JP2008057976A - 水素ガス検知センサ - Google Patents

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修 山田
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弘一 平中
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Abstract

【課題】簡易で高精度に複数からの水素ガスの漏洩箇所を発見することのできるガス検知装置を提供する。
【解決手段】水素ガスを検知すると電気抵抗が変化する水素ガス検知センサであって、帯状の絶縁性の基材面端部の長手方向の長辺部に形成される共通電極と、共通電極2と一端が接続され所定の間隔で直線状に配置される所定の小領域の検知膜からなるセンサセル3と、共通電極2と対をなしてセンサセル他端部に形成される検出電極4とを有し、共通電極2にバイアス電圧を印加し、共通電極2とセンサセル3の検出電極4との間の抵抗値変化を検知して該抵抗値変化が検出されるセンサセル3の位置に基づいて水素ガス検知位置を算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素ガスなどに関する機器や配管などの水素ガスなどの漏洩箇所の検知に、ガスを検知すると抵抗変化する水素ガス検知センサに関するものである。
近年、地球環境保護や化石燃料の枯渇防止の観点から、クリーンかつ循環可能なエネルギーの活用が望まれている。その中でも特に、水素ガスをエネルギー源として利用するための研究は、燃料電池を中心に活発に行われている。一方、水素ガスは、爆発限界濃度が4%から75%と広く、水素ガスをエネルギー源として普及させるには、水素の貯蔵や輸送などのハンドリングや、水素漏洩に対する安全装置が不可欠となる。その中で、安全性を確保するため、水素ガスの漏洩を検知する水素ガス検知センサは、非常に重要になっている。
従来の水素ガス検知センサは、接触燃焼方式もしくは半導体方式が主に用いられている。
接触燃焼方式の水素ガス検知センサは、白金(Pt)やパラジウム(Pd)などの触媒金属をヒータで加熱し、触媒に接触した水素ガスを空気の酸素で酸化させる。この水素ガスの酸化作用で生ずる発熱を、記触媒金属の導電率の変化として電気的に検出するものである。また、半導体方式の水素ガス検知センサは、水素ガスの検知膜への吸着による検知膜の電気特性の変化、すなわち抵抗値の変化を検出するものである。この半導体式の水素ガス検知センサも接触燃焼式と同様に、ヒータで加熱した状態で使用される。(例えば特許文献1および2参照)
これらの水素ガス検知センサは、水素ガスを利用する燃料電池自動車、定置型燃料電池や、水素ディスペンサ、水素圧縮器などの水素機器や、水素ボンベなど蓄ガス設備などの水素漏洩を検知するための水素ガス検知センサとして用いられる。例えば、燃料電池自動車に用いる場合は、燃料電池のスタック近傍、水素タンク近傍、車室内ルーフなど、水素ガスが漏洩し易い箇所や、滞留し易い箇所などに複数設置される(例えば特許文献3参照
。)。また、水素ディスペンサや水素圧縮機などの水素機器においても、機器内部の水素
ガスが漏洩しやすい箇所や滞留し易い箇所と、これらの水素機器が設置される室内の上部や排気口付近など、水素ガスの排気流路や滞留し易い箇所にも複数個の水素ガス検知センサが設置される。
また、新たな水素ガス検知センサとして、光ファイバー式による分布型水素ガス検知センサが考案されている。光ファイバー式は、光ファイバーのクラッドの部分に、水素を検知すると光に対して屈折率が変化する検知膜を形成し、光ファイバーに沿った線上の水素ガスの濃度を検知する方法である。この方法により、従来の接触燃焼方式や半導体方式のようにセンサを設置した場所の水素ガス濃度を測定するのではなく、光ファイバーを敷設した線上、すなわち1次元上の水素ガス濃度を測定することが可能になった。さらに、この光ファイバー式は、OTDRの技術と組み合わせることで、光ファイバー上の水素ガスを検知した位置も測定することが可能となった(例えば特許文献4参照。)
実公昭49−23507号公報(第1−3頁) 特開平7−260727号公報 特開2004−23874号公報(第5−8頁、第3図) 特開2003−166938号公報(第3−6頁、第3図)
しかしながら、接触燃焼方式や半導体方式などの水素ガス検知センサでは以下のような課題がある。
接触燃焼方式や半導体方式の水素ガス検知センサは、設置された場所の水素ガス濃度を検知する方式である。そのため、水素ガスの漏洩箇所と水素ガス検知センサの設置場所との間の空気の流れ方向や速度により、水素ガス検知センサが漏洩した水素ガスを検知できないこともある。また、安全マージンを確保するために、水素ガス検知センサの感度を高く設定することが必要になるが、水素以外のガスによる誤作動や、経時変化の原因となる。
さらに、水素ガスの漏洩発生から水素ガス検知センサにより検知されるまでの時間は、水素ガスの漏洩箇所や漏洩方向、さらに、周囲の空気の流れなどの条件により変動する。特に、大量の水素ガスを保管する蓄ガス室などにおいては、水素ガス検知センサが検知した時点では、すでに大量の水素ガスの漏洩を生じている危険性もある。
さらに、水素ガスの漏洩時箇所を発見するには、人間が携帯型の水素ガス検知器を持って水素ガスが漏洩した状態で探し出す作業も必要である。中でも大型の水素機器やプラントなどにおいては、検査箇所も膨大になり時間がかかり危険性も高くなる。
一方、新たな方式である光ファイバー型の水素ガス検知センサは、従来の水素ガス検知センサのように設置箇所のみの水素ガスを検知するタイプではなく、光ファイバーを敷設した範囲の水素ガスを検知できる分布型センサを実現している。また、OTDR( Optical Time Domain Reflectometor)と組合すことで、光ファイバー上の水素ガスを検知した位置も検出することが可能となる。このように、光ファイバー型の水素ガスセンサは、従来の水素ガス検知センサの課題を解決できる新たな水素ガス検知センサとして期待されている。
しかし、光ファイバー型の水素ガス検知センサにおける位置検出精度は、高価なOTDRを用いても数十センチ以下にはできない。そのため、水素ガスの位置を正確に特定するためには、結局のところ携帯型の水素ガス検知器などで正確に探しだす必要がある。さらに、光ファイバー自体が折れやすいなど取扱いの難しさもある。
従来の課題を解決するために、本発明の水素ガス検知センサは、水素ガスを検知すると電気抵抗が変化する水素ガス検知センサであって、帯状の絶縁性の基材面端部の長手方向の長辺部に形成される共通電極と、前記共通電極と一端が接続され所定の間隔で直線状に配置される所定の小領域の検知膜からなるセンサセルと、前記共通電極と対をなして前記センサセル他端部に形成される検出電極と、を有し、前記共通電極にバイアス電圧を印加し、前記共通電極とセンサセルの検出電極との間の抵抗値変化を検知して該抵抗値変化が検出されるセンサセルの位置に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴としたものである。
また、本発明は、水素ガスにより電気抵抗が変化する検知膜の水素ガス検知センサであって、帯状の電気的に絶縁性を有する基材と、前記基材両面に対向して所定の間隔で直線状に配置し該対向する検知膜を内面に検知膜を有するスルーホールで接続されるセンサセルと、前記基材の一面上の全ての検知膜部の一端と接続する共通電極と、前記共通電極と対をなして前記基材の他面のそれぞれの検知膜部の他端に形成される検出電極と、を有し、前記共通電極にバイアス電圧を印加し、前記共通電極とセンサセルの検出電極との間の抵抗値変化を検知して該抵抗値変化が検出されるセンサセルの位置に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴としたものである。
また、本発明は、水素ガスを検知すると電気抵抗が変化する検知膜の水素ガス検知センサであって、電気的に絶縁性を有する矩形状の基材と、前記基材上に所定の間隔で2次元状に配置され、前記基材の両面で対向する検知膜を内面に検知膜を有するスルーホールで接続して形成されるセンサセルと、前記それぞれのセンサセルの一端に前記基材片面側で所定のバイアス電圧を印加する列方向の共通検出電極であるXi(i=1〜m)電極と、前記Xi電極と対をなす前記基材他面で前記センサセルの他端に形成される行方向の共通検出電極であるYj(j=1〜n)電極と、を備え、前記Xi電極を通して、所定の時間間隔でセンサセルにバイアス電圧が供給され、前記バイアス電圧供給されるXi電極とYj電極との間の抵抗値変化を検知し、前記抵抗値変化が検出されるセンサセルの位置に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴としたものである。
本発明の1次元配列型および2次元配列型の水素ガス検知センサによれば、水素ガスの漏洩箇所を簡便なセンサにて、1次元状および2次元状に検知することができる水素ガス検知センサおよび可燃ガスセンサを提供することができる。
以下に、本発明の水素ガス検知センサの実施の形態を、図面とともに詳細に説明する。
実施例1の1次元配列型の水素ガス検知センサ10は、所定の間隔で略直線状に配置された水素ガスを検知すると電気的な抵抗値が変化する所定の小領域の検知膜からなるセンサセル3を有し、センサセル3の抵抗値の変化から、水素ガスを検知した位置を算出する水素ガス検知センサ10である。以下に、図1から図4を用いて説明する。
図1(a)は、1次元配列型の水素ガス検知センサの上面図を示し、図1(b)は、(a)のA−A断面図を示す。また、図1(c)は、(a)の下面図を示す。
図1で示す1次元配列型の水素ガス検知センサ10には、略帯状の電気的に絶縁性を有する石英(SiO2)の基材1の裏面に共通電極2を基材1の長手方向に略帯状に形成する。そして、水素ガスを検知すると電気的に絶縁性から半導体に変化する白金分散担持三酸化タングステン(Pt−WO3)からなる検知膜を、基材1の表裏両面に対向して所定の間隔で、前記共通電極2の長手方法に直線状に配置し、さらに、該対向する検知膜を、検知膜からなるスルーホール6で接続されたセンサセル3を形成する。
基材1の表面には、それぞれセンサセル3と一対をなす検出電極4を、それぞれのセンサセル3に接続されるように形成する。また、基材1の裏面には、共通電極2を、全てのセンサセル3を接続するように形成する。前記検出電極4には引き出し線8が接続され、位置検出装置15(図3に示す。)に接続される。共通電極2は、電流制限抵抗12を介してバイアス電源11に接続される。
図1で示す1次元配列型の水素ガスセンサ10は、基材1の表面から裏面までを貫通するスルーホール6を有することで、基材1の表面の水素ガスを含む被検知ガスを、スルーホール6に沿って裏面に排出することが可能となる。これにより、基材1の表面の水素ガスが基材表面を拡散し、水素ガスに接触するセンサセル3の範囲が広がることを防止できる。
スルーホール6のような水素ガスを基材1の表面から裏面に排出する穴は、センサセル3以外の部分(例えば基材1の部分や、共通電極2の部分や、検出電極4の部分)に、適当な間隔で設けてもよい。
次に、1次元配列型水素ガス検知センサの材料について説明する。
基材1は、電気的に絶縁性を有し、センサセル3の焼結温度である約500℃で安定であれば用いることができる。石英(SiO2)以外には、表面の絶縁処理が施されたシリコン(SiO2)、窒化アルミ(AlN)、アルミナ(Al23)などを用いることができる。また、樹脂系の材料では、商品名タイモルドなどの耐熱型のフェノール系の材料も用いることができる。この場合は、射出成型法を用いることで平面以外の立体的な形状を得ることも可能である。さらに、柔軟性のあるシート状の材料では、商品名カプトンなどのポリイミド系の材料も用いることができる。ポリイミド系の材料は耐熱温度が最高で450℃程度であるが、センサセル3の焼結温度を450℃程度にすることで用いることができる。
共通電極2は、導電性が高い材料で、センサセル3の焼結温度である約500℃で安定であれば用いることができる。また、電極自体が被検知ガス中の水素原子を含む可燃ガスに不活性であるほうがより望ましい。電極の材質としては、導電性が高い材料であるマグネシウム(Mg)、アルミ(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)などの金属や炭素(C)などを用いることが可能であるが、特に酸化しにくく、水素ガスに対して不活性な金(Au)や銅(Cu)が望ましい。
センサセル3は、水素ガスを検知することで電気的な抵抗が低下する性質を持つ物質であれば用いることが可能である。例えば、酸化スズ(SnO2)、三酸化モリブデン(MnO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化チタン(TiO2)、水酸化イリジウム(Ir(OH)n)、五酸化バナジウム(V25)、酸化ロジウム(Rh23・xH2O)などを用いることが可能である。
また、塗料の顔料であるピロロピロールに窒素ガスを混ぜた有機物質なども用いることができる。特に、ピロロピロールを用いる場合には、自然乾燥のみで用いることができ、500℃程度の焼結工程が不要であるため、基材1にフェノール樹脂、エポキシ樹脂などの耐熱温度の比較的低い材料も用いることができる。
次に、1次元配列型水素ガス検知センサ10の動作原理について説明する。
図1(b)および図3を用いて、1次元配列型の水素ガス検知センサにおける水素ガス検知の動作原理を説明する。
図1で示す被検知ガスに含まれる水素ガス26は、矢印7で示した位置で、センサセル3に接触する。センサセル3を形成する白金分散担持三酸化タングステンは、触媒として1nmから10nm程度の白金(Pt)微粒子が、10nmから100nm程度の三酸化タングステン(WO3)粒子上に分散担持されている構造を有する。この白金(Pt)微粒子上で水素ガス26はプロトン(H+)と電子(e-)に解離される。解離されたプロトン(H+)は、白金触媒微粒子上からスピルオーバーし、センサセル3の主成分である三酸化タングステン(WO3)に拡散しタングステンブロンズを形成する。WO3は、タングステンブロンズを形成していない状態において、電気的に絶縁に近い状態であるが、プロトン(H+)が拡散しタングステンブロンズを形成すると、半導体化し、さらに、水素ガスの濃度が高くなり多くのプロトン(H+)が拡散すると、半導体から導体に近い性質を示すようになる。一般に、センサセル3の抵抗値は、センサセル3に接触した水素ガス濃度と比例関係がある。図1で示す水素ガスに接触し半導体化したセンサセル24は、他のセンサセル3に比較して抵抗値が下がり、バイアス電点11よりバイアス電圧を印加すると電流を多く通すようになる。
図3に、水素ガス検知センサ10を用いてガス漏洩箇所を検出するための位置検出装置の概略図を示す。各センサセルの等価回路16(以下センサセル3)は、共通電極2が接続され、電流制限抵抗12を介してバイアス電源11よりバイアス電圧が印加される。また、各センサセル3は、各検出電極4を介して、オペアンプ13と帰還抵抗14で構成される各電流電圧変換回路30に接続される。各センサセル3からの電流信号は、各電流電圧変換回路30により電圧信号に変換され、マルチプレクサ17に入力される。マルチプレクサ17は、パーソナルコンピュータ(以下PC)20から命令を受けた制御回路19の制御信号により、各電圧電流変換回路30からの電圧信号の中から1つの電圧信号を選択し、A/D変換回路18に入力される。A/D変換回路18では、PC20のから命令を受けた制御回路19の制御信号により、マルチプレクサ17からの信号をアナログデジタル変換しPCに送られる。PC20は、A/D変換回路18からの信号を元に演算を行い、各センサセル3を流れる電流量に相当する電圧値を求めることができる。
