JP2008055784A - シリンダ洗浄装置およびこれを用いた印刷機 - Google Patents

シリンダ洗浄装置およびこれを用いた印刷機 Download PDF

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Abstract

【課題】 洗浄液の飛散を防止しながらシリンダの洗浄効率、効果を向上させ、かつ、廃液量を減少させ環境に配慮したシリンダ洗浄装置を提供する。
【解決手段】 枚葉印刷機1のコーティングユニット7に設けられた版胴33の外周面に洗浄液を噴射する第一洗浄液噴射手段49と、版胴33の外周面に接触して回転しうるブラシローラ53と、版胴33の外周面に対向する側に開口部を形成され、第一洗浄液噴射手段49およびブラシローラ53を版胴33の周外方向から覆って開口部を版胴33の外周面により閉塞して洗浄液の飛散を防止するブラシ体61と、ブラシ体61の下部とブラシローラ53との間に空間を区切るように設置され、ブラシ体61の下部との間に中部回収空間81を形成するとともに上方にブラシローラ53が浸漬可能になるように洗浄液を保持しうる洗浄液貯留部83を形成する第二仕切板59と、が備えられていることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、シリンダ洗浄装置およびこれを用いた印刷機に関するものである。
印刷機には、シートの印刷面に光沢を施すためにニス(コーティング液)を塗布するコーティングユニットが設けられることがある。
このニスには、UVニスと水性ニスとがあり、これらが版胴に取り付けられたニス版からシートに塗布されるように構成されている。
UVニスはUVランプによりUVが照射されなければ乾燥しないが、水性ニスは速乾性があり数分で乾燥してしまうことから、特に水性ニスを用いた場合には機械停止後すぐにニス版39を洗浄する必要がある。
従来、印刷機においてニス版39の洗浄を行なう場合、オペレータが、運転停止および印刷終了毎に印刷機の側まで移動して版胴を制限寸動または緩動(約4rpm)にて回転させながら、洗浄液(例えば水または温水)を染み込ませた布を使ってニス版を洗浄している。
しかしながら、このような手拭による洗浄作業は、印刷機の稼働状況にもよるが、平均して1日に50回程度にもなり、オペレータにとって大きな負担となっている。また、この手拭作業は、回転している版胴に手を伸ばして行なう作業であるため、作業中は、版胴に手や布などが巻き込まれないように十分に注意する必要がある。
近年では、例えば、特許文献1および特許文献2に示されるように、ニス版の洗浄作業をオペレータの手拭によらず自動で洗浄を行なえるようにした洗浄装置が提案されている。
特許文献1は、コーティング停止時に、表面がゴムまたは合成樹脂製で形成された洗浄ローラに水または温水を供給し、この洗浄ローラをニス版に接触させることにより、ニス版の表面を濡らしてニスが乾燥するのを防止するとともに、ニス版の表面上に付着したニスを洗浄ローラ側に移して除去するものである。
また、特許文献2には、ニス版の洗浄に関するものではないが、ブランケット胴の洗浄を自動で行なえるようにした洗浄装置が開示されている。
これは、洗浄液噴射ノズルからブランケット胴の表面に洗浄液を供給するとともに、ブラシロールをブランケット胴の表面に押し付けてブランケット胴の回転方向と同じ方向へ回転させ、ブランケット胴の表面を擦ってブランケット胴の表面の洗浄を行なうようにしたものである。
特開2004−181899 特開2002−166529
しかしながら、ニス版の表面は凹凸形状となっているため、特許文献1に記載の洗浄ローラではニス版の凹凸の隅々まで十分に洗浄できないおそれがある。
一方、特許文献2に記載のブラシローラをニス版に接触させて洗浄を行なえば、ブラシローラの先端がニス版の凹凸の隅々に入り込みやすいため、特許文献1に記載の洗浄ローラに比べてニス版の洗浄効率を高められるものと考えられる。
ところが、特許文献2に記載されたものでは、ブラシローラによる洗浄時に洗浄液がブラシローラにより弾かれて付近に飛散して付近の装置構成要素に付着してしまうという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、洗浄液の飛散を防止しながらシリンダの洗浄効率、効果を向上させ、かつ、廃液量を減少させ環境に配慮したシリンダ洗浄装置およびこれを用いた印刷機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるシリンダ洗浄装置は、印刷機に設けられたシリンダの外周面に洗浄液を噴射する洗浄液噴射手段と、前記シリンダの外周面に接触して回転しうるブラシローラと、前記シリンダの外周面に対向する側に開口部を形成され、前記洗浄液噴射手段および前記ブラシローラを前記シリンダの周外方向から覆って該開口部を前記シリンダの外周面により閉塞して洗浄液の飛散を防止する洗浄液飛散防止部材と、該洗浄液飛散防止部材の下部と前記ブラシローラとの間に空間を区切るように設置され、該洗浄液飛散防止部材の下部との間に第一の回収空間を形成するとともに上方に前記ブラシローラが浸漬可能になるように前記洗浄液を保持しうる洗浄液保持空間を形成する仕切部材と、が備えられていることを特徴とする。
本発明にかかるシリンダ洗浄装置によれば、洗浄液噴射手段によってシリンダの外表面に洗浄液が噴射されシリンダに付着している付着物を取り除く。さらに、洗浄液が噴射されたシリンダの外表面をブラシローラが擦るので、付着物はブラシローラによって擦り取られることになる。このため、シリンダの洗浄効率を向上させることができる。
