JP2008048972A - 競技能力向上支援方法と同支援ツール - Google Patents

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Abstract

【課題】競技指導者が競技中の競技者にリアルタイムに支援情報を提供できるようにする。
【解決手段】特定空間内の動体の特定部分に止着される動体側RFID無線送受信装置4と、特定空間の外方近傍に位置される固定側RFID無線送受信装置6と、動体側RFID無線送受信装置4から発信され固定側RFID無線送受信装置6の受信した位置基礎情報に基づいて一定時間間隔ごとの動体側RFID無線送受信装置4の位置情報を演算し記憶すると共に該位置情報に基づいて画像表示部7cに前記特定部分の現時点の位置に対応した位置表示像のほか、必要に応じて、前記位置基礎情報から得られる他の位置関連情報に対応した画像を表示するコンピュータ7とを備えてなるものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、競技者の競技能力向上を支援するさいに実施される競技能力向上支援方法及び同支援ツールに関する。
いろいろな競技において競技者の動作や、競技の戦術などを分析するさいに使用される技術手段として、例えば、次のようなものが存在している。
即ち、特許文献1に開示されている運動学習支援装置は、被験者や用具の動作を映像カメラが撮像し、その映像を記憶部に記憶し、次に記憶部に記憶された映像が必要に応じ適当に処理されて画像表示部に再生され、この再生と同時に、記憶部に記憶された模範動作の映像が画像表示部に表示されるようになされたものである。
この支援装置では、被験者は自身の映像と模範動作の映像とを比較し、身体の適正な動作方向や動作タイミングなどを認識し、改善された運動動作をイメージし記憶するのであり、次にこの記憶したイメージを手本とした練習をする。
また特許文献2に開示されているスポーツ用運動解析装置は、競技中の多数の競技者の動作を映像カメラが撮像し、その映像情報に基づいて各競技者の位置及び運動ベクトルを示す像を映像中にリアルタイムに表示するようになされたものである。
この装置では、コーチなどの指導者などが、上記映像上の各競技者の位置や運動ベクトルを示す像を観察することにより、競技者の運動動作や競技戦術を分析することができ、これにより指導者などは競技者の競技能力を向上させるための支援情報を得ることができる。
また特許文献3に開示されている人間軌道学習システムは、センサとトランスミッタからなる運動検出装置で教示者及び被教示者のそれぞれの運動を検出し、この検出された情報に基づいて画像表示部にそれぞれの者の一連の運動画像を表示し、これら2つの一連の運動画像に基づいて運動動作の軌道の改善点を認識できるようにしたものである。
なお、特許文献4及び特許文献5には、筋力刺激による運動技能学習装置及び方法が開示されており、また特許文献6には神経生理学的能力を電気刺激の付与により強化する方法及び装置が開示されている。
一方、特許文献7、特許文献8及び特許文献9などでは、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波による非接触自動識別技術)に関連した技術が開示されている。RFIDは、非接触によるデータ読み取りを可能とする技術であって、個人認証、商品の識別、位置測定などのツールとして最近、注目されており、基本的にはアンテナとICとからなっている。
RFIDによる非接触の読み取りはRFIDタグと、RFIDリーダーとの間で行われる。RFIDタグはこれに記録された情報を無線通信によりRFIDリーダーに読み取らせるようになされており、これには電源としての電池を備えた能動式のものと、該電池を有しない受動式のものがある。受動式のRFIDタグはRFIDリーダーから発せられる電波による電磁誘導よってRFIDタグ内に電流が流れて、RFIDタグ内に組み込まれた回路が作動する仕組みになっている。さらにRFIDタグにはその機能をさらに拡大するため、コンピュータ回路の組み込まれたものも存在している。
特開2005−111138号公報 公開平5−253324号公報 特表平10−502465号公報 特許第2562786号公報 特許第2611920号公報 特表2005−524448号公報 特開2003−69549号公報 特開2001−233410号公報 特開2005−189225号公報
上記した従来技術の問題点として次のようなものがある。
(1)競技場所である競技フィールド内でのボール及び競技者の動きを映像カメラが撮像するさいに、テレビカメラが光学機器であるが故に、その台数、配置及び支持構造などに特有の条件が発生する。
