JP2008063727A - 引戸の下部気密装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
簡単な構成でありながら、全閉状態にある扉体の初期開放力を小さくすることができる引戸の下部気密装置を提供する。
【解決手段】
開口部上方に設けられた、扉体1の閉鎖方向に向かって上方に傾斜する傾斜レール8と、扉体1に設けられた、上方部位が傾斜レール8に案内されて移動する第1ロッド9、下方部位に気密材13が装着された第2ロッド10、及び、第1ロッド9の上動・下動を第2ロッド10の下動・上動に変向する変向手段11と、扉体1が全閉状態から開放方向へ移動する時に第1ロッド9を下動させる手段14と、を備えている。
【選択図】図1
簡単な構成でありながら、全閉状態にある扉体の初期開放力を小さくすることができる引戸の下部気密装置を提供する。
【解決手段】
開口部上方に設けられた、扉体1の閉鎖方向に向かって上方に傾斜する傾斜レール8と、扉体1に設けられた、上方部位が傾斜レール8に案内されて移動する第1ロッド9、下方部位に気密材13が装着された第2ロッド10、及び、第1ロッド9の上動・下動を第2ロッド10の下動・上動に変向する変向手段11と、扉体1が全閉状態から開放方向へ移動する時に第1ロッド9を下動させる手段14と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、引戸の下部気密装置に関するものである。
引戸装置は、扉体を回動させることなく建物開口部を開閉することができ、扉装置として広く用いられている。ここで、上吊式引戸の場合には、機構上、扉体の下端と床面との間に10mm前後の隙間を設ける必要があり、引戸の下部の気密性を保持したいという要望(例えば、病院等では空調や清浄性の維持確保のため、引戸において外気を遮断したいという要望がある)に応えるためには、この隙間を塞ぐ必要がある。
従来、隙間からの外気の流入を防ぐために、扉体を吊持するレールに角度変化を設け、扉体を全閉位置で下降させて隙間を埋める方法などがある。しかしながら、このものでは全閉時から扉体を開放する際の初動に必要な開放力が重くなってしまうという課題があった。
さらに、特許文献1には、ドアの下部にシール部材を上下動自在に配設すると共に、該シール部材をドアに取着したダンパーの可動部に連結し、前記ドアの下部に可動板を上下動自在に配設すると共に、その可動板をドアが閉じ位置となった時に所定ストローク押し下げる機構を設け、さらに前記シール部材と可動板との間にバネを介在したことを特徴とするドアの気密装置が開示されている。しかしながら、このものは、ダンパーを必須構成要素としているが、当該ダンパーは、シリンダ本体、可動部を備えたピストン、伸長室、縮小室、これら室内に充填した油、バネ、可変絞り、逆止弁等を備えた複雑な構成を有しており、よって、気密装置自体が複雑となってしまうという不具合がある。また、無目に設けたピンにL型アームが当接して回動することで下動板を押し下げるようにしているため、当接音が発生するという不具合もある。
実開昭63−174293
本発明の目的は、簡単な構成でありながら、全閉状態にある扉体の初期開放力を小さくすることができる引戸の下部気密装置を提供することにある。
本発明が採用した第1の技術手段は、開口部上方に設けられた、扉体の閉鎖方向に向かって上方に傾斜する傾斜レールと、扉体に設けられた、上方部位が傾斜レールに案内されて移動する第1部材、下方部位に気密材が装着された第2部材、及び、第1部材の上動・下動を第2部材の下動・上動に変向する変向手段と、を備え、扉体の閉鎖方向の移動時に第1部材が傾斜レールに案内されて移動すると、第2部材の下方に装着された気密材が徐々に下動して、開口部全閉時に気密材が扉体下端と床面との隙間を塞ぎ、全閉状態の扉体の開放方向の移動時に第1部材が傾斜レールに案内されて移動すると、第2部材が上動して気密材が床面から徐々に離間する、引戸の下部気密装置、である。
一つの態様では、前記第1部材、第2部材は、上下方向に延出する第1ロッド、第2ロッドであり、前記変向手段は、一端が第1ロッドの下方部位に回動自在に連結され、他端が第2ロッドの上方部位に回動自在に連結され、かつ、両端部間の支点を介して上下回動自在の連結杆により構成されている。
