JP2008051144A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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義之 大河原
Hiroaki Watanabe
浩明 渡辺
Takayuki Ogawa
小川  貴之
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Abstract

【課題】作動油の熱膨張によって生じる制輪子の引きずりを防止する車両用ブレーキ装置を提供する。
【解決手段】ブレーキ解除時にフリーピストン12がシリンダ21にて作動油の流れを止めることによりディスクロータ1と制輪子9とのブレーキ隙間を調整する車両用ブレーキ装置において、上流室15と下流室16を結ぶバイパス通路50と、上流室15に対する下流室16の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴ってバイパス通路50を開通するパイロットバルブ60とを備え、ブレーキ解除時に下流室16の作動油圧が所定値を超えて上昇するのに伴ってパイロットバルブ60がバイパス通路50を開通し、下流室16の作動油がバイパス通路50を通って上流室15へと流れる構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディスクロータと制輪子とのブレーキ隙間を自動的に調整する車両用ブレーキ装置の改良に関するものである。
車両用ブレーキ装置において、制輪子のライニングが摩耗してもブレーキ解除時におけるディスクロータと制輪子とのブレーキ隙間を自動的に調整するものがある(特許文献1、2参照)。
以下、制輪子のライニングとディスクロータ間の隙間をブレーキ隙間と呼ぶ。
従来、この種の鉄道車両用キャリパブレーキ装置として、図7に示すものがある。
これについて説明すると、1は車輪と一体に回転するディスクロータ、2はディスクロータ1に跨がるブレーキキャリパで、ディスクロータ1を挟む両側に制輪子9のライニング3が配置される。
制輪子9はブレーキキャリパ2に複数のアンカピン4を介して車軸方向へ移動可能に支持される。各アンカピン4の内部に戻しバネ6が介装され、この戻しバネ6が制輪子9をディスクロータ1から離す方向に付勢している。
ブレーキキャリパ2には複数の油圧ピストン7が設けられ、この油圧ピストン7はブレーキ油圧通路10から導かれる油圧によってブレーキキャリパ2から押し出されて制輪子9をディスクロータ1に押圧し、車輪の回転を制動する。
ブレーキ油圧通路10にはアジャスタバルブ11が介装され、このアジャスタバルブ11のハウジング20内にはフリーピストン12が摺動可能に介装される。このフリーピストン12によってブレーキ油圧通路10における作動油の戻り量が制限されることにより、ディスクロータ1と制輪子9のブレーキ隙間が自動的に調整される。
アジャスタバルブ11の作動を図7の(a),(b),(c),(d)に基づいて説明する。なお、図中にハッチングを入れた部分はアジャスタバルブ11に介在する作動油を示している。
初期状態及びブレーキ解除時は、図7の(a)に示すように、アジャスタバルブ11のフリーピストン12が矢印B方向に移動しており、油圧ピストン7が戻しバネ6の付勢力によってブレーキキャリパ2に引き込まれ、ディスクロータ1が制輪子9とのブレーキ隙間が所定値になるように保持される。
ブレーキ通常作動時は、図7の(b)に示すように、ブレーキ油圧通路10から導かれる油圧が高まることによりアジャスタバルブ11のフリーピストン12が矢印A方向に移動し、アジャスタバルブ11のハウジング20内から押し出される作動油によって油圧ピストン7がブレーキキャリパ2から押し出され、制輪子9をディスクロータ1に押圧する。
ライニング3の摩耗量が大きくなるのに伴ってフリーピストン12の作動ストロークが次第に大きくなり、やがてライニング3の摩耗量が所定値を超えると、図7の(c)に示すように、アジャスタバルブ11のフリーピストン12が移動して下流側キャップ13に当接した底付き状態になり、フリーピストン12のシールリング19とハウジング20の間に画成される環状隙間22を通ってライニング摩耗分の油量が追加供給され、この作動油によって油圧ピストン7がブレーキキャリパ2から押し出され、制輪子9をディスクロータ1に押圧する。
その後にブレーキ解除されるアジャスト時は、図7の(d)、図8の(a)に示すように、アジャスタバルブ11のフリーピストン12が移動して上流側キャップ14に当接して作動油の流れを止めることにより、油圧ピストン7から必要油量分の作動油がハウジング20内に戻され、ライニング3の摩耗分の油量の作動油が油圧ピストン7に残されることによってディスクロータ1と制輪子9とのブレーキ隙間が自動的に調整される。
