JP2008054563A - 深在性真菌症起因菌の検出法 - Google Patents

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Abstract

【課題】深在性真菌症起因菌の多くを一括同定でき、複数菌感染も解析可能な検出方法を提供する。
【解決手段】(1)試料から真菌DNAを取得する工程、(2)2種類以上のプライマーセットを同時に用いて、一反応系でPCR反応を行い、上記工程(1)で取得された真菌DNAをテンプレートとして増幅を行う工程、(3)2種類以上の菌種特異的プローブが固相化された固相化体に上記工程(2)で得られたPCR産物を供し、ハイブリダイゼーションを行う工程、及び、(4)上記工程(3)で固相化体にハイブリダイズされた真菌DNAを検出する工程により、試料中の真菌を検出する。
【選択図】なし

Description

本発明は、深在性真菌症の起因菌を検出する方法に関する。より詳しくは、深在性真菌症の起因菌を、菌種別に検出する、すなわち同定する方法に関する。
深在性真菌症とは内臓真菌症ともいわれるように、 全身の臓器や組織が真菌に侵される感染症である。その多くは臓器移植患者およびAIDS等、免疫機能の低下した患者を中心に多発する日和見感染症であり、高度医療の普及と高齢化に伴い、近年増加傾向にある。
主な深在性真菌症の起因菌として、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Cryptococcus neoformans、Rhizopus spp.等が知られている。また、従来稀とされたTrichosporon asahii、Trichosporon mucoides、Fusarium solaniも近年増加傾向にある。
深在性真菌症の臨床症状は主に発熱であるため、細菌感染症との区別が難しい。病状は数週間から月単位で進行し、治療は先制攻撃的治療、経験的治療、標的治療の三段階に分けられている。先制攻撃的治療とは真菌の定着が確認された時点で投与を開始する予防投与のことを指し、経験的治療とは血清診断や遺伝子診断等の補助診断に基づく治療を指し、標的治療とは培養等による確定診断後の治療を指している。
例えばアスペルギルス症では、確定診断後に治療開始した場合の治療成功率は20%程度と低く、重篤化するため、迅速な補助診断が必要である。そのため実際の臨床では、深在性真菌症の疑いとして経験的な判断で抗真菌薬の投薬が行われているが、起因菌が多種に渡るという特徴を有する疾患であることから、第一選択薬では全菌種に有効でないため高い効果が得られないという問題が生じる。
このような現状から、深在性真菌症の起因菌の迅速な菌種同定検査が必要とされている。
現在、深在性真菌症の確定診断は真菌の培養、あるいは感染病巣の病理組織学的検査により行われている。しかし、病理組織学的検査は侵襲的であるため、使用がためらわれている。一方、培養法は2〜10日と時間を要し、一般に培養陽性率が低い。
補助診断として様々な血清診断キット、例えば、属特異的な抗原検出キット(カンジダ属、アスペルギルス属、クリプトコッカス属等)や、菌特異的な菌体成分(細胞壁マンナン、ガラクトマンナン、及び莢膜グルクロノキシロマンナン等)又は菌特異的な菌体の体内における修飾産物(カンジダ易熱性糖タンパク等)を、モノクローナル抗体を用いて検出するキット、真菌菌体成分(細胞壁β-Dグルカン等)又は真菌代謝産物(D-アラビニトール等)を酵素反応によって検出するキット等が用いられている。
現在、抗真菌薬が多様化しつつあり、目的の抗真菌薬の選択には起因菌の同定(属、又は種レベル)が必要であるが、上記の属特異的な抗原検出キットでは各属の決定しかできず、その他の血清診断キットでは、属あるいは種を同定することは困難である。また、操作が煩雑で時間を要し、検出における特異性、及び感度の点でも問題が残っている。
近年この解決策として、より高感度かつ特異性に優れた真菌検出系として遺伝子診断法
の開発が試みられている。広範囲の真菌症起因菌を標的として、病原真菌共通プライマーで一段階目のPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)をかけた後、属あるいは種特異的なプライマーによる二段階目のPCRで増幅するか、もしくは直接塩基配列決定法によって属レベルから菌種までの同定を行う手法(特許文献1〜3)や、リアルタイムPCRによる増幅を行い、Tm値または系統解析により菌種の同定を行う方法(特許文献4)が開示されている。
しかし、属あるいは種特異的なプライマーを用いる方法は同定したい菌種の数だけ反応を行う必要があり、多数のチューブや試薬が必要となるため、コストがかかる。また、塩基配列解析による菌種の同定法は時間を要し、複数菌感染の検出が困難である。
さらに、病原真菌を一括同定する手法として、PCRで増幅された真菌特異的DNA断片に対して菌種特異的プローブをハイブリダイズすることにより検出を行う手法も報告されている(特許文献5)。しかし、深在性真菌症起因菌の網羅には至っておらず、肉眼判定を行うため、検査として用いるには客観性に欠けている。複数菌感染の検出についても報告がない。
特開2004-201635 特開2004-201636 特開2004-201637 特開2004-201641 特表2001-500809
本発明は、深在性真菌症起因菌の多く(例えば9割以上)を一括同定でき、複数菌感染も解析可能な手法の提供を課題とする。
深在性真菌症起因菌のほとんどを一括同定するために、PCRでの真菌DNAの増幅について検討した結果、特定の条件において、マルチプレックスPCR法と、マイクロプレートハイブリダイゼーションとを組み合わせて用いることにより幅広い菌種にわたって増幅及び検出が可能になることを見出した。
マルチプレックスPCR法は、1チューブ(一反応系)の中に複数種類のプライマーセットを用いて、同時にPCRによる増幅を行う方法である。複数種類のプライマーセットが混在するため、多くの臨床検体を検査する場合、予期せぬ非特異的増幅産物を生成してしまうことが容易に予想される。このため、多数のDNAの増幅に有効な基礎技術であることは知られているが、実際に臨床検査において実用化されている例はほとんどない。しかし、本発明では、特定の範囲において適切なプライマーを組み合わせて用いることにより、深在性真菌症の起因菌のDNAを広範囲に一工程で増幅することが可能となる。一方、増幅ができても、非特異的増幅産物を生成する可能性が高い増幅方法を採用しているため、従来の様な電気泳動や塩基配列解析によるPCR増幅産物の確認はほぼ不可能と考えられた。しかし、検出法としてマイクロプレートハイブリダイゼーション法を組み合わせ、適切な菌種特異的プローブを選択して固相化することで、全菌種の一括同定を可能になることが判明した。さらに、この方法を組み合わせたことで、電気泳動や塩基配列解析では不可能な複数菌感染の検出も可能になるという大きな効果も得られることも判明した。
これらの知見に基づき、本発明は完成された。本発明は下記のものに関する。
