JP2008051444A - 蓄熱器の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層を形成できると共に、工程の簡略化により製造手間を減少し製造時間を短縮することができる蓄熱器を提供すること。
【解決手段】貯液部1の外周部に真空断熱層2を有する蓄熱器S1の製造方法において、前記蓄熱器S1を構成する構成部品を加工する部品加工工程(ステップS1,S2,S3)と、前記加工した構成部品を容器状に組み立てる仮組み立て工程(ステップS4,5,6)と、前記仮組み立てした容器を、炉中で真空引きした後、昇温することで、真空雰囲気の中で各構成部品を一体にロウ付けするロウ付け工程(ステップS8)と、を備えた。
【選択図】図6

Description

本発明は、エンジン暖機を促進させるため、もしくは、暖房能力を向上させるためエンジン冷却水循環回路等に適用される蓄熱器の製造方法に関する。
従来、エンジン冷却水を保温貯蔵する蓄熱器としては、金属製の内容器と外容器との二重構造であって、両容器間の空隙部が真空断熱されているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、従来の蓄熱器を用いた車載熱システムでは、車両走行時に高温となったエンジン冷却水を蓄熱器の取り込み、車両が停止している間、高温のエンジン冷却水を蓄熱器内に保温貯蔵する。そして、次回のエンジン始動時、蓄熱機内の高温のエンジン冷却水がエンジンや車室内暖房用のヒータコアに送り込まれ、エンジンの早期暖機や早期暖房に使用される。
特開2004−20027号公報
しかしながら、従来の蓄熱器にあっては、製造の際、金属製の平板を絞り加工し、溶接して内容器と外容器との主構成部品を製造し、さらに、内容器と外容器とを間隔を保って他の構成部品と共に組み付け、各構成部品間を溶接等により固定して容器を製造する。この容器製造後、全く別の工程で、真空断熱層を形成するための真空引きを行って蓄熱器を製造する。
この真空引き工程において、大気雰囲気の中で真空ポンプを用いて真空引きを行うと、製品毎の真空断熱層の真空度にバラツキが出てしまう。加えて、各構成部品間を固定する固定工程と、真空断熱層を形成する真空引き工程とは、全く別工程による作業となるため、蓄熱器を製造するのに多大な手間と工数を要してしまう、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層を形成できると共に、工程の簡略化により製造手間を減少し製造時間を短縮することができる蓄熱器の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、貯液部の外周部に真空断熱層を有する蓄熱器の製造方法において、
前記蓄熱器を構成する構成部品を加工する部品加工工程と、
前記加工した構成部品を容器状に組み立てる仮組み立て工程と、
前記仮組み立てした容器を、炉中で真空引きした後、昇温することで、真空雰囲気の中で各構成部品を一体にロウ付けするロウ付け工程と、
を備えたことを特徴とする。
よって、本発明の蓄熱器の製造方法にあっては、部品加工工程において、蓄熱器を構成する構成部品が加工され、仮組み立て工程において、加工した構成部品が容器状に組み立てられ、ロウ付け工程において、仮組み立てした容器を、炉中で真空引きした後、昇温することで、真空雰囲気の中で各構成部品が一体にロウ付けされ、貯液部の外周部に真空断熱層を有する蓄熱器が製造される。
このように、ロウ付け工程において、炉中の真空雰囲気を、安定した真空雰囲気とする管理を行うことにより、個別管理により大気雰囲気の中で真空引きを行う場合に比べ、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層を形成することができる。
また、ロウ付け工程では、部品間固定と真空化とが共に達成されるため、部品間を溶接等により固定した後の別工程にて真空断熱層を真空化する場合に比べ、工程が簡略化され、製造手間の減少や製造時間の短縮が図られる。
この結果、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層を形成できると共に、工程の簡略化により製造手間を減少し製造時間を短縮することができる。
以下、本発明の蓄熱器の製造方法を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例3に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す縦断正面図、図2は実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す図1のA部拡大図、図3は実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す外観斜視図、図4は実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す断面斜視図、図5は実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す分解斜視図である。
実施例1の蓄熱器S1は、図1〜図5に示すように、貯液部1と、真空断熱層2と、入口パイプ6と、出口パイプ7と、入口側蓋板8と、出口側蓋板9と、タンク構成要素10と、を備えている。
実施例1の蓄熱器S1は、貯液部1の外周部に真空断熱層2を有し、前記貯液部1と前記真空断熱層2とを、同一断面形状の板部材によるタンク構成要素10を複数枚積層することにより形成している。
実施例1の蓄熱器S1は、構成部品として、入口側蓋板8と出口側蓋板9とタンク構成要素10を有し、前記入口側蓋板8には、入口パイプ6を固定し、前記出口側蓋板9には、出口パイプ7を固定している。
実施例1の蓄熱器S1のタンク構成要素10は、図5に示すように、同心状に第1隔壁部10aと第2隔壁部10bと内リブ10cと外リブ10dとを有する。前記第1隔壁部10aと前記第2隔壁部10bとの間は、全周のうち4箇所程度で径方向に連結し、連結部間に断熱層空間10eを形成している。前記第2隔壁部10bに囲まれた空間を貯液部空間10fとしている。前記内リブ10cは、前記第2隔壁部10bから貯液部1に向かって突出する。前記外リブ10dは、第1隔壁部10aから外方に向かって突出するもので、全周のうち一部には積層時の外形位置合わせのために軸方向の折り曲げ部を有する。なお、第1隔壁部10aと第2隔壁部10bとの連結部には、タンク軸方向に突出する位置決め突起10gを形成している(図2参照)。
実施例1の蓄熱器S1は、前記タンク構成要素10を1枚ずつ断面の向きを反転させながら複数枚積層し、積層したタンク構成要素10の両端開口部を、入口側蓋板8と出口側蓋板9により閉塞することで容器を構成している。
前記貯液部1は、前記タンク構成要素10の積層により連通する貯液部空間10fにより構成している。
前記真空断熱層2は、前記タンク構成要素10の積層により連通する断熱層空間10eを真空化することにより構成している。
