JP2008062682A - 車両の人員拘束装置用ガス発生器 - Google Patents

車両の人員拘束装置用ガス発生器 Download PDF

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Masato Hirooka
正人 廣岡
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Abstract

【課題】 固形ガス発生剤の燃焼性が改善され、出力が安定化された車両の人員拘束装置用ガス発生器の提供。
【解決手段】 燃焼室32内には、第1ガス発生剤単位71と第2ガス発生剤単位72からなる円柱状の固形ガス発生剤70が収容されている。点火器40の作動のエネルギーにより、第1ガス発生剤単位71は粉砕されてほぼ完全燃焼し、第1ガス発生剤単位71の燃焼を受けて第2ガス発生剤単位72がほぼ完全燃焼する。よって、未燃焼の粉砕物が燃焼室から流出することがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エアバッグ装置等の車両の人員拘束装置用ガス発生器に関する。
塊状のガス発生剤を複数軸方向に並べて使用するインフレータは既に知られており、例えば、特許文献1(特開平5−213148号公報)の図1に示すような構造が知られている。
複数のガス流出孔17が形成されたハウジング15の内部には、ガス発生剤6とフィルタ2、4が配置されている。ガス発生剤16は、中心部に貫通孔が形成された複数のものが、軸方向に整列して配置されている。
点火装置11に隣接して、第1着火薬7がガス発生剤6の一端側に配置され、第2着火薬9がその反対側に配置されている。点火装置11の作動により、第1着火薬7を着火させると共に、貫通孔を通ってその燃焼エネルギーが第2着火薬9を燃焼させ、ガス発生剤6を両端から燃焼させる仕組みである。
両端から燃焼を開始したガス発生剤6から燃焼ガスが発生し、ハウジング15の周壁部に軸方向に形成された複数のガス流出孔17のうち、先に燃焼が開始されるガス発生剤6の両端側付近から排出される。このため、比較的ガスが排出されやすく、ハウジング内部で圧力がこもりにくい構造であるから、初期の着火燃焼が円滑に進行し難いものと考えられる。
特開平5−213148号公報
本発明は、塊状のガス発生剤を用いた場合の着火性の改善と、出力の安定が確保でき、更に出力の立ち上がりが早く、最大出力を向上させることができる車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供することを課題とする。
〔請求項1〕
請求項1の発明は、課題の解決手段として、
固形ガス発生剤が収容された燃焼室と、前記固形ガス発生剤を着火燃焼させるための点火器を有している車両の人員拘束装置用ガス発生器であり、
前記固形ガス発生剤が、複数の固形ガス発生剤単位が少なくとも前記燃焼室の軸方向に組み合わされた全体として1つの柱状のものであり、その一端面が前記点火器の着火部と対向され、他端面が前記燃焼室の閉塞された燃焼室出口に対向されている、車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
本発明における固形ガス発生剤は、複数の固形ガス発生剤単位が組み合わされ、全体として1つの柱状になっているものである。複数の固形ガス発生剤単位は、隣接するもの同士が接触した状態で、縦方向に積み重ねたり、横方向に並べたりして組み合わせることで、1つの柱状の固形ガス発生剤となったものである。固形ガス発生剤単位の数は特に制限されないが、2〜10個にすることができ、好ましくは2〜6個、より好ましくは2〜4個にすることができる。
1つの固形ガス発生剤単位は所望厚さの板であるが、平面形状が円形、円形に近似した多角形や楕円形でもよい。固形ガス発生剤単位は、厚みは同一でもよいし、異なっていてもよく、2〜6個を組み合わせることができる。例えば、2つの固形ガス発生剤単位を組み合わせるとき、厚み比は、2:8〜8:2の範囲から選択することができる。
このように厚さ(長さ)の小さい固形ガス発生剤単位を使用することで、1つの固形ガス発生剤単位の強度が小さくなり、少なくとも点火器の着火部と対向する固形ガス発生剤単位が粉砕されやすくなる。このため表面積が増加して燃焼効率が上がり、単位時間当たりの発生熱量も増えることから、最大出力も大きくなり、出力の上昇率も大きくなる。このような特性を有していることから、側面衝突エアバッグ用のガス発生器やカーテンエアバッグ用のガス発生器として適している。
