JP2008050442A - タイヤ用ゴム組成物並びにそれをリムクッションに用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】破断伸び及びセット性の改良されたタイヤ用ゴム組成物の提供。
【解決手段】(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム25〜100重量部並びにブタジエンゴム0〜75重量部を含むジエン系ゴム100重量部、
(B)よう素吸着量が30mg/g以上110mg/g未満のカーボンブラック60〜90重量部、
(C)式(I):
で表されるカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物0.5〜10重量部、
(D)硫黄1〜4重量部並びに
(E)スルフェンアミド系加硫促進剤0.2〜4重量部を含んで成り、成分(C)と成分(E)の配合量の比(重量)が式:
4.5≧(C)/(E)≧0.2
の関係式を満たすタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】図1
【解決手段】(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム25〜100重量部並びにブタジエンゴム0〜75重量部を含むジエン系ゴム100重量部、
(B)よう素吸着量が30mg/g以上110mg/g未満のカーボンブラック60〜90重量部、
(C)式(I):
で表されるカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物0.5〜10重量部、
(D)硫黄1〜4重量部並びに
(E)スルフェンアミド系加硫促進剤0.2〜4重量部を含んで成り、成分(C)と成分(E)の配合量の比(重量)が式:
4.5≧(C)/(E)≧0.2
の関係式を満たすタイヤ用ゴム組成物。
【選択図】図1
Description
本発明は、タイヤ用ゴム組成物並びにそれを用いた空気入りタイヤに関し、更に詳しくは耐セット性(即ち、ゴムが圧縮を受けた際の永久歪みの大小)及び熱老化後の破断伸びが改良されたタイヤ用ゴム組成物並びにそれをリムクッションに用いた空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤのリムクッションゴムには、熱老化性と耐セット性が求められることから、これらの特性を向上させる目的で多くの提案がなされている。従来、リムクッションゴムは耐セット性と破断伸びとのバランスからsemi−EV加硫系(即ち加硫剤と加硫促進剤の比率が等量か、それに近い比率である加硫方法)が望ましく、また変形・セット抑制のためにカーボンブラックを多量配合することが望ましいとされていた。しかし、カーボンブラックの配合量が多すぎると、破断伸びが低下し、リム組みの際にトウ欠け(即ちリムクッション部先端部分が、破断、欠損すること)を起こす場合があった(特許文献1及び2参照)。
従って、本発明の目的は、空気入りタイヤのリムクッションなどに使用するのに適した、耐セット性と熱老化後の破断伸びなどの物性の改良されたゴム組成物を提供することにある。
本発明に従えば、(A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム25〜100重量部並びにブタジエンゴム0〜75重量部を含むジエン系ゴム100重量部、
(B)よう素吸着量が30mg/g以上110mg/g未満のカーボンブラック60〜90重量部、
(C)式(I):
(式中、R1 ,R2 及びR3 は、独立に、水素又は炭素数1〜20のヘテロ原子及び/又は置換基を有してもよい有機基であり、Xは炭素数2〜20のヘテロ原子及び/又は置換基を有してもよい有機基である。)
で表されるカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物0.5〜10重量部、
(D)硫黄1〜4重量部並びに
(E)スルフェンアミド系加硫促進剤0.2〜4重量部を含んで成り、成分(C)と成分(E)の配合量の比(重量)が式:
4.5≧(C)/(E)≧0.2 …(1)
の関係式を満たすタイヤ用ゴム組成物並びにそれをリムクッションに用いた空気入りタイヤが提供される。
(B)よう素吸着量が30mg/g以上110mg/g未満のカーボンブラック60〜90重量部、
(C)式(I):
で表されるカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物0.5〜10重量部、
(D)硫黄1〜4重量部並びに
(E)スルフェンアミド系加硫促進剤0.2〜4重量部を含んで成り、成分(C)と成分(E)の配合量の比(重量)が式:
4.5≧(C)/(E)≧0.2 …(1)
の関係式を満たすタイヤ用ゴム組成物並びにそれをリムクッションに用いた空気入りタイヤが提供される。
本発明によれば、特定のジエン系ゴム(A)に、特定のカーボンブラック(B)、カルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物(C)、硫黄(D)及びスルフェンアミド系加硫促進剤(E)を配合することによって、耐セット性と熱老化後の破断伸びが改良される。空気入りタイヤのリムクッションなどに用いるのに適したゴム組成物が得られる。