水素ガスの検知は、まず1次元配列型の水素ガス検知センサ10が水素ガスを検知していない状態にする。その状態における各センサセル3に流れる電流量に相当する電圧値を測定し、各センサセル3のオフセット値として、PC20内に記録する。
次に、1次元配列型の水素ガス検知センサ10が水素ガスを検知する状態にして、各センサセル3を流れる電流量に相当する電圧値を計測し、各センサセル3の計測値としてPC20内に記録する。その後、PC20内に蓄積された各センサセル3の計測値からオフセット値を減算し、信号の変化値としてPC20内に記録する。各センサセル3の信号の変化値は、各センサセル3の電気的な抵抗値の変化に相当する電圧値であり、検知した水素ガスの濃度と比例関係がある。
これにより、1次元配列型の水素ガス検知センサ10の各センサセル3が検知した水素ガスの濃度に比例する信号の変化値の分布が求められ、水素ガスを検知した位置を算出することができる。
次に水素ガスを検知した位置の算出方法の1例について説明する。まず、水素ガスの検知位置が1箇所の場合は、各センサセル3の信号の変化値が最も大きい値が、水素ガスを検知した位置とする方法する方法を用いる。この位置は、水素ガスの濃度が高い位置であり、水素ガスを検知した位置とする。また、水素ガスを検知位置が複数の場合は、連続して配置された3点のセンサセル3において、両隣のセンサセル3の信号の変化値より大きい値を示すセンサセル3の位置を、水素ガスを検知した位置とする方法を用いる。
実施例1における実験結果を、図4(a)および図(b)を用いて説明する。
図4(a)は、実験に用いた1次元配列型の水素ガスセンサの断面図(図2の(b)と同様)を示す。1次元配列型のセンサは、図2で説明したセンサと基本的に同じである。センサセル3は、12点あり片側からX1からX12までの番号で示す。図4では、1次元配列型水素ガス検知センサ10が、センサ位置X3とX8の箇所で水素ガスを検知する例を示している。バイアス電源11は、直流電圧5Vで共通電極2に印加した。電流制限抵抗12は、10KΩとしている。各検出電極4からのバイアス電流は、約1μAであった。水素ガスを含む被検知ガスの噴出しノズルは、噴出口の直径が1mmの円形ノズルで噴出方向は上方(図4の矢印7で示す。)とし、X3とX8の位置に配置した。被検知ガスは、体積1%の水素ガスを含む空気とした。
図4(b)は、センサセル3の信号の変化値に相当する電圧値を示す。被検知ガスの噴出ノズルが配置されているX3およびX8のセンサセル3は、電圧値が他のセンサセル3より高い値となっている。従って、1次元配列型の水素ガス検知センサが、複数の水素ガスの検知位置を正確に検出していることを確認できた。
次に、実験に用いた1次元配列型の水素ガス検知センサの作成方法について、図1(a)、(b)、(c)を用いて説明する。
実験に用いた1次元の水素ガス検知センサの基材1には、長さ60mm、幅5mm、厚み0.5mmの石英(SiO2)を用いた。基材1には、センサセル3のスルーホール6を形成するためΦ3mmの穴を5mmピッチで12個形成した。
基材1の裏面の共通電極2は、金(Au)をスパッタ法用いて、厚み0.5μmで形成した。基材1の表面の検出電極4は、金(Au)をスパッタ法用いて、前記穴を中心に基材
の幅方向に5mmで、長手方向に4mm、厚み0.5μmで、12個形成した。尚、共通電極2および検出電極4をスパッタする際は、マスクを用いて前記穴の内部に金(Au)が蒸着されないようにした。
次に、白金分散担持三酸化タングステン(Pt−WO3)からなるセンサセル3を形成した。形成方法としては、ゾルゲル法を用いた。具体的には、まず、タングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO4・2H2O:純正科学株式会社)41.2gをメスフラスコに取り、純水を加えて250mLに調製し、0.5mol/Lの無色透明のタングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液を得た。
次に、陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120B Na:オルガノ株式会社)をカラム塔に充填し、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液を通過させ、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液のナトリウムイオン(Na+)をプロトン(H+)に交換し、薄黄色のタングステン酸(H2WO4)水溶液を得た。タングステン酸(H2WO4)水溶液13mLに触媒金属であるヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6・6H2O:和光純薬工業株式会社)を純水に、0.5mol/L溶解させた水溶液を4mLと、エタノールを8mL加えて均一に分散混合し、白金分散型酸化タングステンのゾルゲル溶液を合成した。
上記ゾルゲル溶液を、前記穴の内面およびその周囲1mmの部分に塗布した。塗布は、前記穴およびその周囲1mm以外の部分をマスキングした基材1を前記ゾルゲル液中にディップすることで行った。基材1のディップ時間は約20秒で、基材1をゾルゲル溶液から引き上げ後に窒素ガスを吹き付けて余分なゾルゲル液を除去した。
その後、室温にて1時間乾燥させた後マスキングを除去し、さらに、電気炉を用いて200℃で1時間仮焼成した後、500℃で3時間焼成してから室温に冷却した。このときのセンサセル3の検知膜の膜厚は0.3μmであった。
共通電極2と各検出電極4の間の抵抗値(以後、接合抵抗)を測定した。接合抵抗は、それぞれ約5MΩであった。

図2に図1以外の1次元配列型の水素ガス検知センサの構造を示す。
図2(a)および(b)は、基材1の片面(表面)に共通電極2、センサセル3および検出電極4を形成した構造を示す。図2(a)は上面図を示し、(b)は、(a)のA−Aの断面図を示す。
図2の1次元配列型の水素ガス検知センサ10は、略帯状の電気的に絶縁性を有する石英(SiO2)の基材1の表面に共通電極2を基材1の長手方向に略帯状に形成する。さらに、水素ガスを検知すると電気的に絶縁性から半導体に変化する白金分散担持三酸化タングステン(Pt−WO3)の微小領域の検知膜なるセンサセル3を、所定の間隔で略直線状で、且つ、全てのセンサセル3の一端が共通電極2に電気的に接合するように配置する。各検出電極4は、各センサセル3を挟んで共通電極2と対をなして、センサセル3と共通電極2の接合部以外の他端部でセンサセル3に電気的に接続する。センサセル3の水素ガスの検知領域は、センサセル3と共通電極1の接続部分と、センサセル3と検出電極4の接続部分との間となる。引き出し線8は、検出電極4の端に接続し、さらに、位置検出装置15の電流電圧変換回路30(図3に示す。)に接続する。共通電極2は、電流制限抵抗12を介してバイアス電源11に接続される。
上記で説明した図2の1次元配列型の水素ガス検知センサは、スルーホールが不要で簡易な構造であり、構造図1で示す1次元配列型の水素ガス検知センサと同様の機能を有する。但し、基材1の表面から裏面へ水素ガスを含む被検知ガスを排出する機能を有していないため、基材1の表面で水素ガスが拡散し、水素ガスを検知したセンサセルの範囲が広がりやすく、水素ガスの検知位置の検出精度が低下する場合がある。
