および共重合体(A2)以外にも、ポジ型レジスト組成物用として知られている他の高分子化合物、たとえばヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂などを併用することも可能である。
ただし、(A)成分中における共重合体(A1)と共重合体(A2)との合計の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
ただし、(A)成分中における共重合体(A1)と共重合体(A2)との合計の割合は、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが特に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A)成分が混合樹脂組成物である場合、たとえば上記方法を用いて各構成単位を誘導するモノマーを重合させることにより各重合体を合成し、該重合体を混合することによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A)成分が混合樹脂組成物である場合、たとえば上記方法を用いて各構成単位を誘導するモノマーを重合させることにより各重合体を合成し、該重合体を混合することによって得ることができる。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明のポジ型レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明のポジ型レジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、たとえば下記一般式(b−0)で表される酸発生剤を用いることができる。
一般式(b−0)において、R51は、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、または直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(該フッ素化アルキル基中のフッ素原子および水素原子の合計数に対するフッ素原子数の割合(%))は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
前記直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(該フッ素化アルキル基中のフッ素原子および水素原子の合計数に対するフッ素原子数の割合(%))は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は、好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4であり、特に好ましくは1〜3である。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は、好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4であり、特に好ましくは1〜3である。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
R53は、置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントリル基などが挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザーなどの露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖状または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい。)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが好ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖状または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい。)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが好ましい。
一般式(b−0)で表される酸発生剤の好ましいものは、以下の様なものを挙げることができる。
一般式(b−0)で表される酸発生剤は、1種または2種以上混合して用いることができる。
また一般式(b−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤として、たとえば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物も好適に用いられる。
式(b−1)中、R1”〜R3”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、たとえば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれフェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、たとえば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれフェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
R4”は、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖状もしくは環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
前記直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖状もしくは環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R5”〜R6”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R5”〜R6”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R5”〜R6”のすべてがアリール基であることが好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)または(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)または(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)または(b−2)と同様)。
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するため好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するため好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、露光によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
R31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部もしくは全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部もしくは全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。
なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、たとえば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、たとえば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、なかでも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
本発明においては、なかでも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(G)成分>
本発明のポジ型レジスト組成物は、下記一般式(I)で表される化合物(G)を含有する。当該(G)成分を含有することにより、サーマルフロー処理によってレジストパターンを容易に軟化でき、レジストパターンをパターンの隙間方向にフローさせることができる。また、フロー量が多いため、より微細なレジストパターンを形成できる。
さらに、当該(G)成分は、その配合量により、フロー量(単位温度当たりのレジストパターンサイズの変化量;nm/℃)を容易に調整できる。そのため、当該(G)成分を含有することにより、レジストパターンサイズの制御性に優れる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、下記一般式(I)で表される化合物(G)を含有する。当該(G)成分を含有することにより、サーマルフロー処理によってレジストパターンを容易に軟化でき、レジストパターンをパターンの隙間方向にフローさせることができる。また、フロー量が多いため、より微細なレジストパターンを形成できる。
