本発明の一実施形態の鍵管理システムを図面を参照して以下に説明する。
本実施形態の鍵管理システムは、銀行等の金融機関の店舗で使用されるもので、図1に示すように、管理室等の行員のみの入室が許可されたスペースに設置される複数台の鍵管理装置11と、行員あるいは顧客が入金、出金あるいは両替等の現金処理のため使用する複数台の現金処理機12とが、通信手段であるLAN13を介して互いに通信可能に接続されて構成されている。
複数台の鍵管理装置11は、それぞれが、図2に示すように、鍵10を着脱可能に保持するもので、担当者による暗証番号等の入力操作がなされるテンキー等を含む操作部15と、日時、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する表示部16と、各担当者毎に個別に準備されて他との識別のための個別の担当者識別情報が記憶されたIDカード17を走査して、このIDカードから担当者識別情報等を読み取るカードリーダ18と、それぞれが一対一で対応する鍵10を着脱可能に保持する多数の鍵保持部19と、必要な情報を紙面に印字可能なプリンタ部(出力手段)20と、これらに接続される図1に示す制御部(比較照合手段)21と、制御部21とデータのやり取りが可能な記憶部22とを有している。
図2に示すように、鍵10は、鍵本体25とこれに連結されたキーホルダ26とを有しており、キーホルダ26には、鍵を他と識別するための個別の鍵識別情報が記憶された図示せぬIDチップが埋設されている。鍵10は、主に現金処理機12の主電源のオン・オフを切り換える操作鍵であるが、現金処理機12の操作鍵でないもの、例えば現金処理機12の現金カセット着脱時に開かれる扉開閉用の鍵等も含まれている。
鍵管理装置11の鍵保持部19は、それぞれが、一対一で対応する一つの鍵10のキーホルダ26のみをロック状態で保持するキーホルダ装着部30と、同じ鍵保持部19を構成するキーホルダ装着部30のロック状態を解除する際に押圧される取外ボタン31と、点灯および点滅可能なランプ32とを有している。キーホルダ装着部30は、キーホルダ26が挿入されると鍵識別情報を読み取って制御部21に送信することになり、制御部21はこの鍵識別情報と送信元のキーホルダ装着部30とが対応する場合にこのキーホルダ装着部30でキーホルダ26をロックすることになる。また、キーホルダ装着部30は、制御部21が了承した条件下で取外ボタン31が操作されるとキーホルダ26のロックを解除する。
鍵管理装置11の記憶部22は、鍵10の持ち出しおよび返却に係るデータ等を記憶する。また、記憶部22には、すべての鍵保持部19に一対一で対応して保持する鍵10の鍵識別情報と、取扱可能なすべてのIDカード17の担当者識別情報とが記憶されており、さらに、ID情報毎にランク分け等されて持ち出し可能な鍵10の鍵識別情報が記憶されている。ここで、ランク分けの場合、例えば、一般職、窓口職、後方職、管理職等に分けられており、それぞれのランク毎に取り出し可能な鍵10の鍵識別情報が関連付けして記憶されている。また、同じランクであっても担当者毎に持ち出し可能な鍵10が異なる場合には、各担当者識別情報毎に取り出し可能な鍵識別情報が関連付けして記憶されている。さらには、取り出しに上職の承認が必要な鍵10の鍵識別情報も記憶されている。
担当者が鍵10を持ち出す場合には、まず、カードリーダ18でIDカード17を走査するとともに、鍵10の持ち出し許可のために設定された暗証番号を操作部15に入力する。すると、カードリーダ18は、読み取ったIDカード17の担当者識別情報および入力された暗証番号を制御部21に送信することになり、制御部21は記憶部22に記憶されたマスタデータと照合することで担当者識別情報および暗証番号が適正である場合に、この担当者識別情報に対して持ち出し可能な鍵識別情報を有する鍵10を保持した鍵保持部19のランプ32を点灯させる。なお、暗証番号の入力にかえて指紋認証等の生体認証を行うようにしても良い。
そして、このランプ32が点灯した鍵保持部19の取出ボタン31が担当者によって操作されると、制御部21はこの鍵保持部19のキーホルダ装着部30のロック状態を解除して鍵10を取り外し可能とするとともに、この鍵10の取り出しに際して読み取ったIDカード17の担当者識別情報と、この鍵10の鍵識別情報と、取出ボタン31が押された持ち出し時刻(日時)と、鍵10が持ち出し中であることを示す持出中情報と、返却時刻(日時。この時点では未返却であるためデータは空欄とされる)とを含む持出返却状況データを記憶部22に記憶する。そして、キーホルダ装着部30のロック状態が解除されることにより担当者が鍵保持部19から鍵10を取り出すことになる。なお、当然のことながら、ランプ32が点灯した以外の鍵保持部19の取出ボタン31が操作されても、制御部21は、この鍵保持部19のキーホルダ装着部30のロック状態を解除することはない。
また、担当者が鍵10を返却する場合には、鍵10のキーホルダ26を一対一で対応する一つの鍵保持部19のキーホルダ装着部30に挿入する。すると、制御部21は、このキーホルダ26から鍵識別情報を読み出し、この鍵識別情報がこの鍵保持部19に一対一で対応している場合のみこの鍵10を持ち出し不可にロックする。それとともに、記憶部22に記憶されているこの鍵識別情報を有する最新の持出返却状況データの、鍵10が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵10が戻されたことを示す保持中情報に書き換えるとともに、空欄とされていた返却時刻(日時)にこのロックした時刻を書き込む。キーホルダ26から読み出した鍵識別情報が装着された鍵保持部19に対応していない場合には、制御部21は、このキーホルダ26をロックせず、ランプ32を点滅させる等して間違いを報知する。なお、この返却に際してもカードリーダ18で適正なIDカード17が走査されたことを条件に上記したキーホルダ装着部30による鍵10のロックを行うようにしても良い。
