JP2008060852A - バックオフプロトコル最適制御方法、基地局、及び、端末局 - Google Patents

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Abstract

【課題】ランダムアクセスのトラヒック量をバックオフプロトコルによって制御している無線通信システムにおいて、コンテンションウィンドウの初期値及びバックオフ因子の値をトラヒック状況に応じて適応的に制御する。
【解決手段】バックオフプロトコルによりランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおいて、基地局10は、供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定し、推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率に基づき目標とする供給トラヒック量を算出する。そして、算出した値が現在の供給トラヒック量より大きければコンテンションウィンドウの初期値を小さくし、小さければコンテンションウィンドウ初期値を大きくする。端末局は、基地局10から受信したコンテンションウィンドウ初期値に基づきバックオフ時間を決定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、パケットを送信するランダムアクセスのトラヒック量をバックオフプロトコルによって制御している無線通信システムにおけるバックオフプロトコル最適制御方法、基地局、及び、端末局に関する。
送信制御にバックオフプロトコルを用いたランダムアクセス方式として、WLAN(Wireless Local Area Network、無線LAN)がある。バックオフプロトコルとは、端末局からパケットの送信が同時に開始されることによる衝突が発生しないよう制御するプロトコルである。WLANで提供する自律的なランダムアクセスであるDCF(Distributed Coordination Function)メカニズムでは、バックオフ因子に2を用いた2進指数バックオフプロトコルが採用されている。2進指数バックオフプロトコルとは、端末局が、コンテンションウィンドウの値(W)によって規定される[0,W−1]の範囲内において一様に分布する乱数を発生させ、一定時間ごとにこの発生させた乱数値を減算させていき、0になった時点で送信を行い、再送の回数に応じてコンテンションウィンドウの値を倍にしていく方式である。しかし、このコンテンションウィンドウの初期値は固定であるため、端末数が多くなるとスループット及び遅延特性が劣化する。
そこで、トラヒック状況に応じてコンテンションウィンドウの初期値を最適値に制御するためのメカニズムが数多く提案されている。非特許文献1や非特許文献2に記載されている方式では、各端末局が自律的に送信待ちパケットのある端末(アクティブ端末)の数を推定し、それに比例するようにコンテンションウィンドウの初期値を適用する。
非特許文献3に記載されている方式では、各端末局が自律的にチャネルの状態を監視し、衝突が発生したスロットの数と、どの端末局からも送信がなかった空きスロットの数の割合とをパラメータとして用いて、その値が最適値より大きければコンテンションウィンドウの初期値を増加させ、小さければコンテンションウィンドウの初期値を減少させる。
ビアンチ、フラッタ、オリベリ(G. Bianchi, L.Fratta, M.Oliveri),"802.11 無線LANのためのCSMA/CA MAC プロトコルのパフォーマンス評価及び拡張(Performance Evaluation and Enhancement of the CSMA/CA MAC Protocol for 802.11 Wireless LANs)",IEEE PIMRC 1996,pp.392−396 チェン、ゾン、アグラワール(Y Chen, Q. A. Zeng, D. Agrawal),"IEEE802.11 MACプロトコルのパフォーマンス分析及び拡張(Performance Analysis and Enhancement for IEEE802.11 MAC Protocol)",ICT 2003,pp.860−867 ペン、ウー、チェン、ロン(Y. Peng, H.Wu, S. Cheng, K. Long),"新しい自己適用DCFアルゴリズム(A New Self-Adapt DCF Algorithm)",IEEE GLOBECOM 2002,pp.87−91
上述するように、非常に多くの端末がランダムアクセスするシステムでは、バックオフプロトコルによって適正に送信制御を行なわないと、チャネルの利用効率(スループット)が大きく低下するため、数多くのコンテンションウィンドウの値の制御方式が提案されている。
バックオフプロトコルによって適正に送信制御を行なうためには、トラヒックの状況を正確に把握する必要がある。しかし、多くの従来技術(非特許文献2及び3)では、各ランダムアクセススロットにおけるアクセスの結果を、成功/衝突/空きの3つの状態で把握することでアクティブ端末数を推定している。しかし、衝突/空きの状態を正確に判別することは難しい。
また、たとえ正確にトラヒックの状況を把握できたとしても、多くの従来技術(非特許文献1及び2)では、同時に複数の端末局がパケットを送信すれば必ずそれらのパケットがつぶし合うという前提で最適なコンテンションウィンドウの初期値を算出している。もしくは、非特許文献3の方式では、同時に複数の端末局がパケットを送信すれば必ずそれらのパケットがつぶし合うという前提で、衝突スロットと空きスロットの割合の最適値を導出し、その最適値を用いて制御している。しかし、実際の場合では、たとえパケットの同時送信が起きても、その中のあるパケット以外の他のパケットの強度が相対的に十分弱ければ正しく復調される捕捉効果が発生する。そのため、捕捉効果が多く発生している状況では、算出したコンテンションウィンドウの初期値が必ずしも最適値とは限らない。