JP2008050679A - 金属粉体の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属粉体を簡易な操作で生産性良く製造することができる金属粉体の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】金属粉体の製造装置は、液体としての水12が貯留される水槽11と、導電性材料より形成され、少なくとも一方が金属材料であり、保持手段により水槽11中に対向して保持される第1の電極14及び第2の電極20と、第1の電極14と第2の電極20との間に電圧を印加する電圧印加手段と、第1の電極14と第2の電極20とを摺接するように回転させる移動手段とを備えている。そして、第1の電極14及び第2の電極20間に電圧を印加した状態で、第2の電極20を回転させ、第1の電極14に摺接させることにより、第1の電極14と第2の電極20との間に生ずる放電現象に基づいて金属材料の表面を溶融させて遊離させた後、その遊離物を凝固させて金属粉体が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄、チタン等の金属粉体を簡易な操作で生産性良く製造することができる金属粉体の製造方法及び製造装置に関するものである。
鉄、チタン等の金属粉体を製造する方法としては、従来よりボールミル等のミルを用いて塊状の金属材料を粉砕し、微細化する機械的処理方法が一般的であった。例えば、主原料として箔状片のアルミニウム、マグネシウム等と、副原料として粉体の銅、亜鉛等を混合し、機械的合金化法によって粉体化するとともに合金化処理し、次いで圧粉処理、焼結処理及び固化処理する微細結晶材料の製造方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002−129208号公報(第2頁及び第3頁)
ところが、特許文献1に記載されているボールミル等を用いた機械的な金属粉体の製造方法では、機械的合金化法による粉体化及び合金化処理、圧粉処理、焼結処理及び固化処理を順に行う必要があり、それらの処理操作が非常に煩雑であった。さらに、粉体化が完了するまでには、ミルなどの装置を長時間稼動させる必要があったため生産性に劣るという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、金属粉体を簡易な操作で生産性良く製造することができる金属粉体の製造方法及び製造装置を提供することにある。
本発明者は、水中において、板状をなす2つの金属電極間に電圧を印加した状態で、それらをこすり合わせることにより、それら電極表面の摺接部分における材料が溶融して遊離し、その遊離物が速やかに凝固して粉体となることを見い出した。これは、それら電極間に生ずるアーク放電により瞬間的に大きなエネルギーが発生することに基づくものであると考えられる。そして、そのような方法を採ることにより、金属粉体を容易に得ることができ、また条件によっては金属酸化物などの金属化合物も得ることができることを確認し、本発明を完成した。
すなわち、請求項1に記載の発明の金属粉体の製造方法は、液体中に、導電性材料より形成され、少なくとも一方が金属材料である第1の電極と第2の電極とを対向させて配置し、それら第1の電極及び第2の電極間に電圧を印加した状態で、第1の電極と第2の電極とを摺接するように移動させることにより、第1の電極と第2の電極との間に生ずる放電現象に基づいて金属材料の表面を溶融させて遊離させた後、その遊離物を凝固させて金属粉体を形成することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明の金属粉体の製造方法は、請求項1に係る発明において、前記液体は、水であることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明の金属粉体の製造方法は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記第1の電極と第2の電極とを異種材料で構成することにより、複合化された金属粉体を得ることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明の金属粉体の製造方法は、請求項1又は請求項2に係る発明において、前記液体中に、両電極とは異なる第3の物質を分散させておくことにより、第3の物質を含む複合材料からなる金属粉体を形成することを特徴とするものである。
