JP6932112B2 - フラックス及びソルダペースト - Google Patents

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Description

本発明はフラックス及びソルダペーストに関する。
プリント配線板、モジュール基板及びシリコンウエハ等の電子回路基板上に形成される導体パターンに電子部品を接合する方法として、ソルダペーストを用いたはんだ接合方法が広く採用されている。この方法では、ソルダペーストを電子回路基板上の所定の位置に印刷し、所定の位置に電子部品を載置し、これを加熱することで、導体パターンと電子部品とをはんだ接合させる。
このソルダペーストの印刷にはメタルマスクが用いられることが多く、具体的には、電子回路基板上に載置したメタルマスクの開口部にスキージを用いてソルダペーストを充填し、その後メタルマスクから電子回路基板を離すことにより電子回路基板側にソルダペーストを転写させる。
この方法によれば、効率的に電子回路基板上にソルダペーストを印刷し得る。しかしソルダペーストの粘度等の条件によっては、ソルダペーストがスキージやメタルマスクの開口部壁面に付着してしまう虞がある。この場合、電子回路基板側に転写されるソルダペーストの体積や形状がメタルマスクの開口設計通りに行われなくなり、はんだ接合に不具合が生じる虞がある。
従って、ソルダペーストにはメタルマスクの開口設計通りにこれを印刷し得る、所謂印刷性が求められる。特に近年は、電子部品の小型化及び電子部品端子間のピッチの微細化が進んでおり、これに伴ってメタルマスクの開口部も更なる微細化が進んでいる。そのため、ソルダペーストには、微細な開口部を有するメタルマスクにも対応し得る印刷性が求められる。
これまでも、ソルダペーストに良好な印刷性を付与することで、小型及び微細な端子を有する電子部品の実装にも好適に使用できるようにする方法はいくつか提供されており、例えば軟化点または融点が55℃〜180℃、粒径5〜150μmの熱可塑性樹脂微粒子を含有するクリームはんだ(特許文献1)等が存在する。
ここで、電子回路実装基板の用途によっては、微細な端子を有する小型の電子部品と従来の大型部品とが混在して電子回路基板に実装されることがある。また高い信頼性が要求される電子回路実装基板の場合、はんだ接合部の信頼性を確保すべく、微細なパターンであっても一定以上の厚みを有するメタルマスクを使用することが少なくない。そしてこのような場合、メタルマスクの厚みは例えば150μmから160μmに設定されることがある。
そして、開口部は微細であって一定以上の厚みを有するメタルマスクは、その開口部のアスペクト比が大きくなるため、ソルダペーストがメタルマスク開口部壁面に付着し易くなる。例えば0.4mmピッチのQuad Flat Package(QFP)に対応するパターン且つ厚み150μmのメタルマスクでスクリーン印刷を行うと、ソルダペーストの転写形状の異常が起こり、転写が安定せず、所謂つの立ちが発生し易い傾向にある。
しかし上記特許文献1には、メタルマスクの開口部が高アスペクト比となるような場合における不具合等とそれを克服する印刷性については言及されていない。
また微細な端子を有する小型の電子部品と大型部品とを電子回路基板に実装する際に好適に用いられるはんだペースト組成物として、例えばはんだ合金より低融点の熱可塑性樹脂組成物粉末を有するはんだペースト組成物(特許文献2)も存在するものの、当該樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、アミド変成ポリエチレン樹脂)では、形成されたフラックス残渣において他の成分との分離が生じる(フラックス残渣の表面に粒状の凹凸が発生する)虞がある。
フラックス残渣の表面に発生した凸凹は、画像検査工程においてエラー発生の原因となり易く、歩留まりが低くなる虞がある。近年は、フラックス残渣を洗浄せず、電子回路実装基板上に残存させたままとする傾向にあるため、このような成分分離の発生したフラックス残渣は、電子回路実装基板の製造工程において生産効率を低下させる虞がある。
特開昭60−203386号公報 特許第5272166号公報
本発明は上記課題を解決するものであり、メタルマスクの厚み及び開口サイズにかかわらず良好な版離れ性、充填性及び印刷性(つの立ち抑制)を確保しつつ、信頼性の高いフラックス残渣を形成し得るフラックス及びソルダペーストを提供することをその目的とする。
本発明のフラックスは、ベース樹脂(A)と、溶剤(B)と、活性剤(C)と、チクソ剤(D)とを含み、前記ベース樹脂(A)は、アルキレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるアルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)を含み、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の配合量は、フラックス全量に対して10質量%以下である。
また本発明のフラックスは、下記一般式(1)で表される構造を有する前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)を含むことが好ましい。
Figure 0006932112
(式中、R1は水素基またはメチル基のいずれかを表し、R2は水素基またはメチル基のいずれかを表し、x及びyはそれぞれ1以上の整数を表す。またxとyの値の比は50:1から10:1とする。)
また本発明のフラックスは、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)が、エチレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られることが好ましい。
また本発明のフラックスは、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)に含まれる(メタ)アクリル酸単位の含有量が、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)全体に対して5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
また本発明のフラックスは、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の配合量が、フラックス全量に対して3質量%以上7質量%以下であることが好ましい。