特開平10−110759号公報 特開2000−179594号公報
しかしながら、このような従来の車両用ブレーキ装置にあっては、作動油の熱膨張によってブレーキ隙間が減少するという問題点があった。
これについて詳述すると、図8の(a)に示すブレーキ解除時にて、制動時等に発生する熱によってブレーキ油圧通路10の作動油が膨張する場合に、アジャスタバルブ11と油圧ピストン7の間の作動油圧が上昇するため、図8の(b)に示すように、ディスクロータ1と制輪子9とのブレーキ隙間が所定値より減少して制輪子がディスクロータ1に当たる制輪子の引きずりが生じる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、作動油の熱膨張によって生じる制輪子の引きずりを防止する車両用ブレーキ装置を提供することを目的とする。
本発明は、制輪子をディスクロータから離す方向に付勢する戻しバネと、制輪子をディスクロータに押圧する油圧ピストンと、この油圧ピストンに作動油圧を導くブレーキ油圧通路と、ブレーキ解除時に油圧ピストンから戻される作動油量を制限するアジャスタバルブとを備え、このアジャスタバルブはブレーキ油圧通路を画成するシリンダと、このシリンダに摺動可能に介装されて上流室と下流室を仕切るフリーピストンとを備え、ブレーキ解除時にフリーピストンがシリンダにて作動油の流れを止めることによりディスクロータと制輪子とのブレーキ隙間を調整する車両用ブレーキ装置において、上流室と下流室を結ぶバイパス通路と、上流室に対する下流室の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴ってバイパス通路を開通するパイロットバルブとを備え、ブレーキ解除時に下流室の作動油圧が所定値を超えて上昇するのに伴ってパイロットバルブがバイパス通路を開通し、下流室の作動油がバイパス通路を通って上流室へと流れる構成としたことを特徴とするものとした。
本発明によると、ブレーキ解除時に下流室の作動油圧が所定値を超えて上昇するのに伴ってパイロットバルブがバイパス通路を開通し、下流室の作動油がバイパス通路を通って上流室へと流れ、この作動油の流れによってブレーキキャリパから押し出された油圧ピストンが引き戻され、ブレーキ隙間が所定値に保たれる。これにより、ブレーキ解除時に作動油の熱膨張によって制輪子がディスクロータに当たる制輪子の引きずりを防止できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は鉄道車両用キャリパブレーキ装置に備えられるアジャスタバルブ11の断面図
であり、これは前記図7の従来例と同じ構成部には同一符号を付している。図2の(a),(b),(c),(d)はアジャスタバルブ11の作動状態を示す断面図である。
このキャリパブレーキ装置は図示しないブレーキ増圧機構がブレーキ操作量に応じた油圧を発生し、この作動油圧がブレーキ油圧通路10を介してブレーキキャリパ2の油圧ピストン7に導かれることにより、油圧ピストン7が制輪子9を車輪のディスクロータ1に押し付け、車輪の回転を制動するようになっている。
制輪子9はブレーキキャリパ2に複数のアンカピン4を介して車軸方向へ移動可能に支持される。各アンカピン4の内部に戻しバネ6が介装され、この戻しバネ6が制輪子9をディスクロータ1から離す方向に付勢している。
ブレーキ油圧通路10にアジャスタバルブ11が介装される。アジャスタバルブ11のハウジング20にはシリンダ21が形成され、このシリンダ21内にフリーピストン12を摺動可能に収容され、このシリンダ21内がフリーピストン12によって上流室15と下流室16に仕切られる。上流室15は図示しない配管を介して車両のブレーキ増圧機構に連通し、下流室16はブレーキキャリパ2の油圧ピストン7に連通する。ハウジング20の両端には上流側キャップ14と下流側キャップ13がそれぞれ締結される。
フリーピストン12の外周部にはシールリング19が介装され、このシールリング19がシリンダ21に摺接することにより上流室15と下流室16の間を密封する。フリーピストン12の外周面にはシールリング19を挟んで複数の溝17,18がそれぞれ形成される。フリーピストン12の両端面には溝27,28がそれぞれ形成される。
シリンダ21の一端には環状に窪む下流側凹部23が形成され、フリーピストン12のシールリング19がこの下流側凹部23に対峙する位置に来ることにより、作動油がフリーピストン12と下流側凹部23の間に画成される環状隙間を通ってフリーピストン12を迂回して流れるようになっている。