請求項5に係る発明の金属粉体の製造装置は、液体が貯留される貯留槽と、導電性材料より形成され、少なくとも一方が金属材料であり、保持手段により貯留槽中に対向して保持される第1の電極及び第2の電極と、前記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、前記第1の電極と第2の電極とを摺接するように移動させる移動手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明の金属粉体の製造装置は、請求項5に係る発明において、前記貯留槽中の液体の温度上昇を抑えるための温度調節手段を備えていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明の金属粉体の製造装置は、請求項5又は請求項6に係る発明において、前記移動手段は、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方を回転させる回転機構であることを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に係る発明の金属粉体の製造方法では、液体中に、第1の電極と第2の電極とを対向させて配置し、それら第1の電極及び第2の電極間に電圧を印加した状態で、第1の電極と第2の電極とを摺接するように移動させる。この場合、第1の電極と第2の電極との間に生ずる放電現象に基づいて金属材料の表面が溶融して遊離し、その遊離物が凝固して金属粉体が形成される。そのため、金属材料で形成された2つの電極間に電圧を印加し、両電極を摺接するという操作だけで金属粉体を連続的に短時間のうちに製造することができる。従って、従来の金属材料を機械的に粉砕する場合に比べて、金属粉体を簡易な操作で生産性良く製造することができる。
請求項2に係る発明の金属粉体の製造方法では、液体は水であることから、請求項1に係る発明の効果に加えて、金属粉体の製造を最も簡便に、かつ安定した状態で行うことができる。
請求項3に係る発明の金属粉体の製造方法では、第1の電極と第2の電極とを異種材料で構成し、複合化された金属粉体を得ることから、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、それら異種材料により複合化された金属粉体を容易に製造することができる。
請求項4に係る発明の金属粉体の製造方法では、液体中に両電極とは異なる第3の物質を分散させておくことにより、第3の物質を含む複合材料からなる金属粉体を形成するものである。従って、請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加えて、両電極間に電圧を印加したときに得られる遊離物が、液体中に分散された第3の物質と結合するなどの反応が生じ、その結果第3の物質を含んだ複合材料よりなる金属粉体を容易に得ることができ、その用途や有用性についての可能性を広げることができる。
請求項5に係る発明の金属粉体の製造装置は、液体が貯留される貯留槽と、該貯留槽中に対向して保持される第1の電極及び第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、第1の電極と第2の電極とを摺接するように移動させる移動手段とを備えている。このため、簡単な装置で、金属粉体を簡易な操作により生産性良く製造することができる。
請求項6に係る発明の金属粉体の製造装置では、貯留槽中の液体の温度上昇を抑えるための温度調節手段を備えている。このため、請求項5に係る発明の効果に加えて、電極間の放電によって上昇する貯留槽内の液体の温度を温度調節手段により抑えることができ、長時間に渡って安定した状態で金属粉体を連続的に製造することが可能となる。
請求項7に係る発明の金属粉体の製造装置では、移動手段は第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方を回転させる回転機構である。従って、請求項5又は請求項6に係る発明の効果に加えて、第1の電極と第2の電極とを連続的に摺接させることができ、電極を直線的に往復移動させるような場合に比べて、より効率的に金属粉体を製造することができる。
以下、本発明の最良と思われる実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態における金属粉体の製造方法を実施するための製造装置全体の概略構成を示す説明図であり、図2は第2の電極を示す底面図である。図1において、貯留槽としての水槽11は有底円筒状に構成され、その内部には液体としての水12が収容され、得られる金属粉体を良好に分散させるようになっている。液体はアルコール等の有機溶媒であってもよいが、取扱いの容易性、金属粉体製造の安定性などの点から水が最も好ましい。ここで、「金属粉体」とは、単一種類の金属の粉体は勿論、複数の金属の複合材料、金属酸化物等の金属化合物、さらにはそれらが複合化された物質などの粉体をも含む概念である。
水槽11の内底部中心位置には、例えばステンレス鋼により円板状に形成されたベースプレート13が固定され、このベースプレート13の上面には導電性材料としての金属材料から形成された第1の電極14が固着されている。従って、このベースプレート13が第1の電極14の保持手段として機能している。該ベースプレート13は、水槽11の外周面下端部に設けられた通電用端子15と電気的に接続されている。前記第1の電極14は、例えば鉄(Fe、融点1535℃、沸点3000℃)によりベースプレート13と同じ大きさの円板状に形成されている。
