JP2008064618A - 危険物検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】切符基材9と、溶媒18とを備えた切符10であって、前記溶媒18が、切符表面の少なくとも一部を構成し、切符利用者に付着した危険物質を移し取って保持する部分である切符10を提供する。
【選択図】図2
Description
本発明は、基材と、採取部分とを備えた切符であって、前記採取部分が、切符表面の少なくとも一部を構成し、切符利用者に付着した危険物質を移し取って保持する部分である切符を提供する。
このように構成することで、切符利用者の指表面に付着している粉末物質等が切符表面の溶媒に取り込まれることにより、採取効率が向上される。したがって、切符を触る前に爆薬物等を扱っていた切符利用者から、爆薬物の粉末等を効率的に採取することができる。また、危険物質を取り込んだ溶媒ごと検出作業を行うことにより、危険物質を迅速に検出することができる。
このように構成することで、切符利用者の指表面の指紋の隙間に挟まった粉末物質等が切符表面の凹凸または繊維質によって掻き出されることにより、採取効率が向上される。これにより、切符を触る前に爆薬物等を扱っていた切符利用者から、爆薬物の粉末等を効率的に採取することができる。また、危険物質を切符表面の凹凸または繊維質に付着させることにより、危険物質の回収を容易にし、迅速に検出することができる。
このように構成することで、切符利用者の指表面の指紋の隙間に挟まった粉末物質等が切符表面の砥粒によって掻き出されることにより、採取効率が向上される。これにより、切符を触る前に爆薬物等を扱っていた利用者から、爆薬物の粉末等を効率的に採取することができる。また、危険物質を切符表面の砥粒に付着させることにより、危険物質の回収を容易にし、迅速に検出することができる。
このように構成することで、採取部分を基材から容易に分離させることができ、採取部分とともに採取部分に付着した危険物質を容易に回収することができる。これにより、切符表面を傷付けることなく危険物質を回収することができるとともに、危険物質の回収効率を向上させることができる。
このように構成することで、切符利用者が爆薬物の粉末等の付着した切符を自動改札機に通すだけの簡易な方法により、迅速、かつ、効率的に危険物質を検出することができる。また、危険物質の検出のための労力を軽減し、かつ、すべての切符利用者等を効率的に検査することができる。
したがって、切符利用者が切符を触る前に爆薬物等を扱っていた場合には、切符利用者の指表面に付着している爆薬物の粉末等を切符表面の採取部分に採取することができる。また、この切符から、爆薬物の粉末等を回収して、危険物質を検出することができる。
本発明において、切符基材(基材)とは、例えば、従来の切符に相当するものであって、移動手段に用いる切符基材の他、例えば、比接触型ICカードやプリペイドカード等を含むものとしてよい。また、例えば、公共施設への入場手段として用いるチケット等も含むものとしてよい。
また、検出の対象となる危険物質とは、例えば、トリニトロトルエン、トリアセトントリパーオキサイド、ニトログリセリン、RDX、PETN等の爆発物および2,3−ジメチル−2,3−ジニトロブタン等の爆発物検知剤としてもよい。
また、採取手段として用いられる砥粒とは、前記危険物質を付着させる、例えば、一般にクレンジング剤として用いられるものであって、例えば、アルミナなどのセラミックス等としてもよい。
また、分析計として、真空紫外光イオン化イオントラップ飛行時間型質量分析計(VUV‐SPI‐IT‐TOFMS)を用いることとしてよい。
以下、本発明の第一実施形態に係る切符について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る切符10は、切符基材9の表面の少なくとも一部に溶媒18を塗布したものである(図2(b)参照)。例えば、図1(a)および図1(b)に示すように、スプレー装置11や刷毛12により切符基材9に溶媒を塗布することとしてもよい。また、切符10に溶媒を染み込ませた層を持たせることとしてもよい。
まず、切符利用者が切符10を購入する際に、例えば、発券機(図示せず)において、切符基材9の表面に溶媒18が塗布される。これにより、図2(a)および図2(b)に示すように、切符利用者が切符10を持つ際に、指14に付着している物質16が溶媒18に移し取られて保持される。したがって、例えば、切符10に触れる前に切符利用者が爆薬物等を扱っていた場合には、爆薬物の粉末等の危険物質が溶媒18に採取される。