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、パケットを送信するランダムアクセスのトラヒック量をバックオフプロトコルによって制御しているシステムにおいて、そのバックオフプロトコルのパラメータである初期コンテンションウィンドウ及びバックオフ因子をトラヒック状況に応じて適応的に制御することができるバックオフプロトコル最適制御方法、基地局、及び、端末局を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の通信装置からなり、バックオフプロトコルによりランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおけるバックオフプロトコル最適制御方法であって、他の通信装置からランダムアクセスを受ける通信装置が、前記他の通信装置からの供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定し、推定した現在の供給トラヒック量及び送信失敗確率と、過去に推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率とから目標とする供給トラヒック量を算出し、この算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より大きければ現在のコンテンションウィンドウの初期値を小さく、算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より小さければ現在のコンテンションウィンドウ初期値を大きくし、当該コンテンションウィンドウ初期値を前記他の通信装置へ通知し、ランダムアクセスを行なう前記他の通信装置が、前記通信装置から受信したコンテンションウィンドウ初期値によりバックオフ時間を決定する、ことを特徴とするバックオフプロトコル最適制御方式である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方法であって、ランダムアクセスを行なう前記他の通信装置は、ランダムアクセスパケットに再送回数を示す情報を埋め込んで送信し、他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、前記他の通信装置から受信したランダムアクセスパケット内の再送回数の情報を用い、再送回数毎のスループットを算出することにより供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定する、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方法であって、他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、推定した供給トラヒック量と送信失敗確率の組み合わせを記録部へ記録し、適切な供給トラヒック量を算出するための所定の条件を満たす、過去に推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率のデータを当該記録部から読み出して、目標とする供給トラヒック量を算出する、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方法であって、他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、目標供給トラヒック量を算出できず、かつ、これまでに目標供給トラヒック量を算出できていた場合、過去に算出した目標供給トラヒック量の値と現在の供給トラヒック量とを比較してコンテンションウィンドウの初期値を変化させる、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方法であって、他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、目標とする供給トラヒック量を算出できず、かつ、これまでに目標とする供給トラヒック量を算出できていなかった場合、現在のコンテンションウィンドウの初期値を変動させて前記他の通信装置へ通知し、所定の時間後に、再び目標供給トラヒック量の算出を行ってコンテンションウィンドウの初期値を変化させ、他の通信装置へ通知する、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のバックオフプロトコル最適制御方法であって、コンテンションウィンドウの初期値の代わりに、バックオフ因子の値を変化させることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、基地局と複数の端末局からなり、バックオフプロトコルにより前記端末局からのランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおける前記基地局であって、前記端末局からの供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定し、推定した現在の供給トラヒック量及び送信失敗確率と、過去に推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率とから目標とする供給トラヒック量を算出し、この算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より大きければ現在のコンテンションウィンドウの初期値を小さく、算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より小さければ現在のコンテンションウィンドウ初期値を大きくする制御部と、前記制御部により変化させたコンテンションウィンドウ初期値を端末局へ通知する制御信号生成部と、を備えることを特徴とする基地局である。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の基地局であって、前記制御部は、コンテンションウィンドウの初期値の代わりに、バックオフ因子の値を変化させ、前記制御信号生成部は、前記制御部により変化させたバックオフ因子の値を端末局へ通知する、ことを特徴とする。
また、請求項9の発明は、基地局と複数の端末局からなり、バックオフプロトコルにより前記端末局からのランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおける前記端末局であって、前記基地局へ送信したランダムアクセスパケットの再送回数をカウントする再送回数管理部と、前記再送回数管理部がカウントした再送回数を示す情報を、ランダムアクセスパケットに埋め込んで送信するパケット生成部と、前記基地局から受信したコンテンションウィンドウ初期値によりバックオフ時間を決定するバックオフ時間管理部と、を備えることを特徴とする端末局である。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の端末局であって、前記バックオフ管理部は、コンテンションウィンドウ初期値の代わりに、バックオフ因子の値を受信し、受信したバックオフ因子の値によりバックオフ時間を決定する、ことを特徴とする。
