JP2008065205A - 手ぶれ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】手ぶれ補正装置に含まれるガタの影響を軽減して、撮影画像の画質の改善を図る。
【解決手段】手ぶれ補正装置は、カメラに装着され撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出するセンサ4と、手ぶれを補正するためカメラの鏡銅に装着された補正レンズ3と、補正レンズ3を駆動するためのアクチュエータ5と、センサ4により検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズ3の駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づきアクチュエータ5を制御するコントローラ6とを備えている。コントローラ6は、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングから所定の時間幅先行してアクチュエータ5に起動をかけ、以って実際に補正レンズ3が動き始めるまでの機械的な遅延をこの時間幅で吸収する。
【選択図】図2
【解決手段】手ぶれ補正装置は、カメラに装着され撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出するセンサ4と、手ぶれを補正するためカメラの鏡銅に装着された補正レンズ3と、補正レンズ3を駆動するためのアクチュエータ5と、センサ4により検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズ3の駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づきアクチュエータ5を制御するコントローラ6とを備えている。コントローラ6は、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングから所定の時間幅先行してアクチュエータ5に起動をかけ、以って実際に補正レンズ3が動き始めるまでの機械的な遅延をこの時間幅で吸収する。
【選択図】図2
Description
本発明は、カメラの撮影操作時手がぶれたことにより生じる撮影画像の乱れ(以下本明細書ではこの現象を手ぶれと呼ぶ場合がある)を補正するための補正装置に関する。
従来からカメラに組み込まれた手ぶれ補正装置が知られており、例えば特許文献1に開示がある。従来の手ぶれ補正装置は、センサと補正レンズとアクチュエータとコントローラとで構成されている。センサはカメラに装着され、撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出する。補正レンズは手ぶれを補正するため、カメラの鏡銅に装着されている。通常このカメラ鏡銅には、自動焦点合せ用のフォーカスレンズ(AFレンズ)やズームレンズも手ぶれ補正レンズと光軸を合わせて装着されている。アクチュエータはこの手ぶれ補正レンズを駆動する。コントローラは、センサにより検出されたカメラの移動情報に基づいて手ぶれ補正レンズの駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づきアクチュエータを制御する。かかる構成により、撮影操作時シャッタ動作などでカメラが移動しても、補正レンズを駆動して手ぶれを補正し、撮影画像に乱れが生じないようにしている。
特公平1−53957号公報
手ぶれ補正装置はリアルタイムで手ぶれを補正するため、手ぶれ補正レンズをシャッタ作動時に同期して駆動しなければならない。この為手ぶれ補正レンズは軽量でしかもアクチュエータを含めて慣性も少なくしなければならない。この為手ぶれ補正レンズの性能及びアクチュエータを含めた機械的機構に設計上の制限があった。加えてコスト上の制限もあり、結果的に従来の手ぶれ補正装置は性能や精度に限界があった。具体的には、手ぶれ補正レンズの駆動機構に寸法的な誤差、隙間、遊びなどのガタが存在し、手ぶれ補正の精度や性能に問題があった。
第一に、ガタがあるためアクチュエータに起動をかけてから実際に補正レンズが動き始めるまで機械的な遅延がある。本明細書ではこのガタによる機械的な遅延を「メカ遅れ」と呼ぶ場合がある。このメカ遅れのため、シャッタの動作タイミングと手ぶれ補正レンズの駆動タイミングにずれが生じ、有効な手ぶれ補正がかからない場合があった。第二に手ぶれ補正レンズを駆動すると、ガタがあるため予めセットした合焦点にずれが生じるという問題がある。即ち、カメラの鏡銅内に装着されたAFレンズは予め測定した被写体距離に応じて適切な合焦位置にセットされている。この後カメラの鏡銅内に装着された手ぶれ補正レンズを駆動すると、ガタがあるため合焦位置にずれが生じ、画質のぼけとなって現れる場合がある。