上記条件を充足させる上で、撮影装置の規模の大小及びその操作性が関係するため撮像や運用操作に専門的知識が必要になる。
(2)現状において、録画及び映像処理はデジタル処理を利用できるが、テレビカメラの撮像による映像であるとき、映像中のボール像及び各競技者像に対応した個体の識別を可能とするには格別な情報処理及び処理装置のほか、運用に関する専門的知識が必要となる。
(3)映像カメラが競技者を撮像することにより、その身体各部位の運動の軌跡を3次元で映像表示させることは、運用や操作のための膨大な情報と、それを処理するための格別な機器及び専門的知識が必要となる。
(4)複数の競技者がフィールド内で競技している最中にこの状況を映像カメラの映像で観察しながら競技能力向上のための支援情報を特定の1人の競技者にのみリアルタイムで伝達することは現状、極めて困難である。
(5)従来、競技者の運動動作の改善では、記録映像などに基づいてイメージトレーニングするか、或いは実際の運動トレーニングをすることによって、脳神経又は筋肉への刺激を与え、改善すべき運動動作を習得するが、このような手法では改善効果が有効に得られないことがある。
(6)競技中に運動動作している競技者にその運動動作を改善するための支援情報をリアルタイムに伝達することが望まれることがあるが、現状では殆ど不可能である。
本発明は、これらの問題点を比較的簡易に解消することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明に係る競技能力向上支援方法は、請求項1に記載したように、競技者に競技能力向上のための支援を行うさい、特定空間内で運動動作する前記競技者のほか必要に応じてその使用する運動用具の特定部分に動体側RFID無線送受信装置を止着し、この動体側RFID無線送受信装置に、これの位置を2次元的又は3次元的に特定するための位置基礎情報を適当時間間隔で連続的に生成させ発信させることを特徴とするものである。
この発明は次のように具体化するのがよいのであり、即ち、請求項2に記載したように、 前記動体側RFID無線送受信装置に知覚付与手段を電気的に結合させ、前記競技者の競技能力を向上させるための支援情報を前記特定空間の外方から前記動体側RFID無線送受信装置に無線送信し、次にこの動体側RFID無線送受信装置から知覚付与手段を経て前記競技者に伝達させるように実施する。
次に本発明に係る第一の競技能力向上支援ツールは、請求項3に記載したように、特定空間内の競技者のほか必要に応じて該競技者の使用する運動用具を含む動体の特定部分に止着され該特定部分の現位置を特定するための位置基礎情報を一定時間ごとに生成し発信する動体側RFID無線送受信装置と、前記位置基礎情報に基づいて画像表示部に前記特定部分の現時点の位置に対応した位置表示像のほか、必要に応じて、前記位置基礎情報から得られる他の位置関連情報に対応した画像を表示するコンピュータとを備えてなるものである。
次に本発明に係る第二の競技能力向上支援ツールは、請求項4に記載したように、特定空間内の動体の特定部分に止着される動体側RFID無線送受信装置と、特定空間の外方近傍の固定個所に位置される固定側RFID無線送受信装置と、前記動体側RFID無線送受信装置から発信され前記固定側RFID無線送受信装置の受信した位置基礎情報に基づいて一定時間間隔ごとの前記動体側RFID無線送受信装置についての位置情報を演算し記憶すると共に該位置情報に基づいて画像表示部に前記特定部分の現時点の位置に対応した位置表示像のほか、必要に応じて、前記位置基礎情報から得られる他の位置関連情報に対応した画像を表示するコンピュータとを備えてなるものである。
この発明は、次のように具体化することができる。
即ち、請求項5に記載したように、前記動体側RFID無線送受信装置に電気的に結合され且つ競技者に止着された状態の下で該競技者にその競技能力を向上させるための支援情報に対応した知覚を付与するものとした知覚知覚付与手段を備えており、このさい、支援情報が前記コンピュータから前記固定側RFID無線送受信装置及び前記動体側RFID無線送受信装置を経て前記知覚付与手段に伝達される構成となす。
また請求項6に記載したように、前記固定側RFID無線送受信装置が複数設けられており、各固定側RFID無線送受信装置から一定時間ごとに同時に位置特定用の電波信号が発信され、前記動体側RFID無線送受信装置は前記電波信号のそれぞれの到達時点についての時刻又はそれぞれの到達時点間の時間差である前記位置基礎情報に基づいて、前記動体側RFID無線送受信装置の2次元空間内位置又は3次元空間内位置を特定するための前記位置情報を生成し発信する構成となす。