次に、本発明の第二実施形態に係る切符について、図面を参照して説明する。
図4(b)または図5(b)にそれぞれ示すように、本実施形態に係る切符20または切符21は、採取部分の構成が上述した第一実施形態に係る切符10と異なっている。
以下、第一実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る切符20は、切符基材19の表面の少なくとも一部に凹凸28を備えている。また、切符21は、切符基材19の表面の少なくとも一部が繊維質でできたワイプ層29を備えている。
まず、切符利用者が切符20を購入する際には、例えば、発券機等において、切符基材19の表面に物理的凹凸が型押しされる。これにより、図4(a)および図4(b)に示すように、切符利用者が切符20を持つ際に、特に、指24の指紋に挟まっている物質26の粉末等が、効率的に凹凸28に掻き出されて、切符20の表面に保持される。
また、切符利用者が切符21を購入する際には、例えば、発券機等において、切符基材19に繊維状の層が設けられる。これにより、図5(a)および図5(b)に示すように、切符利用者が切符21を持つ際に、特に、指24の指紋に挟まっている物質26の粉末等が、効率的にワイプ層29に掻き出されて、切符21の表面に保持される。
したがって、例えば、切符20または切符21に触る前に切符利用者が爆薬物等を扱っていた場合には、指紋に挟まっている爆薬物の粉末等も効率的に採取される。
また、試薬等を使用することなく、切符利用者の指24に付着した物質26を物理的に移し取るため、切符20または切符21の取り扱いを容易にすることができる。
また、余分な蒸発物質がないため、危険物質を検出する際のノイズを減少させることができる。
次に、本発明の第三実施形態に係る切符について、図面を参照して説明する。
図6(b)に示すように、本実施形態に係る切符30は、採取部分の構成が上述した第一実施形態に係る切符10と異なっている。
以下、第一実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
本実施形態に係る切符30は、切符基材29の表面の少なくとも一部に砥粒38を備えている。なお、砥粒38の粒径は、一般的に、指34の指紋の溝幅(約500μm)より小さい径が望ましい。
まず、切符利用者が切符30を購入する際に、例えば、発券機において、切符基材29の表面に砥粒38が塗布される。これにより、図6(a)および図6(b)に示すように、切符利用者が切符30を持つ際に、特に、指34の指紋に挟まっている物質36の粉末等が、効率的に砥粒38に掻き出されて、切符30の表面に保持される。したがって、例えば、切符30に触る前に切符利用者が爆薬物等を扱っていた場合には、指紋に挟まっている爆薬物の粉末等も効率的に採取される。
また、砥粒38の材料に、蒸気圧が殆どない物質(例えば、アルミナなどのセラミックス)を用いることにより、危険物質を検出する際のノイズを減少させることができる。
次に、本発明の第四実施形態に係る切符について、図面を参照して説明する。
図7(c)に示すように、本実施形態に係る切符44は、切符基材40と溶媒43との間の構成が上述した第一実施形態に係る切符10と異なっている。
以下、第一実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、中間層41は、この上に塗布する溶媒43を容易に分離させることができる、例えば、フッ素樹脂や、疎油性(親水性)材料の物質であることが望ましい。
図8(a)に示すように、切符利用者が切符44を持つ際に、特に、指46の指紋に挟まっている物質47の粉末等が、効率的に切符44の表面の溶媒43に移し取られて保持される。したがって、例えば、切符44に触る前に切符利用者が爆薬物等を扱っていた場合には、指紋に挟まっている爆薬物の粉末等も効率的に採取される。
また、エアブロアーにより、中間層41から溶媒43を容易に分離させて、溶媒43および物質47を吹き飛ばし、サンプリング管49にサンプリングすることとしてもよい。
また、図8(b)に示すように、例えば、加熱用ランプ48やアルコール蒸気、またはエアブロアー等により、物質47を溶媒43ごとサンプリングすることにより、サンプリング効率を向上させることができる。