このとき、洗浄液飛散防止部材が洗浄液噴射手段およびブラシローラをシリンダの周外方向から覆い、かつ、その開口部がシリンダの外周面により閉塞されているので、洗浄液噴射手段から噴射される洗浄液およびブラシローラによって飛散される洗浄液の内、洗浄液飛散防止部材よりも外側に向かうものは洗浄液飛散防止部材に当接し、内部に戻されることになる。したがって、洗浄液飛散防止部材が外部に飛散する洗浄液をその内側に留めるので、洗浄時の洗浄液の飛散を防止することができる。
また、洗浄液噴射手段から噴射される洗浄液の大半は洗浄の進展に伴い仕切部材によって形成された洗浄液保持空間に保持されるので、ブラシローラはこの保持された洗浄液に浸漬されることとなる。この状態となると、ブラシローラは浸漬部分に洗浄液を保持した状態でシリンダの外表面を擦ることになるので、洗浄液をシリンダの幅方向に均一に供給することができる。
このため、たとえ洗浄液噴射手段から供給される洗浄液量に幅方向でムラがあったとしても、ブラシローラによって洗浄液が幅方向に均一に供給されるので、幅方向における洗浄不良が発生し難くなり、洗浄効果を向上させることができる。
なお、仕切部材を越える洗浄液および下部の洗浄液飛散防止部材に当接した洗浄液は第一の回収空間に回収されることとなる。この場合、第一の回収空間に回収された洗浄液は、あふれ出さないように、例えば、吸引手段によって外部に排出されるようにしておくのが好適である。
さらに、洗浄液保持空間に洗浄液が保持されると、洗浄液噴射手段からの洗浄液の噴射を停止させた状態でも十分な洗浄効果を発揮させることができるので、例えば、洗浄開始後、所定時間経過すると洗浄液噴射手段からの洗浄液の噴射を停止させ、あるいは、2回目以降の洗浄は洗浄液の補給を行う程度で済まし、洗浄を行うことができる。
すなわち、洗浄液噴射手段から洗浄液を噴射させつつ洗浄する方法と、洗浄液を供給せずに洗浄液保持空間に保持された洗浄液を用いて洗浄する方法とを選択的にあるいは組合せて実施することができ、多様な洗浄を実施することができる。
このように、洗浄液を常時供給しなくても洗浄を行えるので、使用する洗浄液の量を抑制することができる。洗浄液の量を抑制できると、洗浄廃液の量を減少させることができるので、環境に対し配慮した洗浄を行うことができる。
なお、洗浄液保持空間に保持された洗浄液だけを用いて洗浄する場合には、それが所定回続くと洗浄液の汚染が進むので、一旦略全てを回収して再度供給するようにするのが好適である。
また、本発明にかかるシリンダ洗浄装置では、前記洗浄液飛散防止部材の前記開口部の全周縁に可撓部材が備えられていることを特徴とする。
このように、洗浄液飛散防止部材の開口部の全周縁に可撓部材がそなえられているので、洗浄液飛散防止部材がシリンダに接触して力がかかると、洗浄液飛散防止部材が撓むことになる。洗浄時、密閉空間を形成すべく洗浄液飛散防止部材がシリンダに強く当接しても、洗浄液飛散防止部材が撓むので、シリンダ外周面の損傷を防止することができる。
また、本発明にかかるシリンダ洗浄装置では、前記洗浄液飛散防止部材の下方に前記シリンダ側が開放された第二の回収空間を形成する下部空間形成部材が備えられていることを特徴とする。
このように、洗浄液飛散防止部材の下方にシリンダ側が開放された第二の回収空間を形成する下部空間形成部材が備えられているので、洗浄液が洗浄液飛散防止部材を通り外側に滲み出てきたとしても、それを第二の回収空間に回収することができる。
このため、洗浄液飛散防止部材を通り滲み出た洗浄液が第二の回収空間に回収されるので、洗浄液飛散防止部材に沿って伝い落ちて下方に落下することを防止できる。
この場合、第二の回収空間に回収された洗浄液は、あふれ出さないように、例えば、吸引手段によって外部に排出されるようにしておくのが好適である。
また、本発明にかかるシリンダ洗浄装置では、前記第一の回収空間および/または前記第二の回収空間に回収された洗浄液は、噴射気体を駆動源とする吸引手段によって吸引回収されていることを特徴とする。
このように、第一の回収空間および/または第二の回収空間に回収された洗浄液は、噴射気体を駆動源とする吸引手段によって吸引回収されているので、回収された洗浄液が多くの空気を含んでいてもそれらを確実に吸引して回収することができる。
また、本発明にかかるシリンダ洗浄装置では、前記ブラシローラが、前記シリンダの回転方向と同方向および逆方向へ回転するように構成されていることを特徴とする。
このように、ブラシローラがシリンダの回転方向に対して同方向および逆方向へ回転するように構成されているので、シリンダの外周面が凹凸形状を有していても隅々までより確実に洗浄することができる。
また、本発明にかかるシリンダ洗浄装置では、前記シリンダが、コーティングユニットに設けられ表面にニス版が巻着された版胴であることを特徴とする。
このように、シリンダが、コーティングユニットに設けられ表面にニス版が巻着された版胴であるので、洗浄液の飛散を防止しながら版胴即ちニス版の洗浄効率、効果を向上させ、廃液量を減少させ環境に配慮した洗浄を行うことができる。
また、本発明にかかる印刷機は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたシリンダ洗浄装置が装着されていることを特徴とする。
このように、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたシリンダ洗浄装置が装着されているので、洗浄液の飛散を防止しながらシリンダの洗浄効率、効果を向上させ、かつ、廃液量を減少させ環境に配慮した洗浄を行うことができる。