本発明者らは、前記課題を解決すべく研究を進めた結果、カルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物(C)をスルフェンアミド系加硫促進剤(E)と併用することによって、耐セット性と熱老化後の破断伸びが改良されたゴム組成物を得ることに成功した。
本発明に従ったゴム組成物に使用するゴム成分(A)は、天然ゴム(NR)及び/又はポリイソプレンゴム(IR)25〜100重量部(好ましくは40〜80重量部)並びにポリブタジエンゴム(BR)0〜75重量部(好ましくは20〜60重量部)を含むジエン系ゴム(合計100重量部)である。NR及び/又はIRの配合量が少ないとセット量が大きくなるので好ましくない。本発明において使用するジエン系ゴムは前記成分以外に、タイヤ用ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを少量(例えば20重量%以下)用いることができ、そのようなゴムとしては具体的にはクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムなどをあげることができる。しかし、これらを配合することは必要ではない。
本発明のゴム組成物には、ジエン系ゴム成分(A)100重量部当り、よう素吸着量が30mg/g以上110mg/g未満、好ましくは60〜100mg/gのカーボンブラックを成分(B)として、60〜90重量部、好ましくは44〜60重量部配合する。使用するカーボンブラックのよう素吸着量(JIS K 6217に準拠して測定)が小さいと十分な強度を得ることができないので好ましくなく、逆に大きいと走行時の発熱が増大し、故障の原因となるので好ましくない。またカーボンブラックの配合量が少ないと十分な強度を得ることができないので好ましくなく、逆に多いと走行時の発熱が増大し、故障の原因となるので好ましくない。
本発明によれば、前記一般式(I)からなるカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物(C)を、ジエン系ゴム100重量部当り、0.5〜10重量部、好ましくは2〜8重量部配合する。また、従来からゴム用加硫促進剤として使用されているスルフェンアミド系加硫促進剤(E)をジエン系ゴム(A)100重量部当り0.2〜4重量部(好ましくは0.5〜2重量部)併用する必要がある。更に前記成分(C)/(E)の重量比が0.2〜4.5(好ましくは1.0〜4.0)であることが必要である。カルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物(C)の配合量が少ないとセット量が大きくなるので好ましくなく、逆に多いと破断伸びが低下するので好ましくない。スルフェンアミド系加硫促進剤(E)の量が少ないとセット量が大きくなるので好ましくなく、逆に多いと破断伸びが低下するので好ましくない。前記比率(C)/(E)が小さいと熱老化後の破断伸びが低下するので好ましくなく、逆に大きいとセット量が大きくなるので好ましくない。
本発明において使用するカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物(即ち本発明のジスルフィドのアミン塩化合物)は、前記式(I)で表わされる化合物であり、その詳細は平成18年8月14日に出願の特願2006−221258号出願に記載の通りである(引用によりこの出願の内容を本明細書に組み入れるものとする)。具体的には、前記式(I)において、R1 ,R2 及びR3 は、それぞれ独立に、水素又は炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の有機基であることができ、そのような有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ステアリル基などの鎖式炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基などの環式炭化水素基が挙げられる。それら有機基の鎖内に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を有していてもよい。そのような有機基の例としては、例えば、メトキシプロピル基、メトキシエチル基、テトラヒドロフルフリル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基等が挙げられる。R1 及びR2 は、それらが結合している窒素原子と共に、複素環基、例えばイミダゾール基、トリアゾール基、ピラゾール基、アジリジン基、ピロリジン基、ピペリジン基、モルホリン基、チアモルホリン基等の基を形成していてもよい。R1 及びR2 がそれらが結合している窒素原子と共に複素環基を形成している場合には、さらにその複素環上に置換基を有していてもよい。この置換基の例としては、例えばメチル、エチルなどのアルキル基;ブロモ、クロロなどのハロゲン基;ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、エステル基等が挙げられる。