実施例1の蓄熱器S1は、製造方法として、前記タンク構成要素10にロウを塗布して複数枚積層し、積層したタンク構成要素10の両端開口部を、前記入口側蓋板8と前記出口側蓋板9とにより閉塞することにより仮組み立てをし、仮組立容器を炉中内で真空引きした後、昇温する真空ロウ付け法を採用している。
次に、作用を説明する。
[蓄熱器の製造方法]
図6は実施例1の蓄熱器S1の製造方法(真空ロウ付け方法)を示す工程図である。
以下、図6を用い実施例1の蓄熱器S1の真空ロウ付け方法を説明する。
・部品加工工程
ステップS1の第1部品加工工程では、タンク構成要素10がプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS2の第2部品加工工程では、入口側蓋板8と出口側蓋板9がプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS3の部品加工工程では、入口パイプ6と出口パイプ7がパイプ成形により板材から加工、又は、引き抜き等により加工される。
・ロウ材塗布工程
ステップS4のロウ材塗布工程では、前記ステップS1の第1部品加工工程において加工された複数のタンク構成要素10(例えば、ステンレス鋼)に対し、ロウ材を塗布する。
・部品サブ組み立て工程(積層工程)
ステップS5の部品サブ組み立て工程では、前記ステップS4のロウ材塗布工程においてロウ材を塗布した複数のタンク構成要素10を、貯液容量の設計値に応じて所要枚数積層する。なお、実施例1の場合は、図1〜図5に示す積層状態となるように、複数のタンク構成要素10を1枚毎に裏返ししながら積層する。
・組み立て工程(仮組み立て工程)
ステップS6の組み立て工程では、ステップS5の部品サブ組み立て工程にて組み立てられた積層したタンク構成要素10に対し、ステップS2の第2部品加工工程とステップS3の第3部品加工工程にて加工された、入口側蓋板8、出口側蓋板9、入口パイプ6、出口パイプ7の各部品を図5に示すように組み付け、全体として容器形状となるように仮に組み立てる。このとき、積層したタンク構成要素10以外のロウ付け必要部分についてもロウ材を塗布する。
・治具セット工程
ステップS7の治具セット工程では、前記ステップS6の組み立て工程にて容器形状に仮に組み立てられた各部品が位置ずれすることなく、一体性を確保するためのロウ付け用ロウ付け用治具をセットする。
・ロウ付け工程
ステップS8のロウ付け工程では、下記の炉中内工程により、各部品間を真空ロウ付け法により固定する。
炉中内工程は、炉中内を真空化する真空引き工程(ステップS8a)と、炉中内の温度を上昇させる昇温工程(ステップS8b)と、溶けたロウにより部品間を固定するロウ付け工程(ステップS8c)と、ロウ付け固定した容器を冷却する冷却工程(ステップS8d)と、を有する。
・気密工程
ステップS9の気密工程では、炉中から取り出したロウ付け容器の真空断熱層2の真空状態を保つ気密性を確保する。
・出荷検査工程
ステップS10の出荷検査工程では、ロウ付け不良箇所が無く、真空断熱層2の真空性が保たれているか等のチェック項目についての出荷検査を行う。
・梱包工程
ステップS11の梱包工程では、出荷検査をパスした製品について、梱包を行う。
・出荷工程
ステップS12の出荷工程では、梱包を行った製品の工場出荷を行う。
以上の工程により蓄熱器S1が製造される。
したがって、ロウ付け工程S8において、炉中の真空雰囲気を、安定した真空雰囲気とする管理を行うことにより、個別管理により大気雰囲気の中で真空引きを行う場合に比べ、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層2を形成することができる。
また、ロウ付け工程S8では、部品間固定と真空化とが共に達成されるため、部品間を溶接等により固定した後の別工程にて真空断熱層を真空化する場合に比べ、工程が簡略化され、製造手間の減少や製造時間の短縮が図られる。
[蓄熱・放熱作用]
実施例1の製造方法により製造された蓄熱器S1では、貯液部1を経過する高温熱媒体の流通が停止すると、真空断熱層2に囲まれた貯液部1に高温の熱媒体が封じ込められ、蓄熱器S1内の貯液部1に蓄えられた熱媒体の温度の低下が抑えられ、熱媒体が高温状態のままで保たれる。
そして、蓄熱器S1の貯液部1内の高温熱媒体を使う場合、貯液部1の高温熱媒体が、出口パイプ7を経過して放出される。この高温熱媒体を高温エンジン冷却水とし、エンジン始動時にエンジンへ放出するようにした場合には、エンジンの暖機を促進することができる。また、エンジン始動時にヒータコアへ放出するようにした場合には、車室内の暖房性能を向上させることができる。
[必要容量の変更への対応作用]
実施例1の製造方法により製造された蓄熱器S1では、貯液部1と真空断熱層2とを、同一断面形状の板部材によるタンク構成要素10を複数枚積層することにより形成した。
このため、必要容積の変更要求に対し、同一断面形状の板部材によるタンク構成要素10の積層枚数を増減するだけで対応することができる。
すなわち、従来技術のように、蓄熱器を絞り加工により製造される内容器と外容器等による構造とした場合、蓄熱器の必要容積に変更があった場合、絞り加工型の変更や絞り加工型の新規作成が必要であり、コストアップや製造時の段取りロス等が生じる。
これに対し、実施例1では、タンク構成要素10を複数枚積層する積層構造による蓄熱器S1としたため、必要容積の変更要求に対し、積層枚数の増減で対応でき、コスト増を招く加工型の変更等を要しない。
つまり、実施例1の場合、タンク構成要素10を複数枚用意しておけば、1枚のタンク構成要素10による容積分を容積変更の最小単位とし、ある容積を持つ蓄熱器から、必要容積の増大要求があると積層するタンク構成要素10の枚数を増やし、必要容積の減少要求があると積層するタンク構成要素10の枚数を減らすことで、直ちに異なる容積を持つ蓄熱器に変更することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の蓄熱器S1の製造方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 貯液部1の外周部に真空断熱層2を有する蓄熱器S1の製造方法において、前記蓄熱器S1を構成する構成部品を加工する部品加工工程(ステップS1,S2,S3)と、前記加工した構成部品を容器状に組み立てる仮組み立て工程(ステップS4,5,6)と、前記仮組み立てした容器を、炉中で真空引きした後、昇温することで、真空雰囲気の中で各構成部品を一体にロウ付けするロウ付け工程(ステップS8)と、を備えたため、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層2を形成できると共に、工程の簡略化により製造手間を減少し製造時間を短縮することができる。
(2) 前記蓄熱器S1は、貯液部1の外周部に真空断熱層2を有し、前記部品加工工程(ステップS1〜ステップS3)は、貯液部空間10fと真空断熱層空間10eとを有する同一断面形状の板部材によるタンク構成要素10と、入口側蓋板8と、出口側蓋板9と、を加工し、前記仮組み立て工程(ステップS4〜ステップS6)は、タンク構成要素10を複数枚積層し、積層したタンク構成要素10の開口部を入口側蓋板8と出口側蓋板9とで塞ぐことにより前記貯液部1と前記真空断熱層2を形成するため、貯液部1の外周部に真空断熱層2を有し、必要容積の変更要求への対応性を持たせた積層型の蓄熱器S1の製造方法を提供することができる。