[1] 少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする、試料中の真菌の検出方法。
(1)試料から真菌DNAを取得する工程、
(2)2種類以上のプライマーセットを同時に用いて、一反応系でPCR反応を行い、上記工程(1)で取得された真菌DNAをテンプレートとして増幅を行う工程、
(3)2種類以上の菌種特異的プローブが固相化された固相化体に上記工程(2)で得られたPCR産物を供し、ハイブリダイゼーションを行う工程、
(4)上記工程(3)で固相化体にハイブリダイズされた真菌DNAを検出する工程。
[2] プライマーセットが、少なくとも真菌のITS領域増幅プライマーセットと、IGS領域増幅プライマーセットを含むことを特徴とする項1に記載の方法。
[3] ITS領域増幅プライマーセットが、配列番号28に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーと、配列番号29に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーとを含むことを特徴とする項2に記載の方法。
[4] ITS領域増幅プライマーセットが、配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるプライマーからなることを特徴とする項2又は3に記載の方法。
[5] IGS領域増幅プライマーセットが、配列番号3に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーと、配列番号4に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーとを含むことを特徴とする項2〜4のいずれかに記載の方法。
[6] IGS領域増幅プライマーセットが、配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるプライマーからなることを特徴とする項2〜5のいずれかに記載の方法。
[7] 菌種特異的プローブが、少なくとも、Trichosporon属、Aspergillus属、Candida属に属する真菌菌種に対する特異的プローブを含むことを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の方法。
[8] さらにCryptococcus属に属する真菌菌種に対する特異的プローブを含むことを特徴とする項7に記載の方法。
[9] 菌種特異的プローブが、少なくとも以下の菌種に対する特異的プローブを含むことを特徴とする項8に記載の方法。
Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides
[10] 菌種特異的プローブが、配列表の配列番号5〜22に記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチドから選ばれることを特徴とする項7〜9のいずれかに記載の方法。
[11] ハイブリダイゼーション工程のハイブリダイゼーションの温度が35〜40℃であり、洗浄の温度が室温である項10記載の方法。
[12] プライマーが標識されていることを特徴とする項1〜11のいずれかに記載の方法。
[13] 固相化体がマイクロタイタープレート又はチップであることを特徴とする項1〜12のいずれかに記載の方法。
[14] 菌種特異的プローブが、特定された位置に固相化されていることを特徴とする項1〜13のいずれかに記載の方法。
[15] 項1〜14のいずれかに記載の方法により真菌の存在が確認された場合に、深在性真菌症の疑いがあると判定することを特徴とする深在性真菌症の検出方法。
[16] 少なくとも以下の真菌に対する菌種特異的プローブが固相化された固相化担体。
Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides
[17] 少なくとも、真菌のITS領域増幅プライマーセット及びIGS領域増幅プライマーセットと、菌種特異的プローブが固相化された固相化体とを含むことを特徴とする試薬キット。
[18] 深在性真菌症検出用である項17に記載の試薬キット。
本発明によれば、深在性真菌症の起因菌を広範囲に一括して検出・同定できる。
深在性真菌症では、複数菌に感染している患者が多く見られる。しかし、現在行われている遺伝子診断では複数菌感染の解析は不可能である。また、血清診断では属特異的な検出キットを複数使用して複数回解析する必要があり、菌種の同定まで可能な方法はない。本発明の方法により、感染している菌種や菌数に無関係に一度に検査を行えることは非常に有利である。
本発明は、深在真菌症の起因菌を1テストで同定できる方法である。本法を用いることで、菌種の同定が従来法よりも速やかに行なわれ、早期の治療方針の決定、重篤化の阻止等、臨床的意義は大変高い。
本発明方法は、少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする、試料中の真菌の検出方法である。
(1)試料から真菌DNAを取得する工程、
(2)2種類以上のプライマーセットを同時に用いて、一反応系でPCR反応を行い、上記工程(1)で取得された真菌DNAをテンプレートとして増幅を行う工程、
(3) 2種類以上の菌種特異的プローブが固相化された固相化体に上記工程(2)で得られたPCR産物を供し、ハイブリダイゼーションを行う工程、
(4)上記工程(3)で固相化体にハイブリダイズされた真菌DNAを検出する工程。
以下、工程毎に説明する。
・真菌DNAの取得
試料としては、真菌を含む又はその可能性がある試料であればよく、代表的なものとしては、喀痰、胃液、気管支肺胞洗浄液(BALF)、胸水、腹水、髄液、全血などが挙げられる。
試料からの真菌DNAの調製は、通常の方法によって行うことができる。このような調製に使用できるキットが市販されている。
・増幅
2種類以上のプライマーセットを同時に用いて、一反応系でPCR反応を行う方法は、マルチプレックスPCRとして知られている。本発明では、真菌DNAをテンプレートとして用いる他は、通常のマルチプレックスPCRの条件でPCR反応を行うことができる。
プライマーセットは、ハイブリダイゼーション工程で使用される菌種特異的プローブがハイブリダイズする増幅産物を取得できるようにする他は、通常の方法によって設定することができる。
プライマーセットは、少なくとも真菌のITS領域増幅プライマーセットと、IGS領域増幅プライマーセットを含むことが好ましい。ITS領域増幅プライマーセットとは、真菌のITS領域を増幅できるプライマーセットであり、ITS領域とは、Internal Transcribed Spacer
Regionの略であり、rRNAの一番目の小サブユニット(18S)と、大サブユニット(28S)との間に位置する内部転写スペーサー領域である。IGS領域増幅プライマーセットとは、真菌のIGS領域を増幅できるプライマーセットであり、IGS領域とは、Intergenic Spacer Regionの略であり、rRNAの大サブユニット(28S)と、二番目の小サブユニット(18S)との間に位置する遺伝子間スペーサー領域である。
