JP2008062420A - 直液式筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インキが凍結する0℃未満の環境下で放置したり、或いは、インキが凍結する温度域で色変化するインキを収容して実用に供する場合であっても、筆記時のインキ流出性を損なうことがないと共に、インキを攪拌する攪拌体の腐食によってインキが初期と異なる色調になったり、本来無色になる機能を阻害することもなく、良好な筆記性能を示す直液式筆記具を提供する。
【解決手段】 軸筒内のインキ収容部に、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を含み、pHが2〜7の範囲にある可逆熱変色性水性インキ組成物と、鉄を主成分とし、且つ、クロムを10〜30%含有する金属製攪拌体を収容してなる直液式筆記具。
【選択図】 なし

Description

本発明は可逆熱変色性水性インキ組成物を収容した直液式筆記具に関する。
従来、温度変化により色調が変化する筆跡を形成できる可逆熱変色性水性インキを収容した筆記具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記可逆熱変色性水性インキを収容した筆記具は、インキが凍結する0℃未満の温度域で放置したり、或いは、インキが凍結する温度域で色変化するインキを収容して実用に供する場合、該凍結したインキを再び解凍する過程でインキ流出性が損なわれることがあった。
この問題を解消するために、インキ組成物のpHを3〜7の範囲に調整した可逆熱変色性水性インキ組成物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−117805号公報に記載の可逆熱変色性水性インキ組成物は、軸筒内にインキ吸蔵体を収容した、所謂、中詰式筆記具に有用なインキであるが、該インキを直接収容するタイプの筆記具に適用する場合、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の凝集、沈降を生じ易いため、インキを攪拌する攪拌体をインキと共に収容する必要がある。
前記攪拌体としては比較的比重が大きく、且つ、低コストの鉄製攪拌体が一般的に用いられるが、本発明に用いられる酸性域のインキでは攪拌体が腐食してインキの色調が酸化鉄の色調と混色になり、初期の色調を永続して維持できない。しかも、有色から無色に変色するインキを収容する場合、インキは初期の色調を維持できないと共に、消色時には無色ではなく、酸化鉄による褐色の筆跡が視認されるといった不具合を生じる。
また、酸化鉄がインキ中に分散することによりインキ流出性が損なわれるため、かすれを生じたり、筆記不能になることもある。
特開平11−335613号公報 特開2006−117805号公報
本発明は、初期の色調を永続して維持できると共に、良好なインキ流出性を有する可逆熱変色性水性インキ組成物を収容した直液式筆記具を提供しようとするものである。
本発明は、前記した可逆熱変色性水性インキ組成物を収容した筆記具の問題点を解消しようとするものであって、即ち、軸筒内のインキ収容部に直接インキを収容し、軸筒先端部に設けたペン体と前記インキ収容部が連通してなる筆記具であって、前記インキ収容部に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、水を含むビヒクルとから少なくともなり、インキ組成物のpHが2〜7の範囲にある可逆熱変色性水性インキ組成物と、鉄を主成分とし、且つ、クロムを10〜30%含有する金属製攪拌体を収容してなる直液式筆記具を要件とする。
更には、前記直液式筆記具はペン体とインキ収容部の間に弁機構を設けてなること、前記弁機構は、ペン体の押圧により弁が開く機構であること、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く機構であること、前記ペン体がマーキングペン体であること、前記可逆熱変色性水性インキ組成物の粘度が2乃至20mPa・sの範囲にあること等を要件とする。
本発明は、インキが凍結する0℃未満の環境下で放置したり、或いは、インキが凍結する温度域で色変化するインキを収容して実用に供する場合であっても、筆記時のインキ流出性を損なうことがないと共に、インキを攪拌する攪拌体の腐食によってインキが初期と異なる色調になったり、本来無色になる機能を阻害することもなく、良好な筆記性能を示す直液式筆記具を提供できる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体の三成分を少なくとも含む可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させたものであり、発色状態からの加熱により消色する加熱消色型のマイクロカプセル顔料としては特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。
前記マイクロカプセル顔料は所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、完全消色温度以上の温度域で消色状態、完全発色温度以下の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔH=1〜7℃)を有する(図1参照)。
また、特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔH=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、完全発色温度(t)以下の低温域での発色状態、又は完全消色温度(t)以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t〜tの間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で色彩を記憶保持できる可逆熱変色性組成物をマイクロカプセル中に内包させた加熱消色型のマイクロカプセル顔料も適用できる(図2参照)。
なお、色彩を記憶保持できる加熱消色型のマイクロカプセル顔料としては、(ハ)成分として一般式(1)で示されるエステル化合物を用いると色濃度−温度曲線に関して広いヒステリシス幅(ΔH=40〜70℃)を示して変色するため、好適である。
前記変色前後の両状態のうち常温域で特定の一方の状態のみ存在させるためには、ヒステリシス幅が40〜70℃、好ましくは50〜70℃、更に好ましくは60〜70℃であり、完全消色温度(t)が45℃以上、好ましくは50℃以上であり、且つ、発色開始温度(t)が0℃以下、好ましくは−5℃以下である。
Figure 2008062420
前記エステル化合物は、分子内に芳香環を2個有するアルコール化合物と、炭素数4以上の飽和又は不飽和脂肪酸とから構成されるエステル化合物である。
