JP2008052329A - 有限要素解析モデル作成方法、作成装置およびプログラム - Google Patents

有限要素解析モデル作成方法、作成装置およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】
接着剤を有する数値解析モデルの生成にあたり、人手による入力作業を大幅に低減し、 かつ正確な接着継手のモデル化が可能になる。
【解決手段】
接着剤を有して接着した2種類の被着材間をビーム要素で繋いだモデルについて、接合された各ビーム要素を、ビーム要素の節点を共有する両端被着材のシェル要素の肉厚情報を元に計算される剛なビーム要素A,Bと、接着剤ビーム要素Cに分割する。
【選択図】図4B

Description

本発明は、接着剤を用いた接着継手構造における有限要素解析モデルの作成方法、作成装置およびプログラムに関する。
接着剤による接着継手構造は、リベットやスポット溶接などの接合手法などとともに使用され、継手構造の強度計算に数値解析シミュレーションが用いられている。
このような数値解析シミュレーションにおける接着継手構造のモデル化方法としては、できるだけ簡便に接合構造をモデル化するため、図9Aに示すように被着材をシェル要素Aで、接着剤をソリッド要素SLでモデル化する手法や、図9Bに示すように被着材を同様にシェル要素Aで、接着剤をビーム要素Bで簡略化してモデル化することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の技術には次のような問題点があった。すなわち、被着材をソリッド要素ではなくシェル要素でモデル化する場合、接着剤を表すビーム要素やソリッド要素の長さは、シェル要素Aの肉厚の影響を受け、接着剤の本来よりも長くモデル化される。従来のリベット接合の場合、被着材が厚くなると、リベット長さも長くなるため、モデル化による誤差は生じない。しかし接着剤を用いた接合の場合、被着材の厚さが変化しても、接着剤の厚さは変わらないため、モデル化誤差は大きくなり、接着剤に発生する応力、特にせん断応力の計算誤差が大きくなる。
特に複合材料の接合構造においては、リベット接合や溶着などの方法を用いることが難しいことから、接着剤による接着が多く用いられており、接着継手のモデル化方法によるこれらの計算誤差の発生が大きな問題であった。
特開平11-272735号公報(7頁)
本発明の目的は、接着剤に発生する応力を正確に予測可能な、接着継手の強度予測精度を向上する有限要素解析モデルを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明によれば、2枚の被着材を接着剤で接着した接着継手構造を、前記各被着材をシェル要素としてモデル化する有限要素解析モデルの作成方法であって、前記接着剤に対応する要素として前記被着材に対応する要素と節点を共有する要素を入力する入力工程と、前記接着剤に対応する要素に沿って前記被着材に対応する要素と共有する前記節点から表面相当長さHの位置に新規節点を生成する節点生成工程と、前記新規節点により前記接着剤の有限要素を2つ以上の新しい分割有限要素に分割する分割有限要素生成工程とを有することを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記有限要素生成工程において生成された前記分割有限要素のうち、前記被着材に対応する要素と前記節点を共有する前記分割有限要素に剛体特性を与えることを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記有限要素生成工程において、前記被着材と前記節点を共有する分割有限要素のヤング率の値として前記接着剤のヤング率の10倍以上の値を用いることを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記接着剤に対応する有限要素をビーム要素としてモデル化することを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記接着剤に対応する有限要素をソリッド要素としてモデル化することを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、被着材が複合材料の積層板で構成されていることを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、2枚の被着材を接着剤で接着した接着継手構造を、前記被着材をシェル要素としてモデル化する有限要素解析モデルの作成装置であって、前記接着剤に対応する要素として前記被着材に対応する要素と節点を共有する要素を入力する入力装置と、前記接着剤に対応する要素に沿って前記被着材に対応する要素と共有する前記節点から表面相当長さHの位置に新規節点を生成する節点生成装置と、前記新規節点により前記接着剤の有限要素