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は手ぶれ補正装置に含まれるガタの影響を軽減して、撮影画像の画質の改善を図ることを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、カメラに装着され撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出するセンサと、手ぶれを補正するためカメラの鏡銅に装着された補正レンズと、該補正レンズを駆動するアクチュエータと、該センサにより検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズの駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づき該アクチュエータを制御するコントローラとを備えた手ぶれ補正装置において、前記コントローラは、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングから所定の時間幅先行して該アクチュエータに起動をかけ、以って実際に該補正レンズが動き始めるまでの機械的な遅延を該時間幅で吸収することを特徴とする。好ましくは、前記コントローラは、該駆動速度に応じて該時間幅を可変調整する。
又本発明は、カメラに装着され撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出するセンサと、手ぶれを補正するためカメラの鏡銅に自動焦点合わせ用のフォーカスレンズとともに装着された補正レンズと、該補正レンズを駆動するアクチュエータと、該センサにより検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズの駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づき該アクチュエータを制御するコントローラとを備えた手ぶれ補正装置において、前記コントローラは、該撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動する時、該アクチュエータを制御して該補正レンズを駆動するとともに、該補正レンズの駆動に伴って生じる焦点ずれを補償するため該フォーカスレンズも同時に駆動する。
本発明の第一面によれば、手ぶれ補正装置のコントローラは、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングから所定の時間幅先行してアクチュエータに起動をかけている。これにより、実際に手ぶれ補正レンズが動き始めるまでの機械的な遅延(メカ遅れ)をこの時間幅で吸収している。かかる構成により、メカ遅れがあるにもかかわらず、シャッタの動作タイミングと手ぶれ補正レンズの駆動タイミングを同期させることが可能になり、手ぶれ補正を有効に行うことが出来る。
本発明の第二面によれば、手ぶれ補正装置のコントローラは、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するとき、アクチュエータを制御して手ぶれ補正レンズを駆動すると共に、手ぶれ補正レンズの駆動に伴って生じる焦点ずれを補償するためオートフォーカスレンズ(AFレンズ)も同時に駆動している。かかる構成により、手ぶれ補正レンズのガタにより焦点ずれがあっても、これを打ち消すようにAFレンズを駆動することで、画質にぼけが生じないようにしている。一般に補正レンズの駆動方向に応じてガタが現れる方向も決まっている。この為このガタの影響を打ち消すように、AFレンズの駆動方向を決めることが可能である。
以上の構成によれば、手ぶれ補正レンズの駆動機構のガタを許容しつつ、撮影した画像の乱れやぼけを改善することが出来る。よって手ぶれ補正装置自体は精密な機構を必要とせず、軽量で且つ慣性が少なく低コストの手ぶれ補正装置が実現できる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明にかかる手ぶれ補正装置を組み込んだカメラ用鏡銅を示す模式図である。この模式図を参照して、本発明にかかるカメラ用手ぶれ補正装置の基本的な原理を説明する。(A)に示すように、カメラ用の鏡銅は、AFレンズ1、ズームレンズ2及びその間に装着された手ぶれ補正レンズ3とからなり、光軸に沿って配列されている。被写体から発した光は、矢印で示すようにAFレンズ1、手ぶれ補正レンズ3及びズームレンズ2を通って、倒立像として撮像面に結像する。この撮像面は、デジタルカメラの場合撮像素子の受光面であり、銀塩カメラの場合フィルムである。
(B)は撮影操作時に手ぶれが生じた場合の状態を表している。手ぶれがあると、被写体から発した光が鏡銅の光軸方向からずれるため、撮像面に結像した倒立像が、(A)に示した本来の到達点からずれてしまう。矢印で示す様にこのずれが手ぶれになる。露光動作中に現れる倒立像のずれが結果的に撮像さてしまうため、画質に乱れが生じる。