各鍵管理装置11の制御部21は、鍵10の持ち出し及び返却に関する持出返却状況データが鍵10の持ち出し及び返却の度に常に最新のものに更新されるようになっている。
複数台の現金処理機12は、それぞれが、操作者により入力操作がなされる操作部35と、操作状況、アラーム情報およびガイダンス等を表示する表示部36と、現金処理を行う現金処理機構部38と、これらに接続される制御部37とを有している。そして、複数台の現金処理機12の制御部37は、LAN13により店舗内に設置された店舗内サーバ40に接続されて使用され、さらには、店舗外の金融機関の本部に設置された図示略の本部サーバに接続されて、現金処理を制御するようになっている。
複数台の現金処理機12は、それぞれが、一対一で対応する一つの鍵10の鍵本体25が図示略のキーシリンダに装着されてON操作されることで動作が可能となっており、対応しない鍵10ではキーシリンダがON操作できず、動作が不可となっている。また、内部の現金カセットを取り出す場合も一対一で対応する一つの鍵10の鍵本体25が図示略のキーシリンダに装着されてON操作されることで図示略の開閉扉が開作動可能となっている。
そして、各現金処理機12の制御部37は、対応する一つの鍵10の鍵本体25がキーシリンダに装着されてON操作されると、この鍵10の鍵識別情報と、この鍵10の使用が開始された使用開始時刻(日時)と、この鍵10が使用中であることを示す使用中情報と、この鍵10でキーシリンダがOFF操作された使用終了時刻(日時。この時点では使用中であるためデータは空欄とされる)とを含む鍵10の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して複数台の鍵管理装置11に出力する。
各鍵管理装置11の制御部21は、LAN13を介して各現金処理機12からの運用状況データが常時更新可能に入力されている。つまり、制御部21は、LAN13を介して各現金処理機12から入力された運用状況データに含まれる鍵識別情報が記憶部22に記憶されている場合、つまり鍵識別情報が自身が保持するべき鍵10の鍵識別情報である場合に、この鍵識別情報に関連して記憶された最新の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。入力された運用状況データに含まれる鍵識別情報が記憶部22に記憶されていない場合、制御部21はこれを無関係なデータとして無視する。
また、その後、現金処理機12において鍵10でキーシリンダがOFFされると、現金処理機12の制御部37は、この鍵10の鍵識別情報と、この鍵10が使用中でないことを示す非使用中情報と、この鍵10でキーシリンダがOFF操作された使用終了時刻(日時)とを含む鍵10の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して複数台の鍵管理装置11に出力する。すると、各鍵管理装置11では、制御部37が、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が記憶部22に記憶されている場合、つまり鍵識別情報が自身が保持するべき鍵10の鍵識別情報である場合に、この鍵識別情報に関連して記憶された最新の持出返却状況データに関連づけて記憶された運用状況データの、この鍵10が使用中であったことを示す使用中情報を鍵が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻を書き込んで記憶部22に記憶させる。入力された運用状況データに含まれる鍵識別情報が記憶部22に記憶されていない場合、制御部21はこれを無関係なデータとして無視する。
各鍵管理装置11では、制御部21が、鍵10を持ち出した担当者識別情報、持ち出し時刻および返却時刻を含む持出返却状況データと、この鍵10に対応する現金処理機12における鍵10の使用に関連する運用状況データとを比較照合することになり、表示部16がこの比較照合結果を表示出力する。このとき、制御部21は、比較照合結果を、持ち出す担当者の担当者識別情報毎に整理して表示部16に表示させる第1整理モードと、持ち出す鍵10の識鍵別情報毎に整理して表示部16に表示させる第2整理モードとを選択的に切り換えることができる。表示部16は、表示を行う表示画面(出力手段)16aと、表示画面16a上に貼付されたタッチパネル(切換操作手段)16bとを有しており、制御部21は、表示画面16aの第1整理モードでの表示および第2整理モードでの表示をタッチパネル16bへの接触操作で切り換える。
また、各鍵管理装置11では、制御部21が、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果から、鍵10の占有状況を、使用状態および使用待機状態の正常レベルと、不使用状態の異常レベルとの二種類に区分し、さらに、異常レベルを、軽度の不使用状態の注意レベルと、重度の不使用状態の警告レベルとの二種類に区分して、表示部16に表示させる。
例えば、鍵10が鍵管理装置11から持ち出された後に、この鍵10に一対一で対応する現金処理機12での使用が開始されると予測される所定時間を経過する以前に、この現金処理機12での使用が開始された場合に、制御部21は、この鍵10の占有状況を正常レベルであると判定して、その旨を表示部16に表示させる。また、例えば、鍵10の現金処理機12での使用が終了した後に、対応する鍵管理装置11に戻されると予測される所定時間を経過する以前に、対応する鍵管理装置11に鍵10が戻された場合も、制御部21は、この鍵10の占有状況を正常レベルであると判定して、その旨を表示部16に表示させる。
