JP2008052458A - ノイズ解析方法、ノイズ解析装置及びノイズ解析制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1ノイズ源21から第1干渉部22までの第1のノイズの結合度を示す第1結合係数C1が解析され(ステップA4)、第1干渉部22を第2ノイズ源として、同第2ノイズ源22から第2干渉部23までの第2のノイズの結合度を示す第2結合係数C2が解析され(ステップA6)、第2ノイズ源22に干渉する第1のノイズの量に対する第2のノイズの量の比を表す変換係数ηが算出され(ステップA7)、第1のノイズの量P、第1結合係数C1、第2結合係数C2及び変換係数ηに基づいて、第2干渉部23に入力する第2のノイズの量が解析されるので(ステップA9)、ノイズ干渉の少ない電子機器の効率的な開発設計が容易に行われる。
【選択図】図3
Description
特許文献1に記載されたフィルタの設計方法では、所望のフィルタ特性を実現するための各共振器間の結合係数の算出が行われ、電磁界解析シミュレーションにより求めた結合係数の関数fs(x)を初期関数fl(x)として、各共振器間の距離が個々に算出される。次に、各共振器間の距離を用いてフィルタの試作が行われ、フィルタのの特性が所望の特性に一致しない場合、実験的に求めた値に基づく関数fex(x)が求められ、結合係数調整用の関数である単位関数fe(x)が算出される。そして、この単位関数fe(x)を用いて結合関数の調整が行われ、所望のフィルタ特性との差が一定値以内になるまでフィルタの試作が行われる。
すなわち、上記各特許文献に記載された技術は、いずれもミキシングノイズを解析するものではないため、これらの技術を用いてミキシングノイズを見積もることはできない。このため、電子機器の開発設計における対策工数の削減や、ノイズ干渉の少ない電子機器の効率的な開発設計が困難になるという問題点がある。
この例のノイズ解析装置は、ノイズ解析制御プログラムが組み込まれたパソコンやワークステーションなどで構成され、同図1に示すように、入力部1と、情報処理部2と、記憶部3と、出力部4とを有し、たとえば図2に示すような電子機器20に対するノイズを解析する。
N=P×C1×η×C2([dB]表示では、P+C1+η+C2)
として算出される。
これらの図を参照して、この例のノイズ解析方法の処理内容について説明する。
電磁干渉の要因となる電磁ノイズの発生は、クロック信号、バス信号、RF信号などに起因することが多く、スペクトラムアナライザによってミキシングノイズのスペクトラムを観測することで、要因となる周波数成分、及びその周波数成分を用いている回路を特定することは比較的容易である。
変換係数ηは、未知の場合には、次のように算出される。
LSI22は、CMOS回路などで構成されている場合、出力信号が高レベル時と低レベル時とで、回路の状態が異なる。すなわち、出力信号が高レベルのとき、pMOSトランジスタがオン状態かつnMOSトランジスタがオフ状態、また、出力信号が低レベルのとき、nMOSトランジスタがオン状態かつpMOSトランジスタがオフ状態となるため、それぞれの状態での入力ノイズに対する入力インピーダンスが異なる。このため、出力信号の高レベル時と低レベル時とで、動作信号に重畳されるノイズの振幅がそれぞれ異なる。
η=A2−A1=96.8−128.0=−31.2(dBμV)
と算出される(ステップA7、変換係数算出処理)。解析したい周波数f2が図5(a),(b)中のスペクトラムのピークに対応した周波数に一致していれば、異なる周波数f2についても、同様に変換係数ηが算出される。これにより、変換係数ηの最大値が解析的に求められる。
ηmax=A2−A1=101.2−128.0=−26.8(dBμV)
と算出される。そして、第1のノイズの量P、第1結合係数C1、第2結合係数C2及び変換係数ηに基づいて、ノイズ伝播経路のブロック図が作成され(ステップA8)、第2アンテナ23に達する第2のノイズの量Nの最大量Nmaxは、第1アンテナ21の第1のノイズの量をPとすると、
Nmax=P×C1×C2×ηmax
として見積もられる(ステップA9、ノイズ量解析処理)。第1のノイズの量Pは一般に既知であり、また、第1結合係数C1、変換係数η、第2結合係数C2も、それぞれ数値化されているため、第2のノイズの量Nの最大量Nmax、つまり、最大のミキシング干渉が定量的に見積もられる。
N=P×C1×η×C2
[dB]表示では、
N=P+C1+η+C2=10.0−30.0−26.8−25.0
