JP2008051993A - 電気光学装置、視角制御素子、及び電子機器 - Google Patents

電気光学装置、視角制御素子、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】上下左右方向だけでなく円周方向に見てそれらの中間方向における視角制御が可能であると共に、薄型化及び低価格化が可能である電気光学装置を提供する。
【解決手段】透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御素子2と、視角制御素子2の外側に重ねて設けられた表示素子3とを有する電気光学装置1である。視角制御素子2は、偏光層を介在することなく互いに重ねられた液晶パネル6a及び液晶パネル6bと、液晶パネル6aの外側に設けられた偏光層7aと、液晶パネル6bの外側に設けられた偏光層7bとを有する。偏光層7aの透過軸と偏光層7bの透過軸は互いに略平行であり、液晶パネル6aの液晶配向方向と液晶パネル6bの液晶配向方向は互いに略直交し、偏光層7a及び偏光層7bの透過軸は液晶パネル6a又は液晶パネル6bの液晶配向方向と略平行又は略直角である。
【選択図】図2

Description

本発明は、広視角の視認状態と狭視角の視認状態とを切替える視角制御機能を備えた視角制御素子、電気光学装置及び電子機器に関する。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機、コンピュータディスプレイ等といった電子機器に液晶表示装置等といった電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する各種情報を画像として表示するために電気光学装置が用いられている。この電気光学装置に関しては、広い視角特性が求められることもあるし、狭い視角特性が求められることもある。
電気光学装置の表示を多くの人が見る場合には広い視角特性が求められる。他方、一人の使用者が表示を見ているときに他人には覗かれたくない場合、例えば大勢の人が居る中で携帯電話機の表示を見る場合には狭い視角特性が求められる。この要求に応えるため、従来、視角が広い状態と狭い状態とを切替えて使用できる電気光学装置が提案されている。
例えば、引用文献1には、液晶表示装置等といった表示素子に視角制御素子を付加的に設け、その視角制御素子への制御電圧のON/OFFの切替えによって広視角状態と狭視角状態とを切替えることにした電気光学装置が開示されている。この電気光学装置においては、表示画面の左右方向のみ又は上下方向のみに関して視角が制御されている。
また、引用文献2には、独立した2つの視角制御素子を重ね合わせて配置することにより、左右及び上下の2方向に関して広視角状態と狭視角状態とを切替えることを可能にした電気光学装置が開示されている。
特開2004−361917号公報(第8〜9頁、図10) 特開2006−106439号公報(第7頁、図1)
特許文献2に開示された電気光学装置に関しては、左右及び上下の2方向に関して広角と狭角の視角制御を行うことができるのであるが、円周方向に見て左右及び上下の中間位置に関して視角制御を行うことができないという問題がある。また、特許文献2の電気光学装置においては、それぞれが独立した光学要素である2つの視角制御素子を用いるので部品点数が多く、薄型化及び低価格化が難しいという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、上下左右方向だけでなく円周方向に見てそれらの中間方向における視角制御が可能であると共に、薄型化及び低価格化が可能である電気光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の電気光学装置は、透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御手段と、該視角制御手段の外側に重ねて設けられた画像表示手段とを有し、前記視角制御手段は、偏光層を介在することなく互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層とを有し、前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角であることを特徴とする。
上記構成において、画像表示手段は、光の輝度の高低によって画像を形成する手段であり、例えば、液晶表示装置、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL表示装置、PDP(Plasma Display Panel)等を用いることができる。液晶パネルは、例えば、液晶層を一対の電極で挟持した構成を有し、電極に印加する電圧の制御により液晶層内の液晶分子の配向を制御する。
上記構成の第1の電気光学装置によれば、2つの液晶パネルを偏光層を介在させることなく互いに重ね合わせると共に、第1偏光層の透過軸と第2偏光層の透過軸とを互いに略平行に配置し、第1液晶パネルの液晶配向方向と第2液晶パネルの液晶配向方向とを互いに略直交に配置し、さらに、第1偏光層及び第2偏光層の透過軸を第1液晶パネル又は第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角に配置したので、2つの液晶パネルの両方を狭視角状態に設定することにより、表示画面の上下左右方向に関する視角制御のみならず、円周方向に見て上下左右の中間方向に関しても視角制御を行うことが可能となった。つまり、表示画面内の略全周で視角制御を行うことができることになった。この効果は、視角制御手段が第1偏光層、第1液晶パネル、第2液晶パネル、そして第2偏光層をその順番で重ねて成ることにより、当該視角制御手段がそれ自体で1つの光学要素として機能することによって初めて得られたものであり、液晶パネルを一対の偏光層で挟持して成る視角制御素子を2つ用意してそれらを互いに重ね合わせただけでは決して得られない機能である。