上記した第一及び第二の競技能力向上支援ツールの発明は次のように具体化することができる。
即ち、請求項7に記載したように、他の位置関連情報が前記動体側RFID無線送受信装置の現時点の位置に対応した速度ベクトル及び又は加速度ベクトルである構成となす。
さらには請求項8に記載したように、前記コンピュータが、前記動体側RFID無線送受信装置から発信される一定時間ごとの位置基礎情報と、予めメモリに記録された経験データや理論データなどの基礎データなどとに基づいて、前記特定部分の現時点の動作を修正するための支援情報を生成するものとした支援情報生成部を備えている構成となす。
上記した本発明によれば、次のような効果が得られる。
即ち、請求項1記載の発明によれば、特定空間内の競技者の特定部分や運動用具などの位置を、映像カメラでの撮像処理、映像の編集などの情報処理及びそのための処理装置、並びにこれらについての専門的知識を必要とすることなく、位置基礎情報に基づいて画像表示部に表示される画像により認識することができるようになるのであり、したがって従来の映像カメラを使用する場合の問題点は全て解消される。
また特定空間の外方において、動体側RFID無線送受信装置及び固定側RFID無線送受信装置により競技者の位置関連情報(位置、速度ベクトル、加速度ベクトル)を比較的短い時間間隔でリアルタイムに且つ連続的に収集することができると共に位置関連情報を画像表示部に表示された画像により2次元的又は3次元的に捉えることができるようになるため、競技指導者などは競技者や運動用具の動作を正確に認識することができて各競技者の運動解析を的確に行えるようになると共に、競技中の競技者にリアルタイムで支援情報を提供することが可能となる。
さらには動体側RFID無線送受信装置を競技者の関節などの複数の身体部位に止着することにより、競技者の身体部位ごとの位置関連情報を連続的に収集でき、これにより競技中の競技者の関節の位置や曲がりによる身体各部の運動動作をリアルタイムで的確に把握することができて競技者の手足などの一連の動作を画像表示部上の画像により一層細かく解析できるようになる。
請求項2記載の発明によれば、競技指導者は特定空間の外方に存在した状態の下で位置基礎情報から得られる画像を観察しながら競技能力向上のための支援情報を動体側RFID無線送受信装置及び知覚付与手段を介して特定の競技者にのみ適時適切に提供することができて、競技者の競技能力を効果的に向上させることができる。
このさい、動体側RFID無線送受信装置は競技者の位置基礎情報を生成し送信するほかに競技者へ支援情報を伝達する上でも寄与するものとなって本発明の装置構成を装置の一部共用化により簡易化させることができるのであり、また知覚付与手段は支援情報をその対応する競技者にのみ確実に伝達することを可能となすものである。
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明の場合と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、複数の競技者のそれぞれに動体側RFID無線送受信装置を止着することにより、コンピュータの画像表示部に、特定空間内における各競技者の位置を表す位置表示像のほか他の位置関連情報に対応した画像をコンピュータの画像表示部に同時に且つリアルタイムに表示させることができ、競技指導者はその画像表示部に表示された画像から支援情報を取得して特定の競技者にその支援情報を提供することができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の場合と同一の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、コンピュータから出力された任意な情報を固定側RFID無線送受信装置を経て動体側RFID無線送受信装置に伝達させることができるようになり、また固定側RFID無線送受信装置から動体側RFID無線送受信装置に向け位置特定用の信号電波を同時に発信させることができるものとなり、競技者などの特定部分の位置表示画像などを比較的小規模な構成により画像表示部に正確に表示させることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項2記載の発明の場合と同様の効果が得られる上に次のような効果が得られるのであって、即ち、支援情報が固定側RFID無線送受信装置から動体側RFID無線送受信装置へ伝達される構成が、位置基礎情報の伝達や、位置特定用の電波信号の発信及び受信などにおいて必要である固定側RFID無線送受信装置及び動体側RFID無線送受信装置機構の共用化をさらに推進し本発明装置の構造を簡易化させるものである。