本発明における固形ガス発生剤が収容された燃焼室は、一端側に点火器が配置され、他端側に閉塞された燃焼室出口を有するものである。そして、固形ガス発生剤の一端面側は点火器の着火部と対向しており(好ましくは正対しており)、他端面側は閉塞されたガス出口と対向している(好ましくは正対している)。
このような配置関係であることから、点火器の作動による燃焼生成物(火炎、衝撃波、高温ガス等)を受けて、着火部に近接する固形ガス発生剤単位は、燃焼と同時に粉砕され燃焼してガスを発生させるが、特許文献1の発明とは異なりガス出口が近傍に無く、燃焼ガスは反対側の燃焼室出口まで到達する必要があるため、燃焼室の内圧が上昇し易く、ガス発生剤が着火燃焼し易い状態が作り出される。
一方、燃焼室出口近傍の固形ガス発生剤単位は、点火器の作動による燃焼生成物の影響を受けにくく、点火器に近接する固形ガス発生剤単位に比べると粉砕されにくいものと考えられる。しかし、この燃焼室出口近傍の固形ガス発生剤単位は、点火器に近い位置にある粉砕された固形ガス発生剤単位が、未燃焼のまま(即ち、不完全燃焼状態の粉末状のまま)で燃焼室出口から排出されることを物理的に阻止する「阻止壁」のように働いているものと考えられる。
点火器近傍のガス発生剤単位が粉砕されて燃焼し、燃焼室内の圧力が上昇しているため、燃焼室出口近傍のガス発生剤単位は粉砕程度が低くても、着火燃焼し易くなるものと考えられる。
なお、点火器の着火部に充填されている着火薬とは別に、固形ガス発生剤の着火燃焼を補助するブースターや伝火薬を使用することもできるが、本発明の課題を解決し、より好ましい効果を得るためには、前記着火部と固形ガス発生剤との間において、前記したようなブースターや伝火薬が存在しないことがよい。
〔請求項2〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記固形ガス発生剤が、長さ方向に貫通孔を有する柱状のものである、請求項1記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
固形ガス発生剤が貫通孔を有するものの場合、燃焼生成物との接触面積が大きくなるので、着火性能を向上させることができる。なお、貫通孔を有していると、上記した「阻止壁」の作用が十分に発揮されないことも考えられるため、燃焼室出口に最も近い位置の固形ガス発生剤単位のみを孔のないものにすることもできる。また貫通孔は、点火器近傍のガス発生剤単位の燃焼で生じたガスの燃焼室出口への移動経路となるため、貫通孔の内径を調節することで、出口へ到達するガス量の調節や阻止壁としての作用を調節してもよい。
〔請求項3〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記固形ガス発生剤が、少なくとも周面の一部及び端面の一部が前記燃焼室の内壁面に接触されることで軸方向及び半径方向の移動が防止されている、請求項1又は2記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
このようにすることで、固形ガス発生剤が燃焼室内壁と衝突して異音が発生することが防止され、更に前記衝突が繰り返されることにより、固形ガス発生剤が粉化することが防止される。
また、固形ガス発生剤と燃焼室内壁面との間に隙間が存在していると、隙間の発生状態によって、固形ガス発生剤と燃焼生成物との接触状態が不均一になるため、燃焼状態も不均一となり、ガス発生器の出力にばらつきが生じる原因となる。そして、固形ガス発生剤の周面全体と燃焼室内壁が接触していると、燃焼生成物が固形ガス発生剤の端面又は端面と貫通孔内壁面以外(例えば、燃焼室内壁面)と接触することがなくなり、燃焼状態が制御されやすくなるため、前記した移動防止効果に加えて、出力のばらつき発生の抑制にも寄与することができる。
〔請求項4〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記点火器の着火部が、筒状のチャージホルダーと、前記筒状のチャージホルダー内に充填された着火薬を有し、前記筒状のチャージホルダーと前記着火薬がカップ部材で覆われているものであり、
前記筒状のチャージホルダの開口部が前記固形ガス発生剤の端部に対向されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
このようなチャージホルダを有していることで、燃焼生成物の噴出方向をチャージホルダの開口方向に制御できる。よって、燃焼生成物を開口方向に存在する固形ガス発生剤の一端面に集中させることができるため、固形ガス発生剤の粉砕効果が高められる。