図5に、図3と異なる構成の位置検出装置15を用いて、1次元配列型の水素ガス検知センサの水素ガス検知位置を算出する方法について説明する。実施例2で示す位置検出装置15は、電流電圧変換回路30が1つであり、簡易な回路構成を実現できる特徴を有する。
図5の1次元配列型の水素ガス検知センサ10は、図1および図2で示した1次元配列型の水素ガス検知センサと同じ構造である。各センサセルの等価回路16(以下、センサセル3)に接続された検出電極4は、検出スイッチ34に接続され、さらに、電流制限抵抗12を介してバイアス電源11に接続されている。検出スイッチ34は、パーソナルコンピュータ(以下、PC)20と制御回路19を介して接続されており、PC20の指令により、任意の1つのセンサセル3にバイアス電圧を印加する機能を有する。各センサセル3に接続された共通電極2は、帰還抵抗14とオペアンプ13で構成される電流電圧変換回路30に接続される。そして、電流電圧変換回路30は、PC20で制御するA/D変換回路18に接続され、その後、PC20に接続される。
次に、位置検出装置15の動作原理について説明する。
まず、1次元配列型の水素ガス検知センサ10が、水素ガスを検知していない状態にする。その状態で、PC20は、検出スイッチ34を切換え、測定するセンサセル3にバイアス電圧を印加する。バイアス電圧が印加された各センサセル3は、バイアス電圧によりセンサセル3が水素ガスを検知していない状態の電流(=バイアス電流)を電流電圧変換回路30に出力する。電流電圧変換回路30は、バイアス電流を電流電圧変換し電圧信号として、A/D変換回路18に入力する。A/D変換回路18は、電圧信号をデジタル信号に変換しPC20内に送る。PC20は、バイアス電圧が印加されているセンサセル3のバイアス電流に相当するデジタル信号をオフセット値として記録する。PC20は、このように順次検出スイッチ34を切換えて、全てのセンサセル3のオフセット値を記録する。
次に、1次元配列型の水素ガス検知センサ10が、水素ガスを検知している状態にする。その状態で、PC20は、検出スイッチ34を切り替え、測定するセンサセル3にバイアス電圧を印加する。バイアス電圧が印加された各センサセル3は、バイアス電圧によりセンサセル3が水素ガスを検知している状態の電流信号を電流電圧変換回路30に出力する。電流電圧変換回路30は、電流信号を電流電圧変換し電圧信号として、A/D変換回路18に入力する。A/D変換回路18は、電圧信号をデジタル信号に変換しPC20内に送る。PC20は、バイアス電圧が印加されているセンサセル3の電流信号に相当するデジタル信号を計測値として記録する。PC20は、このように順次検出スイッチ34を切換えて、全てのセンサセル3の計測値を記録する。
次に、PC20は、各センサセル3の計測値からオフセット値を減算し、信号の変化値としてPC20内に記録する。各センサセル3の信号の変化値は、各センサセル3の電気的な抵抗値の変化に相当する電圧値であり、検知した水素ガスの濃度と比例関係がある。
次に水素ガスを検知した位置の算出方法の1例について説明する。まず、水素ガスの検知位置が1箇所の場合は、各センサセル3の信号の変化値が最も大きい値が、水素ガスを検知した位置とする方法する方法を用いる。この位置は、水素ガスの濃度が高い位置であり、水素ガスを検知した位置とする。また、水素ガスの検知位置が複数の場合は、連続して配置された3点のセンサセル3において、両隣のセンサセル3の信号の変化値より大きい値を示すセンサセル3の位置を、水素ガスを検知した位置とする方法を用いる。
このように、図5で示す構成の位置検出装置15を用いても1次元配列型の水素検知センサの水素ガス検知位置を算出できる。
実施例2は、実施例1で説明した1次元配列型の水素ガス検知センサ10を用いて、1次元の抵抗分割式の位置検出回路15を用いた方法について説明する。特に、実施例2で示す位置検出装置15は、簡易な回路で構成できる特徴を有する。
実施例2の位置検出装置15の構成について、図6を用いて説明する。
図5の1次元配列型の水素ガス検知センサ10は、図1および図2で示した1次元配列型の水素ガス検知センサと同じ構造である。1次元配列型の水素検知センサ10のセンサセル3(各センサセルの等価回路16)からの各検出電極4は、隣接する検出電極4の間を電流分割抵抗41で接続されている。さらに、1次元配列型の水素ガス検知センサ10の両端の検出電極4は、電流電圧変換回路30aおよび電流電圧変換回路30bに入力される。一方、共通電極2は、電流制限抵抗12を介してバイアス電源11に接続される。
電流電圧変換回路30aおよび30bは、それぞれA/D変換回路18aおよび18bに入力されアナログ信号からデジタル信号に変換される。A/D変換回路18aおよび18bからの両方のデジタル信号は、加算器30と除算器39にそれぞれ入力される。さらに、加算器38および除算器39からのデジタル信号は、D/A変換回路40aおよび40bによりそれぞれデジタル信号からアナログ信号に変換され、それぞれ出力1(42)および出力2(43)から電圧信号として出力される。
次に、図5を用いて1次元配列型水素ガス検知センサの動作原理について説明する。
まず、1次元配列型の水素ガス検知センサの水素ガス検知の動作原理について図1を用いて説明する。被検知ガスに含まれる水素ガス26は、矢印7で示した位置で、白金分散担持三酸化タングステンからなるセンサセル3に接触する。この白金分散担持三酸化タングステンは、触媒として1nmから20nm程度の白金(Pt)微粒子が、30nmから100nm程度の三酸化タングステン(WO3)粒子上に分散担持されている構造を有する。この白金(Pt)微粒子上で水素ガスはプロトン(H+)と電子(e-)に解離される。解離されたプロトン(H+)は、白金触媒微粒子上からスピルオーバーし、センサセル3の主成分である三酸化タングステン(WO3)に拡散しタングステンブロンズを形成する。WO3はタングステンブロンズを形成していない状態では、電気的に絶縁に近い状態であるが、プロトン(H+)が拡散しタングステンブロンズを形成すると、半導体化し、その半導体化したセンサセル24は、半導体から導体に近い性質を示すようになる。共通電極2に接続されたバイアス電源11により、半導体化したセンサセル24の電流量が増加して流れ検出電極4より出力される。
次に図6を用いて位置検出装置15の動作原理について説明する。
1次元配列型の水素ガス検知センサ10の検出電極4は、隣接する検出電極4と電流分割抵抗41で接続され、さらに、1次元配列型の水素ガス検知センサ10の両端の検出電極4は、電流電圧変換回路30の入力に接続されている。各検出電極4からの出力電流は、各検出電極4と電流電圧変換回路30aの入力および電流電圧変換回路30bとの間の電流分割用抵抗41の合成抵抗値に反比例する形で電流分割され、電流電圧変換回路30aおよび電流電圧変換回路30bに入力される。
1次元配列型の水素ガス検出センサ10が水素ガスを検知していない状態における電流電圧変換回路30aに流れる電流をI1b、電流電圧変換回路30bに流れる電流をI2bとする。I1bおよびI2bは、電流電圧変換回路30aおよび電流電圧変換回路30bにより電圧信号に変換される。変換された電圧信号は、A/D変換回路路18aおよびA/D変換回路路18bに送られデジタル信号に変換される。さらに、変換されたデジタル信号は、加算器38および除算器39に送られる。加算器38および除算器39ではこの状態の各デジタル信号をバイアス電流I1b、I2bに相当する値として保持する。