(C)は、この手ぶれを補正するために、手ぶれ補正レンズ3を駆動した結果を表している。手ぶれ補正装置は、予めセンサにより検出したカメラの移動情報に基づいて手ぶれ補正レンズ3の駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求める。手ぶれ補正装置のコントローラは、この求めた駆動データに基づいてアクチュエータを制御し、手ぶれ補正レンズ3をシフト移動して、手ぶれの影響を除いている。図示する様に、手ぶれ補正レンズ3を所定の方向にシフト移動することで、被写体から発した光が折れ曲がり、本来の到達点に光が届くようにしている。これにより露光動作中手ぶれがあっても、撮像面上の倒立像の位置にずれが生じないため、クリアな画像が得られる。
但し実際には、手ぶれ補正レンズ3を駆動するアクチュエータを含めた機械的な機構にガタがあるため、シャッタの駆動タイミングと手ぶれ補正レンズ3の駆動タイミングにずれが生じる恐れがある。そこで本発明にかかる手ぶれ補正装置は、このタイミングずれに対処できるよう設計されている。
図2は、本発明にかかる手ぶれ補正装置の第1実施形態を示すブロック図である。図示する様に、本発明にかかる手ぶれ補正装置は、基本的にセンサ4と補正レンズ3とアクチュエータ5とコントローラ6とで構成されている。センサ4はカメラに装着され、撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出する。図示の実施形態では、このセンサ4は一対のジャイロセンサからなり、カメラの移動情報としてヨーイング成分とピッチング成分を検出している。検出されたヨーイング情報は第1のバンドパスフィルタ(BPF1)を通してコントローラ6に入力される。ピッチング情報は第2のバンドパスフィルタ(BPF2)を通って同じくコントローラ6に入力されている。補正レンズ3は手ぶれを補正するため、カメラの鏡銅に装着されている。図示の例では、この補正レンズ3は基板10に保持された状態で、カメラの鏡銅(図示せず)に装着されている。アクチュエータ5はこの基板10に搭載された補正レンズ3を駆動する。図示の例では、このアクチュエータ5は2つの部分に分かれている。左側のアクチュエータ5は基板10に搭載されたコイルと、その下に固定配置されたマグネットとで構成されている。右側のアクチュエータ5は同じく基板10に搭載されたコイルとその下に固定配置されたマグネットとで構成されている。左右のアクチュエータ5は、マグネットの着磁方向が直交している。これにより左右のアクチュエータ5の駆動方向が互いに直交している。この結果、一対のアクチュエータ5で補正レンズ3を二次元方向に駆動可能である。コントローラ6は、センサ4により検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズ3の駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づきアクチュエータ5を制御する。図示の例では、このコントローラ6は32bit20MHzのマイクロコンピュータ(マイコン)からなり、補正レンズ駆動用のドライバIC7を介してアクチュエータ5を駆動している。なお、アクチュエータ5を構成する基板10の上にはHall素子が取り付けられており、位置検出サーボ回路8を介してコントローラ6にフィードバックされている。本発明の特徴事項として、コントローラ6は、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングから所定の時間幅先行してドライバIC7を介しアクチュエータ5に起動をかけ、以って実際に補正レンズ3が動き始めるまでの機械的な遅延(メカ遅れ)をこの時間幅で吸収するようにしている。好ましくは、コントローラ6は、駆動速度に応じてこの時間幅を可変調整している。具体的には、手ぶれが激しく補正レンズの駆動速度が大きくなるほど、この時間幅を長くしている。
引き続き図2を参照して、本手ぶれ補正装置の電気的な動作を詳細に説明する。上述したように、補正レンズ3を搭載する基板10には一対のHall素子が取り付けてある。Hall素子及びコイルを搭載した基板10の裏側には、マグネットが固定設置されている。補正レンズ3を駆動すると、Hall素子がそれぞれ対応するマグネットの上を移動するので、出力が生じる。Hall素子からは、補正レンズ3の移動によりリニアな出力が出るように設定されている。ここで位置検出サーボ回路8とドライバIC7は、コントローラ6と接続し、フィードバックループを構成している。かかる構成により、Hall素子の出力が、コントローラ6で設定された目標電圧となるように、ドライバIC7を介してアクチュエータ5を構成する一対のコイルに電流を流すようになっている。これにより一対のコイルは矢印で示したように垂直方向及び水平方向に移動可能で、その制御はコントローラ6からドライバIC7に供給される出力電圧によって決まる。したがって本発明にかかる手ぶれ補正装置は、コントローラ6により出力された電圧で補正レンズ3が設定された位置に停止する。その位置を確認するため、コントローラ6は位置検出サーボ回路8から出力されたHall電圧を、モニターしている。
