JP2008063523A - 新規なポリイミド樹脂 - Google Patents

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JP2008063523A
JP2008063523A JP2006245502A JP2006245502A JP2008063523A JP 2008063523 A JP2008063523 A JP 2008063523A JP 2006245502 A JP2006245502 A JP 2006245502A JP 2006245502 A JP2006245502 A JP 2006245502A JP 2008063523 A JP2008063523 A JP 2008063523A
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寛 藤原
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】電子材料、特には、導体回路パターンを被覆するための被覆形成材として好適に用いることができる、物性バランスに優れたポリイミド樹脂を提供する。
【解決手段】ジフェニルスルホン基を含有する構造式、フェニルカルボニル基を含有する構造式、フェニレン基又はフェニレン誘導体基を含有する構造式の三つを繰り返し単位として有するポリイミド樹脂であり、各構造式を有する繰り返し単位の当該樹脂中における割合が特定の範囲にあるポリイミド樹脂。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂に関し、さらに好ましくは、プリント配線板の基板上を被覆するための被覆形成材など、電子材料において回路面を被覆する材料として好適に用いることができるポリイミド樹脂に関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性、微細成形等の諸物性がこれまで以上に強く求められるようになってきた。
特に、プリント配線板に関しては、配線を保持する基板のみならず、配線の保護材として用いられる表面保護材にも高い特性が要求されている。更に、導体回路パターンの酸化防止や絶縁性の維持などを目的として、形成された導体回路パターン上にソルダーレジストインキ等を、スクリーン印刷法、スプレー法、写真現像法、インクジェット法などを用いて必要な箇所に絶縁パターンとして塗布し、絶縁被膜を形成することが多い。この絶縁皮膜も、高絶縁、耐環境安定性、基材との接着性、高耐熱性、機械強度を有することが求められる。特にプリント配線板が硬質基板を基材とするものから、ポリイミドフィルム等のフレキシブル基板を用いるプリント配線板に変化しており、表面に被覆される材料にも高い屈曲性能及び、基材に応力をかけない低応力材料であることが望まれている。
また最近のICチップをプリント配線板に実装するCOF(チップオンフィルム)に関する技術的革新が目覚ましく。インナーリード部、アウターリード部の配線幅はいまやL/Sで25μmピッチの製品が商品化されようとしている。配線間隔の微細化に伴い、配線を被覆して絶縁する材料には、高絶縁性、耐環境安定性が望まれる。
従来、配線被覆材料に幅広く用いられてきたエポキシ系樹脂組成物は、柔軟性に欠け、屈曲性を必要とするフレキシブルプリント配線板用の保護材料には使用できない問題点があった。例えば、特許文献1記載のエポキシ系樹脂を用いた樹脂組成物は屈曲性に乏しく、数回の屈曲耐性しかない問題があった。
特開2002−40647
本発明は、電子材料、特には、導体回路パターンを被覆するための被覆形成材として好適に用いることができる、物性バランス(柔軟性、高伸び率、高い屈曲性、基材との接着性、高い絶縁性、耐環境安定性)に優れたポリイミド樹脂を提供することにある。
本発明は以下の新規な構成により上記課題を解決しうる。
1)一般式(1)
Figure 2008063523
(式中R1、R2、R3は一般式群(1)より選ばれる2価の有機基を示す。同一であってもよいし、異なっていてもよい。R4は、一般式群(2)より選ばれる有機基である。R5は−,−(C=O)−,−C(CH3)2−,−CH2−,−SO2−,−O−,−C(CF3)2−,−CH(CH3)−,−C(CH3)(CH2CH3)−,シクロヘキシルのいずれかから選ばれる基である。R6は-OH、−COOHのいずれかの基である。l、m、n、pは0以上の整数であって、0.05≦l/(l+m+n)≦0.80、0.20≦m/(l+m+n)≦0.70、0≦n/(l+m+n)≦0.50である。)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミド樹脂。
Figure 2008063523
Figure 2008063523
(式中のx、y、z、wは1以上の整数である)
2)1)記載のポリイミド樹脂が、
(a)一般式(2)
Figure 2008063523
(式中R7は一般式群(1)より選ばれる2価の有機基を示す)
Figure 2008063523
で表される芳香族酸二無水物及び
(b)一般式(3)
Figure 2008063523
で表されるジアミン及び
(c)一般式(4)
Figure 2008063523
(式中R8は一般式群(2)から選ばれる1種以上の基である。)
Figure 2008063523
(式中のx、y、z、wは1以上の整数である)
であらわされる両末端にp−アミノ安息香酸エステル基を持つビス−p−アミノベンゾエート類及び、
(d)一般式(5)
Figure 2008063523
(式中R9は−,−(C=O)−,−C(CH 3 )2−,−CH2−,−SO2−,−O−,−C(CF3)2−,−CH(CH3)−,−C(CH3)(CH2CH3)−,シクロヘキシルのいずれかから選ばれる基である。R10は-OH、−COOHのいずれかである。pは0以上である。)を必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂。
3)プリント配線板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることを特徴とする1)または2)記載のポリイミド樹脂。
本発明のポリイミド樹脂は、電子材料用途に必要な物性バランスに優れたポリイミド樹脂となっており、各種熱硬化性成分と配合した場合にも、熱硬化性成分と配合特性を損なうことなく導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることが可能となる。
本発明のポリイミド樹脂は、下記一般式(1)
Figure 2008063523