を2つ以上の新しい分割有限要素に分割する分割有限要素生成装置とを有することを特徴とする有限要素解析モデルの作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、分割有限要素生成装置は有限要素がビーム要素を生成するものであることを特徴とする、有限要素モデルの作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、分割有限要素生成装置は有限要素がソリッド要素を生成するものであることを特徴とする、有限要素モデルの作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記被着材が複合材料の積層板で構成されていることを特徴とする、有限要素解析モデルの作成装置が提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記モデル作成方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
また、本発明の好ましい形態によれば、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
以下に用語を定義する。
本発明において、「被着材」とは、接着剤により接合される母材を示しており、接着面において形状が平らである必要は無く、曲面を形成していても良い。また接着部で対向する2枚の被着材は、平行である必要は無く、肉厚も一様厚さである必要は無い。
本発明において、「接着剤」とは、接合部をともに形成する被着材とは別の材料で構成される物質であり、リベット接合や溶接接合とは異なり、被着材との接合の時には、被着材よりもはるかに低いヤング率をもった非定形の物体として被着材表面に沿って密着し、ついで加熱や乾燥でもって硬化することにより被着材同士を接合するための材料などをいう。典型的には硬化前においては液体やジェル状の物体である。接着剤は結合力を向上させる観点から、被着材に前処理を行っても良いし、複数の成分から構成しても良い。また、液体だけではなく、固体や粉体でも良い。
本発明において、「前記被着材に対応する要素と前記節点を共有する前記分割有限要素」とは、接着剤を表現する有限要素のうち、前記被着材と被着材と節点を共有する有限要素を示すものである。
本発明において、「入力する」とは、コンピュータかオペレータに受け付けたり、またはファイルなどのデータを記憶媒体などから読み出し、コンピュータの所定のメモリーにロードすることをいう。
本発明において、「被着材の表面相当長さH」とは、一方の被着材に対応するシェル要素と節点を共有している接着剤に対応する有限要素の他方の被着材に対応するシェル要素に向かう方向、あるいは一方の被着材に対応するシェル要素の法線方向に沿って、上記節点から、上記他方の被着材の表面に対応する位置に達するまでの距離をいう。例えば被着材の表面相当長さHは、被着材を表すシェル要素が被着材の肉厚の半分、すなわち中立面でモデル化している場合で、接着剤に対応する要素が上記被着材の法線方向に延びているときはその被着材の肉厚の半分となる。
本発明において、「有限要素解析モデル」とは、コンピュータを使用して有限要素法の解析に使用される一次元、二次元または三次元的な形状を有する多数の要素の集合体として物体の形状を表現した数値解析用モデルであって、典型的には上記各要素を区分する節点(座標データ)の座標と、要素(形状を細分化したメッシュ)、各要素のプロパティ(要素の名前、グループ、要素タイプ、使用材料番号、肉厚など)と各材料の物性(熱伝導率、比重、比熱、ヤング率、ポアソン比など)の情報などを記述したデータの集合をいう。ここで、上記各要素の属性は要素プロパティ、物性は材料プロパティ、ヤング率は縦弾性係数などと呼ばれることがある。
本発明において、「複合材料」とは、樹脂や金属などのマトリックス材の中に炭素繊維やガラス繊維を混入し固化した材料のことをいう。マトリックス材に好適な樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化樹脂や、ナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂も挙げることができる。また、金属としては、アルミニウムなどが用いられる。
炭素繊維やガラス繊維は、長繊維に限らず短繊維も使用することができ、また織物やチョップド繊維の形態でも使用できる。
本発明の有限要素解析モデルの作成方法によれば、接着継手の接着剤の厚さを正確にモデル化でき、接着剤に発生する応力の予測精度を向上させることができる。
以下、本発明の最良の実施形態の一例を、添付の図面を参照しながら説明する。
図1Aは、本実施形態における接着継手構造の模式図を示す。図1Aにおいて、100は被着材が被着材1と被着材2から構成される接着継手であり、これらが接着剤3により接着されて構成されている。