図3は、図1及び図2に示した本発明にかかる手ぶれ補正装置の第1実施形態の動作説明に供するタイミングチャートに供する。このタイミングチャート(A)及び(B)は、シャッタ用露光羽根の位置、手ぶれ補正レンズに通電する電圧波形、及び手ぶれ補正レンズの駆動位置(Hallモニター結果)を時間軸Tに沿って表している。
本発明にかかる手ぶれ補正装置は、基本的にシャッタを動作させる直前でジャイロセンサ4の出力を測定して、コントローラ6によりアクチュエータ5の出力を設定している。このときジャイロセンサ4の出力はBPF1及びBPF2を通すことにより、手ぶれ補正に必要な周波数成分のみを選択し、この移動情報を元に設定された出力を、コントローラ6からドライバIC7に供給している。この出力情報は移動方向を示す電圧及び移動速度を示す周波数を含んでいる。前述した通り、位置検出サーボ回路8とドライバIC7は、コントローラ6から出力される電圧で設定される通りにコイルを通電する。
以下上述した動作をタイミングチャート(A)の時間軸に沿って逐次説明する。なお(A)のタイミングチャートは、手ぶれ周波数が低い場合(即ち手ぶれの程度が小さい場合)を表している。まずタイミングT0で手ぶれ補正レンズのアクチュエータを構成するコイルに通電を開始する。このとき補正レンズ3は正位置(ニュートラル位置)にある。一方シャッタを構成する露光羽根は全開位置にある。
この後メカ遅れを伴って手ぶれ補正レンズ3が実際に移動を開始する。このタイミングがT1で表されている。このタイミングT1はHallモニターから検出することが出来る。このタイミングT1では、同時に電気シャッタがオンし露光を開始する。即ち本実施形態はデジタルカメラ用の手ぶれ補正装置であって、カメラはオン動作が電気シャッタでオフ動作が機械シャッタを使っている。以上の説明から明らかなように、本実施形態では、コントローラ6は、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングT1から所定の時間幅先行したタイミングT0でアクチュエータに起動をかけ、以って実際に補正レンズが駆動するまでの機械的な遅延(メカ遅れ)をこの時間幅で吸収するようにしている。なお、このメカ遅れは個々のカメラによって異なる。よって個々のカメラ毎にタイミングT0からタイミングT1までの時間を調整することにより、メカのばらつきやメカの応答性も含めて個体別に補正をかけることが可能である。
タイミングT1で露光が開始すると共に手ぶれ補正レンズも移動を開始するため、図1の(C)に示したように手ぶれ補正がかかる。タイミングチャート(A)に示す様に、手ぶれ周波数が低い場合、手ぶれ補正レンズの駆動速度が比較的遅く、駆動波形の傾斜が緩くなっている。
タイミングT1で露光を開始したあと、タイミングT2で露光終了となり、機械シャッタが駆動を開始する。所定のメカ遅れを伴ってタイミングT3で機械シャッタが完全に閉じる。これにより露光羽根は全閉状態になる。
この後タイミングT4でアクチュエータ5に反転電圧が印加される。反転電圧に応じてタイミングT5で実際に手ぶれ補正レンズ3が反転駆動する。タイミングT6で反転電圧の供給を停止し、その後タイミングT7で手ぶれ補正レンズ3が元の正位置(ニュートラル位置)に戻る。以上で1回の撮影操作が完了する。
(B)は手ぶれ周波数が高い場合(即ち手ぶれが激しい場合)の動作状態を示すタイミングチャートである。手ぶれ周波数が高い場合は、前述したアクチュエータ5のメカ遅れのほか、速度安定時間を設定して、露光開始よりさらに手前で制御することにより、高周波数でも安定した制御を可能にしている。即ち手ぶれ補正レンズのアクチュエータに対する通電開始タイミングT0から露光開始タイミングT1までの時間幅を(A)に示した手ぶれ周波数が低い場合よりも長く取ってある。この延長した時間幅はタイミングTaで前半と後半に分かれている。前半のタイミングT0からタイミングTaまでは前述したメカ遅れを吸収する分である。残りのタイミングTaからタイミングT1までの後半部分は、速度安定時間である。即ち手ぶれ周波数が高い場合、手ぶれ補正レンズを高速で駆動しなければならない。しかしながら起動時は動作が不安定になる為、必ずしも手ぶれ補正には適していない。その為速度が安定化する時間だけ待って、タイミングT1で露光を開始するようにしている。かかる構成により、補正周波数が高く手ぶれ補正レンズが高速で移動する場合も、安定した手ぶれ補正をかける事が可能である。
