JP2008057651A - 2軸ヒンジ機構とこれを用いた携帯型通信端末および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベースプレート301に中空の第1のヒンジ軸303を固定し、その外側に回転自在に第2のヒンジの外筒ケース311が固定された連結部材302を支持する。軸303に突起部304aを有する突起部材304を固定し、その上面に移動部材321の突起部321aが接触するようにして、軸303の回転により部材321が上下動するようにする。部材321に設けた規制部により第2のヒンジ軸の回転角度を規制できるようにする。ディスプレイ側筐体に固定される連結ブッシュ322を部材302に回転自在に支持させ、信号導体を軸303の中心からブッシュ322に通し、ディスプレイ側筐体へ導くようにする。
【選択図】図2
Description
これを実現する構造として、2つの筐体が開閉軸を有するヒンジ部により折り畳み可能に連結され、しかもディスプレイ側ユニット(ディスプレイ側筐体)が、開閉軸と直交する方向を回転中心軸として回転する2軸構造のものが知られている(例えば、特許文献1、2)。図6は、特許文献1にて開示された2軸ヒンジ機構の斜視図であって、図は、キー操作部を有する第1の筐体に対して表示部を有する第2の筐体が開閉角度90度をもって開かれたときの状態が示されている。図6に示されるように、2軸ヒンジ機構500は、矢印D1方向に回動する開閉軸522と矢印D2方向に回動する回転軸512とを有する。開閉軸522は、第1の筐体内に固定される固定部材501のヒンジ部501aに回転可能に支持されており、回転軸512は、第2の筐体内に固定される固定部材502に固着されている。そして、第1の筐体内に収容されるプリント配線板と第2の筐体内に収容されるプリント配線板とを接続する帯状可撓性導体550は、回転軸512および開閉軸522の周りに卷回されており、また線状可撓性導体551は、開閉軸522の周りに卷回されている。
また、図示された状態では突起部622aが制御用突起部613の凹部に嵌まり込んでいるため、連結ブラケット605をD2方向に回転させることができない。すなわち、第2の筐体が第1の筐体上に閉じられた状態にあるときには、第2の筐体をD2方向に回転させることができない。しかし、第2の筐体をD1方向に少し開くと突起部622aが制御用突起部613の凹部から外れ、連結ブラケット605をD2方向に回転させることが可能になる。すなわち、第2の筐体を第1の筐体から少し開くと第2の筐体はD2方向に自由に回転させることが可能になる。開閉軸622の突起部が制御用突起部613の凹部から外れた状態では、第2の筐体は常にD2方向に回転可能な状態にあり、第2の筐体が例えば170度に開かれた携帯電話として通話するときの状態(突起部622bが制御用突起部613の図の背面側の側面に当接した状態)から連結ブラケット605をD2方向に回転させると180度回転させたときに、第2の筐体は第1の筐体に重なり、開閉軸622の突起部622bが制御用突起部613の凹部に嵌まり込むこととなり、それ以上第2の筐体をD2方向に回転させることができない状態となる。
本発明の課題は上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、二つの筐体が通話状態に開かれた状態からそのまま第2の筐体を開閉軸と直交する回転軸を中心として回転させて表示部を外側向きとして折り畳んだ状態とすることができるようにすると共に、二つの筐体の中に配備されるプリント配線板間を接続する信号導体を、ヒンジ機構の回転軸中心を通過させることができるようにすることである。
第2の効果は、組み立て工程の簡素化、構成の簡素化、省スペース化を実現することができることである。その理由は、第1のヒンジ軸を中空構造とすることにより、軸内にプリント配線基板間を接続する信号導体類を通すことが可能になり、ヒンジ機構の周りを可撓性導体を巻回する必要がなくなるためである。
第3の効果は、2軸ヒンジ機構により連結される筐体相互の接続信号導体本数を現状のフレキシブルケーブルを使用したパラレル通信の場合と比較して5〜10分の1に減らすことが可能になる。その理由は、信号導体としてフレキシブルケーブルに代えて極細同軸線を配置することが可能になる。同軸線を使用することにより、信号の高速シリアル通信化が可能なためである。
第5の効果は、使い勝手のよい携帯型通信端末を提供することが可能になることである。その理由は、通話状態に開いた状態での操作感触を維持しつつ、そのまま表示部側筐体を開閉軸と直交する回転軸を中心として回転させて、表示部を外側向きとして折り畳む動作が可能なためである。
第6の効果は、使い勝手のよい電子機器を提供することが可能になることである。その理由は、第2の筐体を開いて操作を行う際に第2の筐体に設けられたタッチパネルやスイッチなどの操作部を押す動作を行っても第2の筐体の開き角度が所定の角度に保持されることが可能なためである。