他方、制御部21は、鍵10が鍵管理装置11から持ち出された後に、この鍵10に一対一で対応する現金処理機12での使用が開始されると予測される所定時間を経過した時点で、現金処理機12での使用が開始されない場合には、この鍵10の占有状況を異常レベルであると判定して、その旨を表示部16に表示させる。このとき、同時に持ち出した他の鍵10との関連で、持ち出し後、所定時間を経過しても現金処理機12での使用が開始されない状況となる可能性がある場合には、軽度の注意レベルと判定して、その旨を表示部16に表示させる。他方、同時に持ち出した他の鍵10との関連でも、持ち出し後、所定時間を経過しても現金処理機12での使用が開始されない状況となる可能性がない場合には、この鍵10の占有状況を重度の注意レベルと判定して、その旨を表示部16に表示させる。
制御部21の具体的な制御内容を、説明の便宜上、複数の鍵10を識別のため鍵X1〜X6とし、複数の現金処理機12を識別のため現金処理機Y1〜Y6とし、さらに、複数の鍵管理装置11を識別のためZ1,Z2として説明する。このとき、鍵X1は現金処理機Y1専用の操作鍵であり、鍵X2は現金処理機Y2専用の操作鍵であり、鍵X3は現金処理機Y3専用の操作鍵であり、鍵X4は現金処理機Y4専用の操作鍵であり、鍵X5は現金処理機Y5専用の操作鍵であり、鍵X6は現金処理機Y6専用の操作鍵である。また、鍵X1〜X6は同一の鍵管理装置Z1で管理されるものとする。
まず、鍵管理装置Z1の制御部21が、担当者識別情報毎に整理する第1整理モードで整理を行い、その結果を表示部16の表示画面16aで表示させる設定について図3を参照して説明する。なお、図3(a)は表示画面16aの表示例、図3(b)はその説明図である。
鍵管理装置Z1の表示画面16aの最上部の領域には、担当者識別情報Aを有するIDカード17を持った担当者が、鍵管理装置11から現金処理機Y1用の一つの鍵X1を持ち出した場合の表示例が表示されている。
担当者識別情報Aを有するIDカード17を持った担当者が、IDカード17を鍵管理装置11のカードリーダで走査し、鍵管理装置Z1から、持ち出し権限の範囲内の鍵X1を持ち出す(t01時点)。すると、鍵管理装置Z1の制御部21は、担当者の識別情報となる担当者識別情報Aと、鍵X1の鍵識別情報と、持ち出し時刻t01と、鍵X1が持ち出し中であることを示す持出中情報と、空欄の返却時刻とを含む持出返却状況データを記憶部22に記憶する。
次に、現金処理機Y1が鍵X1でON操作されて使用可能に起動されると(t02時点)、現金処理機Y1の制御部37が、鍵X1の鍵識別情報と、この鍵X1の使用が開始された使用開始時刻t02と、この鍵X1が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X1の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X1の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
その後、営業終了等にともなって現金処理機Y1が鍵X1でOFF操作されると(t03時点)、現金処理機Y1の制御部37が、鍵X1の鍵識別情報と、鍵X1が使用中でないことを示す非使用中情報と、鍵X1で現金処理機Y1がOFF操作された使用終了時刻t03とを含む鍵X1の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X1の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記運用状況データの、鍵X1が使用中であったことを示す使用中情報を鍵X1が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻t03を書き込んで記憶部22に記憶させる。
そして、鍵X1が鍵管理装置Z1に戻されると(t04時点)、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X1の鍵識別情報を有する持出返却状況データに対し、鍵X1が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵X1が持ち出し中でない状況となったことを示す保持中情報に書き換えるとともに、返却時刻の空欄に返却時刻t04を書き込んで記憶部22に記憶させる。
以上のような流れにおいて、鍵管理装置Z1の制御部21は、持出返却状況データと運用状況データとをリアルタイムで比較照合しており、その時点までの状況をリアルタイムでその表示画面16aに表示することになる。
また、その際に、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果に基づいて鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X1の占有状況を正常レベルおよび異常レベルの二種類に区分してその表示部16の表示画面16aに表示させる。
つまり、管理装置Z1の制御部21は、鍵X1の持ち出し時において、鍵X1が、鍵管理装置Z1から持ち出された時点t01と現金処理機Y1での使用が開始された時点t02とから、持ち出し後に現金処理機Y1での使用が開始されると予測される所定時間T01を経過する以前に、現金処理機Y1での使用が開始されている場合(t02−t01<T01)、鍵X1の占有状況は正常レベルであると判定する。図3に示す例は、正常レベルである場合であり、後述する異常レベルの色つきの表示を特に行わせることはない。すなわち、レベルについての表示が特にない状態が正常レベルを表している。