さらに、上記第1の電気光学装置においては、視角制御手段が第1偏光層、第1液晶パネル、第2液晶パネル、そして第2偏光層をその順番で積層して成る構造を採っており、第1液晶パネルと第2液晶パネルの間には偏光層は設けられていない。この構成により、液晶パネルを一対の偏光層で挟持して成る2つの視角制御素子を互いに重ね合わせた従来の場合に比べて、電気光学装置を薄型及び低価格にすることができる。
次に、本発明に係る第2の電気光学装置は、透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御手段と、該視角制御手段の外側に重ねて設けられた画像表示手段とを有し、前記視角制御手段は、互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層とを有し、前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角であり、前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルを通過した光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位から見た場合その光は直線偏光であり、前記光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位からずれた方位から見た場合その光は楕円偏光であることを特徴とする。
この電気光学装置は、上記第1の電気光学装置とは異なる観点から本発明を規定したものである。この第2の電気光学装置は上記第1の電気光学装置によっても達成することができる発明である。この第2の電気光学装置によれば、第1液晶パネル及び第2液晶パネルを通過した光を第1液晶パネル又は第2液晶パネルの配向軸の正面から見た場合(パネル平面における方位角として配向軸方向の方位側から液晶パネルを見た場合)その光は直線偏光であり、その光を第1液晶パネル又は第2液晶パネルの配向軸からずれた方向から見た場合その光は楕円偏光であるので、画像表示手段の表示を正面では視認でき、正面からずれた角度からは視認できないという狭視角状態を実現できる。そして、この場合の狭視角状態は、表示画面内の上下左右方向だけでなく、円周方向に見て上下左右の中間方向においても同様に実現されるものである。
次に、本発明に係る電気光学装置において、第1液晶パネルと第2液晶パネルの間に設けられる基板は共通基板であることが望ましい。この構成により、第1液晶パネルと第2液晶パネルをそれぞれ独立に形成する場合に比べて1つの基板を省略できるので、電気光学装置をさらに薄型及び低価格にすることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置は、第1偏光板又は第2偏光板の外側に設けられた位相差層をさらに有することができ、この場合、該位相差層の進相軸と第1偏光板及び第2偏光板の透過軸は平行又は直交以外の関係であることが望ましい。この構成により、偏光サングラスを使用していても電気光学装置の表示を視認できることになる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、画像表示手段は偏光層を有する手段、例えば液晶表示装置によって構成することができる。この場合には、その偏光層は第1偏光層又は第2偏光層と共通であることが望ましい。このように画像表示手段の偏光層と視角制御手段の偏光層とを共通の偏光層によって構成すれば、さらなる薄型化及び低価格化を実現できる。
次に、本発明に係る電気光学装置において、第1液晶パネル及び第2液晶パネルはそれぞれ液晶層及び該液晶層に電圧を印加する電極を有することができ、さらに本電気光学装置は、上記電極へ印加する電圧を制御する電圧制御手段を有することができる。そしてこの場合、上記電圧制御手段は第1液晶パネル及び第2液晶パネルに対して電圧制御することが望ましい。この構成によれば、両方の液晶パネルに対して制御用電圧を印加することにより表示画面の円周方向に見た全周にわたって視角制御を行うことができることに加え、いずれか一方の液晶パネルに対して選択的に制御用電圧を印加することにより、表示画面の左右のみ又は上下のみの視角制御が可能となる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置によれば、表示画面の上下左右方向に関する視角制御のみならず、上下左右の中間方向に関しても視角制御を行うことが可能となった。つまり、表示画面内の略全周で視角制御を行うことができることになった。従って、この電気光学装置を用いて構成された本発明の電子機器においても、表示画面内の略全周で視角制御を行うことができる。
また、本発明に係る電気光学装置によれば、2つの液晶パネルの間に偏光層を設けていないので、薄型及び低価格を達成できた。従って、この電気光学装置を用いて構成された本発明の電子機器においても、薄型及び低価格を達成できる。あるいは、電子機器の外観形状を従来のままに維持するのであれば、電子機器の内部において電気光学装置の周りの空間に余裕を持たせることができる。
次に、本発明に係る第1の視角制御素子は、互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層と、を有して透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御素子であって、前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角であることを特徴とする。