(式中R1、R2、R3は一般式群(1)より選ばれる2価の有機基を示す。同一であってもよいし、異なっていてもよい。R4は、一般式群(2)より選ばれる有機基である。R5は−,−(C=O)−,−C(CH3)2−,−CH2−,−SO2−,−O−,−C(CF3)2−,−CH(CH3)−,−C(CH3)(CH2CH3)−,シクロヘキシルのいずれかから選ばれる基である。R6は-OH、−COOHのいずれかの基である。l、m、n、pは0以上の整数であって、0.05≦l/(l+m+n)≦0.80、0.20≦m/(l+m+n)≦0.70、0≦n/(l+m+n)≦0.50である。)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミド樹脂である。
Figure 2008063523
Figure 2008063523
(式中のx、y、z、wは1以上の整数である)
特に物性バランス(柔軟性、高い屈曲性、基材との接着性、高い絶縁性、耐環境安定性)に優れた特性を発現するためには、一般式(1)のl、m、nの比率は0.05≦l/(l+m+n)≦0.80、0.20≦m/(l+m+n)≦0.70、0≦n/(l+m+n)≦0.50であり、特に好ましくは0.10≦l/(l+m+n)≦0.60、0.40≦m/(l+m+n)≦0.60、0<n/(l+m+n)≦0.40である。l、m、nを上記範囲とすることで、ポリイミド樹脂に柔軟性、屈曲性及び耐熱性を付与しながら耐熱性及び有機溶剤への溶解性も付与することができるので望ましい。
尚、本発明のポリイミド樹脂は、上記一般式(1)のポリイミドユニットからなるブロック構造を有するものであってもよいが、本発明のポリイミド樹脂の特徴は、下記の酸二無水物成分およびジアミン成分を必須成分として用いることにあり、ブロック構造を有していなくともよく
(a)一般式(2)
Figure 2008063523
(式中R7は一般式群(1)より選ばれる2価の有機基を示す)
Figure 2008063523
で表される芳香族酸二無水物及び
(b)一般式(3)
Figure 2008063523
で表されるジアミン及び
(c)一般式(4)
Figure 2008063523
(式中R8は一般式群(2)から選ばれる1種以上の基である。)
Figure 2008063523
(式中のx、y、z、wは1以上の整数である)
であらわされる両末端にp−アミノ安息香酸エステル基を持つビス−p−アミノベンゾエート類及び、
(d)一般式(5)
Figure 2008063523
(式中R9は−,−(C=O)−,−C(CH 3 )2−,−CH2−,−SO2−,−O−,−C(CF3)2−,−CH(CH3)−,−C(CH3)(CH2CH3)−,シクロヘキシルのいずれかから選ばれる基である。R10は-OH、−COOHのいずれかである。pは0以上である。)を必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂であればよい。
このような酸二無水物成分およびジアミンを用いたポリイミド樹脂は、これを用いて形成した被膜物性として、耐熱性、長期安定性、絶縁性などの特性バランスに優れたポリイミド樹脂が得られる。
一般式(2)で記載される酸二無水物の中で、本願発明の溶解性及び機械特性を発現させる為に、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2‘−ヘキサフルオロプロピリデンジフタル酸二無水物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3´,4,4´−テトラカルボン酸二無水物、4,4'―オキシジフタル酸二無水物、3,3',4,4'―ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を用いることで、ポリイミド樹脂の靭性、耐熱性及び有機溶剤への溶解性を付与するうえで好ましい。上記酸二無水物の内で1種類以上の酸二無水物を選定して用いることが望ましい。
一般式(3)で表されるジアミンとしては、3,3'−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4'−ジアミノジフェニルスルフォンを用いることでポリイミド樹脂の有機溶剤への溶解性を高めつつ、耐熱性を向上させることができるので望ましい。
一般式(4)で表されるジアミンとしては、ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)(ポレアSL−100A、イハラケミカル株式会社製ジアミンの商品名)、ポリ(テトラメチレン/3、3−ジメチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、ポリ(3,3’−ジメチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)、が好適に用いられる。中でも特に基材との接着性を向上させる為に、(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)(ポレアSL−100A、イハラケミカル株式会社製ジアミンの商品名)が好適に使用される。
一般式(5)であらわされるジアミン類としては、例えば、2,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸等の安息香酸類、3,3'−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4'−ジアミノ−2,2’,5,5‘−テトラカルボキシビフェニル等のカルボキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4'−ジカルボキシジフェニルメタン、 [ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2',5,5’−テトラカルボキシジフェニルメタン等のカルボキシジフェニルメタンやカルボキシフェニルプロパン等のカルボキシジフェニルアルカン類、3,3'−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4‘−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノ−2,2’,5,5‘−テトラカルボキシジフェニルエーテル等のカルボキシジフェニルエーテル化合物、3,3’−ジアミノ−4,4‘−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3'−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2'−ジカルボキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2',5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(カルボキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物をあげることができる。
