JP2008062240A - はんだペースト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非常に高いレベルの印刷性および耐だれ性(印刷時および放置時)を発現することができるはんだペースト組成物を提供する。
【解決手段】 本発明のはんだペースト組成物は、はんだ合金粉末とフラックスとを含有してなるはんだペースト組成物であって、前記フラックスが、チキソ剤として、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドを含有する。前記脂肪酸トリアミドは、トリアミン化合物(C)1モルに対して、脂肪酸(A)1.5〜2.5モルおよびヒドロキシ脂肪酸(B)0.5〜1.5モルを反応させて得られるものであることが好ましく、前記脂肪酸トリアミドの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜40重量%であることが好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明のはんだペースト組成物は、はんだ合金粉末とフラックスとを含有してなるはんだペースト組成物であって、前記フラックスが、チキソ剤として、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドを含有する。前記脂肪酸トリアミドは、トリアミン化合物(C)1モルに対して、脂肪酸(A)1.5〜2.5モルおよびヒドロキシ脂肪酸(B)0.5〜1.5モルを反応させて得られるものであることが好ましく、前記脂肪酸トリアミドの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜40重量%であることが好ましい。
【選択図】 なし
Description
本発明は、例えば、電気、電子分野において、電子部品等をプリント基板へはんだ付けする際に好適に用いられるはんだペースト組成物に関する。
従来から、回路基板に電子回路部品等をはんだ接続するために、種々のはんだペーストが用いられている。はんだペーストは、一般に、はんだ粉末とフラックスとから構成されており、フラックスは、通常、ベース樹脂、活性剤、チキソ剤、溶剤等の成分からなる。これらのうち、チキソ剤は、はんだ粉末(比重:約7〜8)と、チキソ剤を除くフラックス成分の混合物(比重:約1)との比重差に起因する両者の分離を防止すること、はんだペーストを回路基板等に印刷する際に印刷性(メタルマスクからの転写性)を向上させること、印刷後のペーストを放置した際に生じるだれ(型くずれ)を防止すること等の目的で添加されるものであり、はんだ付けの作業性を大きく左右する重要な成分である。
近年、電子機器の小型化によって実装技術も高密度化され、安定性、信頼性、粘着性、はんだ付け性等が良好であるのは勿論のこと、印刷性が良好で、印刷時および放置時にだれが発生しないはんだペーストが要求されている。
これまでに、印刷性や耐だれ性(印刷時および放置時)に関する性能向上を実現するため、(a)脂肪酸ビスアミドあるいはヒドロキシ脂肪酸ビスアミド等のビスアミド系のチキソ剤を使用する、(b)N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミドのようなトリアミド化合物をチキソ剤として使用する、等の手段が提案されてきた。前記(a)の具体例としては、アルキルジアミンと有機酸とを反応させたビスアミド、あるいは二塩基酸とアルキルアミンとを反応させたビスアミドをチキソ剤として含有させたクリームはんだ(特許文献1参照)が、前記(b)の具体例としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド(具体的には、味の素(株)製の油ゲル化剤「GP−1」を市販品として使用)をチキソ剤として含有させたソルダーペースト(特許文献2参照)がある。
これまでに、印刷性や耐だれ性(印刷時および放置時)に関する性能向上を実現するため、(a)脂肪酸ビスアミドあるいはヒドロキシ脂肪酸ビスアミド等のビスアミド系のチキソ剤を使用する、(b)N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミドのようなトリアミド化合物をチキソ剤として使用する、等の手段が提案されてきた。前記(a)の具体例としては、アルキルジアミンと有機酸とを反応させたビスアミド、あるいは二塩基酸とアルキルアミンとを反応させたビスアミドをチキソ剤として含有させたクリームはんだ(特許文献1参照)が、前記(b)の具体例としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド(具体的には、味の素(株)製の油ゲル化剤「GP−1」を市販品として使用)をチキソ剤として含有させたソルダーペースト(特許文献2参照)がある。