(3) 前記仮組み立て工程は、タンク構成要素10に対しロウ材を塗布するロウ材塗布工程(ステップS4)と、ロウ材を塗布したタンク構成要素10を積層するサブ組み立て工程(ステップS5)と、積層したタンク構成要素10の開口部を入口側蓋板8と出口側蓋板9とで塞いで容器状に組み立てる組み立て工程(ステップS6)と、を有するため、ロウ材を塗布したタンク構成要素10を積層するサブ組み立ての採用により、ロウ付け工程(ステップS8)において、積層した複数のタンク構成要素10間のロウ付け固定を確実に達成することができる。
実施例2は、実施例1が貯液部と真空断熱層を有する積層型の蓄熱器の製造方法であるのに対し、貯液部と真空断熱層と蓄熱層を有する積層型の蓄熱器の製造方法とした例である。
まず、構成を説明する。
図7は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す縦断正面図、図8は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す図7のB部拡大図、図9は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す外観斜視図、図10は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す断面斜視図、図11は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す分解斜視図である。
実施例2の蓄熱器S2は、図7〜図11に示すように、貯液部1と、側面真空断熱層2(真空断熱層)と、入口側端面真空断熱層3(真空断熱層)と、出口側端面真空断熱層4(真空断熱層)と、蓄熱層5と、入口パイプ6と、出口パイプ7と、入口側端板15と、入口側蓋板16と、出口側端板17と、出口側蓋板18と、タンク構成要素19と、を備えている。
実施例2の蓄熱器S2は、貯液部1の外周部に真空断熱層2,3,4を有し、前記貯液部1と前記側面真空断熱層2との間には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けている。
実施例2の蓄熱器S2は、構成部品として、入口側端板15及び入口側蓋板16と、出口側端板17及び出口側蓋板18と、タンク構成要素19と、を有する。
そして、前記入口側端板15には、入口パイプ6を固定し、前記出口側端板17には、出口パイプ7を固定している。
さらに、前記タンク構成要素19の貯液部空間19hを仕切る第3隔壁部19cに、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に突出する内リブ19dを形成している。なお、図8に示すように、隣接する第3隔壁部19cと内リブ19d,19dとの重なり合いにより、流れに直交する凹凸が形成される。
前記蓄熱層5に充填される蓄熱材は、潜熱蓄熱性素材として、融解点以上の温度域での固相から液相への相変化時に融解熱分を蓄熱し、凝固点以下の温度域での液相から固相への相変化時に凝固熱分を放熱するパラフィン系素材を用いている。
前記蓄熱材は、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルであり、前記蓄熱層5には、前記パラフィン封入カプセルの集合体を、液相・固相間の相変化に伴う体積変化分(10%程度)を考慮して充填している。
ここで、蓄熱性素材として、パラフィン系素材を用いた理由は、融解点(融解温度)や凝固点(凝固温度)による相変化温度を設定するに際し、炭素鎖数に対応し広範な温度域(-50℃〜80℃)をカバーすることができるし、蓄熱量(溶融潜熱)も130〜250kJ/kg程度であり、他の素材に比べて高いことによる。
例えば、エンジン冷却水をヒータコアに循環させる車載熱システムに蓄熱器を用いる場合には、相変化温度は、50℃〜60℃程度もしくは、これ以上が好ましい。その理由は、エンジン冷却水温は冬季等では80℃に満たないケースもあり、かつ、暖かいと感じられる吹き出し温度は30℃であるため、吹き出し温度30℃以上を得るのに必要な相変化温度は、上記のように、50℃〜60℃程度もしくは、これ以上の温度となる。
実施例2の蓄熱器S2の出口側端板17には、図11に示すように、蓄熱器S2を真空ロウ付けにより製造する場合、蓄熱材を封入するための蓄熱材封入部17aが、出口側蓋板18に向かって突出される。前記出口側蓋板18には、前記蓄熱材封入部17aを貫通する封入部穴18aが形成され、前記蓄熱材封入部17aは、蓄熱材を封入した後、樹脂系やゴム系等によるキャップ20にて塞がれる。
前記タンク構成要素19は、同心状に第1隔壁部19aと第2隔壁部19bと第3隔壁部19cと内リブ19dと外リブ19eとを有する。前記第1隔壁部19aと前記第2隔壁部19bとの間は、全周のうち4箇所程度で径方向に連結し、連結部間に断熱層空間19fを形成している。前記第2隔壁部19bと前記第3隔壁部19cとの間は、全周のうち4箇所程度で径方向に連結し、連結部間に蓄熱層空間19gを形成している。前記第3隔壁部19cに囲まれた空間を貯液部空間19hとしている。前記内リブ19dは、前記第3隔壁部19cから貯液部1に向かって突出する。前記外リブ19eは、第1隔壁部19aから外方に向かって突出するもので、全周のうち一部には積層時の外形位置合わせのために軸方向の折り曲げ部を有する。なお、第1隔壁部19aと第2隔壁部19bとの連結部には、タンク軸方向に突出する位置決め突起19iを形成している(図8参照)。
実施例2の蓄熱器S2は、前記タンク構成要素19を1枚ずつ反転させながら複数枚積層し、積層したタンク構成要素19の両端開口部を、前記入口側端板15及び入口側蓋板16と、前記出口側端板17及び出口側蓋板18と、により閉塞することで容器を構成している。
前記貯液部1は、前記タンク構成要素19の積層により連通する貯液部空間19hにより構成している。
前記側面真空断熱層2は、前記タンク構成要素19の積層により連通する断熱層空間19fを真空化することにより構成している。前記入口側端面真空断熱層3は、入口側端板15と入口側蓋板16とで形成される空間を真空化することにより構成している。前記出口側端面真空断熱層4は、出口側端板17と出口側蓋板18とで形成される空間を真空化することにより構成している。
前記蓄熱層5は、前記タンク構成要素19の積層により連通する蓄熱層空間19gにより構成している。
実施例2の蓄熱器S2は、製造方法として、タンク構成要素19にロウを塗布して複数枚積層し、積層したタンク構成要素19の両端開口部を、前記入口側蓋板16と前記出口側蓋板18とにより閉塞することにより仮組み立てをし、仮組立容器を炉中内で真空引きした後に昇温して各真空断熱層2,3,4と蓄熱層5を共に真空化する真空ロウ付け法を行った後、前記真空化した蓄熱層5に対し真空吸引により蓄熱材を充填することにより製造する方法を採用している。
次に、作用を説明する。