上記第1の視角制御素子によれば、2つの液晶パネルを偏光層を介在させることなく互いに重ね合わせると共に、第1偏光層の透過軸と第2偏光層の透過軸とを互いに略平行に配置し、第1液晶パネルの液晶配向方向と第2液晶パネルの液晶配向方向とを互いに略直交に配置し、さらに、第1偏光層及び第2偏光層の透過軸を第1液晶パネル又は第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角に配置したので、2つの液晶パネルの両方を狭視角状態に設定することにより、表示画面の上下左右方向に関する視角制御のみならず、円周方向に見て上下左右の中間方向に関しても視角制御を行うことが可能となった。つまり、表示画面内の略全周で視角制御を行うことができることになった。この効果は、視角制御素子が第1偏光層、第1液晶パネル、第2液晶パネル、そして第2偏光層をその順番で重ねて成ることにより、当該視角制御素子がそれ自体で1つの光学要素として機能することによって初めて得られたものであり、液晶パネルを一対の偏光層で挟持して成る視角制御素子を2つ用意してそれらを互いに重ね合わせただけでは決して得られない機能である。
さらに、上記第1の視角制御素子は第1偏光層、第1液晶パネル、第2液晶パネル、そして第2偏光層をその順番で積層して成る構造を採っており、第1液晶パネルと第2液晶パネルの間には偏光層は設けられていない。この構成により、液晶パネルを一対の偏光層で挟持して成る2つの視角制御素子を互いに重ね合わせた従来の場合に比べて、視角制御素子を薄型及び低価格にすることができる。
次に、本発明に係る第2の視角制御素子は、互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層と、を有して透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御素子であって、前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角であり、前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルを通過した光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位側から見た場合その光は直線偏光であり、前記光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位側からずれた方位側から見た場合その光は楕円偏光であることを特徴とする。
この第2の電気光学装置によれば、第1液晶パネル及び第2液晶パネルを通過した光を第1液晶パネル又は第2液晶パネルの配向軸の正面から見た場合(パネル平面における方位角として配向軸方向の方位側から液晶パネルを見た場合)その光は直線偏光であり、その光を第1液晶パネル又は第2液晶パネルの配向軸からずれた方向から見た場合その光は楕円偏光であるので、画像表示手段の表示を正面では視認でき、正面からずれた角度からは視認できないという狭視角状態を実現できる。そして、この場合の狭視角状態は、表示画面内の上下左右方向だけでなく、円周方向に見て上下左右の中間方向においても同様に実現されるものである。
(電気光学装置の第1実施形態)
以下、本発明に係る視角制御素子及び電気光学装置を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これからの説明では必要に応じて図面を参照するが、この図面では、複数の構成要素から成る構造のうち重要な構成要素を分かり易く示すため、各要素を実際とは異なった相対的な寸法で示す場合がある。
図1は本発明に係る視角制御素子及び電気光学装置の一実施形態を示している。図2は図1のZ1−Z1線に従って視角制御素子及び電気光学装置の断面構造を示している。図3は図1の装置における光学軸の関係を示している。
図1において、本実施形態の電気光学装置1は、広視角状態と狭視角状態とを切替える視角制御素子2と、画像を形成する表示素子3と、バックライトとして機能する照明装置4とを有する。電気光学装置1の使用者は矢印Kで示す方向から電気光学装置1の表示を観察する。図では、一例として文字「A」が表示された状態を示している。以下、電気光学装置1、表示素子2、視角制御素子3等といった各要素の矢印K側の面をそれぞれの表示面ということにする。また、A−A’で示す方向を上下方向といい、B−B’で示す方向を左右方向といい、C−C’で示す方向を厚さ方向ということにする。
照明装置4については、表示素子3に対向する面が光出射面となっている。照明装置4は、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等といった点状光源からの光を導光体を用いて面状の光に変換する構成のものでも良いし、冷陰極線管等といった線状光源からの光を導光体を用いて面状の光に変換する構成のものでも良い。
視角制御素子2は、図2に示すように、第1液晶パネル6aと、第2液晶パネル6bと、第1液晶パネル6aの外側表面に貼り付けられた第1偏光板7aと、第2液晶パネル6bの外側表面に貼り付けられた第2偏光板7bとを有する。表示素子3は、上記第2偏光板7bと、表示用パネル8と、第3編光板7cとを有する。第2偏光板7bは、視角制御素子2及び表示素子3の両方を構成する共通の要素となっている。各偏光板は偏光層として機能する。
第1液晶パネル6aは、第1基板10aと第2基板10bとを有し、それらの基板が矢印K方向から見て環状のシール材11aによって互いに貼り合わされている。第2液晶パネル6bは、第3基板10cと第4基板10dとを有し、それらの基板がシール材11bによって互いに貼り合わされている。各基板は、透光性ガラス、透光性プラスチック等によって正方形の板状又は長方形の板状に形成されている。第1偏光板7aは第1基板10aに貼着され、第2偏光板7bは第4基板10dに貼着されている。第1液晶パネル6aの第2基板10bと第2液晶パネル6bの第3基板10cとは適宜の接着要素、例えば熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、両面接着テープ等、によって互いに接着されている。