また、図7(b)に示すように、中間層41を切符基材40の表面にコーティングすることにより、切符基材40、特に、切符基材40の表面の印字や記録情報等を加熱や薬剤から保護することができる。
次に、本発明の第五実施形態に係る切符について、図面を参照して説明する。
図9(c)に示すように、本実施形態に係る切符54は、切符基材50と砥粒53との間の構成が上述した第一実施形態に係る切符10と異なっている。
以下、第一実施形態と共通する点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
なお、中間層51は、この上に塗布する砥粒53を容易に分離させることができる、例えば、フッ素樹脂や、疎油性(親水性)材料の物質が望ましい。
図10(a)に示すように、切符利用者が切符54を持つ際に、特に、指56の指紋に挟まっている物質57の粉末等が、効率的に砥粒53に掻き出されて、切符54の表面に保持される。したがって、例えば、切符54に触れる前に切符利用者が爆薬物等を扱っていた場合には、指紋に挟まっている爆薬物の粉末等も効率的に採取される。
また、エアブロアーにより、中間層51から溶媒53を容易に分離させて、砥粒53および物質57を吹き飛ばし、サンプリング管58にサンプリングすることとしてもよい。
また、砥粒53の材料に、蒸気圧が殆どない物質(例えば、アルミナなどのセラミックス)を用いることにより、危険物質を検出する際のノイズを減少させることができる。
また、図9(b)に示すように、中間層51を切符基材50の表面にコーティングすることにより、切符基材50、特に、切符基材50の表面の印字や記録情報等を加熱や薬剤から保護することができる。
次に、本発明の第六実施形態に係る危険物検出装置について、図11を参照して説明する。
本実施形態に係る危険物検出装置61は、切符60と該切符60に付着した物質(図示
せず)とを分離させるキャリアガスを噴出するキャリアガスノズル(分離手段)63と、前記分離した物質を回収する吸引ノズル(回収手段)64と、該吸引ノズル64を加熱するヒータ69´と、前記回収した物質を定性分析計68に送る移送管65と、切符60をサンプリング空間へ輸送するローラ62と、該ローラ62を加熱するヒータ69と、前記キャリアガスを浄化するフィルタ66と、前記キャリアガスを加熱するオーブン67とを備えている。なお、本実施形態において、サンプリング空間とは、切符60を加熱する部分、および、切符60の表面に付着する物質を吸引する部分等をいう。
なお、ローラ62の表面は、石英で覆われていることが望ましい。これにより、切符60を輸送する際に、切符60の表面に付着する物質が、ローラ62の表面に付着することを防止することができる。
吸引ノズル64は、ヒータ69´により加熱され(サンプリング空間内の温度以上が望ましい。)、気化した物質蒸気を吸引して、移送管65へ送るようになっている。
移送管65は、前記吸引された物質を定性分析計68へ移送するようになっている。
なお、移送管65および定性分析計68は、加熱されていることが望ましい。
また、上記の各ヒータにおいて、加熱温度は、80℃以上200℃以下が望ましい。80℃未満では、危険物質によっては検出しにくいので好ましくない。また、200℃を超えると、危険物質によっては分解してしまうので好ましくない。
切符60は、ローラ62により、サンプリング空間に輸送されると同時に、ローラ62の熱によって加熱される。このとき、ローラ62の表面が石英で覆われていることにより、ローラ62の表面への物質の吸着や物質の分解を防止して、輸送することができる。
また、ローラ62によって切符60が加熱されて、サンプリング空間に輸送されると、キャリアガスノズル63から加熱されたキャリアガスが切符60へ噴出される。これにより、切符60の表面に付着している物質が気化されて、物質蒸気が空気の流れに沿って吸引ノズル64により回収される。
なお、危険物検出装置61内のサンプリング空間内、特に、切符60を加熱する部分または吸引ノズル64の壁面の材質を石英により構成し、その周りを熱容量が高く、耐熱性に優れる物質(例えば、ステンレス)で覆うことが望ましい。また、上記サンプリング空間内を、例えばヒータ69´により、予め加熱しておくことが望ましい。これにより、切符60の表面に付着する物質の蒸気圧を高め、サンプリングし易くすることができる。また、切符60を出し入れする際に危険物検出装置61内の温度低下を防止することができる。