一つの態様では、前記第1部材の上方部位は前記傾斜レール上を移動することで案内され、前記装置は、扉体が全閉状態から開放方向へ移動する時に第1部材を下動させる手段を備えている。一つの態様では、前記第1部材を下動させる手段は上下方向に伸縮可能な弾性部材を備えており、前記弾性部材の伸長力あるいは圧縮力によって前記第1部材を下動させる。より具体的な態様例では、前記弾性部材は、扉体の閉鎖方向への移動時に圧縮され、扉体の開放方向への移動時に圧縮状態から伸長することで前記第1部材を下動させる。他の態様では、前記第1部材を下動させる手段は、第1部材(第1ロッド)の重量を第2部材(第2ロッド)の重量よりも所定以上大きくすることで、第1部材(第1ロッド)の自重で第1部材を下動させるものでもよい。
一つの態様では、前記第1部材の上方部位は前記傾斜レールの下面に当接しながら移動することで案内される。一つの態様では、前記第2部材及び前記気密材の自重が前記第2部材及び前記気密部材を下動させるように作用することで、前記第1部材の上方部位が常に前記傾斜レールの下面に当接するように構成されている。
本発明が採用した第2の技術手段は、開口部上方に設けられた、扉体の閉鎖方向に向かって下方に傾斜する傾斜レールと、扉体に設けられた、上方部位が傾斜レールに案内されて移動し、下方部位に気密材が装着されたロッドと、を備え、扉体の閉鎖方向の移動時にロッドの上方部位が傾斜レールに案内されて移動すると、ロッドの下方に装着された気密材が徐々に下動して、開口部全閉時に気密材が扉体下端と床面との隙間を塞ぎ、全閉状態の扉体の開放方向の移動時にロッドが傾斜レールに案内されて移動すると、ロッドが上動して気密材が床面から徐々に離間する、引戸の下部気密装置、である。
一つの態様では、前記ロッドの上方部位は前記傾斜レールの下面に当接しながら移動することで案内され、前記装置は、扉体が全閉状態から開放方向へ移動する時にロッドを上動させる手段を備えている。一つの態様では、前記ロッドを上動させる手段は上下方向に伸縮可能な弾性部材を備えており、前記弾性部材の伸長力あるいは圧縮力によって前記ロッドを上動させる。
一つの態様では、前記ロッドの上方部位は前記傾斜レール上を移動することで案内される。扉体の閉鎖時には、前記ロッドは、その自重によって前記傾斜レール上を移動する。
第1の技術手段、第2の技術手段において、好ましい態様では、第1部材の上方部位、ロッドの上方部位にはガイドローラが設けてあり、第1部材、ロッドは、ガイドローラを介して傾斜レールを移動する。また、本明細書において、「傾斜レール上を移動する」には、水平状のローラが側部を介して案内されてレール内を移動するものも含む。また、後述する図示の実施形態では、扉体に、上方部位が傾斜レールに案内されて移動する第1部材、下方部位に気密材が装着された第2部材、及び、第1部材の上動・下動を第2部材の下動・上動に変向する変向手段を2組設け、それぞれに対応するように2本の傾斜レールを設け、2本の第2部材の下方に共通の長尺状の気密材を設けている。また、扉体に2本のロッドを設け、それぞれに対応するように2本の傾斜レールを設け、2本のロッドの下方に共通の長尺状の気密材を設けている。しかしながら、本発明は、図示の実施形態に限定されるものではなく、例えば、一組の第1部材、第2部材、変向手段、あるいは、1本のロッドを採用してもよい。
本発明では、傾斜レール及び変向手段を用いることで、徐々に気密材を上下動させるものであるため、簡単な構成でありながら、全閉状態にある扉体の初期開放時には、傾斜レールに沿って少しだけ気密材を上昇させればよいので、初期開放力を小さくすることができる。また、本発明では、傾斜レールに案内されることで気密材は徐々にゆっくりと上下動するので、気密装置を構成する部材同士が当接して音を発生させるおそれが少ない。