第1液晶パネル6aの第1基板10aの内側表面上に第1電極膜12aが設けられ、その上に第1配向膜13aが設けられている。第2基板10bの内側表面上に第2電極膜12bが設けられ、その上に第2配向膜13bが設けられている。シール材11aによって貼り合わされた第1基板10aと第2基板10bとの間の間隙に液晶が封入されて第1液晶層14aが形成されている。本実施形態では、液晶のリタデーション(複屈折率位相差)Δndを600nmとした。ここで、“Δn”は屈折率異方性の程度、“d”は液晶層厚を示している。
第1配向膜13a及び第2配向膜13bは、例えばポリイミド等といった有機材料や、酸化珪素等といった無機材料によって形成され、それぞれの配向膜には所定の配向処理、例えばラビング処理が施されることにより、液晶層14a内の液晶分子の基板界面での配向(いわゆる初期配向)が規定される。本実施形態では、液晶層14aは、例えば180°ツイスト配向した液晶分子によって構成される。
第1電極膜12a及び第2電極膜12bは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等といった透光性導電材によって形成される。これらの導電膜は基板全面に均一(いわゆるベタ状)に形成しても良いし、所定のパターンに形成しても良い。第1電極膜12aと第2電極膜12bとの間に印加される電圧は視角制御回路24によって制御される。視角制御回路24は、例えば、電気光学装置1の適所に実装されるIC(集積回路)チップや電気光学装置1に付設される回路基板によって構成される。視角制御回路24により第1電極膜12aと第2電極膜12bとの間に所定の視角制御電圧又は視角非制御電圧を印加することにより、液晶層14a内の液晶分子を異なる配向状態に制御できる。本実施形態では、視角制御電圧を2.15Vの30Hzとした。
次に、第2液晶パネル6bは上記の第1液晶パネル6aとほぼ同様に形成される。具体的には、第2液晶パネル6bの第3基板10cの内側表面上に第3電極膜12cが設けられ、その上に第3配向膜13cが設けられている。第4基板10dの内側表面上に第4電極膜12dが設けられ、その上に第4配向膜13dが設けられている。シール材11bによって貼り合わされた第3基板10cと第4基板10dとの間の間隙に液晶が封入されて第2液晶層14bが形成されている。液晶は第1液晶パネル6aと同じものを用いた。
第3配向膜13c及び第4配向膜13dは、例えばポリイミド等といった有機材料や、酸化珪素等といった無機材料によって形成され、それぞれの配向膜には所定の配向処理、例えばラビング処理が施されることにより、液晶層14b内の液晶分子の基板界面での配向(いわゆる初期配向)が規定される。本実施形態では、液晶層14bは、例えば、180°ツイスト配向した液晶分子によって構成される。
第3電極膜12c及び第4電極膜12dは、例えば、ITO等といった透光性導電材によって形成される。これらの導電膜は基板全面に均一(いわゆるベタ状)に形成しても良いし、所定のパターンに形成しても良い。第3電極膜12c及び第4電極膜12dも視角制御回路24に接続されている。この視角制御回路24の作用により第3電極膜12cと第4電極膜12dとの間に所定の視角制御電圧又は視角非制御電圧を印加することにより、第2液晶層14b内の液晶分子を異なる配向状態に制御できる。視角制御電圧は第1液晶パネル6aと同じ条件とした。
次に、表示素子3の表示用パネル8は、第5基板16aと第6基板16bとを有し、それらの基板がシール材11cによって貼り合わされている。各基板は、透光性ガラス、透光性プラスチック等によって正方形の板状又は長方形の板状に形成されている。第2偏光板7bは第5基板16aに貼着され、第3偏光板7cは第6基板16bに貼着されている。
第5基板16aと第6基板16bとの間に形成された間隙、いわゆるセルギャップの中に液晶が封入されて液晶層17が形成されている。第5基板16aの内側表面には所定の機能要素18が形成され、第6基板16bの内側表面には所定の機能要素19が形成されている。表示素子3が単純マトリクス方式の液晶表示セルであれば、機能要素18,19の中には、例えば、透光性電極、配向膜が含まれる。また、半透過反射型の液晶表示セルであれば、光反射膜が含まれる。
表示素子3がアクティブマトリクス方式の液晶表示セルであれば、機能要素18,19の一方の中に、2端子型スイッチング素子や3端子型スイッチング素子等といったスイッチング素子が画素ごとに設けられる。2端子型スイッチング素子としては、例えばTFD(Thin Film Diode:薄膜ダイオード)素子が考えられる。3端子型スイッチング素子としては、例えばTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)素子等が考えられる。また、表示素子3によってカラー表示を行う場合には、機能要素18,19の少なくとも一方にカラーフィルタが設けられる。一般にカラーフィルタは、B(青色),G(緑色),R(赤色)等の着色膜をストライプ配列その他の所定の配列に並べることによって形成される。
機能要素18及び19に含まれる電極は、それぞれ、表示制御回路25に接続されている。表示制御回路25は各電極間に所定のON電圧及びOFF電圧を画素ごとに選択的に印加する。この選択的な電圧印加により、表示用液晶層17内の液晶分子の配向が画素ごとに制御される。この液晶分子の配向制御により、照明装置4からの光が画素ごとに変調され、その結果、表示素子3の表示面に所望の画像が表示される。