本発明によれば、印刷機に設けられたシリンダの外周面に洗浄液を噴射する洗浄液噴射手段と、シリンダの外周面に接触して回転しうるブラシローラと、シリンダの外周面に対向する側に開口部を形成され、洗浄液噴射手段およびブラシローラをシリンダの周外方向から覆って開口部をシリンダの外周面により閉塞して洗浄液の飛散を防止する洗浄液飛散防止部材と、洗浄液飛散防止部材の下部とブラシローラとの間に空間を区切るように設置され、洗浄液飛散防止部材の下部との間に第一の回収空間を形成するとともに上方にブラシローラが浸漬可能になるように洗浄液を保持しうる洗浄液保持空間を形成する仕切部材と、が備えられているので、洗浄液の飛散を防止しながらシリンダの洗浄効率、効果を向上させることができる。また、洗浄廃液の量を減少させることができるので、環境に対し配慮した洗浄を行うことができる。
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本実施形態にかかるシリンダ洗浄装置を用いた枚葉印刷機1の概略構成を示す正面図である。図2は、コーティングユニットを示す側面図である。図3は、図2に示されるX方向から見た時の版胴に対するブラシおよびブラシローラの接触領域を模式的に示す模式図である。図4は、シリンダ洗浄装置の全体概略構成を示す模式図である。図5は、ブラシローラが版胴の回転方向と同方向へ回転している状態を示す模式図、図6は、ブラシローラが版胴の回転方向と逆方向へ回転している状態を示す模式図である。図7は、シリンダ洗浄装置の動作を説明するフロー図である。
図1に示されるように、枚葉印刷機1は、給紙部3と、印刷部5と、コーティングユニット7と、排紙部9とにより構成されている。
給紙部3は、給紙テーブル11上に積重されている被印刷物のシート13を最上段から一枚ずつ順次次工程の印刷部5へ供給するようになっている。
印刷部5には、複数組の印刷ユニット15a〜15d(個々に区別しない場合は符号15で示す)が備えられている。
各印刷ユニット15は、シート13へ所定の印刷を施すユニットである。各印刷ユニット15では、図示省略のインキ溜に供給されたインキは、図示省略のインキローラ群を順次転移する過程で適度に練られ、インキ被膜として版胴17に装着した刷版19へ転移供給される。
刷版19に供給されたインキが、絵柄として下流のブランケット胴21に転移される。
その後、このインキが、ブランケット胴21と圧胴23との間を走行するシート13の表面へ転写されて、所定の印刷が完了する。印刷されたシート13は、圧胴23から中間胴25を介して次工程の印刷ユニット15またはコーティングユニット7へ受け渡される。
なお、1組の印刷ユニット15においては一色のみの印刷しかできないため、多色印刷を施す枚葉印刷機1では、シート13の走行方向20に沿ってインキ色の異なる複数組の印刷ユニット15a〜15dが並設された印刷装置群として構成し、各印刷ユニット15を順次通紙させることによって目的とする多色印刷を行うようになっている。
コーティングユニット7は、一般には印刷部5の下流側に設けられ、シート13の印刷面に光沢を施すためのニス(コーティング液)を塗布するようになっている。
コーティングユニット7には、図2に示すように、ニス舟27と、ニス元ローラ29と、ニス着けローラ31と、版胴(シリンダ)33と、圧胴35と、シリンダ洗浄装置37とが備えられている。
ニス元ローラ29、ニス着けローラ31、版胴33および圧胴35は、印刷運転中および版胴33の洗浄中は図2に示す矢印の向きにそれぞれ回転するように構成されている。
ニス舟27にはニスが貯留されており、ニス元ローラ29は、このニス舟27に貯留されているニスに外周面の一部が浸された状態に配置されている。
また、ニス着けローラ31は、ニス元ローラ29および版胴33に接触して、ニス元ローラ29の外周面に付着しているニスを、版胴33に転移するようになっている。
また、版胴33の外周面には、凹凸表面形状を有するニス版(凸版)39が巻着されている。
版胴33の外周面には機械幅方向に亘って帯状のギャップ(凹部)41が形成されており、このギャップ41内には、ニス版39の咥え側端部および咥え尻側端部を係止してニス版39を版胴33の外周面に締め付けるための図示しない版締め装置が備えられている。
ニス着けローラ31の外周面に付着しているニスは、このニス版39の表面に転移された後、圧胴35の外周面に支持されて搬送されてくるシート13の印刷面に転移されるようになっている。
ニス版39は、シート13の印刷面に対してニスを転写する領域(例えば印刷面の絵柄部分または印刷面全体などの所定領域)が凸形状となるように形成されており、この凸表面に付着しているニスだけがシート13の印刷面に転写されるようになっている。
また、シート13にニスを転写するときは、図示しない駆動装置により、ニス着けローラ31および版胴33がニス元ローラ29と圧胴35との間に連接するように駆動され、シート13へのニスの転写を停止するときは、ニス着けローラ31および/または版胴33が離脱するように駆動されるようになっている。
続いて、図4に示されるように、シリンダ洗浄装置37には、洗浄部43と、洗浄液供給部45と、洗浄液回収部47とが備えられている。
ここで、シリンダ洗浄装置37の洗浄部43は、コーティングユニット7の版胴33の外周面に近接した位置に配設されており、より詳細には、版胴33とニス着けローラ31との接触部、および、版胴33と圧胴35との接触部の間の版胴33外周面近傍の空間に配置されている(図2参照)。
また、洗浄部43は、図示しない移動機構により、版胴33の外周面の洗浄(詳細には版胴33の外周面に巻着されたニス版39の洗浄)を行なう場合には版胴33に対して接触した位置に配置され、洗浄を行わない場合には版胴33に対して離隔した位置に配置されるように構成されている。