さらには、2,5−ジアミノフェノール、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール等のジアミノフェノール類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニル等のヒドロキシビフェニル化合物類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルメタン等のヒドロキシジフェニルメタン等のヒドロキシジフェニルアルカン類、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル等のヒドロキシジフェニルエーテル化合物、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−3,3‘−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン等のジフェニルスルフォン化合物、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパン等のビス[(ヒドロキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類、2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン等のビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルフォン化合物、34,4’−ジアミノ−3,3‘−ジハイドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジハイドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニル等のビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類をあげることができる。
中でも特に好適に用いることのできるジアミンは、3,5−ジアミノ安息香酸、[ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン、3,5−ジアミノフェノール、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニルがポリイミド樹脂を合成する際に安定的にポリアミド樹脂からポリイミド樹脂へとイミド化反応を進める上で望ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、対応する前駆体ポリアミド酸重合体を脱水閉環して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られる。但し、ポリイミド樹脂を溶解した有機溶剤溶液の粘度を調整する目的で分子量制御を行う為に、酸二無水物とジアミン量を調整することがある。より具体的には、酸二無水物のモル量/ジアミンのモル量をモル比率で0.80〜0.98に制御して、ポリイミド樹脂の末端基をアミン基にする。もしくは、1.03〜1.25に制御して酸無水物基とすることが望ましい。特に、ポリイミド樹脂の耐環境安定性を向上させるためには、ポリイミド樹脂の末端基はアミン基であることが好ましい。ポリイミドの合成反応では酸二無水物の純度が低下していると分子量が上昇しない現象が起こりうるため、上記範囲に設定していても目的とする分子量に設定することが出来ない場合があるため、適宜モル比は変更することが望ましい。
反応の代表的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶剤に溶解または分散させ、そののち1種以上の酸二無水物成分を添加し、ポリアミド酸溶液を得る方法があげられる。各モノマーの添加順序はとくに限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよいし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、つぎに過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよい。このほかにも、当業者に公知のさまざまな添加方法がある。具体的には下記の方法が挙げられる。なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。反応時間、反応温度は、とくに限定されない。
1)ジアミン成分を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの酸二無水物成分を反応させて重合する方法。
2)酸二無水物成分とこれに対し過小モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるようにジアミン成分を用いて重合させる方法。
3)酸二無水物成分とこれに対し過剰モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン成分を追加添加後、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物成分を用いて重合する方法。
4)酸二無水物成分を有機極性溶媒中に溶解させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン化合物成分を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの酸二無水物成分とジアミン成分の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法等が用いられる。
ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒としては、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