表示素子3を液晶表示セルによって構成する場合、液晶モードは任意のものを採用できる。例えば、正の誘電異方性を有するネマチック液晶を水平配向させた液晶セルの複屈折を電界によって制御するECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)モードや、負の誘電異方性を有するネマチック液晶を垂直配向させた液晶セルの複屈折を電界によって制御するVAN(Vertical Aligned Nematic:垂直配向)モードや、基板に対して水平方向の横電界を用いて液晶分子をスイッチングさせ液晶分子が斜めに立ち上がることがないIPS(In-Plain Switching)モードや、基板に対して横斜め方向の電界によって液晶を面内でスイッチングさせるFFS(Fringe Field Switching)モード、その他の各種のモードを選択できる。但し、本実施形態では、視角制御素子2を用いて視角制御を行うことが目標であるので、視角制御の元となる液晶表示セルとしては基本的には広視角性を発揮できるモードであることが望ましく、その意味で、VANモード、IPSモード、FFSモード等といった広視角性を有するモードを採用することが好ましい。
なお、表示素子3は必ずしも液晶表示セルによって構成することに限られず、その他の任意の構成の表示素子によって構成することもできる。例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示装置、PDP(プラズマディスプレイパネル)等を採用することもできる。但し、有機EL表示装置やPDPは自発光型の表示装置であるので、これらの表示装置を採用する場合は、照明装置4は不要である。
次に、本実施形態で用いる光軸配置について説明する。まず、図3において、第1液晶パネル6aの配向膜13a及び13bに施すラビングの方向を互いに180°逆方向にして、第1液晶パネル6aの基板界面における初期の液晶配向をアンチパラレル平行配向に設定する。また、第2液晶パネル6bの基板界面における初期の液晶配向を、第1液晶パネル6aの液晶配向に対して直交する方向のアンチパラレル平行配向に設定する。図3では、第1液晶パネル6aの配向方向がB−B’方向で、第2液晶パネル6bの配向方向がA−A’方向であるが、これを入れ替えて、第1液晶パネル6aをA−A’方向とし、第2液晶パネル6bをB−B’方向としても良い。
次に、第1偏光板7aの透過軸と第2偏光板7bの透過軸は互いに略平行である。略平行というのは、正確に平行な状態はもとより、角度±10°程度で平行からずれている状態も含む意味である。第1偏光板7a及び第2偏光板7bの透過軸は、第1液晶パネル6a及び第2液晶パネル6bの液晶配向方向に対して略平行又は略直角である。図3では偏光板7a,7bの透過軸を液晶パネル6a,6bの液晶配向方向に対して平行又は直角としたが、偏光板7a,7bの吸収軸を液晶パネル6a,6bの液晶配向方向に対して平行又は直角としても良い。
本実施形態の電気光学装置1は以上のように構成されているので、図2において、表示素子3内の表示用液晶層17に印加する電圧を画素ごとに制御することにより、液晶層17内の液晶分子の配向を画素ごとに制御する。これにより、照明装置4から放射される面状の光を表示素子3によって画素ごとに変調し、この変調した光を第2偏光板7bに通すことにより、表示素子3の表示面に所望の画像を表示する。この表示は、矢印K方向から使用者によって視認される。
視角制御素子2において、第1液晶パネル6a内の第1電極膜12aと第2電極膜12bとの間に視角非制御電圧を印加し、第2液晶パネル6b内の第3電極膜12cと第4電極膜12dとの間にも視角非制御電圧を印加すれば、つまり第1液晶パネル6a及び第2液晶パネル6bの両方を視角非制御電圧印加状態にすれば、各液晶パネル内の液晶分子の配向に変化が生じないため、表示素子3の表示面に形成された表示は、視角制御素子2によって視角範囲を狭められることなく広い視角範囲内で矢印A方向から視認される。こうして、図1における上下方向(A−A’方向)、左右方向(B−B’方向)、及び上下左右の中間方向(すなわち、A−A’線とB−B’線の交点の周り360°の角度範囲内の任意の角度方向)の全ての方向において広い視角範囲内で表示を視認できる。こうして、広視角制御モードが実現される。
他方、第1液晶パネル6a内の第1電極膜12aと第2電極膜12bとの間に視角制御電圧を印加し、第2液晶パネル6b内の第3電極膜12cと第4電極膜12dとの間にも視角制御電圧を印加すれば、つまり第1液晶パネル6a及び第2液晶パネル6bの両方を視角制御電圧印加状態にすれば、各液晶パネル内の液晶分子の配向に変化が生じ、図1における上下方向(A−A’方向)、左右方向(B−B’方向)、及び上下左右の中間方向の全周方向に関して透過光の出射角度が狭められ、高角度側への光の透過が阻止又は抑制される。このため、電気光学装置1の表示面の上下左右の全周方向にわたって視角範囲を狭めることができ、周囲の第三者に対して表示を秘匿し、使用者個人だけで表示を視認することが可能となる。
また、第1液晶パネル6a及び第2液晶パネル6bのいずれか一方を視角制御電圧印加状態とし、他方を視角非制御電圧印加状態に設定すれば、図1のA−A’方向(上下方向)のみ又はB−B’方向(左右方向)のみに関して視角範囲を狭めることが可能である。なお、視角制御電圧及び視角非制御電圧の値を適宜に変化させれば、視角制御の角度範囲を調節できる。
本実施形態の視角制御素子2においては、図2に示すように、第1液晶パネル6aと第2液晶パネル6bとが直に接触しており、その間に偏光層は設けられていない。このため、第1液晶パネル6a及び第2液晶パネル6bへの印加電圧の制御により、照明装置4から出射して第2液晶パネル6b及び第1液晶パネル6aを通過した光を第1液晶パネル6a又は第2液晶パネル6bの配向軸の正面から見た場合にその光を直線偏光とすると共に、その光をそれらの液晶パネルの配向軸からずれた方向から見た場合にその光を楕円偏光とすることができる。このように、液晶パネルの配向軸からずれた方向では楕円偏光を生成させることにより、第1偏光板7aの外側において光を観察する場合に斜め方向からの観察を抑制でき、視角範囲を狭めることができる。