次に、1次元配列型の水素ガス検知センサのセンサセル3が水素ガスを検知する状態にする。この状態における電流電圧変換回路30aに流れる電流をI1、電流電圧変換回路30bに流れる電流をI2とする。バイアス電流と同様に、I1およびI2を電流電圧変換の後デジタル信号に変換し、加算器38および除算器39に送られる。加算器38および除算器39においては、保持しておいたバイアス電流I1bおよびI2bに相当するデジタル信号を、I1およびI2に相当するデジタル信号から各々減算し、下記の式1および式2に相当する加算および除算の機能を有する。これらの加算および除算の結果はデジタルの電気信号として出力し、デジタルアナログ変換素子40aおよび40bによりアナログの電気信号の加算結果E1および除算結果E2として出力される。
以下に加算結果E1および除算結果E2の式を示す。
E1=k1×[(I1―I1b)+(I2―I2b)] ・・ (式1)
E2=k2×(I2―I2b)/
[(I1―I1b)+(I2―I2b)] ・・ (式2)
ここで、k1、k2は定数。
上記の(式1)および(式2)において、加算結果E1は、センサセル3に接触した水素ガスの濃度と面積にほぼ比例し、除算結果E2は、水素ガスを検知したセンサセル3の位置を示す。
式2以外の水素ガス検知位置を示す除算結果の式としては、以下の式3から式4を用いることも可能である。
E3 = k3×(I2―I2b)/(I1―I1b)・・ (式3)
E4 = k4×〔 [(I2―I2b)−(I1―I1b)]/
[(I1―I1b)+(I2―I2b)] 〕・・ (式4)
(式2)、(式3)および(式4)において、検知膜5が水素ガスを検知した場合の電流値I1およびI2が、バイアス電流I1bおよびI2bに対して十分大きな場合には、I1bおよびI2bを無視して算出することも可能である。その場合、式2、式3および式4は、以下の式5から式7のようになる。
E2 = k2 ×I2/(I1+I2) ・・ (式5)
E3 = k3 ×I2/I1 ・・ (式6)
E4 = k4 ×(I2―I1)/(I1+I2) ・・ (式7)
バイアス電源12は直流電源だけでなく、0.1KHzから10KHz程度の交流電源でもよい。その場合は、位置検出装置15の電流電圧変換回路30aおよび30bに整流機能を付加する。
また、位置検出装置15は、水素ガス検知センサからの出力電流をデジタル信号に変換し、演算を行うが、デジタル信号に変換せずアナログ信号の状態で演算してもよい。
実施例3の2次元配列型の水素ガス検知センサは、略矩形状で電気的に絶縁性を有する基材に、水素ガスを検知すると電気的な抵抗値が減少する複数の微小領域の検知膜が、行方向および列方向にそれぞれ略等間隔の2次元の格子状をなすように配列され、前記複数の微小領域の検知膜の抵抗値の変化から、水素ガスを検知した位置を算出する水素ガス検知センサである。以下に、図7から図10を用いて説明する。
2次元配列型の水素ガス検知センサの構造を、図7を用いて説明する。
2次元配列型の水素ガス検知センサ25は、略矩形状の電気的に絶縁性である石英(SiO2)からなる基材1に、水素ガスを検知すると電気的な抵抗値が減少する白金分散担持三酸化タングステン(Pt−WO3)からなる検知膜を、基材1の表裏両面に対向して互いに略垂直な行方向および列方向に等間隔な2次元の格子状に配置し、さらに、該対向する検知膜を、検知膜からなるスルーホール6で接続されたセンサセル3を形成する。
基材1の裏面には、複数の行方向の共通検出電極32が、各行方向に直線状に配列された各センサセル3の一端を接続するように形成され、さらに、基材1の表面には、複数の列方向の共通検出電極33が、各列方向に直線状に配列された各センサセル3の一部を接続するように形成されている。ここで、行方向の共通検出電極32とセンサセル3の接続部とおよび列方向の共通検出電極33は、基材1の端面で引き出し線8と接続されている。
スルーホール6は、基材1の表面側に接触した水素ガス26を、スルーホール6を通して基材1の裏面に排出することが可能となる。このように、センサセル3の中心部に基材1の表面から基材1の裏面まで貫通したスルーホール6を形成することで、基材1の表面に沿って拡散し、水素ガスに接触するセンサセル3の範囲が増加することを防止することができる。また、スルーホール6は、基材1の表面から裏面の貫通した穴であれば、センサセル3以外に基材1の部分や、行および列方向の共通検出電極の部分に設けてもよい。
また、行方向の共通検出電極32は、Y1からYnまで設けられ、また、列方向検出電極33は、X1からXmまで設けられている。さらに、個々のセンサセル3の表示は、そのセンサセル3で交わる行方向の共通検出電極32と列方向の共通検出電極33を用いて、(Xi、Yj)で示す。iは、1からm、jは、1からnの範囲である。
基材1は、絶縁性基材の材料でセンサセル3の焼結時の加熱温度500℃で安定であれば用いることができる。石英(SiO2)以外には、表面の絶縁処理が施されたシリコン(SiO2)、窒化アルミ(AlN)、アルミナ(Al23)などを用いることができる。また、樹脂系の材料では、商品名タイモルドなどの耐熱型のフェノール系の材料も用いることができる。この場合は、射出成型法を用いることで平面以外の立体的な形状を得ることも可能である。さらに、柔軟性のあるシート状の材料では、商品名カプトンなどのポリイミド系の材料も用いることができる。ポリイミド系の材料は耐熱温度が最高で450℃程度であるが、センサセル3の焼結温度を450℃程度にすることで用いることができる。
行方向検出電極32および列方向検出電極33は、導電性が高い材料で、センサセル3の焼結温度である約500℃で安定であれば用いることができる。また、電極自体が被検知ガス中の水素原子を含む可燃ガスに不活性であるほうがより望ましい。電極の材質としては、導電性が高い材料であるマグネシウム(Mg)、アルミ(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)などの金属や炭素(C)などを用いることが可能であるが、特に酸化しにくく、水素ガスに対して不活性な金(Au)や銅(Cu)が望ましい。
センサセル3は、水素ガスを検知することで電気的な抵抗が低下する性質を持つ物質であれば用いることが可能である。例えば、酸化スズ(SnO2)、三酸化モリブデン(
MnO2)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化チタン(TiO2)、水酸化イリジウ
ム(Ir(OH)n)、五酸化バナジウム(V25)、酸化ロジウム(Rh23・xH2
O)などを用いることが可能である。また、塗料の顔料であるピロロピロールに窒素ガスを混ぜた有機物質なども用いることができる。特に、ピロロピロールを用いる場合には、自然乾燥のみで用いることができ、500℃程度の焼結工程が不要であるため、基材1や電極などの材料選択の範囲が広がる。
2次元配列型の水素ガス検知センサの水素ガス検知の動作原理について説明する。
図7において、被検知ガスに含まれる水素ガス26は、矢印7で示した位置で、白金分散担持三酸化タングステンからなるセンサセル3に接触する。センサセル3を構成する白金分散担持三酸化タングステン(Pt−WO3)は、触媒として1nmから20nm程度の白金(Pt)微粒子が、30nmから100nm程度の三酸化タングステン(WO3)粒子上に分散担持されている構造を有する。この白金(Pt)微粒子上で水素ガス26はプロトン(H+)と電子(e-)に解離される。解離されたプロトン(H+)は、白金触媒微粒子上からスピルオーバーし、センサセル3の主成分である三酸化タングステン(WO3)に拡散しタングステンブロンズを形成する。WO3は、タングステンブロンズを形成していない状態において、電気的に絶縁に近い状態であるが、プロトン(H+)が拡散しタングステンブロンズを形成すると、半導体化し、さらに、水素ガスの濃度が高くなり多くのプロトン(H+)が拡散すると、半導体から導体に近い性質を示すようになる。一般に、センサセル3の抵抗値は、センサセル3に接触した水素ガス濃度と比例関係がある。このように、水素ガスに接触したセンサセル24は半導体化され、他のセンサセル3に比較して抵抗値が下がり、バイアス電点11よりバイアス電圧を印加すると電流を多く通すようになる。