本発明のバックオフプロトコル最適制御方式では、成功/不成功の2つの状態を以ってトラヒック状況を監視し、捕捉効果の発生を考慮して最適なコンテンションウィンドウの初期値を算出している。
スループットが最大となるコンテンションウィンドウの初期値はアクティブ端末数に比例する。しかし、その比例係数は捕捉効果の発生確率によって違ってくる。捕捉効果の発生確率は、変調方式や基地局と端末局との距離に依存する。図1に、捕捉効果がない場合とある場合についての、アクティブ端末数Nと最適コンテンションウィンドウ初期値Wとの関係の一例を示す。同図に示すように、上記の捕捉効果がある状況で、捕捉効果がないときの比例係数を用いると、算出したコンテンションウィンドウの初期値は最適値の約3倍となる。
そこで、本発明では、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを推定し、これらを用いてコンテンションウィンドウ初期値の最適値を導出する。供給トラヒック量G及び送信失敗確率Pfと、スループットSとの間には、次のような関係がある。
S=G(1−Pf) …(式1)
Figure 2008060852
(以下、便宜上「目標供給トラヒック量G」と記載)は、時刻tにおける供給トラヒックの推定値Gと、送信失敗確率の推定値Pfに基づき以下の式(2)ように算出され、この算出された目標供給トラヒック量Gは、スループットが最大となる時の供給トラヒック量GをoptGとすると、GとoptGとの間に位置する(G<G<optG、もしくは、optG<G<G)。そのため、供給トラヒック量Gを目標供給トラヒック量Gに誘導することで、optGに近づけることができる(請求項1)。
Figure 2008060852
ここで、k個の干渉波と衝突して失敗する確率をP、端末数をNとおくと、送信失敗確率Pfは次の(式3)ように表される。よって、送信失敗確率Pfは、供給トラヒック量Gと、k個の干渉波と衝突して失敗する確率Pとによって表すことができる。つまり供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfとの関係は、k個の干渉波と衝突して失敗する確率Pのみによって決定し、生起トラヒック量などの影響を受けない。
Figure 2008060852
変調方式は頻繁には変更がないため、Pが大きく変わることがないとすると、過去の供給トラヒック量G及び送信失敗確率Pfの推定履歴から供給トラヒック量Gを決定すると、送信失敗確率Pf及びスループットSを推定することができる。そこで、これまでに推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを記録し、その履歴情報を用いて(式2)におけるdPf/dGの算出に活用することができる(請求項3)。また、目標供給トラヒック量Gが算出できなくても、以前に算出した目標供給トラヒック量Gを活用することが出来る(請求項4)。また、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの推定履歴の情報が揃わない場合には、バックオフプロトコルのパラメータを変動させて、推定される供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを変化させて目標供給トラヒック量Gを算出できるようにする(請求項5)。
また、正確にトラヒック状況を把握するために、判別が難しく、トラヒック状況の把握誤差を招く衝突と空きスロットの判別は行なわず、成功と不成功スロットの情報を用いてトラヒック状況を推定する。つまり、全体のスループットS以外に再送回数(r)毎のスループットSをすべて測定し、捕捉効果が発生している状況でもより正確にトラヒック状況を把握することができる(請求項2)。図2には、供給トラヒック量G及び全体のスループットSを用いて推定した送信失敗確率Pfと、供給トラヒック量G及び再送回数0回目のスループットSのみを用いて推定した送信失敗確率Pfとを比較した一例を示す。ここでは、各端末局からの受信電力の揺らぎを±5dB、SIR(Signal to Interference Ratio)−PER(Packet Error Rate)特性をSIR<1dBでPER=1、1dB<SIR<2dBでPER=0.75、2dB<SIR<3dBでPER=0.35、3dB<SIR<4dBでPER=0.08、4dB<SIR<5dBでPER=0.009、5dB<SIR<6dBでPER=0.0006とした。再送回数毎のスループットをすべて用いた方がより正確にPfを推定することができる。
最後に、バックオフプロトコルのパラメータにはコンテンションウィンドウとバックオフ因子の2つがある。図3(a)に、端末数が10000台、生起トラヒック量が1.0、バックオフ因子を2に固定した時のコンテンションウィンドウの初期値Wと供給トラヒック量Gとの関係を、図3(b)に、コンテンションウィンドウの初期値Wを100に固定した時のバックオフ因子の値Bfと供給トラヒック量Gとの関係を示す。供給トラヒック量Gは、コンテンションウィンドウの初期値W、バックオフ因子の値Bfのいずれのパラメータの減少関数であるため、どちらのパラメータを使っても供給トラヒック量Gを誘導することができる。つまり、算出したGがGより大きければ、現在のコンテンションウィンドウの初期値Wもしくはバックオフ因子の値Bfを小さくし、GがGより小さければ、現在のコンテンションウィンドウの初期値Wもしくはバックオフ因子の値Bfを大きくする。
本発明によれば、非常に多くの端末がランダムアクセスするため、バックオフプロトコルによって適正に送信制御を行なわないとチャネルの利用効率(スループット)が大きく低下し、遅延時間が大きく増大する状況下で、捕捉効果が発生する場合においてもトラヒックの状況に応じてバックオフプロトコルのパラメータを適正に制御して、スループット特性及び遅延特性の劣化を抑えることができる。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態を、図4〜図7、図12及び図13を参照して説明する。図4は、本実施形態の無線通信システムのネットワーク構成を示すブロック図である。図5は、本実施形態における基地局と端末局との基本的なシーケンスを示す。図6は、基地局における動作フローを示す図である。図7は端末局における動作フローを示す図である。また、図12は、基地局の機能ブロック図を、図13は、端末局の機能ブロック図である。