なお、上記実施形態において、表示素子3の上偏光板7bは視角制御素子2の偏光板として共用されるので、この第2偏光板7bの軸角度は視角制御素子2内の液晶パネルの配向方向によって規定されるものである。また、上記実施形態の変形例として、リタデーションΔndや視角制御電圧値を変更することが可能である。こうすることにより、視角制御素子2を用いて行う視角制御の状態を変えることが可能である。
(電気光学装置の第2実施形態)
図4は、本発明に係る電気光学装置の他の実施形態を示している。この実施形態が図2に示した先の実施形態と異なる点は、視角制御素子2の前面に位相差フィルム23を貼着して位相差層を設けたことである。図4において図2と同じ符号は同じ部材要素を示しており、それらの部材要素の説明は省略する。また、図4では視角制御回路24及び表示制御回路25の図示を省略している。
本実施形態の視角制御素子2は表示面の全周にわたって視角を制限することが可能であるが、視角制御素子の表示面側の偏光板に対して平行又は直交方向が最も制限される。このため、表示素子3よりも観察者側に視角制御素子2を配置する場合には最表面の偏光板のさらに上に位相差フィルム23を配置することで、偏光サングラスを使用していても支障のないようにすることが可能である。このとき、位相差フィルム23は偏光板7aに対して平行又は直交以外である必要がある。
(電気光学装置の第3実施形態)
図5は、本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示している。この実施形態が図2に示した先の実施形態と異なる点は、図2における基板10b又は基板10cの一方が取り除かれ、図5における1つの基板10bによって共用されることである。図5において図2と同じ符号は同じ部材要素を示しており、それらの部材要素の説明は省略する。また、図5でも視角制御回路24及び表示制御回路25の図示を省略している。本実施形態のように、視角制御素子2で用いられる2つの液晶パネルの基板の一方を共用すれば、電気光学装置のさらなる薄型化及び低価格化を実現できる。
(電気光学装置の第4実施形態)
図6は、本発明に係る電気光学装置のさらに他の実施形態を示している。図2に示した先の実施形態は、観察者側に視角制御素子2が設けられ、その裏側に表示素子3が設けられる構成であった。これに対して本実施形態は、図6に示すように、矢印Kで示す観察者側に表示素子3が設けられ、その裏側に視角制御素子2が設けられる構成となっている。図6において図2と同じ符号は同じ部材要素を示しており、それらの部材要素の説明は省略する。また、図6でも視角制御回路24及び表示制御回路25の図示を省略している。本実施形態のように、表示素子3と視角制御素子2とを位置的に入れ替えても同じ効果、すなわち、表示面の全周にわたって視角制御を行うことができること、及び電気光学装置の薄型化及び低価格化を実現できること、という効果が得られる。
(変形例)
上記実施形態においてはアンチパラレル平行配向の液晶パネル6a,6bを二枚使ったが、上下の配向が平行であれば、配向が基板に平行か略垂直であるかを問わない(すなわち、ハイブリッド配向や、倒れる方向が偏光板の透過軸と略平行または略垂直になる垂直配向を問わない)。また、ツイストしているか否かも問わない。なお、これらの場合、視角を制御するための視角制御電圧及び視角を制御しないための視角非制御電圧は、上記実施形態の場合とは異なった適宜の値に設定される。
(電子機器の実施形態)
図7は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話機を示している。この携帯電話機31は、操作部32と、これに開閉可能に設けられた表示部33とを有する。操作部32には複数の操作ボタン34及び送話部35が設けられている。表示部33には、表示装置36及び受話部37が設けられている。
表示装置36は、例えば図2に示した電気光学装置1を用いて構成される。電気光学装置1は表示面の上下左右方向のみならずその全周にわたって視角制御を行うことができるので、図7に示す携帯電話機31においても表示装置36の表示面において全周方向(すなわち、A−A’で示す上下方向、B−B’で示す左右方向、及びそれらの中間方向)にわたって視角制御を行うことができ、秘密の情報は正面から視認する使用者本人だけが見ることが許され、全方位の周囲に居る第三者が斜め方向から表示を見ることを阻止できる。
(他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図1に示した電気光学装置1において、表示素子3は液晶表示素子に限られず、有機EL表示装置、PDP、その他任意の表示装置を適用できる。また、電子機器としては図7に示した携帯電話機31に限られず、表示装置を備えた任意の電子機器、例えば、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話装置、POS端末、デジタルスチルカメラ、電子ブック、等といった各種の電子機器が考えられる。いずれの電子機器においても、広視角・狭視角の切替えを容易に行うことができ、表示面の全周にわたって視角制御を行うことができ、情報秘匿性に優れ、しかも高品質の表示が可能である。
(比較例)
本発明者は図2に示した実施形態の視角制御素子2及び電気光学装置1の視角制御特性を確認するために、先ず比較の目的で、従来技術に係る視角制御素子に関する視角制御特性を確認するためのシミュレーションを行った。具体的には、図8に示すように、液晶パネルを1つだけ含む視角制御素子2へ照明装置4から面状の光を照射し、その視角制御素子2の光出射面を光検出器21で走査した場合をシミュレーションした。その結果、図9に示す分布図が得られた。