洗浄部43には、第一洗浄液噴射手段(洗浄液噴射手段)49と、第二洗浄液噴射手段(洗浄液噴射手段)51と、ブラシローラ53と、洗浄部本体(洗浄液飛散防止部材)55と、第一仕切板(洗浄液飛散防止部材)57と、第二仕切板(仕切部材)59と、ブラシ体(洗浄液飛散防止部材、可撓部材)61とが備えられている。
第一洗浄液噴射手段49は、ブラシローラ53の上方における版胴33の外周面の近傍に設けられ、版胴33の外周面に洗浄液を噴射するようになっている。
第一洗浄液噴射手段49には、版胴33の機械幅方向(軸方向)に延設された第一パイプ63と、機械幅方向に間隔を空けて第一パイプ63の周面に略直角に突設された複数の第一ノズル65とが備えられている。
第一パイプ63の内部に洗浄液を供給することで、各第一ノズル65から洗浄液が噴射される。第一パイプ63は、その軸線回りに回転可能となっており、その回転により、第一ノズル65から噴射される洗浄液の噴射方向を変更できるようになっている。
第一ノズル65は、先端部がブラシローラ53に向けて折り曲げられている。
なお、第一洗浄液噴射手段49の構成はこれに限定されるものではなく、例えば第一パイプ63の内部にパイプを設け、このパイプと第一パイプ63との間に洗浄液を供給するようにしてもよい。また、版胴33の機械幅方向に亘って均一に洗浄液を噴射することが可能であれば、第一ノズル65の数は適宜変更してもよい。さらに、第一ノズル65の代わりに、第一パイプ63の長さ方向(機械幅方向)に亘って帯状のスリットを設けて、このスリットから洗浄液を噴射するようにしてももちろんよい。
第二洗浄液噴射手段51は、ブラシローラ53の下方における版胴33の外周面の近傍の位置であって、第一洗浄液噴射手段49の配設位置よりも下方の位置、すなわち第一洗浄液噴射手段49の配設位置よりも版胴33の印刷運転中および洗浄中の回転方向(図2中の版胴33内に示す矢印の向き)下流側の位置に配設されており、第一洗浄液噴射手段49と同様に、版胴33の外周面に洗浄液を噴射するようになっている。
このように、第二洗浄液噴射手段51で洗浄液を噴射し、ブラシローラ53により版胴33外周面を擦った後に第一洗浄液噴射手段49によりさらに洗浄液を噴射することで、より確実に版胴33外周面を洗浄することができる。
なお、第二洗浄液噴射手段51は、上述した第一洗浄液噴射手段49と同様の構成をしているため、重複する部分については詳細な説明を省略するが、第一洗浄液噴射手段49に対してブラシローラ53を挟んで略線対称をなすように配置される。ここで、第二洗浄液噴射手段51には、版胴33の機械幅方向(軸方向)に延設された第二パイプ67と、機械幅方向に間隔を空けて第二パイプ67の周面に略直角に突設された複数の第二ノズル69とが備えられている。
ブラシローラ53は、第一洗浄液噴射手段49と第二洗浄液噴射手段51との間の位置、すなわち第一洗浄液噴射手段49よりも下方で、かつ、第二洗浄液噴射手段51よりも上方の位置に配設されており、版胴33の外周面に接触して回転するように構成されている。
また、ブラシローラ53は、版胴33の機械幅方向に延設され、図示しない駆動モータにより回転する回転ローラ71と、この回転ローラ71の外周面の全体に周外方向へ向けて放射線状に設けられたブラシ73とを備えて構成されている。
また、ブラシ73は、例えばナイロンやポリプロピレン(PP)、あるいは洗浄液に対する耐溶剤性が高いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成される。
なお、ここではブラシ73を回転ローラ71の外周面の全体に設けるようにしているが、版胴33の外周面に接して版胴33の機械幅方向に亘って均一に擦ることが可能であれば、ブラシ73を回転ローラ71の全体ではなく部分的に設けるようにしてもよい。また、上記の駆動モータは、印刷運転や洗浄時運転に干渉しないように、例えば機械幅方向の一端側に設けられる。
洗浄部本体55は、版胴33の外周面に対向する側(面)に開口部が形成された箱形状をし、第一洗浄液噴射手段49、第二洗浄液噴射手段51およびブラシローラ53を版胴33の周外方向から覆うように配置されている。
第一仕切板57は、洗浄部本体55の下側部の形状に沿って断面がく字形状をし、洗浄部本体55の略全幅に亘る長さを有する板部材である。
第一仕切板57は、洗浄部本体55が形成する空間の下端部を仕切り、洗浄部本体55の下部との間に、版胴33側が開放された下部回収空間(第二の回収空間)75を形成するものである。
第一仕切板57よりも上方に位置する洗浄部本体55および第一仕切板57の版胴33側周縁部には、その全体にわたりボルトなどによりブラシ体(可撓部材)61が取り付けられている。このブラシ体61は、例えば前述したブラシローラ53のブラシ73と同様の材質で形成されており、また、版胴33の外周面に沿う形状に形成されている。
これにより、洗浄部本体55等の周縁部が版胴33の外周面に接触した時の版胴33の外周面の損傷を防止することができる。
図3には、版胴33に対するブラシ体61の接触領域77とブラシローラ53の接触領域79が模式的に示されている。ブラシ体61により、ブラシローラ53の版胴33に対する接触領域79が囲まれていることで、洗浄液の外部への飛散が防止される。
したがって、第一仕切板57よりも上方に位置する洗浄部本体55、第一仕切板57およびブラシ体61は、本発明の洗浄液飛散防止部材を構成している。すなわち、それらで形成される内部空間に第一洗浄液噴射手段49、第二洗浄液噴射手段51およびブラシローラ53が収納されるとともに開口部が版胴33の外周面により閉塞されることで内部が略密閉した状態にされて洗浄液の飛散を防止するように構成されている。
また、第一仕切板57よりも下方に位置する洗浄部本体55が、本発明の下部空間形成部材を構成していることになる。