さらに、当該(G)成分は、その配合量により、フロー量(単位温度当たりのレジストパターンサイズの変化量;nm/℃)を容易に調整できる。そのため、当該(G)成分を含有することにより、レジストパターンサイズの制御性に優れる。
前記一般式(I)中、R1およびR2は、それぞれ独立して−OH、−O−C(O)−R3、−O−R4、−C(O)−R5、または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R1およびR2としてのアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜5がより好ましく、炭素数1〜3が特に好ましい。
R3、R4、およびR5は、それぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R3、R4、およびR5としてのアルキル基は、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜7が特に好ましい。
なかでも、R1およびR2としては、レジストパターンを軟化させる効果(可塑効果)が良好なことから、−OH、−O−C(O)−R3が好ましく、−O−C(O)−R3がより好ましい。
R1とR2との組合せ[R1,R2]としては、[−OH,−OH]、[−O−C(O)−R3,−OH]、[−O−C(O)−R3,−O−C(O)−R3]であることが特に好ましく、[−O−C(O)−R3,−O−C(O)−R3]であることが最も好ましい。
なお、一の組合せにおける複数のR3は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
R3、R4、およびR5は、それぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R3、R4、およびR5としてのアルキル基は、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜7が特に好ましい。
なかでも、R1およびR2としては、レジストパターンを軟化させる効果(可塑効果)が良好なことから、−OH、−O−C(O)−R3が好ましく、−O−C(O)−R3がより好ましい。
R1とR2との組合せ[R1,R2]としては、[−OH,−OH]、[−O−C(O)−R3,−OH]、[−O−C(O)−R3,−O−C(O)−R3]であることが特に好ましく、[−O−C(O)−R3,−O−C(O)−R3]であることが最も好ましい。
なお、一の組合せにおける複数のR3は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、前記一般式(I)においては、R1とR2とが結合して環を形成していてもよい。係る(G)成分の好適なものとしては、たとえば下記一般式(II)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(II)中、R6およびR7は、それぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R6およびR7としては、上記のR3、R4、およびR5としてのアルキル基と同様のものが挙げられる。
(G)成分の沸点(℃/760Torr)としては、200〜500(℃/760Torr)であることが好ましく、200〜480(℃/760Torr)であることがより好ましく、200〜460(℃/760Torr)であることがさらに好ましい。該範囲の沸点を有する(G)成分を用いると、前記可塑効果が得られやすく、また、フロー量の調整がより容易となる。
(G)成分の好適な具体例を以下に挙げる。
(G)成分としては、上記のなかでも前記可塑効果が良好であり、フロー量の調整が容易なことから、化学式(G−1)〜(G−6)で表される化合物から選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、そのなかでも化学式(G−3)で表される化合物が最も好ましい。
本発明において、(G)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましく、3〜6質量部であることが最も好ましい。該含有量が下限値以上であることにより、前記可塑効果が得られやすくなって、容易にレジストパターンを微細化できる。一方、該含有量が上限値以下であることにより、他の成分とのバランスをとることができ、リソグラフィー特性が向上する。
(G)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、1〜10質量部であることが特に好ましく、3〜6質量部であることが最も好ましい。該含有量が下限値以上であることにより、前記可塑効果が得られやすくなって、容易にレジストパターンを微細化できる。一方、該含有量が上限値以下であることにより、他の成分とのバランスをとることができ、リソグラフィー特性が向上する。
<(D)成分>
本発明のポジ型レジスト組成物においては、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよく、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は、炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)または環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、なかでも(D)成分として炭素数5〜10のトリアルキルアミンを用いることが好ましい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物においては、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよく、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は、炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)または環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、なかでも(D)成分として炭素数5〜10のトリアルキルアミンを用いることが好ましい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
<任意成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、たとえば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、たとえば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、たとえばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
<(S)成分>
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEAおよびELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
なかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEAおよびELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は、特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
以上説明した本発明のポジ型レジスト組成物は、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用され、サーマルフロー用として好適なものである。
本発明のポジ型レジスト組成物によれば、サーマルフロープロセスにおいて、レジストパターンサイズの制御性に優れる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物においては、良好なリソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)、マスクリニアリティ、近接効果、露光量マージン等)が得られる。
本発明のポジ型レジスト組成物によれば、サーマルフロープロセスにおいて、レジストパターンサイズの制御性に優れる。
また、本発明のポジ型レジスト組成物においては、良好なリソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)、マスクリニアリティ、近接効果、露光量マージン等)が得られる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程、およびサーマルフロー処理を行う工程を含む方法である。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程、およびサーマルフロー処理を行う工程を含む方法である。
