JP2008060982A - 撮像装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】デジタルカメラ100は、スポーツの種類に応じて用いられ、高速度で運動するボールを含む画像を撮像して、画像情報を出力する撮像部1と、スポーツシーンでのボールの想定される運動速度範囲に基づいて、画像におけるボールのぶれ幅範囲を推定するとともに、当該ぶれ幅範囲に基づいて、撮像部1から出力された画像情報を解析して画像におけるボールの位置及びそのぶれ幅を推定するCPU71とを備えている。
【選択図】図1
Description
このスピードガンは、例えば、ボールによる反射波のドップラー効果を測定して、ボールの速度を推定するようになっていることから、ボールの運動方向に沿ってスピードガンを設置する必要があるため、ボールとの衝突のリスクが高いという問題がある。さらに、運動するボールのどの時点での測定結果であるのかといった正確性の検証が困難であるといった問題もある。
この方法によりボールの運動速度を測定するためにはボールの認識や追跡を適正に行う必要があるところ、画像を用いてボールを認識する手法としては、球形の物体を認識する点に着目して、Hough変換などの輪郭情報から検出する幾何的な方法1や、運動する物体という点に着目して、フレーム間差分画像を二値化する方法2等が考えられる(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、屋内や曇天時では、テニスボールやゴルフボール等の軌跡を撮像しようとすると、1/300秒程度の露光時間は必要となるが、この程度の露光時間では、ボールは理想的な円形(図9(a)参照)とならず著しくぶれ、円形からはほど遠いレーストラックに近い形状(図9(b)参照)となってしまう。また、ボールは背景の濃淡と混ざってしまい、特に、ボールの混合割合の少なくなる両端のエッジ、及び照明のあたりにくい下側のエッジは非常に不明確となってしまう。従って、ボールのエッジが曖昧なため、方法1の幾何形状認識手法は適用困難であるといった問題がある。
さらに、CMOS型イメージセンサのハイスピードカメラは、ほとんどがローリングシャッター方式であり、運動歪みと激しいフレーム内照明変動が生じるという問題もある。特に、フレーム内照明変動は補正が困難であり、方法2のフレーム間差分を用いる方法だけでは好結果を得られない。
また、平均輝度の比較から輝度補正を施せば、ある程度のボールの検出は可能であったが、差分画像を二値化する際にフレーム内照明変動の影響による偏りが生じてしまい、背景が単純な場合でさえ、精度良くボールの所定位置(例えば中心位置)を捉えることができないという問題もある。
高速度で運動する運動体を含む画像を撮像して、画像情報を出力する撮像手段(例えば、図1の撮像部1等)と、
前記運動体の想定される運動速度範囲に基づいて、前記画像における前記運動体のぶれ幅範囲を推定するぶれ幅範囲推定手段(例えば、図1のCPU71等)と、
前記ぶれ幅範囲推定手段により推定された前記ぶれ幅範囲に基づいて、前記撮像手段から出力された前記画像情報を解析して前記画像における前記運動体の位置及びそのぶれ幅を推定する運動体推定手段(例えば、図1のCPU71等)とを備えることを特徴としている。
前記ぶれ幅範囲推定手段は、さらに、前記運動体の寸法と前記撮像手段の露光時間に基づいて前記ぶれ幅範囲を推定することを特徴としている。
前記運動体推定手段は、前記運動体の種類に応じて寸法が規定される領域である第1領域(例えば、図2の第1領域A1等)と前記第1領域に隣合う外側の領域である第2領域(例えば、図2の第2領域A2等)の画素の分離度に基づいて、前記運動体の位置及びそのぶれ幅を推定することを特徴としている。
前記撮像手段は、前記運動体を含む画像を連続して撮像して前記画像情報を複数出力し、
前記撮像手段から出力された前記画像情報に基づいて前記運動体推定手段により推定される複数の前記運動体の位置に基づいて、これら運動体の位置の差分を算出して当該運動体の速度を推定する速度推定手段(例えば、図1のCPU71等)を備えることを特徴としている。
前記運動速度範囲はスポーツの種類に応じて求められることを特徴としている。