アジャスタバルブ11は、ライニング3が摩耗した場合のブレーキ作動時に、フリーピストン12が下流側キャップ13に当接するまで移動し、シールリング19が下流側凹部23に対峙して環状隙間を画成し、上流室15の作動油がこの環状隙間を通って下流室16へと流れる。
アジャスタバルブ11は、上流室15と下流室16を結ぶバイパス通路50と、上流室15に対する下流室16の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴ってバイパス通路50を開通するパイロットバルブ60とを備える。
パイロットバルブ60は、バイパス通路50を画成するパイロットシリンダ51と、このパイロットシリンダ51内に摺動可能に収容されるパイロットピストン52と、パイロットピストン52をパイロットシリンダ51の下流方向(図中右方向)に付勢するリリーフスプリング53と、ブレーキ解除時にパイロットピストン52がパイロットシリンダ51の上流方向(図中左方向)に所定のストロークを超えて摺動するとパイロットピストン52の外周部に対峙してバイパス通路50を開通するパイロット凹部54とを備え、上流室15に対する下流室16の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴ってバイパス通路50を開通する構成とする。
パイロットシリンダ51はハウジング20に形成され、ハウジング20にはパイロットシリンダ51の開口端を閉塞するキャップ67が介装される。パイロットピストン52はその下流側ロッド部68がこのキャップ67に当接することによりパイロットシリンダ51の下流方向の変位が規制される。
パイロットピストン52とシリンダ21の底部の間にはコイル状のリリーフスプリング53が圧縮して介装される。パイロットピストン52はその上流側ロッド部69がこのシリンダ21の底部に当接することによりパイロットシリンダ51の上流方向の変位が規制される。
パイロットシリンダ51内がパイロットピストン52によってパイロット上流室55とパイロット下流室56に仕切られる。
パイロット上流室55は通孔65を介してシリンダ21の上流室15に連通している。この通孔65は上流側キャップ14に当接するフリーピストン12の溝17と溝27に対峙して開口し、フリーピストン12の位置によらず常にブレーキ油圧通路10の上流側に連通している。
パイロット下流室56は通孔66を介してシリンダ21の下流室16に連通している。この通孔66は下流側凹部23に開口し、フリーピストン12の位置によらず常にブレーキ油圧通路10の下流側に連通している。
パイロットピストン52の外周部にはシールリング59が介装され、このシールリング59がパイロットシリンダ51に摺接することによりパイロット上流室55とパイロット下流室56の間を密封する。
パイロット凹部54はパイロットシリンダ51に対して環状に窪み、パイロットピストン52のシールリング59がこのパイロット凹部54に対峙する位置に来ることにより、作動油がパイロットピストン52とパイロット凹部54の間に画成される環状隙間を通ってパイロットピストン52を迂回して流れるようになっている。
アジャスタバルブ11とパイロットバルブ60の作動を図2の(a),(b),(c),(d)に基づいて説明する。なお、図中にハッチングを入れた部分はアジャスタバルブ11に介在する作動油を示している。
初期状態及びブレーキ解除時は、図2の(a)に示すように、油圧ピストン7が戻しバネ6の付勢力によってブレーキキャリパ2に引き込まれるが、フリーピストン12が上流側キャップ14に当接して作動油の流れを止めることにより、ディスクロータ1が制輪子9とのブレーキ隙間が所定値になるように保持される。
このとき、パイロットバルブ60はリリーフスプリング53の付勢力によりパイロットピストン52が閉位置に保持され、バイパス通路50を閉塞する。
ブレーキ通常作動時は、図2の(b)に示すように、ブレーキ油圧通路10から上流室15に導かれる油圧が高まることによりフリーピストン12がシリンダ21の下流方向(矢印A方向)に移動し、これに伴ってアジャスタバルブ11のハウジング20内から流出される作動油によって油圧ピストン7がブレーキキャリパ2から押し出され、制輪子9をディスクロータ1に押圧する。
このとき、パイロットバルブ60はブレーキ油圧通路10からパイロット上流室55に導かれる油圧が高まることによりパイロットピストン52がパイロットシリンダ51の下流方向(矢印A方向)に移動した閉位置に保持され、バイパス通路50を閉塞する。