前記式(I)において、Xは、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の、好ましくは炭素数2〜12の、鎖式炭化水素基もしくは脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及び複素環基から選ばれる有機基である。この有機基の例としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ヘキシレン基、シクロブチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、チアゾール基、チアジアゾール基、ピルジルナフチレン基等が挙げられる。Xが鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基である場合には、Xは、その炭素鎖内に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子を有していてもよく、メチル、エチルなどのアルキル基、ブロモ、クロロなどのハロゲン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基などを有してもよい。
本発明に係るジスルフィドのアミン塩化合物(I)は、下記反応式(1)に示すように、前記式(II)で示される1つの分子にカルボン酸を有するジスルフィド化合物(式中、Xは前記定義の通りである)と前記式(III)のアミン類(式中、R1 ,R2 及びR3は前記定義の通りである)とを反応させることにより製造することができる。この反応には酸化剤や触媒などを必要とすることなく、適当な溶媒(例えばメタノール、エタノール、プロパノールなどの脂肪族アルコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類など)中で式(II)及び式(III)の化合物を混合反応させることによって、製造することができる。
本発明の別の態様によれば、前記ジスルフィドのアミン塩化合物(I)は、下記反応式(2)に示すように、1つの分子にカルボン酸を含有するチオール化合物(IV)とアミン(III)との反応を酸化剤の存在下で反応させることによって製造することができる。
前記反応式(1)及び(2)において、アミン(III)は、ジスルフィド化合物(II)又はチオール化合物(IV)に対して、化学量論的に過剰量(例えば1.01〜1.15当量)で反応させるのが好ましい。
前記反応式(1)において、出発原料として用いられるカルボン酸含有ジスルフィド化合物(II)の具体例としては、例えば、ジチオジグリコール酸、ジチオジプロピオン酸、ジチオサリチル酸、ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)などがあげられる。一方、反応式(2)で用いられる式(IV)で表わされるチオール化合物としてはメルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオサリチル酸、チオニコチン酸などがあげられる。
一方、上記式(III)で表されるアミンの具体例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、イソブチルアミン、tert−ブチルアミン,ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロヘキシルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、N−エチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、exo−2−アミノノルボルナン、2−メトキシエチルアミン、ビス(2−メトキシエチル)アミン、テトラフルフリルアミン、モルホリン、チオモルホリン、1−メチルピペラジン、2−メチルイミダゾール、エタノールアミン、2−アミノシクロヘキサノール、ピペラジン、2−ピペラジンメタノール、2−ピペラジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどが挙げられる。
前記反応式(2)に使用することができる酸化剤としては、特に制限はないが、次の化合物が挙げられる。塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム、塩素酸アンモニウムなどの塩素酸塩類;過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウムなどの過塩素酸塩類;過酸化リチウム、過酸化ナトリウム、過酸化カリウムなどの無機過酸化物;亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの亜塩素酸塩類;臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウムなどの臭素酸塩類;硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウムなどの硝酸塩類;ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸カルシウムなどのヨウ素酸塩類;過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウムなどの過マンガン酸塩類;重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなどの重クロム酸塩類;過ヨウ素酸ナトリウムなどの過ヨウ素酸塩類;メタ過ヨウ素酸などの過ヨウ素酸;無水クロム酸(三酸化クロム)などのクロム酸化物;二酸化鉛などの鉛酸化物;五酸化二ヨウ素などのヨウ素酸化物;亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムなどの亜硝酸塩類;次亜塩素酸カルシウムなどの次亜塩素酸塩類;三塩素化イソシアヌル酸などの塩素化イソシアヌル酸;ペルオキソ二硫酸アンモニウムなどのペルオキソ二硫酸塩類;ペルオキソホウ酸アンモニウムなどのペルオキソホウ酸塩類;過塩素酸;過酸化水素;硝酸;フッ化塩素、三フッ化臭素、五フッ化臭素、五フッ化ヨウ素、ヨウ素などのハロゲン化化合物;エチレンジアミンテトラ酢酸銅、ニトリロトリプロピオン酸銅などの銅の水溶性キレート化合物;ジメチルスルホキシドなどの有機化合物;酸素など。