図9は2次元配列型の水素ガス検知センサの位置検出装置の概略図である。
図9において、2次元配列型の水素ガス検知センサ25の各センサセルの等価回路16(以下、センサセル3)は、該当する行の行方向の共通検出電極32と該当する列の列方向の共通検出電極33に接続されている。各行方向の共通検出電極32は、対応する検出スイッチ34に接続され、さらに、電流制限抵抗12を介してバイアス電源11に接続される。各列方向の共通検出電極33は、対応する電流電圧変換回路30に接続される。各列方向の共通検出電極33からの電流信号は、電圧信号に変換されてマルチプレクサ17に入力される。マルチプレクサ17は、パーソナルコンピュータ(以下、PC)20から命令を受けた制御回路19の制御信号により、各電流電圧変換回路30からの電圧信号の中から1つの電圧信号を選択し、A/D変換回路18に入力される。A/D変換回路18では、PC20のから命令を受けた制御回路19の制御信号により、マルチプレクサ17からの信号をアナログデジタル変換しPCに送られる。PC20は、A/D変換回路18からの信号を元に演算を行い、各センサセル3を流れる電流量に相当する電圧値を求めることができる。
水素ガスの検知は、まず2次元配列型の水素ガス検知センサが水素ガスを検知していない状態にする。測定する行方向の共通電極32に対応する検出スイッチ34を接続する。そして、各列方向の共通電極32に流れる電流量に相当する電圧値を計測する。このとき、検出スイッチ34が接続された行方向の共通電極32の行番号Yjと、マルチプレクサ17で電圧測定を行った列方向の共通電極33の列番号Xiより、計測されたセンサセルの位置を表す(Xi、Yj)の位置情報と、センサセル3のオフセット値をPC20内に記録する。そして、同様に順次検出スイッチ34を切り替えて、全てのセンサセル3のオフセット値を記録する。
その後、2次元配列型の水素ガス検知センサが水素ガスを検知する状態にして、オフセット値を記録した方法と同じ方法で、全てのセンサセル3を流れる電流量に相当する電圧値を計測し、センサセル3の位置情報と各センサセル3の計測値をPC20内に記録する。その後、PC20内に蓄積された各センサセル3ごとに、計測値からオフセット値を減算し、信号の変化値としてPC20内に記録する。各センサセル3の信号の変化値は、各センサセル3の電気的な抵抗値の変化に相当する電圧値であり、検知した水素ガスの濃度と比例関係がある。
これにより、2次元配列型の水素ガス検知センサの各センサセル3が検知した水素ガスの濃度に比例する信号の変化値の分布が求められ、水素ガスを検知した位置を算出することができる。
実施例3における実験結果を、図10(a)および図(b)を用いて説明する。
図10(a)は、実験に用いた2次元配列型の水素ガスセンサの平面図を示す。2次元配列型のセンサは、図7で説明したセンサと基本的に同じである。行方向の共通検出電極32は、Y1からY12まで設けられ、また、列方向検出電極33は、X1からX12まで設けられている。センサセル3は、列方向の共通検出電極33と行方向の共通検出電極32が交差する位置に、144点設けられている。個々のセンサセル3の表示は、そのセンサセル3で交わる行方向の共通検出電極32と列方向の共通検出電極33を用いて、(Xi、Yj)で示す。iおよびjは、1から12の範囲である。
バイアス電圧11は、直流電圧5Vで、行方向の共通検出電極32に検出スイッチ34と介して印加した。また、電流制限抵抗12は、10KΩとしている。各列方向検の共通出電極33からのバイアス電流は、ほぼ一定で約1μAであった。水素ガスを含む被検知ガスの噴出しノズルは、噴出口の直径が1mmの円形ノズルで噴出方向は上方とした。また、ノズルの設置位置は、センサセル(X4、Y4)、センサセル(X6、Y6)およびセンサセル(X8、Y9)の下方1mmの距離に3箇所配置した。被検知ガスは、体積1%の水素ガスを含む空気とした。
図10(b)は、各センサセル3の信号の変化値である電圧値を示す。被検知ガスの噴出ノズルが配置されている、センサセル(X4、Y4)、センサセル(X6、Y6)およびセンサセル(X8、Y9)の電圧値は、他のセンサセル3の電圧値より高くなっている。従って、2次元配列型の水素ガス検知センサが、複数の水素ガスの検知位置を正確に算出していることを確認できた。
実験に用いた2次元配列型の水素ガス検知センサの作成方法について説明する。
実験に用いた1次元の水素ガス検知センサの基材1には、長さ65mm、幅65mm、厚み0.5mmの石英(SiO2)を用いた。基材1には、センサセル3を形成するためΦ3mmの穴を縦横5mmピッチで格子状に144個形成した。
基材1の裏面の行方向の共通検出電極32は、金(Au)をスパッタ法用いて、穴の周囲に幅4mm、長さ65mm、厚み0.5μmで形成した。基材1の表面の列方向の共通検出電極33は、金(Au)をスパッタ法用いて、穴の周囲に幅4mm、長さ65mm、厚み0.5μmで形成した。尚、行方向の共通検出電極32および列方向の共通検出電極33の形成は、穴の内部に金(Au)が蒸着されないように、マスク用いてスパッタを行った。
次に、穴の内面に白金分散担持三酸化タングステン(Pt−WO3)からなる検知膜を形成した。形成方法としては、ゾルゲル法を用いた。具体的には、まず、タングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO4・2H2O:純正科学株式会社)41.2gをメスフラスコに取り、純水を加えて250mLに調製し、0.5mol/Lの無色透明のタングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液を得た。
次に、陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR120B Na:オルガノ株式会社)をカラム塔に充填し、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液を通過させ、タングステン酸ナトリウム(Na2WO4)水溶液のナトリウムイオン(Na+)をプロトン(H+)に交換し、薄黄色のタングステン酸(H2WO4)水溶液を得た。タングステン酸(H2WO4)水溶液13mLに触媒金属であるヘキサクロロ白金酸(H2PtCl6・6H2O:和光純薬工業株式会社)を純水に、0.5mol/L溶解させた水溶液を4mLと、エタノールを8mL加えて均一に分散混合し、白金分散型酸化タングステンのゾルゲル溶液を合成した。
上記ゾルゲル溶液を、穴の内面および基材1の表面および裏面の穴の周囲0.5mmの部分に塗布した。塗布は、穴およびその周囲0.5mm以外の部分をマスキングした基材1を前記ゾルゲル液中にディップすることで行った。基材1のディップ時間は約20秒で、基材1をゾルゲル溶液から引き上げ、その後に窒素ガスを吹き付けて余分なゾルゲル液を除去した。
さらに、室温にて1時間乾燥させた後マスキングを除去し、さらに、電気炉を用いて200℃で1時間仮焼成した後、500℃で1時間焼成してから室温に冷却した。このときセンサセル3は、基材1の表面と裏面との間を結ぶスルーホール6の形状となる。またセンサセル3の膜厚は0.5μmであった。
