JP2008063738A - 床下収納庫の開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 床下収納庫の開閉装置において、蓋体の開閉に当たって操作者の負担を軽減させるとともに、蓋体やリンク装置の耐久性を向上させ、かつ製造コストを低減させる。
【解決手段】 床下収納庫1の開口3を覆う畳4には、ピン15,20を介して第1および第2のリンク12,18の一端部が枢着されている。第1および第2のリンク12,18は連結リンク21によって連結されており、第2のリンク18の他端部に設けたローラ19は摺動溝11に係入されている。第1のリンク12の脚部14には、畳4を持ち上げるためのエアシリンダ6のピストンロッド8が枢着されている。ポンプからエアシリンダ6に供給したエアを排気する排気通路にはオリフィスが設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、床下に設けた収納庫の開口を覆う畳等の蓋体を、開口を覆う位置と開口を開放する位置との間で移動させる床下収納庫の開閉装置に関するものである。
従来の床下収納庫の開閉装置としては、床下収納庫の開口を覆う蓋体としての畳と、この畳と前記床下収納庫との間に設けられ畳を開口に対して閉じる位置と開放する位置との間で移動させるリンク装置とを備え、畳を手が差し入られる程度少し持ち上げ、ガススプリングの力を補助として人手によって畳を持ち上げるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。また、畳を持ち上げる初期において、強制持ち上げ手段によって畳を強制的に持ち上げ、このあと、手によって畳を持ち上げると蓋荷重検出手段の検出により、強制持ち上げ手段が自動的に待機位置に戻るようにして、床下収納庫への物品の収納または取り出しに支障をきたさないようにしたものものある(例えば、特許文献2参照)。
特開昭62−242085号公報(明細書4頁13行〜6頁16行、第1図乃至第8図) 特開昭62−99583号公報(明細書3頁11行〜5頁4行、第5図乃至第10図)
上述した従来の床下収納庫の開閉装置のうちの前者の装置においては、畳の重量が大きい場合、畳を持ち上げる初期において操作者の負担が大きいというばかりではなく、閉じるとき畳の重量で急激に閉じるため、畳やリンク装置の耐久性を低下させるという問題があった。また、後者の装置においては、構造が複雑でかつ部品点数の多い強制持ち上げ手段を設けなければならないため、製造コストが増大するという問題があった。
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、蓋体の開閉に当たって操作者の負担を軽減させるとともに、蓋体やリンク装置の耐久性を向上させ、かつ製造コストを低減させた床下収納庫の開閉装置を提供するところにある。
この目的を達成するために、請求項1に係る発明は、開口を有する床下収納庫と、この床下収納庫の開口を覆う蓋体と、この蓋体と前記床下収納庫との間に設けられ蓋体を開口に対して閉塞する位置と開放する位置との間で移動させるリンク装置とを備えた床下収納庫の開閉装置において、リンク装置を駆動するエアシリンダを設けたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記エアシリンダにエアを供給するポンプと、このポンプとエアシリンダとの間に設けられエアシリンダへのエアの供給とエアシリンダからのエアの排気とを切り替える電磁弁とを備え、エアの排気通路中に流量絞り手段を設けたものである。
請求項1に係る発明によれば、蓋体の開閉を人手ではなくエアシリンダによって行うようにしたことにより、操作者の負担を軽減することができる。また、蓋体を持ち上げるために、従来のように複雑かつ多くの部品点数を必要とする強制持ち上げ手段を不要とし、替わりにエアシリンダのみを設ければよいから製造コストを低減することができる。
請求項2に係る発明によれば、蓋体の自重によって床下収納庫の開口を閉じるとき、エアシリンダから排気されるエアの量が流量絞り手段によって絞られるため、蓋体によって床下収納庫の開口が急激に閉じられるようなことがないから、蓋体やリンク装置の耐久性が低下するようなことがない。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は本発明に係る床下収納庫の開閉装置を収納庫の内側から視た側面図、図2は図1において一部を破断して示すII矢視図、図3は同じくエアシリンダへのエアの供給およびエアシリンダからのエアの排気を説明するための回路図であって、同図(A)はポンプからエアシリンダにエアを供給している状態を示し、同図(B)はエアシリンダからエアを排気している状態を示す。図4(A)は同じくポンプのモータおよび電磁弁を駆動するための回路図、図5は同じく床下収納庫の開口を開放した状態を示す側面図である。
図1に符号1で示すものは、囲い壁2に囲まれた床下収納庫であって、上方に蓋体としての畳4の略1枚分の大きさの開口3が設けられており、畳4の裏面全体には補強板4aが張り付けられている。5は囲い壁2の左右の側壁に取り付けられブラケットであって(一方のブラケット5は図示せず)、一対の取付片5a,5aと側方に突出した台座5bとからなる。6は進退自在なピストンロッド8を備えたエアシリンダであって、図2に示すようにシリンダエンドがブラケット5の台座5bに立設されたスリーブ7aに嵌装されたピン7を介して台座5bに枢着されている。