下記においては、他の通信装置からランダムアクセスを受ける通信装置を基地局、ランダムアクセスを行なう通信装置を端末局として説明する。
図4に示すように、1つの基地局10に複数の端末局20(ここでは、これらを端末局#1〜#5とする)が無線により接続し、双方向の通信が確保されている通信路において、端末局20から基地局10へのランダムアクセスのトラヒック量をバックオフプロトコルによって制御している。基地局10、各端末局#1〜#5を中心とする各円である受信エリアA0〜A5は、その円の中心となる基地局10、端末局#1〜#5それぞれについての、端末局20からの送信パケットに対する受信エリアを示している。同図において、端末局#1は、隣接する端末局#2の送信パケットは受信できるが、基地局10(AP:アクセスポイント)の受信エリアA0内に存在する他の多くの端末局#3〜#5の送信パケットは受信できない。この場合、例え端末局#3〜#5が基地局10(AP)に対してランダムアクセスしていたとしても、端末局#1ではそれを受信できない。そのため、端末局#1では、基地局10へのランダムアクセスのトラヒック状況を正確に把握することはできない。
そこで、基地局10がトラヒック状況を把握し、トラヒック状況に応じた最適なコンテンションウィンドウの初期値Wを算出し、その値を定期的に端末局20に同報する。図5に基地局10と端末局20間のシーケンスを示す。新しくトラヒックが生起した端末局20では、その後に受信したコンテンションウィンドウの初期値Wを含んだ制御信号によってバックオフ時間を決定する。バックオフ時間はスロット毎に減算していき、ゼロになった時点でランダムアクセスを行なう。端末局20におけるランダムアクセスの成否は制御信号に含まれるACKの有無で判断する。ACKが含まれていないときは、最新のコンテンションウィンドウ初期値と再送回数、バックオフ因子の値に基づきバックオフ時間を決定する。
同図において、基地局10は、コンテンションウィンドウの初期値Wと、端末局20からのランダムアクセスへのACKとを設定した制御信号を端末局20へ同報している(ステップS110)。ある端末局20から基地局10へランダムアクセスが行われた後(ステップS120)、他の複数の端末局20から基地局10へランダムアクセスが行われて衝突が生じたとする(ステップS130)。基地局10は、トラヒック状況に応じた最適なコンテンションウィンドウの初期値Wを算出し(ステップS140)、算出した値Wと、ランダムアクセスへのACKとを設定した制御信号を端末局20に同報する(ステップS150)。ランダムアクセスが基地局10に到達したなかったことを制御信号により認識した各端末局20では、ステップS150において受信した制御信号に含まれるコンテンションウィンドウの初期値Wによってバックオフ時間を決定し、更新する(ステップS160)。さらに、基地局10は、次の周期において、新たなトラヒック状況に応じた最適なコンテンションウィンドウの初期値Wを算出し(ステップS170)、その算出した値Wと、ランダムアクセスへのACKとを設定した制御信号を端末局20に同報する(ステップS180)。各端末局20では、ステップS160において決定したバックオフ時間をスロット毎に減算していき、ゼロになった時点で再びランダムアクセスを行なう(ステップS190)。
図12は、基地局10の機能ブロック図を示す。基地局10は、受信部11、送信部12、転送部13、W(Bf)制御部14、制御信号生成部15、受信部16、及び、送信部17を備える。受信部11は、端末局20からの信号を無線により受信し、送信部12は、端末局20へ無線により信号を送信する。受信部16は、図示しない他のノードからの信号を有線等により受信し、送信部17は、図示しない他のノードへ有線等により信号を送信する。転送部13は、受信パケット及び送信パケットを適切な機能部へ転送する。
W(Bf)制御部14は、さらに、S測定部141、W(Bf)算出部142、及び、記録部143を備える。受信部11により端末局20から受信したランダムアクセスパケットの数に基づき、S測定部141でスループットSを測定し、W(Bf)算出部142においてトラヒック状況に応じた最適なコンテンションウィンドウ初期値Wもしくはバックオフ因子の値Bfを算出する。W(Bf)算出部142において算出された最適なコンテンションウィンドウ初期値Wもしくはバックオフ因子の値Bfは記録部143において記録され、W(Bf)算出部142における次の算出過程で活用される。W(Bf)算出部142で算出されたコンテンションウィンドウ初期値Wもしくはバックオフ因子の値Bf、及びランダムアクセスの成否は制御信号生成部15において、制御信号に実装され、送信部12を介して端末局20に同報される。
図13は、端末局20の機能ブロック図を示す。端末局20は、受信部21、再送回数管理部22、バックオフ時間管理部23、パケット生成部24、及び、送信部25を備える。受信部21は無線により信号を受信し、送信部25は無線により信号を送信する。パケット生成部24がパケットを生成すると、再送回数管理部22は、内部に保持する再送カウンタをゼロクリアする。その後、受信部21においてコンテンションウィンドウ初期値Wを含む制御信号を基地局10から受信し、その情報を元にバックオフ時間管理部23においてバックオフ時間を決定する。バックオフ時間管理部23では、スロット時間毎にバックオフ時間を減算していき、ゼロになった時点でパケット生成部24に対して、パケットの送信指示を送る。パケット生成部24は、再送回数管理部22で管理している再送カウンタの値を埋め込んでパケットを送信する。送信後は、ACKを含む制御信号を、受信部21を介して再送回数管理部22で受信し、送信したパケットが基地局10に到達したかどうかを確認する。再送回数管理部22は、不達であると判断したならば、再送カウンタを1増やして、バックオフ時間管理部23に対して再度バックオフ時間を決定するように指示する。