上記特許文献1のようにビスアミド系のチキソ剤を用いた場合、印刷性や耐だれ性に関してある程度の性能向上は達成できるが、今後さらに電子機器等の小型化が加速すると推測されるなか、実装の高密度化がさらに進んだ場合の微細ピッチ部において充分に満足しうるだけの印刷性と耐だれ性を発現するには程遠いレベルであった。
また、上記特許文献2においてチキソ剤として用いられているトリアミド化合物は、アミド基に結合しているアルキル基が炭素数4〜11と比較的短いため、印刷性の向上効果が不充分となるおそれがあるとともに、構造中にヒドロキシル基を含有していないため、水素結合による網目構造が形成されにくくなり、だれの抑制効果も不充分になることが懸念されるものであった。
また、上記特許文献2においてチキソ剤として用いられているトリアミド化合物は、アミド基に結合しているアルキル基が炭素数4〜11と比較的短いため、印刷性の向上効果が不充分となるおそれがあるとともに、構造中にヒドロキシル基を含有していないため、水素結合による網目構造が形成されにくくなり、だれの抑制効果も不充分になることが懸念されるものであった。
このように、これまでのはんだペーストでは、電子機器等の小型化に起因する実装の高密度化に対応するのは困難であり、高密度実装においても良好な印刷性および耐だれ性を発現しうるはんだペーストが強く望まれていた。
そこで、本発明は、非常に高いレベルの印刷性および耐だれ性(印刷時および放置時)を発現することができるはんだペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、はんだペースト印刷時の転写現象とだれ(特に放置時のだれ)の発生について鋭意研究を重ねた結果、はんだペースト中のフラックスに含まれるチキソ剤の性能が、はんだペーストのメタルマスクへの充填性や転写性およびだれ特性に影響を及ぼしていることを究明した。すなわち、フラックス中のチキソ剤に充分な潤滑性能がない場合、メタルマスクの開口部に充填されたはんだペーストは、開口部壁面との滑りが悪くなり、良好に転写されにくくなること、フラックス中のチキソ剤のゲル化性能(水素結合等により網状構造を形成しゲル化する性能)が低いと、チキソトロピー性が減少することになり、だれやフラックスの流出によるはんだボール等の不良が起きること、が判った。そして、従来からチキソ剤として公知のトリアミン化合物と脂肪酸とから構成されるトリアミドに潤滑性能とゲル化性能を付与するべく、その構造と構成成分に着目してさらに検討を重ねた。その結果、構成成分とする酸成分(脂肪酸)の炭素数を14〜22と従来よりも高く設定することにより、潤滑性が顕著に向上すること、および、構成成分にヒドロキシ脂肪酸を加えることにより、水素結合による網目構造の形成が促進されゲル化性能が高まること、を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成からなる。
(1)はんだ合金粉末とフラックスとを含有してなるはんだペースト組成物であって、
前記フラックスが、チキソ剤として、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドを含有する、ことを特徴とするはんだペースト組成物。
(2)前記脂肪酸トリアミドは、トリアミン化合物(C)1モルに対して、脂肪酸(A)1.5〜2.5モルおよびヒドロキシ脂肪酸(B)0.5〜1.5モルを反応させて得られるものである前記(1)記載のはんだペースト組成物。
(3)前記脂肪酸トリアミドの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜40重量%である前記(1)または(2)記載のはんだペースト組成物。
(1)はんだ合金粉末とフラックスとを含有してなるはんだペースト組成物であって、
前記フラックスが、チキソ剤として、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドを含有する、ことを特徴とするはんだペースト組成物。
(2)前記脂肪酸トリアミドは、トリアミン化合物(C)1モルに対して、脂肪酸(A)1.5〜2.5モルおよびヒドロキシ脂肪酸(B)0.5〜1.5モルを反応させて得られるものである前記(1)記載のはんだペースト組成物。
(3)前記脂肪酸トリアミドの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜40重量%である前記(1)または(2)記載のはんだペースト組成物。
本発明によれば、非常に高いレベルの印刷性および耐だれ性(印刷時および放置時)を発現させることができる、という効果が得られる。本発明において得られる印刷性および耐だれ性は、従来よりもはるかに高いレベルにあり、高密度で実装する場合にも良好な性能を実現することができる。したがって、本発明によれば、電子機器等の今後のさらなる小型化に伴う高密度実装にも対応可能であり、その貢献が大いに期待される。
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