式中のRは炭素数4以上のアルキル基又はアルケニル基を示すが、好ましくは炭素数6〜20のアルキル基、更に好ましくは炭素数8〜18のアルキル基である。
前記化合物として具体的には、ブタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、デカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ウンデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ドデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナデカン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、エイコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、テトラコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ペンタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘキサコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘプタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、オクタコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ノナコサン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、トリアコンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチル、ヘントリアコンタン酸−4−ベンジルオキシフェニルエチルを例示できる。
更に、電子受容性化合物として炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物(特開平11−129623号公報)、特定のヒドロキシ安息香酸エステル(特開2001−105732号公報)、没食子酸エステル(特公昭51−44706号公報、特開2003−253149号公報)等を用いた加熱発色型のマイクロカプセル顔料を適用することもできる(図3参照)。
前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分の配合割合は、濃度、変色温度、変色形態や各成分の種類に左右されるが、一般的に所望の変色特性が得られる成分比は、(イ)成分1に対して、(ロ)成分0.1〜50、好ましくは0.5〜20、(ハ)成分1〜800、好ましくは5〜200の範囲である(前記割合はいずれも重量部である)。
ここで、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料中、或いは、インキ中に非熱変色性の染料、顔料等の着色剤を配合して、有色(1)から有色(2)への互変的色変化を呈することもできる。
前記マイクロカプセル顔料は、円形断面の形態であっても非円形断面の形態であってもよい。
マイクロカプセル顔料の平均粒子径は0.5〜5.0μm、好ましくは0.5〜3μm、更に好ましくは1〜3μmである。
平均粒子径が5.0μmを越えるとインキ流出性が低下したり、筆記面に対する固着性が低下し易くなる。一方、平均粒子径が0.5μm未満では高濃度の発色性を示し難くなる。
また、可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル壁膜に対する比率が大きくなると、壁膜の厚みが肉薄となり過ぎ、圧力や熱に対する耐性の低下を起こし、逆に、壁膜の可逆熱変色性組成物に対する比率が大きくなると発色時の色濃度及び鮮明性の低下を免れず、よって、可逆熱変色性組成物/壁膜=6/1〜1/1(重量比)が好適である。
前記可逆熱変色性組成物のマイクロカプセル化は、界面重合法、界面重縮合法、in Situ重合法、コアセルベート法、液中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等の手段が適用できる。更にマイクロカプセルの表面には、目的に応じて更に二次的な樹脂皮膜を設けて耐久性を付与させたり、表面特性を改質させて実用に供することもできる。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料は、インキ組成物全量に対し、5〜40重量%、好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量%配合することができる。
5重量%未満では発色濃度が不十分であり、40重量%を越えるとインキ流出性が低下し、筆記性能が阻害される。
前記インキに用いられる媒体としては、水と必要により水溶性有機溶剤が用いられる。
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。
なお、ヒステリシス幅の大きい可逆熱変色性組成物を内包したマイクロカプセル顔料については比重が概ね1を越えるため、適用する水溶性有機溶剤は1.1を超えるものが好適である。
前記インキ中に水溶性の高分子凝集剤を添加することによって、凝集剤がマイクロカプセル顔料粒子間のゆるい橋かけ作用を生じさせ、ゆるい凝集状態を示す。このようなゆるい凝集状態を示すインキはマイクロカプセル顔料の分離を抑制できる。
前記高分子凝集剤としては非イオン性水溶性高分子が用いられ、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、水溶性多糖類等が挙げられる。
前記水溶性多糖類としてはトラガントガム、グアーガム、プルラン、サイクロデキストリン、非イオン性水溶性セルロース誘導体等が挙げられ、非イオン性水溶性セルロース誘導体の具体例としてはメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。
本発明の可逆熱変色性水性インキ組成物においては、マイクロカプセル顔料粒子間のゆるい橋架け作用を示す水溶性高分子であればすべて適用することができるが、なかでも水溶性セルロース誘導体が有効に機能する。
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、水を含むビヒクルとは比重差が存在し、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重(発色時)がビヒクルの比重よりも大きいと、経時により顔料が沈降し易くなり、沈降物がハードケーキ化して再分散性に乏しくなる。逆に、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重(発色時)がビヒクルの比重よりも小さいと、経時により顔料が浮き上がり易くなり、浮遊物がハードケーキ化して再分散性に乏しくなる。