図1は扉閉鎖時における引戸装置の姿図、図2は扉開放時における引戸装置の姿図であり、引戸装置は、扉体1と、上枠2内に設けた吊持レール3と、を有し、扉体1の上端に設けた吊持ローラ4が吊持レール3に案内されて移動することで、扉体1が、上枠2、戸先側縦枠5、床面6、戸袋部7で形成される開口部を開閉する。吊持レール3は、扉体1の閉鎖方向(戸先側)に向かって下方に傾斜するように延出しており、開口部を閉鎖する際には、扉体1の自重で扉体が閉鎖方向に移動する。尚、吊持レールを水平とし、別途設けた自閉装置を用いて扉体を閉鎖方向に移動させてもよい。図中、符号40は、扉体1の振れを規制する振れ止めローラである。
上枠2内には、吊持レール3とは別に、閉鎖方向(戸先側)に向かって上方に傾斜する傾斜レール8が設けてある。図示の例では、2本の傾斜レールが、扉体1の幅方向に間隔を存して設けてある。
扉体1には、扉体1内を上下に延出する第1ロッド9、第2ロッド10、第1ロッド9と第2ロッド10とを連結する連結杆11が設けてある。第1ロッド9は扉体1の上半部に、第2ロッド10は扉体1の下半部に、それぞれ位置して扉体1内の中空部を延出しており、第1ロッドの下端には、連結杆11の一方の端部が回動自在に連結されており、第2ロッドの上端には、連結杆11の他方の端部が回動自在に連結されている。連結杆11は、両端部の間(図示の例では、中間点)に設けた支軸110を支点として上下に回動自在である。すなわち、第1ロッド9の下端および第2ロッド10の上端に連結された連結杆11が変向装置を構成しており、第1ロッド9が上動すると、連結杆11を介して第2ロッド10が下動し、第1ロッド9が下動すると、連結杆11を介して第2ロッド10が上動するようになっている。図4に示すように、図示の例では、第1ロッド9の下端側は螺子により連結された別部材90から構成されており、また、第2ロッド10の上端側は螺子により連結された別部材100から構成されており、第1ロッド9、第2ロッド10の長さの微調整が可能となっている。尚、連結杆11の支軸110は、扉体1の構成部材のいずれかに支持させればよい。
第1ロッド9の上端にはガイドローラ12が回転自在に装着されており、第1ロッド9、連結杆11、第2ロッド10、気密材13は、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール8に案内されることで、扉体1の移動時には、扉体1と一緒に開口幅方向に移動する。第2ロッド10の下端には、扉体1の幅方向に延出する長尺状の気密材13が連結されている。したがって、扉体1の閉鎖方向への移動に伴って、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール8に案内されながら移動して第1ロッド9が徐々に上動すると、連結杆11を介して、第2ロッド10が徐々に下動して、第2ロッド10の下端に連結した気密材13が徐々に下動して扉体1の下端から下方に突出する。
図2に示すように、開口部開放時には、第1ロッド9の上端のガイドローラ12は傾斜レール8から離間している。開口部を閉鎖する時に、図2の状態から扉体1が全閉状態に近づく所定位置まで移動した時に、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール8上を走行して斜め上方に案内され、これに伴って第2ロッド10が徐々に下動して行き、開口部全閉時に扉体1下端と床面6との隙間を塞ぐようになっている。
扉体1の上方部位には、スプリング14が内装されており、スプリング14は、扉体1を閉鎖する際に、第1ロッド9の上動にしたがって上下方向に圧縮されて力を蓄積し、扉体1を開放する際には、蓄積されたバネ力により、第1ロッド9及びガイドローラ12を下動させるようになっている。具体的に説明すると、扉体1の上方部位には、第1ロッド9が設けられる部位に位置させて、上片150、下片151、連結片152から断面視コ字状に形成されたバネ取付部材15が連結片152を螺子で止着することで設けてある。上片150、下片151には、第1ロッド9を挿通させる挿通孔が形成されたブッシュ16A,16Bが設けてあり、第1ロッド9は、上片150、下片151を貫通している。第1ロッド9の周面には、上片150、下片151間に位置させてスプリング14が外装されている。スプリング14の上端側は上片150の下面に当接しており、スプリング14の下端側は第1ロッド9の周面に固定した板状体17にワッシャ18を用いて連結されている。したがって、第1ロッド9が上動すると、第1ロッド9に連結されているスプリング14の下端側が上動し、また、スプリング14の上端は上片150に当接したままであるので、スプリング14が上下方向に圧縮されることになる。