コンピュータ(例えば、図1のデジタルカメラ100等)に、
高速度で運動する運動体の想定される運動速度範囲に基づいて、前記運動体を含む画像における当該運動体のぶれ幅範囲を推定する機能と、
推定された前記ぶれ幅範囲に基づいて、前記画像に係る画像情報を解析して前記画像における前記運動体の位置及びそのぶれ幅を推定する機能と、
を実現させることを特徴としている。
図1は、本発明を適用した一実施形態のデジタルカメラ100の概略構成を示すブロック図である。
具体的には、デジタルカメラ100は、例えば、図1に示すように、ボール等の被写体を撮像する撮像部1と、この撮像部1による被写体の撮像の際に駆動する撮像補助部2と、撮像部1により撮像された画像を表示する表示部3、当該デジタルカメラ100の所定操作を行うための操作部4と、撮像された画像を記録する記録媒体5と、外部機器との接続用のUSB端子6と、これら各部を制御する制御部7等を備えて構成されている。
即ち、撮像部1は、撮像手段として、スポーツの種類に応じて使用されるボール等の運動体が高速度で運動中に、当該運動体を含む画像を電子撮像部12により連続して撮像して複数の画像フレーム(画像情報)を映像信号処理部13に出力するようになっている。
これらフォーカス駆動部21及びズーム駆動部22は、例えば、撮影制御部15に接続され、撮影制御部15の制御下にて駆動するようになっている。
具体的には、評価値算出処理では、ボールのぶれ幅範囲を推定するぶれ幅範囲推定処理を実行して、その後に、算出された評価値に基づいて運動体推定処理を実行するようになっている(詳細後述)。
具体的には、CPU71によるぶれ幅範囲推定プログラム72bの実行に基づいて、ユーザによるスポーツ選択ボタン41cの所定操作に基づいて選択されたスポーツにて用いられるボールの運動速度範囲、ボールの画像上における大まかな寸法(半径)、撮像部1の露光時間(例えば、1/300秒程度)に基づいて、ボールのぶれ幅範囲rを推定するようになっている。
先ず、ボールが写っている画像フレームに基づいて、ボールの半径r0の画像上における大まかな大きさ(寸法)を指定する。
半径r0の大きさの指定は、例えば、ユーザによる操作部の所定操作に基づいてボールの画像距離単位の大きさを直接指定するようにしても良いし、当該画像上にて基準となる物体(例えば、人間の身長等)を指定して、当該基準物体との比率を用いてボールの半径r0を間接的に導出するようにしても良いし、実際のボールの物理的な大きさとボールまでの物理的な距離とデジタルカメラ100の焦点距離を指定してボールの半径r0を間接的に導出するようにしても良い。
なお、ボールを静止状態で長時間露光して撮像することができる場合、例えば、当該ボールの径を円のHough変換等によって認識しても良い。
ここで、ボールの運動画素距離sは、例えば、スポーツの種類に応じたボールの運動速度範囲と撮像時の露光時間に基づいて規定され、その最小値をs1とし最大値をs2とする。
具体的には、ボールのぶれ幅範囲の最小値r1(=max(r0,s1/2))は、ボールのぶれが大きくなるとレーストラック形状の両端の半円状の部分の輝度が次第に薄くなることを考慮して、その後の処理に余裕を持たせるためにボールの半径r0とボールの運動画素距離s1の大きい方とする。また、ボールのぶれ幅範囲の最大値r2(=r0+s2/2)は、ボールの半径r0とボールの運動画素距離s2の和とする。
具体的には、CPU71による運動体推定プログラム72cの実行に基づいて、ボールのぶれ幅範囲とその種類(半径r)に応じて寸法が規定される領域である第1領域A1と、第1領域A1に隣合う外側の領域である第2領域A2の画素の分離度に基づいて、画像におけるボールの位置を推定するようになっている。
運動体推定処理は、画像の所定位置にボールが存する確度に係る評価値として第1領域A1と第2領域A2の画素の分離度を算出し、当該分離度は第1領域A1(内側)がボールの輪郭に対応した大きさとなるときに最大値となることを考慮してボールの位置を推定するようになっている。
具体的には、例えば、図2に示すように、画像G上の所定の座標(x,y)を中心として、(x−2r,y−2r0)、(x−2r,y+2r0)、(x+2r,y−2r0)、(x+2r,y+2r0)を頂点とする矩形領域を全体領域A0とし、このうち、(x−r,y−r0)、(x−r,y+r0)、(x+r,y−r0)、(x+r,y+r0)を頂点とする矩形領域を第1領域A1とし、全体領域A0のうちの第1領域A1以外の領域を第2領域A2とする。