本発明のはんだペースト組成物は、はんだ合金粉末とフラックスとを含有するものであり、このフラックスが、チキソ剤として特定の脂肪酸トリアミドを含有する。
すなわち、本発明において、チキソ剤として含有させる脂肪酸トリアミドは、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドである。これにより、非常に優れた印刷性および耐だれ性(印刷時および放置時)を達成することができる。
本発明のはんだペースト組成物は、はんだ合金粉末とフラックスとを含有するものであり、このフラックスが、チキソ剤として特定の脂肪酸トリアミドを含有する。
すなわち、本発明において、チキソ剤として含有させる脂肪酸トリアミドは、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドである。これにより、非常に優れた印刷性および耐だれ性(印刷時および放置時)を達成することができる。
前記脂肪酸(A)は、炭素数14〜22、好ましくは炭素数16〜20である脂肪酸であれば、特に制限はない。具体的には、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸;パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、ステアロル酸、ベヘノル酸、アラキドン酸、ブラシジン酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。これらの中でも、飽和脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が好ましく、不飽和脂肪酸としては、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸が好ましい。これら脂肪酸は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの混合物である動植物油脂肪酸(例えば、牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸等)も前記脂肪酸(A)として使用することができる。
前記ヒドロキシ脂肪酸(B)は、炭素数14〜22、好ましくは炭素数16〜20でありヒドロキシル基を有する脂肪酸であれば、特に制限はない。具体的には、例えば、ヒドロキシミリスチン酸、ヒドロキシパルミチン酸、ジヒドロキシパルミチン酸、ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸、ヒドロキシマルガリン酸、リシノレイン酸、リシネライジン酸、リノレン酸等が挙げられる。これらの中でも特に、ヒドロキシステアリン酸、ジヒドロキシステアリン酸、リシノレイン酸が好ましい。これらのヒドロキシ脂肪酸は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの混合物である動植物油脂肪酸(例えば、ヒマシ油脂肪酸、水添ヒマシ油脂肪酸等)も前記ヒドロキシ脂肪酸(B)として使用することができる。
前記トリアミン化合物(C)は、アミド結合を形成しうる1級または2級アミノ基を3つ有する化合物であればよく、脂肪族トリアミン、芳香族トリアミン、脂環式トリアミン等のいずれであってもよい。具体的には、例えば、ジエチレントリアミン、イミノ−ビス−プロピルアミン、ジメチレントリアミン、ジアミノジフェニルアミン、トリアミノベンゼン、トリアミノ−ジフェニルエーテル、ジヘキサメチレントリアミン等が挙げられる。これらの中でも特に、ジエチレントリアミン、イミノ−ビス−プロピルアミン、トリアミノベンゼンが好ましい。
前記脂肪酸(A)、前記ヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を反応させて脂肪酸トリアミドを得るにあたり、これら3成分の使用割合は特に限定されないが、トリアミン化合物(C)1モルに対して、脂肪酸(A)1.5〜2.5モルおよびヒドロキシ脂肪酸(B)0.5〜1.5モルを反応させることが好ましい。これにより、得られた脂肪酸トリアミドは、その構造中に網目構造の形成に最適な量のヒドロキシル基を有するものとなり、はんだペースト組成物に良好なゲル化性能を付与することが可能になる。
また、脂肪酸(A)とヒドロキシ脂肪酸(B)の合計量は、トリアミン化合物(C)1モルに対して2.0〜4.0モルとすることが好ましい。トリアミン化合物(C)に対して酸成分(脂肪酸(A)およびヒドロキシ脂肪酸(B))が少なすぎると、未反応のアミンが多量に残存し、この残存アミンがフラックス内に添加する有機酸と反応して活性力を低下させるおそれがあり、一方、多すぎると、未反応の脂肪酸(A)またはヒドロキシ脂肪酸(B)が多量に残存し、信頼性低下の原因となるおそれがある。