請求項6記載の発明によれば、動体側RFID無線送受信装置の2次元又は3次元位置が、前記固定側RFID無線送受信装置から発信された位置特定用の電波信号によって動体側RFID無線送受信装置の生成する時間的情報である位置基礎情報に基づいて、GPSの位置決め原理により特定されるものとなり、このさい特定空間の外方近傍に位置された固定側RFID無線送受信装置から位置特定用の電波信号が発信されることは、人工衛星などのような遠方位置から発信される電波信号を利用するものに比べて本発明の構成を小規模化させ且つ位置表示像の位置特定精度を向上させることができる。また動体側RFID無線送受信装置は位置特定用の電波信号発生部を形成する必要のないものとなって、その分、動体側RFID無線送受信装置の構造を簡易化させ及び小型化させることができる。
請求項7記載の発明によれば、競技指導者などは画像表示部に表示された速度ベクトル表示像及び又は加速度ベクトル表示像を見ることにより、競技中の競技者の特定部分の運動状態を迅速且つ詳細に把握することができ、各競技者について一層有用な支援情報を取得することができる。
請求項8記載の発明によれば、支援情報が自動的に得られるものとなり、この支援情報を画像表示部に自動的に表示させたり、或いは知覚付与手段を介してこれを止着した競技者に自動的に伝達させることが可能となる。
以下本発明の第一の実施の形態について説明する。
図1は本発明をサッカーにおいて実施したときの競技場の様子を示す斜視図、図2は本発明の一部をなすRFID無線送受信装置を示すものでAは動体側RFID無線送受信装置のブロック図でBは固定側RFID無線送受信装置のブロック図、図3は本発明に係る競技能力向上支援ツールの概要を説明したブロック図、図4は前記支援ツールの一部をなす画像表示部に表示された2次元的な画像であって競技中の競技場の状態を表すものものである。
図1において、1はサッカー競技のフィールドで、タッチライン1a、1aの長さが90m〜120mで、ゴールライン1b、1bの長さが45m〜90mである。
フィールド1内の地面上には対戦する2つのチームの競技者2が多数存在して競技を行っている状態である。そして、3はサッカーボールである。
競技者2及びサッカーボール3のそれぞれには、動体側RFID無線送受信装置4が止着されている。
上記動体側RFID無線送受信装置4は、従来より存在するRFIDタグを基礎とするもので、例えば、図2Aに示すようにRFアンテナ4a及びIC4bを備えると共に、IC4bにRFコントローラa1、無線通信モデムa2のほかコンピュータ回路a3などが組み込まれたものとなされる。このさい、コンピュータ回路a3には、動体側RFID無線送受信装置4の位置を特定するための位置基礎情報を生成することのできる基礎情報生成部b1が形成される。
動体側RFID無線送受信装置4にはこれを競技者2やサッカーボール3に止着するための止着手段4cが付加されており、この止着手段4cは競技者2の腹部又は腕部などやサッカーボール4に止着することを可能となすものがよいのであり、例えば帯体や粘着テープなどが使用される。
フィールド1の外側には、一対のタッチライン1a、1aの横外方の両端位置及び中央位置の6個所のそれぞれに、支柱5が起設されており、それぞれの支柱5の上部に単一の固定側RFID無線送受信装置6が固定されている。
上記固定側RFID無線送受信装置6は、従来より存在するRFIDリーダーを基礎とするもので、例えば、図2Bに示すようにRFアンテナ6a及びIC6bを備えると共に、IC6bなどに、RFコントローラc1、無線通信モデムc2のほかコンピュータ回路c3などが組み込まれており、上記動体側RFID無線送受信装置4との間で無線通信による情報通信が行われるものとなされる。
フィールド1の外側の任意位置には、図3に示すように固定側RFID無線送受信装置6と無線或いは有線で電気的に結合されたパーソナルコンピュータ(以下、単に「コンピュータ」と称す。)7が設置されている。