真菌のITS領域増幅プライマーセットと、IGS領域増幅プライマーセットは、それぞれ、ITS領域及びIGS領域を増幅できる限り、特に限定されないが、後の工程での操作性や特異性の観点から、増幅産物の長さが1000bp以下になるように選択することが好ましい。長さの下限は、後述する対象となる菌種と、それを検出するために用いるプローブに依存して適宜決定される。真菌のITS領域増幅プライマーセットやIGS領域増幅プライマーセットとしては、T. J. White, T. Bruns, S. Lee, and J. Taylor, PCR protocols 1990, 315-322; T. Sugita, M. Nakajima, R. Ikeda, T. Matsushima, and T. Shinoda, JCM 2002, 40(5), 1826-1830等に記載されたものが知られている。
真菌のITS領域増幅プライマーセットと、IGS領域増幅プライマーセットを含むことにより、複数の深在性真菌症起因菌のゲノムDNAから、2種類以上の菌種特異的プローブが固相化された固相化体を用いるハイブリダイゼーションにより一度にハイブリダイゼーションの有無を検出できる形態の増幅DNAを一括して増幅できる。特に、最近深在性真菌症の起因菌として増加しているTrichosporon属の菌種を含んでいた場合でも、菌種の同定まで可能なDNA領域を一括して増幅することができる。
ITS領域増幅プライマーセットの例としては、配列番号28(M60302、1708〜1788位)に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基(好ましくは連続する18塩基)を含むプライマーと、配列番号29(AF109336、10〜57位)に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基(好ましくは連続する20塩基)を含むプライマーのセットが挙げられる。より具体的には、配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるプライマーからなるセットが挙げられる。
なお、各プライマーは一例であり、各々、上記の配列の一部、あるいは全部を含む15塩基から50塩基の範囲で設定が可能である。
IGS領域増幅プライマーセットの例としては、配列番号3に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基(好ましくは20塩基)を含むプライマーと、配列番号4に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基(好ましくは20塩基)を含むプライマーのセットが挙げられる。より具体的には、配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるプライマーからなるセットが挙げられる。
なお、各プライマーは一例であり、各々、上記の配列の一部、あるいは全部を含む15塩基から50塩基の範囲で設定が可能である。
第1のプライマーセット(ITS領域増幅プライマーセット)の具体例としては、配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるプライマーからなるものが挙げられる。第2のプライマーセット(IGS領域増幅プライマーセット)の具体例としては、配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるプライマーからなるものが挙げられる。なお、各プライマーは一例であり、各々、上記の配列の一部、あるいは全部を含む15塩基から50塩基の範囲で設定が可能である。
PCRの条件は、使用するプライマーに応じて適宜選択されるが、代表的な例としては、以下のものが挙げられる。
変性:94〜97℃、15〜30秒
アニーリング:50〜65℃、15〜60秒
伸長:72℃、30〜60秒
また、PCRの増幅が良好であるか否かを確認するために、反応系にインターナルコントロールを加えてもよい。インターナルコントロールとしては、使用するプライマーセットにより増幅されるが、ハイブリダイゼーションの工程で使用されるプローブのいずれともハイブリダイズしないものを用いる。
インターナルコントロールの使用により、マルチプレックスPCRの条件を変更する必要がある場合には、適宜調整することができる。例えば、プライマーを追加することが挙げられる。
プライマーは、標識されていることが好ましい。これにより、増幅と標識を同時におこなうことができる。
標識物質及び標識方法は、増幅及びハイブリダイゼーションを妨げない限り、特に限定されない。例えば、固相化体がマイクロタイタープレートの場合、プライマーの5'末端をビオチン、ジゴキシゲニン、フルオレセイン等で標識する方法が挙げられる。また、例えば、固相化体がチップの場合には、Cy3、Cy5、Alexa等で標識する方法が挙げられる。
・ハイブリダイゼーション及び検出
2種類以上の菌種特異的プローブを用いる他は、プローブが固相化された固相化体を用いるハイブリダイゼーション及び検出の方法を用いることができる。
菌種特異的とは、対象菌種のDNAとハイブリダイズし、それ以外の菌種のDNAとは実質的にハイブリダイズしないことを意味する。なお、原理上は他の菌種のDNAともハイブリダイズすると考えられるプローブであっても、その菌種が検査される臨床検体において通常検出されることのほとんどない菌種である場合には、実際的な対象菌種の検出・同定において問題とならないため、このようなプローブの使用を許容できる。
菌種特異的プローブは、通常は、配列情報に基づいて菌種特異的な配列を選択することにより設計できる。また、該当の配列部位の高次構造の有無や、GC含量等に基づいて適宜調整可能である。
なお、通常、上記のような一般的な指標に基づいて複数のプローブ配列を設計し、これら複数のプローブを用いて同時に検出・同定を行うのに適したハイブリダイゼーション工程の条件を適宜設定することができるが、ハイブリダイゼーション工程の条件を特定の条件に定めたい場合には、該条件の下で複数のプローブが同等の反応性を示すように、プローブ配列側を調整することも可能である。このような場合には、例えば、上記のような一般的な指標に基づいてプローブ配列を仮に設計した後、プローブの配列の一部改変を行ったり、類似の配列を有する複数のプローブを調製したりして、特定の条件下で最も適切な反応を示すものを選択する等により適宜確定することができる。
菌種特異的プローブは、好ましくは、少なくとも、Trichosporon属、Aspergillus属、Candida属に属する真菌菌種に対する特異的プローブを含む。これにより、上記増幅工程でITS領域増幅プライマーセットと、IGS領域増幅プライマーセットを用いた場合には、これらの属に属する真菌DNAを一度に増幅できるため、これに対応したプローブを用いることにより、従来、一括して検出できなかったこれらの属の真菌を一括して検出・同定できる。