また、脂肪酸(A)とヒドロキシ脂肪酸(B)の合計量は、トリアミン化合物(C)1モルに対して2.0〜4.0モルとすることが好ましい。トリアミン化合物(C)に対して酸成分(脂肪酸(A)およびヒドロキシ脂肪酸(B))が少なすぎると、未反応のアミンが多量に残存し、この残存アミンがフラックス内に添加する有機酸と反応して活性力を低下させるおそれがあり、一方、多すぎると、未反応の脂肪酸(A)またはヒドロキシ脂肪酸(B)が多量に残存し、信頼性低下の原因となるおそれがある。
前記脂肪酸(A)、前記ヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を反応させて脂肪酸トリアミドを得るにあたり、反応方法や反応条件等に関しては、特に制限はなく、従来公知の酸アミド合成に関わる方法や条件を適宜採用すればよい。例えば、反応温度は150〜200℃とするのが好ましく、反応時間は2〜24時間とするのが好ましい。また、反応中には、アミド化反応の進行に伴い生じる反応生成水を、適宜反応系内から除去することが好ましい。
フラックス中に占める前記脂肪酸トリアミドの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜40重量%であることが好ましい。脂肪酸トリアミドが0.5重量%未満であると、チキソ剤としてのだれ防止効果が不充分になるおそれがあり、一方、40重量%を超えると、ローリング性等印刷時の作業性に悪影響が生じることがあるので、いずれも好ましくない。
本発明のはんだペースト組成物におけるフラックスは、チキソ剤として前記脂肪酸トリアミドを含有すること以外は、その組成について限定されるものではないが、通常、ベース樹脂、活性剤、有機溶剤等を含有することが好ましい。また、前記脂肪酸トリアミド以外の従来公知のチキソ剤を含有させることもできる。
ベース樹脂としては、ロジン系、合成樹脂系を問わず従来公知の樹脂を用いることができる。例えば、WWロジン、重合ロジン、水添ロジンはもちろん、ロジンエステル、マレイン酸変性ロジン、アクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂等が好ましく挙げられる。 ベース樹脂の含有量は、特に制限されないが、例えば、フラックス総量に対して20〜80重量%とするのがよい。
活性剤としては、例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、アニリン等のハロゲン化水素酸塩、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、アジピン酸、ジフェニル酢酸等の有機カルボン酸など、従来公知のものが挙げられる。活性剤の含有量は、適宜設定すればよいが、フラックス総量に対して0.1〜20重量%とするのがよい。
有機溶剤としては、例えば、テルピネオール、ヘキシレングリコール、ブチルカルビトール、ベンジルアルコール、イソパルミチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどのアルコール類、ジイソブチルアジペート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレートなどのエステル類、ヘキサデカン、ドデシルベンゼンなどの炭化水素類等が好ましく挙げられる。有機溶剤の含有量は、適宜設定すればよいが、フラックス総量に対して5〜80重量%とするのがよい。
前記脂肪酸トリアミド以外のチキソ剤としては、例えば、硬化ひまし油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステアリン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチレンビスアミド等のほか、特許文献1に記載のビスアミド系化合物や特許文献2に記載のN−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジ−n−ブチルアミド等を併用することができる。これら前記脂肪酸トリアミド以外のチキソ剤を併用する場合、その含有量は、フラックスに添加するチキソ剤の総量に対して1〜75重量%であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物におけるはんだ合金粉末としては、特に制限はなく、一般に用いられている錫−鉛合金、さらに銀、ビスマスまたはインジウムなどを添加した錫−鉛合金等を用いることができる。また、錫−銀系、錫−銅系、錫−銀−銅系等の鉛フリー合金を用いることもできる。なお、はんだ合金粉末の粒径は、5〜50μm程度であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物におけるフラックスとはんだ合金粉末との重量比(フラックス:はんだ合金粉末)は、必要とされるはんだペーストの用途や機能に応じて適宜設定すればよく、特に制限されないが、5:95〜20:80程度であるのがよい。