また、管理装置Z1の制御部21は、返却時においても、鍵X1の現金処理機Y1での使用が終了した時点t03と鍵管理装置Z1に戻された時点t04とから、使用終了後に鍵管理装置Z1に戻されると予測される所定時間T02を経過する以前に、鍵管理装置Z1に鍵が戻されている場合(t04−t03<T02)、鍵X1の占有状況は正常レベルであると判定する。図3に示す例は、正常レベルである場合であり、鍵管理装置Z1の表示部16の表示画面16aには、後述する異常レベルでの色つきの表示を特に行わせることはない。
鍵管理装置Z1の表示画面16aの上から二番目の領域には、担当者識別情報Bを有するIDカード17を持った担当者が、鍵管理装置Z1から現金処理機Y2,Y3用の二つの鍵X2,X3を持ち出した場合の表示例が表示されている。
担当者識別情報Bを有するIDカード17を持った担当者が、IDカード17を鍵管理装置Z1のカードリーダ18で走査し、鍵管理装置Z1から、持ち出し権限の範囲内の鍵X2,X3を持ち出す(t11時点)。すると、鍵管理装置Z1の制御部21は、担当者の識別情報となる担当者識別情報Bと、鍵X2,X3の鍵識別情報と、持ち出し時刻t11と、鍵X2,X3が持ち出し中であることを示す持出中情報と、空欄の返却時刻とを含む持出返却状況データを記憶部22に記憶する。
次に、現金処理機Y2が鍵X2でON操作されて使用可能に起動されると(t12時点)、現金処理機Y2の制御部37が、鍵X2の鍵識別情報と、この鍵X2の使用が開始された使用開始時刻t12と、この鍵X2が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X2の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X2の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
その後、現金処理機Y2が鍵X2でOFF操作されると(t14時点)、現金処理機Y2の制御部37が、鍵X2の鍵識別情報と、鍵X2が使用中でないことを示す非使用中情報と、鍵X2で現金処理機Y2がOFF操作された使用終了時刻t14とを含む鍵X2の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X2の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記運用状況データの、鍵X2が使用中であったことを示す使用中情報を鍵X2が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻t14を書き込んで記憶部22に記憶させる。
次に、現金処理機Y3が鍵X3でON操作されて使用可能に起動されると(t15時点)、現金処理機Y3の制御部37が、鍵X3の鍵識別情報と、この鍵X3の使用が開始された使用開始時刻t15と、この鍵X3が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X3の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X3の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
その後、現金処理機Y3が鍵X3でOFF操作されると(t17時点)、現金処理機Y3の制御部37が、鍵X3の鍵識別情報と、鍵X3が使用中でないことを示す非使用中情報と、鍵X3で現金処理機Y3がOFF操作された使用終了時刻t17とを含む鍵X3の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X3の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記運用状況データの、鍵X3が使用中であったことを示す使用中情報を鍵X3が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻t17を書き込んで記憶部22に記憶させる。
そして、鍵X2,X3が鍵管理装置Z1に戻されると(t18時点)、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X2の鍵識別情報を有する持出返却状況データに対し、鍵X2が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵X2が持ち出し中でない状況となったことを示す保持中情報に書き換えるとともに、返却時刻の空欄に返却時刻t18を書き込んで記憶部22に記憶させる。また、鍵X3の鍵識別情報を有する持出返却状況データに対しても、鍵X3が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵X3が持ち出し中でない状況となったことを示す保持中情報に書き換えるとともに、返却時刻の空欄に返却時刻t18を書き込んで記憶部22に記憶させる。
以上のような流れにおいても、鍵管理装置Z1の制御部21は、持出返却状況データと運用状況データとをリアルタイムで比較照合しており、その時点までの結果を、リアルタイムで表示部16の表示画面16aに表示することになる。
その際に、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果に基づいて鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵の占有状況を正常レベルおよび異常レベルの二種類に区分し、さらに、異常レベルを、軽度の注意レベルおよび重度の警告レベルの二種類に区分して、表示部16の表示画面16aに表示させる。
つまり、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X2,X3の持ち出し時において、鍵X2が、鍵管理装置Z1から持ち出された時点t11と現金処理機Y2での使用が開始された時点t12とから、持ち出し後に現金処理機Y2での使用が開始されると予測される所定時間T11を経過する以前に、現金処理機Y2での使用が開始されている場合(t12−t11<T11)、鍵X2の占有状況は正常レベルであると判定する。正常レベルである場合、表示部16の表示画面16aには、後述する異常レベルの色つきの表示を特に行わせることはない。
