JP2008063616A - スパッタリング装置及びスパッタリング方法並びに有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】成膜時に、真空槽内の圧力や電極への投入電力を変化させる必要なく、基板上の有機薄膜等へのダメージを最小限に抑えつつ効率的な成膜を可能とする極めて実用性に秀れたスパッタリング装置の提供。
【解決手段】真空槽内に、ターゲットを有するターゲット電極部1と、このターゲット電極部1のターゲットと対向状態に配設される対向電極部2と、この電極部1・2間に基板3を相対的に搬送させる搬送機構4とを設け、この電極部1・2間に搬送される基板3にスパッタ膜を成膜するスパッタリング装置であって、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的若しくは段階的に小さくなるように設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、スパッタリング装置及びスパッタリング方法並びに有機EL素子に関するものである。
基板上に、透明電極,有機発光層,金属電極を順次積層して形成される有機EL素子には、大気中の湿分による劣化を防止するために封止の工程が行われる。封止は、缶封止あるいは膜封止により行われるが、素子の軽薄化並びにフレキシビリティーが望まれる潮流により、膜封止の開発が主流である。
ところで、膜封止の作製には、有機EL素子の性質上ドライプロセスが好まれ、真空蒸着やスパッタリングなどの薄膜形成技術が応用されている。
例えば図1に図示したように、真空槽内に、一対の平行平板電極11・12と、この電極11・12間に基板13を搬送する搬送機構14とを設けて、一方の電極11にターゲットを載置し(図ではターゲットと電極とを一体化して図示)、所定のガスを導入した状態でこの電極11・12間に電圧を印加することで、プラズマを発生させてターゲットをスパッタリングして、前記電極11・12間に搬送される基板13にスパッタ膜を形成するスパッタリング装置により封止膜が成膜される。
しかしながら、有機ELにおいては、封止性の良好な無機質膜の成膜をスパッタリングにより行う場合、成膜面への高エネルギーの粒子によるアタックのために、素子の劣化が起こることが問題となっており、この劣化を防止する対策が種々検討されている。
例えば、特許文献1には、基板に成膜された有機薄膜表面に導電性薄膜を形成する際、真空槽内の初期圧力を1.33×10−2Pa以下とし、基板への入射電子やイオンの存在確率を減ずることで、有機薄膜へのダメージを低減し、更に、そのままでは成膜レートが低いため、ある程度低いレートで第一層を成膜した後、真空槽内にスパッタリングガスを多く流入させて(圧力を調整して)ターゲット表面のプラズマ密度を上げることで成膜レートを上げて第二層を成膜する技術が開示されており、これにより、第一層をソフトに成膜でき、第二層を短時間で成膜できるとされている。
また、投入電力を制御して、封止膜の付け始めは電力を低く設定し徐々に高くすることで、スパッタエネルギーの小さな粒子によりソフトに成膜される初期膜により、その後のスパッタエネルギーの大きな粒子から素子を保護する方法も考えられる。
特開2005−340225号公報
ところが、上記特許文献1に開示されるように真空槽内の圧力を調整する場合、真空槽の容量にもよるが、圧力調整を行うことで所定真空度までの到達時間及びプラズマの安定化に要する時間が夫々数十秒レベルとなり、合計分レベルで生産タクトタイムが増加してしまう。
現状において、有機EL素子製造装置に、透明電極(ITO)が形成された基板を搬入してから、有機発光層,金属電極及び封止膜を成膜して搬出するまでのタクトタイムとしては3〜5分が要求されることから、分レベルでのタクトタイムの増加は、実生産において大きな問題となり、新たな実施手段が待たれていたのが現状である。
また、投入電力を徐々に変化させる場合、電圧の安定化に時間がかかり、スパッタ状態が不安定となり、封止膜の品質が低下してしまうため、現実には困難である。
本発明は、上述のような問題点を解決したもので、成膜時に、真空槽内の圧力や電極への投入電力を変化させる必要なく、基板上の有機薄膜等へのダメージを最小限に抑えつつ効率的な成膜を可能とする極めて実用性に秀れたスパッタリング装置及びスパッタリング方法並びに有機EL素子を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