図1Bは100のX部における断面拡大図を示しており、被着材1の厚みはt1、被着材2の厚みはt3、接着剤3の厚みはt2である。
図2Aは100の接着継手の有限要素モデルを示している。被着材1はシェル要素群4、被着材2はシェル要素群5、接着剤3はビーム要素群6でモデル化している。
図2Bは100のY部における断面拡大図を示している。接着剤を示すビーム要素群6はY部においてビーム要素11とビーム要素12から構成されている。ビーム要素11は節点14と節点13を結び、節点14は被着材1を表すシェル要素群4であるシェル要素7およびシェル要素8と共有している。またビーム要素12は節点13と節点10を結び、節点10は被着材2を表すシェル要素群5であるシェル要素9およびシェル要素14と共有している。
図3は本発明の解析装置の一実施形態を示すブロック図である。
本実施形態例において、(300)はコンピュータやワークステーションなどの計算機、(301)はキーボード、(302)はマウス、(303)はディスプレイ、(304)は補助記憶装置である。(304)の補助記憶装置には、ハードディスク装置の他、テープ、FD(フレキシブルディスク)、MO(光磁気ディスク)、PD(相変化光ディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)などのディスクメモリー、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)メモリー、メモリーカードなどのリムーバブルメディアも利用可能である。
補助記憶装置304には、新たに数値計算モデルを作成するためのプログラム305や元となる数値計算モデルデータ306、接着剤のプロパティ番号307が保存されている。またこれらデータは補助記憶装置304に保存されていても良いし、キーボード301やマウス302によって逐次入力することもできる。
図4A、図4B、図4Cは、本発明の計算過程における接着剤を示すビーム要素の分割過程を示した接着部の断面図である。
図4Aは図2Bと同様に、100の接着継手の有限要素モデルの一例である。
図4Aでは接着剤を示すビーム要素20は節点16と節点17を結ぶ要素であり、節点16で被着材1であるシェル要素18およびシェル要素19と結合している。
図4Bはビーム要素20の分割過程を示した図であり、ビーム要素20は新たに生成された節点23によりビーム要素21と22に分割される。
図4Cはビーム要素22の分割過程を示した図であり、ビーム要素22は新たに生成された節点25によりビーム要素24と26に分割される。
本発明において問題を解消するための実施形態について、解析装置101を使用し、接着剤の要素としてビーム要素を使用した場合を例に挙げ図5に示す動作フローチャートに従い説明する。以下、実質的にこのフローチャートと違いのないステップについては、同図と同一の符号を付して説明を省略することがある。
パーソナルコンピュータやワークステーションなどの計算機300は、数値モデル入力手段308によりプログラム305および数値解析モデル306の入力を行う(ST510)。
有限要素モデルデータの作成方法は問わないが、例えば汎用の計算用モデル作成ソフト(例えば、MSC社製“PATRAN(登録商標)”やUGS社製“FEMAP(登録商標)”など)を用いることができる。またデータの入力は、ディスプレイ403を参照しながらキーボート401やマウス402の入力装置を使用して、新たに作成しても良いし、既存の数値解析モデルデータ406を補助記憶装置404から入力し、そのデータをそのまま、もしくは加工して使用しても良い。また汎用の計算用モデル作成ソフトのユーザーサブルーチン機能やマクロ機能を使用し汎用の計算用モデル作成ソフト上にて半自動的に作成しても良い。
次に接着剤の要素番号入力手段309により、接着剤の要素番号307を補助記憶装置304から入力する(ST511)。307は、数値解析モデルデータと同様に、キーボード301、マウス302などの入力装置による入力方法でも良い。接着剤の要素番号の指定方法は、要素番号を直接入力しても良いし、あらかじめ接着剤3の要素のみグループ化しておき、そのグループ番号を指定しても良いし、接着剤を示す要素プロパティ番号を指定しても良い。要素番号を直接入力した場合以外は、入力された情報を元に有限要素モデルデータを検索し、要素番号を取得する。
次に接着剤の要素を構成する節点の取得手段310を使用し、ビーム要素20を構成する両端の節点16、節点17を有限要素モデルデータから取得する(ST512)。