図6は、本実施形態の基地局10におけるコンテンションウィンドウ初期値Wの算出動作のフローを示す。W(Bf)算出部142は、コンテンションウィンドウ初期値の更新周期(スループットSの算出周期)ごとに、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを推定し(ステップS210)、以下に示す(式4)により目標供給トラヒック量Gを算出する(ステップS220)。dPf/dGは、直前の時間(t−1)に推定した供給トラヒック量Gt−1及び送信失敗確率Pft−1と、ステップS210において推定した、現在の時間tの供給トラヒック量G及び送信失敗確率Pfの差分からの変化率ΔPf/ΔG=(Pf−Pft−1)/(G−Gt−1)をもって近似する。
Figure 2008060852
供給トラヒック量Gは、コンテンションウィンドウ初期値の減少関数で表される(dG/dW<0)ため、W(Bf)算出部142は、G>Gであればコンテンションウィンドウの初期値Wを現在の値より所定の値W_stepだけ小さく(ステップS230:Yes、ステップS250)、G<Gであれば現在の値より所定の値W_stepだけ大きくする(ステップS230:No、ステップS240)。もしくは、供給トラヒック量Gはバックオフ因子の減少関数で表される(dG/dBf<0)ため、W(Bf)算出部142は、G>Gであればバックオフ因子の値Bfを現在の値より所定値だけ小さく、G<Gであれば現在の値より所定値だけ大きくする。
なお、ステップS250において新たに算出したコンテンションウィンドウの初期値Wが、予め決められたコンテンションウィンドウの初期値Wの下限より小さい場合(ステップS260:Yes)、W(Bf)算出部142は、新たなコンテンションウィンドウの初期値Wを、その下限の値とする(ステップS270)。
図7は、本実施形態の端末局20における、パケットが生起してからランダムアクセスが完了するまでの動作フローを示す。端末局20の再送回数管理部22は、パケット生成部24において新しくパケットが生起したならば(ステップS310)、まず内部に保持する再送カウンタrをゼロクリアする(ステップS320)。その後、バックオフ時間管理部23が、受信部21を介して基地局10からコンテンションウィンドウの初期値Wを含む制御信号を受信すると(ステップS330)、[0,W−1]の範囲内でバックオフ時間を決定する(ステップS340)。バックオフ時間管理部23は、スロット時間ごとにバックオフ時間を減算していき(ステップS350、ステップS360:No)、ゼロになった時点でパケット生成部24へ送信指示を出力し(ステップS360:Yes)、パケット生成部24はランダムアクセスパケットを送信する(ステップS370)。
送信後は、再送回数管理部22が受信部21を介してACKを含む制御信号を基地局10から受信し、受信した制御信号内に自身のIDもしくはPE(パーシャルエコー)が設定されているかを探索し、見つからなければランダムアクセスパケットが基地局10に不達であると判断して(ステップS380:Yes)、再送カウンタrを1増やす(ステップS390)。バックオフ時間管理部23は、再送カウンタrが上限値に達していれば(ステップS400:Yes)、ランダムアクセスのパケットを破棄する(ステップS410)。一方、再送カウンタrが上限値に達していなければ(ステップS400:No)、バックオフ時間管理部23は、最新のコンテンションウィンドウの初期値Wとバックオフ因子の値Bf、再送カウンタrに基づき、[0、BfW−1]の範囲内でバックオフ時間を決定し、ステップS330からの処理を繰り返して再度バックオフする。なお、当該パケットを破棄した(ステップS410)、もしくはACKを受信することでランダムアクセスの成功を確認した場合(ステップS380:No)、パケット生成部24は、キューに送信パケットが存在する限り(ステップS420:No)、ステップS320からの処理を実行し、再度ランダムアクセスを繰り返す。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態を、図8を参照して上述した第一実施形態との差分を中心に説明する。
図8は、本実施形態の端末局20における、パケットが生起してからランダムアクセスが完了するまでの動作フローを示す。端末局20の再送回数管理部22は、パケット生成部24において新しくパケットが生起したならば(ステップS510)、まず内部に保持する再送カウンタrをゼロクリアする(ステップS520)。その後、バックオフ時間管理部23は、受信部21を介して基地局10からコンテンションウィンドウの初期値Wを含む制御信号を受信すると(ステップS530)、[0,W−1]の範囲内でバックオフ時間を決定する(ステップS540)。バックオフ時間管理部23は、スロット時間ごとにバックオフ時間を減算していき(ステップS550、ステップS560:No)、ゼロになった時点でパケット生成部24へ送信指示を出力し(ステップS560:Yes)、パケット生成部24はランダムアクセスパケットに再送カウンタrの値を埋め込んで送信する(ステップS570、S580)。
送信後は、再送回数管理部22が受信部21を介してACKを含む制御信号を受信し、受信した制御信号内に自身のIDもしくPEが設定されているかを探索し、見つからなければランダムアクセスパケットが基地局10に不達であると判断して(ステップS590:Yes)、再送カウンタrを1増やす(ステップS600)。バックオフ時間管理部23は、再送カウンタrが上限値に達していれば(ステップS610:Yes)、ランダムアクセスのパケットを破棄する(ステップS620)。一方、再送カウンタrが上限値に達していなければ(ステップS610:No)、バックオフ時間管理部23は、最新のコンテンションウィンドウの初期値Wとバックオフ因子の値Bf、再送カウンタrに基づき、[0,BfW−1]の範囲内でバックオフ時間を決定し、ステップS530からの処理を繰り返して再度バックオフする。なお、当該パケットを破棄した(ステップS620)、もしくはACKを受信することでランダムアクセスの成功を確認したならば(ステップS590:No)、パケット生成部24は、キューに送信パケットが存在する限り(ステップS630:No)、ステップS520からの処理を実行し、再度ランダムアクセスを繰り返す。
一方、基地局10のS測定部141は、端末局20から受信したランダムアクセスパケットに含まれている再送カウンタrの値を参照し、再送回数r毎のスループットSを測定する。ここで、ある端末局20である端末局kにおいてトラヒックが生起し、バックオフを行なって1回目の送信状態に遷移する確率をB、送信失敗確率をPfとおくと、各送信回数r(r=0〜R−1)のスループットS及び全体のスループットSは次の(式5)のように表すことができる。