菌種特異的プローブは、さらにCryptococcus属に属する真菌菌種に対する特異的プローブを含むことが好ましい。
菌種特異的プローブは、少なくとも以下の菌種に対する特異的プローブを含むこと好ましい。これにより、深在性真菌症の起因菌の殆どを一括で検出かつ同定することができる。
Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides
菌種特異的プローブの例としては、配列番号5〜22に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドからなるものが挙げられる。これらのプローブの特異性は以下の通りである。
[配列番号5]Aspergillus fumigatus検出用プローブ
fumi1-ami:5'-GCCGACACCCAACTTTATTTTTCTAAGG -3'(AY373851、512〜539位) (配列番号5)
Neosartorya fisheri, Aspergillus lentlusの配列と100%一致する。また、Aspergillus unilateralisと21/28、Aspergillus fumisynnematusと21/28、Aspergillus viridinutansと20/28、Neosartorya glabraと21/28、Neosartorya hiratsukaeと21/28、Neosartorya spinosaと20/28、Neosartorya udagawaeと20/28、Neosartorya aureolaと20/28、Neosartorya botucatensisと20/28の一致を示す。
しかし、これらの菌種は、臨床検体からの培養分離例がほとんどないため、実質的に問題とはならない。
[配列番号6]Aspergillus flavus検出用プローブ
fla1-ami:5'-TTGCCGAACGCAAATCAATCTTTT -3'(AY373848、508〜531位) (配列番号6)
Aspergillus orysae, Aspergillus parasiticusの配列と100%一致する。
しかし、これらの菌種は、臨床検体からの培養分離例がほとんどないため、実質的に問題とはならない。
[配列番号7]Aspergillus niger検出用プローブ
nig1-ami:5'-CGCCTGCCGMCGTTWTCCAACCATTYTTT-3'(AF455522、534〜562位) (配列番号7)
Aspergillus foetidus, Aspergillus awamoriiの配列と100%一致する。また、Aspergillus ellipticusと25/29、Aspergillus tubingensisと25/29、Aspergillus wentiiと20/29の一致を示す。
しかし、これらの菌種は、臨床検体からの培養分離例がほとんどないため、実質的に問題とはならない。
[配列番号8〜9]Candida albicans検出用プローブ
alb1-ami:5'-CCAGAGGTCTAAACTTACAACCAATT-3'(AF455428、122〜147位、100%の一致) (配列番号8)
Candida dubliniensisと23/26塩基の一致を示す。
alb2-ami:5'-ACGGTAGTGGTAAGGCGGGATCGCTTTGA-3'(AF455428、401〜429位、100%の一致) (配列番号9)
Candida dubliniensisと23/29塩基の一致を示す。
しかし、この菌種は、臨床検体からの培養分離例がほとんどないため、実質的に問題とはならない。
[配列番号10〜12]Candida glabrata検出用プローブ
gla1-ami:5'-GGAGGGATAWGTGAGTGTTTTGTGCGTGC -3'(AF218966、308〜336位、96%の一
致) (配列番号10)
gla2-ami:5'-GACACGAGCGCAAGCTTCTCTATTAATCT -3'(AF218966、211〜239位、100%の一致) (配列番号11)
・Candida krusei検出用プローブ
kru1-ami:5'-GAGCGAAGCTGGCCGAGCGAACTAGACT -3'(AF455401、376〜403位、100%の一致) (配列番号12)
[配列番号13〜14]Candida parapsilosis検出用プローブ
para1-ami:5'-GAAAGGCGGAGTATAAACTAATGGATAGG -3'(AF455433、418〜446位、100%の一致) (配列番号13)
para2-ami:5'-CCACTCATTGGTACAAACTCCAAAMMT -3'(AF455433、453〜479位、93%の一致) (配列番号14)
[配列番号15〜16]Candida tropicalis検出用プローブ
tro1-ami:5'-GTGGAAACTTATTTTAARCGACTTAGG -3'(AY939810、389〜415位、96%の一致)
(配列番号15)
tro2-ami:5'-GCTAGTGGCCACCACAATTTATTTCATA -3'(AY939810、438〜465位、93%の一致) (配列番号16)
[配列番号17]Cryptococcus neoformans検出用プローブ
neo1-ami:5'-CTCRGGTTTTATTACCTGTTGGACTTGGAT -3'(AY973273、340〜369、96%の一致) (配列番号17)
Cryptococcus amylolentusと25/30塩基の一致を示す。
しかし、この菌種は、臨床検体からの培養分離例がほとんどないため、実質的に問題とはならない。
[配列番号18〜19]Trichosporon asahii検出用プローブ
asa1-ami:5'-GAGTGAATCAAGAWCGAAGTATAAGG -3'(AB081512、187〜212位、96%の一致) (配列番号18)
asa2-ami:5'-CAAGTACAAGTAGTGAGAGGAGTWGAGTG -3'(AB081512、163〜191位、96%の一致) (配列番号19)
[配列番号20〜22]・Trichosporon mucoides検出用プローブ
muc1-ami:5'-CTAGGCTGGACTTTGGTTGAAATATT -3'(AB066433、127〜152位、100%の一致)
(配列番号20)
muc2-ami:5'-CCAAGTTGACCAGGTGTGGC -3'(AB066433、107〜126位、100%の一致) (配列番号21)
muc3-ami:5'-AAAGGTTGAATTTAATAGTCCAATC -3'(AB066433、185〜209位、100%の一致) (配列番号22)