このコンピュータ7はCPU7Aやメモリ7Bの組み込まれた本体部7a、入力装置7b及び画像表示部7cを備えたものであって、固定側RFID無線送受信装置6のRFアンテナ6aから位置特定用の電波信号を発信させるものとした位置特定用電波信号発信部d1、各動体側RFID無線送受信装置4から固定側RFID無線送受信装置6を経て伝達された位置基礎情報に基づいて各動体側RFID無線送受信装置4の位置情報を演算しメモリ7Bに記憶し該位置情報に基づいて図4に示すようなチーム別の競技者の位置表示像8a、8b、及びサッカーボール3の位置表示像3aを画像表示部7cに表示させるものとした位置表示処理部d1、この位置表示処理部d1で演算された位置情報からその対応する動体側RFID無線送受信装置4の現時点の速度ベクトル情報を演算し記憶し該速度ベクトル情報に基づいて動体側RFID無線送受信装置4の現時点の速度ベクトル像9a(図4参照)を画像表示部7cに表示させるものとした速度ベクトル表示処理部d2、この速度ベクトル表示部d2で演算された速度ベクトル情報からその対応する動体側RFID無線送受信装置4の現時点の加速度ベクトル情報を演算し記憶し該加速度ベクトル情報に基づいて動体側RFID無線送受信装置4の現時点の加速度ベクトル像9b(図4参照)を画像表示部7cに表示させるものとした加速度ベクトル表示処理部d3を備えるほか、それぞれの動体側RFID無線送受信装置4を止着したチーム別の競技者2の番号表示A0〜A10、B0〜B10を位置表示像8a、8bの近傍に表示させると共に特定の動体側RFID無線送受信装置4の止着されたサッカーボール3の記号(円印)3bをサッカーボール3の位置表示像3aである黒塗り四角印に関連して表示させるものとした競技者番号・ボール記号表示部d4を備えたものとなされている。
上記した第一の実施形態に係る競技能力向上支援ツールの使用例及び動作例について、図5に示すフロー図を参照して説明する
ステップs101に示すように、フィールド1内でのサッカーの競技中において、コンピュータ7は、各固定側RFID無線送受信装置6のRFアンテナ6aから例えば毎秒数十回〜数百回程度の時間間隔の一定時間ごとに同時に位置特定用の電波信号を発信させる。この電波信号のそれぞれはこれを発信した時点を識別するための発信時点識別情報と、これを発信した固定側RFID無線送受信装置6の固体識別情報とからなる電波識別情報が含まれたものとなる。
次にステップs102に示すように、競技者2及びサッカーボール3の動体側RFID無線送受信装置4のそれぞれは、6箇所の固定側RFID無線送受信装置6から同時に発信された位置特定用の電波信号の複数を受信し、これら同時に発信された電波信号を受信した時点についての時刻又は時間差を特定し、この時刻又は時間差についての情報と、これの対応する電波識別情報、及び、この電波識別情報の対応する電波信号を受信した動体側RFID無線送受信装置4の個体識別情報とを、位置基礎情報として、固定側RFID無線送受信装置6に無線通信で伝達し、次にステップs103に示すように、固定側RFID無線送受信装置6はその位置基礎情報をコンピュータ7に伝達する。
次にステップs104に示すように、コンピュータ7では、位置表示処理部d1が、同一の電波識別情報と、同一の動体側RFID無線送受信装置4の個体識別情報とを含む複数の位置基礎情報に基づいて、GPSの位置決め原理を使用することにより、その対応する動体側RFID無線送受信装置3の位置を演算して該位置に対応した位置情報を算出しメモリ7Bに記憶し、この位置情報に基づいて画像表示部7cに、図4に示すように、その対応する競技者2の位置表示像8a又は8b或いはサッカーボール3の位置表示像3aを、フィールド1を上方から見た状態の2次元座標上に表示させる。このさい、位置表示像8a、8bは同一の電波識別情報と、同一の動体側RFID無線送受信装置4の個体識別情報とを含む少なくとも3つ以上の位置基礎情報に基づいて、フィールド1を斜め上方から見た状態の適宜な3次元座標上に3次元的に表示させることもできる。そしてステップs105に示すように、この位置情報に基づいて、速度ベクトル表示部d2がその対応する速度ベクトルを演算しメモリ7Bに記憶して、画像表示部7cにその対応する速度ベクトル像9aを2次元座標上に表示させるか、又は図示しない3次元座標上に3次元的に表示させるのであり、次にステップs106に示すように、この速度ベクトルに基づいて、加速後ベクトル表示部d3がその対応する加速度ベクトルを演算しメモリ7Bに記憶して、画像表示部7cにその対応する加速度ベクトル像9bを2次元的に表示させるか、又は図示しない3次元座標上に3次元的に表示させる。