各センサセル3について、行方向の共通検出電極32および列方向の共通検出電極33の間の抵抗値(以後、接合抵抗)を測定した。各センサセル3の接合抵抗は、平均で約5MΩであり、ほぼ均一であった。
図8で示す2次元配列型の水素ガス検知センサは、図7で示す水素ガス検知センサと殆ど同様の構造であるが、基材1の表面から裏面へ水素ガスを含む検知が排出するためのスルーホール中央の穴が形成されてない。図7で示す2次元配列型の水素ガス検知センサと同様の機能を有する。但し、基材1の表面から裏面へ水素ガスを含む被検知ガスを排出する機能を有していないため、基材1の表面で水素ガスが拡散し、水素ガスを検知したセンサセルの範囲が広がりやすく、水素ガスの検知位置の検出精度が低下する場合がある。
実施例4は、実施例3の図7および図8で説明した2次元配列型の水素ガス検知センサ25を用いて、2次元の抵抗分割式の水素ガス検知センサとして用いる方法について説明する。特に、実施例5で示す2次元位置検出装置23は、簡易な回路で構成できる特徴を有する。
図11の2次元配列型の水素ガス検知センサ25は、図7および図8で示した2次元配列型の水素ガス検知センサと同じ構造である。
列方向の共通検出電極33は、隣接する列方向の共通検出電極33と電流分割抵抗41で接続されている。また、両端の列方向検出電極33は、出力電極Xa、Xbとする。
また、行方向の共通検出電極32は、隣接する行方向の共通検出電極32と電流分割抵抗41で接続されている。両端の行方向の共通検出電極32は、出力電極Ya、Ybとする。
出力電極Xa、Xb、Ya、Ybは、電流電圧変換回路30a、30b、30c、30dに接続される。電流電圧変換回路30aおよび30bは、オペアンプを用いて構成されており、オペアンプの反転入力端子には、それぞれ出力電極XaおよびXbが接続されている。また、非反転入力端子には、バイアス電源11が接続され、出力電極Xa、Xbを介して、2次元配列型の水素ガス検知センサにセンサセル3の抵抗変化検出用のバイアス電圧を印加している。電流電圧変換回路30aおよび30bのオペアンプの出力は、それぞれ、バイアス電圧除去と電圧反転用の加算減算回路35に接続される。加算減算回路35の出力は、A/D変換回路18に入力される。
一方、電流電圧変換回路30cおよび30dは、オペアンプで構成されており、オペアンプの反転入力端子には、それぞれ出力電極YaおよびYbが接続されている。電流電圧変換回路30cおよび30dは、オペアンプを用いて構成されており、オペアンプの反転入力端子には、それぞれYaおよびYbが接続されている。電流電圧変換回路30c、30dからの出力は、それぞれA/D変換回路18c、18dに入力される。A/D変換回路18a、18bからの出力は、除算器39aおよび加算器38に接続されている。一方、18c、18dからの出力は、除算器39bおよび加算器38に接続されている。さらに、除算器39a、39bおよび加算器38からの出力は、D/A変換回路に接続されデジタル信号をアナログ信号に変換される。
次に位置検出装置の動作原理について説明する。
全てのセンサセル3が水素ガスを検知していない状態における、Xaに流れる電流をIab、Xbに流れる電流をIbb、Yaに流れる電流をIcb、Xbに流れる電流をIdbとする。Iab、Ibb、IcbおよびIdbは、電流電圧変換回路30a、30b、30cおよび30dにより電流信号を電圧に変換される。さらに、電流電圧変換回路30aおよび30bは、それぞれ加算減算回路35aおよび35bに入力され、バイアス電源11で発生するバイアス電圧を減算し、さらに電圧信号の符号を反転させる。これにより、電流電圧変換回路30c、30dと電圧が同符号となる。
加算減算回路35a、35bおよび電流電圧変換回路30c、30dからの、A/D変換回路18a、18b、18cおよび18dによりデジタル信号に変換される。さらに、変換されたデジタル信号は、除算器39a、39bおよび加算器38に送られる。除算器39a、39bおよび加算器38ではこの状態の各デジタル信号をバイアス電流Iab、Ibb、IcbおよびIdbに相当する値として保持する。
次に、2次元配列形の水素ガス検知センサのセンサセル3が水素ガスを検知する状態にする。
こXaに流れる電流をIa、Xbに流れる電流をIb、Yaに流れる電流をIc、Xbに流れる電流をIdとする。
バイアス電流と同様に、Ia、Ib、IcおよびIdを電流電圧変換の後デジタル信号に変換し、除算器39a、39bおよび加算器38に送られる。除算器39a、39bおよび加算器38においては、保持しておいたバイアス電流Iab、Ibb、IcbおよびIdbに相当するデジタル信号を、Ia、Ib、IcおよびIdに相当するデジタル信号から各々減算し、下記の式1および式2に相当する加算よび除算と機能を有する。これらの加算および除算の結果はデジタルの電気信号として出力し、D/A変換回路40a、40bおよび40cによりアナログの電気信号の加算結果E3、X方向除算結果E4XおよびY方向除算結果E4Yに変換される。X方向除算結果E4Xは、検知膜5上のX方向の水素ガスの検知位置を示す算出結果であり、Y方向除算結果E4Yは、Y方向の水素ガスの検知位置を示す算出結果である。
それぞれの出力結果は以下の式で表される。
E5=k5×[(Ia−Iab)+(Ib−Ibb)+(Ic−Icb)+(Id−Idb)]・・・(式8)
E6X=k6×(Ib−Ibb)/[(Ia−Iab)+(Ib−Ibb)]・・(式9)
E7Y=k7×(Id−Idb)/[(Ic−Icb)+(Id−Idb)]・・(式10)
ここで、k5、k6、K7は定数。
式9および式10以外の水素ガス検知位置を示す除算結果の式について説明する。
式は、X方向が(Ia―Iab)と(Ib―Ibb)、Y方向が(Ic―Icb)と(Id―Idb)の比を表す項が含まれていれば、水素ガスの検知位置を示す算出式として用いることができる。以下に、具体的な水素ガス検知位置を示す算出方法の例を記載する。
E8X = k8×(Ib−Ibb)/(Ia−Iab)・・ (式11)
E9Y = k9×(Id−Idb)/(Ic−Icb)・・ (式12)
ここで、k8、k9は定数。
E10X=k10×〔[(Ib−Ibb)−(Ia−Iab)]/[(Ia−Iab)+(Ib−Ibb)]〕・・(式13)
E11Y=k11×〔[(Id−Idb)−(Ic−Icb)]/[(Ic−Icb)+(Id−Idb)]〕・・(式14)
ここで、k10、k11は定数。
このように、式9および式10以外に、式11から式14を用いることができる。
さらに、式8から式14において、出力電流であるIa、Ib、IcおよびIdが、バイアス電流Iab、Ibb、IcbおよびIdbに対して十分大きな場合には、バイアス電流を無視して算出することも可能である。その場合、式8から式14は以下の式15から式21のようになる。
E5=k5×(Ia+Ib+Ic+Id) ・・ 式15
E6X=k6×Ib/(Ib+Ia) ・・ 式16
E7Y=k7×Id/(Ic+Id) ・・ 式17
E8X=k8×Ib/Ia ・・ 式18
E9Y=k9×Id/Ic ・・ 式19
E10X=k10×(Ib−Ia)/(Ia+Ib) ・・ 式20
E11Y=k11×(Id−Ic)/(Ic+Id) ・・ 式21
ここで、K5、k6、k7、k8、k9、k10、k11は定数。
このように、図11に示す2次元配列型の水素ガス検知センサにおいて、水素ガス検知位置は、式8から式21を用いることで算出できる。
バイアス電源12は直流電源だけでなく、0.1KHzから10KHz程度の交流電源でもよい。その場合は、位置検出装置15の電流電圧変換回路30a、30b、30cおよび30dに整流機能を付加する。
また、位置検出装置15は、水素ガス検知センサからの出力電流をデジタル信号に変換し、演算を行うが、デジタル信号に変換せずアナログ信号の状態で演算してもよい。