他方、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X2,X3の持ち出し時点t11と鍵X3の使用開始時点t15との関係から、所定時間T11を経過した時点t13以降に、鍵X3が、現金処理機Y3での使用が開始されていない場合(t15−t11>T11)、鍵X3の占有状況は異常レベルであると判定することになる。しかしながら、この際に、二つの鍵X2,X3を持ち出しており、別の鍵X2の使用がすでに確認されているため、鍵X2の使用のために鍵X3の使用がやむを得ず遅れていると判断して、経過した時間の表示部分(図3のハッチング範囲H1)を軽度の異常レベルである注意レベルを示す色つき(例えば黄色)の表示を行う。
また、鍵管理装置Z1の制御部21は、返却時においても、鍵X2の使用が終了した時点t14と鍵管理装置Z1に戻される時点t18とから、鍵X2の現金処理機Y2での使用終了後に鍵管理装置Z1に戻されると予測される所定時間T12を経過した時点t16以降に、鍵管理装置Z1に鍵X2が戻されていない場合(t18−t14>T12)、鍵X2の占有状況は異常レベルであると判定することになるが、この際に、二つの鍵X2,X3を持ち出しており、別の鍵X3の使用がすでに確認されているため、鍵X3の使用のために鍵X2の返却がやむを得ず遅れていると判断して、経過した時間の表示部分(図3のハッチング範囲H2)を軽度の異常レベルである注意レベルを示す色つき(例えば黄色)の表示を行う。
そして、鍵X3の現金処理機Y3での使用が終了した時点t17と鍵管理装置Z1に戻された時点t18とから、使用終了後に鍵管理装置Z1に戻されると予測される所定時間T13を経過する以前に、鍵管理装置Z1に鍵が戻されている場合(t18−t17<T13)、鍵X3の占有状況は正常レベルであると判定する。
鍵管理装置Z1の表示画面16aの上から三番目の領域には、担当者識別情報Cを有するIDカード17を持った担当者が、鍵管理装置Z1から現金処理機Y4,Y5,Y6用の三つの鍵X4,X5,X6を持ち出した場合の表示例が表示されている。
担当者識別情報Cを有するIDカード17を持った担当者が、IDカード17を鍵管理装置Z1のカードリーダ18で走査し、鍵管理装置Z1から、持ち出し権限の範囲内の鍵X4,X5,X6を持ち出す(t21時点)。すると、鍵管理装置Z1の制御部21は、担当者の識別情報となる担当者識別情報Cと、鍵X4,X5,X6の鍵識別情報と、持ち出し時刻t21と、鍵X4,X5,X6が持ち出し中であることを示す持出中情報と、空欄の返却時刻とを含む持出返却状況データを記憶部22に記憶する。
次に、現金処理機Y4が鍵X4でON操作されて使用可能に起動されると(t22時点)、現金処理機Y4の制御部37が、鍵X4の鍵識別情報と、この鍵X4の使用が開始された使用開始時刻t22と、この鍵X4が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X4の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X4の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
次に、現金処理機Y5が鍵X5でON操作されて使用可能に起動されると(t23時点)、現金処理機Y5の制御部37が、鍵X5の鍵識別情報と、この鍵X5の使用が開始された使用開始時刻t23と、この鍵X5が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X5の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X5の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
次に、現金処理機Y6が鍵X6でON操作されて使用可能に起動されると(t24時点)、現金処理機Y6の制御部37が、鍵X6の鍵識別情報と、この鍵X6の使用が開始された使用開始時刻t24と、この鍵X6が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X6の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X6の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
その後、現金処理機Y6が鍵X6でOFF操作されると(t25時点)、現金処理機Y6の制御部37が、鍵X6の鍵識別情報と、鍵X6が使用中でないことを示す非使用中情報と、鍵X6で現金処理機Y6がOFF操作された使用終了時刻t25とを含む鍵X6の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X6の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記運用状況データの、鍵X6が使用中であったことを示す使用中情報を鍵X6が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻t25を書き込んで記憶部22に記憶させる。