Figure 2008060852
そのため、測定したSを用いて次の(式6)のように供給トラヒック量Gを推定することができる。
Figure 2008060852
推定したGと測定したSを用いて、以下の(式7)ように送信失敗確率Pfを推定することができる。
Figure 2008060852
基地局10は、第一実施形態の図6のステップS210において、上記のように供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを推定し、この推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを用いて、図6のステップS220以降と同様の処理を実行する。
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態を、図9を参照して上述した第一実施形態との差分を中心に説明する。
図9は、本実施形態の基地局10における動作フローを示すブロック図である。
ここで、k個の干渉波と衝突して失敗する確率をP、端末数をNとおくと、送信失敗確率Pfは次の(式8)のように表される。よって、送信失敗確率Pfは、供給トラヒック量Gと、k個の干渉波と衝突して失敗する確率Pによって表すことができる。つまり、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfとの関係はk個の干渉波と衝突して失敗する確率Pのみによって決定し、生起トラヒック量などの影響を受けない。
Figure 2008060852
一方で、第一実施形態と同様に、目標供給トラヒック量Gを算出するにあたり、dPf/dGは、供給トラヒック量G及び送信失敗確率Pfの隣接値からの変化率ΔPf/ΔGで求めるとする。推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfには推定誤差が含まれるため、ΔPf/ΔGを算出するにあたって供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの値が近すぎると算出したΔPf/ΔGは大きな誤差を含むことになる。
図9において、W(Bf)算出部142は、第一実施形態と同様にコンテンションウィンドウ初期値の更新周期に供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを推定し、推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを記録部143に記録する(ステップS710)。W(Bf)算出部142は、ステップS710において推定した、現在の時間tの供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfに対して、その推定誤差と比べて十分大きな規定値以上離れた供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの過去のデータを参照データとして記録部143から抽出し(ステップS720)、これらを供給トラヒック量Gt−1及び送信失敗確率Pft−1として用い、第一実施形態と同様の手順により目標供給トラヒック量Gを算出する(ステップS730)。以降のステップS740〜S780は、第一実施形態の図6のステップS230〜S270と同様の処理を実行する。
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態を、図10を参照して上述した第三実施形態との差分を中心に説明する。
図10は、本実施形態の基地局10における動作フローを示す図である。
k個の干渉波と衝突して失敗する確率Pがほぼ一定であれば、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの関係は変わらないため、それまでに算出した目標供給トラヒック量Gを用いても十分コンテンションウィンドウの初期値を制御することができる。そのため、W(Bf)算出部142は、第三実施形態における手順において、参照データの抽出条件に適合した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfのデータがデータベースに存在しない場合、それ以前に算出した目標供給トラヒック量Gを読み出して用いる。
すなわち、W(Bf)算出部142は、第三実施形態における図9のステップS710と同様の処理により、コンテンションウィンドウ初期値の更新周期に供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを推定し、推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを記録部143に記録する(ステップS810)。そして、W(Bf)算出部142は、ステップS810において推定した、現在の時間tの供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfに対して、その推定誤差と比べて十分大きな規定値以上離れた供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの過去のデータが記録部143内に登録さているかを判断する(ステップS820)。登録されていない場合は(ステップS820:No)、それ以前に算出した目標供給トラヒック量Gを記録部143から読み出して用い、存在する場合は(ステップS820:Yes)、その過去の供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを読み出し、第三実施形態における図9のステップS730と同様の処理により目標供給トラヒック量Gを算出して更新する(ステップS830)。以降のステップS840〜S880は、第三実施形態の図9のステップS740〜S780と同様の処理を実行する。
[第五実施形態]
本発明の第五実施形態を、図11を参照して上述した第四実施形態との差分を中心に説明する。
図11は、本実施形態の基地局10における動作フローを示す図である。