この携帯電話機10の場合、少なくとも使用者向けの主たる操作機能を担う複数の操作ボタン(テンキー等の操作キーを含む)101から成る操作部が備えられたキーボード側ユニット100と、少なくとも操作部に対する操作に伴う操作情報処理並びにこの操作情報処理に関連する相手側との通信情報処理に伴うデータを表示するための表示部201が備えられたディスプレイ側ユニット200とを、2軸のヒンジユニットから成る2軸ヒンジ機構300により開閉自在且つ回転自在に接続結合して2つ折り型として構成している。ここで、2軸ヒンジ機構300は、第1の回転軸(水平回転の軸)に係る第1のヒンジと第2の回転軸(開閉回転の軸)に係る第2のヒンジとを有しており、第1のヒンジにより、ディスプレイ側ユニット200を図1(a)および(b)の状態から時計回りに180度、図1(d)に示す状態から反時計回りに180度回転可能になされており、第2のヒンジにより、図1(a)から図1(b)の状態へディスプレイ側ユニット200をキーボード側ユニット100に対して回転させて開状態とすることができる。そのとき、図1(b)に示す通話状態での開き角度を所定の角度(150ないし170度)に規定するとともに、図1(b)に示す状態から、図1(c)を経て図1(d)の状態に推移するにつれて徐々に開き角度が180度となるように制御される。
ここで、この携帯電話機10の場合も、キーボード側ユニット100の折り込み面の下側端部には集音用のマイクロホン102が配備されており、ディスプレイ側ユニット200の折り込み面には表示部(主表示部)201の近傍の端部に発声用のスピーカ202が配備され、更に、ディスプレイ側ユニット200の折り込み面とは反対側の表面には簡易なデータを表示するための副表示部203が配備されている。
そして貫通孔303aが開けられて中空になされた第1のヒンジ軸303が連結部材302を貫通してベースプレート301上に固定されている。また、連結部材302上には回動が第1のヒンジ軸303により拘束された突起部材304が保持されている。連結部材302上の突起部材304との接触部には4個所にバネとピンが埋め込まれた回転トルク発生部305が構成されており、また、突起部材304の裏面には4個所に凹部が形成されており、この凹部に回転トルク発生部305がはまり込むことにより、いわゆる定位感あるいはクリック感が生成される。回転トルク発生機構はこの方式に代え、第1のヒンジ軸303に固定されたカムと連結部材302に固定されたカムとを接触させるものとする構成も可能である。
連結ブッシュ322は、間隙部322aを有し、該略C字状の形状を有し、その外面上には突起322bが複数本第2のヒンジ軸と平行に形成されている。連結ブッシュ322は、ディスプレイ側ユニット200内に挿入され、突起322bがディスプレイ側ユニット200と噛み合うことによりディスプレイ側ユニット200と一体的に回転する。従って、結果的に連結ブッシュ322と第2のヒンジ軸とは同期して回転することになる。連結ブッシュ322の間隙部322aにはその間隙幅を一定に保持するためのスペーサ323が挿入されている。本実施の形態の連結ブッシュ322は間隙部を有するものであったがこれを省略し、円筒形状の連結ブッシュとすることもできる。その場合にはスペーサ323は必要なくなる。
突起部材304の表面には、外周に沿って断面形状が台形の突起部304aと突起部304bが形成されている。また、突起部材304の裏面には、4個所に凹部304cが形成されている。突起部材304の裏面には図2に示される回転トルク発生部305のピンが接触しているが、突起部材304の凹部304cにピンが落ち込むことによっていわゆる定位感あるいはクリック感が生成される。
また、図4に示すように、移動部材321の底面には凹部321dが形成されており、ここに移動部材321の“がたつき”防止するための弾性力の弱いバネが着座されている。また、移動部材321の中央部にはこれを貫通する開口321eが形成されているが、この開口は機能上特別の意義を有するものではない。
これらの動作では可動接触部に力がかかるので、突起部304aと突起部321aおよびガイド部321cと規制部312aなどの接触部は摩擦係数が低くなるような処理や硬度差をつけた硬度処理を行った金属材料が望ましい。
100…キーボード側ユニット
101…操作ボタン
102…マイクロホン
105…プリント配線板
200…ディスプレイ側ユニット
201…表示部
202…スピーカ
203…副表示部
204…筐体部
205…プリント配線板
300…2軸ヒンジ機構
301…ベースプレート(第1の固定部)
301a…雌ネジ部
302…連結部材、
302a、302b…支持部、
303…第1のヒンジ軸、
303a…貫通孔、
304…突起部材、
304a、304b…突起部、
304c…凹部、
305…回転トルク発生部、
311…外筒ケース、
312…第2のヒンジ軸、
312a…規制部、
312b…嵌合部、
313…開閉トルク発生部、
314…十字ブロック(第2の固定部)、
321…移動部材
321a…突起部
321b…ざぐり穴
321c…ガイド部
321d…凹部
321e…開口
322…連結ブッシュ
322a…間隙部
322b…突起
323…スペーサ
500…2軸ヒンジ機構
501、502…固定部材
501a…ヒンジ部
512…回転軸
522…開閉軸
550…帯状可撓性導体