=−71.8[dBm]
この例のノイズ解析方法では、第1の実施例の図4(c)に示した時間波形がFFT解析されて図8に示す関係特性(関連情報)が得られ、図1中の記憶部3にあらかじめ記憶される。そして、図7に示すように、図3中のステップA7に代えて、ステップA7aの処理が行われる。すなわち、ステップA7aでは、記憶部3に記憶されている図8の関係特性が参照される(関連情報参照処理)。この後、ステップA8へ進み、第1の実施例と同様の処理が行われ、同様の利点がある。
この例のノイズ解析方法では、同図9に示すように、図3中のステップA7に代えて、ステップA7bの処理が行われる。すなわち、ステップA7bでは、あらかじめ行われる解析や測定などによって変換係数ηが得られている場合、この変換係数ηを図1中の入力部1へ入力する。この後、ステップA8へ進み、第1の実施例と同様の処理が行われ、同様の利点がある。
この例のノイズ解析方法では、同図10に示すように、第1のノイズが正弦波ではなく、所定の周波数帯域内でスペクトラム拡散されているとき、図3中のステップA4において、同第1のノイズの代表周波数、たとえば中心周波数を第1のノイズ成分f1として第1結合係数C1を解析する。また、LSI22の動作信号が所定の周波数帯域内でスペクトラム拡散されているとき、第2のノイズもスペクトラム拡散されているため、図3中のステップA6において、同第2のノイズの代表周波数、たとえば中心周波数を第2のノイズ成分f2として第2の結合係数C2を解析する。この後、ステップA8へ進み、第1の実施例と同様の処理が行われ、同様の利点がある。
この例のノイズ解析方法では、図3中のステップA5において、第2干渉部(第2アンテナ)23における信号帯域など、ノイズの混入が好ましくない周波数帯域に混入する第2のノイズの割合が求められる。すなわち、同図11に示すように、信号帯域mに対して第2のノイズの周波数帯域nが重複している帯域(重複帯域q)の全パワーが第2干渉部23に影響を与えていると評価される。この後、ステップA6へ進み、第1の実施例と同様の処理が行われ、同様の利点がある。
この電子機器20Aでは、同図12に示すように、図2中の第1干渉部22及び第2干渉部23と同様の複数の第1干渉部221,222,…,22n(n;整数)及び複数の第2干渉部231,232,…,23nが設けられている。
たとえば、第1干渉部と第2干渉部とが同一の場合には、第2の結合係数を求める必要がなく、Nmax=P×C1×ηmaxと見積もられる。また、ノイズ伝播経路は、図2又は図12の構成に限定されない。たとえば、図2及び図12中の第1ノイズ源21は、LSIでも良い。また、図2中の第2干渉部23、及び図12中の第2干渉部231,232,…,23nはLSIでも良い。
2 情報処理部
3 記憶部(関連情報参照手段)
4 出力部(第1の表示手段、第2の表示手段)
11 結合係数解析部(第1結合係数解析手段、第2結合係数解析手段)
12 変換係数解析部(変換係数算出手段、関連情報参照手段)
13 ブロック図解析部(ノイズ量解析手段、比較手段)
21 第1ノイズ源(第1のノイズ源)
22 第1干渉部(第2のノイズ源)
23 第2干渉部
221,222,…,22n 第1干渉部
231,232,…,23n 第2干渉部
Claims (14)
- 第1の電磁ノイズを出力する第1のノイズ源と、該第1のノイズ源から出力された前記第1の電磁ノイズが第1の信号と干渉する第1干渉部と、該第1干渉部から出力された第2の電磁ノイズが第2の信号と干渉する第2干渉部とを有する電子機器に対するノイズ解析方法であって、
前記第1のノイズ源から前記第1干渉部までの前記第1の電磁ノイズの結合度を示す第1結合係数を解析する第1結合係数解析処理と、
前記第1干渉部を第2のノイズ源として、該第2のノイズ源から前記第2干渉部までの前記第2の電磁ノイズの結合度を示す第2結合係数を解析する第2結合係数解析処理と、
前記第2のノイズ源に干渉する前記第1の電磁ノイズの量に対する前記第2の電磁ノイズの量の比を表す変換係数を算出する変換係数算出処理と、
前記第1の電磁ノイズの量、第1結合係数、第2結合係数及び変換係数に基づいて、前記第2干渉部に伝播する前記第2の電磁ノイズの量を解析するノイズ量解析処理とを行うことを特徴とするノイズ解析方法。 - 前記変換係数算出処理は、
前記第1の電磁ノイズの情報と前記第2の電磁ノイズの情報と前記変換係数との関連情報を参照する関連情報参照処理を含むことを特徴とする請求項1記載のノイズ解析方法。 - 前記第1のノイズ源は、