更に、例えばメチルモノグライム(1,2-ジメトキシエタン)、メチルジグライム(ビス(2-メトキシエテル)エーテル)、メチルトリグライム(1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン)、メチルテトラグライム(ビス[2-(2-メトキシエトキシエチル)]エーテル)、エチルモノグライム(1,2-ジエトキシエタン)、エチルジグライム(ビス(2-エトキシエチル) エーテル)、ブチルジグライム(ビス(2-ブトキシエチル)エーテル)等の対称グリコールジエーテル類、γ―ブチロラクトンやN−メチル−2−ピロリドン、メチルアセテート、エチルアセテート、イソプロピルアセテート、n―プロピルアセテート、ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(別名、カルビトールアセテート、酢酸2-(2-ブトキシエトキシ)エチル))、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,3―ブチレングリコールジアセテート等のアセテート類や、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、1,3―ジオキソラン、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールものエチルエーテル等のエーテル類の溶剤を用いることもできる。
本発明のポリアミド酸のイミド化方法について記載する。ポリアミド酸溶液をイミド化する方法には、触媒や脱水剤を用いずに加熱して脱水閉環する熱的イミド化方法や、脱水剤及び触媒を混合して加熱する化学的イミド化方法がある。
化学的イミド化方法に用いられる脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。好適には、無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の抽出工程に適している。触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、ルチジンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。しかし、用いる触媒によっては反応時間が長くなることや、イミド化が充分に進まないことがあり、ポリイミド樹脂に好適な触媒は適宜選定することが好ましい。特に、本願発明に好適に用いることのできる触媒は、ピリジン、イソキノリン、β-ピコリンである。
ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の添加量は、ポリアミド酸を構成する化学構造式に依存するが、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましい。更に好ましくは、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましい。
化学イミド化方法では、イミド化反応を促進するために、ポリアミド酸溶液に脱水剤と触媒を添加して攪拌している溶液を、200℃以下で加熱することが好ましく、更に好ましくは150℃以下で加熱することがイミド化反応を進める上で好ましい。加熱温度は使用する触媒、脱水剤の沸点等を加味して選定することが望ましい。加熱する時間は、ポリイミド樹脂の種類や触媒、脱水剤の種類により適宜選定することが望ましいが、好ましくは1時間以上10時間以下が好ましく、更に好ましくは、1時間以上5時間以下であることがイミド化反応を進めることができるので好ましい。上記イミド化反応はポリアミド酸溶液を溶解している溶剤中で反応させることが望ましい。
また、ポリアミド酸溶液を直接に加熱して熱イミド化する方法も知られており、ポリアミド酸溶液中に共沸溶剤として、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等を、全有機溶剤中の1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲で混合して共沸させて水を留去しながら熱イミド化する方法が用いられる。加熱する温度は最終得られるポリイミド樹脂のガラス転移温度以上であることが望ましい。
上記溶液中からイミド樹脂を抽出方法について記載する。上記ポリイミド樹脂の製造方法により製造されたポリイミド樹脂溶液から、ポリイミド樹脂を抽出する方法として、ポリイミド樹脂、イミド化の脱水剤、イミド化の触媒を含有するポリイミド樹脂溶液をポリイミド樹脂の貧溶媒中に、投入する、或いは、貧溶媒を投入することでポリイミド樹脂を固形状態に抽出する方法が挙げられる。本発明で用いられるポリイミド樹脂の貧溶媒は、たとえば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、イソプロピルアルコールなど、該当するポリイミドの貧溶剤で、ポリアミド酸及びポリイミド樹脂の溶解溶媒として使用した有機溶剤と混和するものが用いられ、上記したアルコール類が好ましく用いられる。
ポリイミド樹脂の溶液を貧溶媒中に注入する際には、ポリイミド樹脂溶液の投入直前の直径は1mm以下が好ましく、更に好ましくは直径が0.5mmになるように投入することが乾燥工程で完全に溶媒を除去する上で好ましい。貧溶媒量はポリイミド樹脂溶液(触媒及び脱水剤を全て含む量)の3倍以上の量で抽出することが好ましい。
本願発明では樹脂の投入直後は樹脂が糸状になるので、できるだけ細かいフレーク状のポリイミド樹脂に成形するために、貧溶媒の溶液の回転数は100回転/分以上の高速回転で攪拌することが好ましい。
固形のポリイミド樹脂を取り出して、ソックスレー洗浄装置と同等の洗浄装置内で洗浄を行う。使用する溶媒は揮発性の溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等の溶媒が好ましい。
本発明で凝固させフレーク状にした樹脂固形物の乾燥方法は、真空乾燥によってもよいし熱風乾燥によってもよい。乾燥温度はイミド樹脂によるが、ガラス転移温度よりも低い温度で乾燥させることが望ましく、各種溶剤、触媒、脱水剤の沸点よりも高い温度で乾燥させることが望ましい。
また、上記抽出方法以外に、ポリイミド樹脂溶液を直接に系内に含まれる溶剤成分の沸点よりも高い温度で加熱・乾燥することによって樹脂を抽出する方法も用いられる。
熱イミド化方法としては、真空装置を備えた加熱乾燥可能な装置で溶剤を揮発させつつイミド化することが望ましい。特に、加熱温度は、ポリイミド樹脂のガラス転移点温度以上かつ、系内から揮発する物質の沸点よりも10℃以上高い温度で1時間以上加熱することが望ましく、真空度は10Torr以下が望ましい。このように、溶剤が揮発した後にポリイミド樹脂のガラス転移温度以上に上昇させることでポリイミド樹脂中の溶剤分が完全に揮発すると共に、ポリイミド樹脂のイミド化を進めてイミド化反応によって生じる水を同時に除去することができるので望ましい。