そして節点を共有するシェル要素を探索し平均肉厚を計算する手段311を使用し、節点16を共有するすべてのシェル要素を有限要素データ内で検索し、平均の肉厚を計算する(ST513)。図4Aでは、ビーム要素20を構成する片側の節点16を共有するシェル要素を検索した結果、シェル要素18と19を見出すことができ、それらのシェル要素の肉厚情報から、節点16に接続しているシェル要素の平均肉厚を計算する。節点16における被着材の肉厚t1は、節点16に接続している全シェル要素の面積に応じた平均肉厚とするのが一般的である。図4Aを例に具体的に示すと、シェル要素18および19の面積、厚みをそれぞれS18、t18、S19、t19とあらわすと、t1は式(1)で表わされる。非着材の肉厚t1を計算する方法は、この方法以外にも特定の要素プロパティに属するシェル要素のみを対象としたり、構成する材料の比重を考慮したりする方法もある。
Figure 2008052329
またこの結果、接続するシェル要素が存在しなかった場合、その節点は外部被着材と接触していないものとして次の節点処理に移行する(ST514)。
接続するシェル要素が存在する場合は、次に表面相当長さHの計算手段312により、ST513で計算された平均肉厚からシェル要素の表面相当長さHを計算し、節点16と節点17の線分上の節点16から表面相当長さHの位置に、節点23を生成する(ST515)。
表面相当長さHはシェル要素の肉厚から計算される値であるが、計算方法は有限要素モデルにおけるシェル要素の肉厚の設定方法に依存する。すなわち、通常シェル要素は中立面でモデル化するため、表面相当長さHは計算したシェル要素の肉厚の半分となるが、シェル要素がシェル要素の中立面から面外方向にシフトしてモデル化されている場合は、これらを考慮して長さHが決められる。面外方向へのシフト量は、数値解析モデル306内の主に要素プロパティ情報に記載があり、このデータから自動的に計算される。記載がない場合は、中立面上でモデル化されているものとして扱ってもよいし、ユーザーが別途指定してもよい。
ここでST516において、要素を構成するすべての節点について、接続するシェル要素の探索を実施したか確認する。まだ調査を終了していない節点がある場合、ST513に戻ってこの要素に関する処理を行う。図4Bの要素22の場合、節点17についても同様の処理を実施する。節点17は他方の被着材と共有の節点であり、節点17における平均肉厚が別途算出され、節点25が生成される(図4C)。
そして、新規要素生成手段313によって、節点17と生成した節点25の間に新規要素24を生成する(ST517)。
新規要素21、24に与えるヤング率は、接着剤のヤング率に比べ、十分に剛な特性を有することが望ましく、計算効率の点から剛体要素が望ましい。しかし、固有値解析など、剛体要素では不都合が発生する場合は、剛体要素の代わりに接着剤に比べて十分に高いヤング率としたり、2点を結ぶ要素の代わりに両節点の自由度を関連付けた多点拘束条件式を設定することでも同様の効果を示す。接着剤に比べて十分に高いヤング率とする場合、ビーム要素に与えるべきヤング率は、接着剤とは異なる材料であることを示すため、接着剤のヤング率に比べて10倍以上高いことが望ましい。さらに、有限要素の計算を安定させる観点から、ビーム要素に与えるべきヤング率は、ビーム要素に接続する被着材の平均ヤング率の2倍より小さいことが望ましい。さらに望ましくは、ビーム要素が接続する被着材の平均ヤング率程度が望ましい。また多点拘束条件式を与える場合、2つの節点の持つ自由度を同一視するために、1つの節点のもつ6個すべての自由度を関連付けることが最も望ましい。
次に要素構成節点の変更手段314によって、節点16と節点17を結ぶビーム要素20を新たに生成した節点23と節点25の間に変更し、ビーム要素26とする(ST518)。
そしてST519では接着要素として選択した要素すべてについて処理を実施したかの確認を行い、処理を行っていない要素があれば、ST512に戻り処理を継続する。
これらの処理により、接着剤3に相当する有限要素モデルは、図4Aに示すビーム要素20から図4Cに示すビーム要素26と剛体要素21、24の3つに置換される。このプロセスにより、ビーム要素26の要素長さは接着剤3の実際の厚みに近づき、接着剤のせん断変形が考慮できるようになる。
作成された有限要素モデルは、数値解析モデル出力手段315により、補助記憶装置304内に保存される(ST520)。既存の数値解析モデル306と入れ替えて保管しても良い。
接着剤3は、被着材と同様に非常に薄い場合が多く、ビーム要素でモデル化することが計算効率の点から望ましいが、ソリッド要素でモデル化しても良い。図8Aは、100のZ部における断面拡大図を示しており、接着剤3の解析モデル化方法として、ビーム要素ではなくソリッド要素とした場合を示している。
被着材1はシェル要素42、43で表現されており、接着剤3はソリッド要素33である。シェル要素42は節点34〜37から構成され、ソリッド要素33は節点34〜41から構成され、シェル要素42とソリッド要素33は節点34〜37を共有している。この場合も図5に示したビーム要素によるモデル化手法と同様の手順を踏むことでモデル化が可能である。