また本発明のソルダペーストは、上記フラックスと、はんだ合金粉末とを含む。
本発明のフラックス及びソルダペーストによれば、メタルマスクの厚み及び開口サイズにかかわらず良好な版離れ性、充填性及び印刷性(つの立ち抑制)を確保しつつ、信頼性の高いフラックス残渣を形成し得る。
本発明のフラックス及びソルダペーストの一実施形態を以下に詳述する。なお、本発明がこれらの実施形態に限定されないのはもとよりである。
1.フラックス
本実施形態のフラックスは、ベース樹脂(A)と、溶剤(B)と、活性剤(C)と、チクソ剤(D)とを含む。
ベース樹脂(A)
前記ベース樹脂(A)は、アルキレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるアルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)を含むことが好ましい。
前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)は、アルキレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類を公知の方法で共重合することにより生成し得る。なお、本明細書においては、アクリル酸及びメタクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸という。
なお、アルキレンと(メタ)アクリル酸以外のモノマー成分としては、公知のものを用いることができる。
また前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)は、下記一般式(1)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 0006932112
(式中、R1は水素基またはメチル基のいずれかを表し、R2は水素基またはメチル基のいずれかを表し、x及びyはそれぞれ1以上の整数を表す。またxとyの値の比は50:1から10:1とする。)
更には、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)は、エチレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)’を含むことが好ましい。
また前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)に含まれる(メタ)アクリル酸単位の含有量は、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)全体に対して5質量%以上15質量%以下であることが好ましい。更に好ましいその含有量は、5質量%以上10質量%以下である。
前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の配合量は、フラックス全量に対して10質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は3質量%以上7質量%以下であり、特に好ましいその配合量は、3質量%以上5質量%以下である。
前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の酸価は30mgKOH/g以上130mgKOH/g以下であることが好ましい。
また前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の重量平均分子量は10,000Mw以上1,000,000Mw以下であることが好ましい。更に好ましい重量平均分子量は、20,000Mw以上200,000Mw以下である。
なお、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)において、アルキレン単位の重量平均分子量は250Mw以上35,000Mw以下であるが好ましく、(メタ)アクリル酸単位の重量平均分子量は7Mw以上2,800Mw以下であることが好ましい。
また前記ベース樹脂(A)は、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)以外の樹脂(その他の樹脂)を含むことができる。
前記その他の樹脂としては、例えばロジン系樹脂、アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、テルペン樹脂及びポリアルキレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、特にロジン系樹脂及びアクリル樹脂が好ましく用いられる。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
前記ロジン系樹脂としては、例えばトール油ロジン、ガムロジン及びウッドロジン等のロジン;ロジンを重合化、水添化、不均一化、アクリル化、マレイン化、エステル化若しくはフェノール付加反応等を行ったロジン誘導体;これらロジンまたはロジン誘導体と不飽和カルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸及びフマル酸等)とをディールス・アルダー反応させて得られる変性ロジン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、特にフラックスの活性化向上の観点から水添ロジン及びアクリル酸変性水添ロジンが好ましく用いられる。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
また前記ロジン系樹脂の酸価は80mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることが好ましく、その質量平均分子量は250Mw以上1,100Mw以下であることが好ましい。
前記アクリル樹脂としては、例えば(メタ)アクリル酸を含むモノマー類を重合することにより生成されるものであればいずれも使用することができる。また当該アクリル樹脂は、1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
また前記アクリル樹脂の酸価は30mgKOH/g以上100mgKOH/g以下であることが好ましく、その質量平均分子量は3,000Mw以上30,000Mw以下であることが好ましい。
前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)と前記その他の樹脂とを併用する場合、その配合量はフラックス全量に対して10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。更に好ましいその配合量は、20質量%以上55質量%以下である。
前記その他の樹脂としてロジン系樹脂を配合する場合、その配合量はフラックス全量に対し5質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
また前記その他の樹脂としてアクリル樹脂を配合する場合、その配合量はフラックス全量に対して10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、15質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。
また前記その他の樹脂として前記ロジン系樹脂と前記アクリル樹脂とを併用する場合、その配合比率はロジン系樹脂:アクリル樹脂の比率で10:90から50:50であることが好ましく、15:85から40:60であることがより好ましい。
また前記ベース樹脂(A)全体としての酸価は30mgKOH/g以上350mgKOH/g以下であることが好ましい。
溶剤(B)
前記溶剤(B)としては、例えばイソプロピルアルコール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルジグリコール、(2−エチルヘキシル)ジグリコール、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、フェニルグリコール、ブチルカルビトール、オクタンジオール、αテルピネオール、βテルピネオール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、マレイン酸ジブチル、アジピン酸ジブチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)及びセバシン酸ジイソプロピル等を使用することができる。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
前記溶剤(B)の配合量は、フラックス全量に対して10質量%以上65質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は20質量%以上50質量%以下であり、特に好ましいその配合量は25質量%以上45質量%以下である。
活性剤(C)
前記活性剤(C)としては、例えばカルボン酸類、ハロゲンを含む化合物等が挙げられる。これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
前記カルボン酸類としては、例えばモノカルボン酸、ジカルボン酸等並びにその他の有機酸が挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、例えばプロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、グリコール酸等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。
また前記その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸、アントラニル酸等が挙げられる。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
前記ハロゲンを含む化合物としては、例えば非解離性のハロゲン化合物(非解離型活性剤)、解離性のハロゲン化合物(解離型活性剤)が挙げられる。
前記非解離型活性剤としては、ハロゲン原子が共有結合により結合した非塩系の有機化合物が挙げられ、例えば塩素化物、臭素化物、ヨウ素化物、フッ化物のように塩素、臭素、ヨウ素、フッ素の各単独元素の共有結合による化合物でもよく、また2以上の異なるハロゲン原子を共有結合で結合する化合物でもよい。当該化合物は水性溶媒に対する溶解性を向上させるために、例えばハロゲン化アルコールのように水酸基等の極性基を有することが好ましい。
当該ハロゲン化アルコールとしては、例えば2,3−ジブロモプロパノール、2,3−ジブロモブタンジオール、1,4−ジブロモ−2−ブタノール、トリブロモネオペンチルアルコール等の臭素化アルコール;2−ブロモヘキサン酸等の臭化有機酸;1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,4−ジクロロ−2−ブタノール等の塩素化アルコール;3−フルオロカテコール等のフッ素化アルコール;その他のこれらに類する化合物が挙げられる。これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
なお、前記活性剤(C)として好ましいハロゲンを含む化合物は、ジブロモブテンジオールである。
前記活性剤(C)の配合量は、フラックス全量に対して1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は1質量%以上15質量%以下であり、特に好ましいその配合量は1質量%以上10質量%以下である。
チクソ剤(D)
前記チクソ剤(D)としては、例えば水素添加ヒマシ油、飽和脂肪酸アミド、飽和脂肪酸ビスアミド類、オキシ脂肪酸類及びジベンジリデンソルビトール類等が挙げられる。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
前記チクソ剤(D)の配合量は、フラックス全量に対して1質量%以上10質量%以下が好ましい。更に好ましいその配合量は、2質量%以上9質量%以下である。
酸化防止剤
本実施形態のフラックスには、はんだ合金粉末の酸化を抑える目的で酸化防止剤を配合することができる。このような酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ビスフェノール系酸化防止剤、ポリマー型酸化防止剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも特にヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく用いられる。このヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えばイルガノックス245(BASFジャパン(株)製)等が挙げられる。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