図9(a)は、視角制御素子2による視角制御を非制御状態(視角非制御電圧印加状態)とした場合の視角制御素子2の光透過率の等明るさ分布を示している。黒の濃い部分が暗い部分を示し、白表示の部分が明るい部分を示しており、グレーの濃さに応じて明るさが低下することを示している。
図9(b)は、視角制御素子2による視角制御時(視角制御電圧印加時)と非制御時(視角非制御電圧印加時)の光出射面の等コントラスト分布図を示している。黒の濃い部分がコントラストの高い部分(すなわち、視角制御時と視角非制御時との明るさの比が大きい部分=視角制御によって暗くなる部分)であり、白表示の部分がコントラストの低い部分(すなわち、視角制御時と視角非制御時との明るさの比が小さい部分=視角制御を受けることなく明るい部分)である。
図9(a)に示すように、視角制御素子2が視角非制御時の場合、視角制御素子の光出射面からは極角0°から360°の全方位(すなわち、上下左右及びそれらの中間方向の全方位)に関して略均一な明るさが得られている。この状態が広視角制御モードである。この状態から、視角制御素子に視角制御電圧を印加してモード状態を狭視角制御モードにすると、図9(b)に示すように、左右方向の周辺の局所部分が暗くなる。つまり、左右方向の局所部分において斜め方向からの視認が抑制される。
この図9(b)のコントラスト図から容易に予測できることは、特開2006−106439号公報の図1に開示されているように光軸が互いに直角関係にある2つの液晶パネルを重ねることによって視角制御素子を構成すれば、表示面内の上下と左右の4個所の局所部分において斜め方向からの視認が抑制されることである。そして、視認が抑制されるのはそれらの局所部分だけであって、それらの中間部分は明るい表示のままであることも容易に予測できる。
次に、本発明者は図2の実施形態による視角制御特性を確認するためのシミュレーションを行った。具体的には、図2に示すような、2個の液晶パネルを偏光層を介在させること無く互いに重ね合わせて成る視角制御素子2の光出射面における光出射状態をシミュレーションした。その結果、図10に示す分布図が得られた。
図10(a)は、図9(a)と同じく、視角制御素子による視角非制御時(視角非制御電圧印加時)の視角制御素子2の光透過率の等明るさ分布を示している。この場合は、視角制御素子が視角非制御時であるので、結果は図9(a)の場合と全く同じである。
図10(b)は、図9(b)と同じく、視角制御素子による視角制御時(視角制御電圧印加時)と非制御時(視角非制御電圧印加時)の光出射面のコントラストを示している。黒の濃い部分がコントラストの高い部分(すなわち、視角制御によって暗くなる部分)であり、白表示の部分がコントラストの低い部分(すなわち、視角制御を受けることなく明るい部分)である。
図10(b)に示すように、本実施形態の視角制御素子による視角制御においては、上下左右の周辺の4個所の局所部分のコントラストが高い(表示が暗い)ことに加えて、それらの局所部分の中間の部分でもコントラストが高くなっている。つまり、本実施形態によれば、光出射面の上下左右の2方向だけでなく、光出射面の略全周に関して視角制御ができることが理解される。図9(b)に関連して説明したように、一対の偏光板によって液晶パネルを挟持した構成のセルユニットを2つ重ね合わせた視角制御素子を用いる場合には、上下左右の周辺の4つの局所部分だけで視角制御を行うことができるだけで、中間部分における視角制御は不可能であったが、本実施形態のように2つの液晶パネルを偏光層を介在させない状態で重ね合わせるという構成を採用すれば、上下左右及びそれらの中間部分において斜め方向からの表示の視認を抑制できる。
本発明に係る視角制御素子及び電気光学装置の一実施形態を示す斜視図である。 図1におけるZ1−Z1線に従った断面図である。 図2の電気光学装置における光軸関係を示す斜視図である。 本発明に係る視角制御素子及び電気光学装置の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る視角制御素子及び電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る視角制御素子及び電気光学装置のさらに他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示す斜視図である。 本発明に関する実験例を示す図である。 従来の視角制御素子に関して行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。 本発明に係る視角制御素子に関して行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
符号の説明
1.電気光学装置、 2.視角制御素子、 3.表示素子、 4.照明装置、 6a.第1液晶パネル、 6b.第2液晶パネル、 7a.第1偏光板、 7b.第2偏光板、
7c.第3編光板、 8.表示用パネル、 10a.第1基板、 10b.第2基板、
10c.第3基板、 10d.第4基板、 11a,11b,11c.シール材、
12a.第1電極膜、 12b.第2電極膜、 12c.第3電極膜、
12d.第4電極膜、 13a.第1配向膜、 13b.第2配向膜、
13c.第3配向膜、 13d.第4配向膜、 14a.第1液晶層、
14b.第2液晶層、 16a.第5基板、 16b.第6基板、 17.液晶層、
18,19.機能要素、 21.光検出器、 23.位相差フィルム、
31.携帯電話機(電子機器)、 32.操作部、 33.表示部、 36.表示装置、

Claims (9)

  1. 透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御手段と、
    該視角制御手段の外側に重ねて設けられた画像表示手段とを有し、