本発明のはんだペースト組成物には、前述した各成分のほかに、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに、酸化防止剤、防錆剤、キレート化剤等を添加してもよい。なお、これらは、フラックス含有成分としてフラック調製時に添加してもよいし、フラックスとはんだ合金粉末とを混合する際に添加するようにしてもよい。
本発明のはんだペースト組成物は、電子機器部品等をはんだ接続する際に、ディスペンサーやスクリーン印刷等により基板上に塗布される。そして、塗布後、例えば150〜200℃程度でプリヒートを行い、最高温度170〜250℃程度でリフローを行う。基板上への塗布およびリフローは、大気中で行ってもよく、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性雰囲気中で行ってもよい。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(合成例1)
反応容器中に、A成分としてステアリン酸2.0モルと、B成分としてヒドロキシステアリン酸1.0モルと、C成分としてジエチレントリアミン1.0モルとを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、昇温とともに生じた反応生成水を留出させながら160℃まで昇温した。その後、160℃で3時間アミド化反応を行ったのち、得られた反応生成物を固化させ、トリアミド(1)を得た。
反応容器中に、A成分としてステアリン酸2.0モルと、B成分としてヒドロキシステアリン酸1.0モルと、C成分としてジエチレントリアミン1.0モルとを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、昇温とともに生じた反応生成水を留出させながら160℃まで昇温した。その後、160℃で3時間アミド化反応を行ったのち、得られた反応生成物を固化させ、トリアミド(1)を得た。
(合成例2)
反応容器中に、A成分としてステアリン酸1.0モルと、B成分としてヒドロキシミリスチン酸2.0モルと、C成分としてイミノ−ビス−プロピルアミン1.0モルとを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、昇温とともに生じた反応生成水を留出させながら160℃まで昇温した。その後、160℃で3時間アミド化反応を行ったのち、得られた反応生成物を固化させ、トリアミド(2)を得た。
反応容器中に、A成分としてステアリン酸1.0モルと、B成分としてヒドロキシミリスチン酸2.0モルと、C成分としてイミノ−ビス−プロピルアミン1.0モルとを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、昇温とともに生じた反応生成水を留出させながら160℃まで昇温した。その後、160℃で3時間アミド化反応を行ったのち、得られた反応生成物を固化させ、トリアミド(2)を得た。
(合成例3)
反応容器中に、A成分としてパルミチン酸2.0モルと、B成分としてジヒドロキシステアリン酸1.0モルと、C成分としてトリアミノベンゼン1.0モルとを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、昇温とともに生じた反応生成水を留出させながら180℃まで昇温した。その後、180℃で5時間アミド化反応を行ったのち、得られた反応生成物を固化させ、トリアミド(3)を得た。
反応容器中に、A成分としてパルミチン酸2.0モルと、B成分としてジヒドロキシステアリン酸1.0モルと、C成分としてトリアミノベンゼン1.0モルとを仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら徐々に加熱し、昇温とともに生じた反応生成水を留出させながら180℃まで昇温した。その後、180℃で5時間アミド化反応を行ったのち、得られた反応生成物を固化させ、トリアミド(3)を得た。
(実施例1〜6および比較例1〜3)
表1に示す各成分を表1に示す配合組成で容器に仕込み、加熱溶解後、冷却し、フラックスをそれぞれ得た。
次いで、得られた各フラックスと、Sn−Ag−Cu合金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなるはんだ合金粉末(粒径30〜20μm)とを、フラックス:はんだ合金粉末=11:89(重量比)の比率で混合して、はんだペースト組成物をそれぞれ得た。
得られた各はんだペースト組成物は以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
表1に示す各成分を表1に示す配合組成で容器に仕込み、加熱溶解後、冷却し、フラックスをそれぞれ得た。
次いで、得られた各フラックスと、Sn−Ag−Cu合金(Sn:Ag:Cu=96.5:3.0:0.5(重量比))からなるはんだ合金粉末(粒径30〜20μm)とを、フラックス:はんだ合金粉末=11:89(重量比)の比率で混合して、はんだペースト組成物をそれぞれ得た。
得られた各はんだペースト組成物は以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