第二仕切板59は、洗浄部本体55の略全幅に亘る長さを有する板部材であり、第一仕切板57の底部から版胴33に向けて突設されている。
第二仕切板59は、第二洗浄液噴射手段51と第一仕切板57との間に第一仕切板57および洗浄部本体55で形成される空間を仕切るように配置されている。
第二仕切板59は、第一仕切板57との間に、版胴33側が開放された中部回収空間(第一の回収空間)81を形成し、かつ、上方に第二仕切板59および洗浄部本体55とともに洗浄液を貯留する洗浄液貯留部(洗浄液保持空間)83を形成している。
第二仕切板59の先端部位置は、ブラシローラ53の下端部位置よりも上方に位置するように構成されており、これにより、ブラシローラ53は、洗浄液貯留部83に貯留された洗浄液に浸漬されるように構成されている。
このように構成することで、第二仕切板59から液体が溢れた場合には、中部回収空間81を介して回収することが可能となる。
なお、洗浄液貯留部83内の液位を厳密にコントロールする必要がある場合には、内壁の所定位置にフロートスイッチを設けてもよい。
洗浄液供給部45には、洗浄液を吐出する吐出ポンプ87と、洗浄液を貯留するタンク89と、タンク89から吐出ポンプ87を経由して洗浄部43へ向けて配管された主供給管91と、主供給管91から分岐され第一パイプ63に接続される第一分岐供給管93と、主供給管91から分岐され第二パイプ67に接続される第二分岐供給管95と、主供給管91の吐出ポンプ87の下流部から分岐されタンク89に接続される還流管97と、が備えられている。
主供給管91には、タンク89と吐出ポンプ87との間に開閉弁99が、還流管97の分岐部の下流側に開閉弁101が備えられている。
第一分岐供給管93には、第一分岐供給管93を開閉する第一供給電磁弁103が備えられている。
第二分岐供給管95には、第二分岐供給管95を開閉する第二供給電磁弁105が備えられている。
洗浄液回収部47には、エジェクタによって吸引するバキュームクリーナ(吸引手段)107と、バキュームクリーナ107に圧縮空気を供給するコンプレッサ109と、バキュームクリーナ107と洗浄液貯留部83とを連絡する第一回収管111と、下部回収空間75および中部回収空間81とバキュームクリーナ107とを連絡する第二回収管113と、が備えられている。
第一回収管111には、第一回収管111を開閉する第一回収電磁弁115が備えられている。第二回収管113には、第二回収管113を開閉する第二回収電磁弁117が備えられている。
コンプレッサ109からバキュームクリーナ107へ圧縮空気を供給する配管には、この配管を開閉する電磁弁119が備えられている。
中部回収空間81には、洗浄液貯留部83から第二仕切板59を超えてあふれた洗浄液およびブラシ体61の下方部分に当接した飛散洗浄液が回収される。
下部回収空間75には、下方に飛散した洗浄液がブラシ体61に溜り、それが下側に滲み出し、回収される。
これら中部回収空間81および下部回収空間75に回収された洗浄液は、第二回収管113を経由してバキュームクリーナ107に吸引されることで排出されるようになっている。
また、シリンダ洗浄装置37には、制御装置121が備えられている。制御装置121は、洗浄部43の移動、ブラシローラ53を駆動する駆動モータの駆動、各弁(開閉弁99,101、第一供給電磁弁103、第二供給電磁弁105、第一回収電磁弁115、第二回収電磁弁117および電磁弁119)の開閉、吐出ポンプ87の動作およびコンプレッサ109の動作等を所定のシーケンスによって適宜制御するように構成されている。
排紙部9には、シート搬送装置123およびシート積重装置125が備えられている。
シート搬送装置123は、コーティングユニット7で所定領域にニスを転写されたシート13を、排紙軸127で駆動されるエンドレスチェン129に装備されたチェングリッパ131により把持した状態でシート積重装置125へ搬送するようになっている。
さらに、その搬送途中において、シート13の印刷面に付着しているニスを乾燥装置133により乾燥するようになっている。
乾燥装置133は、例えば熱風送出装置、IRランプ、UVランプであり、使用されるニスの種類によって適宜切り替えられて用いられる。
例えば、使用されるニスが水性ニスまたは油性ニスである場合には、熱風送出装置やIRランプが用いられ、また、使用されるニスがUVニス(紫外線硬化型ニス)である場合には、UVランプが用いられる。
シート積重装置125は、シート搬送装置123のチェングリッパ131によって搬送されてきたシート13を排紙テーブル135上へ順次積重するようになっており、この排紙テーブル135上のシート13が設定した規定量(所定枚数)になったら外部へ搬出されるように構成されている。
以上、説明した本実施形態にかかる枚葉印刷機1の動作について説明する。
まず、印刷動作について説明する。
給紙部3の給紙テーブル11上に積載されたシート13は、最上部から1枚ずつ取り出され、印刷部5へ搬送される。
印刷部5へ搬送されるシート13は、中間胴25の爪装置にくわえ替えされ、次いで中間胴25から圧胴23へくわえ替えされる。
このとき、印刷ユニット15aでは、版胴17の周面に取付けられた刷版19の非画線部に湿し装置から水を供給し、次いで刷版19の画線部にインキ供給装置からインキを供給する。
これにより得られる刷版19上の印刷画像がブランケット胴21に転写される。
ブランケット胴21に転写された印刷画像は、圧胴23によって運ばれるシート13に転写され、1色目の印刷が行われる。
印刷ユニット15aで1色目が印刷されたシート13は、印刷ユニット15aの圧胴23から印刷ユニット15bの中間胴25へ受け渡され、次いで、印刷ユニット15bの圧胴23へ受け渡される。