上記プローブの説明中に記載したとおり、対象菌種以外の菌種が相同性の高い配列を有する場合でも、検査される臨床検体からの分離例がほとんどない菌種については、実質的に問題とならない。なお、上記説明中に付記したもの以外は、いずれも他の菌種との配列の一致度が低く、一致度が高いものでも、それぞれ30塩基程度に対し、15塩基程度である。各プローブのTm値は90℃程度で、他菌種との最適ハイブリダイゼーション温度は15℃程度となるため、理論的に交差反応は起こすことは無いと考えられる。
なお、上記の各プローブは一例であり、各々、1個又は2個のヌクレオチドの欠失および付加等が可能である。
菌種特異的プローブが固相化される固相は、通常のものが使用でき、例えば、マイクロタイタープレート、チップ(マイクロアレイ)、ビーズ等が挙げられる。固定の方法も通常に用いられる方法でよい。例えば、プローブの末端にリンカーを介して、固相に結合し得る官能基を結合し、該官能基と固相を反応させることにより固相化することができる。
菌種特異的プローブは、特定された位置に固相化されていることが好ましい。これにより、検出が容易になる。
ハイブリダイゼーション工程の条件は、使用するプローブ及び検出しようとする菌種に応じて適宜選択されるが、相同性の比較的高いDNAを多数用いるような場合には、一般的な条件検討の範囲として、以下のものが挙げられる。
・ハイブリダイゼーション
温度:42〜60℃
塩濃度:4〜10×SSC、0.02〜0.1%SDS、又は、それと同等の条件
・洗浄
温度:25〜50℃
塩濃度:0.25〜2×SSC、0.1%SDS、又は、それと同等の条件
洗浄回数:2〜5回
また、上述したように、ハイブリダイゼーション工程の条件を特定の条件に定め、プローブ配列側を適宜調整し選択することも可能である。例えば、大規模臨床検査センターや大病院の検査室等では、大量の臨床検体を迅速かつ簡便に測定することが求められているため、汎用性の高い測定機器を用いて、他の測定系と共通の反応条件で測定を行えることが大きな利点となることがある。例えば、ハイブリダイゼーション工程におけるハイブリダイゼーションの温度を37℃付近に設定できることは、汎用性の観点からは非常に有用である。
菌種特異的プローブとして、例えば、配列番号5〜22に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドからなるものが使用される場合には、ハイブリダイゼーションを35〜40℃、好ましくは37℃で行うことができ、洗浄を室温で行うことができる。室温とは、例えば、20〜30℃、好ましくは25℃である。このような温度でハイブリダイゼーションを行う場合の代表的な条件としては、以下のものが挙げられる。
・ハイブリダイゼーション
塩濃度:5×SSC、0.02%SDS、又は、それと同等の条件
・洗浄
塩濃度:0.2〜2×SSC、0.1%SDS、又は、それと同等の条件
洗浄回数:2〜5回
上記のようなストリンジェンシーの弱い条件は、交差反応(非特異反応)が起こりやすいこと、反応を確実に行わせるために必要な反応時間が長くなることから、検査のための系には通常には採用されないものである。しかしながら、本発明のこの好ましい態様では、ハイブリダイゼーション工程を比較的低温で行うことができるため、特別な装置を必要とせず、他の検査と同じ条件で同じ装置により行うことができるようになる。
検出は、標識物質に応じて選択される通常の方法により行うことができる。例えば、標識物質がビオチンの場合、ストレプトアビジンと酵素(例えば、パーオキシダーゼ(POD))の結合体をビオチンと結合させ、酵素活性を測定することにより検出を行うことができ
る。あるいは、ストレプトアビジンと蛍光物質の結合体をビオチンと結合させ、蛍光を測定することにより検出を行うことができる。また、フルオレセイン等の蛍光物質の場合には、直接蛍光を測定することにより検出を行うことができる。
上述のような工程を含む検出方法により、深在性真菌症で問題となる起因菌を広範囲に一括同定できる。
本発明検出方法により真菌の存在が確認された場合に、深在性真菌症の疑いがあると判定することにより深在性真菌症の検出を行うことができる。
また、本発明は、本発明検出法に使用される固相化担体、試薬キットも提供する。
本発明の固相化担体は、少なくとも以下の真菌に対する菌種特異的プローブが固相化されたことを特徴とする。
Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides
さらに、Fusarium solani、Rhizopus spp.、Pneumocystis carinii等に対する菌種特異的プローブが固定化されていてもよい。
菌種特異的プローブ及び固相、並びに、それらの好ましい態様は、上記に説明したとおりである。
本発明の試薬キットは、少なくとも、真菌のITS領域増幅プライマーセット及びIGS領域増幅プライマーセットと、菌種特異的プローブが固相化された固相化体とを含むことを特徴とする。プライマーセットと、菌種特異的プローブが固相化された固相化体のそれぞれ、並びに、それらの好ましい態様は、上記に説明したとおりである。
本発明の試薬キットは、これらの他、試薬キットに通常に使用される構成要素、例えば、緩衝液、PCR試薬、ハイブリダイゼーション試薬、検出用試薬等を含んでいてもよい。
本発明の試薬キットは、好ましくは深在性真菌症検出用である。
以下、実施例を参照して本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<1>材料
ATCC(American Type Culture Collection)より購入したAspergillus fumigatus、Candida albicans、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides及びNBRC(NITE Biological Resource Center)より購入したAspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosisの真菌菌株を用いた。
Figure 2008054563
<2>方法
1.真菌DNA
DNAは真菌菌液300μLにInstaGene(BIO-RAD社)を加えて細胞壁を破壊し、上清を取ることにより得られた。
2.プライマーの設計
各々のプライマーは、後のPCR増幅産物のEIA検出を考慮し、下流プライマーの5'末端をビオチン標識した。
(1) 真菌rRNA遺伝子ITS領域増幅用プライマー
真菌rRNA遺伝子ITS領域の増幅は以下の公知のユニバーサルITSプライマー(T. J. White, T. Bruns, S. Lee, and J. Taylor, PCR protocols 1990, 315-322)を使用した。
・上流プライマー
ITS1:TCCGTAGGTGAACCTGCG(GenBank accession No. AF455428、19~36位)(配列番号1)
・下流プライマー(5'末端をビオチン標識)
ITS4:TCCTCCGCTTATTGATATGC(GenBank accession No. AF455428、535~554位) (配列番号2)