水槽11内の上段部及び中段部のそれぞれには、絶縁材料により形成された回転軸支持具16が、放射状に設けられた支持棒17により水槽11の周壁に支持されている。係る水槽11内には、上下方向に延びるステンレス鋼製の回転軸18が上下2段の回転軸支持具16により、回転可能かつ上下動可能に支持されている。この回転軸18の下端部には、ステンレス鋼により円板状に形成された回転プレート19が一体的に設けられており、該回転プレート19の下面に導電性材料としての金属材料からなる第2の電極20が保持されている。この第1実施形態では、第2の電極20は、前記第1の電極14と同一種類の金属材料である鉄により構成されている。図2に示すように、第2の電極20は、鉄製の幅の狭い薄板からなり、回転プレート19の下面に、全体として十字状をなすように取り付けられている。これら回転軸支持具16、回転軸18及び回転プレート19により第2の電極20の保持手段が構成されている。
前記第1の電極14及び第2の電極20を形成する導電性材料としては、金属材料のほか、カーボン等が用いられる。金属材料としては、鉄以外にチタン(Ti、融点1800℃、沸点3000℃)、アルミニウム(Al、融点660℃、沸点2270℃)、亜鉛(Zn、融点419℃、沸点907℃)、銅(Cu、融点1083℃、沸点2595℃)等が用いられる。これらの金属材料は、単独で或いは適宜組合せて使用することができる。例えば、第1の電極14の金属材料をチタンとし、第2の電極20の金属材料を鉄とすれば、チタン、鉄、及びチタンと鉄との複合材料よりなる金属粉体を製造することができる。
一方、回転軸18の上端部には、通電用ロータリージョイント21が設けられ、この通電用ロータリージョイント21には、回転軸18が回転しても、静止状態を維持しつつ、該回転軸18に電気的に接続される通電用端子22が設けられている。水槽11の外部には電圧印加手段としての電源装置23が設けられ、この電源装置23には接続ケーブル24を介して前記通電用端子15、22が接続されている。この電源装置23により、通電用端子15、22を介して第1の電極14及び第2の電極20間に所定電圧が得られるよう通電するようになっている。
第1の電極14及び第2の電極20間に通電される電流は、交流及び直流のいずれであってもよい。その際の印加される電圧は100〜400Vであることが好ましく、150〜250Vであることがより好ましい。また、電流は100〜300Aであることが好ましく、180〜220Aであることがより好ましい。電圧が100V未満又は電流が100A未満の場合には、電極14、20間のアーク放電が十分に行われず、電極14、20を構成する金属材料の溶融が不十分になったり、溶融に時間を要したりして好ましくない。その一方、電圧が400Vを越え又は電流が300Aを越える場合には、製造装置を高電圧、高電流に耐え得るように改造したり、取扱いが難しくなったりして好ましくない。ここで、交流及び直流を用いて金属粉体を製造する場合のいずれの場合にも、第1の電極14及び第2の電極20に用いられる金属材料は略均等の割合で溶融され、金属粉体となる。
また、回転軸18の上部部位にはプーリ25が取付けられており、このプーリ25にはベルト26が掛装され、該ベルト26は図示しないモータ等からなる駆動機構に連結されている。これら駆動機構、ベルト26、プーリ25、回転軸18及び回転プレート19により第2の電極20の移動手段としての回転機構が構成されている。そして、モータの回転力がベルト26、プーリ25を介して回転軸18に伝達され、回転プレート19ひいては第2の電極20が連続回転されるようになっている。このときの回転速度は、10〜50rpmであることが好ましい。回転速度が10rpm未満の場合には回転が遅く、放電による金属材料の溶融が少なくなって生産性が低下し、一方50rpmを越える場合には放電による金属材料の溶融が安定した状態で行われず、好ましくない。
そして、回転軸18の回転により第2の電極20を第1の電極14に摺り合せるように構成されている。摺接時の圧力はわずかでよく、具体的には10〜20kPaが好ましい。この圧力が10kPa未満の場合には、第1の電極14に対する第2の電極20の圧力が低く、十分な摺接を行うことができず、放電による金属材料の溶融を満足に行うことができなくなる。その一方、圧力が20kPaを越える場合には、圧力が高くなり過ぎて、第2の電極20の回転に支障を来たしたりして好ましくない。
前記水槽11には、水12が図示しない水道等の供給源から、設定された水位まで供給されるようになっている。このとき、水12を水槽11内に連続的に供給すると共に図示しない排水孔から排出させる温度調節手段により、設定水位を維持しながら常に新しい水12を供給して水槽11内の水12の温度を一定温度に維持することができるように構成されている。
次に、上記のように構成された製造装置を用いた金属粉体の製造方法について説明する。