そして、全体領域A0の画素数を「N」、各画素値(輝度値)を「Pi」、画素値平均を「Pm ave」とし、第1領域A1の画素数を「n1」、画素値平均を「P1 ave」とし、第2領域A2の画素数を「n2」、画素値平均を「P2 ave」とした場合に、分離度ηは、下記式(1)のように表される。
即ち、1枚の入力画像フレームにおいて、中心座標(x,y)を所定の座標に固定した状態で、ボールのぶれ幅範囲rを最小値r1から最大値r2まで所定の刻み幅(例えば、1〜数画素)で変更してループにより各々の分離度ηを算出する。
なお、後述する変形例1、変形例2においては、分離度ηが最大となる評価値を与えた中心座標(x,y)をボールの中心位置(中心座標)として推定する。
つまり、評価値は分離度ηに限られるものではないが、分離度η以外を用いる場合、即ち、例えば、テンプレートマッチング等の場合には、差分二乗和を領域画素数で除算して適合率に変更するなどの正規化が必要となる場合がある。
具体的には、CPU71による評価値統合プログラム72dの実行に基づいて、運動体位置推定処理にて推定されたボールの位置と、想定動きベクトル推定処理(後述)にて推定されるボールの想定動きベクトルと、補正済み動きベクトル算出処理(後述)にて算出される補正済み動きベクトルに基づいて、統合評価値を算出するようになっている。
想定動きベクトル推定処理は、CPU71による想定動きベクトル推定プログラム72eの実行に基づいて実行される。
想定動きベクトル推定プログラム72eは、スポーツシーンでのボールの想定される運動速度範囲及びフレーム間隔に基づいて、画像におけるボールの想定される想定動きベクトル「xd」、「yd」を推定する想定動きベクトル推定処理に係る機能をCPU71に実現させるためのプログラムである。
ここで、想定動きベクトル推定プログラム72eは、CPU71を想定動きベクトル推定手段として機能させるものである。
補正済み動きベクトル算出処理は、CPU71による補正済み動きベクトル算出プログラム72fの実行に基づいて実行される。
補正済み動きベクトル算出プログラム72fは、後述するループにより想定動きベクトルが変更される毎に、当該想定動きベクトルに係るボールを含む画像の撮像順序に基づいて、想定動きベクトル「xd」、「yd」を補正して、補正済み動きベクトル「x’d」、「y’d」を算出する処理に係る機能をCPU71に実現させるためのプログラムである。
ここで、補正済み動きベクトル算出プログラム72fは、CPU71を補正済み動きベクトル算出手段として機能させるものである。
なお、図3(a)〜図3(d)はボール輪郭を模式的に示した説明図であり、実際に輪郭処理を行うわけではない。また、図3(a)〜図3(d)における標識「○」、「△」、「□」は、ボールの背景に存する背景画像(静物体)の存在する位置を模式的に表している。
具体的には、CPU71は、全ての画像pに関するループが終了すると、運動パラメータ推定プログラム72gの実行に基づいて、配列Aの各要素のうち、最大値を示す「xmax」、「ymax」、「xd max」、「yd max」を探索して、当該最大値を示す要素に基づいてボールの推定位置を(xmax,ymax)とし、基準画像(p=0)と「L−1」番目の画像の間の推定動きベクトルを(xd max,yd max)とする。そして、CPU71は、ボールの推定位置(xmax,ymax)と推定動きベクトルを(xd max,yd max)から画素距離d(図3(d)参照)を算出して、画像フレーム間隔と物理距離に対する所定の変換係数に基づいて、ボールの速度に換算するようになっている。
ここで、図4は、速度算出処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
続けて、総画像枚数Lの各画像に関して、評価値算出処理及び評価値累算処理をループにより演算する処理を行う(ステップS21〜ステップS26)。
図5は、評価値算出処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