このさい、位置表示像3a、8a、8b、速度ベクトル像9a及び加速度ベクトル像9bは画像表示部7cに任意に表現して差し支えないのであり、図4においては位置表示像3a、8a、8bはそれぞれ黒塗り四角印、黒線円印又は黒塗り円印で表現し、速度ベクトル像9aは位置表示像3a、8a、8bから引き出された第一の矢印で表現し、加速度ベクトル像9bは速度ベクトル像9aの先端から引き出された第二の矢印で表現しているのであって、このように表現すれば、速度ベクトル像9aと加速度ベクトル像9bを加算したものが一目で認識されるため、各競技者2やサッカーボール3の運動エネルギーの大小の比較が迅速且つ容易に行える。また位置基礎情報にはその対応する動体側RFID無線送受信装置4の個体識別情報が含まれているが、競技者番号・ボール記号表示部d4は、この個体識別情報及び、予め入力装置からコンピュータ7に入力されてそのメモリ7Bに記憶されている対応表(即ち、動体側RFID無線送受信装置4の固体識別情報と、各競技者2の番号A0〜A10、B0〜B10、及びサッカーボール3との対応表)に基づいて、各位置基礎情報が各競技者2の各番号又はサッカーボール3の何れに対応するかを特定し、この特定された対応関係を対応関係情報としてメモリ7Bに記憶させ、この対応関係情報に基づいて、各競技者2やサッカーボール3の位置表示像8a、8bの近傍にその対応する競技者2の番号を表示すると共に、サッカーボール3の記号3bとして、位置表示像3aを中心とした円印を表示するものとなる。
一方ではステップs107に示すように、位置表示処理部d1が実際のフィールド1に対応したフィールド像1Aを画像表示部7cに表示させる。このフィールド像1Aを表示させるための画像情報は、フィールド1の形状や大きさ、及び、フィールド1に対する各固定側RFID無線送受信装置6の相対位置が特定されているため、これらの情報に基づいて、予めコンピュータ7に入力されそのメモリ7Bに記録されているプログラムにより演算されるのであり、位置表示処理部d1はこの画像情報に基づいてフィールド像1Aを画像表示部7cに図4に示すような2次元的に、又は図示しない3次元座標上に3次元的に表示するものとなる。
こうして、ステップs108に示すように、フィールド1において競技している各競技者2の運動動作やサッカーボール3の経時的な動作についての種々の位置関連画像(競技者2の番号A0〜A10、B0〜B10、やサッカーボール3の記号3bの付された位置表示像8a、8b、3a、速度ベクトル像9a、加速度ベクトル像9b)が画像表示部7cにリアルタイムで表示されるものとなる。
この状態の下で、ステップs109に示すように競技指導者は競技中に画像表示部7cに表示される位置関連画像を観察するのであり、これにより各競技者2やサッカーボール3の運動動作が的確に把握され、各競技者ごとの競技能力向上のための支援情報を取得することができる。そしてステップs110に示すように、こうして取得した支援情報は競技中に直ちにその対応する競技者2に適宜な手段で伝達するのであり、これにより支援情報は各競技者2の運動動作を改善する上で効果的に作用するものとなる。
競技中に取得される位置関連情報(位置情報、速度ベクトル、加速度ベクトル)は本発明ツールの各部の作動により経時的にメモリ7Bに記憶されていくが、この記憶された位置関連情報に基づいて任意な一定時間前の過去時点から現時点に至るまでのサッカーボール3や各競技者2の位置表示像8a、8b、3aを表示させてそれらの移動軌跡を競技中に他の位置関連画像と共にリアルタイムに表示させることができるのであり、競技指導者はこの移動軌跡を観察することにより競技中の競技者2にさらに的確な支援情報を提供することができる。
なお、メモリ7Bに記憶された画像情報を競技終了後に画像表示部7c上に再生させ、競技指導者や競技者2自身がこれを観察し分析し運動動作の改善や戦術の改善を図ることも可能である。
上記した第一の実施の形態は、多数の競技者がチームになって対戦するような競技、例えば、ラグビー、バレーボール、ハンドボール、野球、ソフトボール、バスケットボールなどにおいて略々同様に実施できる。
この第一の実施の形態はさらに次のように発展させることができる。
動体側RFID無線送受信装置4の止着手段4cである帯体や粘着テープなどに、これを止着された競技者2の聴覚、皮膚感覚(機械的振動とか電気的刺激などに伴う感覚)などを介して競技指導者の支援情報を該競技者2に伝達するものとした図3に示す知覚付与手段10を組み付けることができる。
この知覚付与手段10は動体側RFID無線送受信装置4の出力に関連して作動するものとなされる。
知覚付与手段10を機能させるさいは、例えば、競技中に画像表示部7cにリアルタイムに表示される位置関連画像を観察している競技指導者が特定の競技者2へ支援情報を伝達したいと思ったとき、入力装置7bからその支援情報を入力するのである。このように入力された支援情報は、固定側RFID無線送受信装置6に伝達され、ここから無線通信により、その対応する競技者2の止着している動体側RFID無線送受信装置4に伝達され、この動体側RFID無線送受信装置4から知覚付与手段10にこれの入力情報として伝達される。