その後、現金処理機Y4が鍵X4でOFF操作されると(t26時点)、現金処理機Y4の制御部37が、鍵X4の鍵識別情報と、鍵X4が使用中でないことを示す非使用中情報と、鍵X4で現金処理機Y4がOFF操作された使用終了時刻t26とを含む鍵X4の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X4の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記運用状況データの、鍵X4が使用中であったことを示す使用中情報を鍵X4が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻t26を書き込んで記憶部22に記憶させる。
その後、現金処理機Y5が鍵X5でOFF操作されると(t27時点)、現金処理機Y5の制御部37が、鍵X5の鍵識別情報と、鍵X5が使用中でないことを示す非使用中情報と、鍵X5で現金処理機Y5がOFF操作された使用終了時刻t27とを含む鍵X5の使用に関連する使用終了時刻データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、入力された使用終了時刻データに含まれる鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X5の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記運用状況データの、鍵X5が使用中であったことを示す使用中情報を鍵X5が使用されない状況となったことを示す非使用中情報に書き換えるとともに、使用終了時刻の空欄に今回入力された使用終了時刻データに含まれる使用終了時刻t27を書き込んで記憶部22に記憶させる。
そして、鍵X4,X5,X6が鍵管理装置Z1に戻されると(t28時点)、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X4の鍵識別情報を有する持出返却状況データに対し、鍵X4が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵X4が持ち出し中でない状況となったことを示す保持中情報に書き換えるとともに、返却時刻の空欄に返却時刻t28を書き込んで記憶部22に記憶させる。また、鍵X5の鍵識別情報を有する持出返却状況データに対しても、鍵X5が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵X5が持ち出し中でない状況となったことを示す保持中情報に書き換えるとともに、返却時刻の空欄に返却時刻t28を書き込んで記憶部22に記憶させる。さらに、鍵X6の鍵識別情報を有する持出返却状況データに対しても、鍵X6が持ち出し中であったことを示す持出中情報を鍵X6が持ち出し中でない状況となったことを示す保持中情報に書き換えるとともに、返却時刻の空欄に返却時刻t28を書き込んで記憶部22に記憶させる。
以上のような流れにおいても、鍵管理装置Z1の制御部21は、持出返却状況データと運用状況データとをリアルタイムで比較照合しており、その時点までの比較照合結果を、リアルタイムで表示画面16aに表示することになる。
その際に、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果に基づいて鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵の占有状況を正常レベルおよび異常レベルの二種類に区分し、さらに、異常レベルを、軽度の注意レベルおよび重度の警告レベルの二種類に区分して、表示部16の表示画面16aに表示させる。
つまり、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X4,X5,X6の持ち出し時において、鍵X4が、鍵管理装置Z1から持ち出された時点t21と現金処理機Y4での使用が開始された時点t22とから、持ち出し後に現金処理機Y4での使用が開始されると予測される所定時間T21を経過する以前に、現金処理機Y4での使用が開始されている場合(t22−t21<T21)、鍵X4の占有状況は正常レベルであると判定する。同様に、制御部は、鍵X5の持ち出し時点t21と現金処理機Y5での使用開始時点t23とから、持ち出し後に現金処理機Y5での使用が開始されると予測される所定時間T21を経過する以前に、現金処理機Y5での使用が開始されている場合(t23−t21<T21)、鍵X5の占有状況は正常レベルであると判定する。さらに、同様に、制御部21は、鍵X6の持ち出し時点t21と現金処理機Y6での使用開始時点t24とから、持ち出し後に現金処理機Y6での使用が開始されると予測される所定時間T21を経過する以前に、現金処理機Y6での使用が開始されている場合(t24−t21<T21)、鍵X6の占有状況は正常レベルであると判定する。正常レベルである場合、表示部16の表示画面16aには、後述する異常レベルの色つきの表示を特に行わせることはない。
他方、鍵管理装置Z1の制御部21は、返却時において、鍵X6の使用が終了した時点t25と鍵管理装置Z1に戻される時点t28とから、鍵X6の現金処理機Y6での使用終了後に鍵管理装置Z1に戻されると予測される所定時間T22を経過した後に、鍵管理装置Z1に鍵X6が戻されていない場合(t28−t25>T22)、鍵X6の占有状況は異常レベルであると判定することになる。しかしながら、この際に、三つの鍵X4,X5,X6を持ち出しており、別の鍵X4,X5の使用がすでに確認されているため、鍵X4,X5の使用のために鍵X6の返却がやむを得ず遅れていると判断して、経過した時間の表示部分(図3のハッチング範囲H3)を軽度の異常レベルである注意レベルを示す色つき(例えば黄色)の表示を行う。同様に、鍵X4の使用が終了した際も、残る別の鍵X5の使用がすでに確認されているため、鍵X5の使用のために鍵X4,X6の返却がやむを得ず遅れていると判断して、経過した時間の表示部分(図3のハッチング範囲H3)を軽度の異常レベルである注意レベルを示す色つき(例えば黄色)の表示を継続する。