即ち、CPU71は、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yに関するループ(ループ1)の演算(ステップS201〜S211)の中で、座標xに関するループ(ループ2)の演算(ステップS202〜S210)を行い、その中でボールのぶれ幅範囲rに関するループ(ループ3)の演算(ステップS204〜S208)を行う。
上記の処理は、ボールのぶれ幅範囲rを最小値r1から最大値r2の間で変更して、全ての分離度ηが算出されると、ぶれ幅範囲rに関するループ3を終了する(ステップS208)。
これにより、rに関して最大の分離度が分離度記憶用メモリに記憶された状態となる。
ここで、分離度最大値を与えたときのぶれ幅範囲rについては、例えば、異常値を除外する目的で所定のメモリに保存するようにしても良い。
また、CPU71は、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yを所定の刻み幅(例えば、1〜数画素)で変更してループ1を行って分離度ηを算出し、全ての分離度ηが算出されると、座標yに関するループ1を終了する(ステップS201〜S211)。
即ち、CPU71は、2枚目以降の画像フレームに対する分離度マップFiに対して、その直前の画像フレームに対する分離度マップFi−1との間でフレーム間差分をとる分離度マップの差分計算を行う。具体的には、i番目の画像フレームの分離度マップFi[x] [y]からi−1番目の画像フレームの分離度マップFi−1[x] [y]を画素毎に減算して、減算後の値をi番目の画像フレームの分離度マップ差分Di[x] [y]とする。
或いは、差分値そのものの代わりに、画素毎にFi[x] [y] >Fi−1[x] [y]となるか否かを判定して、Fi[x] [y] >Fi−1[x] [y]となるならばDi[x] [y]=Fi[x] [y]とし、それ以外はDi[x] [y]=0とするマスク処理を行うようにしても良い。
つまり、背景にボールと略等しい大きさの静物体(或いは、図柄模様等)が存在する場合には、分離度がボール同様に高くなって、全ての画像フレームについて評価値の累算を行っても、紛らわしい静物体が残ってしまい、さらに、ほぼ等しい間隔で並んでいる場合には運動するボールと誤認される虞もあるためである。
ここで、画像の輝度値のフレーム間差分を直接とると、フレーム間やフレーム内の照明変動により静物体を正しく除去することができない虞があるが、分離度は輝度値の大きさに捉われずに正規化された値であるため、分離度マップのフレーム間差分は適正に静物体を除去することができると考えられる。
以下に、評価値累算処理について図6を参照して説明する。
図7は、評価値累算処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
即ち、CPU71は、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yに関するループ(ループ4)の演算(ステップS301〜S311)の中で、座標xに関するループ(ループ5)の演算(ステップS302〜S310)を行い、さらに、その中で、動きベクトル(xd,yd)のうち、y軸動きベクトルに関するループ(ループ6)の演算(ステップS303〜ステップS309)を行い、さらに、その中で、x軸動きベクトルに関するループ(ループ7)の演算(ステップS304〜S308)を行う。
続けて、CPU71は、補正済み動きベクトル算出プログラム72fの実行に基づいて、補正済み動きベクトル「x’d」、「y’d」を算出する(ステップS305及びS306)。
次に、CPU71は、ボールの位置(x,y)ボールの動きベクトル(xd,yd)、補正済み動きベクトル(x’d,y’d)に基づいて、4次元実数配列A[x] [y] [xd] [yd]にF[x+x’d] [y+y’d]を加算する(ステップS307)。
上記の処理は、x軸動きベクトルをボールの運動速度範囲に応じた運動画素距離sに基づいて変更して、配列Aに全て加算されると、x軸動きベクトルに関するループ7を終了する(ステップS308)。