アンテナ又は非線形回路を含む半導体回路で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のノイズ解析方法。 - 前記第1干渉部は、
非線形回路を含む半導体回路で構成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のノイズ解析方法。 - 前記第2干渉部は、
アンテナ又は半導体回路で構成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のノイズ解析方法。 - 前記第1干渉部が前記非線形回路を含む半導体回路で構成され、
前記第2の電磁ノイズは、
当該半導体回路の動作信号成分と前記第1の電磁ノイズとの合成成分であり、
前記関連情報は、
前記第1の電磁ノイズの量及び周波数と前記動作信号成分の周波数と前記第2の電磁ノイズの量及び周波数との関連を示す情報で構成されていることを特徴とする請求項4又は5のノイズ解析方法。 - 前記変換係数は、
前記第1干渉部を構成する半導体回路の動作信号成分と前記第1の電磁ノイズとの合成成分の時間波形を高速フーリエ解析することで得られる該合成成分の周波数及び振幅を表す情報であることを特徴とする請求項4、5又は6記載のノイズ解析方法。 - 前記関連情報は、
前記第1干渉部を構成する半導体回路の動作信号成分と前記第1の電磁ノイズとの合成成分の時間波形を高速フーリエ解析することで得られる該合成成分の周波数及び振幅を表す情報であることを特徴とする請求項4、5又は6記載のノイズ解析方法。 - 前記第1の電磁ノイズが所定の周波数帯域内でスペクトラム拡散されているとき、該第1の電磁ノイズの周波数を該周波数帯域の中心周波数とすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一に記載のノイズ解析方法。
- 前記第2の電磁ノイズが所定の周波数帯域内でスペクトラム拡散されているとき、該第2の電磁ノイズの周波数を該周波数帯域の中心周波数とすることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一に記載のノイズ解析方法。
- あらかじめ設定された許容ノイズ量と前記第2干渉部に伝播される前記第2の電磁ノイズの量とを比較し、この比較結果を所定の表示手段に表示することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一に記載のノイズ解析方法。
- 第1の電磁ノイズを出力する第1のノイズ源と、非線形回路を含む半導体回路で構成され、該第1のノイズ源から出力された前記第1の電磁ノイズが第1の信号と干渉する第1干渉部と、該第1干渉部から出力された第2の電磁ノイズが第2の信号と干渉する第2干渉部とを有する電子機器に対するノイズ解析装置であって、
前記第1のノイズ源から出力される前記第1の電磁ノイズの量及び周波数と振幅、及び前記第1干渉部の動作信号の周波数を入力するための第1の入力手段と、
前記第1のノイズ源から前記第1干渉部までの前記第1の電磁ノイズの結合度を示す第1結合係数を解析する第1結合係数解析手段と、
前記第1干渉部を第2のノイズ源として、該第2のノイズ源から前記第2干渉部までの前記第2の電磁ノイズの結合度を示す第2結合係数を解析する第2結合係数解析手段と、
前記第2のノイズ源に干渉する前記第1の電磁ノイズの量に対する前記第2の電磁ノイズの量の比を表す変換係数を算出する変換係数算出手段と、
前記第1の電磁ノイズの量、第1結合係数、第2結合係数及び前記変換係数に基づいて前記第2干渉部に伝播する前記第2の電磁ノイズの量を解析するノイズ量解析手段と、
該ノイズ量解析手段で解析された前記第2の電磁ノイズの量及び周波数を表示する第1の表示手段と、
前記第2干渉部の許容ノイズ量を入力するための第2の入力手段と、
前記第2干渉部に入力される前記第2の電磁ノイズの量と前記許容ノイズ量とを比較する比較手段と、
該比較手段から出力される比較結果に関連した情報を表示する第2の表示手段とを備えてなることを特徴とするノイズ解析装置。 - 前記変換係数算出手段は、
前記第1の電磁ノイズの情報と前記第2の電磁ノイズの情報と前記変換係数との関連情報を参照する関連情報参照手段を含むことを特徴とする請求項12記載のノイズ解析装置。 - コンピュータに請求項12又は13のいずれか一に記載のノイズ解析装置を制御させるためのノイズ解析制御プログラム。
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