ここで、知覚付与手段10が支援情報を言葉による音声を介して競技者2に伝達するものとなされている場合は、その音声は競技中の競技者2により容易に理解されるために比較的制限をうけ難いのであるが、知覚付与手段10が支援情報を言葉ではない音振動、機械的振動又は電気的刺激などを介して競技者2に伝達するものとなされている場合は、その音信号、機械的振動又は電気的刺激などは競技中の競技者2にとって比較的理解し難いものであるため、できるだけ簡易で少種となすのがよい。
具体的には、支援情報を聴覚による音信号で競技者2に伝達するときは、その音信号は、例えば「右移動せよ」を意味するものとして短音の等間隔繰返しとなし、「左移動せよ」を意味するものとして短音の不等間隔繰返しとなし、「前移動せよ」を意味するものとして長音の連続となし、「後移動せよ」を意味するものとして長音の等間隔繰返しとなす。
また支援情報を皮膚感覚による機械的振動で競技者2に伝達するときは、その機械的振動は、例えば、「右移動せよ」を意味するものとして短時間振動の等間隔繰返しとなし、「左移動せよ」を意味するものとして短時間振動の不等間隔繰返しとなし、「前移動せよ」を意味するものとして長時間振動の連続となし、「後移動せよ」を意味するものとして長時間振動の等間隔繰返しとなす。
また支援情報を皮膚感覚による電気的刺激で競技者2に伝達するときは、その電気刺激は、例えば、「右移動せよ」を意味するものとして短時間刺激の等間隔繰返しとなし、「左移動せよ」を意味するものとして短時間刺激の不等間隔繰返しとなし、「前移動せよ」を意味するものとして連続刺激となし、「後移動せよ」を意味するものとして長時間刺激の等間隔繰返しとなす。
さらには、知覚付与手段10の出力部を止着手段4aに複数設け、各出力部を競技者2の身体の例えば前後左右の4個所に止着するようにしてもよいのであり、この場合には、支援情報を特定の競技者2に伝達するために、例えば、「右移動せよ」を意味するものとして右個所の出力部から任意な皮膚感覚信号を発生させ、また「左移動せよ」を意味するものとして左個所の出力部から任意な皮膚感覚信号を発生させ、また「前移動せよ」を意味するものとして前個所の出力部から任意な皮膚感覚信号を発生させ、また「後移動せよ」を意味するものとして後個所の出力部から任意な皮膚感覚信号を発生させるようにする。このさい、出力部は競技者2の身体の左右2個所にのみに止着してもよいのであり、この場合には、各出力部からの出力の有無とか出力態様の変化を組み合わせた複数の異なる組合せのそれぞれに異なる内容の支援情報を対応させておき、各出力部の出力の組み合わせを変更することにより種々の支援情報を伝達する。
次に本発明の第二の実施の形態について図3及び図6などを参照して説明する。このさい、特に言及していない点については第一の実施の形態の場合に準じる。図6は本発明を水泳において実施したときの競技中の競技者に対応する画像を示している。
特定の競技者の複数の関節個所及び、好ましくはさらに頭部、手部及び足部の各先端に、動体側RFID無線送受信装置4を止着する。このさい、動体側RFID無線送受信装置4はこれの止着された関節の動きを拘束しないものとなすことが重要である。競技者が泳いでいるプールの外側の必要な特定位置のそれぞれには前記固定側RFID無線送受信装置6が固定されている。またプールの外側の任意位置には、前記固定側RFID無線送受信装置6と無線で或いは有線で電気的に結合されたコンピュータ7が設置されている。コンピュータ7の本体部7aには動体側RFID無線送受信装置4から伝達された位置基礎情報に基づいて画像表示部7cに人間の骨格画像を表示させるための骨格表示処理部d5が形成されている。
上記した本発明に係る競技能力向上支援ツールの使用例及び動作例について、図7に示すフロー図を参照して説明する。
ステップs201に示すように、プール内での水泳の競技中において、コンピュータ7は、各固定側RFID無線送受信装置6のRFアンテナ6aから一定時間ごとに且つ同時に位置特定用の電波信号を発信させる。
ステップs202に示すように、競技者に止着された複数の動体側RFID無線送受信装置4は、複数の固定側RFID無線送受信装置6から同時に発信された電波信号の複数を受信し、先の場合と同様にして位置基礎情報を任意な固定側RFID無線送受信装置6に無線通信で伝達し、この後、ステップs203に示すように、固定側RFID無線送受信装置6はその受信した位置基礎情報をコンピュータ7に伝達する。