[蓄熱器の製造方法]
図12は実施例2の蓄熱器S2の製造方法(真空ロウ付け方法)を示す工程図、図13は実施例2の蓄熱器S2の炉中内での真空引き工程で真空度を向上させるためのエアー抜き溝を示す図、図14は実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法における蓄熱材封入工程を示す説明図である。以下、図12〜図14を用い実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法を説明する。
・部品加工工程
ステップS1の第1部品加工工程では、タンク構成要素19がプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS2の第2部品加工工程では、入口側蓋板16と出口側蓋板18がプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS3の部品加工工程では、入口側端板15と出口側端板17とがプレスや打ち抜き成形により板材から加工される。
ステップS4の部品加工工程では、入口パイプ6と出口パイプ7がパイプ成形により板材から加工、又は、引き抜き等により加工される。
ステップS5の部品加工工程では、キャップ20がプレスや打ち抜きにより板材から加工される。
・ロウ材塗布工程
ステップS6のロウ材塗布工程では、前記ステップS1の第1部品加工工程において加工された複数のタンク構成要素19(例えば、ステンレス鋼)に対し、ロウ材を塗布する。
・部品サブ組み立て工程(積層工程)
ステップS7の部品サブ組み立て工程では、前記ステップS6のロウ材塗布工程においてロウ材を塗布した複数のタンク構成要素19を、貯液容量の設計値に応じて所要枚数積層する。なお、実施例2の場合は、図7〜図11に示す積層状態となるように、複数のタンク構成要素19を1枚毎に裏返ししながら積層する。
・組み立て工程
ステップS8の組み立て工程では、ステップS7の部品サブ組み立て工程にて組み立てられた積層したタンク構成要素19に対し、第2部品加工工程〜第5部品加工工程にて加工された、入口側蓋板16、出口側蓋板18、入口側端板15、出口側端板17、入口パイプ6、出口パイプ7、キャップ20の各部品を組み付け、全体として容器形状となるように仮に組み立てる。このとき、積層したタンク構成要素19以外のロウ付け必要部分についてもロウ材を塗布する。
・治具セット工程
ステップS9の治具セット工程では、前記ステップS8の組み立て工程にて容器形状に仮に組み立てられた各部品が位置ずれすることなく、一体性を確保するためのロウ付け用治具をセットする。
・ロウ付け工程
ステップS10のロウ付け工程では、下記の炉中内工程により、各部品間を真空ロウ付け法により固定する。
炉中内工程は、炉中内を真空化する真空引き工程(ステップS10a)と、炉中内の温度を上昇させる昇温工程(ステップS10b)と、溶けたロウにより部品間を固定するロウ付け工程(ステップS10c)と、ロウ付け固定した容器を冷却する冷却工程(ステップS10d)と、を有する。
上記ステップS10aの真空引き工程において、より真空度を向上させるために、図13(a)に示すように、第2隔壁部19bと第3隔壁部19cとを径方向に連結する連結部にエアー抜け溝19jを形成している。したがって、タンク構成要素19を積層した場合、図13(b)に示すように、貯液部1と側面真空断熱層2とが、対向する一対のエアー抜け溝19j,19jにより連通する。
・気密工程
ステップS11の気密工程では、炉中から取り出したロウ付け容器の真空断熱層2,3,4と蓄熱層5の真空状態を保つ気密性を確保する。
・蓄熱材封入工程
ステップS12の蓄熱材封入工程では、真空化された蓄熱層5による真空引きを利用して蓄熱材が封入される。
すなわち、図14(a)に示すように、真空ロウ付け法の場合、蓄熱層5も真空化される。また、出口側端板17に形成した蓄熱材封入部17aには、基準板厚に対して厚みを薄くした薄肉部17a′が形成されている。
そこで、蓄熱材P(パラフィン系)を充填した封入機の先端部を、図14(b)に示すように、蓄熱材封入部17aに差し込み、薄肉部17a′を突き破ると、蓄熱層5による真空吸引力により、一気に蓄熱材Pが蓄熱層5に吸い込まれる。なお、蓄熱層5が真空であるため、蓄熱材Pの封入時間が短く、かつ、均一に充填される。
そして、蓄熱層5に蓄熱材Pが充填されると、突き破られた蓄熱材封入部17aを塞ぐため、図14(c)に示すように、キャップ20を差し込み係合する。
・出荷検査工程
ステップS13の出荷検査工程では、ロウ付け不良箇所が無く、真空断熱層2,3,4の真空性が保たれているか、蓄熱層5に蓄熱材Pが充填されているか等のチェック項目についての出荷検査を行う。
・梱包工程
ステップS14の梱包工程では、出荷検査をパスした製品について、梱包を行う。
・出荷工程
ステップS15の出荷工程では、梱包を行った製品の工場出荷を行う。
以上の工程により蓄熱器S2が製造される。
したがって、ロウ付け工程S10において、炉中の真空雰囲気を、安定した真空雰囲気とする管理を行うことにより、個別管理により大気雰囲気の中で真空引きを行う場合に比べ、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層2,3,4を形成することができる。
また、ロウ付け工程S10では、部品間固定と真空化とが共に達成されるため、部品間を溶接等により固定した後の別工程にて真空断熱層を真空化する場合に比べ、工程が簡略化され、製造手間の減少や製造時間の短縮が図られる。
[蓄熱・放熱作用]
実施例2の製造方法により製造された蓄熱器S2による蓄熱・放熱作用について説明する。
蓄熱材による熱吸収作用について説明すると、蓄熱器S2内の貯液部1に、入口パイプ6から出口パイプ7に向かっての流れにより高温の熱媒体が流通しているとき、高温の熱媒体からの熱を、内リブ19dを有する第3隔壁部19cを介して蓄熱層5内の蓄熱材が受ける。そして、熱を受けて蓄熱材の温度が上昇し、蓄熱材の融解点に達すると、蓄熱材が固相から液相に相変化し、この相変化に伴い熱エネルギーを吸収する。
ちなみに、実施例2ではパラフィン封入カプセルを蓄熱材としているため、蓄熱材の温度が融解点未満で低いときは、封入されているパラフィンが、蝋のように固まった固体であるのに対し、蓄熱材の温度が融解点以上になると、固体のパラフィンが徐々に液化し、最大に吸熱した状態ではカプセル内で完全に液体となる。
貯液部1内の熱媒体への蓄熱作用について説明すると、貯液部1を経過する高温熱媒体の流通が停止すると、真空断熱層2,3,4と蓄熱層5との2層に囲まれた貯液部1に高温の熱媒体が封じ込められ、蓄熱器S2内の貯液部1に蓄えられた熱媒体の温度の低下が抑えられ、熱媒体が高温状態のままで保たれる。
すなわち、熱媒体流通が停止状態となったままで長時間が経過し、蓄熱器S2を囲む外気温が低温となっても、真空断熱層2,3,4と蓄熱層5との二重断熱構造により、貯液部1に蓄えられた熱媒体から逃げようとする熱エネルギーが最小に抑えられ、長時間を経過しても貯液部1の熱媒体を高温状態のままで保つ高い保温性が達成される。