また、CPU71は、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yを所定の座標に固定した状態で、座標xを所定の刻み幅(例えば、1〜数画素)で変更してループ5を回して、配列Aに全て加算されると、座標xに関するループ5を終了する(ステップS302〜S310)。
また、CPU71は、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yを所定の刻み幅(例えば、1〜数画素)で変更してループ4を回して、配列Aに全て加算されると、座標yに関するループ4を終了する(ステップS301〜S311)。
次に、CPU71は、最大値を示す要素に基づいてボールの推定位置を(xmax,ymax)とし、基準画像(p=0)と「L−1」番目の画像の間の推定動きベクトルを(xd max,yd max)として、ボールの推定位置(xmax,ymax)と推定動きベクトルを(xd max,yd max)から画素距離d(図3(d)参照)を算出する(ステップS4)。
続けて、CPU71は、画素距離dを画像フレーム間隔と物理距離に対する所定の変換係数に基づいて、物体の速度に換算して(ステップS5)、画像表示部に表示させる(ステップS6)。
従って、各画像にてボールの位置の推定を適正に行うことができない場合であっても、統合評価値に基づいてボールの運動速度の推定を適正に行うことができ、ボールの位置の検出を適正に行うことができる。
つまり、ボールと同じような運動をしていない限り、多少紛らわしい物体であっても誤認識されることはなくなって、照明変動を補償して背景差分画像を作成するといった処理を行わずに原画像をそのまま処理することができる。
このように、画像情報のみからボールの速度を適正に算出することができ、スポーツや計測等においてデジタルカメラ100をスピードガンとして代替することができる。
例えば、4次元評価値配列Aに関する累算は、画像の縦横の次元と対応する2次元評価値を時間軸に並べた3次元の時空間としてみた場合に、3次元空間内の直線に対する重みつき投票とみなすことができ、従って、空間直線のHough変換によって累算を行っても良い。
また、ループの順番を換えることで、4次元評価値配列Aは、配列でなく単純変数ですませることもできる。即ち、フレーム毎の評価値算出処理を所定フレーム枚数N分、先に行っておき、その結果を全て3次元配列F[p] [x] [y](pは0からN−1)に保存しておく。そして、評価値累算ループを外側からx、y、xd、yd、pの順番で行えば、累算ループと最大値探索ループを一つに統合でき、単純に累算評価値の最大値aとその最大値を与える動きベクトル値を保持するだけですむ。
なお、評価値算出、評価値累算及び最大値探索に係る具体的な演算処理は、上記実施形態と同様であり、その説明は省略するものとする。
変形例1のデジタルカメラは、複数の画像のうちの何れか一の画像フレームを用いて、ボールの速度を推定するものである。
そして、CPU71は、当該評価値v(x,y,r)の引数の組(xmax,ymax,rmax)を算出して、ボールの水平運動速度を算出する。即ち、例えば、図7に示すように、輪郭がぼやけたボールとほぼ重なる、(xmax−rmax,ymax−r0)、(xmax−rmax,ymax+r0)、(xmax+rmax,ymax−r0)、(xmax+rmax,ymax+r0)を頂点とする矩形領域が特定され、rmaxを2倍した値が画素距離dの近似値となる。そして、CPU71は、画素距離dを画像フレーム間隔と物理距離に対する所定の変換係数に基づいてボールの速度に変換することができる。
この評価値算出処理にあっては、CPU71は、分離度記憶用メモリの値mをクリアした後(ステップS401)、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yに関するループ(ループ8)の演算(ステップS402〜S411)の中で、座標xに関するループ(ループ9)の演算(ステップS403〜S410)を行い、さらに、その中で、ボールのぶれ幅範囲rに関するループ(ループ10)の演算(ステップS404〜ステップS409)を行う。
