JP2008057022A - 電動パワーステアリング用ラックアンドピニオン - Google Patents

電動パワーステアリング用ラックアンドピニオン Download PDF

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Yuji Miyamoto
祐司 宮本
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Abstract

【課題】耐久性が向上した電動パワーステアリング用ラックアンドピニオンの提供。
【解決手段】ピニオンの表面硬さが、HV720以上であり、且つピニオンの前記ラックに対する表面硬さの比が、1.15以上であり、且つラックの表面硬さが、HV550以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両などのステアリングホイールの操舵力を補助する操舵力補助装置を有する電動パワーステアリング装置用のラックアンドピニオンに関する。
車両用のステアリング装置においては運転者の操舵負荷を軽減することを目的とした動力舵取り装置が知られている。従来、動力舵取り装置は、油圧式パワーステアリング装置が使用されていた。しかしながら、近年、自動車の高効率化への要求が高まるに従って動力舵取り装置が、一段と効率の高い電動パワーステアリング装置に置き換えられる場合が多くなっている。
よく知られるように、電動パワーステアリング装置は、操舵補助力を必要とするときだけモータ電流を流せばよいが、これに対して、油圧式パワーステアリング装置はエンジンの動力で常時油圧ポンプを駆動しなければならないことから、効率面で電動パワーステアリング装置が格段に優位に立っている。一般に、電動パワーステアリング装置は、市街地走行などの実用領域で3〜5%程度の燃費向上効果があるといわれており、こうした背景からコラムアシスト式あるいはピニオンアシスト式電動パワーステアリング装置は、小型車だけでなく、中型車および大型車への適用が広がりつつある。
ところで、中型車及び大型車に用いられるラックアンドピニオン式ステアリング装置においては、ラック推力の高出力化が求められる。このため、ピニオン軸に入力される軸トルクも増大することから、各部品の強度及びギヤ効率がこれまで以上に問題になる。また、操舵フィーリングに影響の大きいアジャストガタを増加させる主要因が、ラックとピニオンとに生じる摩耗であることが分かっており、両者の耐摩耗性の向上が不可欠になっている。この点を考慮してギヤ諸元の最適化を試み、また低摩耗グリースの開発を進めているが、それだけでは限界がある。
電動パワーステアリング用のラックアンドピニオンは、SCR420などの肌焼鋼に浸炭処理を施して、表面に硬化層を付与することにより、歯面のピッチング強度を維持していた。最近、高出力化、小型化によって必要な歯面強度の水準が高くなり、従来の浸炭処理のみでは、十分な強度を達成できない場合が発生してきた。
また、潤滑が十分でなく滑りが発生することで摩耗が生じるといった問題があり、これに対する解決策が求められていた。
本発明の目的は、耐久性が向上したラックアンドピニオンを提供することである。
電動パワーステアリング用のラックアンドピニオンは、潤滑条件が厳しく、大きなすべりを伴う。従って、耐摩耗性向上が、耐久性向上に最も効果があると考えた。ラックアンドピニオンの耐久寿命は、応力繰り返し数が多いピニオンの摩耗とこの摩耗に由来する破損とによって支配されている。従って、特にピニオンを構成する材料の熱処理の高度化によって、ピニオンのラックに対する相対強度を上げればピニオンの耐久寿命を延すことができる。
本発明に係る電動パワーステアリング用のラックアンドピニオンは、シャフトに刻設されるギヤ歯を有するピニオンと、ラックシャフトに刻設されるラック歯を有するラックとを備え、ピニオンのギヤ歯とラックのラック歯とがかみ合ってステアリングシャフトからピニオンに伝えられる操舵力をラックに伝達するようにしたラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置において、ピニオンの表面硬さが、HV720以上であり、且つピニオンのラックに対する表面硬さの比が、1.15以上であり、且つラックの表面硬さが、HV550以上であることを特徴とする。
また、本発明では、ピニオンが、主成分のFeと共に0.5〜1.5%のSi、0.3〜1.0%のMn、0.2〜1.2%のC、0.2〜1.7%のCrを含有する鋼から構成され、ピニオンの表面硬さが、HV760以上であり、且つピニオンのラックに対する表面硬さの比が、1.15以上であり、且つラックの表面硬さが、HV550以上であり、且つピニオンの表面窒素濃度が、0.4%以上であることを特徴とする。
本発明の、電動パワーステアリング用のラックアンドピニオンを使用することにより、ラックアンドピニオンの耐摩耗性が向上し、従ってラックアンドピニオンの耐久性を向上させることができる。
本発明では、前述のように、ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置において、ピニオンの表面硬さが、HV720以上であり、且つピニオンのラックに対する表面硬さの比が、1.15以上であり、且つラックの表面硬さが、HV550以上であることを特徴とする。