ライニング3の摩耗量が大きくなるのに伴ってフリーピストン12の作動ストロークが次第に大きくなり、やがてライニング3の摩耗量が所定値を超えると、図2の(c)に示すように、フリーピストン12が移動して下流側キャップ13に当接した底付き状態になり、上流室15の作動油がシールリング19と下流側凹部23の間に画成される環状隙間を通って下流室16へと流れ、この作動油によって油圧ピストン7がブレーキキャリパ2から押し出され、制輪子9をディスクロータ1に押圧する。
このときも、パイロットバルブ60はブレーキ油圧通路10からパイロット上流室55に導かれる油圧が高まることによりパイロットピストン52がパイロットシリンダ51の下流方向(矢印A方向)に移動した閉位置に保持され、バイパス通路50を閉塞する。
その後にブレーキ解除されるアジャスト時は、フリーピストン12が上流側に移動した後、図2の(d)に示すように、上流側キャップ14に当接して作動油の流れを止めることにより、油圧ピストン7から必要油量分の作動油がハウジング20内に戻され、ライニング3の摩耗分の油量の作動油が油圧ピストン7に残され、ディスクロータ1と制輪子9のブレーキ隙間が所定値になる。
このとき、パイロットバルブ60はリリーフスプリング53の付勢力によりパイロットピストン52が閉位置に保持され、バイパス通路50を閉塞する。
図2の(d)に示すブレーキ解除時の状態にて、制動時等に発生する熱によってブレーキ油圧通路10の作動油が膨張する場合に、アジャスタバルブ11と油圧ピストン7の間の作動油圧が所定値を超えて上昇すると、パイロットバルブ60はパイロットピストン52がリリーフスプリング53に抗してパイロットシリンダ51の上流方向に移動してシールリング59がパイロット凹部54に対峙し、パイロット下流室56の作動油がシールリング59とパイロット凹部54の間に画成される環状隙間を通ってパイロット上流室55へと流れる。こうしてバイパス通路50を流れる作動油によって油圧ピストン7がブレーキキャリパ2に引き込まれ、アジャスタバルブ11と油圧ピストン7の間の作動油圧が所定値以下に低下すると、リリーフスプリング53の付勢力によってパイロットピストン52がパイロットシリンダ51に対峙する閉位置に移動してパイロットピストン52がバイパス通路50における作動油の流れを止めることにより、ディスクロータ1と制輪子9のブレーキ隙間が所定値に保たれる。こうして作動油の熱膨張によって制輪子9がディスクロータ1に当たることを防止できる。
本実施形態では、制輪子9をディスクロータ1から離す方向に付勢する戻しバネ6と、制輪子9をディスクロータ1に押圧する油圧ピストン7と、この油圧ピストン7に作動油圧を導くブレーキ油圧通路10と、ブレーキ解除時に油圧ピストン7から戻される作動油量を制限するアジャスタバルブ11とを備え、このアジャスタバルブ11はブレーキ油圧通路10を画成するシリンダ21と、このシリンダ21に摺動可能に介装されて上流室15と下流室16を仕切るフリーピストン12とを備え、ブレーキ解除時にフリーピストン12がシリンダ21にて作動油の流れを止めることによりディスクロータ1と制輪子9とのブレーキ隙間を調整する車両用ブレーキ装置において、上流室15と下流室16を結ぶバイパス通路50と、上流室15に対する下流室16の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴ってバイパス通路50を開通するパイロットバルブ60とを備え、ブレーキ解除時に下流室16の作動油圧が所定値を超えて上昇するのに伴ってパイロットバルブ60がバイパス通路50を開通し、下流室16の作動油がバイパス通路50を通って上流室15へと流れる構成としたため、この作動油の流れによってブレーキキャリパ2から押し出された油圧ピストン7が引き戻され、ブレーキ隙間が所定値に保たれる。これにより、ブレーキ解除時に作動油の熱膨張によって制輪子9がディスクロータ1に当たることを防止できる。
本実施形態では、パイロットバルブ60は、バイパス通路50を画成するパイロットシリンダ51と、このパイロットシリンダ51内に摺動可能に収容されるパイロットピストン52と、このパイロットピストン52をパイロットシリンダ51の下流方向に付勢するリリーフスプリング53と、ブレーキ解除時にパイロットピストン52がパイロットシリンダ51の上流方向に所定のストロークを超えて移動するとパイロットピストン52の外周部に対峙してバイパス通路50を開通するパイロット凹部54とを備えたため、上流室15に対する下流室16の作動油圧に応じてバイパス通路50を的確に開閉することができる。