〔請求項5〕
本発明は、課題の他の解決手段として、前記点火器の着火部が、筒状のチャージホルダーと、前記筒状のチャージホルダー内に充填された着火薬を有し、前記筒状のチャージホルダーと前記着火薬がカップ部材で覆われているものであり、
前記チャージホルダーの内径が、前記固形ガス発生剤の外径よりも小さく、前記貫通孔の内径よりも大きいものである、請求項2記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器を提供する。
チャージホルダーの内径と、固形ガス発生剤の外径及び貫通孔の内径を調整することにより、固形ガス発生剤の着火性が向上される。
本発明のガス発生器は、2以上の固形ガス発生剤単位が組み合わせられた固形ガス発生剤を用いているため、ガス発生器の組立時におけるガス発生剤の充填作業が容易であり、固形ガス発生剤の着火性が改善されているため、ガス発生器の作動時における出力の立ち上がりが早く、最大出力が向上でき、出力も安定化させることができる。
(1)図1のガス発生器
図1、図3により、本発明のガス発生器を説明する。図1は、本発明のガス発生器の軸方向の断面図、図3は、図1のガス発生器で用いている点火器の軸方向断面図である。図1のガス発生器は、側面衝突用エアバッグと組み合わせるものとして適している。
ガス発生器10は、加圧ガスが充填された加圧ガス室20と、固形ガス発生剤70が配置されたガス発生室30、ディフュザー部60を有している。
加圧ガス室20は、断面が円形で筒状の加圧ガス室ハウジング22により外殻が形成されており、アルゴン、ヘリウムの混合物からなる加圧ガスが充填されている。加圧ガス室ハウジング22は、軸方向及び半径方向に対して対称形である。
加圧ガス室ハウジング22の側面には、加圧ガスの充填孔24が形成されており、加圧ガスを充填した後にピン26により閉塞されている。
ガス発生室30は、ガス発生室ハウジング31により外殻が形成され、内部は燃焼室32となっている。ガス発生室ハウジング31と加圧ガス室ハウジング22は、接合部56において抵抗溶接されている。
燃焼室32(ガス発生室ハウジング31)の一端側には電気式の点火器40が取り付けられており、点火器40の着火部はカップ47(以下「着火部47」というときもある。)で覆われており、燃焼室32内部に突出されている。点火器40は、エアバッグ装置のガス発生器で汎用されている公知のものを用いることができ、図3に示すような構造のものを用いることができる。
点火器40は、点火器本体41が金属製カラーに樹脂42を介して固定されているものである。点火器本体41は、金属製のヘッダ43、筒状のチャージホルダー44、外部電源と接続される一対の導電性ピン45を有している。導電性ピン45同士は、電気的絶縁状態が保たれた上で配置されており、先端部にはブリッジワイヤ(図示せず)が架け渡されている。チャージホルダー44は、燃焼生成物の噴出方向を制御するようにも作用する。
金属製のヘッダ43と筒状のチャージホルダー44で形成される窪みには、着火薬(例えば、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含んだ火薬)46がブリッジワイヤと接触した状態で充填されている。そして、金属製のヘッダ43、筒状のチャージホルダー44及び着火薬46がカップ47で覆われている。カップ47で覆われており、点火器40の作動時に燃焼生成物を発生させる部分が着火部(着火部47)となる。
カップ47は、金属(アルミニウム等)又は非金属製(合成樹脂等)のものを用いることができるが、カップ47として金属製のものを用いる場合は、電気的絶縁性を維持するため、カップ47表面に薄い絶縁膜を形成する。
燃焼室32の内部には、固形ガス発生剤70が収容されている。固形ガス発生剤70は、第1固形ガス発生剤単位71と第2固形ガス発生剤単位72の2つが接触し、X軸方向に並んだ状態で配置されることで、全体として1つの固形ガス発生剤となったものである。第1固形ガス発生剤単位71と第2固形ガス発生剤単位72は、同じ成分からなる同一寸法、同一形状のものである。
第1固形ガス発生剤単位71の端面71aが点火器40の着火部47と正対しており、第2固形ガス発生剤単位72の端面72aが第1破裂板58(燃焼室32の出口となる第1連通孔57を閉塞している)と正対している。図示するとおり、着火部47の外径は、端面71aの外径よりも小さい。