酸化剤として酸素を使用する場合、酸素源として空気を用いることもできる。これらは単独で用いてもよく、危険のない限り複数を組合せて用いてもよい。これらのうち、反応が容易で効率が高い点で、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、ヨウ素、エチレンジアミンテトラ酢酸銅、ニトリロトリプロピオン酸銅および酸素が好ましい。
前記反応に用いることができる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの脂肪族アルコール、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、イソプロピルエーテルなどのエーテル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)などの含窒素有機溶媒などがあげられる。これらの溶媒は単独または混合溶媒の形で使用しても良い。これらのうち、ジスルフィド類、チオール類とアミン類への溶解性が高く、反応生成物から取り除きやすい点から、脂肪族アルコール類、エーテル類、ケトン類が好ましい。
前記反応の反応温度には特に限定はないが、0℃〜100℃の範囲内であることが好ましい。0℃未満では反応時間が遅くなり、100℃を超える温度では生成物の望ましくない副反応が起こるおそれがある。この反応温度は、さらに好ましくは20℃〜70℃の範囲内である。
本発明のゴム組成物において使用する加硫促進剤は式(I)のカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物(C)に加えて、当該技術分野において未加硫ゴムの加硫促進剤として一般的に使用されているスルフェンアミド系加硫促進剤を併用する。そのようなスルフェンアミド系の加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N′−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが挙げられる。なお、本発明では、スルフェンアミド系加硫促進剤に限定されるものではなく、一般に使用されている他の加硫促進剤を配合してもよい。
本発明に係るゴム組成物には(D)成分として、硫黄をジエン系ゴム100重量部当り1〜4重量部(好ましくは1.2〜1.8重量部)配合する。この配合量が少ないと十分な強度が得られないので好ましくなく、逆に多いと熱老化後の破断伸びが低下するので好ましくない。
本発明に係るゴム組成物には、前記した成分に加えて、シリカなどの他の補強剤(フィラー)、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他のゴム組成物用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で汎用のゴム用混練機、例えばロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて、混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明に係るゴム組成物は図1に模式的に示す典型的な空気入りタイヤのリムクッションに好適に用いることができ、従来の一般的な空気入りタイヤの製造ラインにそのまま使用することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
調製例1:ジスルフィドのアミン塩化合物Aの合成:
メタノール1000g中、ジチオサリチル酸306.4g(1mol)とシクロヘキシルアミン218.2g(2.2mol)を入れ、室温で30分反応させた。反応終了後、減圧下でメタノールを除いてからろ過し、アセトンで2回洗浄・乾燥後、下記式で示される白色粉末の化合物Aを499.2g(収率99%)得た。
メタノール1000g中、ジチオサリチル酸306.4g(1mol)とシクロヘキシルアミン218.2g(2.2mol)を入れ、室温で30分反応させた。反応終了後、減圧下でメタノールを除いてからろ過し、アセトンで2回洗浄・乾燥後、下記式で示される白色粉末の化合物Aを499.2g(収率99%)得た。
1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ in ppm:1.0−1.3,1.5,1.7,1.9,2.9,7.1,7.2,7.5,7.8
元素分析値(%):C26H36N204S2
計算値:C,61.87;H,7.19;N,5.55;S,12.71
測定値:C,61.54;H,7.28;N,5.56;S,12.72
元素分析値(%):C26H36N204S2
計算値:C,61.87;H,7.19;N,5.55;S,12.71