551…線状可撓性導体
600…2軸ヒンジ機構
601…ベースプレート
603…L字ブラケット
605…連結ブラケット
605a…ブラケット
610…回転トルク発生部
612…固定軸
613…制御用突起部
620…開閉トルク発生部
622…開閉軸
622a、622b…突起部
D1、D2…回転方向
Claims (15)
- 第1のヒンジ軸を有する第1のヒンジと第2のヒンジ軸を有する第2のヒンジとが直交して連結された2軸ヒンジ機構において、前記第1のヒンジ軸の回転と同期して回転し前記第1のヒンジ軸の回転角度を示す突起部と、前記第2のヒンジ軸に設置された角度規制部と、前記突起部に当接する突起部当接部と前記角度規制部に当接する角度規制部当接部とを有する移動部材と、を有し、前記移動部材の前記突起部当接部の当接状態により前記移動部材の位置が規定され、前記移動部材の前記角度規制部当接部の当接状態により前記第2のヒンジ軸の最大回転角度が規定されることを特徴とする2軸ヒンジ機構。
- 前記突起部は、リング状の形状を有し、前記第1のヒンジ軸の外側に嵌着された突起部材上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記突起部材は、前記突起部に加え副突起部を有していることを特徴とする請求項2に記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記副突起部の高さは、前記突起部の高さより低いことを特徴とする請求項3に記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記突起部または前記副突起部は、頂上平坦部と傾斜部を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記移動部材は、前記第1のヒンジ軸と平行に、かつ、前記第2のヒンジ軸と垂直に移動可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記移動部材は、前記突起部当接部を構成する突起部を有し、前記角度規制部を含む前記第2のヒンジ軸を所定の角度範囲回転可能に収容する穴が開設された板状体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記移動部材の前記角度規制部当接部は、前記移動部材に開設された前記は穴の壁面に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記第2のヒンジ軸に設置された前記角度規制部は、前記第2のヒンジ軸の垂直方向に延びる突起部であることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記第1のヒンジは、前記第1のヒンジ軸を回転可能に保持する、第1、第2の支持部を有する概略U字形状の連結部を備え、前記第2のヒンジは、前記第2のヒンジ軸を回転可能に保持する、一端が前記連結部の前記第1の支持部に固定された概略円筒形状の外筒ケースを備えることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記第1のヒンジ軸の前記突起部と反対側の端部は、第1の固定部に固定され、前記第2のヒンジ軸の前記角度規制部と反対側の端部には、第2の固定部が固定されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記連結部の前記第2の支持部は、円管形状ないしC字形状の連結ブッシュを回転自在に支持しており、前記第1の固定部の前記第1のヒンジ軸の直下には開口が形成され、前記第1のヒンジ軸は中空であって、前記第1の固定部の前記開口、前記第1のヒンジ軸内および前記連結ブッシュを通して導電線が挿通可能であることを特徴とする請求項11に記載の2軸ヒンジ機構。
- 前記移動部材の前記突起部当接部が前記突起部に当接した状態にあっては、前記第2のヒンジ軸の最大回転角度が150度〜170度となるように設定され、かつ、前記移動部材の前記突起部当接部が前記突起部または前記副突起部のいずれにも当接していない状態にあっては、前記第2のヒンジ軸の最大回転角度が180度以上となるように設定されていることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構。
- 請求項1から13のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構と、前記第1のヒンジ軸に固定された第1の筐体と、前記第2のヒンジ軸に固定された第2の筐体と、を有し、前記第1の筐体に対して前記第2の筐体が開閉可能かつ水平回転可能であることを特徴とする携帯型通信端末。
- 請求項1から13のいずれかに記載の2軸ヒンジ機構と、前記第1のヒンジ軸に固定された第1の筐体と、前記第2のヒンジ軸に固定された、少なくとも操作部を有する第2の筐体と、を有し、前記第1の筐体に対して前記第2の筐体が開閉可能かつ水平回転可能であることを特徴とする電子機器。
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