固形ガス発生剤70は、第1固形ガス発生剤単位71の周面71bと第2固形ガス発生剤単位72の周面72bが燃焼室32の内壁面32aと接触し、端面72bの周縁部が内壁斜面32bと接触した状態で収容されている。固形ガス発生剤70の外径と燃焼室32の内径はほぼ同一であるため、周面71b、72bと燃焼室32の内壁面32aは当接された状態にある。このため、固形ガス発生剤70は、半径方向及び加圧ガス室20方向への移動が防止されており、ガス発生器10に対して外部から振動が加えられた場合でも、固形ガス発生剤70が移動して異音を発生したり、粉化したりすることが防止される。
なお、端面71aとの点火器40との間にドーナツ状のクッション部材を介在させることで、端面71aと着火部の頂面47aとの間に間隙が形成されるようにしてもよい。この場合、固形ガス発生剤70の燃焼を阻害しないように、頂面47aがドーナツ状のクッション部材の穴部分に位置し、端面71aの周縁部のみが前記クッション部材の環状面と接するようにする。クッション部材は、可燃性のものでも、不燃性のものでもよいが、好ましくはシリコーン等からなる可燃性のものである。
固形ガス発生剤70(及び第1固形ガス発生剤単位71、第2固形ガス発生剤単位72)は、特開2001−226188号公報、特開2004−155645号公報等で開示されている公知の組成のものを使用することができる。
加圧ガス室20とガス発生室30との間の第1連通孔57(燃焼室32の出口となる)は、第1破裂板58で閉塞されており、ガス発生室30内は常圧に保持されている。第1破裂板58は、周縁部58aにおいてガス発生室ハウジング31に抵抗溶接されている。そして、加圧ガス室20に充填された加圧ガスの圧力により、ガス発生室30側へ椀状に変形している。
加圧ガス室20の他端側には、加圧ガス及び燃焼ガスを排出するガス排出孔62を有するディフュザー部60が接続されており、ディフュザー部60と加圧ガス室ハウジング22は、接合部64において抵抗溶接されている。ディフュザー部60は、ガスを通過させる複数のガス排出孔62を有するキャップ状に形成されている。
加圧ガス室20とディフュザー部60との間の第2連通孔66は、第2破裂板68で閉塞されており、ディフュザー部60内は常圧に保持されている。第2破裂板68は、周縁部68aにおいてディフュザー部60に抵抗溶接されており、加圧ガス室20に充填された加圧ガスの圧力により、ディフューザ60側へ椀状に変形している。
次に、図1に示すガス発生器10を自動車に搭載したエアバッグシステムに組み込んだ場合の動作を説明する。
自動車が衝突して衝撃を受けたとき、作動信号出力手段により、点火器40が作動点火して、着火部47から放出された燃焼生成物が第1固形ガス発生剤単位71の端面71aに衝突する。これにより、第1固形ガス発生剤単位71は粉砕された状態にて燃焼が開始される。特に着火部47の構造として、図3に示すものを用いた場合には、チャージホルダ44により、燃焼生成物の放出方向が第1固形ガス発生剤単位71の端面71aに向かうように制御できるので好ましい。
第1固形ガス発生剤単位71の燃焼により燃焼室32内の圧力が上昇し、第1破裂板58が開裂する。しかし、燃焼生成物が直接衝突しない第2固形ガス発生剤単位72は、第1固形ガス発生剤単位71よりも粉砕されにくいため、第2固形ガス発生剤単位72の存在により、未燃焼状態の粉砕物が第1破裂板58開裂後の第1連通孔57から加圧ガス室20に侵入しにくくなる。
一方、粉砕された第1固形ガス発生剤単位71の燃焼がある程度進行し、燃焼室32の内圧が上昇した状態で、高い燃焼効率で燃焼している粉砕物が第2固形ガス発生剤単位72に接触するため、第2固形ガス発生剤単位72は着火燃焼しやすくなり、未燃焼のままで排出される割合が少なくなる。
このようにして、第1固形ガス発生剤単位71と第2固形ガス発生剤単位72からなる固形ガス発生剤70が燃焼してガスを発生させることで、燃焼室32内部の圧力を上昇させ、第1破裂板58を開裂させる。燃焼ガスは、続いて加圧ガス室ハウジング22内部に至り、加圧ガスと混ざって更に圧力を上昇させ、第2破裂板68を開裂させて、ディフューザ60から排出される。
本発明のガス発生器10は、第1固形ガス発生剤単位71と第2固形ガス発生剤単位72からなる固形ガス発生剤70がほぼ完全に燃焼した状態で燃焼室32内からガスが放出され、未燃焼状態の粉砕物が燃焼室32内から放出されることが抑制されるため、ガス発生器10は、出力の立ち上がりが早く、最大出力も向上され、更に出力のばらつきが小さくなると考えられる。