ピニオンは、ラックとの間に繰返し応力が付与されるので、耐ピッチング性を考慮すると、HV720が必要である。
ピニオンは、回転するので、ラックに比較して応力繰り返し数が多く、高い強度を必要とする。また、ラックがピニオンに比べて硬すぎるとピニオンに与えるダメージが大きくなる。従って、ラックによってピニオンに与えられるダメージを軽減しなければならない。ラックアンドピニオンの耐久性の点で、後記実施例に示すようにピニオンのラックに対する表面硬さの比を、1.15以上とすることにより、良好な寿命が得られた。
ラックに働く繰返し応力が、ピニオンに働く繰返し応力に比べて低くいため、ラックの硬さが低い方が、ピニオンが受けるダメージが小さい。しかしながら、ラックの表面硬さを低くした場合、HV550以下ではラックの耐摩耗性が低下し、耐久性が著しく低下する。ラックの表面硬さがHV550以上であればラックアンドピニオンの寿命の延長効果が得られる。
本発明では、好ましくは、また、ピニオンが、主成分のFeと共に0.5〜1.5%のSi、0.3〜1.0%のMn、0.2〜1.1%のC、0.2〜1.7%のCrを含有する鋼から構成され、ピニオンの表面硬さが、HV760以上であり、且つピニオンのラックに対する表面硬さの比が、1.15以上であり、且つラックの表面硬さが、HV550以上であり、且つピニオンの表面窒素濃度が、0.4%以上であることを特徴とする。
ピニオン表面の耐摩耗性を向上するためには、高Si鋼に含まれるSiは、効果を得るために0.5%以上は必要であり、1.5%を超えると機械加工性が劣るようになる。
高Si鋼では、最表面の窒素濃度が高くなり、十分な深さを得ることができない場合がある。この問題を解消するためにMnを0.3%以上添加すると窒素の拡散が促進され、十分な深さを得ることができる。Mnを、1.0%を超えて添加すると機械加工性が劣化する。ピニオンに高(Si+Mn)鋼を使用して、これに浸炭窒化することで、表面にSi及びMnを含んだ窒化物が析出し、良好な耐摩耗性が得られる。
浸炭窒化処理を施すためには、素材鋼のC濃度を制限する必要はないが、C濃度が0.2%以下では浸炭処理時間が長時間となり不都合である。一方、C濃度が1.2%を超えると機械加工性を著しく低下させる。
Crは、焼入れ性を向上させる元素である。表面の不完全焼入れ層を出現させないためには、Crは、0.2%以上が必要である。一方、Crが、1.7%を超えるとCr窒化物の析出量が多くなリ、有効な窒素量が低下して、耐摩耗性を向上することができなくなる。
例えば、(Si+Mn)鋼に対して浸炭処理を施すと、表面にSi及びMnを含有する窒化物が分散する。ピニオンの表面窒素濃度が、0.4%以上であると、耐摩耗性に優れた表面層を得ることができる。
好ましくは、ピニオンの表面硬さは、高いほどよい。しかし、実際には、HV760を超える程度に硬くするには、材料及び熱処理のコントロールが必要である。そのなかでも、高Si且つ高Mn含有鋼、又は高Si且つ高Mn且つ高Mo含有鋼に対して浸炭窒化を施して、表面にSi及びMnを含んだ窒化物が析出し、表面窒素濃度を高めることが好ましく、高い表面硬さと窒素化合物の存在により、良好な耐摩耗性を得ることができる。
本発明では、また、ピニオンが、さらに、0.1〜1.5%のMoを含有する鋼から構成されることを特徴とする。Moは、析出強化による表面硬度の出現に有効であり、要求される表面硬度の点で0.1%以上を必要とし、1.5%を超えると表面強度増加の効果が少なくなる。
一方、本発明のラックを構成する鋼は、HV550以上であり、浸炭鋼及び中〜高炭素の組成の鋼である。これらの鋼は、接触面を高周波焼入あるいは浸炭及び浸炭窒化処理される。
各種の鋼をピニオン材料に使用した。ピニオンに使用した各種の鋼の元素組成を表1に示した。表面硬さがHV760を超える全ての実施例と比較例に用いたピニオンに浸炭窒化処理を施し、さらに160〜200℃で焼戻しを行った。ラックの材料は、S45Cを高周波焼入した後、160〜400℃で焼戻しを行った。
Figure 2008057022
各種の鋼を用いた、ピニオンとラックのビッカース表面硬さを常法により測定して、ピニオン表面硬さのラック表面硬さに対する比を求めた。ピニオン表面窒素濃度をEPMA分析により測定した。ラックアンドピニオンの寿命は、各実施例と各比較例のラックとピニオンを電動パワーステアリング装置に組み込んで、以下の条件、即ち、面圧:2.5GPa、ピニオン入力:60min-1、潤滑物:モリブデン系グリース、試験温度:80℃で耐久性試験を行って求めた。寿命は、ピッチングが発生した時点とした。また、比較例10の結果を基準として寿命比を表示した。これらの結果を表2と図1に示す。
Figure 2008057022
表2、図1に、本発明の各種条件の実施例と比較例の結果が明白に示されている。実施例1〜20は、ピニオンの表面硬さが720以上でラックの表面硬さが550以上、表面硬さ比が1.15以上の場合であり、これらの条件の実施例ではいずれも良好な結果が得られた。特に、実施例1〜13は、Si、Mn、C、Cr、Nの各元素の量が、所定の範囲にあるため、更に良好であった。
一方、比較例1、2、4〜6、8、10、11は、表面硬さ比が、不足しているので、不良であった。比較例7は、ピニオン表面硬さが、不足しているので、不良であった。比較例12は、ラックの表面硬さが、不足しているので、不良であった。
ピニオンの表面硬さのラックの表面硬さに対する比と寿命比との関係を示す。