印刷ユニット15bでは、印刷ユニット15aと同様に、版胴17で形成されゴム胴21に転写された印刷画像が圧胴23によって運ばれるシート13に転写され、2色目の印刷が行われる。
これが各印刷ユニット15c、15dで繰り返されカラー印刷される。
印刷部5で印刷されたシート13は、印刷ユニット15dの圧胴23からコーティングユニット7の中間胴25へ受け渡され、次いで、圧胴35へ受け渡される。
コーティングユニット7では、ニス舟27に貯留されたニスが、ニス元ローラ29によって汲み上げられ、ニス着けローラ31から版胴33の表面に取り付けられたニス版39の凸表面に転移される。ニス版39に転移されたニスは圧胴35の外周面に支持されて搬送されてくるシート13の印刷面に転移される。
コーティングユニット7でニスを転写されたシート13は、その圧胴35からチェングリッパ131にくわえ替えされ、チェングリッパ131で搬送される。このシート13は、途中で、乾燥装置133によって表面のニスが乾燥されつつ下流側に搬送され、排紙テーブル135の上方でくわえを外され、落下し、排紙テーブル135上に積み上げられる。
このような印刷作業が終了した際あるいは印刷運転を停止した際、枚葉印刷機1の各部は洗浄されることになる。本実施形態にかかるシリンダ洗浄装置37の洗浄動作について説明する。制御装置121によりシリンダ洗浄装置37の洗浄部43は、印刷運転中、版胴33の外周面から離隔した位置で待機させられている。
印刷運転が終了すると、図7に示した洗浄作業を行うことになる。この場合、版胴33は緩動速度(略4rpm)で回転させられる(緩動釦ON)。ここで、その日最初の洗浄作業(洗浄処理シーケンス)の処理を開始する場合には、制御装置121のモニターの当初画面に「洗浄水を確認」などのメッセージを表示し(ステップS7)、先浄水の追加の要否の確認を促すことが好ましい。
この状態で、制御装置121は、洗浄スイッチの投入(ON)を洗浄作業の開始指令の契機として処理を開始し(ステップS1)、洗浄部43を版胴33側に向けて移動させるとともに洗浄回数のカウンタNが、「0」か否かを判断する(ステップS2)。
カウンタNが「0」(YES)の場合、洗浄準備工程に入り、第一供給電磁弁93および第二供給電磁弁95を閉じた(OFF)状態で吐出ポンプ87を投入(ON)し、還流管97を用いてタンク89との間で洗浄液を循環させる(ステップS3)。この循環運転によって洗浄液に含まれる空気を抜くことができる。
吐出ポンプ87をONして略10秒経つと、空気抜きは完了したとみなし、第一供給電磁弁93および第二供給電磁弁95を開放(ON)できる状態として洗浄準備工程を終了し(ステップS4)、洗浄工程に移行する。
他方、ステップS2で、カウンタNが0以外である(NO)場合、制御装置121は、カウンタNが所定の最大洗浄回数、本実施形態では「4」であるかを判断する(ステップS5)。この最大洗浄回数は、洗浄液貯留部83の容量及び一回の洗浄作業で溜まる液量により定められる回数であり、装置や洗浄条件によって個別に設定される値である。
ここで、カウンタNが「4」でない(NO)場合には、そのまま洗浄工程に入る。
一方、カウンタNが「4」である(YES)場合には、洗浄液回収作業に入るとともにカウンタNを「0」とする(ステップS6)。
ここで、洗浄液回収作業は、具体的にはコンプレッサ109を運転し、バキュームクリーナ107に圧縮空気を送り、第一回収電磁弁115を開(ON)して、洗浄液貯留部83に貯留された洗浄液を第一回収管111から吸引排出する。同様に、第二回収電磁弁117を開(ON)して、中部回収空間81および下部回収空間75に貯留された洗浄液を第二回収管113を介して排出する。
次に、洗浄工程について、その一例について説明する。
制御装置121は、まず、版胴33の1回転目かを判断する(ステップS8)。
1回転目(YES)の場合、1回転目の洗浄操作を行う(ステップS9)。
まず、吐出ポンプ87がONしていない場合はONとする。次いで、所定時間後に、洗浄部43のブラシローラ53およびブラシ体61を版胴33の外周面に接触させる。
その後、ギャップ41の下流端がブラシローラ53の軸線中心を通過した時点で、第二供給電磁弁105およびブラシローラ53をON状態とする。このとき、ブラシローラ53の回転方向は図5に示されるように版胴33の回転方向(時計回り)と同一方向とし、版胴33の回転速度よりも高い速度(例えば、速度150rpm)で回転させる。
このとき、第二供給電磁弁105がONされると、吐出ポンプ87から送られる洗浄液が第二パイプ67に供給され、第二ノズル69からブラシローラ53がニス版39に接触する部分の上流側に向けて噴射される。この噴射される洗浄液の圧力によって、ニス版39に付着しているニスを取り除くことができる。
さらに、版胴33の回転速度よりも高い速度で回転されるブラシローラ53のブラシ73の先端が洗浄液を噴射されたニス版39の外表面を擦ってニスを擦り取るので、より確実にニス版39の洗浄を行なうことができる。このため、ニス版39の洗浄効率を向上させることができる。
また、第二ノズル69から噴射される洗浄液が、第二ノズル69の上方に位置するブラシローラ53にもかかり、ブラシローラ53も同時に洗浄されるという効果もある。
このとき、第二ノズル69から噴射された洗浄液がニス版39に当り、あるいは、ブラシローラ53によって飛散されるが、ブラシ体61によって周囲を覆われているので、飛散した洗浄液の大部分は、洗浄液貯留部83に落下する。そして、洗浄液貯留部83に貯留された洗浄液が第二仕切板59を超えると、その分は中部回収空間81に回収される。また、下部のブラシ体61に当る飛散洗浄液の一部は中部回収空間81に回収される。