このように構成された引戸の下部気密装置において、扉体1を閉鎖方向に移動させて開口部を閉鎖する際には、扉体1が全閉位置に近づく所定位置まで移動した以降に、扉体1に設けられた第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール8に案内されて斜め上方に移動して行き、第1ロッド9の上端が徐々に上動することに伴って、第2ロッド10が徐々に下動し、第2ロッド10の下端の気密材13が徐々に下動し、開口部全閉時には、扉体1の下端より突出する気密材13が扉体1の下端と床面6との隙間を塞ぐ。
全閉状態では、スプリング14は圧縮されて力を蓄積した状態であり、この状態から扉体1を開放させると、第1ロッド9が圧縮状態にあるスプリング14の伸長力で下動してガイドローラ12が傾斜レール8に案内されて移動し、連結杆11を介して第2ロッド10が上動して、気密材13が床面から徐々に離れる。第1ロッド9が傾斜レール8に案内されて少し移動するだけで気密材13が床面から離れるので、初期開放力が小さくてすむ。
本発明の他の実施形態について図8乃至図12に基づいて説明する。以下に述べる実施形態において、図1乃至図7に示す上述の実施形態と同一の部材については同一の参照番号が付してあり、これらの部材についての説明は上述の記載を援用することができる。
図8に示す実施形態は、図1乃至図7に示す実施形態と同様に、扉体1には、扉体1内を上下に延出する第1ロッド9、第2ロッド10、第1ロッド9と第2ロッド10とを連結する連結杆11、が設けてある。連結杆11は支軸110を介して扉体1に支持されており、第1ロッド9の上方部位は、扉体1の上端部を上下動可能に挿通している。傾斜レール80は、上枠2内において扉体1の幅方向に延出しており、開閉時の扉体1の移動距離と略同じ長さ寸法を有している。
傾斜レール80は、戸先側に位置して、閉鎖方向(戸先側)に向かって上方に傾斜する第1部80Aと、戸尻側に位置して、吊持レール3と略平行に延出する第2部80Bと、からなる。第1ロッド9の上端のガイドローラ12は、傾斜レール80の下面に当接しながら移動することで案内される。
図8に示す実施形態では、第2ロッド10、気密材13の自重が常時第2ロッド10を下動させるように作用しており、すなわち、常時、第1ロッド9を上動させる力が作用している。そして、上述のように、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール80の下面に当接していることから、傾斜レール80の下面の傾斜によって、第1ロッド9、第2ロッド10及び気密材13の上下動を制御することができる。
図8は開口部全閉時の姿図であって、この状態から扉体1を開放させると、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が、傾斜レール80の第1部80Aの下面(扉体1の閉鎖方向に向かって上方に傾斜している)に当接して案内されながら下動することで第1ロッド9が徐々に下動し、これに連動して第2ロッド10が徐々に上動して、第2ロッド10の下端に設けられた気密材13が床面から徐々に離間する。第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール80の第2部分80Bの下面(吊持レール3と平行して延出している)まで移動すると、扉体1の移動にしたがって、第1ロッド9、第2ロッド10、気密材13は、扉体1に対して同じ高さで案内される。開口部全開時においても、第1ロッド9の上端のガイドローラ12は傾斜レール80の第2部分80Bの下面に当接している。