金属粉体の製造に当たり、ベースプレート13に第1の電極14をセットすると共に、回転プレート19に第2の電極20をセットした後、水槽11内に水12を供給する。このとき、回転軸18や回転プレート19などの自重により、回転プレート19に保持された第2の電極20の下面が、ベースプレート13に保持された第1の電極14の上面に接する。その状態で、通電用端子15、22を電源装置23に接続すると共に、回転機構を構成するプーリ25にベルト26を掛けてプーリ25を回転駆動可能な状態とする。
続いて、電源装置23により通電用端子15、22を介して第1の電極14及び第2の電極20に通電し、第1の電極14と第2の電極20との間に例えば200Vの電圧を印加し、これと共にモータに通電することにより回転軸18ひいては第2の電極20が回転される。その結果、第2の電極20の下面が第1の電極14上を摺接しながら回転し、それらの間に放電現象(アーク放電)が発生する。このアーク放電により、電極14、20間では瞬間的に最高1万℃まで温度上昇する。そして、発生した放電に基づく放電エネルギーにより、第1の電極14及び第2の電極20の摺接部分の材料が溶融すると共に気化(蒸発)して遊離(飛散)し、その遊離物が水12中で凝固して金属粉体(鉄の粉体)が生成されるものと考えられる。このようにして例えば1nm〜1mmまでの粒子径をもつ鉄の粉体を得ることができる。
生成した鉄の粉体は、水槽11の内周面とベースプレート13との間に堆積したり、第1の電極14上に残留したりする。このとき、第1の電極14上の鉄の粉体は、新たな放電に基づく放電エネルギーによりさらに粒子径が小さくなる。この場合には、例えば数nmまでのナノメートルサイズの粒子径をもつ鉄の粉体を得ることが可能である。この微細な金属粉体は、コロイド粒子の中心に金属が存在するコロイドを形成し、全体としてマイナスの電荷を有しているものと推測される。そのような構造をもつ金属粉体は、吸着性能(消臭性能)、凝集性能、洗浄性能などを向上させることができる。
前記第1の電極14と第2の電極20との間の放電により、水槽11内の水12の温度は上昇する傾向にあるが、前述のように水槽11内に常に新しい水12を供給することによって、水槽11中の水12の温度を上昇させることなく、一定温度に維持することができ、長時間の連続的な製造が可能となる。また、金属粉体の生成に伴い、第1の電極14及び第2の電極20は表面部から消耗していくことになるが、使用できなくなるまで消耗した場合には、例えば一旦装置の稼動を停止して、新たな電極14、20に交換する作業が行なわれる。
以上詳述した第1実施形態により発揮される効果を以下にまとめて記載する。
・ この第1実施形態の金属粉体の製造方法では、水12中に第1の電極14と第2の電極20とを対向させて配置し、それら第1の電極14及び第2の電極20間に交流電圧を印加した状態で、第2の電極20を回転させて第1の電極14に摺接するように移動させる。このとき、第1の電極14と第2の電極20との間に発生する放電現象に基づいて金属材料の表面が溶融して遊離し、その遊離物が凝固して金属粉体が形成される。そのため、金属材料で形成された2つの電極14、20間に電圧を印加し、両電極14、20を摺接するという操作だけで金属粉体を連続的に短時間のうちに製造することができる。従って、従来の金属材料を機械的に粉砕する場合に比べて、金属粉体を簡易な操作で生産性良く製造することができる。このような画期的な製造方法によって金属粉体を得るように構成したため、生産性を大幅に高めることができ、ひいては製造コストの大幅な低減を図ることができる。
・ 前記液体が水であることにより、金属粉体の製造を最も簡便に、かつ安定した状態で行うことができる。
・ 第1の電極14と第2の電極20とを異種材料で構成することにより、それら異種材料により複合化された金属粉体を容易に得ることができる。
・ 第1実施形態における金属粉体の製造装置は、水12が貯留される水槽11と、該水槽11中に対向して保持される第1の電極14及び第2の電極20と、第1の電極14と第2の電極20との間に電圧を印加する電圧印加手段と、第1の電極14と第2の電極20とを摺接するように移動させる移動手段とを備えている。このため、簡単な装置で、金属粉体を簡易な操作により生産性良く製造することができる。
・ 前記水槽11中の水12の温度上昇を抑えるための温度調節手段を備えていることにより、電極14、20間の放電によって上昇する貯留槽内の液体の温度を温度調節手段により抑えることができ、長時間に渡って安定した状態で金属粉体を連続的に製造することが可能となる。
・ 前記移動手段は第1の電極14及び第2の電極20の少なくとも一方を回転させる回転機構であることで、第1の電極14と第2の電極20とを連続的に摺接させることができ、電極14、20を直線的に往復移動させるような場合に比べて、より効率的に金属粉体を製造することができる。
・ 第1の電極14及び第2の電極20にチタンを用いることにより、平均粒子径が1nm〜1μmの青色を呈するチタン粉体及び平均粒子径が1nm〜1mmの褐色を呈するチタン粉体が混合物として得られる。前者のチタン粉体は臭気成分に対する吸着能や分解性能を有すると共に、水に分散させると活性水としての機能を発揮することができる。後者のチタン粉体は有機物分解性能を有すると共に、水処理などにおいて良好な沈降性能を発揮することができる。なお、チタン粉体の粒子径を小さくするためには、前記製造方法を繰り返す、すなわち第1の電極14上にチタン粉体を置き、前記と同様に第2の電極20を摺接させることにより行うことができる。