図4は、本発明にかかる手ぶれ補正装置の第2実施形態の概要を示す模式図である。理解を容易にするため、図1に示した第1実施形態に対応する部分には対応する参照番号を付してある。(A)に示すように本実施形態においても、カメラの鏡銅にはAFレンズ1、手ぶれ補正レンズ3及びズームレンズ2が組み込まれており、被写体から発した光は撮像面上に倒立像を結んでいる。ここでAFレンズ1は鏡銅の光軸と平行な方向に移動可能である。一方手ぶれ補正レンズ3は鏡銅の光軸と交わる方向に移動可能である。AFレンズ1は予め被写体までの距離に応じて、自動的に合焦位置まで移動されている。
(B)は撮影操作時に手ぶれが生じた場合の状態を表している。手ぶれがあると、被写体から発した光が鏡銅の光軸方向からずれるため、撮像面に結像した倒立像が(A)に示した本来の到達点からずれてしまう。矢印で示すようにこのずれが手ぶれになる。露光動作中に現れる倒立像のずれが、結果的に撮像さてしまうため画質に乱れが生じる。
(C)は、この手ぶれを補正するために、手ぶれ補正レンズ3を駆動した結果を表している。手ぶれ補正装置は、予めセンサにより検出したカメラの移動情報に基づいて手ぶれ補正レンズ3の駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求める。手ぶれ補正装置のコントローラは、この求めた駆動データに基づいてアクチュエータを制御し、手ぶれ補正レンズ3をシフト移動して、手ぶれの影響を除いている。図示する様に、手ぶれ補正レンズ3を所定の方向にシフト移動することで、被写体から発した光が折れ曲がり、本来の到達点に光が届くようにしている。これにより露光動作中手ぶれがあっても、撮像面上の倒立像の位置にずれが生じないため、クリアな画像が得られる。
ここで手ぶれ補正レンズ3を矢印で示す方向にシフト移動すると、上述したように被写体からの光が折れ曲がり、撮像面上で本来の到達点に光が届く。この際手ぶれ補正レンズ3の移動に伴ってガタが生じるため、予め設定してあったAFレンズ1の合焦位置にずれが生じてしまう。そこで本実施形態は手ぶれ補正レンズ3の移動に伴うガタやその他の誤差を補償するため、AFレンズ1を移動し、撮像のピントがずれるのを防いでいる。基本的に手ぶれ補正レンズ3のガタ量は、手ぶれ補正レンズの移動方向や移動速度によって決まっている。この為手ぶれ補正レンズ3の移動データにしたがって、AFレンズ1の移動量も予め決めることが可能である。本実施形態はこの点に着目し、予め手ぶれ補正レンズ3の移動方向や移動速度を含む移動データに対応させてAFレンズ1の移動量を決めたテーブルを記憶してある。コントローラ6はこのテーブルに基づいて手ぶれ補正レンズ3の駆動データに従い適切なAFレンズ1の移動量を決定している。
図5は、本発明にかかる手ぶれ補正装置の第2実施形態の全体構成を示すブロック図である。基本的には、図2に示した第1実施形態と同様であり、対応する部分には対応する参照番号を付してある。図示する様に、本発明にかかる手ぶれ補正装置は、基本的にセンサ4と補正レンズ3とアクチュエータ5とコントローラ6とで構成されている。センサ4はカメラに装着され、撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出する。図示の実施形態では、このセンサ4は一対のジャイロセンサからなり、カメラの移動情報としてヨーイング成分とピッチング成分を検出している。検出されたヨーイング情報は第1のバンドパスフィルタ(BPF1)を通してコントローラ6に入力される。ピッチング情報は第2のバンドパスフィルタ(BPF2)を通って同じくコントローラ6に入力されている。補正レンズ3は手ぶれを補正するため、カメラの鏡銅に装着されている。図示の例では、この補正レンズ3は基板10に保持された状態で、カメラの鏡銅(図示せず)に装着されている。アクチュエータ5はこの基板10に搭載された補正レンズ3を駆動する。図示の例では、このアクチュエータ5は2つの部分に分かれている。左側のアクチュエータ5は基板10に搭載されたコイルと、その下に固定配置されたマグネットとで構成されている。右側のアクチュエータ5は同じく基板10に搭載されたコイルとその下に固定配置されたマグネットとで構成されている。左右のアクチュエータ5は、マグネットの着地方向が直交している。これにより左右のアクチュエータ5の駆動方向が互いに直交している。この結果、一対のアクチュエータ5で補正レンズ3を二次元方向に駆動可能である。コントローラ6は、センサ4により検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズ3の駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づきアクチュエータ5を制御する。図示の例では、このコントローラ6は32bit20MHzのマイクロコンピュータ(マイコン)からなり、レンズ駆動用のドライバIC7を介してアクチュエータ5を駆動している。なお、アクチュエータ5を構成する基板10の上にはHALL素子が取り付けられており、位置検出サーボ回路8を介してコントローラ6にフィードバックされている。