また、上述のように、切符60の表面に付着する物質を危険物検出装置61内の表面に吸着させることなく回収することができるので、回収効率を向上させることができる。これにより、サンプリング空間内に前記物質が残存しないので、他の切符の検査の妨げとならず、連続して切符の検査を行うことができる。したがって、危険物質の検出を迅速、かつ、効率的に行うことができる。
次に、本発明の第七実施形態に係る危険物検出装置について、図12(a)および図12(b)を参照して説明する。
本実施形態に係る危険物検出装置71は、切符70と該切符70に付着した物質(図示
せず)とを分離させる超音波振動子(分離手段)72と、前記分離した物質を加熱して、その物質蒸気を回収する吸引ノズル(回収手段)74と、該吸引ノズル74を加熱するヒータ79と、前記物質を定性分析計78へ導入するキャリアガスを噴出するキャリアガスノズル73と、前記キャリアガスを浄化するフィルタ76と、前記キャリアガスを加熱するオーブン77とを備えている。なお、吸引ノズル74は、加熱容器を兼ねていることとしてもよい。なお、本実施形態において、切符70の表面から物質を分離させる部分、および、分離した物質を吸引する部分等をサンプリング空間という。
吸引ノズル74は、例えば、内表面が石英で覆われており、超音波振動子72によって振るい落とされた物質を保持するようになっている。また、吸引ノズル74は、ヒータ79またはランプ(図示せず)等により加熱されるようになっている。これにより、吸引ノズル74に保持される物質が気化されるようになっている。なお、吸引ノズル74は、例えば、表面がフッ素樹脂やガラスウールで覆われていることとしてもよい。
なお、移送管75および定性分析計78は、加熱されていることが望ましい。
また、上記の各ヒータにおいて、加熱温度は、80℃以上200℃以下が望ましい。80℃未満では、危険物質によっては検出しにくいので好ましくない。また、200℃を超えると、危険物質によっては分解してしまうので好ましくない。
切符70が危険物検出装置71に挿入されると、超音波振動子72により切符70に超音波振動が与えられて、切符70の表面に付着している物質が振るい落とされる。これにより、振るい落とされた物質が吸引ノズル74に保持される。吸引ノズル74に保持された物質は、吸引ノズル74がヒータ79によって加熱されることにより気化し、物質蒸気となる。
上記物質蒸気は、キャリアガスノズル73から噴出されるキャリアガスの流れに乗り、移送管75を介して、定性分析計78へと導入される。これにより、物質蒸気が定性分析計78で定性分析されて、危険物質の検出が行われる。
また、超音波振動子72により、切符70と共にサンプリング空間内の側壁に超音波振動が与えられるため、切符70の表面から分離された物質の粉末等が上記側壁に再付着することを防止することができる。
また、切符70の表面を直接加熱しないため、切符70の表面に耐熱性のコーティング等を施さなくても、切符70の印字や記録を傷つけずに危険物質の検出を行うことができる。
10 切符
16 物質
18 溶媒
Claims (9)
- 基材と、
採取部分とを備えた切符であって、
前記採取部分が、切符表面の少なくとも一部を構成し、切符利用者に付着した危険物質を移し取って保持する部分である切符。 - 前記採取部分が、溶媒からなる請求項1に記載の切符。
- 前記採取部分が、凹凸または繊維質からなる請求項1に記載の切符。
- 前記採取部分が、砥粒からなる請求項1に記載の切符。
- 前記基材と前記採取部分との間に、前記基材と前記採取部分との分離を容易にする中間層を設けた請求項2または請求項4に記載の切符。
- 切符と該切符に付着した物質とを分離する分離手段と、
前記物質を回収する回収手段と、
前記物質を定性分析計に送る移送手段とを備えた危険物検出装置。 - 前記危険物検出装置が、自動改札機である請求項6に記載の危険物検出装置。
- 切符と該切符に付着した物質とを分離する分離工程と、
前記物質を回収する回収工程と、
前記物質を定性分析計に送る移送工程とを備えた危険物検出方法。 - 基材と採取部分とを備え、該採取部分が切符表面の少なくとも一部を構成し、切符利用者に付着した危険物質を移し取って保持する切符と、
前記切符と該切符に付着した物質とを分離する分離手段と、
前記物質を回収する回収手段と、
前記物質を定性分析計に送る移送手段とを備えた危険物検出装置と
を具備する危険物検出システム。
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