外径13mm、長さ4mmの2つの固形ガス発生剤単位71、72を用いた図1のガス発生器10と、同じガス発生器10で、全体として同寸法の1つの固形ガス発生剤(外径13mm、長さ8mm)を用いた場合の最大圧力のばらつきを比べると(周知の60Lタンク燃焼試験)、2つの固形ガス発生剤単位71、72を用いた方が最大圧力のばらつきが小さく、安定した出力を得ることができた。
(2)図2のガス発生器
図2〜図5により、本発明のガス発生器を説明する。図1は、本発明の他実施形態であるガス発生器の軸方向の断面図であり、基本的構造は図1のものと同じで、固形ガス発生剤の形態のみが異なっている。図1と同一番号は、同一部材であることを意味する。図2のガス発生器は、側面衝突用エアバッグと組み合わせるものとして適している。
図3は、図2のガス発生器で用いている点火器の軸方向断面図、図4、図5は、本発明のガス発生器で使用できる固形ガス発生剤の平面図である。
図2のガス発生器100では、固形ガス発生剤80は、中心部に貫通孔85を有する第1固形ガス発生剤単位81と、中心部に貫通孔86を有する第2固形ガス発生剤単位82の2つが接触した状態で配置されることで、全体として1つの固形ガス発生剤となったものである。第1固形ガス発生剤単位81と第2固形ガス発生剤単位82は、同じ成分からなる同一寸法、同一形状のものである。
第1固形ガス発生剤単位81の端面81aが点火器40の着火部47と間隔をおいて正対しており、第2固形ガス発生剤単位82の端面82aが第1破裂板58(燃焼室32の出口となる第1連通孔57を閉塞している)と正対している。図示するとおり、着火部47の外径は、端面81aの外径よりも小さい。
固形ガス発生剤80は、第1固形ガス発生剤単位81の周面81bと第2固形ガス発生剤単位82の周面82bが燃焼室32の内壁面32aと接触し、端面82bの周縁部が内壁斜面32bと接触した状態で収容されている。固形ガス発生剤80の外径と燃焼室32の内径はほぼ同一であるため、周面81b、82bと燃焼室32の内壁面32aは当接された状態にある。このため、固形ガス発生剤80は、半径方向及び加圧ガス室20方向への移動が防止されており、ガス発生器100に対して外部から振動が加えられた場合でも、固形ガス発生剤80が移動して異音を発生したり、粉化したりすることが防止される。
なお、端面81aとの点火器40との間にドーナツ状のクッション部材を介在させることで、端面81aと着火部の頂面47aとの間に間隙が形成されるようにしてもよい。この場合、固形ガス発生剤80の燃焼を阻害しないように、頂面47aがドーナツ状のクッション部材の穴部分に位置し、端面81aの周縁部のみが前記クッション部材の環状面と接するようにする。クッション部材は、可燃性のものでも、不燃性のものでもよいが、好ましくはシリコーン等からなる可燃性のものである。
図2のガス発生器100では、ガス発生器10の中心軸Xと、貫通孔85の中心軸と、貫通孔86の中心軸と、点火器40の中心軸は一致している。しかし、2枚の固形ガス発生剤単位81、82を組み合わせて使用することが重要であり、貫通孔85、86はなくても良いものであるから、ガス発生器100の中心軸と、貫通孔85の中心軸と、貫通孔86の中心軸と、点火器40の中心軸は、それぞれ一致していなくてもよい。また、固形ガス発生剤単位81、82は、いずれか一方にのみ貫通孔があるものを使用してもよいし、固形ガス発生剤単位81、82は、それぞれの貫通孔の径、貫通孔の数、貫通孔の形成位置が異なるものを使用してもよい。
着火部(カップ)47のチャージホルダー44の内径D(例えば、4mmにする)は、貫通孔85、86の内径d(例えば、3mmにする)よりも大きくなるように設定されている(D>d)。このような寸法関係を満たしていることにより、固形ガス発生剤80が点火器40側に移動した場合であっても、点火器の着火部47が貫通孔85内に入り込むことが防止される。
固形ガス発生剤80は、図2に示すような形状のものの他、図4、図5に示すような形状のものでもよい。
固形ガス発生剤150は、平面形状が花弁状のものであるため、燃焼室32内に収容したとき、内壁面32aとの間に空間151が形成される。この空間151が、図2のガス発生器100で使用したガス発生剤80の貫通孔85、86に相当するものとなる。
固形ガス発生剤150は、図2の固形ガス発生剤80のように中心部分に貫通孔が形成されたものでもよい。例えば、複数(例えば、6〜10個)の円柱状成形体が円周上に並べられた状態で配置され(中央部に略星形の貫通孔が形成される)、一体化されたものを一単位として、これを複数単位組み合わせることができる。
図4に示す固形ガス発生剤150を図2に示すガス発生器100に適用する場合、点火器40の中心軸と固形ガス発生剤150の中心軸が一致するように配置する。そして空間151が、一端部(点火器40側)から他端部(第1破裂板58側)にかけて、連続して形成されるようにする。