その後、鍵管理装置Z1の制御部21は、最後に終了した鍵X5の使用が終了した時点t27から、鍵X5の現金処理機Y5での使用終了後に鍵管理装置Z1に戻されると予測される所定時間T23を経過した後に、鍵管理装置Z1に鍵X4,X5,X6のいずれもが戻されていない場合(t28−t27>T23)、理由なく鍵X4,X5,X6の返却が遅れていると判断して、経過した時間の表示部分(図3のハッチング範囲H4)を重度の異常レベルである警告レベルを示す色つき(例えば赤色)の表示を行う。
表示画面16aの最下の領域には、担当者識別情報Dを有するIDカード17を持った担当者が、鍵管理装置Z1から現金処理機Y1,Y2用の二つの鍵X1,X2を持ち出した場合の表示例が表示されている。
担当者識別情報Dを有するIDカード17を持った担当者が、鍵管理装置Z1から現金処理機Y1,Y2用の二つの鍵X1,X2を持ち出す場合に、担当者が、IDカード17を鍵管理装置Z1のカードリーダ18で走査し、鍵管理装置Z1から、持ち出し権限の範囲内の鍵X1,X2を持ち出す(t31時点)。すると、鍵管理装置Z1の制御部21は、担当者の識別情報となる担当者識別情報Dと、鍵X1,X2の鍵識別情報と、持ち出し時刻t31と、鍵X1,X2が持ち出し中であることを示す持出中情報と、空欄の返却時刻とを含む持出返却状況データを記憶部22に記憶する。
次に、現金処理機Y1が鍵X1でON操作されて使用可能に起動されると(t32時点)、現金処理機Y1の制御部37が、鍵X1の鍵識別情報と、この鍵X1の使用が開始された使用開始時刻t32と、この鍵X1が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X1の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X1の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
次に、現金処理機Y2が鍵X2でON操作されて使用可能に起動されると(t33時点)、現金処理機Y2の制御部37が、鍵X2の鍵識別情報と、この鍵X2の使用が開始された使用開始時刻t33と、この鍵X2が使用中であることを示す使用中情報と、空欄とされた使用終了時刻とを含む鍵X2の使用に関連する運用状況データを、LAN13を介して各鍵管理装置Z1,Z2に出力する。すると、鍵管理装置Z1では、鍵識別情報が自身が保持するべき鍵X2の鍵識別情報であるため、この鍵識別情報に関連して記憶された上記の持出返却状況データに関連づけてこの運用状況データを記憶部22に記憶させる。
そして、鍵管理装置Z1の制御部21は、鍵X1,X2の持ち出し時において、鍵X2が、鍵管理装置Z1から持ち出された時点t31と現金処理機Y2での使用が開始された時点t33とから、持ち出し後に現金処理機Y2での使用が開始されると予測される所定時間T31を経過した時点で、現金処理機Y2での使用が開始されていない場合(t33−t31>T31)、鍵X2の占有状況が異常レベルであると判定することになるが、この際に、二つの鍵X1,X2を持ち出しており、別の鍵X1の使用がすでに確認されているため、鍵X1の使用のために鍵X2の使用が遅れていると判断して、経過した時間の表示部分(図3のハッチング範囲H5)を軽度の異常レベルである注意レベルを示す色つき(例えば黄色)の表示を行う。
なお、図3には、持出返却状況データおよび運用状況データを担当者の識別情報である担当者識別情報毎に整理する第1整理モードで整理を行い、その結果を表示画面16aで表示させる設定について示しているが、その表示部16のタッチパネル16bの所定の領域に触れると、制御部21は、図4に示すように、持出返却状況データおよび運用状況データを鍵識別情報毎に整理する第2整理モードで整理を行い、その結果を表示画面16aで表示させる設定に変更する。
つまり、最上の領域には、鍵X1の鍵識別情報についての持出返却状況データおよび運用状況データが、上から二番目の領域には、鍵X2の鍵識別情報についての持出返却状況データおよび運用状況データが、上から三番目の領域には、鍵X3の鍵識別情報についての持出返却状況データおよび運用状況データが、上から四番目の領域には、鍵X4の鍵識別情報についての持出返却状況データおよび運用状況データが、上から五番目の領域には、鍵X5の鍵識別情報についての持出返却状況データおよび運用状況データが、最下の領域には、鍵X6の鍵識別情報についての持出返却状況データおよび運用状況データが、それぞれ示されることになる。
鍵X1の鍵識別情報について見てみると、担当者識別情報Aの担当者、担当者識別情報Dの担当者の順に、鍵管理装置Z1からの取り出し、現金処理機Y1への使用および鍵管理装置Z1への返却が行われて、しかも、いずれの場合も鍵X1の占有状況が正常レベルであることが分かる。
また、鍵X2の鍵識別情報について見てみると、担当者識別情報Bの担当者、担当者識別情報Dの担当者の順に、鍵管理装置Z1からの取り出し、現金処理機Y2への使用および鍵管理装置Z1への返却が行われているが、鍵X2の占有状況に、担当者識別情報Bの担当者による現金処理機Y2への使用後と、担当者識別情報Dの担当者による現金処理機Y2への使用前とに異常レベルの注意レベルが存在することが分かる。
さらに、鍵X3の鍵識別情報について見てみると、担当者識別情報Bの担当者によって、鍵管理装置Z1からの取り出し、現金処理機Y3への使用および鍵管理装置Z1への返却が行われているが、現金処理機Y3への使用前に異常レベルの注意レベルが存在することが分かる。
加えて、鍵X4の鍵識別情報について見てみると、担当者識別情報Cの担当者によって、鍵管理装置Z1からの取り出し、現金処理機Y4への使用および鍵管理装置Z1への返却が行われているが、現金処理機Y4への使用後に異常レベルの注意レベルおよび警告レベルが存在することが分かる。