このように、ブラシ体61が外部に飛散する洗浄液をその内側に留めるので、洗浄時の洗浄液の外部への飛散を防止することができる。
そして、ブラシローラ53の軸線中心がギャップ41の上流端よりも所定距離(例えば、100mm)上流側に至った時点で、第一供給電磁弁103もON状態とし、洗浄液を第一ノズル65からブラシローラ53がニス版39に接触する部分の下流側に向けて噴射させる。
このように、第一ノズル65によりニス版39に洗浄液を再度噴射することで、ニス版39の外周面に付着しているニスを完全に取り除くことができる。
なお、この第一ノズル65から噴射される洗浄液の圧力を、第二ノズル69よりも高く設定することで、洗浄効果をより高めることが可能となる。
なお、洗浄が進むと、ブラシ体61の内部に洗浄液が溜り、それが重力で下側に移動し、滲みだすことがある。ブラシ体61から滲み出した洗浄液は、ブラシ体61および第一仕切板57の外側を伝って下部回収空間75に回収されるので、下方に落下することを防止できる。
ブラシローラ53が回転して所定時間(例えば、10秒)後、電磁弁119をONして、コンプレッサ109から圧縮空気を送ってバキュームクリーナ107を作動させ、同時に、第二回収電磁弁117をONして、第二回収管113にバキュームクリーナ107の吸引力を作用させる。
これにより、中部回収空間81および下部回収空間75に回収された洗浄液が吸引され外部に排出される。
このように、洗浄開始から所定時間後に中部回収空間81および下部回収空間75からの洗浄液排出を行うのは、洗浄液の回収量が多くなるのを待って排出し、確実な排出とエネルギーロスの防止を図るためである。
また、ブラシローラ53のブラシ73は、洗浄液貯留部83に貯留された洗浄液に浸漬されているので、ブラシローラ53はブラシ73に洗浄液を保持した状態でニス版39の外表面を擦ることになる。このため、間隔を空けて配置された第一ノズル65および第二ノズル69から供給される洗浄液量に幅方向でムラがあったとしても、ブラシローラ53によって洗浄液が幅方向に均一に供給されるので、幅方向における洗浄不良が発生し難くなり、洗浄効果を向上させることができる。
さらに、このようにブラシローラ53に洗浄液が保持されると、第一ノズル65および第二ノズル69からの洗浄液の噴射を停止させた状態でも十分な洗浄効果を発揮させることができるので、第一ノズル65および第二ノズル69からの洗浄液の噴射を停止させて洗浄を行うことができる。
すなわち、第一ノズル65および第二ノズル69から洗浄液を噴射させつつ洗浄する方法と、洗浄液を供給せずに洗浄液貯留部83に貯留された洗浄液を用いて洗浄する方法とを選択的にあるいは組合せて実施することができ、多様な洗浄を実施することができる。
また、洗浄液を常時供給しなくても洗浄を行えるので、使用する洗浄液の量を抑制することができる。洗浄液の量を抑制できると、洗浄廃液の量を減少させることができるので、環境に対し配慮した洗浄を行うことができる。
版胴33が一周してギャップ41の下流端が来るまで、上述の洗浄作業を継続する。
そして、版胴33が一周してブラシローラ53の軸線中心がギャップ41の下流端よりも所定距離(例えば、50mm)下流側に至った時点で、第二供給電磁弁105をOFF状態とし、第二ノズル69からの洗浄液の噴射を停止させる。
次いで、ブラシローラ53の軸線中心がギャップ41の下流端よりも所定距離(例えば、10mm)下流側に至った時点で、第一供給電磁弁103をOFF状態とし、第一ノズル65からの洗浄液の噴射を停止させる。
さらに、ブラシローラ53の軸線中心がギャップ41の下流端よりも所定距離(例えば、5mm)下流側に至った時点で、洗浄部43を版胴33から離れる方向に移動させるとともに、ブラシローラ53の回転を停止させる。
これにより、1回転目の洗浄が終了し、ステップS8に戻り、制御装置121は、再度1回転目かを判断する。この場合、1回転目の洗浄が終了しているので、1回転目ではない(NO)と判断され、ステップS10に入る。
ステップS10では、2回転目の洗浄が行われる。まず、ブラシローラ53が図6に示されるように版胴33の回転方向(時計回り)と逆方向に、版胴33の回転速度よりも高い速度(例えば、速度150rpm)で回転させられる。
次に、洗浄部43を版胴33側に移動させ、上述の1回目の洗浄と同じ動作を繰り返す。
このように、版胴33の2回転目の洗浄時におけるブラシローラ71の回転方向を、版胴33の一回転目の洗浄時の回転方向とは逆方向にすることで、次のような効果が得られる。
すなわち、例えば図5に示すようにブラシローラ53の回転方向が版胴33の回転方向と同方向である場合には、ニス版39の凹状表面から凸状表面に切り替わる際の角張った部分に付着しているニスでもブラシローラ53により確実に掻き出して取り除くことができ、また、図6に示すようにブラシローラ53の回転方向が版胴33の回転方向と逆方向である場合には、ニス版39の凸状表面から凹状表面に切り替わる際の角張った部分に付着しているニスでもブラシローラ53により確実に掻き出して取り除くことができるようになる。
このように、洗浄中にブラシローラ7の回転方向を変えることで洗浄効率を向上することができる。
そして、ステップS10で2回転目の版胴33の洗浄が終了したら、各部の駆動を停止し、洗浄部43を版胴33の外周面から離隔する方向へ移動させて、次回の洗浄まで待機させておく。
また、制御装置121では、洗浄カウンタNの回数を1増加させる(ステップS11)。
この後、制御装置121は、洗浄作業後に印刷機での印刷作業を終了するか、すなわち、その日の印刷機の最後の洗浄操作であるか否かを確認する(ステップS12)。
この確認において、最後の洗浄でない(NO)との情報が入力された場合には、そのまま処理を終える(ステップS13)。