扉体1の閉鎖時において、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール80の第2部分80Bの下面に当接して案内されている時には扉体1に対する気密材13の高さは同じであるが、第1ロッド9の上端のガイドローラ12が傾斜レール80の第1部分80Aの下面に当接して案内され始めると、第2ロッド10および気密材13の自重で、第1ロッド9が徐々に上動し、第2ロッド10が徐々に下動して、第2ロッド10の下端に設けられた気密材13が徐々に下動して、開口部全閉時に気密材13が扉体下端と床面との間を塞ぐ。
図示の例では、傾斜レール80を、戸先側に位置して、閉鎖方向(戸先側)に向かって上方に傾斜する第1部80Aと、戸尻側に位置して、吊持レール3と略平行に延出する第2部80Bと、から構成したが、開閉時の扉体1の移動距離、上枠2内の高さ寸法等の条件によっては、傾斜レール80全体を同じ角度で傾斜する部材から構成することもできる。
図9乃至図11は、さらに他の実施形態を示し、このものでは、第1ロッド9、第2ロッド10、連結杆11に代えて、上方部位が傾斜レールに案内されて移動し、下方部位に気密材が装着されたロッド19を採用している。上枠2内には、吊持レール3とは別に、閉鎖方向(戸先側)に向かって下方に傾斜する傾斜レール81が設けてある。
扉体1の上方部位には、スプリング14Aが内装されている。ロッド19はスプリング14Aを介して扉体1に支持されており、ロッド19の上方部位は、扉体1の上端部を上下動可能に挿通している。スプリング14Aは、扉体1を閉鎖する際に、ロッド19の下動にしたがって上下方向に圧縮されて力を蓄積し、扉体1を開放する際には、蓄積されたバネ力により、ロッド19、ガイドローラ12、気密材13を上動させるようになっている。
ロッド19の上端にはガイドローラ12が設けてあり、図10に示すように、開口部開放時には、ロッド19の上端のガイドローラ12は他の部材に接触しない自由な状態であり、ロッド19は、その下端の気密材13が床面から離間した状態でスプリング14Aによって一定の高さを保持している。この状態から扉体1を閉鎖させると、扉体1が所定量移動した時に、ロッド19の上端のガイドローラ12が傾斜レール81の下面に当接して案内され始め、ロッド19はスプリング14Aを圧縮しながら徐々に下動して行き、ロッド19の下動に伴って気密材13も徐々に下動して、開口部全閉時に気密材13が扉体下端と床面との間を塞ぐ。
図9は開口部全閉時の姿図であって、この状態では、スプリング14Aの蓄積されたバネ力により、ロッド19、ガイドローラ12、気密材13を上動させる力が作用しており、この状態から扉体1を開放させると、ロッド19の上端のガイドローラ12が傾斜レール81の下面に当接して案内されながら上動することでロッド19が徐々に上動し、これに伴ってロッド19の下端に設けられた気密材13が床面から徐々に離間する。
図12にさらに他の実施形態を示す。図12に示す実施形態は、上方部位が傾斜レール82に案内されて移動し、下方部位に気密材13が装着されたロッド19を採用している。傾斜レール82は、上枠2内において扉体1の幅方向に延出しており、開閉時の扉体1の移動距離と略同じ長さ寸法を有している。
傾斜レール82は、戸先側に位置して、閉鎖方向(戸先側)に向かって下方に傾斜する第1部82Aと、戸尻側に位置して、吊持レール3と略平行に延出する第2部82Bと、からなる。ロッド19の上端のガイドローラ12は、傾斜レール82上を移動することで案内される。
図12は開口部全閉時の姿図であって、この状態から扉体1を開放させると、ロッド19の上端のガイドローラ12が、傾斜レール82上を移動することで案内されて、ロッド19が徐々に上動し、これに伴ってロッド19の下端に設けられた気密材13が床面から徐々に離間する。ロッド19の上端のガイドローラ12が傾斜レール82の第2部分82B(吊持レール3と平行して延出している)まで移動すると、扉体1の移動にしたがって、ロッド19、気密材13は、扉体1に対して同じ高さで案内される。