基地局10では、第四実施形態と同様に、目標供給トラヒック量Gを算出するにあたり、dPf/dGを、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの隣接値からの変化率ΔPf/ΔGで求めるとする。上述したように、推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfには推定誤差が含まれるため、ΔPf/ΔGを算出するにあたって供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの値が近すぎると算出したΔPf/ΔGは大きな誤差を含むことになる。
そのため、本実施形態では、コンテンションウィンドウの初期値を変動させて、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの推定誤差に基づく規定値以上、推定される供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを変化させて目標供給トラヒック量Gを算出できるようにする。但し、生起トラヒック量が小さいと、コンテンションウィンドウの初期値を変化させても供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfはほとんど変化しないため、コンテンションウィンドウの初期値の上限値を設け、それ以上は大きくしないようにする。
すなわち、基地局10のW(Bf)算出部142は、第四実施形態における図10のステップS810及びS820と同様の処理により、コンテンションウィンドウ初期値の更新周期(トラヒックSの算出周期)に、供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを推定し、推定した供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを記録部143に記録し(ステップS910)、参照データ、つまり、ステップS910において算出した、現在の時間tの供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfに対して、その推定誤差と比べて十分大きな規定値以上離れた供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfの過去のデータが記録部143内に登録さているかを判断する(ステップS920)。参照データが登録されている場合は(ステップS920:Yes)、第四実施形態の図10のステップS830〜S880と同様の処理を行なう(ステップS930〜S980)。
一方、記録部143に参照データが存在しない場合は(ステップS820:No)、それ以前に目標供給トラヒック量Gを算出したかどうか、つまり記録部143から読み出した目標供給トラヒック量Gが0か否かを判断する(ステップS990)。読み出した目標供給トラヒック量Gが0である場合は(ステップS990:No)、ステップS940以降の処理を実行する。また、目標供給トラヒック量Gが0である場合は(ステップS990:Yes)、記録部143からコンテンションウィンドウの初期値Wが上限に達したときにONとなるフラグを読み出す。そして、読み出したフラグがOFFである場合は(ステップS1000:Yes)、コンテンションウィンドウ初期値Wを、現在の値より所定の値W_stepだけ大きくする(ステップS1010)。ステップS1010において新たに算出したコンテンションウィンドウの初期値Wが、予め決められたコンテンションウィンドウの初期値Wの上限より大きい場合(ステップS1020:Yes)、W(Bf)算出部142は、新たなコンテンションウィンドウの初期値Wを、その上限の値とするとともに、フラグにONを設定する(ステップS1030)。
あるいは、読み出したフラグがOFFでない場合は(ステップS1000:No)、コンテンションウィンドウの初期値Wを、現在の値より所定の値W_stepだけ小さくする(ステップS1040)。ステップS1040において新たに算出したコンテンションウィンドウの初期値Wが、予め決められたコンテンションウィンドウの初期値Wの下限より小さい場合(ステップS1050:Yes)、W(Bf)算出部142は、新たなコンテンションウィンドウの初期値Wを、その下限の値とするとともに、フラグにOFFを設定する(ステップS1060)。
上記のように、コンテンションウィンドウの初期値Wを変動させることにより、次の周期においてステップS910で推定される供給トラヒック量Gと送信失敗確率Pfを変化させる。
なお、バックオフ因子の値Bfの値を変化させる場合には、上記処理において、コンテンションウィンドウの初期値Wを、バックオフ因子の値Bfと置き換えて考えればよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、基地局10のW(Bf)制御部14及び制御信号生成部15、ならびに、端末局20の再送回数管理部22、バックオフ時間管理部23、及び、パケット生成部24は、専用のハードウェア(例えば、ワイヤードロジック等)により実現されるものであってもよく、また、メモリおよびCPU(中央処理装置)により構成され、プログラムをメモリからロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。また、基地局10のW(Bf)制御部14及び制御信号生成部15、ならびに、端末局20の再送回数管理部22、バックオフ時間管理部23、及び、パケット生成部24を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、必要な処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
アクティブ端末数と最適コンテンションウィンドウ初期値との関係図。 送信失敗確率の推定誤差について示す図。 コンテンションウィンドウ初期値及びバックオフ因子と供給トラヒック量との関係を示す図。 第一実施形態のネットワーク構成ブロック図。 第一実施形態の基地局と端末局との基本的なシーケンス図。 第一実施形態の基地局における動作フロー図。 第一実施形態の端末局における動作フロー図。 第二実施形態の端末局における動作フロー図。 第三実施形態の基地局における動作フロー図。 第四実施形態の基地局における動作フロー図。 第五実施形態の基地局における動作フロー図。 基地局の機能ブロック図。 端末局の機能ブロック図。
符号の説明
10…基地局
11、16、21…受信部
12、17、25…送信部
13…転送部
14…W(Bf)制御部
141…S測定部
142…W(Bf)算出部
143…記録部
15…制御信号生成部
20…端末局
22…再送回数管理部