真空槽内に、ターゲットを有するターゲット電極部1と、このターゲット電極部1のターゲットと対向状態に配設される対向電極部2と、この電極部1・2間に基板3を相対的に搬送させる搬送機構4とを設け、この電極部1・2間に電圧を印加することでプラズマを発生させて前記ターゲット表面をスパッタリングして、この電極部1・2間に搬送される基板3にスパッタ膜を成膜するスパッタリング装置であって、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的若しくは段階的に小さくなるように設定したことを特徴とするスパッタリング装置に係るものである。
また、前記ターゲット電極部1を、前記搬送される基板3に対して傾斜状態に設けて、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的に小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置に係るものである。
また、前記ターゲット電極部1を、前記搬送される基板3に対して平行状態に設けられる複数の電極1aで構成し、この複数の電極1aのうち基板搬送下流側の電極1aほど前記搬送機構4により搬送される基板3側に位置せしめて、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって段階的に小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置に係るものである。
また、前記複数の電極1aのうちの少なくとも1つには、他の電極1aに設けたターゲットとは異なる材料から成るターゲットを設けたことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置に係るものである。
また、前記ターゲット電極部1と前記対向電極部2との間に、前記基板3を前記対向電極部2に対して略平行に搬送するように前記搬送機構4を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタリング装置に係るものである。
また、前記ターゲットは、遷移金属,4B族元素及び5B族元素のうちのいずれかの元素またはこれらの酸化物,窒化物及び炭化物のうちの1以上のものから成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスパッタリング装置に係るものである。
また、真空槽内に設けたターゲットを有するターゲット電極部1と、このターゲット電極部1のターゲットと対向状態に配設される対向電極部2との間に基板3を相対的に搬送すると共に、この電極部1・2間に電圧を印加することでプラズマを発生させて前記ターゲット表面をスパッタリングして、この電極部1・2間に搬送される基板3にスパッタ膜を成膜するスパッタリング方法であって、成膜時間の経過に伴い前記基板3と前記ターゲット電極部1との間隔を連続的若しくは段階的に小さくさせながら成膜を行うことを特徴とするスパッタリング方法に係るものである。
また、前記ターゲットとして、遷移金属,4B族元素及び5B族元素のうちのいずれかの元素またはこれらの酸化物,窒化物及び炭化物のうちの1以上のものを採用したこと特徴とする請求項7記載のスパッタリング方法に係るものである。
また、透明な基板3上に陽極,有機発光層,陰極,封止膜を順次積層して形成されるボトム・エミッション型有機EL素子において、請求項7,8のいずれか1項に記載のスパッタリング方法を用いて、前記陰極若しくは封止膜を成膜したことを特徴とする有機EL素子に係るものである。
また、基板3上に絶縁層,金属陽極,有機発光層,金属補助陰極,透明電極、封止膜を順次積層して形成されるトップ・エミッション型有機EL素子において、請求項7,8のいずれか1項に記載のスパッタリング方法を用いて、前記金属補助陰極、透明電極若しくは封止膜を成膜したことを特徴とする有機EL素子に係るものである。
本発明は、上述のように構成したから、成膜時に、真空槽内の圧力や電極への投入電力を変化させる必要なく、基板上の有機薄膜等へのダメージを最小限に抑えつつ効率的な成膜を可能とする極めて実用性に秀れたスパッタリング装置及びスパッタリング方法並びに有機EL素子となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
例えば、ターゲット電極部1を、搬送される基板3に対して傾斜状態に設けたり、ターゲット電極部1を搬送される基板3に対して平行状態に設けられる複数の電極1aで構成し、この複数の電極1aのうち基板搬送下流側の電極1aほど搬送機構4により搬送される基板3側に位置せしめたりすることで、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的若しくは段階的に小さくなるように設定する。また、この基板3を前記ターゲット電極部1に向かって徐々に近づけながら搬送するように前記搬送機構4を構成してもよい。