このエアシリンダ6は、左右の各ブラケット5,5に設けられており、後述するリンク装置24を介して畳4の左右の端部を支持している(図3参照)。10は囲い壁2の左右の側壁に取り付けられた支持部材であって(一方の支持部材10は図示せず)、一対の取付片10a,10aと側方に突出した台座10b,10cとからなり、台座10bには円弧状に形成された摺動溝11が設けられている。
12は一端側がピン13を介して支持部材10の台座10bに枢着された第1のリンクであって、一端側に下方に向かって一体に突設されたアーム14が設けられている。このアーム14の先端部は、図2に示すようにこのアーム14の先端部に立設されたスリーブ8bに嵌装されたピン8aを介して、ピストンロッド8の先端部に枢着されている。
16は上板16aと側板16bとによって断面L字状に形成された左右一対の支持板であって(一方の支持板16は図示をせず)、上板16aがボルトによって畳4の補強板4aの左右の端部に取り付けられている。上述した第1のリンク12の他端部は、図2に示すようにピン15を介して支持板16の側板16bの一面に枢着されている。図1において、18は一直線状に形成された第2のリンクであって、一端部には摺動溝11内に摺動自在に案内されるローラ19が枢支されており、他端部がピン15よりもピン13側に設けられたピン20を介して支持部材16の側板16bの一面に枢着されている。
21は連結リンクであって、一端部がピン22を介して第2のリンク18の一端側に枢着されており、他端部がピン23を介して第1のリンク12の一端部に枢着されている。このような構成において、エアシリンダ6のピストンロッド8が後退した図1に示す状態では、畳4は第1のリンク12、連結リンク21および第2のリンク18を介して床下収納庫1の開口3を閉じている。一方、エアシリンダ6のピストンロッド8を前進させると、第1のリンク12がピン13を回動中心として図中時計方向に回動するので畳4が上方に移動する。
このとき、連結リンク21を介して第1のリンク12に連結されている第2のリンク18は、ローラ19が摺動溝11内を摺動しながら、ローラ19を回動中心として図中時計方向に回動する。したがって、畳4は、支持板16が設けられた側の端部が上方に持ち上げられ、反対側の端部が図中反時計方向に回動して、図4に示すように床下収納庫1の開口3を開放する。このように、第1のリンク12、第2のリンク18および連結リンク21とが、エアシリンダ6の駆動によって、畳4を開口3に対して開閉させるリンク装置24を構成している。
図1において、25は従来から広く知られているガススプリングであって、高圧のガスが封入されたシリンダ26と、このシリンダ26内を摺動するピストン(図示を省略)に連結されたピストンロッド27とによって形成されている。このガススプリング25は、シリンダ26の一端部が、図2に示すように、支持板16の側板16bの他面に立設されたスリーブ28bに嵌装されたピン28を介して側板16bの他面に枢着されている。また、このガススプリング25のピストンロッド27の他端部は、支持部材10の台座10cにピン29を介して枢着されている。このガススプリング25は、後述するように床下収納庫1の開口3が開放されたとき畳4を開いた状態で保持し、この状態から畳4を手によって一定以上の力で押し下げるとピストンロッド27が後退するように構成されている。
次に、図3を用いて、左右のエアシリンダ6,6を駆動するためのエアの供給および排気を行う回路について説明する。エアシリンダ6,6はシリンダエンド側のみにエアが供給される単動シリンダであって、配管31,31を介してエアが供給されることによって畳4の荷重に抗して各ピストンロッド8,8が前進する。
32はスプリング33と電磁石34とを備えた電磁弁としてのスプリングオフセット形の2位置、2方向、3ポートの方向制御弁であって、負荷への接続口としての二つのポートA,Aには配管31が選択的に接続される。また、一方のポートAはポンプ35に配管36を介して接続された圧力口としてのポートPに連通されており、他方のポートAは排気口としてのポートRに連通され、ポートRは流量絞り手段としてのオリフィス37を介して大気に開放されている。
次に、図4を用いて、方向制御弁32とポンプ35とに通電を行う回路について説明する。同図において、40はスイッチ、41はAC100Vが印加される端子台、42はポンプ35のモータ(図示せず)に整流された電圧を印加するための整流ブリッジ、43,44は方向制御弁32の電磁石34に平滑された電圧を印加するためのダイオードおよびコンデンサーである。
このような構成において、スイッチ40をONにすると、ポンプ35のモータに通電がなされるとともに、方向制御弁32の電磁石34に通電がなされる。したがって、図3(A)に示すように配管31にポートPが連通され、ポンプ35からのエアが方向制御弁32および配管31を介して各エアシリンダ6,6内に供給される。
一方、スイッチ40をOFFにすると、ポンプ35のモータへの通電が遮断されるとともに、方向制御弁32の電磁石34への通電が遮断される。したがって、図3(B)に示すように配管31にポートRが接続されるとともに、ポンプ35からのエアシリンダ6へのエアの供給が停止される。
次に、このような構成の床下収納庫の開閉装置における開閉動作について説明する。先ず、畳4によって床下収納庫1の開口3が閉じられた図1に示す状態から開口3を開放する図5に示す状態とする動作について説明する。図4において、スイッチ40をONにすることにより、ポンプ35のモータに通電がなされるとともに、方向制御弁32の電磁石34に通電がなされる。