扉体1の閉鎖時には、ロッド19の上端のガイドローラ12が傾斜レール82の第2部分82B上で案内されている時には扉体1に対する気密材13の高さは同じであるが、ロッド19の上端のガイドローラ12が傾斜レール82の第1部分80A上で案内され始めると、ロッド19および気密材13の自重で、傾斜レール82の第1部分80Aにそってロッド19が徐々に下動し、これに応じてロッド19の下端に設けられた気密材13が徐々に下動して、開口部全閉時に気密材13が扉体下端と床面との間を塞ぐ。
図示の例では、傾斜レール82を、戸先側に位置して、閉鎖方向(戸先側)に向かって下方に傾斜する第1部82Aと、戸尻側に位置して、吊持レール3と略平行に延出する第2部82Bと、から構成したが、開閉時の扉体1の移動距離、上枠2内の高さ寸法等の条件によっては、傾斜レール82全体を同じ角度で傾斜する部材から構成することもできる。
本発明は、引戸の下部気密装置として利用することができる。
1 扉体
8 傾斜レール
9 第1ロッド
10 第2ロッド
11 連結杆
13 気密材
14 スプリング
8 傾斜レール
9 第1ロッド
10 第2ロッド
11 連結杆
13 気密材
14 スプリング
Claims (9)
- 開口部上方に設けられた、扉体の閉鎖方向に向かって上方に傾斜する傾斜レールと、
扉体に設けられた、上方部位が傾斜レールに案内されて移動する第1部材、下方部位に気密材が装着された第2部材、及び、第1部材の上動・下動を第2部材の下動・上動に変向する変向手段と、を備え、
扉体の閉鎖方向の移動時に第1部材が傾斜レールに案内されて移動すると、第2部材の下方に装着された気密材が徐々に下動して、開口部全閉時に気密材が扉体下端と床面との隙間を塞ぎ、全閉状態の扉体の開放方向の移動時に第1部材が傾斜レールに案内されて移動すると、第2部材が上動して気密材が床面から徐々に離間する、引戸の下部気密装置。 - 前記第1部材、第2部材は、上下方向に延出する第1ロッド、第2ロッドであり、
前記変向手段は、一端が第1ロッドの下方部位に回動自在に連結され、他端が第2ロッドの上方部位に回動自在に連結され、かつ、両端部間の支点を介して上下回動自在の連結杆により構成されている、請求項1に記載の引戸の下部気密装置。 - 前記第1部材の上方部位は前記傾斜レール上を移動することで案内され、前記装置は、扉体が全閉状態から開放方向へ移動する時に第1部材を下動させる手段を備えている、請求項1,2いずれかに記載の引戸の下部気密装置。
- 前記第1部材を下動させる手段は上下方向に伸縮可能な弾性部材を備えており、前記弾性部材の伸長力あるいは圧縮力によって前記第1部材を下動させる、請求項3に記載の引戸の下部気密装置。
- 前記第1部材の上方部位は前記傾斜レールの下面に当接しながら移動することで案内される、請求項1,2いずれかに記載の引戸の下部気密装置。
- 開口部上方に設けられた、扉体の閉鎖方向に向かって下方に傾斜する傾斜レールと、
扉体に設けられた、上方部位が傾斜レールに案内されて移動し、下方部位に気密材が装着されたロッドと、を備え、
扉体の閉鎖方向の移動時にロッドの上方部位が傾斜レールに案内されて移動すると、ロッドの下方に装着された気密材が徐々に下動して、開口部全閉時に気密材が扉体下端と床面との隙間を塞ぎ、全閉状態の扉体の開放方向の移動時にロッドが傾斜レールに案内されて移動すると、ロッドが上動して気密材が床面から徐々に離間する、引戸の下部気密装置。 - 前記ロッドの上方部位は前記傾斜レールの下面に当接しながら移動することで案内され、前記装置は、扉体が全閉状態から開放方向へ移動する時にロッドを上動させる手段を備えている、請求項6に記載の引戸の下部気密装置。
- 前記ロッドを上動させる手段は上下方向に伸縮可能な弾性部材を備えており、前記弾性部材の伸長力あるいは圧縮力によって前記ロッドを上動させる、請求項7に記載の引戸の下部気密装置。
- 前記ロッドの上方部位は前記傾斜レール上を移動することで案内される、請求項6に記載の引戸の下部気密装置。
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2006
- 2006-09-04 JP JP2006239268A patent/JP2008063727A/ja active Pending
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