すなわち、ST511にて接着剤の有限要素としてソリッド要素33が指定された場合、ST512にてソリッド要素33を構成する節点34〜41が検索される。
そして、ST513で各節点を共有する被着材であるシェル要素の平均肉厚が計算され、共有するシェル要素がある場合、すなわち、被着材と節点を共有する場合、シェル要素の表面相当長さHが計算され、ST515で該当する位置に新規節点が生成される。例えば図8Aのモデル図において、接着剤を表す要素33を構成する節点36における被着材1の肉厚を計算する手順においては、節点36を共有する要素として、まずシェル要素42とシェル要素43が検索される(ST513)。そしてこれら2要素の平均肉厚が計算されたのち、その半分を表面相当長さHとして節点36と節点40を結ぶ線分上において、節点36から表面相当長さHとなる位置で節点44を生成する(ST515)。
この手順を要素を構成する節点において繰り返すことで(ST515)、ソリッド要素33を構成するすべての節点について節点を生成し、生成節点を使用して剛体ソリッド要素45、47を作成し(ST517)、またソリッド要素33をソリッド要素46に修正する(ST518)。
この手順により、図8Aに示した接着剤を表すソリッド要素33は、図8Bに示すように剛体ソリッド要素45、47と接着剤を表すソリッド要素46に分割される。ソリッド要素46の厚みは実際の接着剤の厚みに近づき、せん断変形をより正確に表現できる。
また図6に示すように、接着剤を表す要素が接着剤の厚み方向に細かく分割され、相対的に被着材を表すシェル要素30の厚みが厚い場合、シェル要素30と節点を共有する接着剤のビーム要素27の長さLよりシェル要素の表面相当長さHの方が大きくなる場合がある。
この場合、ビーム要素27だけでは接着剤の厚みをあらわすことができないため、要素分割の対象を要素27から隣接する要素28に移動させる。すなわち、シェル要素の表面相当長さHから要素27の長さLを引いた長さ(H−L)を要素28に対する分割長さとし、図7に示すように、要素28を要素31、要素32の2つに分割し、要素27と要素31に剛体要素の物性を与え、要素28は要素32とする。
さらに(H−L)が要素28の要素長よりもまだ長い場合は、(H−L)から要素28の長さをさらに引いて、その長さについて隣接する要素29に処理をうつせばよい。
本実施形態の有限要素解析モデルの作成方法は、もちろん手作業によっても実現可能であるが、有限解析モデルは膨大であり、また被着材の肉厚はモデル全体で通常は一様でないため、人力により逐次肉厚の計算を行いつつ作業を行うことは非現実的である。本手法によれば、これら作業をユーザーが行う必要は無く、接着継手の接着剤の厚さを正確にモデル化でき、接着剤に発生する応力、特に接着剤に発生するせん断応力の予測精度を向上させることが可能である。
上述のとおり、本実施形態の有限要素解析モデルの作成方法は、コンピュータにロードされたソフトウェアによって実現されている。かかるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の有形記憶媒体や、有線もしくは無線のネットワークなどの伝送経路を通じて流通される。
本発明は接着剤のモデル化技術としての利用が可能であり、特に複合材料被着材の接着部材の有限要素モデル化手法として有効であるが、その応用範囲がこれらに限られるものではない。
本発明の接合継手の模式図である。 図1AのX部における断面拡大図である。 本発明の接合継手における有限要素モデルの模式図である。 図2AのY部における断面拡大図である。 本発明の解析装置の一実施形態を示すブロック図である。 本発明の計算過程における接着剤を示すビーム要素の分割過程を示した接着部の断面図である。 本発明の計算過程における接着剤を示すビーム要素の分割過程を示した接着部の断面図である。 本発明の計算過程における接着剤を示すビーム要素の分割過程を示した接着部の断面図である。 本発明の有限要素モデルの作成方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の計算過程における有限要素モデルの断面図である。 本発明の計算過程における有限要素モデルの断面図である。 本発明の有限要素モデルの作成方法における、ソリッド要素の作成方法の一例を示す模式図である 本発明の有限要素モデルの作成方法における、ソリッド要素の作成方法の一例を示す模式図である 従来技術における有限要素モデルの作成方法である。 従来技術における有限要素モデルの作成方法である。
符号の説明
1:被着材
2:被着材
3:接着剤
4:被着材1を表すシェル要素群
5:被着材2を表すシェル要素群
6:接着剤3を表すビーム要素群
7:被着材1を表すシェル要素
8:被着材1を表すシェル要素
9:被着材1を表すシェル要素
10:被着材1を表すシェル要素
11:接着剤3を構成するビーム要素