高温熱媒体の放出作用について説明すると、蓄熱器S2の貯液部1内の高温熱媒体を使う場合、まず、貯液部1の高温熱媒体が、出口パイプ7を経過して放出される。この高温熱媒体の放出に伴い、蓄熱器S2の貯液部1内へ入口パイプ6を経過して低温熱媒体を導入することで、高温と低温の両熱媒体が混合し、蓄熱器S2の貯液部1内の熱媒体温度が低下する。
蓄熱材からの放熱作用について説明すると、蓄熱器S2の貯液部1内の熱媒体温度が低下し、内リブ19dを有する第3隔壁部19cを介して蓄熱層5内の蓄熱材から熱を奪うと、蓄熱材の温度が低下する。そして、蓄熱材の温度が凝固点に達すると、蓄熱材が液相から固相に相変化し、この相変化に伴い蓄熱材に吸収されていた熱が放出され、潜熱による熱エネルギーを、内リブ19dを有する第3隔壁部19cを介して熱媒体に対し供給し続け、熱媒体の温度低下を抑える。
ちなみに、実施例2ではパラフィン封入カプセルを蓄熱材としているため、蓄熱材の温度が凝固点より高いときは、封入されているパラフィンが液体であるのに対し、蓄熱材の温度が凝固点以下に低下すると、液体のパラフィンが徐々に固体化して放熱し、最大に放熱した状態ではカプセル内で固体となる。
このように、実施例2の蓄熱器S2は、保温性を保ちつつ熱媒体に蓄えた「顕熱」と、蓄熱層5の蓄熱材から放出される「潜熱」と、を有効に併用するものである。
このため、エンジン冷却水循環回路に適用した場合であって、エンジン始動時、高温のエンジン冷却水をエンジン側に導けば、エンジン暖機温度に達する時間を大幅に短縮することができる。また、エンジン冷却水循環回路に適用した場合であって、エンジン始動時、高温のエンジン冷却水をヒータコア側に導けば、車室内の暖房性能を向上させることができる。
ちなみに、「顕熱」とは、相変化なしに蓄えられる熱エネルギーをいい、「潜熱」とは、固相と液相間の相変化に伴って吸収あるいは放出される熱エネルギーをいう。
そして、「潜熱」の場合は、「顕熱」の場合に比べ、桁違いに大きい熱量を蓄えることができる。
[熱交換促進作用]
実施例2の蓄熱器S2は、構成部品として、入口側端板15及び入口側蓋板16と、出口側端板17及び出口側蓋板18と、タンク構成要素19と、を有し、前記入口側端板15には、入口パイプ6を固定し、前記出口側端板17には、出口パイプ7を固定し、前記タンク構成要素19の貯液部空間19hを仕切る第3隔壁部19cに、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に突出する内リブ19dを形成している。
このため、入口パイプ6から出口パイプ7へ向かう熱媒体の流れは、第3隔壁部19cと内リブ19dにより形成される凹凸形状に沿って蛇行して流れることになり、蓄熱層5に充填した蓄熱材にて熱媒体からの熱を吸収するときには、熱吸収する有効面積が、ストレートの円筒パイプの場合に比べて拡大し、熱吸収効率が高くなる。同様に、蓄熱層5に充填した蓄熱材から熱媒体へ熱を放出するときには、熱放出する有効面積が、ストレートの円筒パイプの場合に比べて拡大し、熱放出効率が高くなる。つまり、第3隔壁部19cと内リブ19dにより形成される凹凸形状により、熱交換効率が促進される。
[蓄熱器S2をエンジン冷却水循環システムへ適用した例]
図15は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器S2を用いたエンジン冷却水循環システムの第1例を示すエンジン冷却水循環回路図である。
エンジン駆動状態でエンジン冷却水を加熱するエンジン21と、エンジン冷却水の温度が降下するエンジン停止状態からのエンジン始動時に加熱したエンジン冷却水を要求するエンジン21及びヒータコア22と、がエンジン冷却水循環回路により接続されている。
前記エンジン冷却水循環回路には、入口側を前記エンジン21に接続し、出口側を前記エンジン21とヒータコア22に接続した蓄熱器S2を設定している。
前記エンジン21と前記蓄熱器S2の入口側とを接続する回路に第1バルブ23を設け、前記蓄熱器S2の出口側と前記エンジン21及びヒータコア22とを接続する回路に第2バルブ24を設けている。なお、エンジン21とラジエータ25とを結ぶエンジン冷却水循環回路には、サーモバルブ26と循環ポンプ27とが設けられている。
前記第1バルブ23と第2バルブ24と循環ポンプ27とは、コントローラ28によりその作動が制御される。
前記コントローラ28は、エンジン駆動状態で前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを開き、エンジン21が停止すると前記第1バルブ23と前記第2バルブ24とを閉じ、エンジン21の始動時であってエンジン暖機優先時、前記第2バルブ24を前記エンジン21側に開き、エンジン始動時であって車室内暖房優先時、前記第2バルブ24を前記ヒータコア22側に開く制御を行う。
したがって、エンジン始動時、「顕熱」と「潜熱」を併用する蓄熱器S2から高温のエンジン冷却水を送り続けることで、エンジン暖機優先時には、期待に応えるエンジン21の暖機促進を達成することができるし、車室内暖房優先時には、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができる。
図16は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器S2を用いたエンジン冷却水循環システムの第2例を示すエンジン冷却水循環回路図である。
この第2例は、図15に示すエンジン冷却水循環システムにおいて、第2バルブ24とヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を追加した例である。
したがって、この第2例では、第1例の効果に対し、エンジン始動時であって、車室内暖房優先時、流量調整により暖房性能をコントロールすることができるという効果が追加される。
[蓄熱器S2を駆動モータ用電装品冷却水循環システムへ適用した例]
図17は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器S2を用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムの第1例を示す冷却水循環回路図である。
この第1例では、車載熱発生源を、駆動状態でインバータ冷却水を加熱するインバータ冷却器30と、駆動状態でバッテリー冷却水を加熱するバッテリー冷却器31としている。車載熱要求源を、インバータ冷却水とバッテリー冷却水を加熱媒体とするエアーコンディショナーのヒータコア22としている。
コントローラ28は、エンジン始動時、蓄熱器S2の入口側に設けられた第1バルブ23と、蓄熱器S2の出口側に設けられた第2バルブ2を開く制御を行う。
したがって、ハイブリッド車でのエンジン始動時、期待に応える車室内の暖房能力の向上を達成することができる。
図18は実施例2の製造方法により製造された蓄熱器S2を用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムの第2例を示す冷却水循環回路図である。