そこで、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とは比重の異なるマイクロカプセル粒子を添加することが好ましく、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重がビヒクルの比重よりも大きい場合は、前記ビヒクルよりも比重が小さいマイクロカプセル粒子を用いる。また、前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の比重がビヒクルの比重よりも小さい場合は、前記ビヒクルよりも比重が大きいマイクロカプセル粒子を用いる。
言い換えれば、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色時の比重とマイクロカプセル粒子の比重の間にビヒクルの比重が存在することになる。
このようなマイクロカプセル粒子を添加することによって、混合されたマイクロカプセル凝集体(可逆熱変色性マイクロカプセル顔料とマイクロカプセル粒子の凝集体)が、ビヒクルの比重近傍に調整されて比重差が減少し、その結果、インキ中で分離し難くなると共に、分離しても容易に再分散させることができる。
前記マイクロカプセル粒子は、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と同様のカプセル形態であり、内包物の種類によって比重を変えることができる。
内包物としては、各種液状体、気体の他、液状体と固体、液状体と気体の併用であってもよい。
前記マイクロカプセル粒子は、インキ組成物全量に対し、2〜20重量%、好ましくは5〜20重量%、更に好ましくは5〜15重量%配合することができる。
2重量%未満では比重の調整効果が不十分であり、15重量%を越えると比重のバランスを損なうことがある。
なお、前記内包物としては、可逆熱変色性マイクロカプセル顔料に内包される(ロ)電子受容性化合物及び(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体を用いることもできる。
その他、必要に応じてベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、サポニン等の防錆剤、石炭酸、1,2−ベンズチアゾリン−3−オンのナトリウム塩、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸プロピル、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン等の防腐剤或いは防黴剤、尿素、ノニオン系界面活性剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、ピロリン酸ナトリム等の湿潤剤、消泡剤、分散剤、インキの浸透性を向上させるフッ素系界面活性剤やノニオン系界面活性剤を使用してもよい。
また、インキの粘度は2〜20mPa・s(20℃)、好ましくは、2〜10mPa・sであり、20mPa・sを超えるとインキ流出性が低下して筆跡がかすれたり、途切れたりすることがある。
前記のようにして得られるインキ組成物は、pHを2〜7、好ましくは3〜6に調整してなる。
前述のようにインキ組成物を酸性域に調整することによって含有される可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の低温域での凝集、沈降を抑制できる。
pHが7を越えると、低温域、即ち、インキが凍結する温度域で放置した時のインキ流出性を損ない易く、また、pHが2未満では、カプセル中に内包した可逆熱変色性組成物の発色性が強くなり、消色時に色残りが発生する不具合を生じ易くなる。
前記インキ組成物は、軸筒内のインキ収容部にインキを撹拌する撹拌体を収容し、ペン体を筆記先端部に装着したマーキングペン、筆ペン、ボールペン等の筆記具に直接収容して実用に供される。
マーキングペン体としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップ等のペン体が挙げられる。
筆ペン体としては、繊維相互を長手方向に密接状に束ねた繊維集束体、連続気孔を有するプラスチックポーラス体、合成樹脂繊維の熱融着乃至樹脂加工体、軟質性樹脂乃至エラストマーの押出成形加工体が挙げられる。
ボールペン体としては、金属を切削加工して内部にボール受け座とインキ導出部を形成したもの、金属製パイプの先端近傍の内面に複数の内方突出部を外面からの押圧変形により設け、前記内方突出部の相互間に、中心部から径方向外方に放射状に延びるインキ流出間隙を形成したものが挙げられる。
前記ボールペンチップに抱持されるボールは、超硬合金、ステンレス鋼、ルビー、セラミック等の外径0.3〜2.0mm、好ましくは0.4〜1.5mm、より好ましくは0.5〜1.0mmのボールが有効である。
なお、前記ボールペンチップには、チップ内にボールの後端を前方に弾発する弾発部材を配して、非筆記時にはチップ先端の内縁にボールを押圧させて密接状態とし、筆記時には筆圧によりボールを後退させてインキを流出可能に構成することもできる。
軸筒は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の熱可塑性樹脂からなる成形体が好適に用いられる。
前記軸筒内に設けられたインキ収容部には、インキが沈降又は浮上した際、筆記具を振ってインキを撹拌する撹拌体を収容してなる。
前記撹拌体の材質は鉄を主成分とし、且つ、クロムを10〜30%、好ましくは13〜30%含有する金属製の攪拌体である。
前記攪拌体を用いることにより、鉄を用いた攪拌体のように錆を生じてインキの色調を損なうことがないと共に、インキ流出性を妨げることもない。
前記鉄を主成分とし、且つ、クロムを10〜30%含有する金属製の攪拌体の材質として具体的には、SUS201、SUS303、SUS303Se、SUS304、SUS304L、SUS304N1、SUS304N2、SUS304LN、SUS304J3、SUS305、SUS305JI、SUS309S、SUS310S、SUS316、SUS316L、SUS321、SUS347、SUS384、SUS303F、SUS303C、SUS430、SUS430F、SUS434、SUS410、SUS416、SUS420J1、SUS420J2、SUS420F、SUS420C等のオーステナイト系ステンレス鋼、フェライト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼を例示できる。
また、前記攪拌体の形状は特に限定されるものではないが、球形状、棒形状が挙げられる。
前記筆記具の軸筒内には、弁機構を配して開弁によりインキ収容部内のインキをペン体に導出する構成が好ましい。
弁機構は弁座と弁(弁棒)と閉弁方向に付勢する弾性部材(コイルバネ)からなる構造が挙げられる。