12:接着剤3を構成するビーム要素
13:節点
14:ビーム要素11とシェル要素7、8が共有する節点
15:ビーム要素12とシェル要素9、10が共有する節点
16:ビーム要素20とシェル要素18、19が共有する節点
17:節点
18:シェル要素
19:シェル要素
20:接着剤3を構成するビーム要素
21:生成される剛体要素
22:置き換えられた接着剤3を構成するビーム要素
23:生成される節点
24:生成される剛体要素
25:生成される節点
26:置き換えられた接着剤3を構成するビーム要素
27:接着剤3を構成するビーム要素
28:接着剤3を構成するビーム要素
29:接着剤3を構成するビーム要素
30:被着材1を表すシェル要素
31:生成される剛体要素
32:置き換えられた接着剤3を構成するビーム要素
33:接着剤3を構成するソリッド要素
42:被着材1を表すシェル要素
43:被着材1を表すシェル要素
44:生成される節点
45:生成される剛体要素
46:置き換えられた接着剤3を構成するソリッド要素
47:生成される剛体要素
100:被着材が被着材1と被着材2から構成される接着継手
101:解析装置
300:コンピュータ
301:キーボード
302:マウス
303:ディスプレイ
304:補助記憶装置
A:被着材を表すシェル要素
B:接着剤を表すビーム要素
SL:接着剤を表すソリッド要素
H:表面相当長さ
T:肉厚

Claims (12)

  1. 2枚の被着材を接着剤で接着した接着継手構造を、前記各被着材をシェル要素としてモデル化する有限要素解析モデルの作成方法であって、前記接着剤に対応する要素として前記被着材に対応する要素と節点を共有する要素を入力する入力工程と、前記接着剤に対応する要素に沿って前記被着材に対応する要素と共有する前記節点から表面相当長さHの位置に新規節点を生成する節点生成工程と、前記新規節点により前記接着剤の有限要素を2つ以上の新しい分割有限要素に分割する分割有限要素生成工程とを有することを特徴とする有限要素解析モデルの作成方法。
  2. 前記有限要素生成工程において生成された前記分割有限要素のうち、前記被着材に対応する要素と前記節点を共有する前記分割有限要素に剛体特性を与えることを特徴とする、請求項1に記載の有限要素解析モデルの作成方法。
  3. 前記有限要素生成工程において、前記被着材と前記節点を共有する分割有限要素のヤング率の値として前記接着剤のヤング率の10倍以上の値を用いることを特徴とする、請求項1に記載の有限要素解析モデルの作成方法。
  4. 前記接着剤に対応する有限要素をビーム要素としてモデル化することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有限要素解析モデルの作成方法。
  5. 前記接着剤に対応する有限要素をソリッド要素としてモデル化することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の有限要素解析モデルの作成方法。
  6. 前記被着材として複合材料の積層板で構成されたものを用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の有限要素解析モデルの作成方法。
  7. 2枚の被着材を接着剤で接着した接着継手構造を、前記被着材をシェル要素としてモデル化する有限要素解析モデルの作成装置であって、前記接着剤に対応する要素として前記被着材に対応する要素と節点を共有する要素を入力する入力装置と、前記接着剤に対応する要素に沿って前記被着材に対応する要素と共有する前記節点から表面相当長さHの位置に新規節点を生成する節点生成装置と、前記新規節点により前記接着剤の有限要素を2つ以上の新しい分割有限要素に分割する分割有限要素生成装置とを有することを特徴とする有限要素解析モデルの作成装置。
  8. 前記分割有限要素生成装置は有限要素がビーム要素を生成するものであることを特徴とする、請求項7に記載の有限要素解析モデルの作成装置。
  9. 前記分割有限要素生成装置は有限要素がソリッド要素を生成するものであることを特徴とする、請求項7に記載の有限要素解析モデルの作成装置。
  10. 前記被着材が複合材料の積層板で構成されていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の有限要素解析モデルの作成装置。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載のモデル作成方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  12. 請求項11に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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