本発明のレジストパターン形成方法は、たとえば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これにたとえばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)処理を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次いで、これをアルカリ現像液、たとえば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
すなわち、まず支持体上に、上記ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これにたとえばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)処理を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次いで、これをアルカリ現像液、たとえば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理し、好ましくは純水を用いて水リンスを行い、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、たとえば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、たとえば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
また、露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。上記ポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EB、またはEUVに対して好適であり、ArFエキシマレーザーに対して特に好適である。
[サーマルフロー工程(サーマルフロープロセス)]
本発明のレジストパターン形成方法においては、上述のようにしてレジストパターンを形成した後、さらに、サーマルフロー処理を行う。
サーマルフロー処理は、たとえば以下の様にして行うことができる。
すなわち、現像処理後のレジストパターンを少なくとも1回、好ましくは2〜3回加熱して軟化させ、レジストをフローさせることにより、レジストパターンのパターンサイズ(たとえば、ホールパターンの口径やラインアンドスペースのスペース幅)を現像直後のサイズより縮小(狭小)させる。
好適な加熱温度は、レジスト組成物の組成に依存し、レジストパターンの軟化点以上であれば特に制限はないが、好ましくは80〜180℃、より好ましくは110〜170℃の範囲内であり、さらに好ましくは130〜170℃である。加熱温度をこの範囲内とすることにより、パターンサイズの制御が容易である、既存の装置に用いやすい等の利点がある。
また、好適な加熱時間は、スループットに支障がなく、所望のパターンサイズが得られる範囲内であればよく、特に制限はないが、通常の半導体素子の製造ライン工程から判断すれば、1回の加熱につき、好ましくは10〜300秒、より好ましくは30〜180秒程度とすることが好ましい。
本発明のレジストパターン形成方法においては、上述のようにしてレジストパターンを形成した後、さらに、サーマルフロー処理を行う。
サーマルフロー処理は、たとえば以下の様にして行うことができる。
すなわち、現像処理後のレジストパターンを少なくとも1回、好ましくは2〜3回加熱して軟化させ、レジストをフローさせることにより、レジストパターンのパターンサイズ(たとえば、ホールパターンの口径やラインアンドスペースのスペース幅)を現像直後のサイズより縮小(狭小)させる。
好適な加熱温度は、レジスト組成物の組成に依存し、レジストパターンの軟化点以上であれば特に制限はないが、好ましくは80〜180℃、より好ましくは110〜170℃の範囲内であり、さらに好ましくは130〜170℃である。加熱温度をこの範囲内とすることにより、パターンサイズの制御が容易である、既存の装置に用いやすい等の利点がある。
また、好適な加熱時間は、スループットに支障がなく、所望のパターンサイズが得られる範囲内であればよく、特に制限はないが、通常の半導体素子の製造ライン工程から判断すれば、1回の加熱につき、好ましくは10〜300秒、より好ましくは30〜180秒程度とすることが好ましい。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<樹脂成分(A)>
実施例1〜19および比較例1において、(A)成分として用いた樹脂(A)−1、樹脂(A)−2は、下記化学式で表されるモノマーの化合物1〜5を用いて、公知の滴下重合法によって共重合することによりそれぞれ合成した。
実施例1〜19および比較例1において、(A)成分として用いた樹脂(A)−1、樹脂(A)−2は、下記化学式で表されるモノマーの化合物1〜5を用いて、公知の滴下重合法によって共重合することによりそれぞれ合成した。
得られた樹脂(A)−1、樹脂(A)−2を下記に示す。
なお、樹脂(A)−1、樹脂(A)−2において、質量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算基準でそれぞれ求めた。
下記化学式中、( )の右下に付した符号は、当該樹脂を構成する全構成単位の合計に対する各構成単位の割合(モル%;組成比)を示し、カーボンNMRによりそれぞれ算出した。
なお、樹脂(A)−1、樹脂(A)−2において、質量平均分子量(Mw)および分散度(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定によるポリスチレン換算基準でそれぞれ求めた。
下記化学式中、( )の右下に付した符号は、当該樹脂を構成する全構成単位の合計に対する各構成単位の割合(モル%;組成比)を示し、カーボンNMRによりそれぞれ算出した。
<実施例1〜19、比較例1>
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(B)−1:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(G)−1:下記化学式(G−3)で表される化合物(チッソ株式会社、製品名:CS−16)。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(G)−1:下記化学式(G−3)で表される化合物(チッソ株式会社、製品名:CS−16)。
(G)−2:下記化学式(G−5)で表される化合物。
(G)−3:下記化学式(G−1)で表される化合物。
(G)−4:下記化学式(G−6)で表される化合物(チッソ株式会社、製品名:CS−12)。
(G)−5:下記化学式(G−2)で表される化合物。
(G)−6:下記化学式(G−4)で表される化合物。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
得られたポジ型レジスト組成物を用いて以下の評価を行った。
[レジストパターン形成]
有機系反射防止膜組成物「AR46」(商品名、Rohm and Haas社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で、215℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚31nmの有機系反射防止膜を形成した。
その有機系反射防止膜上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、110℃、60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥させることにより、膜厚240nmのレジスト膜を形成した。
次いで、該レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302A(製品名、Nikon社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、110℃、60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、さらに23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、その後、30秒間水洗して乾燥して、さらに100℃、60秒の条件でポストベーク処理を行うことによりレジストパターンを形成した。
その結果、直径190nm、ピッチ570nmのホールパターンを得た。
有機系反射防止膜組成物「AR46」(商品名、Rohm and Haas社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で、215℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚31nmの有機系反射防止膜を形成した。