この第2例は、図17に示す駆動モータ用電装品冷却水循環システムにおいて、第2バルブ24とヒータコア22とを接続する回路にポンプ29を追加した例である。
したがって、この第2例では、第1例の効果に対し、エンジン始動時、流量調整により暖房性能をコントロールすることができるという効果が追加される。
次に、効果を説明する。
実施例2の蓄熱器S2の製造方法にあっては、実施例1の蓄熱器S1の製造方法における(1)の効果に加え、下記に列挙する効果を得ることができる。
(4) 前記蓄熱器S2は、貯液部1の外周部に蓄熱層5と真空断熱層2を有し、前記蓄熱層5には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材Pを充填し、前記部品加工工程(ステップS1〜ステップS5)は、貯液部空間19hと蓄熱層空間19gと断熱層空間19fとを有する同一断面形状の板部材によるタンク構成要素19と、入口側蓋板16と、出口側蓋板18と、を加工し、前記仮組み立て工程(ステップS6〜ステップS8)は、タンク構成要素19を複数枚積層し、積層したタンク構成要素19の開口部を入口側蓋板16と出口側蓋板18とで塞ぐことにより前記貯液部1と前記蓄熱層5と前記真空断熱層2を形成するため、貯液部1の外周部に蓄熱層5と真空断熱層2を有し、高い蓄熱性能を持つと共に必要容積の変更要求への対応性を持たせた積層型の蓄熱器S2の製造方法を提供することができる。
(5) 前記タンク構成要素19の積層接合面のうち、蓄熱層空間19gを挟んで貯液部空間19hと断熱層空間19fとを連結する連結部にエアー抜け溝19jを設け、前記ロウ付け工程(ステップS10)は、炉中での真空引き時、前記エアー抜け溝19jを介して貯液部空間19hと真空断熱層空間19fとを連通し、炉中での昇温によるロウ付け時に毛細管現象によりロウ材を充填して塞ぐため、ロウ付け工程での真空引きにおいて断熱層空間19fからスムーズにエアー抜きがなされ、真空断熱層2の真空度をより向上させることができる。
(6) 前記ロウ付け工程(ステップS10)は、工程終了時、前記真空断熱層2と共に前記蓄熱層5も大気圧より減圧とする真空化状態とし、前記ロウ付け工程の後、真空化した前記蓄熱層5に対し真空吸引により蓄熱材Pを充填し、その後、充填部分を封止する蓄熱材封入工程(ステップS12)を追加したため、真空化した蓄熱層5を利用し、蓄熱層5に蓄熱材Pを封入するに際し、大気圧雰囲気で流し込みにより封入する場合に比べ、短い封入時間にて、かつ、均一に蓄熱材Pを封入することができる。
(7) 出口側端板17に形成した蓄熱材封入部17aに、基準板厚に対して厚みを薄くした薄肉部17a′を形成し、前記蓄熱材封入工程(ステップS12)は、蓄熱材Pを充填した封入機の先端部を、前記蓄熱材封入部17aに差し込み薄肉部17a′を突き破ることで、真空吸引力により蓄熱材Pを蓄熱層5に吸い込ませ、蓄熱層5に蓄熱材Pが充填されると、突き破られた蓄熱材封入部17aにキャップ20を差し込み係合することで塞ぐため、真空化した蓄熱層5を利用し、蓄熱層5に蓄熱材Pを封入するに際し、予め形成しておいた薄肉部17a′を有する蓄熱材封入部17aを利用し、簡単な差し込み操作のみで蓄熱層5に蓄熱材Pを封入し、また、簡単なキャップ20の差し込み操作により充填部分を封止することができる。
実施例3は、実施例2が積層型の蓄熱器の製造方法であるのに対し、貯液部と真空断熱層と蓄熱層を有する多重容器型の蓄熱器の製造方法とした例である。
まず、構成を説明する。
図19は実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す縦断正面図、図20は実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す図19のC部拡大図、図21は実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す外観斜視図、図22は実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す断面斜視図、図23は実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す分解斜視図である。
実施例3の蓄熱器S3は、図19〜図23に示すように、貯液部1と、側面真空断熱層2(真空断熱層)と、入口側端面真空断熱層3(真空断熱層)と、出口側端面真空断熱層4(真空断熱層)と、蓄熱層5と、入口パイプ6と、出口パイプ7と、第1円筒側板38(筒状部材)と、第1入口側端板39(入口側板部材)と、第1出口側端板40(出口側板部材)と、第2円筒側板41(筒状部材)と、第2入口側端板42(入口側板部材)と、第2出口側端板43(出口側板部材)と、蛇腹円筒板44(筒状部材)と、を備えている。
実施例3の蓄熱器S3は、貯液部1の外周部に真空断熱層2,3,4を有し、前記貯液部1と前記側面真空断熱層2との間には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填した蓄熱層5を設けている。
前記貯液部1には、熱媒体を流入させる入口パイプ6と、熱媒体を流出させる出口パイプ7と、が設けられ、前記貯液部1と蓄熱層5とを仕切る壁部材を、熱媒体の入口から出口への流れに直交する方向に断面波形状の凹凸を有する蛇腹円筒板44としている。
前記入口パイプ6は、第2入口側端板42と第1入口側端板39とを貫通して固定され、前記出口パイプ7は、第2出口側端板43と第1出口側端板40とを貫通して固定される。
前記蓄熱層5に充填される蓄熱材は、潜熱蓄熱性素材として、融解点以上の温度域での固相から液相への相変化時に融解熱分を蓄熱し、凝固点以下の温度域での液相から固相への相変化時に凝固熱分を放熱するパラフィン系素材を用いている。
前記蓄熱材は、球状皮膜の内部にパラフィン系素材を封入してマイクロカプセル化したパラフィン封入カプセルであり、前記蓄熱層5には、前記パラフィン封入カプセルの集合体を、液相・固相間の相変化に伴う体積変化分(10%程度)を考慮して充填している。
前記内容器は、第1円筒側板38と、第1入口側端板39と、第1出口側端板40と、を有する。そして、前記第1円筒側板38の内側位置に、第1円筒側板38とは同心に蛇腹円筒板44を配置している。
前記外容器は、前記内容器の外側に配置され、第2円筒側板41と、第2入口側端板42と、第2出口側端板43と、を有する。
前記貯液部1は、蛇腹円筒板44と第1入口側端板39と第1出口側端板40とで囲まれる円柱状空間により構成される。なお、両端板39,40に対する蛇腹円筒板44の位置決めは、第1入口側端板39に形成された段差部39aと、第1出口側端板40に形成された段差部40aと、により行われる。
前記断熱層としては、側面真空断熱層2と、入口側端面真空断熱層3と、出口側端面真空断熱層4と、を有し、内容器と外容器との間に形成される間隙を真空化することにより構成される。
前記側面真空断熱層2は、第1円筒側板38と第2円筒側板41との間に円筒状の層として形成される。前記入口側端面真空断熱層3は、第1入口側端板39と第2入口側端板42との間に形成される。前記出口側端面真空断熱層4は、第1出口側端板40と第2出口側端板43との間に形成される。なお、側面真空断熱層2の径方向間隙は、第2入口側板42に形成された環状突部42aと、第2出口側端板43に形成された環状突部43aとにより位置決めされることで、外力が加わっても相対位置関係を変えることなく、一定の間隙に保たれる。