次に図3に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
アジャスタバルブ11は、フリーピストン12と下流側キャップ13の間にコイル状のリターンスプリング45が圧縮して介装される。このリターンスプリング45はフリーピストン12を全ストロークに渡ってシリンダ21の上流方向(図4において左方向)に付勢する。
本実施形態では、ブレーキ作動時にフリーピストン12がシリンダ21の下流方向に所定のストロークを超えて移動するときにフリーピストン12の外周部に対峙して上流室15と下流室16を連通する下流側凹部23と、フリーピストン12を全ストロークに渡ってシリンダ21の上流方向に付勢するリターンスプリング45を備えたため、シールリング19が下流側凹部23からシリンダ21に摺接する位置に復帰する作動が確実に行われるとともに、フリーピストン12がシリンダ21を摺動して上流側キャップ14に当接する初期位置に復帰する作動が確実に行われる。
次に図4に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
パイロットバルブ60はパイロットピストン52を閉位置に係止するデテント機構70を備える。このデテント機構70はキャップ67に開口する係合凹部72と、パイロットピストン52の一端から突出する係止爪部71とを備える。
ブレーキ作動時等にパイロットピストン52がパイロットシリンダ51の下流方向(図中右方向)の閉位置に移動すると、係止爪部71が弾性変形して係合凹部72に係合し、パイロットピストン52が閉位置に係止され、パイロットバルブ60が不用意に開弁することが防止される。
ブレーキ解除時にて制動時等に発生する熱によってブレーキ油圧通路10の作動油が膨張する場合に、アジャスタバルブ11と油圧ピストン7の間の作動油圧が所定値を超えて上昇すると、パイロットバルブ60は係止爪部71が弾性変形して係合凹部72から外れ、リリーフスプリング53に抗してパイロットシリンダ51の上流方向に移動してバイパス通路50を開通させる。
本実施形態では、弾性変形する係止爪部71がパイロットピストン52をバイパス通路50を閉塞する位置に係止するデテント機構70を備えたため、パイロットピストン52の開弁作動を安定させることができる。
次に図5に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図1の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
バイパス通路50はフリーピストン12を貫通して形成され、フリーピストン12にパイロットシリンダ81が形成される。
パイロットバルブ60は、バイパス通路50を画成するパイロットシリンダ81と、このパイロットシリンダ81内に摺動可能に収容されるパイロットピストン52と、パイロットピストン52をパイロットシリンダ51の下流方向(図中右方向)に付勢するリリーフスプリング53と、ブレーキ解除時にパイロットピストン52がパイロットシリンダ81の上流方向(図中左方向)に所定のストロークを超えて摺動するとパイロットピストン52の外周部に対峙してバイパス通路50を開通するパイロット凹部84とを備え、上流室15に対する下流室16の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴ってバイパス通路50を開通する構成とする。
本実施形態では、バイパス通路50をフリーピストン12を貫通して形成したため、フリーピストン12を収容するハウジング20の構造を簡素化することができる。
次に図6に示す他の実施形態を説明する。これは基本的には図3の実施形態と同じ構成を有し、相違する部分のみを説明する。なお、前記実施形態と同一構成部には同一符号を付す。
パイロットバルブ60はパイロットピストン52を移動させてパイロットバルブ60を手動で開弁させる手動開弁機構90を備える。
この手動開弁機構90として、ハウジング20にパイロットシリンダ51の開口端を閉塞するキャップ91が介装され、このキャップ91を貫通する穴92が形成され、パイロットピストン52の下流側ロッド部68がこのキャップ91の穴92に摺動可能に挿入される。
制輪子のライニングを交換する作業時、パイロットピストン52の下流側ロッド部68を図中矢印で示す方向から手動で押すことにより、シールリング59がパイロットシリンダ51の上流方向に移動してパイロット凹部54に対峙し、パイロット下流室56の作動油がシールリング59とパイロット凹部54の間に画成される環状隙間を通ってパイロット上流室55へと流れる。こうしてバイパス通路50を流れる作動油によって油圧ピストンがブレーキキャリパに引き込まれ、制輪子のライニングをディスクロータから離す作業を容易に行える。