このようにして得られたポリイミド樹脂は、各種の熱硬化性成分と配合して用いても良い。また、必要に応じて、有機又は無機のフィラー、消泡材、レベリング材、安定剤、酸化防止剤などの各種添加剤を添加してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例中では、使用する酸二無水物及びジアミンを下記の略称で記載している。
BPADA:2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
6FDA:4,4'―オキシジフタル酸二無水物
4,4'−DDS:4,4'−ジアミノジフェニルスルホン
3,3'−DDS:3,3'−ジアミノジフェニルスルホン
ポレアSL100A:ポリ(テトラメチレン/3−メチルテトラメチレンエーテル)グリコールビス(4−アミノベンゾエート)(イハラケミカル株式会社製ジアミンの商品名、平均分子量:1238(理論量))
エラスマー1000:ポリテトラメチレンオキシド−ジ−P−アミノベンゾエート(イハラケミカル株式会社製ジアミンの商品名、平均分子量:1238(理論量))
MBAA:[ビス(4-アミノ-3-カルボキシ)フェニル]メタン
HAB:4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル
3,5−DABA:3,5−ジアミノ安息香酸
(実施例1)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)及び4,4'−DDS(0.050モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
(接着性評価)
ポリイミド樹脂を1,3−ジオキソランに固形分濃度が20%で溶解し、25μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製、アピカル25NPI)に塗布し、120℃で90分乾燥して、ポリイミドフィルム表面に20μm厚みのフィルムを形成した。この塗膜の接着強度をJIS K−5400に従って碁盤目テープ法で評価した。
碁盤目テープ法で剥がれの無いものを○、升目の半分以上が残存している場合を△、升目の残存量が半分未満のものを×とした。
(弾性率の評価)
ポリイミド樹脂を1,3−ジオキソランに固形分濃度が30%で溶解し、30μmのアルミ箔(東海アルミ社製)に塗布し、120℃で90分乾燥してアルミ箔上の塗膜を得た。この塗膜を塩化第二鉄溶液のエッチング液(サンハヤト社製)に浸漬してエッチングを行い20μmのポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムを
(屈曲性評価)
25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に1,3−ジオキソランに溶解した溶液を最終フィルム厚みが20μmになるように塗布して、120℃で90分乾燥してポリイミドフィルム積層体を得た。本ポリイミドフィルム積層体を30mm×10mmの短冊に切り出して、15mmのところで180°に10回折り曲げて塗膜を目視で確認してクラックの確認を行った。
○:硬化膜にクラックが無いもの
△:硬化膜に若干クラックがあるもの
×:硬化膜にクラックがあるもの
(反り量)
25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製アピカル25NPI)表面に1,3−ジオキソランに溶解した溶液を最終塗工厚みが20μmになるように塗布して、120℃で90分加熱・乾燥してポリイミドフィルム積層体を得た。本ポリイミドフィルム積層体を50mm×50mmの正方形のフィルムを切り出して、塗工面を下にして定盤上におき、反り高さを評価した。尚、フィルムが完全にカールして筒状になるものをカールと記載した。
(実施例2)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、4,4'−DDS(0.045モル)及びMBAA(0.005モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例3)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、4,4'−DDS(0.045モル)及びHAB(0.005モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例4)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、4,4'−DDS(0.045モル)及び3,5−DABA(0.005モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例5)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、4,4'−DDS(0.040モル)及びMBAA(0.010モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例6)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、4,4'−DDS(0.030モル)及びMBAA(0.020モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例7)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.060モル)及び4,4'−DDS(0.040モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例8)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)及び3,3'−DDS(0.050モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例9)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、3,3'−DDS(0.045モル)及びMBAA(0.005モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例10)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.0475モル)、3,3'−DDS(0.0475モル)及びMBAA(0.0050モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例11)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、3,3'−DDS(0.045モル)及びHAB(0.005モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例12)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、3,3'−DDS(0.045モル)及び3,5−DABA(0.005モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例13)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、3,3'−DDS(0.040モル)及びMBAA(0.010モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例14)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、3,3'−DDS(0.030モル)及びMBAA(0.020モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例15)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)、3,3'−DDS(0.010モル)及びMBAA(0.040モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(実施例16)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、ポレアSL100A(0.050モル)及び3,3'−DDS(0.050モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたる6FDA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分の6FDA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(比較例1)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、エラスマー1000(0.060モル)及び4,4'−DDS(0.040モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
(比較例2)
窒素で加圧した、セパラブルフラスコ中に、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が50重量%になるように仕込み、これに、エラスマー1000(0.080モル)及び4,4'−DDS(0.020モル)を投入して完全に溶解した。この溶液中に、全酸二無水物量のうちの90%にあたるBPADA(0.090モル)を投入して50℃に加熱して5時間重合反応を行い、その後に10%分のBPADA(0.010モル)の粉末を投入した。
(イミド化方法)
上記ポリアミド酸溶液をフッ素樹脂コートした金属製のバットに移して、140℃で2時間、190℃で2時間真空乾燥を行って、系内の溶剤を除去しながら熱イミド化反応を行った。
上記ポリイミド樹脂を実施例1と同様の評価方法で評価を行った。その結果を表2に記載する。
Figure 2008063523
Figure 2008063523

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2008063523
    (式中R1、R2、R3は一般式群(1)より選ばれる2価の有機基を示す。同一であってもよいし、異なっていてもよい。R4は、一般式群(2)より選ばれる有機基である。R5は−,−(C=O)−,−C(CH3)2−,−CH2−,−SO2−,−O−,−C(CF3)2−,−CH(CH3)−,−C(CH3)(CH2CH3)−,シクロヘキシルのいずれかから選ばれる基である。R6は-OH、−COOHのいずれかの基である。l、m、n、pは0以上の整数であって、0.05≦l/(l+m+n)≦0.80、0.20≦m/(l+m+n)≦0.70、0≦n/(l+m+n)≦0.50である。)で表される繰り返し単位を有することを特徴とするポリイミド樹脂。
    Figure 2008063523
    Figure 2008063523
    (式中のx、y、z、wは1以上の整数である)
  2. 請求項1記載のポリイミド樹脂が、
    (a)一般式(2)
    Figure 2008063523
    (式中R7は一般式群(1)より選ばれる2価の有機基を示す)
    Figure 2008063523
    で表される芳香族酸二無水物及び
    (b)一般式(3)
    Figure 2008063523
    で表されるジアミン及び
    (c)一般式(4)
    Figure 2008063523
    (式中R8は一般式群(2)から選ばれる1種以上の基である。)
    Figure 2008063523
    (式中のx、y、z、wは1以上の整数である)
    であらわされる両末端にp−アミノ安息香酸エステル基を持つビス−p−アミノベンゾエート類及び、
    (d)一般式(5)
    Figure 2008063523
    (式中R9は−,−(C=O)−,−C(CH 3 )2−,−CH2−,−SO2−,−O−,−C(CF3)2−,−CH(CH3)−,−C(CH3)(CH2CH3)−,シクロヘキシルのいずれかから選ばれる基である。R10は-OH、−COOHのいずれかである。pは0以上である。)を必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂。
  3. プリント配線板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることを特徴とする請求項1または2記載のポリイミド樹脂。
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WO2013008852A1 (ja) * 2011-07-12 2013-01-17 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜及び液晶表示素子

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