以上、実施例1から実施例5に示した本発明により、半導体方式の分布型の水素ガス検知センサを実現した。特に本発明の最大の特徴は、従来、光ファイバー型の水素ガス検知センサで実現した1次元状の水素ガス検知センサだけでなく、2次元状の水素ガス検知センサも実現できることである。さらに、水素ガスを検知すると電気的抵抗値が変化する材料からなるセンサセルを1次元および2次元に配列することで、複数箇所の水素ガスの位置検知も可能になる。これらの発明により、水素機器や配管における複数の水素漏洩箇所を簡易に高精度で応答性よく検出できることが可能となり、水素漏洩箇所の発見までの時間や手間を大幅に削減できるものである。これにより、水素機器の安全性確保に大いに貢献できる。
(a)本発明の実施例1におけるホールを有する水素ガス検知センサの上面図(b)本発明の実施例1におけるホールを有する水素ガス検知センサの断面図(c)本発明の実施例1におけるホールを有する水素ガス検知センサの下面図 (a)本発明の実施例1における1次配列型の水素ガス検知センサの上面図(b)本発明の実施例1における1次配列型の水素ガス検知センサの断面図 本発明の実施例1における1次配列型の水素ガス検知センサの位置検出装置の概略図 (a)本発明の実施例1における水素ガス検知センサの断面図(b)本発明の実施例1における水素ガス検知センサの各センサセルの電圧値を示す図 本発明の実施例1における水素ガス検知センサの位置検出装置の概略図 本発明の実施例2における水素ガス検知センサの位置検出装置の概略図 (a)本発明の実施例3における2次配列型の水素ガス検知センサの上面図(b)本発明の実施例3における2次配列型の水素ガス検知センサの断面図 (a)本発明の実施例3におけるホールを有する水素ガス検知センサの上面図(b)本発明の実施例3におけるホールを有する水素ガス検知センサの断面図 本発明の実施例3における2次元配列型の水素ガス検知センサの位置検出装置の概略図 (a)本発明の実施例3の2次元配列型の水素ガス検知センサの上面図(b)本発明の実施例3の実験における各センサセルの電圧値を示す図 本発明の実施例4における2次配列型の水素ガス検知センサの位置検出装置の概略図
符号の説明
1 基材
2 共通電極
3 センサセル
4 検出電極
5 電極
6 スルーホール
7 矢印
8 引出し線
10 1次元配列型の水素ガス検知センサ
11 バイアス電源
12 電流制限抵抗
13 オペアンプ
14 帰還抵抗
15 位置検出装置
16 センサセルの等価回路
17 マルチプレクサ
18 A/D変換回路
19 制御回路
20 パーソナルコンピュータ(PC)
21 水素ガス
23 2次元位置検出装置
24 半導体化したセンサセル
25 2次元配列型の水素ガス検知センサ
26 水素ガス
27 ノズル
30 電流電圧変換回路
31 制御信号
32 行方向の共通検出電極
33 列方向の共通検出電極
34 検出スイッチ
35 加算減算回路
38 加算器
39 除算器
40 D/A変換回路
41 電流分割抵抗
42 出力1
43 出力2

Claims (9)

  1. 水素ガスを検知すると電気抵抗が変化する水素ガス検知センサであって、
    帯状の絶縁性の基材面端部の長手方向の長辺部に形成される共通電極と、
    前記共通電極と一端が接続され所定の間隔で直線状に配置される所定の小領域の検知膜からなるセンサセルと、
    前記共通電極と対をなして前記センサセル他端部に形成される検出電極と、
    を有し、
    前記共通電極にバイアス電圧を印加し、前記共通電極とセンサセルの検出電極との間の抵抗値変化を検知して該抵抗値変化が検出されるセンサセルの位置に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴とする水素ガス検知センサ。
  2. 前記基材は、所定の間隔で該基材を貫通するホールを有することを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知センサ。
  3. 水素ガスにより電気抵抗が変化する検知膜の水素ガス検知センサであって、
    帯状の電気的に絶縁性を有する基材と、
    前記基材両面に対向して所定の間隔で直線状に配置し該対向する検知膜を内面に検知膜を有するスルーホールで接続されるセンサセルと、
    前記基材の一面上の全ての検知膜部の一端と接続する共通電極と、
    前記共通電極と対をなして前記基材の他面のそれぞれの検知膜部の他端に形成される検出電極と、
    を有し、
    前記共通電極にバイアス電圧を印加し、前記共通電極とセンサセルの検出電極との間の抵抗値変化を検知して該抵抗値変化が検出されるセンサセルの位置に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴とする水素ガス検知センサ。
  4. 前記検出電極間を所定の抵抗値の抵抗体で接続し、前記共通電極と前記検知センサ両端部の検出電極の抵抗値変化に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の水素ガス検知センサ。
  5. 水素ガスを検知すると電気抵抗が変化する検知膜の水素ガス検知センサであって、
    電気的に絶縁性を有する矩形状の基材と、
    前記基材上に所定の間隔で2次元状に配置され、前記基材の両面で対向する検知膜を内面に検知膜を有するスルーホールで接続して形成されるセンサセルと、
    前記それぞれのセンサセルの一端に前記基材片面側で所定のバイアス電圧を印加する列方向の共通検出電極であるXi(i=1〜m)電極と、
    前記Xi電極と対をなす前記基材他面で前記センサセルの他端に形成される行方向の共通検出電極であるYj(j=1〜n)電極と、
    を備え、
    前記Xi電極を通して、所定の時間間隔でセンサセルにバイアス電圧が供給され、
    前記バイアス電圧供給されるXi電極とYj電極との間の抵抗値変化を検知し、前記抵抗値変化が検出されるセンサセルの位置に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴とする水素ガス検知センサ。
  6. 前記検出電極の行番号と列番号を検知して水素ガス検知位置を算出することを特徴とする請求項5に記載の水素ガス検知センサ。
  7. 前記行方向の共通検出電極間及び列方向の共通検出電極間を所定の抵抗値の抵抗体で接続し、前記検知センサの行方向及び列方向の共通検出電極両端部の検出電極の抵抗値変化に基づいて水素ガス検知位置を算出することを特徴とする請求項5に記載の水素ガス検知センサ。
  8. 前記センサセルの検知膜は、水素分子を吸着しプロトンに解離する作用を有する触媒と、解離されたプロトンを吸着することにより電気抵抗率が低下する金属酸化物とを有し、
    前記触媒の主たる成分は、白金(Pt)またはパラジウム(Pd)の何れかの一を含み、
    前記金属酸化物の主たる成分は、酸化スズ(SnO2)、三酸化モリブデン(MnO3)、三酸化タングステン(WO3)、二酸化チタン(TiO2)、水酸化イリジウム(Ir(OH)n)、五酸化バナジウム(V25)、または、酸化ロジウム(Rh23・xH2O)の何れかの一の金属酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知センサ。
  9. 前記触媒は、粒子径が10nm以下の微粒子であって、粒子径が10nmから100nmの前記金属酸化物微粒子に分散担持された構造を有することを特徴とする請求項1に記載の水素ガス検知センサ。
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