図5に示す固形ガス発生剤250は、円柱状成形体の中心部に貫通孔251を有し、貫通孔251の周囲には、貫通孔251の内径よりも小さな内径の複数(図5では6個)の貫通孔252を有している。このようにして内径の異なる複数の貫通孔を形成することにより、全貫通孔の内壁面の合計表面積が大きくなるので、着火性が向上される。なお、燃焼生成物が貫通孔を通り抜けることを防止するため、貫通孔251の内径は6.5mm以下、貫通孔252の内径は3.5mm以下であることが好ましい。
図5に示す固形ガス発生剤250を図2に示すガス発生器100に適用する場合、点火器40の中心軸と貫通孔251の中心軸が一致するように配置する。
次に、図2に示すガス発生器100を自動車に搭載したエアバッグシステムに組み込んだ場合の動作を説明する。ガス発生器100は、図1のガス発生器10とほぼ同様の動作をするが、固形ガス発生剤80が貫通孔85、86を有しているため、点火器40から遠い位置にある第2固形ガス発生剤単位82の着火性が、固形ガス発生剤70の第2ガス発生剤単位72(図1参照)よりも向上される。
また第1固形ガス発生剤単位81からの燃焼ガスは、貫通孔86を通って第1破裂板58まで届きやすい。但し、貫通孔86の径が小さいため、粉砕された第1固形ガス発生剤単位81は貫通孔86を通過し難く、加圧ガス室20には排出され難い。
外径13mm、内径(貫通孔径)3mm、長さ4mmの2つの固形ガス発生剤単位81、82を用いた図2のガス発生器100と、同じガス発生器100で、全体として同寸法の1つの固形ガス発生剤(外径13mm、長さ8mm)を用いた場合の最大圧力のばらつきを比べると(周知の60Lタンク燃焼試験)、2つの固形ガス発生剤単位81、82を用いた方が最大圧力のばらつきが小さく、安定した出力を得ることができた。
本発明のガス発生器の軸方向断面図。 本発明の別実施形態であるガス発生器の軸方向断面図。 図1、図2で用いる点火器の軸方向の部分断面図。 図2のガス発生器で用いることができる固形ガス発生剤の平面図。 図2のガス発生器で用いることができる別の固形ガス発生剤の平面図。
符号の説明
10、100 ガス発生器
20 加圧ガス室
30 ガス発生室
31 ガス発生室ハウジング
32 燃焼室
40 点火器
47 着火部
50 固形ガス発生剤
51 貫通孔
60 ディフューザ部
70、80 固形ガス発生剤
71、81 第1固形ガス発生剤単位
72、82 第2固形ガス発生剤単位

Claims (5)

  1. 固形ガス発生剤が収容された燃焼室と、前記固形ガス発生剤を着火燃焼させるための点火器を有している車両の人員拘束装置用ガス発生器であり、
    前記固形ガス発生剤が、複数の固形ガス発生剤単位が少なくとも前記燃焼室の軸方向に組み合わされた全体として1つの柱状のものであり、その一端面が前記点火器の着火部と対向され、他端面が前記燃焼室の閉塞された燃焼室出口に対向されている、車両の人員拘束装置用ガス発生器。
  2. 前記固形ガス発生剤が、長さ方向に貫通孔を有する柱状のものである、請求項1記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
  3. 前記固形ガス発生剤が、少なくとも周面の一部及び端面の一部が前記燃焼室の内壁面に接触されることで軸方向及び半径方向の移動が防止されている、請求項1又は2記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
  4. 前記点火器の着火部が、筒状のチャージホルダーと、前記筒状のチャージホルダー内に充填された着火薬を有し、前記筒状のチャージホルダーと前記着火薬がカップ部材で覆われているものであり、
    前記筒状のチャージホルダの開口部が前記固形ガス発生剤の端部に対向されている、請求項1〜3のいずれかに記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
  5. 前記点火器の着火部が、筒状のチャージホルダーと、前記筒状のチャージホルダー内に充填された着火薬を有し、前記筒状のチャージホルダーと前記着火薬がカップ部材で覆われているものであり、
    前記チャージホルダーの内径が、前記固形ガス発生剤の外径よりも小さく、前記貫通孔の内径よりも大きいものである、請求項2記載の車両の人員拘束装置用ガス発生器。
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