測定値:C,61.54;H,7.28;N,5.56;S,12.72
標準例1、実施例1〜3及び比較例1〜2
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
サンプルの調製
表Iに示す配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで5分間混練し、160℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃で20分間加硫して加硫ゴムサンプルを作製し、以下に示す試験法で加硫ゴムの物性を測定した。結果は表Iに示す。
ゴム物性評価試験法
熱老化後の破断伸び:サンプルを80℃のギアオーブンで96時間老化させた後、JIS K 6251に準拠しダンベル3号型のサンプルを速度500mm/min.で伸張し、20℃における破断伸長率を測定した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この数値が大きいほど強度が高いことを示す。
耐セット性:JIS K6262に準拠し、加硫したサンプルに70℃で24時間にわたり25%の歪を与え、歪を取り去った後30分後のサンプルの厚みから計算した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この数値が大きい程耐セット性に優れていることを示す。
熱老化後の破断伸び:サンプルを80℃のギアオーブンで96時間老化させた後、JIS K 6251に準拠しダンベル3号型のサンプルを速度500mm/min.で伸張し、20℃における破断伸長率を測定した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この数値が大きいほど強度が高いことを示す。
耐セット性:JIS K6262に準拠し、加硫したサンプルに70℃で24時間にわたり25%の歪を与え、歪を取り去った後30分後のサンプルの厚みから計算した。結果は標準例1の値を100として指数表示した。この数値が大きい程耐セット性に優れていることを示す。
表I脚注
天然ゴム:RSS#3
ポリブタジエンゴム:日本ゼオン(株)製NIPOL BR1220
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製ショウブラックN330
オイル:昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S
老化防止剤1:FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD
老化防止剤2:FLEXSYS社製FLECTOL TMQ
ステアリン酸:日本油脂(株)製ビーズステアリン酸YR
ワックス:大内新興化学工業(株)製サンノック
亜鉛華:正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種
硫黄:鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤1:FLEXSYS社製SANTOCURE TBBS
加硫促進剤2:調製例1で合成した化合物A
天然ゴム:RSS#3
ポリブタジエンゴム:日本ゼオン(株)製NIPOL BR1220
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製ショウブラックN330
オイル:昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S
老化防止剤1:FLEXSYS社製SANTOFLEX 6PPD
老化防止剤2:FLEXSYS社製FLECTOL TMQ
ステアリン酸:日本油脂(株)製ビーズステアリン酸YR
ワックス:大内新興化学工業(株)製サンノック
亜鉛華:正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種
硫黄:鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄
加硫促進剤1:FLEXSYS社製SANTOCURE TBBS
加硫促進剤2:調製例1で合成した化合物A
本発明は、特定のカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物を用いることによって、ゴム組成物の熱老化後の破断伸びと耐セット性を改善することができるので空気入りタイヤのリムクッションなどに使用するのに適する。
Claims (2)
- (A)天然ゴム及び/又はポリイソプレンゴム25〜100重量部並びにブタジエンゴム0〜75重量部を含むジエン系ゴム100重量部、
(B)よう素吸着量が30mg/g以上110mg/g未満のカーボンブラック60〜90重量部、
(C)式(I):
で表されるカルボン酸含有ジスルフィドのアミン塩化合物0.5〜10重量部、
(D)硫黄1〜4重量部並びに
(E)スルフェンアミド系加硫促進剤0.2〜4重量部を含んで成り、成分(C)と成分(E)の配合量の比(重量)が式:
4.5≧(C)/(E)≧0.2 …(1)
の関係式を満たすタイヤ用ゴム組成物。 - 請求項1に記載のゴム組成物をリムクッションに用いた空気入りタイヤ。
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