<印刷性(印刷転写率)>
0.25mmφ、厚み130μmの開口を有するCSP部品パターンを備えたメタルマスクを用いて基板にはんだペースト組成物を印刷した。印刷開始から5枚目の基板を抜き取り、基板上に転写されたはんだペースト組成物の体積をレーザースキャン方式印刷はんだ検査機により測定し、メタルマスクの開口寸法と厚みとの積で求められる理論体積に対する実測体積の割合を百分率で示した値を転写率(%)として算出した。そして、CSP部品パターン100個の平均転写率(%)を印刷転写率とした。
0.25mmφ、厚み130μmの開口を有するCSP部品パターンを備えたメタルマスクを用いて基板にはんだペースト組成物を印刷した。印刷開始から5枚目の基板を抜き取り、基板上に転写されたはんだペースト組成物の体積をレーザースキャン方式印刷はんだ検査機により測定し、メタルマスクの開口寸法と厚みとの積で求められる理論体積に対する実測体積の割合を百分率で示した値を転写率(%)として算出した。そして、CSP部品パターン100個の平均転写率(%)を印刷転写率とした。
<耐だれ性(印刷直後および放置後のだれ)>
JIS−Z−3284付属書7に規定された、だれ評価試験用の基板上にステンシルを置き、適当なスキージを用いてはんだペースト組成物を印刷した。そして、室温で1時間基板を放置したときのだれ(mm)を測定し、印刷直後のだれとした。他方、同様に印刷したのち、室温で24時間放置したときのだれ(mm)を測定し、放置後のだれとした。なお、印刷は、2種類のパターンを印刷したはんだペースト組成物の全てが一体とならない最小間隔で行った。
JIS−Z−3284付属書7に規定された、だれ評価試験用の基板上にステンシルを置き、適当なスキージを用いてはんだペースト組成物を印刷した。そして、室温で1時間基板を放置したときのだれ(mm)を測定し、印刷直後のだれとした。他方、同様に印刷したのち、室温で24時間放置したときのだれ(mm)を測定し、放置後のだれとした。なお、印刷は、2種類のパターンを印刷したはんだペースト組成物の全てが一体とならない最小間隔で行った。
表1から、本発明における特定の脂肪酸トリアミドを含有する実施例1〜6のはんだペースト組成物は、いずれも、優れた印刷転写率を達成し、しかも、印刷直後およびその後放置した場合にもだれを殆ど生じないことがわかる。これに対し、チキソ剤として従来最も汎用されていた硬化ひまし油を使用した場合(比較例1)、前記特許文献1に記載のチキソ剤を使用した場合(比較例2)および前記特許文献2に記載のチキソ剤を使用した場合(比較例3)のはんだペースト組成物は、いずれも、印刷転写率が低く、だれに関しても、とりわけ印刷後放置した場合に顕著に生じることがわかる。
Claims (3)
- はんだ合金粉末とフラックスとを含有してなるはんだペースト組成物であって、
前記フラックスが、チキソ剤として、炭素数14〜22の脂肪酸(A)、炭素数14〜22のヒドロキシ脂肪酸(B)およびトリアミン化合物(C)を出発物質として得られる脂肪酸トリアミドを含有する、ことを特徴とするはんだペースト組成物。 - 前記脂肪酸トリアミドは、トリアミン化合物(C)1モルに対して、脂肪酸(A)1.5〜2.5モルおよびヒドロキシ脂肪酸(B)0.5〜1.5モルを反応させて得られるものである、請求項1記載のはんだペースト組成物。
- 前記脂肪酸トリアミドの含有量は、フラックス総量に対して0.5〜40重量%である、請求項1または2記載のはんだペースト組成物。
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KR20140023220A (ko) * | 2012-08-16 | 2014-02-26 | 가부시키가이샤 다무라 세이사쿠쇼 | 땜납 조성물 및 그것을 사용한 프린트 배선기판 |
JP2017041442A (ja) * | 2015-08-19 | 2017-02-23 | 積水化学工業株式会社 | 導電材料及び接続構造体 |
WO2017065076A1 (ja) * | 2015-10-14 | 2017-04-20 | 共栄社化学株式会社 | 揺変剤並びにこれを含むフラックス及びソルダペースト |
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2006
- 2006-09-04 JP JP2006239286A patent/JP2008062240A/ja active Pending
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KR102088652B1 (ko) | 2012-08-16 | 2020-03-13 | 가부시키가이샤 다무라 세이사쿠쇼 | 땜납 조성물 및 그것을 사용한 프린트 배선기판 |
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