(2) Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides rRNA遺伝子IGS領域増幅用プライマー
Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides rRNA遺伝子IGS領域の増幅には以下のTrichosporon属増幅用プライマー(T. Sugita, M. Nakajima, R. Ikeda, T. Matsushima, and T. Shinoda, JCM 2002, 40(5), 1826-1830)を使用した。
・上流プライマー
26SF:ATCCTTTGCAGACGACTTGA(配列番号3)
・下流プライマー(5'末端をビオチン標識)
5SR:AGCTTGACTTCGCAGATCGG(配列番号4)
3.反応条件
先述の2種の上流プライマーと2種の下流プライマーを含む増幅反応液40μLに抽出したDNA 10μLを添加して、GeneAmp PCR System 9600(パーキン エルマー社)を使用し、以下の条件で行った。
Figure 2008054563
4.検出
5'末端をビオチン標識したプライマーを用いて、PCRによって増幅されたAspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoidesの各DNAは液相ハイブリダイゼーションを原理としたマイクロタイタープレートハイブリダイゼーションアッセイにて検出した。マイクロタイタープレートの各ウェルには以下に示した特異的オリゴヌクレオチドプローブを固相した。プローブはGenBankよりダウンロードをしたデータを参考に、各菌種特異的な配列を選び出して設計した。
・Aspergillus fumigatus検出用プローブ
fumi1-ami:5'-GCCGACACCCAACTTTATTTTTCTAAGG -3'(AY373851、512〜539位) (配列番号5)
・Aspergillus flavus検出用プローブ
fla1-ami:5'-TTGCCGAACGCAAATCAATCTTTT -3'(AY373848、508〜531位) (配列番号6)
・Aspergillus niger検出用プローブ
nig1-ami:5'-CGCCTGCCGMCGTTWTCCAACCATTYTTT-3'(AF455522、534〜562位) (配列番号7)
・Candida albicans検出用プローブ
alb1-ami:5'-CCAGAGGTCTAAACTTACAACCAATT-3'(AF455428、122〜147位) (配列番号8)
alb2-ami:5'-ACGGTAGTGGTAAGGCGGGATCGCTTTGA-3'(AF455428、401〜429位) (配列番号9)
・Candida glabrata検出用プローブ
gla1-ami:5'-GGAGGGATAWGTGAGTGTTTTGTGCGTGC -3'(AF218966、308〜336位) (配列番号10)
gla2-ami:5'-GACACGAGCGCAAGCTTCTCTATTAATCT -3'(AF218966、211〜239位) (配列番号11)
・Candida krusei検出用プローブ
kru1-ami:5'-GAGCGAAGCTGGCCGAGCGAACTAGACT -3'(AF455401、376〜403位) (配列番号12)
・Candida parapsilosis検出用プローブ
para1-ami:5'-GAAAGGCGGAGTATAAACTAATGGATAGG -3'(AF455433、418〜446位) (配列番号13)
para2-ami:5'-CCACTCATTGGTACAAACTCCAAAMMT -3'(AF455433、453〜479位) (配列番号14)
・Candida tropicalis検出用プローブ
tro1-ami:5'-GTGGAAACTTATTTTAARCGACTTAGG -3'(AY939810、389〜415位) (配列番号15)
tro2-ami:5'-GCTAGTGGCCACCACAATTTATTTCATA -3'(AY939810、438〜465位) (配列番号16)
・Cryptococcus neoformans検出用プローブ
neo1-ami:5'-CTCRGGTTTTATTACCTGTTGGACTTGGAT -3'(AY973273、340〜369) (配列番号17)
・Trichosporon asahii検出用プローブ
asa1-ami:5'-GAGTGAATCAAGAWCGAAGTATAAGG -3'(AB081512、187〜212位) (配列番号18)
asa2-ami:5'-CAAGTACAAGTAGTGAGAGGAGTWGAGTG -3'(AB081512、163〜191位) (配列番号19)
・Trichosporon mucoides検出用プローブ
muc1-ami:5'-CTAGGCTGGACTTTGGTTGAAATATT -3'(AB066433、127〜152位) (配列番号20)
muc2-ami:5'-CCAAGTTGACCAGGTGTGGC -3'(AB066433、107〜126位) (配列番号21)
muc3-ami:5'-AAAGGTTGAATTTAATAGTCCAATC -3'(AB066433、185〜209位) (配列番号22)
全てのプローブは、C6リンカーを介して5' 末端にアミノ基を標識した。今回使用したマイクロタイタープレートDNA-BIND 1×8 Stripwell plates (コーニング社) へのアミノ基標識プローブの固相はプレート付属のプロトコルに従った。
各々のPCR産物は、等量の1.6%水酸化ナトリウムと混合し、変性させた。プローブを固相化したマイクロタイタープレートにハイブリダイゼーションバッファー (5×SSC、0.02%SDS、20mM HCl) を100μL/ウェル添加した後、アルカリ変性PCR産物を6μLサンプリングした。37℃、90分インキュベートした後、洗浄バッファーI (0.2×SSC、0.1%SDS) でウェルを2回洗浄した。ストレプトアビジン-PODコンジュゲート溶液を100μL/ウェル添加し、37℃、15 minインキュベートした。洗浄バッファーII (PBS中、0.1% Tween 20) でウェルを洗浄後、TMB (3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン) 溶液を100μL/ウェル添加し、暗所にて10 min静置した。希硫酸を100μL/ウェル加えた後、マイクロプレートリーダーでOD 450nmを測定した。
<3>結果
(1)マルチプレックスPCRの検出感度
Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cr
yptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoidesのDNAはPCRで全て増幅された。それらのPCR産物を挿入して、各々組換えプラスミドを作製し、更にプラスミド希釈系列を調製した。このプラスミド希釈系列を用いてマルチプレックスPCRの感度を求めたところ、各々以下の表のようになった。
いずれの菌種のDNAも上記マルチプレックスPCRにより高い効率で増幅されることがわかった。
Figure 2008054563
(2)マイクロタイタープレートハイブリダイゼーションでの検出感度
先述のプラスミド希釈系列を鋳型としたPCR増幅産物を用いて、マイクロタイタープレートハイブリダイゼーションを行い、検出感度を求めた。その結果、PCRと同様、102コピー/チューブ以上の鋳型濃度のサンプルは陰性コントロール(ブランク)に比べ、以下の表のように有意に高いOD値を示した。
通常遺伝子診断における検出では、102コピーオーダーが検出されれば実用性として十分であることが知られている。本法は十分な検出感度を有していることがわかった。
Figure 2008054563
(3)プローブの特異性
各プローブに、PCR検出対象となる真菌プラスミド104コピー/チューブの増幅産物をハイブリダイゼーションさせ、交差反応を確認した。その結果、各々のプローブに交差反応は認められず、特異性は高かった。表中、網掛けは特異的反応を示す。
Figure 2008054563
以上の結果から明らかなように、真菌DNAの増幅をマルチプレックスPCRで行い、得られたPCR増幅産物の確認をマイクロタイタープレートハイブリダイゼーションで行なうことにより、深在性真菌症の主な起因菌である、Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoidesを、1テストで特異的に検出することが可能である。
なお、本法により、上記の通り、ハイブリダイゼーション工程のハイブリダイゼーション温度が37℃でも多数の菌を1テストで検出、同定できる系が確立された。このことは、大規模検査センター等において汎用性の高い測定機器で他の測定系と共通の条件で測定が可能という優れた利点を有していることを示している。
1.インターナルコントロールの使用
PCRによる増幅の有無を確認するためにPCRチューブにインターナルコントロールを加えた。インターナルコントロールとしては、本法で使用しているプライマーで増幅されるが、いずれのプローブともハイブリダイズしないものを用い、PCRによる真菌DNAの増幅が問題なく行われていることを確認する。
Bartonella henserae (ATCC49882)の300bp(GenBank accession no. DQ645426、938〜1237位)の末端にITS1およびITS4を付加した338bpをプラスミドに挿入してインターナルコントロールとした。付加した配列を以下に示す。
ITS1:TCCGTAGGTGAACCTGCG(GenBank accession No. AF455428、19〜36位)(配列番号1)
ITS4:TCCTCCGCTTATTGATATGC(GenBank accession No. AF455428、535〜554位) (配列番号2)
インターナルコントロールの有用性を調べるために、真菌プラスミドDNAの希釈系列とインターナルコントロール50コピー/チューブを添加してマルチプレックスPCR-マイクロタイタープレートハイブリダイゼーションを実施した。結果、以下の表の様にインターナルコントロールが検出されているPCRチューブはPCR増幅に問題は無く、Cryptococcus neoformans 103コピー/チューブのようにインターナルコントロールが検出されない産物に関しては増幅不良であると判定が可能になった。表6中、網掛けは、PCR増幅が良好であることを示す。
Figure 2008054563
2.Candida glabrata用のプライマーの追加
真菌プラスミドの希釈系列に50コピー/チューブのインターナルコントロールを加えたところ、以下の表の様にCandida glabrataの感度が102から103コピー/チューブへと低下した。そこでCandida glabrataの検出感度を上げるために新たにCandida glabrata増幅用の上流プライマーを追加した。
Candida glabrata増幅用プライマー
・上流プライマー
glaF:GTTTGGTAGTGAGTGATACTC(GenBank accession no. AF218966、147〜167位) (配列番号23)
真菌プラスミドDNAの希釈系列に50コピー/チューブのインターナルコントロールおよびCandida glabrata増幅用プライマーを加えてマルチプレックスPCRを実施した。その結果、以下の表の様にCandida glabrataの検出感度の向上が見られた。
このように、インターナルコントロールの追加等の種々の条件変更に際して、検出感度にばらつきが見られた場合でも、適切なプライマーの追加等によって適宜検出系の調整が可能である。
Figure 2008054563
3.本法の検出感度
インターナルコントロール検出用プローブの配列を以下に示す。
・インターナルコントロール検出用プローブ
IC1-ami:5'-CCCTCGCCCTTAGTTGCCAGCATTTGGTT-3'(GenBank accession no. DQ645426、1052〜1080位) (配列番号24)
IC2-ami:5'-GCAACCCTCGCCCTTAGTTGCCAGCATTTG-3' (GenBank accession no. DQ645426、1048〜1077位) (配列番号25)
検出感度を求めるために、真菌プラスミド希釈系列を鋳型としてマルチプレックスPCR-マイクロタイタープレートハイブリダイゼーションを行った。ただし、インターナルコントロールのプローブはIC1-amiである。結果、各菌種とも検出感度は102コピー/チューブであった(表8)。表7のインターナルコントロールを加える前と比較しても検出感度に問題は無い事がわかった。表8及び表9中網掛けは陽性反応を示す。
Figure 2008054563
Figure 2008054563
4.複数菌検出
複数菌検出反応を確認するために2種の真菌プラスミド(各102コピー/チューブ)を混合し、マルチプレックスPCR-マイクロタイタープレートハイブリダイゼーションを実施した。ただし、インターナルコントロールのプローブはIC2-amiである。
結果、以下の表のように添加した真菌プラスミドは同時に検出された。このことから本法は複数菌の検出が可能であることがわかった。表10中、網掛けは特異的反応を示す。
Figure 2008054563
臨床の現場では、真菌症患者において複数菌による感染が観察されることも多く、同定に時間がかかる等の問題点を抱えているが、本法がこのような問題点を解決する非常に有用な方法であることが示された。
5.プローブの比較
以下に検討プローブを記す。各プローブはGenBankよりダウンロードしたデータを参考に設計した。
・Aspergillus fumigatus検出用プローブ