前記酸化防止剤の配合量は特に限定されないが、一般的にはフラックス全量に対して0.5質量%以上10質量%程度以下であることが好ましい。
また本実施形態のフラックスには、消泡剤、防錆剤、界面活性剤、熱硬化剤、つや消し剤等の添加剤を配合することができる。当該添加剤の配合量は、フラックス全量に対して10質量%以下、特に5質量%以下であることが好ましい。
なお、これらは1種単独でまたは複数種を混合して用いてもよい。
本実施形態のフラックスは、前記ベース樹脂(A)がアルキレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるアルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)を含むことから、フラックスのすべり性が向上し得る。また特に、エチレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)’を含む場合、当該効果を更に発揮し得る。
そのため、メタルマスクの開口部が高アスペクト比となるような場合においても良好な版離れ性を発揮することができ、このような条件下でも充填性、印刷性(つの立ち抑制)が安定し、良好な転写を実現することができる。
更には、このようなフラックスは、形成されたフラックス残渣の成分分離の発生を抑制し、信頼性の高いフラックス残渣を提供することができる。
(2)ソルダペースト
本実施形態のソルダペーストは、上記フラックスとはんだ合金粉末とを混合することにより得られる。
前記はんだ合金粉末としては、例えば錫及び鉛を含む合金、錫及び鉛並びに銀、ビスマス及びインジウムの少なくとも1種を含む合金、錫及び銀を含む合金、錫及び銅を含む合金、錫、銀及び銅を含む合金、錫及びビスマスを含む合金等を用いることができる。またこれら以外にも、例えば錫、鉛、銀、ビスマス、インジウム、銅、亜鉛、ガリウム、アンチモン、金、パラジウム、ゲルマニウム、ニッケル、クロム、アルミニウム、リン等を適宜組合せたはんだ合金粉末を使用することができる。なお、上記に挙げた元素以外であってもその組合せに使用することは可能である。
前記はんだ合金粉末の配合量は、ソルダペースト全量に対して65質量%以上95質量%以下であることが好ましい。より好ましいその配合量は85質量%以上93質量%以下であり、特に好ましいその配合量は88質量%以上91質量%以下である。
更に前記はんだ合金粉末の粒子径は、20μm以上38μm以下であることが好ましい。なお、当該粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定し得る。
また、本実施形態のフラックスと前記はんだ合金粉末との混合方法としては、混合に使用する混練機の容器内の圧力を−101kPaになるまで真空引きして行うことが好ましい。このような条件下で混練を行うことにより、ソルダペーストの印刷性を更に向上することができる。
本実施形態のソルダペーストは、上記フラックスを使用することにより、ソルダペーストのすべり性を向上し得る。
そのため、メタルマスクの開口部が高アスペクト比となるような場合においても良好な版離れ性を発揮することができ、このような条件下でも充填性、印刷性(つの立ち抑制)が安定し、良好な転写を実現することができる。
更には、このようなソルダペーストは、形成されたフラックス残渣の成分分離の発生を抑制し、信頼性の高いフラックス残渣を提供することができる。
なお、上記においてはフラックスをソルダペーストに使用する実施形態について説明したが、本実施形態におけるフラックスの用途はこれに限定されず、例えばはんだボール用ボンドフラックス等の他のフラックス用途にも種々適用可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳述する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に記載の各成分を混練し、実施例1から6、参考例7、並びに比較例1から3に係る各フラックスを作製した。
また上記各フラックス10.5質量%と、Sn−3Ag−0.5Cuはんだ合金粉末(粒径20μmから38μm)89.5質量%とを混合し、実施例1から6、参考例7、並びに比較例1から3に係る各ソルダペーストを作製した。なお、各ソルダペーストの作製にあたり、フラックスとはんだ合金粉末との混練においては、混練機の容器内の圧力が−101kPaになるまで真空引きした後、混練を行った。
なお、特に記載のない限り、表1に記載の数値は質量%を意味するものとする。
Figure 0006932112
※1 アクリル酸変性水添ロジン 荒川化学工業(株)製
※2 シグマ アルドリッチ社製 アクリル酸単位の含有量5質量%(カタログ記載値)
※3 アクリル酸単位の含有量10質量%(カタログ記載値)のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂 ExxonMobil Chemical社製
※4 シグマ アルドリッチ社製 アクリル酸単位の含有量15質量%(カタログ記載値)
※5 シグマ アルドリッチ社製 アクリル酸単位の含有量20質量%(カタログ記載値)
※6 ポリエチレン樹脂(アクリル酸単位の含有量0質量%) シャムロック テクノロジーズ社製
※7 高級脂肪酸ポリアマイド 共栄社化学(株)製
※8 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 BASFジャパン(株)製
<印刷性試験>
以下の用具を用意した。
・ピン0.5mmピッチのQFP(パッケージサイズ:14mm×14mm×1mm)に対応するソルダレジストと電極(1180μm×203μm)を備えたプリント配線板
・前記電極のパターンと同じパターンを有するメタルマスク(厚さ:150μm)
※上記メタルマスクの開口部のアスペクト比は1.73
実施例及び比較例に係る各ソルダペーストを、印刷機(製品名:SP60P−L、パナソニック(株)製)及び前記メタルマスクを用い、前記プリント配線板に印刷した。