弁を開く手段としては、軸筒後端に設けたノック部の押圧により弁が開弁する構造、ペン体を押圧して弁が開く構造が挙げられる。
なお、ペン体を押圧して弁が開く構造の場合、筆記時のペン体への筆圧で弁が開くことにより、筆記と共にインキが導出されるため、ペン体を押圧する操作を省略できるため好適である。
前記直液式筆記具より形成される筆跡は、指による擦過や加熱又は冷熱具の適用により変色させることができる。
前記加熱手段としては、抵抗発熱体を装備した通電加熱変色具、温水等を充填した加熱変色具、ヘアドライヤーの適用が挙げられるが、好ましくは、簡便な方法により変色可能な手段として擦過部材が用いられる。
前記擦過部材としては、弾性感に富み、擦過時に適度な摩擦を生じて摩擦熱を発生させることのできるエラストマー、プラスチック発泡体等の弾性体が好適であるが、プラスチック成形体、石材、木材、金属、布帛であってもよい。
なお、消しゴムを使用して筆跡を擦過することもできるが、擦過時に消しカスが発生するため、好ましくは前述のような擦過部材が用いられる。
前記擦過部材の材質としては、シリコーン樹脂やSEBS樹脂(スチレンエチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)が好適に用いられるが、シリコーン樹脂は擦過により消去した部分に樹脂が付着し易く、繰り返し筆記した際に筆跡がはじかれる傾向にあるため、SEBS樹脂がより好適に用いられる。
前記擦過部材は筆記具と別体の任意形状の部材であってもよいが、筆記具に固着させることにより、携帯性に優れる。
前記擦過部材を固着する箇所は、キャップ先端部(頂部)、或いは、軸筒後端部(筆記先端部を設けていない部分)が挙げられる。
更に、キャップの一部、或いは軸筒の一部に任意形象の小突部を設けて擦過部材とすることもできる。
冷却手段としては、ペルチエ素子を利用した冷熱変色具、冷水、氷片等の冷媒を充填した冷熱変色具、冷蔵庫や冷凍庫の適用が挙げられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、実施例中の部は重量部を示す。
実施例1
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン2.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により橙色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.0部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、カプリン酸ステアリル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、表面張力調整剤0.2部、水63.08部、10%希釈リン酸溶液0.2部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約5.5に調整して可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
直液式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を橙色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(SUS−304フェライト系ステンレス鋼球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、前記キャップには頂部に擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記筆記具を用いて紙面に筆記して橙色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で橙色を呈しており、キャップに装着した擦過部材を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元の橙色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例2
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソベンゾフラン]−3−オン2.0部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃であり、完全発色温度は−20℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
4、4′−(2−エチルヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール6.0部、ステアリン酸ブチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料14.0部、マイクロカプセル粒子6.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、表面張力調整剤0.2部、水62.28部、10%希釈リン酸溶液1.0部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約4.1に調整して可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
直液式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(SUS−304Lフェライト系ステンレス鋼球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、前記キャップには頂部に擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記してピンク色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)でピンク色を呈しており、キャップに装着した摩擦体を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元のピンク色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例3