fumi1-ami:5'-GCCGACACCCAACTTTATTTTTCTAAGG -3'(AY373851、512〜539位) (配列番号5)
fumi2-ami:5'-CCAACTTTATTTTTCTAAGGTTGACCTCGG-3' (AY373851、520〜549位) (配列番号26)
fumi3-ami:5'-CCTCTCCCGGGGGACGGGCCCGAAAGGCA-3'(AY373851、412〜440位) (配列番号27)
Figure 2008054563
上記3つのプローブはいずれもAspergi1lus fumigatusの遺伝子配列と相同性が100%である。いずれのプローブも、Aspergillus flavus、Aspergillus nigerと配列が異なるため、Aspergillus fumigatusを特異的に検出可能であると推測される。また、fumi2-amiについてはAspergillus flavus、Aspergillus nigerとの最適アニーリング温度が34℃、24℃となることから、理論上は交差反応を起こさないはずである。
しかしながら、本法で実施したところ、以下の表のようにAspergillus fumigatusを特異的に検出するプローブはfumi1-amiのみであった。fumi2-amiはAspergillus flavus、Aspergillus nigerと交差反応を起こした。一方、fumi3-amiはGC含有量が76%で、最適GC含量40〜60%から大幅に外れてしまい、低OD値となった。表12中、網掛けは特異反応を示す。
Figure 2008054563
このように、真菌検出用のプローブ設定では理論上の結果と一致しない例が多く見られ、菌種、プローブごとに実際に作製して反応を確認しながら決定することが必要であった。理論値からの設定は困難であり、細かな条件検討と試行錯誤を繰り返すことが必要であった。

Claims (18)

  1. 少なくとも以下の工程を含むことを特徴とする、試料中の真菌の検出方法。
    (1)試料から真菌DNAを取得する工程、
    (2)2種類以上のプライマーセットを同時に用いて、一反応系でPCR反応を行い、上記工程(1)で取得された真菌DNAをテンプレートとして増幅を行う工程、
    (3)2種類以上の菌種特異的プローブが固相化された固相化体に上記工程(2)で得られたPCR産物を供し、ハイブリダイゼーションを行う工程、
    (4)上記工程(3)で固相化体にハイブリダイズされた真菌DNAを検出する工程。
  2. プライマーセットが、少なくとも真菌のITS領域増幅プライマーセットと、IGS領域増幅プライマーセットを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. ITS領域増幅プライマーセットが、配列番号28に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーと、配列番号29に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーとを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. ITS領域増幅プライマーセットが、配列番号1及び2に記載の塩基配列からなるプライマーからなることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
  5. IGS領域増幅プライマーセットが、配列番号3に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーと、配列番号4に記載の塩基配列のうち少なくとも連続する15塩基を含むプライマーとを含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. IGS領域増幅プライマーセットが、配列番号3及び4に記載の塩基配列からなるプライマーからなることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 菌種特異的プローブが、少なくとも、Trichosporon属、Aspergillus属、Candida属に属する真菌菌種に対する特異的プローブを含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. さらにCryptococcus属に属する真菌菌種に対する特異的プローブを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 菌種特異的プローブが、少なくとも以下の菌種に対する特異的プローブを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
    Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides
  10. 菌種特異的プローブが、配列表の配列番号5〜22に記載の塩基配列よりなるオリゴヌクレオチドから選ばれることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の方法。
  11. ハイブリダイゼーション工程のハイブリダイゼーションの温度が35〜40℃であり、洗浄の温度が室温である請求項10記載の方法。
  12. プライマーが標識されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 固相化体がマイクロタイタープレート又はチップであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 菌種特異的プローブが、特定された位置に固相化されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の方法により真菌の存在が確認された場合に、深在性真菌症の疑いがあると判定することを特徴とする深在性真菌症の検出方法。
  16. 少なくとも以下の真菌に対する菌種特異的プローブが固相化された固相化担体。
    Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus niger、Candida albicans、
    Candida glabrata、Candida krusei、Candida parapsilosis、Candida tropicalis、Cryptococcus neoformans、Trichosporon asahii、Trichosporon mucoides
  17. 少なくとも、真菌のITS領域増幅プライマーセット及びIGS領域増幅プライマーセットと、菌種特異的プローブが固相化された固相化体とを含むことを特徴とする試薬キット。
  18. 深在性真菌症検出用である請求項17に記載の試薬キット。
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