Claims (3)

  1. シャフトに刻設されるギヤ歯を有するピニオンと、ラックシャフトに刻設されるラック歯を有するラックとを備え、前記ピニオンのギヤ歯と前記ラックのラック歯とがかみ合ってステアリングシャフトから前記ピニオンに伝えられる操舵力を前記ラックに伝達するようにしたラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置において、前記ピニオンの表面硬さが、HV720以上であり、且つ前記ピニオンの前記ラックに対する表面硬さの比が、1.15以上であり、且つ前記ラックの表面硬さが、HV550以上であることを特徴とする電動パワーステアリング用ラックアンドピニオン。
  2. 前記ピニオンが、主成分のFeと共に0.5〜1.5%のSi、0.3〜1.0%のMn、0.2〜1.2%のC、0.2〜1.7%のCrを含有する鋼から構成され、前記ピニオンの表面硬さが、HV760以上であり、且つ前記ピニオンの表面窒素濃度が、0.4%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電動パワーステアリング用ラックアンドピニオン。
  3. 前記ピニオンが、0.1〜1.5%のMoを含有する鋼から構成されることを特徴とする、請求項2に記載の電動パワーステアリング用ラックアンドピニオン。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013227675A (ja) * 2012-03-30 2013-11-07 Kobe Steel Ltd 耐焼付き性に優れた歯車
WO2017082339A1 (ja) * 2015-11-12 2017-05-18 日本精工株式会社 電動式パワーステアリング装置及びその製造方法

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