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン4.5部、(ロ)成分として4,4′−(2−メチルプロピリデン)ビスフェノール3.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン5.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により黒色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.0部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、ミリスチン酸デシル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料16.0部、マイクロカプセル粒子9.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、表面張力調整剤0.2部、水55.28部、10%希釈リン酸溶液3.0部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約3.0に調整して可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
直液式筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黒色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(SUS−304J3フェライト系ステンレス鋼球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、軸筒後端部には擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記して黒色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で黒色を呈しており、軸筒に装着した摩擦体を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元の黒色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例4
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として4−[2,6−ビス(2−エトキシフェニル)−4−ピリジニル]−N,N−ジメチルベンゼンアミン4.0部、(ロ)成分として、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン10.0部、(ハ)成分としてカプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の発色時の平均粒子径は2.5μm、完全消色温度は60℃、完全発色温度は−20℃であり、温度変化により黄色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン3.0部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン3.0部、カプリン酸ステアリル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.5μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料13.0部、マイクロカプセル粒子7.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、表面張力調整剤0.2部、水60.28部、10%希釈リン酸溶液3.0部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約3.0に調整した可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
筆記具の作製
前記インキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(SUS−304LNフェライト系ステンレス鋼球、直径3mm)、軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、軸筒後端部には擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記して黄色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)で黄色を呈しており、軸筒に装着した摩擦体を用いて文字を擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、−20℃以下に冷却することにより、元の黄色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
実施例5
可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の調製
(イ)成分として2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル−スピロ[5H−[1]ベンゾピラノ[2、3−g]ピリミジン−5,1′(3′H)−イソボンゾフラン]−3−オン2.5部、(ロ)成分として4、4′−(2−エチルヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール4.0部、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン4.0部、(ハ)成分としてカプリン酸セチル10.0部、カプリン酸ステアリル40.0部からなる可逆熱変色性組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けて可逆熱変色性マイクロカプセル顔料懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離して可逆熱変色性マイクロカプセル顔料を単離した。
尚、前記マイクロカプセル顔料の平均粒子径は2.4μm、完全消色温度は33℃、完全発色温度は24℃であり、温度変化によりピンク色から無色に変色する。
マイクロカプセル粒子の調製
4、4′−(2−エチルヘキサン−1,1−ジイル)ジフェノール6.0部、カプリン酸4−ベンジルオキシフェニルエチル50.0部からなる組成物を均一に加温溶解し、壁膜材料として芳香族多価イソシアネートプレポリマー25.0部、助溶剤50.0部を混合した溶液を、8%ポリビニルアルコール水溶液中で微小滴になるように乳化分散し、70℃で約1時間攪拌を続けた後、水溶性脂肪族変性アミン2.5部を加え、更に6時間攪拌を続けてマイクロカプセル粒子懸濁液を得た。
前記懸濁液を遠心分離してマイクロカプセル粒子を単離した。
尚、前記マイクロカプセル粒子の平均粒子径は2.3μmであった。
可逆熱変色性水性インキ組成物の調製
前記可逆熱変色性マイクロカプセル顔料12.0部、マイクロカプセル粒子8.0部、ヒドロキシエチルセルロース〔ユニオンカーバイド日本(株)製、商品名:セロサイズWP−09L〕0.5部、グリセリン15.0部、消泡剤0.02部、防腐剤1.0部、表面張力調整剤0.2部、水63.08部、10%希釈リン酸溶液0.2部を加えて、均一に攪拌を行い、インキのpHを約5.5に調整して可逆熱変色性水性インキ組成物を得た。