本実施形態では、パイロットピストン52を手動で移動させてパイロットバルブ60を開弁させる手動開弁機構90を備えたため、制輪子のライニングを交換する作業時、バイパス通路50を開通させて油圧ピストンをブレーキキャリパに引き込むことにより、制輪子のライニングをディスクロータから離す作業を容易に行える。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明の実施の形態を示すアジャスタバルブの断面図。 同じくブレーキ装置の作動状態を示す断面図。 他の実施の形態を示すアジャスタバルブの断面図。 さらに他の実施の形態を示すアジャスタバルブの断面図。 さらに他の実施の形態を示すアジャスタバルブの断面図。 さらに他の実施の形態を示すアジャスタバルブの断面図。 従来例としてブレーキ装置の作動状態を示す断面図。 同じくブレーキ装置の作動状態を示す断面図。
符号の説明
1 ディスクロータ
2 ブレーキキャリパ
3 ライニング
4 アンカピン
6 戻しバネ
7 油圧ピストン
10 ブレーキ油圧通路
11 アジャスタバルブ
12 フリーピストン
15 上流室
16 下流室
19 シールリング
21 シリンダ
23 下流側凹部
45 リターンスプリング
50 バイパス回路
60 パイロットバルブ
51 パイロットシリンダ
52 パイロットピストン
53 リリーフスプリング
54 パイロット凹部
70 デテント機構
90 手動開弁機構

Claims (6)

  1. 制輪子をディスクロータから離す方向に付勢する戻しバネと、制輪子をディスクロータに押圧する油圧ピストンと、この油圧ピストンに作動油圧を導くブレーキ油圧通路と、ブレーキ解除時に前記油圧ピストンから戻される作動油量を制限するアジャスタバルブとを備え、このアジャスタバルブは前記ブレーキ油圧通路を画成するシリンダと、このシリンダに摺動可能に介装されて上流室と下流室を仕切るフリーピストンとを備え、ブレーキ解除時に前記フリーピストンが前記シリンダにて作動油の流れを止めることにより前記ディスクロータと前記制輪子とのブレーキ隙間を調整する車両用ブレーキ装置において、
    前記上流室と前記下流室を結ぶバイパス通路と、前記上流室に対する前記下流室の作動油圧が所定値を超えて高まるのに伴って前記バイパス通路を開通するパイロットバルブとを備え、ブレーキ解除時に前記下流室の作動油圧が所定値を超えて上昇するのに伴って前記パイロットバルブが前記バイパス通路を開通し、前記下流室の作動油が前記バイパス通路を通って前記上流室へと流れる構成としたことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 前記パイロットバルブは、前記バイパス通路を画成するパイロットシリンダと、このパイロットシリンダ内に摺動可能に収容されるパイロットピストンと、このパイロットピストンを前記パイロットシリンダの下流方向に付勢するリリーフスプリングと、ブレーキ解除時に前記パイロットピストンが前記パイロットシリンダの上流方向に所定のストロークを超えて移動すると前記パイロットピストンの外周部に対峙して前記バイパス通路を開通するパイロット凹部とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ装置。
  3. ブレーキ作動時に前記フリーピストンが前記シリンダの下流方向に所定のストロークを超えて移動するときに前記フリーピストンの外周部に対峙して前記上流室と前記下流室を連通する下流側凹部と、前記フリーピストンを全ストロークに渡って前記シリンダの上流方向に付勢するリターンスプリングを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ装置。
  4. 弾性変形する係止爪部が前記パイロットピストンを前記バイパス通路を閉塞する位置に係止するデテント機構を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用ブレーキ装置。
  5. 前記バイパス通路をフリーピストンを貫通して形成したことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の車両用ブレーキ装置。
  6. 前記パイロットピストンを手動で移動させて前記パイロットバルブを開弁させる手動開弁機構を備えたことを特徴とする請求項2から5のいずれか一つに記載の車両用ブレーキ装置。
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