この印刷では、ソルダペースト1種につき、計9枚の前記プリント配線板に印刷を行った。具体的には、ソルダペースト1種につき、捨て刷りとして2枚の前記プリント配線板に連続印刷した後、更に7枚の前記プリント配線板に連続印刷した。また印刷時の条件はスキージ速度:100mm/秒、版離れ速度:10mm/秒に設定した。
各ソルダペーストを7枚連続で印刷した前記プリント配線板を各試験基板とし、それぞれの試験基板上に印刷された各ソルダペースト(ソルダペースト1種につき、100ピン(か所)×7枚=700か所)の3次元形状について画像検査機(製品名:aSPIre2、(株)コーヨンテクノロジー製)を用いて観察し、全印刷部分の転写率(%)を算出した。
上記転写率から、各ソルダペーストの転写率の標準偏差(σ)と平均(av)を計算した。そしてその結果に基づき、以下の計算式(1)及び(2)で算出した値の小さい方を各ソルダペーストの工程性能指数(Ppk)とした。なお、Ppkの算出に際しては、生産性の観点から規格上限を130%、規格下限を70%に設定した。
(130−av)/(3×σ) … 計算式(1)
(av−70)/(3×σ) … 計算式(2)
そして、算出した各ソルダペーストのPpkについて、以下の基準にて評価した。その結果を表2に表す。
◎◎:1.8超
◎:1.6超1.8以下
〇:1.5超1.6以下
△:1.3超1.5以下
×:1.3以下
また上記印刷性試験において、一例として実施例1に係るソルダペーストのPpkの算出に用いた各試験基板(7枚)のそれぞれの転写率(%)の最大値、最小値及び平均値を表2に表す。
また、実施例1に係るソルダペーストの各試験基板(7枚)について算出した転写率(%)に基づき算出した標準偏差(σ)と平均(av)、計算式(1)で算出した値、計算式(2)で算出した値及びPpkを表3に表す。
なお、標準偏差(σ)は、100ピン(か所)×7枚=700か所全体での転写率に基づき算出されたものである。また平均(av)は、100ピン(か所)×7枚=700か所全体での転写率に基づき算出された平均値である。
Figure 0006932112
Figure 0006932112
<残渣分離確認試験>
上記印刷性試験で作成した各試験基板をリフロー炉(製品名:TNP−538EM、(株)タムラ製作所製)を用いて加熱し、各試験基板上にはんだ接合部とフラックス残渣とを形成した。この際のリフロー条件は、プリヒートを170℃から190℃で110秒間、ピーク温度を245℃とし、200℃以上の時間が65秒間、220℃以上の時間が45秒間、ピーク温度から200℃までの冷却速度を3℃から8℃/秒とし、酸素濃度は1,000±500ppmに設定した。
各試験基板上に形成された各フラックス残渣について、その表面に粒状の凹凸が発生している(残渣分離が発生している)かどうかを目視で確認した。その結果を表2に表す。
Figure 0006932112
以上に示す通り、本実施例に係るフラックスは、メタルマスクの開口部のアスペクト比が高い条件下においても転写率のバラツキが小さく、高い印刷精度を発揮し得ることが分かる。特に実施例1、2、4及び5、その中でも特に実施例1及び4は非常に良好な結果を示すことが分かる。
また本実施例に係るフラックスは、高い印刷精度を発揮しつつ、フラックス残渣の成分分離の発生も抑制し得ることから、高い信頼性を保つことができる。
なお、印刷性試験のうち比較例2については、比較例2に係るフラックスはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂の配合量が12質量%であったため、印刷時にソルダペーストがメタルマスク上で適切にローリングせず、プリント配線板上にほとんど転写されないため、転写率が×という結果となった。

Claims (5)

  1. ベース樹脂(A)と、溶剤(B)と、活性剤(C)と、チクソ剤(D)とを含むフラックスであって、
    前記ベース樹脂(A)は、アルキレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるアルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)を含み、
    前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)に含まれる(メタ)アクリル酸単位の含有量は、前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)全体に対して5質量%以上15質量%以下であり、
    前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の配合量は、フラックス全量に対して1質量%以上10質量%以下であることを特徴とするソルダペースト用フラックス。
  2. 前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)は、下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のソルダペースト用フラックス。
    Figure 0006932112
    (式中、R1は水素基またはメチル基のいずれかを表し、R2は水素基またはメチル基のいずれかを表し、x及びyはそれぞれ1以上の整数を表す。またxとyの値の比は50:1から10:1とする。)
  3. 前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)は、エチレンと(メタ)アクリル酸を含むモノマー類の共重合により得られるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)’を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のソルダペースト用フラックス。
  4. 前記アルキレン−(メタ)アクリル酸共重合樹脂(A−1)の配合量は、フラックス全量に対して3質量%以上7質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のソルダペースト用フラックス。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のソルダペースト用フラックスと、はんだ合金粉末とを含むことを特徴とするソルダペースト。
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