さらに、鍵X5の鍵識別情報について見てみると、担当者識別情報Cの担当者によって、鍵管理装置Z1からの取り出し、現金処理機Y5への使用および鍵管理装置Z1への返却が行われているが、現金処理機Y5への使用後に異常レベルの警告レベルが存在することが分かる。
加えて、鍵X6の鍵識別情報について見てみると、担当者識別情報Cの担当者によって、鍵管理装置Z1からの取り出し、現金処理機Y6への使用および鍵管理装置Z1への返却が行われているが、現金処理機Y6への使用後に異常レベルの注意レベルおよび警告レベルが存在することが分かる。
このように第2整理モードでの整理結果の表示から、表示部16のタッチパネル16bの所定の領域を押圧すると、制御部21は、再び第1整理モードでの整理結果の表示に切り換えることになる。つまり、表示部16のタッチパネル16bへの押圧で、第1整理モードと第2整理モードとを切り換える。この場合、例えば、担当者識別情報毎に整理する第1整理モードでの整理結果を表示画面16aで表示中に、その画面の鍵識別情報の表示部分に触れることで、鍵毎に整理する第2整理モードでの整理結果を表示画面で表示させるようにしたり、鍵識別情報毎に整理する第2整理モードでの整理結果を表示画面16aで表示中に、その画面の担当者識別情報の表示部分に触れることで、担当者毎に整理する第1整理モードでの整理結果を表示画面16aで表示させるようにしたりできる。なお、タッチパネル16bではなく、操作ボタンや切換スイッチ等の他の切換手段を用いて表示を切り換えても良い。
上記の第1整理モードで整理結果の表示画面16aでの表示および第2整理モードで整理結果の表示画面16aでの表示は、いずれもプリンタ部20で紙面にも出力可能である。
以上に述べた本実施形態の鍵管理システムによれば、鍵管理装置11から鍵10を持ち出して現金処理機12に使用すると、鍵管理装置11の制御部21が、鍵10の持ち出し担当者の識別情報、持ち出し時刻および返却時刻を含む持出返却状況データと、LAN13を介して入力された現金処理機12における鍵10の使用に関連する運用状況データとを比較照合することになり、その結果を表示部16が出力表示することになるため、鍵10の持出返却状況に併せて、持ち出された鍵10が適正に使用されているか否か等の使用状況を管理できる。
また、鍵管理装置11の制御部21が、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果を、担当者の識別情報毎に整理する第1整理モードで整理して表示部16に表示させることができるため、どの担当者がどの鍵10を持ち出しその運用状況がどうであるか等、担当者毎の管理が容易となる。
さらに、鍵管理装置11の制御部21が、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果を、持ち出す鍵10の識別情報毎に整理する第2整理モードで整理して表示部16に表示させることができるため、どの鍵10がどの担当者に持ち出されその運用状況がどうであるか等、鍵10毎の管理が容易となる。
加えて、タッチパネル16bへの操作入力に応じて、担当者の識別情報毎に整理する第1整理モードと、持ち出す鍵10の識別情報毎に整理する第2整理モードとに選択的に切り換えるため、第1整理モードから第2整理モードへの切り換え操作、および第2整理モードから第1整理モードへの切り換え操作を容易に行うことができる。したがって、使い勝手性が向上する。
さらに、鍵管理装置11の制御部21が、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果から、鍵10の占有状況を正常レベルおよび異常レベルの二種類に区分するため、鍵10の占有状況が正常であるか異常であるかが一目で分かる。
加えて、鍵管理装置11の制御部21が、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果から、鍵10の占有状況が異常レベルである場合に、これを軽度の注意レベルおよび重度の警告レベルの二種類に区分するため、鍵10の占有状況が異常である場合にその度合いが一目で分かる。
なお、各鍵管理装置11では、制御部21が、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果から、鍵10の占有状況を異常レベルと判断したとき、この異常レベルの占有状況と判断された鍵10を持ち出した担当者を担当者識別情報から識別し、この担当者がその時点で占有している現金処理機12があることを持出返却状況データおよび運用状況データから確認した場合に、この現金処理機12に向けて、異常レベルの占有状況と判断された鍵10の返却要求信号を出力するようにしても良い。この場合、返却要求信号を受けた現金処理機12では、その表示部36に鍵10の返却を担当者に促す表示を表示させることになる。
ここで、上記において、鍵管理装置11は、管理する鍵10の数に応じて複数台とされているが、鍵10の数によっては一台であっても良い。また、複数台の鍵管理装置11とした場合、制御部21を一つで共用してデータを一元管理しても良い。さらに、鍵管理装置11を、鍵10を着脱可能に保持するとともに持出返却状況データを出力可能な鍵管理装置本体と、現金処理機12および鍵管理装置本体と通信可能とされ、制御部21と表示部16等を含むパーソナルコンピュータ等の管理機とに分けても良い。このように構成すれば、鍵管理装置本体とは別のエリアで、持出返却状況データと運用状況データとの比較照合結果を管理できる。
また、現金処理機12も、上記のように、自身に操作部15および表示部16を有し現金処理を行うことができる構成とする以外に、例えば、貨幣処理機部分と、これに接続されるとともに操作部15および表示部16を有して貨幣処理機部分を制御する制御卓部分とに分かれた構成としても良い。