前記蓄熱層5は、第1円筒側板38と蛇腹円筒板44との間に形成される円筒状空間により構成される。なお、蓄熱層5の径方向間隙は、第1円筒側板38が環状突部42a,43aにより位置決めされ、蛇腹円筒板44が段差部39a,40aにより位置決めされることにより、一定の間隙に保たれる。
次に、作用を説明する。
[蓄熱器の製造方法]
実施例3の蓄熱器S3は、部品加工工程と、仮組み立て工程と、ロウ付け工程と、による真空ロウ付け方法により製造される。
・部品加工工程
部品加工工程では、蓄熱器S3を構成する構成部品が加工される。すなわち、貯液部1と蓄熱層5と真空断熱層2とを形成する3つの筒状部材38,41,44と、入口側板部材39,42と、出口側板部材40,43と、入口パイプ6と、出口パイプ7と、がプレスや打ち抜き成形等により加工される。
・仮組み立て工程
仮組み立て工程では、加工した構成部品が容器状に組み立てられる。すなわち、3つの筒状部材38,41,44を同心状に組み立て、その開口部を入口側板部材39,42と、出口側板部材40,43とで塞ぐことにより、貯液部1と蓄熱層5と真空断熱層2が形成される。
・ロウ付け工程
ロウ付け工程では、ロウ材を塗布し、治具により容器状に形を整えた後、炉に入れ、炉中内を真空化する真空引き工程と、炉中内の温度を上昇させる昇温工程と、溶けたロウにより部品間を固定するロウ付け工程と、ロウ付け固定した容器を冷却する冷却工程を経過してロウ付け固定を完了する。
なお、蓄熱層5への蓄熱材の封入に関しては、実施例2の場合と同様に、真空引きにより充填しても良いし、また、大気圧雰囲気の蓄熱層5へ流し込みにより蓄熱材を封入しても良い。
以上の工程により蓄熱器S3が製造される。
したがって、ロウ付け工程において、炉中の真空雰囲気を、安定した真空雰囲気とする管理を行うことにより、個別管理により大気雰囲気の中で真空引きを行う場合に比べ、バラツキのない安定した真空度品質の真空断熱層2,3,4を形成することができる。
また、ロウ付け工程では、部品間固定と真空化とが共に達成されるため、部品間を溶接等により固定した後の別工程にて真空断熱層を真空化する場合に比べ、工程が簡略化され、製造手間の減少や製造時間の短縮が図られる。
次に、効果を説明する。
実施例3の蓄熱器S3の製造方法にあっては、実施例1の蓄熱器S1の製造方法における(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記蓄熱器S2は、貯液部1の外周部に蓄熱層5と真空断熱層2を有し、前記蓄熱層5には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材Pを充填し、部品加工工程では、貯液部1と蓄熱層5と真空断熱層2とを形成する3つの筒状部材38,41,44と、入口側板部材39,42と、出口側板部材40,43と、を加工し、仮組み立て工程では、3つの筒状部材38,41,44を同心状に組み立て、その開口部を入口側板部材39,42と、出口側板部材40,43とで塞ぐことにより、貯液部1と蓄熱層5と真空断熱層2を形成したため、貯液部1の外周部に蓄熱層5と真空断熱層2を有し、高い蓄熱性能を持つ多重容器型の蓄熱器S3の製造方法を提供することができる。
以上、本発明の蓄熱器の製造方法を実施例1〜実施例3に基づき説明してきたが、具体的な製造方法については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
蓄熱器を構成する構成部品の形状としては、実施例1〜実施例3に示す形状に限られるものではなく、蓄熱器の構造タイプに応じた様々な形状としても良い。また、仮組み立て工程では、サブ組み立てを行うことなく、加工した構成部品を次々と組み付けて容器状に組み立てるようにしても良い。要するに、蓄熱器を構成する構成部品を加工する部品加工工程と、加工した構成部品を容器状に組み立てる仮組み立て工程と、仮組み立てした容器を、炉中で真空引きした後、昇温することで、真空雰囲気の中で各構成部品を一体にロウ付けするロウ付け工程と、を備えたものであれば本発明に含まれる。
実施例1では貯液部と真空断熱層を有する積層型の蓄熱器の製造方法の例を示し、実施例2では貯液部と蓄熱層と真空断熱層を有する積層型の蓄熱器の製造方法の例を示し、実施例3では貯液部と蓄熱層と真空断熱層を有する多重容器型の蓄熱器の製造方法の例を示した。しかし、例えば、貯液部と真空断熱層を有する多重容器型の蓄熱器の製造方法としても適用できる。要するに、少なくとも、貯液部と真空断熱層を有する蓄熱器の製造方法として適用することができる。
実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す縦断正面図である。 実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す図1のA部拡大図である。 実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す外観斜視図である。 実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す断面斜視図である。 実施例1の製造方法により製造された蓄熱器を示す分解斜視図である。 実施例1の蓄熱器S1の真空ロウ付け方法を示す工程図である。 実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す縦断正面図である。 実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す図7のB部拡大図である。 実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す外観斜視図である。 実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す断面斜視図である。 実施例2の製造方法により製造された蓄熱器を示す分解斜視図である。 実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法を示す工程図である。 実施例2の蓄熱器S2の炉中内での真空引き工程で真空度を向上させるためのエアー抜き溝を示す図である。 実施例2の蓄熱器S2の真空ロウ付け方法における蓄熱材封入工程を示す説明図である。 実施例2の蓄熱器S2を用いたエンジン冷却水循環システムの第1例を示すエンジン冷却水循環回路図である。 実施例2の蓄熱器S2を用いたエンジン冷却水循環システムの第2例を示すエンジン冷却水循環回路図である。 実施例2の蓄熱器S2を用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムの第1例を示す冷却水循環回路図である。 実施例2の蓄熱器S2を用いた駆動モータ用電装品冷却水循環システムの第2例を示す冷却水循環回路図である。 実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す縦断正面図である。 実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す図19のC部拡大図である。 実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す外観斜視図である。 実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す断面斜視図である。 実施例3の製造方法により製造された蓄熱器を示す分解斜視図である。