続けて、CPU71は、運動体推定プログラム72cの実行に基づいて、ボールのぶれ幅範囲rを最小値r1から最大値r2の範囲で変更してループ10により分離度ηを算出する(ステップS404〜S409)。具体的には、CPU71は、分離度ηを算出する毎に(ステップS405)、分離度記憶用メモリの値mと比較して(ステップS406)、算出された分離度ηの方が大きいと判定されると(ステップS406;YES)、当該分離度ηに係る評価値v(x,y,r)に分離度記憶用メモリの値mを書き換えて(ステップS407、評価値v(x,y,r)の引数の組(xmax,ymax,rmax)を算出するようになっている(ステップS408)。
上記の処理は、ボールのぶれ幅範囲rを最小値r1から最大値r2の間で変更して、全ての分離度ηが算出されると、ぶれ幅範囲rに関するループ10を終了する(ステップS409)。
また、CPU71は、ボールの中心座標(x,y)のうち、座標yを所定の刻み幅(例えば、1〜数画素)で変更してループ8を行って分離度ηを算出し、全ての分離度ηが算出されると、座標yに関するループ8を終了する(ステップS402〜S411)。
この結果、ボールの位置(xmax,ymax)及びぶれ幅2rmaxが推定される。
そして、推定されたぶれ幅範囲rに基づいて画像情報の解析を行って、画像フレームの第1領域A1と第2領域A2の画素の分離度に基づいて、ボールの位置及びぶれ幅を適正に推定することができる。即ち、画像中のエッジ情報や所定の閾値を用いることなく、ボールの位置及びぶれ幅の推定を適正に行うことができる。
これにより、ボールの運動速度を適正に算出することができる。
変形例2のデジタルカメラは、連続する2つの画像フレームの各々から算出された評価値v(x,y,r)に基づいて、下記式(5)に従って、画素距離dを算出して、ボールの運動速度を推定するものである。
1 撮像部(撮像手段)
71 CPU(評価値算出手段、ぶれ幅範囲推定手段、運動体推定手段、評価値統合手段、想定動きベクトル推定手段、補正済み動きベクトル算出手段、運動パラメータ推定手段)
G 画像フレーム
A1 第1領域
A2 第2領域
Claims (6)
- 高速度で運動する運動体を含む画像を撮像して、画像情報を出力する撮像手段と、
前記運動体の想定される運動速度範囲に基づいて、前記画像における前記運動体のぶれ幅範囲を推定するぶれ幅範囲推定手段と、
前記ぶれ幅範囲推定手段により推定された前記ぶれ幅範囲に基づいて、前記撮像手段から出力された前記画像情報を解析して前記画像における前記運動体の位置及びそのぶれ幅を推定する運動体推定手段とを備えることを特徴とする撮像装置。 - 前記ぶれ幅範囲推定手段は、さらに、前記運動体の寸法と前記撮像手段の露光時間に基づいて前記ぶれ幅範囲を推定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記運動体推定手段は、前記運動体の種類に応じて寸法が規定される領域である第1領域と前記第1領域に隣合う外側の領域である第2領域の画素の分離度に基づいて、前記運動体の位置及びそのぶれ幅を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
- 前記撮像手段は、前記運動体を含む画像を連続して撮像して前記画像情報を複数出力し、
前記撮像手段から出力された前記画像情報に基づいて前記運動体推定手段により推定される複数の前記運動体の位置に基づいて、これら運動体の位置の差分を算出して当該運動体の速度を推定する速度推定手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。 - 前記運動速度範囲はスポーツの種類に応じて求められることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の撮像装置。
- コンピュータに、
高速度で運動する運動体の想定される運動速度範囲に基づいて、前記運動体を含む画像における当該運動体のぶれ幅範囲を推定する機能と、
推定された前記ぶれ幅範囲に基づいて、前記画像に係る画像情報を解析して前記画像における前記運動体の位置及びそのぶれ幅を推定する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
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