23…バックオフ時間管理部
24…パケット生成部

Claims (10)

  1. 複数の通信装置からなり、バックオフプロトコルによりランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおけるバックオフプロトコル最適制御方法であって、
    他の通信装置からランダムアクセスを受ける通信装置が、
    前記他の通信装置からの供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定し、推定した現在の供給トラヒック量及び送信失敗確率と、過去に推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率とから目標とする供給トラヒック量を算出し、この算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より大きければ現在のコンテンションウィンドウの初期値を小さく、算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より小さければ現在のコンテンションウィンドウ初期値を大きくし、当該コンテンションウィンドウ初期値を前記他の通信装置へ通知し、
    ランダムアクセスを行なう前記他の通信装置が、
    前記通信装置から受信したコンテンションウィンドウ初期値によりバックオフ時間を決定する、
    ことを特徴とするバックオフプロトコル最適制御方式。
  2. ランダムアクセスを行なう前記他の通信装置は、
    ランダムアクセスパケットに再送回数を示す情報を埋め込んで送信し、
    他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、
    前記他の通信装置から受信したランダムアクセスパケット内の再送回数の情報を用い、再送回数毎のスループットを算出することにより供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方式。
  3. 他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、
    推定した供給トラヒック量と送信失敗確率の組み合わせを記録部へ記録し、適切な供給トラヒック量を算出するための所定の条件を満たす、過去に推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率のデータを当該記録部から読み出して、目標とする供給トラヒック量を算出する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方式。
  4. 他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、
    目標供給トラヒック量を算出できず、かつ、これまでに目標供給トラヒック量を算出できていた場合、過去に算出した目標供給トラヒック量の値と現在の供給トラヒック量とを比較してコンテンションウィンドウの初期値を変化させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方式。
  5. 他の通信装置からランダムアクセスを受ける前記通信装置は、
    目標とする供給トラヒック量を算出できず、かつ、これまでに目標とする供給トラヒック量を算出できていなかった場合、現在のコンテンションウィンドウの初期値を変動させて前記他の通信装置へ通知し、所定の時間後に、再び目標供給トラヒック量の算出を行ってコンテンションウィンドウの初期値を変化させ、他の通信装置へ通知する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のバックオフプロトコル最適制御方式。
  6. コンテンションウィンドウの初期値の代わりに、バックオフ因子の値を変化させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のバックオフプロトコル最適制御方式。
  7. 基地局と複数の端末局からなり、バックオフプロトコルにより前記端末局からのランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおける前記基地局であって、
    前記端末局からの供給トラヒック量及び送信失敗確率を推定し、推定した現在の供給トラヒック量及び送信失敗確率と、過去に推定した供給トラヒック量及び送信失敗確率とから目標とする供給トラヒック量を算出し、この算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より大きければ現在のコンテンションウィンドウの初期値を小さく、算出した目標供給トラヒック量の値が現在の供給トラヒック量より小さければ現在のコンテンションウィンドウ初期値を大きくする制御部と、
    前記制御部により変化させたコンテンションウィンドウ初期値を端末局へ通知する制御信号生成部と、
    を備えることを特徴とする基地局。
  8. 前記制御部は、コンテンションウィンドウの初期値の代わりに、バックオフ因子の値を変化させ、
    前記制御信号生成部は、前記制御部により変化させたバックオフ因子の値を端末局へ通知する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の基地局。
  9. 基地局と複数の端末局からなり、バックオフプロトコルにより前記端末局からのランダムアクセスのトラヒック量を制御する無線通信システムにおける前記端末局であって、
    前記基地局へ送信したランダムアクセスパケットの再送回数をカウントする再送回数管理部と、
    前記再送回数管理部がカウントした再送回数を示す情報を、ランダムアクセスパケットに埋め込んで送信するパケット生成部と、
    前記基地局から受信したコンテンションウィンドウ初期値によりバックオフ時間を決定するバックオフ時間管理部と、
    を備えることを特徴とする端末局。
  10. 前記バックオフ管理部は、コンテンションウィンドウ初期値の代わりに、バックオフ因子の値を受信し、受信したバックオフ因子の値によりバックオフ時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項9に記載の端末局。

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