最後の洗浄である(YES)と情報入力を受け付けた場合には、印刷機の停止前に第一回収電磁弁115及び第二回収電磁弁117を所定時間(本実施形態では30秒)開(ON)状態とし、洗浄液貯留部83、中部回収空間81および下部回収空間75に溜まった洗浄液を排出する。これにより、翌日の運転再開時には洗浄液が貯留されていない状態となる。そして、印刷機の電源OFFの指令を受け付けたときに、N=0となるようカウンタをリセットする(ステップS14)。
なお、版胴33の1回転目で十分な洗浄効果が得られるようであれば、版胴33の2回転目の洗浄は行なわなくてもよい。また、ブラシローラ53の回転方向も常に同一方向であってもよい。
ここで、先に述べたステップS5で、カウンタNが「4」でなかった(NO)場合には、制御装置121は洗浄工程、すなわち、ステップS8に入る。
なお、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、ブラシローラ53を機械幅方向へ僅かに振動させながら回転させるようにしてもよい。このようにすれば、洗浄効率をより高めることが期待できる。
また、ブラシ体61の代わりに、スポンジを備えてもよい。
さらに、ブラシローラ53を並列に(上下に)2つ設けてもよい。この場合、これら2つのブラシローラ53を互いに逆方向に回転させれば、版胴33の1回転で十分な洗浄効果を得ることが可能となる。また、2つ目のブラシローラ53あるいは両方のブラシローラ53を、より径の小さな小型ブラシローラとすれば、装置の大型化を回避できる。
さらに、上記の実施形態では、一例として、本シリンダ洗浄装置を、枚葉印刷機のコーティングユニットに設けられた版胴(シリンダ)を洗浄するのに用いた場合について説明したが、例えば印刷ユニットに設けられる版胴やブランケット胴など、その他シリンダを洗浄するのに用いることができることはいうまでもない。
また、輪転印刷機のコーティングユニット、印刷ユニット等に設けられるシリンダを洗浄するのに用いることができることはいうまでもない。
本発明の一実施形態にかかるシリンダ洗浄装置を用いた枚葉印刷機の概略構成を示す正面図である。 本発明の一実施形態にかかるコーティングユニットを示す側面図である。 図2に示されるX方向から見た時の版胴に対するブラシおよびブラシローラの接触領域を模式的に示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかるシリンダ洗浄装置の全体概略構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかるブラシローラが版胴の回転方向と同方向へ回転している状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかるブラシローラが版胴の回転方向と逆方向へ回転している状態を示す模式図である。 本発明の一実施形態にかかるシリンダ洗浄装置の動作を説明するフロー図である。
符号の説明
1 枚葉印刷機
7 コーティングユニット
33 版胴
39 ニス版
49 第一洗浄液噴射手段
51 第二洗浄液噴射手段
53 ブラシローラ
55 洗浄部本体
57 第一仕切板
59 第二仕切板
61 ブラシ体
75 下部回収空間
81 中部回収空間
83 洗浄液貯留部
107 バキュームクリーナ
109 コンプレッサ

Claims (7)

  1. 印刷機に設けられたシリンダの外周面に洗浄液を噴射する洗浄液噴射手段と、
    前記シリンダの外周面に接触して回転しうるブラシローラと、
    前記シリンダの外周面に対向する側に開口部を形成され、前記洗浄液噴射手段および前記ブラシローラを前記シリンダの周外方向から覆って該開口部を前記シリンダの外周面により閉塞して洗浄液の飛散を防止する洗浄液飛散防止部材と、
    該洗浄液飛散防止部材の下部と前記ブラシローラとの間に空間を区切るように設置され、該洗浄液飛散防止部材の下部との間に第一の回収空間を形成するとともに上方に前記ブラシローラが浸漬可能になるように前記洗浄液を保持しうる洗浄液保持空間を形成する仕切部材と、
    が備えられていることを特徴とするシリンダ洗浄装置。
  2. 前記洗浄液飛散防止部材の前記開口部の全周縁に可撓部材が備えられていることを特徴とする請求項1に記載されたシリンダ洗浄装置。
  3. 前記洗浄液飛散防止部材の下方に前記シリンダ側が開放された第二の回収空間を形成する下部空間形成部材が備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたシリンダ洗浄装置。
  4. 前記第一の回収空間および/または前記第二の回収空間に回収された洗浄液は、噴射気体を駆動源とする吸引手段によって吸引回収されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載されたシリンダ洗浄装置。
  5. 前記ブラシローラが、前記シリンダの回転方向と同方向および逆方向へ回転するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載されたシリンダ洗浄装置。
  6. 前記シリンダが、コーティングユニットに設けられ表面にニス版が巻着された版胴であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載されたシリンダ洗浄装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたシリンダ洗浄装置が装着されていることを特徴とする印刷機。
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