この際、搬送される基板3とターゲット電極部1(ターゲット)との距離が、基板3を下流側に搬送するにつれ徐々に小さくなることで、成膜時間の経過に伴い、基板3上へのスパッタリング膜の成膜レートが低くソフトな成膜が可能な状態から、徐々に成膜レートが高く所望の膜厚に短時間で成膜可能な状態へと移行する。
従って、膜の付け始め、即ち、例えば基板3に予め成膜されている有機薄膜等の直上に付着する成膜材料を有機薄膜等にダメージを与えないようにソフトに成膜した後、高レートで成膜を行うことができ(ソフトに有機薄膜等の直上に成膜された膜により、高レートで成膜される材料は直接有機薄膜等に衝突せず、有機薄膜等が保護される。)、短時間で良好な成膜を行えるのは勿論、従来のように真空槽内のガス圧力や電極への投入電力を変化させる必要がなく、真空度やプラズマ若しくは電圧の安定化に要する時間が不要となる分、生産タクトタイムを短縮できる。
従って、例えば、基板3上に陽極,有機発光層,陰極を順次積層して形成される発光部上に、この発光部を封止する封止膜を上述のように成膜して有機EL素子を製造した場合、高品質の封止膜を発光部にダメージを与えることなく短時間で成膜でき、有機EL素子の品質及び生産性の向上を図れることになる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、真空槽内に、ターゲットを有するターゲット電極部1と、このターゲット電極部1のターゲットと対向状態に配設される対向電極部2と、この電極部1・2間に基板3を相対的に搬送させる搬送機構4とを設け、この電極部1・2間に電圧を印加することでプラズマを発生させて前記ターゲット表面をスパッタリングして、この電極部1・2間に搬送される基板3にスパッタ膜を成膜するスパッタリング装置であって、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的若しくは段階的に小さくなるように設定したものである。
具体的には、基板3上に陽極,有機発光層,陰極を順次積層して形成される有機EL素子の発光部上に、この発光部を封止する封止膜を成膜するものであり、例えば仕込み室,基板洗浄室,有機膜成膜室,金属電極蒸着室及び排出室等を順次一直線状(縦列)に連設配置して一体化したインライン方式の有機EL素子製造装置等に設けられるものである。
各部を具体的に説明する。
搬送機構4は、公知のコンベア機構であり、基板3を(傾斜や上昇・下降させることなく)水平方向に搬送するように構成している。対向電極部2は、基板3の搬送経路5の上方位置にして基板3の搬送方向に対して平行に設けた平板電極(アノード)で構成している。即ち、ターゲット電極部1と対向電極部2との間に、基板3を対向電極部2に対して略平行に搬送するように前記搬送機構4を構成している(搬送経路5を対向電極部2と略平行に設定している。)。
ターゲット電極部1は、平板状のターゲット電極1a(カソード)上に任意の成膜材料から成るターゲットを載置して構成され、図2に図示したように基板3の搬送経路5の下方位置にして基板3の搬送方向に対して傾斜状態に設けている。具体的には、基板搬送方向上流側ほど搬送される基板3から離反し、基板搬送方向下流側ほど搬送される基板3に近接するように設けている。
従って、ターゲット電極部1のターゲットと基板3との間隔(T−S距離)は、電極部1・2間にして基板搬送下流側ほど小さくなる。
ここで、スパッタリング成膜時におけるT−S距離と有機薄膜の特性劣化との関係を調べるため、図4に図示したように基板AをターゲットBに対して傾斜状態に配置して、T−S距離の大きい部分(X)とT−S距離の小さい部分(X)とを作出し、スパッタリングによる成膜実験を行った。尚、基板としては発光ポリマーを成膜してあるガラス基板を用い、ターゲットとしてはAlを用いた。評価は励起紫外光による蛍光(PL)強度評価により行った。
上記実験の結果、図5に図示したように、T−S距離が大きい程、発光ポリマーのPL強度が強い(劣化しない)という結果が得られた。即ち、スパッタリングによる有機薄膜へのダメージは、T−S距離に反比例することが確認された。尚、当然ながら成膜レートはT−S距離に反比例する。
即ち、本実施例は、従来のように真空槽内のガス圧力や電極への投入電力を制御する必要なく(これらを一定に保った状態で)、ターゲットと基板3との配置構成のみで、付け始め(電極部1・2間にして基板搬送上流側位置)は、低レートで有機薄膜にダメージを与えないようにソフトに成膜してこのソフトに成膜した初期膜により有機薄膜を覆った後、高レートで短時間で所望の膜厚まで成膜することが可能となる(有機薄膜へのダメージが大きい高レートで成膜しても初期膜により有機薄膜が保護される。)。