また、第1の電極14及び第2の電極20にアルミニウムを用いることにより、平均粒子径が1nm〜1mmの白色を呈するアルミニウム粉体が得られる。このアルミニウム粉体は、吸着性能が従来のアルミニウム粉体よりも優れている。
さらに、第1の電極14及び第2の電極20に銅を用いることにより、平均粒子径が1nm〜1mmの緑褐色を呈する銅粉体が得られる。この銅粉体は、抗菌、殺菌性能が従来よりも優れている。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明するが、前記第1実施形態と異なる点を中心にして説明する。
図3に示すように、水槽11は有底四角筒状に形成され、その側壁11a内面にはベースプレート13が固定され、そのベースプレート13上には第1実施形態と同様の第1の電極14が固着されている。前記回転軸支持具16の1つは、ベースプレート13が固定されている側壁11aと対向する側壁11bの上下左右の中央位置に取付けられ、もう1つの回転軸支持具16は水槽11の下半分に放射状に設けられた支持棒17により水槽11の底壁11cに支持されている。これらの回転軸支持具16には回転軸18が水平方向に延びるように支持されている。回転軸18の先端部(図3の左端部)には、回転プレート19が一体的に設けられ、その回転プレート19には第1実施形態と同様の第2の電極20が取付けられている。
回転軸18には、第2の電極20が第1の電極14に摺接できるような図示しないコイルスプリング等の付勢手段が設けられている。そして、第2の電極20が第1の電極14に接触した状態で、駆動機構を起動させると、プーリ25を介して回転軸18が水平軸線の回りに回転し、第2の電極20が第1の電極14に摺接しながら回転するようになっている。
この第2実施形態によれば、第1の電極14が上下方向に配置されると共に、第2の電極20も第1の電極14に対向すべく上下方向に配置され、その状態で第2の電極20が回転しながら第1の電極14に摺接し、両電極14、20間の放電に基づく放電エネルギーによって粉末化が起こる。このため、第1の電極14に対する第2の電極20の摺接が重力によることなく、付勢手段の付勢力によって常に一定の摺接力が得られると同時に、生成した金属粉体が両電極14、20表面から下方へ落下しやすいため、粉末化を効率良く行うことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態と異なる点を中心にして説明する。
図4は、第3実施形態における金属粉体の製造方法を実施するための製造装置全体の概略構成を示す説明図であり、図5は第2の電極を示す底面図である。この第3実施形態では、水槽11の水12中に、第3の物質としての例えば酸化チタン粒子27を分散させると共に、第1の電極14に例えばアルミニウム板を用いている。第2の電極20は第1実施形態と同じく鉄により構成されている。また、図5に示すように、第2の電極20は底面から見て米状(放射状)に形成されている。
この第3実施形態の場合、放電エネルギーにより第1の電極14及び第2の電極20の金属材料が溶融して遊離する際に、その遊離物が水12中の酸化チタン粒子27と結合するなどの反応が生じる。従って、金属粉体としてアルミニウムの粉体、鉄の粉体、アルミニウムと鉄との複合材料の粉体のほかに、それらに酸化チタン粒子27が結合した複合材料よりなる粉体が生成する。このようにして製造される複合材料の粉体は、例えば水の浄化用の凝集剤として利用することができる。この場合、酸化チタンは光触媒として機能し、光を当てることにより再生可能な凝集剤を得ることができる。
また、第1の電極14及び第2の電極20に採用する金属材料や、水12中に分散させる第3の物質を適宜選択することにより、金属を含む様々な組合せの複合材料の粉体を容易に得ることが可能となり、その用途や有用性についての可能性を広げることができる。さらに、第1又は第2実施形態に比べ、第3実施形態では第1の電極14に摺接する第2の電極20の面積が大きいことから、金属粉体の生産性を高めることができる。
なお、前記各実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1の電極14及び第2の電極20の形状として、柱状、棒状など様々な形状に変更することができる。
・ 電極14、20の移動及び摺接について、電動ではなく手動で行うこともできる。また、移動手段として、電極14、20を回転させる場合、一方だけでなく第1の電極14及び第2の電極20の双方を例えば互いに逆方向に回転させるようにすることができ、また電極14、20を直線的に往復移動させるように構成することも可能である。
・ 温度調節手段として、水槽11内の水12を直接的又は間接的に冷却するものであっても良い。