その有機系反射防止膜上に、上記で得られたポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で、110℃、60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥させることにより、膜厚240nmのレジスト膜を形成した。
次いで、該レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302A(製品名、Nikon社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、110℃、60秒間のPEB(露光後加熱)処理を行い、さらに23℃にて、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、その後、30秒間水洗して乾燥して、さらに100℃、60秒の条件でポストベーク処理を行うことによりレジストパターンを形成した。
その結果、直径190nm、ピッチ570nmのホールパターンを得た。
[サーマルフロー処理によるレジストパターンサイズ変化の評価]
実施例1〜13および比較例1のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンに対して、150℃、90秒の温度条件でそれぞれサーマルフロー処理を行い、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量(nm)を求めた。
その結果を表2〜5に示す。
実施例1〜13および比較例1のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンに対して、150℃、90秒の温度条件でそれぞれサーマルフロー処理を行い、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量(nm)を求めた。
その結果を表2〜5に示す。
表2〜5の結果から、(G)成分を含有する実施例1〜13のポジ型レジスト組成物は、(G)成分を含有しない比較例1のポジ型レジスト組成物に比べて、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量が大きく、より微細なレジストパターンを形成できることが確認できた。
また、実施例1〜13のポジ型レジスト組成物は、(G)成分の配合量が多いほどホール直径の変化量が大きくなることから、(G)成分の配合量によりフロー量の調整が可能であり、レジストパターンサイズを制御できることが確認できた。
また、実施例1〜13のポジ型レジスト組成物は、(G)成分の配合量が多いほどホール直径の変化量が大きくなることから、(G)成分の配合量によりフロー量の調整が可能であり、レジストパターンサイズを制御できることが確認できた。
[サーマルフロー処理によるレジストパターンサイズの制御性の評価]
実施例14〜19のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンに対して、以下の温度条件1)〜3)で、それぞれサーマルフロー処理を行い、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量(nm)、単位温度当たりのホール直径の変化量(nm/℃)を求めた。
その結果を表6〜11に示す。
1)145℃、90秒 2)150℃、90秒 3)155℃、90秒
実施例14〜19のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンに対して、以下の温度条件1)〜3)で、それぞれサーマルフロー処理を行い、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量(nm)、単位温度当たりのホール直径の変化量(nm/℃)を求めた。
その結果を表6〜11に示す。
1)145℃、90秒 2)150℃、90秒 3)155℃、90秒
表6〜11の結果から、実施例14〜19のポジ型レジスト組成物は、単位温度当たりのホール直径の変化量が小さいことから、レジストパターンサイズの制御性に優れることが確認できた。
[サーマルフロー処理時間によるレジストパターンサイズ変化の評価]
実施例14のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンに対して、150℃で、60秒、90秒、180秒と処理時間を変えてそれぞれサーマルフロー処理を行い、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量(nm)を求めた。
その結果を表12に示す。
実施例14のポジ型レジスト組成物を用いて形成されたレジストパターンに対して、150℃で、60秒、90秒、180秒と処理時間を変えてそれぞれサーマルフロー処理を行い、サーマルフロー処理前後のホール直径の変化量(nm)を求めた。
その結果を表12に示す。
表12の結果から、実施例14のポジ型レジスト組成物においては、サーマルフロー処理によってターゲットとする寸法(150nm)のレジストパターンを形成するために、150℃で90秒の条件によりサーマルフロー処理を行うことが好適であることが確認できた。また、実施例14のポジ型レジスト組成物は、通常のサーマルフロー処理条件(温度、時間)により、ターゲットとする寸法のレジストパターンが得られることが確認できた。
[リソグラフィー特性の評価]
実施例14および実施例16〜19のポジ型レジスト組成物を用いて、ArF露光装置NSR−S302AにおけるNA(開口数)を0.75に変更した以外は上記[レジストパターン形成]と同様にして、直径150nm、ピッチ300nmのホールパターンを形成し、リソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)、マスクリニアリティ、近接効果、露光量マージン)を評価した。
その結果、実施例14および実施例16〜19のポジ型レジスト組成物におけるリソグラフィー特性は、従来のポジ型レジスト組成物に比べて同等レベルまたは良好であることが確認できた。
実施例14および実施例16〜19のポジ型レジスト組成物を用いて、ArF露光装置NSR−S302AにおけるNA(開口数)を0.75に変更した以外は上記[レジストパターン形成]と同様にして、直径150nm、ピッチ300nmのホールパターンを形成し、リソグラフィー特性(焦点深度幅(DOF)、マスクリニアリティ、近接効果、露光量マージン)を評価した。
その結果、実施例14および実施例16〜19のポジ型レジスト組成物におけるリソグラフィー特性は、従来のポジ型レジスト組成物に比べて同等レベルまたは良好であることが確認できた。
以上の結果から、本発明によれば、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用され、サーマルフロー用として好適なポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供できることが確認できた。
Claims (6)
- 前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A)が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項2記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A)が、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項2または3に記載のポジ型レジスト組成物。
- さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程、およびサーマルフロー処理を行う工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法。
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JP2007081402A JP2008242011A (ja) | 2007-03-27 | 2007-03-27 | ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 |
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
JP2019077650A (ja) * | 2017-10-26 | 2019-05-23 | Jnc株式会社 | ジオールモノエステル化合物、造膜助剤、および塗料用組成物 |
-
2007
- 2007-03-27 JP JP2007081402A patent/JP2008242011A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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JP7087342B2 (ja) | 2017-10-26 | 2022-06-21 | Jnc株式会社 | ジオールモノエステル化合物、造膜助剤、および塗料用組成物 |
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