尚、本実施例においては、上述のようにターゲット電極部1を搬送される基板3に対して傾斜状態に配置する構成としたが、例えば、図3に図示したように、前記ターゲット電極部1を、前記搬送される基板3に対して平行状態に設けられる3つの電極1aで構成し、この3つの電極1aのうち基板搬送下流側の電極1aほど前記搬送機構4により搬送される基板3側に位置せしめて、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって段階的に小さくなるように設定しても良い。
この場合、3つの電極1aのうちの少なくとも1つに、他の電極1aに設けたターゲットとは異なる材料から成るターゲットを設けることで、成膜時間の経過に伴い、順次異なる材料を成膜可能となる。尚、3つに限らず、2つや4つ以上の電極1a(及び各電極1a上に載置されるターゲット)で前記ターゲット電極部1を構成しても良い。
また、図1に図示したような平行平板電極を用いた場合であっても、搬送機構4を、前記電極部1・2間において前記基板3を搬送する際に、この基板3を前記ターゲット電極部1に向かって徐々に(連続的若しくは段階的に)近づけながら搬送するように構成したり(電極部1・2間の搬送経路5を基板搬送下流側に向かって下り傾斜するように設定したり)、成膜時間の経過に伴いターゲット若しくは基板のいずれか一方(若しくは双方)を他方側に近接させるように構成すれば、前記ターゲット電極部1と前記搬送機構4により搬送される基板3との間隔を、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的若しくは段階的に小さくできる。
即ち、成膜時間の経過に伴い前記基板3と前記ターゲット電極部1との間隔を連続的若しくは段階的に小さくさせながら成膜を行える構成であれば良い。ただし、ターゲット電極部1を搬送される基板3に対して傾斜状態に配置する構成が最も簡易に実現可能であり、既存の装置からの改良も容易に行えるため特に好ましい。
また、ターゲットとしては、遷移金属,4B族元素及び5B族元素のうちのいずれかの元素またはこれらの酸化物,窒化物及び炭化物のうちの1以上のものから成るものを採用している。具体的には、Al,Cr,In,Si,Sn,Ta,Ti,V,W,Zn,Zr,B,Hf,Mo,Nb,Cd,Cu,Pb,Ga,Sb,As,Se,Ag,Au,Pt若しくはPdまたはこれらの酸化物,窒化物若しくは炭化物あるいはSiC若しくはTiOから成るものを採用している。特に、金属陰極を形成し得るAlからなるもの、透明電極を形成し得るIn,Sn,Zn及びそれらの酸化物からなるもの、封止性の良好な無機質膜を成膜し得るAl,Si,Ti及びそれらの酸化物から成るものを採用するのが好ましい。尚、本実施例においては上記材料から成るターゲットを用いているが、封止膜を成膜する以外の用途に用いる場合には、勿論上記以外の他の材料から成るターゲットを用いて良い。
また、本実施例は、搬送機構4は基板3を搬送することで電極部1・2に対して基板3を相対的に搬送するように構成したが、基板3を固定した状態で電極部1・2を移動させて電極部1・2に対して基板3を相対的に搬送する構成としても良い。
本実施例は上述のように構成したから、膜の付け始め、即ち、基板3に予め成膜されている有機薄膜等の直上に付着する成膜材料を有機薄膜等にダメージを与えないようにソフトに成膜した後、高レートで成膜を行うことができ(ソフトに有機薄膜等の直上に成膜された膜により、高レートで成膜される材料は直接有機薄膜等に衝突せず、有機薄膜等が保護される。)、短時間で良好な成膜を行えるのは勿論、従来のように真空槽内のガス圧力や電極への投入電力を変化させる必要がなく、真空度やプラズマ若しくは電圧の安定化に要する時間が不要となる分、生産タクトタイムを20〜30%短縮することが期待できる。
従って、基板3上に陽極,有機発光層,陰極を順次積層して形成される発光部上に、この発光部を封止する封止膜を上述のように成膜して有機EL素子を製造した場合、高品質の封止膜を発光部にダメージを与えることなく短時間で成膜でき、有機EL素子の品質及び生産性の向上を図れることになる。
特に、透明な基板3上に陽極,有機発光層,陰極,封止膜を順次積層して形成されるボトム・エミッション型有機EL素子を形成する際、上記スパッタリング方法を用いて、前記陰極若しくは封止膜(または双方)を成膜したり、基板3上に絶縁層,金属陽極,有機発光層,金属補助陰極,透明電極、封止膜を順次積層して形成されるトップ・エミッション型有機EL素子を形成する際、上記スパッタリング方法を用いて、前記金属補助陰極、透明電極若しくは封止膜(またはこれらのうち二つ或いは全部)を成膜することで、基板上の有機薄膜のダメージを最小限にしつつ効率良くスパッタ膜を成膜できることとなる。
よって、本実施例は、成膜時に、真空槽内の圧力や電極への投入電力を変化させる必要なく、基板上の有機薄膜等へのダメージを最小限に抑えつつ効率的な成膜を可能とする極めて実用性に秀れたものとなる。