符号の説明
S1 蓄熱器
1 貯液部
2 真空断熱層(断熱層)
6 入口パイプ
7 出口パイプ
8 入口側蓋板
9 出口側蓋板
10 タンク構成要素
10a 第1隔壁部
10b 第2隔壁部
10c 内リブ
10d 外リブ
10e 断熱層空間
10f 貯液部空間
10g 位置決め突起
S2 蓄熱器
2 側面真空断熱層(真空断熱層)
3 入口側端面真空断熱層(真空断熱層)
4 出口側端面真空断熱層(真空断熱層)
15 入口側端板
16 入口側蓋板
17 出口側端板
18 出口側蓋板
19 タンク構成要素
19a 第1隔壁部
19b 第2隔壁部
19c 第3隔壁部
19d 内リブ
19e 外リブ
19f 断熱層空間
19g 蓄熱層空間
19h 貯液部空間
19i 位置決め突起
19j エアー抜け溝
20 キャップ
21 エンジン
22 ヒータコア
23 第1バルブ
24 第2バルブ
25 ラジエータ
26 サーモバルブ
27 循環ポンプ
28 コントローラ
29 ポンプ
30 インバータ冷却器
31 バッテリー冷却器
S3 蓄熱器
38 第1円筒側板(筒状部材)
39 第1入口側端板(入口側板部材)
40 第1出口側端板(出口側板部材)
41 第2円筒側板(筒状部材)
42 第2入口側端板(入口側板部材)
43 第2出口側端板(出口側板部材)
44 蛇腹円筒板(筒状部材)

Claims (8)

  1. 貯液部の外周部に真空断熱層を有する蓄熱器の製造方法において、
    前記蓄熱器を構成する構成部品を加工する部品加工工程と、
    前記加工した構成部品を容器状に組み立てる仮組み立て工程と、
    前記仮組み立てした容器を、炉中で真空引きした後、昇温することで、真空雰囲気の中で各構成部品を一体にロウ付けするロウ付け工程と、
    を備えたことを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  2. 請求項1に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記蓄熱器は、貯液部の外周部に真空断熱層を有し、
    前記部品加工工程は、貯液部空間と真空断熱層空間とを有する同一断面形状の板部材によるタンク構成要素と、入口側蓋板と、出口側蓋板と、を加工し、
    前記仮組み立て工程は、タンク構成要素を複数枚積層し、積層したタンク構成要素の開口部を入口側蓋板と出口側蓋板とで塞ぐことにより前記貯液部と前記真空断熱層を形成することを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  3. 請求項2に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記仮組み立て工程は、タンク構成要素に対しロウ材を塗布するロウ材塗布工程と、ロウ材を塗布したタンク構成要素を積層するサブ組み立て工程と、積層したタンク構成要素の開口部を入口側蓋板と出口側蓋板とで塞いで容器状に組み立てる組み立て工程と、を有することを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  4. 請求項1に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記蓄熱器は、貯液部の外周部に蓄熱層と真空断熱層を有し、前記蓄熱層には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填し、
    前記部品加工工程は、貯液部空間と蓄熱層空間と真空断熱層空間とを有する同一断面形状の板部材によるタンク構成要素と、入口側蓋板と、出口側蓋板と、を加工し、
    前記仮組み立て工程は、タンク構成要素を複数枚積層し、積層したタンク構成要素の開口部を入口側蓋板と出口側蓋板とで塞ぐことにより前記貯液部と前記蓄熱層と前記真空断熱層を形成することを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  5. 請求項4に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記タンク構成要素の積層接合面のうち、蓄熱層空間を挟んで貯液部空間と真空断熱層空間とを連結する連結部にエアー抜け溝を設け、
    前記ロウ付け工程は、炉中での真空引き時、前記エアー抜け溝を介して貯液部空間と真空断熱層空間とを連通し、炉中での昇温によるロウ付け時に毛細管現象によりロウ材を充填して塞ぐことを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  6. 請求項4または5に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記ロウ付け工程は、工程終了時、前記真空断熱層と共に前記蓄熱層も大気圧より減圧とする真空化状態とし、
    前記ロウ付け工程の後、真空化した前記蓄熱層に対し真空吸引により蓄熱材を充填し、その後、充填部分を封止する蓄熱材封入工程を追加したことを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  7. 請求項6に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記入口側部材もしくは出口側部材に形成した蓄熱材封入部に、基準板厚に対して厚みを薄くした薄肉部を形成し、
    前記蓄熱材封入工程は、蓄熱材を充填した封入機の先端部を、前記蓄熱材封入部に差し込み薄肉部を突き破ることで、真空吸引力により蓄熱材を蓄熱層に吸い込ませ、蓄熱層に蓄熱材が充填されると、突き破られた蓄熱材封入部にキャップを差し込み係合することで塞ぐことを特徴とする蓄熱器の製造方法。
  8. 請求項1に記載された蓄熱器の製造方法において、
    前記蓄熱器は、貯液部の外周部に蓄熱層と真空断熱層を有し、前記蓄熱層には、液相・固相間の相変化に伴い熱の吸収と放出を行う蓄熱材を充填し、
    前記部品加工工程は、貯液部と蓄熱層と真空断熱層とを形成する3つの筒状部材と、入口側板部材と、出口側板部材と、を加工し、
    前記仮組み立て工程は、3つの筒状部材を同心状に組み立て、その開口部を入口側板部材と出口側板部材とで塞ぐことにより前記貯液部と前記蓄熱層と前記真空断熱層を形成することを特徴とする蓄熱器の製造方法。
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