    前記視角制御手段は、
    偏光層を介在することなく互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層とを有し、
    前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、
    前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、
    前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角である
    ことを特徴とする電気光学装置。
  2. 透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御手段と、
    該視角制御手段の外側に重ねて設けられた画像表示手段とを有し、
    前記視角制御手段は、
    互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層とを有し、
    前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、
    前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、
    前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角であり、
    前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルを通過した光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位側から見た場合その光は直線偏光であり、前記光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位側からずれた方位側から見た場合その光は楕円偏光である
    ことを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置において、前記第1液晶パネルと前記第2液晶パネルの間に設けられる基板は共通基板であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記第1偏光板又は前記第2偏光板の外側に設けられた位相差層をさらに有し、該位相差層の進相軸と前記第1偏光板及び前記第2偏光板の透過軸は平行又は直交以外の関係である
    ことを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記画像表示手段は偏光層を有し、該偏光層は前記第1偏光層又は前記第2偏光層と共通である
    ことを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の電気光学装置において、
    前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルはそれぞれ液晶層及び該液晶層に電圧を印加する電極を有し、さらに、
    前記電極へ印加する電圧を制御する電圧制御手段を有し、該電圧制御手段は前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルに対して電圧制御する
    ことを特徴とする電気光学装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
  8. 互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層と、を有して透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御素子であって、
    前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、
    前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、
    前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角である
    ことを特徴とする視角制御素子。
  9. 互いに重ねられた第1液晶パネル及び第2液晶パネルと、前記第1液晶パネルの外側に設けられた第1偏光層と、前記第2液晶パネルの外側に設けられた第2偏光層と、を有して透過光の状態を広角表示状態と狭角表示状態とで切替える視角制御素子であって、
    前記第1偏光層の透過軸と前記第2偏光層の透過軸は互いに略平行であり、
    前記第1液晶パネルの液晶配向方向と前記第2液晶パネルの液晶配向方向は互いに略直交し、
    前記第1偏光層及び前記第2偏光層の透過軸は前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの液晶配向方向と略平行又は略直角であり、
    前記第1液晶パネル及び前記第2液晶パネルを通過した光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位側から見た場合その光は直線偏光であり、前記光を前記第1液晶パネル又は前記第2液晶パネルの配向軸方向の方位側からずれた方位側から見た場合その光は楕円偏光である
    ことを特徴とする視角制御素子。

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CN113934048A (zh) * 2021-11-22 2022-01-14 京东方科技集团股份有限公司 显示面板及其制备方法、显示设备

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