直液式筆記具の作製
前記インキ(予め24℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(SUS−304N2フェライト系ステンレス鋼球、直径3mm)、軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[砲弾型繊維ペン体(気孔率約50%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなる。
前記マーキングペンを用いて紙面に筆記してピンク色の文字(筆跡)を形成した。
前記筆跡は、室温(25℃)でピンク色を呈しており、指で擦過すると、該文字は消色して無色となり、この状態は、室温下では保持されており、24℃以下に冷却することにより、元のピンク色に復色し、前記変色挙動は繰り返し再現された。
比較例1
直液式筆記具の作製
実施例1で調製したインキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を橙色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(鉄球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、前記キャップには頂部に擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
比較例2
直液式筆記具の作製
実施例2で調製したインキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料をピンク色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(鉄球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、前記キャップには頂部に擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
比較例3
直液式筆記具の作製
実施例3で調製したインキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黒色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(鉄球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、軸筒後端部には擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
比較例4
直液式筆記具の作製
実施例4で調製したインキ(予め−20℃以下に冷却してマイクロカプセル顔料を黄色に発色させた後、室温下で放置したもの)と、撹拌体(鉄球、直径3mm)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなり、軸筒後端部には擦過部材としてSEBS樹脂を装着してなる。
比較例5
直液式筆記具の作製
実施例5で調製したインキと、撹拌体(ニッケルメッキを施した鉄球、直径3mm球)を軸筒内に内蔵し、弁機構を介在させて先端部にマーキングペン体[チゼル型繊維ペン体(気孔率約53%)]を取り付けて直液式筆記具(マーキングペン)を得た。
なお、前記弁機構は、筆記時のペン体への筆圧で弁が開く構造である。
前記直液式筆記具には着脱自在のキャップを備えてなる。
前記各実施例及び比較例で得た直液式筆記具を用いて以下の試験を行った。
経時試験
実施例1乃至5及び比較例1乃至5で作製した筆記具を50℃の恒温槽に入れて30日間放置した後、恒温槽から取り出して20℃の室温下で放冷し、紙面に筆記して筆跡の色調を観察した。
更に、前記筆記具から攪拌体を取出し、目視により攪拌体の状態を観察した。
試験結果を以下の表に示す。
Figure 2008062420
表中の筆跡の色調に関する評価の記号は以下の通りである。
○:初期と同様の色調であり、擦過により無色になる。
×:初期の色調と異なっており、擦過しても無色にならない(褐色の筆跡になる)。
表中の攪拌体の状態に関する評価の記号は以下の通りである。
○:腐食はみられない。
×:腐食がみられる。
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 色彩記憶性を有する加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。 加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の変色挙動を示す説明図である。
符号の説明
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱消色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全消色温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の消色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の発色開始温度
加熱発色型の可逆熱変色性マイクロカプセル顔料の完全発色温度

Claims (6)

  1. 軸筒内のインキ収容部に直接インキを収容し、軸筒先端部に設けたペン体と前記インキ収容部が連通してなる筆記具であって、前記インキ収容部に(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、(ハ)前記両者の呈色反応の生起温度を決める反応媒体からなる可逆熱変色性組成物を内包させた可逆熱変色性マイクロカプセル顔料と、水を含むビヒクルとから少なくともなり、インキ組成物のpHが2〜7の範囲にある可逆熱変色性水性インキ組成物と、鉄を主成分とし、且つ、クロムを10〜30%含有する金属製攪拌体を収容してなる直液式筆記具。
  2. 前記ペン体とインキ収容部の間に弁機構を設けてなる請求項1記載の直液式筆記具。
  3. 前記弁機構は、ペン体の押圧により弁が開く機構である請求項1又は2記載の直液式筆記具。
  4. 筆記時のペン体への筆圧で弁が開く機構である請求項3記載の直液式筆記具。
  5. 前記ペン体がマーキングペン体である請求項1乃至4のいずれかに記載の直液式筆記具。
  6. 前記可逆熱変色性水性インキ組成物の粘度が2乃至20mPa・sの範囲にある請求項1乃至5のいずれかに記載の直液式筆記具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018070741A (ja) * 2016-10-28 2018-05-10 株式会社パイロットコーポレーション 熱変色性筆記具インキ組成物及びそれを内蔵した筆記具

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