したがって、図3(A)に示すように、ポンプ35からのエアが方向制御弁32および配管31,31を介して各エアシリンダ6,6内に供給されるため、畳4の荷重に抗してピストン8a,8aが同期して上昇しピストンロッド8,8が前進する。ピストンロッド8,8が前進することにより、図1において第1のリンク12がピン13を回動中心として時計方向に回動するので畳4が上方に移動する。
このとき、連結リンク21を介して第1のリンク12に連結されている第2のリンク18は、ローラ19が摺動溝11内を摺動しながら、ローラ19を回動中心として図中時計方向に回動する。さらに、エアシリンダ6のピストンロッド8が前進すると、図5に示すように第1のリンク12が略直立の状態で起立し、第2のリンク18が傾斜した状態で起立する。
したがって、畳4は支持板16が設けられた側の端部が上方に持ち上げられ、反対側の端部が図中反時計方向に回動することにより床下収納庫1の開口3が開放される。ここで、スイッチ40をOFFにすると、畳4はガススプリング25によってこの状態が保持される。このように、エアシリンダ6のピストンロッド8を前進させることにより、リンク装置24を介して畳4を持ち上げるようにしているため、従来のように人手によって畳を持ち上げるようにしている場合と比較して操作者の負担を軽減することができる。また、畳4を持ち上げるために、従来のように複雑かつ多くの部品点数を必要とする強制持ち上げ手段を不要とし、替わりにエアシリンダ6のみを設ければよいから製造コストを低減させることもできる。
次に、畳4が持ち上げられ、床下収納庫1の開口3が開放された図5に示す状態から、畳4によって開口3を閉じる図1に示す状態とする動作について説明する。スイッチ40をOFFにしたままの状態で、手によって一定以上の力で畳4を押し下げると、ガススプリング25による畳4の保持が解除される。
このとき、スイッチ40がOFFになっていることにより、ポンプ35のモータへの通電が停止しているとともに、方向制御弁32の電磁石34への通電が停止している。したがって、図3(B)に示すように配管31にポートRが連通されるとともに、ポンプ35からのエアシリンダ6へのエアの供給が停止されるため、畳4の自重によってリンク装置24を介して、各エアシリンダ6,6のピストンロッド8,8が後退しピストン8a,8aが下降する。
このため、各エアシリンダ6,6内のエアが配管31,31に排気され、排気されたエアは方向制御弁32内を通って、ポートRからオリフィス37を介して大気に排気される。このように、エアシリンダ6内から大気に排気されるエアがオリフィス37を通過することにより、エアの排気量がオリフィス37によって絞られるため、ピストン8aの下降速度を遅くすることができる。このため、畳4によって床下収納庫1の開口3が急激に閉じられるようなことがないから、畳4やリンク装置24の耐久性を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、電磁弁として2位置の方向制御弁32を用いるようにしたが、エアシリンダ6へのエアの供給を停止した際に、エアの排気も行わない中立位置を有する3位置の方向制御弁を用いるようにしてもよい。また、流量絞り手段としてオリフィス37を設けた例を説明したが、チョークや流量制御弁を用いてもよく種々の設計変更が可能である。また、オリフィス37を方向制御弁32のポートRと大気との間の排気通路中に設けたが、方向制御弁32内に設けるようにしてもよい。
本発明に係る床下収納庫の開閉装置を収納庫の内側から視た側面図である。 図1において一部を断面して示すII矢視図である。 本発明に係る床下収納庫の開閉装置において、エアシリンダへのエアの供給およびエアシリンダからのエアの排気を説明するための回路図であって、同図(A)はポンプからエアシリンダにエアを供給している状態を示し、同図(B)はエアシリンダからエアを排気している状態を示す。 本発明に係る床下収納庫の開閉装置におけるポンプのモータおよび電磁弁を駆動するための回路図である。 本発明に係る床下収納庫の開閉装置において、床下収納庫の開口を開放した状態を示す側面図である。
符号の説明
1…床下収納庫、3…開口、4…畳(蓋体)、6…エアシリンダ、8…ピストンロッド、11…摺動溝、12…第1のリンク、18…第2のリンク、21…連結リンク、24…リンク装置、25…ガススプリング、32…方向制御弁(電磁弁)、35…ポンプ、37…オリフィス(流量調整手段)、40…スイッチ。

Claims (2)

  1. 開口を有する床下収納庫と、この床下収納庫の開口を覆う蓋体と、この蓋体と前記床下収納庫との間に設けられ蓋体を開口に対して閉塞する位置と開放する位置との間で移動させるリンク装置とを備えた床下収納庫の開閉装置において、リンク装置を駆動するエアシリンダを設けたことを特徴とする床下収納庫の開閉装置。
  2. 前記エアシリンダにエアを供給するポンプと、このポンプとエアシリンダとの間に設けられエアシリンダへのエアの供給とエアシリンダからのエアの排気とを切り替える電磁弁とを備え、エアの排気通路中に流量絞り手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の床下収納庫の開閉装置。
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