本実施形態の特徴事項として、AFレンズ駆動モーター9を備えている。このAFレンズ駆動モーター9は図4に示したAFレンズ1を鏡銅の光軸方向に沿って駆動するためのものである。本実施形態では、このAFレンズ駆動モーター9はドライバIC7を介してコントローラ6により制御されている。ドライバIC7はコントローラ6の制御の下、手ぶれ補正レンズ3のアクチュエータ5を駆動すると共に、AFレンズ1の駆動モーター9を駆動している。コントローラ6は、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するとき、ドライバIC7を介しアクチュエータ5を制御して補正レンズ3を駆動すると共に、補正レンズ3の駆動に伴って生じる焦点ずれを補償するためフォーカスレンズ1も同時に駆動する。
図6は、図5に示した第2実施形態の動作説明に供するタイミングチャートである。まずタイミングT0で手ぶれ補正レンズのアクチュエータを構成するコイルに通電を開始する。このとき補正レンズ3は正位置(ニュートラル位置)にある。一方シャッタを構成する露光羽根は全開位置にある。
この後メカ遅れを伴って手ぶれ補正レンズ3が実際に移動を開始する。このタイミングがT1で表されている。このタイミングT1はHALLモニターから検出することが出来る。このタイミングT1では、同時に電気シャッタがオンし、露光を開始する。即ち本実施形態はデジタルカメラ用の手ぶれ補正装置であって、カメラはオン動作が電気シャッタでオフ動作が機械シャッタを使っている。以上の説明から明らかなように、本実施形態では、コントローラ6は、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングT1から所定の時間幅先行したタイミングT0でアクチュエータに起動をかけ、以って実際に補正レンズが駆動するまでの機械的な遅延(メカ遅れ)をこの時間幅で吸収するようにしている。なお、このメカ遅れは個々のカメラによって異なる。よって個々のカメラ毎にタイミングT0からタイミングT1までの時間を調整することにより、メカのばらつきやメカの応答性も含めて個体別に補正をかけることが可能である。
タイミングT1で露光が開始すると共に手ぶれ補正レンズも移動を開始するため、図4の(C)に示したように手ぶれ補正がかかる。この後タイミングT2で露光終了となり、機械シャッタが駆動を開始する。所定のメカ遅れを伴ってタイミングT3で機械シャッタが完全に閉じる。これにより露光羽根は全閉状態になる。この後タイミングT4でアクチュエータ5に反転電圧が印加される。反転電圧に応じてタイミングT5で実際に手ぶれ補正レンズ3が反転駆動する。タイミングT6で反転電圧の供給を停止し、その後タイミングT7で手ぶれ補正レンズ3が元の正位置(ニュートラル位置)に戻る。以上で1回の撮影操作が完了する。このタイミングチャートはさらにAFレンズの駆動波形も示してある。図から明らかなように、AFレンズの駆動波形は、手ぶれ補正レンズの駆動波形とタイミング的に一致している。
引き続き図6を参照して、第2実施形態の動作を詳細に説明する。露光を開始する前の状態で、手ぶれ補正レンズは正位置(ニュートラス位置)にある。一方AFレンズは自動焦点合わせ動作により、予め合焦位置にセットされている。
タイミングT0になると手ぶれ補正レンズ3を駆動するアクチュエータ5に対して通電を開始する。その後メカ遅れを伴ってタイミングT1で実際に手ぶれ補正レンズ3が正位置(ニュートラル位置)から移動を開始する。このとき同時にAFレンズも移動を開始する。この移動は、図示のようにピントずれ量を補償する方向に沿って行われる。このピンとずれ量は予め手ぶれ補正レンズの移動量と対応して決められている。
このタイミングT1で丁度カメラも露光を開始する。予め露光羽根は全開位置にある一方、このタイミングT1で撮像素子に対する制御をオンにして(電気シャッタをオンにして)露光を開始する。
被写体輝度などに応じて決められた露光時間が経過すると、タイミングT2で機械シャッタが作動を始め、露光羽根が閉じ始める。そしてタイミングT3になると完全に露光羽根が閉じ、露光動作が完了する。タイミングT1からタイミングT3までの露光動作中、手ぶれ補正レンズは手ぶれ補正のため移動を続け、且つAFレンズも手ぶれ補正レンズの移動に伴うピントずれを補償するように移動を続ける。