・ 水槽11内の気体部分に適宜のガスを充填し、そのガスと金属との化合物を形成することもできる。例えば、ガスとして酸素を用い、金属の酸化物を形成することができる。
・ 第1の電極14を、回転する第2の電極20の外周位置に配置し、第1の電極14を第2の電極20に摺接させるように構成することも可能である。
・ 水槽11内の水12を、水流を形成して撹拌したり、撹拌機を用いて撹拌したりして、生成した金属粉体を水に良好に分散させるように構成することもできる。
・ 第1の電極14上にチタン、アルミニウム等の金属材料の切り粉を置いた状態で第2の電極20を回転させて摺接させ、金属粉体を効率良く製造するように構成することもできる。
・ 第1の電極14上に有機材料、例えばコーヒー豆等の食品、ポリプロピレン等の合成樹脂、木材等の植物などを置いた状態で第2の電極20を回転させて摺接させ、有機材料の粉体を得るように構成することもできる。
・ 液体として、例えばポリ塩化ビフェニル(PCB)を水中に注入し、第1の電極14と第2の電極20との間に存在させ、その状態で両電極14、20間に電圧を印加し、第1の電極14と第2の電極20との摺接による放電現象に基づいて、PCBを分解させるように構成することも可能である。
次に、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記第3の物質は、金属酸化物であることを特徴とする請求項4に記載の金属粉体の製造方法。このように構成した場合、請求項4に係る発明の効果に加えて、金属と金属酸化物との複合材料を含む金属粉体を得ることができる。
・ 前記摺接は、重力を利用して行われるものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の金属粉体の製造方法。このように構成した場合、請求項1から請求項4のいずれかに係る発明の効果に加えて、第1の電極と第2の電極との摺接を簡易に行うことができる。
・ 前記第1の電極及び第2の電極の一方を板状に形成し、他方を棒状に形成することを特徴とする請求項7に記載の金属粉体の製造装置。このように構成した場合、請求項7に係る発明の効果に加えて、電極の回転抵抗を減少させることができ、第1の電極と第2の電極との摺接を円滑に行うことができる。
第1実施形態における金属粉体の製造方法を実施するための製造装置全体の概略構成を示す説明図。 第1実施形態における第2の電極を示す底面図。 第2実施形態における金属粉体の製造方法を実施するための製造装置全体の概略構成を示す説明図。 第3実施形態における金属粉体の製造方法を実施するための製造装置全体の概略構成を示す説明図。 第3実施形態における第2の電極を示す底面図。
符号の説明
11…貯留槽としての水槽、12…液体としての水、13…保持手段としてのベースプレート、14…第1の電極、20…第2の電極、23…電圧印加手段としての電源装置、27…第3の物質としての酸化チタン粒子。

Claims (7)

  1. 液体中に、導電性材料より形成され、少なくとも一方が金属材料である第1の電極と第2の電極とを対向させて配置し、それら第1の電極及び第2の電極間に電圧を印加した状態で、第1の電極と第2の電極とを摺接するように移動させることにより、第1の電極と第2の電極との間に生ずる放電現象に基づいて金属材料の表面を溶融させて遊離させた後、その遊離物を凝固させて金属粉体を形成することを特徴とする金属粉体の製造方法。
  2. 前記液体は、水であることを特徴とする請求項1に記載の金属粉体の製造方法。
  3. 前記第1の電極と第2の電極とを異種材料で構成することにより、複合化された金属粉体を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属粉体の製造方法。
  4. 前記液体中に、両電極とは異なる第3の物質を分散させておくことにより、第3の物質を含む複合材料からなる金属粉体を形成することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の金属粉体の製造方法。
  5. 液体が貯留される貯留槽と、
    導電性材料より形成され、少なくとも一方が金属材料であり、保持手段により貯留槽中に対向して保持される第1の電極及び第2の電極と、
    前記第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記第1の電極と第2の電極とを摺接するように移動させる移動手段とを備えていることを特徴とする金属粉体の製造装置。
  6. 前記貯留槽中の液体の温度上昇を抑えるための温度調節手段を備えていることを特徴とする請求項5に記載の金属粉体の製造装置。
  7. 前記移動手段は、第1の電極及び第2の電極の少なくとも一方を回転させる回転機構であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の金属粉体の製造装置。
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