本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
平行平板電極型スパッタ装置の概略説明側面図である。 本実施例の概略説明側面図である。 別例の概略説明側面図である。 T−S距離と有機薄膜の特性劣化度合いとの関係を調べるための実験の概略説明図である。 T−S距離と有機薄膜の特性劣化度合いとの関係を調べるための実験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 ターゲット電極部
1a 電極
2 対向電極部
3 基板
4 搬送機構

Claims (10)

  1. 真空槽内に、ターゲットを有するターゲット電極部と、このターゲット電極部のターゲットと対向状態に配設される対向電極部と、この電極部間に基板を相対的に搬送させる搬送機構とを設け、この電極部間に電圧を印加することでプラズマを発生させて前記ターゲット表面をスパッタリングして、この電極部間に搬送される基板にスパッタ膜を成膜するスパッタリング装置であって、前記ターゲット電極部と前記搬送機構により搬送される基板との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的若しくは段階的に小さくなるように設定したことを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 前記ターゲット電極部を、前記搬送される基板に対して傾斜状態に設けて、前記ターゲット電極部と前記搬送機構により搬送される基板との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって連続的に小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  3. 前記ターゲット電極部を、前記搬送される基板に対して平行状態に設けられる複数の電極で構成し、この複数の電極のうち基板搬送下流側の電極ほど前記搬送機構により搬送される基板側に位置せしめて、前記ターゲット電極部と前記搬送機構により搬送される基板との間隔が、基板搬送上流側から基板搬送下流側に向かって段階的に小さくなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
  4. 前記複数の電極のうちの少なくとも1つには、他の電極に設けたターゲットとは異なる材料から成るターゲットを設けたことを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。
  5. 前記ターゲット電極部と前記対向電極部との間に、前記基板を前記対向電極部に対して略平行に搬送するように前記搬送機構を構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
  6. 前記ターゲットは、遷移金属,4B族元素及び5B族元素のうちのいずれかの元素またはこれらの酸化物,窒化物及び炭化物のうちの1以上のものから成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスパッタリング装置。
  7. 真空槽内に設けたターゲットを有するターゲット電極部と、このターゲット電極部のターゲットと対向状態に配設される対向電極部との間に基板を相対的に搬送すると共に、この電極部間に電圧を印加することでプラズマを発生させて前記ターゲット表面をスパッタリングして、この電極部間に搬送される基板にスパッタ膜を成膜するスパッタリング方法であって、成膜時間の経過に伴い前記基板と前記ターゲット電極部との間隔を連続的若しくは段階的に小さくさせながら成膜を行うことを特徴とするスパッタリング方法。
  8. 前記ターゲットとして、遷移金属,4B族元素及び5B族元素のうちのいずれかの元素またはこれらの酸化物,窒化物及び炭化物のうちの1以上のものを採用したこと特徴とする請求項7記載のスパッタリング方法。
  9. 透明な基板上に陽極,有機発光層,陰極,封止膜を順次積層して形成されるボトム・エミッション型有機EL素子において、請求項7,8のいずれか1項に記載のスパッタリング方法を用いて、前記陰極若しくは封止膜を成膜したことを特徴とする有機EL素子。
  10. 基板上に絶縁層,金属陽極,有機発光層,金属補助陰極,透明電極、封止膜を順次積層して形成されるトップ・エミッション型有機EL素子において、請求項7,8のいずれか1項に記載のスパッタリング方法を用いて、前記金属補助陰極、透明電極若しくは封止膜を成膜したことを特徴とする有機EL素子。
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