タイミングT4で手ぶれ補正レンズのアクチュエータ5に反転電圧を印加する。これに応じてタイミングT5で手ぶれ補正レンズが反転を開始すると共にAFレンズもほぼ同時に反転を開始する。タイミングT6で手ぶれ補正レンズのアクチュエータに対する通電を停止する。この後タイミングT7で、手ぶれ補正レンズはニュートラル位置に復帰する。ほぼ同時にAFレンズも元の位置に戻る。
1・・・AFレンズ、2・・・ズームレンズ、3・・・手ぶれ補正レンズ、4・・・ジャイロセンサ、5・・・アクチュエータ、6・・・コントローラ
Claims (3)
- カメラに装着され、撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出するセンサと、
手ぶれを補正するため、カメラの鏡銅に装着された補正レンズと、
該補正レンズを駆動するためのアクチュエータと、
該センサにより検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズの駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づき該アクチュエータを制御するコントローラとを備えた手ぶれ補正装置において、
前記コントローラは、撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動するタイミングから所定の時間幅先行して該アクチュエータに起動をかけ、以って実際に該補正レンズが動き始めるまでの機械的な遅延を該時間幅で吸収することを特徴とする手ぶれ補正装置。 - 前記コントローラは、該駆動速度に応じて該時間幅を可変調整することを特徴とする請求項1記載の手ぶれ補正装置。
- カメラに装着され、撮影操作時手ぶれにより生じるカメラの移動を検出するセンサと、
手ぶれを補正するため、カメラの鏡銅に自動焦点合わせ用のフォーカスレンズとともに装着された補正レンズと、
該補正レンズを駆動するためのアクチュエータと、
該センサにより検出されたカメラの移動情報に基づいて補正レンズの駆動方向及び駆動速度を含む駆動データを求め、且つ求めた駆動データに基づき該アクチュエータを制御するコントローラとを備えた手ぶれ補正装置において、
前記コントローラは、該撮影操作に応じてカメラのシャッタを駆動する時、該アクチュエータを制御して該補正レンズを駆動するとともに、該補正レンズの駆動に伴って生じる焦点ずれを補償するため該フォーカスレンズも同時に駆動することを特徴とする手ぶれ補正装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006245062A JP2008065205A (ja) | 2006-09-11 | 2006-09-11 | 手ぶれ補正装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006245062A JP2008065205A (ja) | 2006-09-11 | 2006-09-11 | 手ぶれ補正装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008065205A true JP2008065205A (ja) | 2008-03-21 |
Family
ID=39287953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006245062A Pending JP2008065205A (ja) | 2006-09-11 | 2006-09-11 | 手ぶれ補正装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008065205A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009153101A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-07-09 | Sanyo Electric Co Ltd | 半導体装置および撮像装置 |
JP2009153100A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-07-09 | Sanyo Electric Co Ltd | 半導体装置および撮像装置 |
US8553098B2 (en) | 2007-11-28 | 2013-10-08 | Sanyo Semiconductor Co., Ltd. | Semiconductor device and imaging capturing apparatus |
-
2006
- 2006-09-11 JP JP2006245062A patent/JP2008065205A/ja active Pending
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