コンピュータ7では、ステップs204に示すように位置表示処理部d1が、位置基礎情報に基づいてGPSの位置決め原理を使用することによりその対応する動体側RFID無線送受信装置4の位置を演算して各動体側RFID無線送受信装置4の位置に対応した位置情報を算出しメモリ7Bに記憶し、この位置情報に基づいて画像表示部7cにその対応する位置表示像(灰色塗り円印)11aを表示させる。このさい、ステップs205及びステップs206に示すように、必要に応じて、位置表示像11aと共に速度ベクトル像9a及び加速度ベクトル像9bを先の場合と同様に表示させることができる。
なお、必要に応じて、位置表示処理部d1により画像表示部7cにプールに対応したプール像を表示させることも差し支えない。
一方では、動体側RFID無線送受信装置4の個体識別情報と、これの止着された関節などの身体個所との対応関係情報を、入力装置7bから関節名称などを入力することによりメモリ7Bに予め記憶させておく。位置基礎情報にはその対応する動体側RFID無線送受信装置4の個体識別情報が含まれているのであり、コンピュータ7の骨格表示処理部d5はこの個体識別情報及び前記対応関係情報に基づいて、ステップs207に示すように、各位置基礎情報に対応する身体個所を識別すると共に、予めメモリ7Bに記憶された人体骨格関節配置情報と各位置基礎情報に基づいて、身体個所に対応した位置表示像11aのうち骨で結合されるべき対応する2つを特定し、これら2つを直線で結合するための直線情報を演算し、この直線情報に基づいて画像表示部7cに直線像12を表示させる。これにより、ステップs208に示すように、画像表示部7cには関節を示す位置表示像11aと、関節を結合する骨を示す直線像12からなる人間骨格模式像が水泳競技中の特定の競技者の運動動作を示すものとして経時的且つリアルタイムに表示される。
この状態の下でステップs209に示すように、競技指導者は競技中に画像表示部7cに表示される特定の競技者の人間骨格模式像の動作を観察するのであり、これにより特定の競技者の運動動作を的確に把握でき、その競技能力向上のための支援情報をその対応する実際の運動動作中に取得することができる。そしてステップs210に示すように、競技指導者はこの取得した支援情報を直ちに競技中の特定の競技者に適宜な手段で伝達するのであり、特定の競技者はこの支援情報のとおりに動作するように努力する。これにより支援情報は競技者の運動動作を改善する上で効果的に作用するものとなる。
このさい、水泳競技中にメモリ7Bに記憶された位置情報に基づいて任意な一定時間前の過去時点から現時点に至るまでの競技者の位置表示像11aを画像表示部7c上に表示させることにより得られる競技者の各身体箇所の移動軌跡を、先の場合と同様に、競技中に他のリアルタイムの位置表示像11aなどと共に表示させることができるのであり、競技指導者はこの移動軌跡を観察することにより競技中の競技者にさらに的確な支援情報を提供することができるのである。
またメモリ7Bに記憶された位置関連情報に基づいて競技終了後に画像表示部7c上にその対応する画像を再生させて、この再生画像を競技指導者や競技者自身が観察し分析して運動動作の改善や戦術の改善を図ることも可能である。また、この実施の形態では関節などの身体部位の動きを画像表示画面7cに表示された画像を通じて目視により識別できるため、競技指導者や競技者自身は画像表示部の画像を観察することにより競技開始からの時間経過に伴う手足の動きの経時的変化などを的確に把握することができると共に必要に応じて適宜な計測具を使用してそれを計測することにより緻密な情報を得ることができ、競技の開始から終了までの持久力に係る運動動作を効果的に改善することができる。
上記した第二の実施の形態は次のように発展させることができる。
動体側RFID無線送受信装置4の止着手段4cの任意な何れか又はすべてに既述の知覚付与手段10を設ける。
またコンピュータ7に、水泳熟練者の運動動作をメモリ7Bに記録するための模範動作記録部d6と、この模範動作記録部d6に記録された人間骨格画像を変形させるための骨格画像変形処理部d7と、この画像変形処理部d7で変形された人間骨格画像を画像表示部7c上に表示された競技中の特定の競技者の人間骨格画像に重ねて表示させるものとした画像重合表示処理部d8と、この画像重合表示処理部d8で表示された2つの人間骨格画像における同一身体箇所の対応する2つ関節の距離が予め設定された特定長さを越えたときにこれを是正するための支援情報を生成するものとした支援情報生成部d9とを形成する。
このように発展させた形態の使用例及び作動例を図8に示すフロー図を参照して説明すると、ステップs211に示すように、模範動作記録部d6により水泳熟練者の運動動作をメモリ7Bに記録するのであって、具体的には、水泳熟練者の関節に競技者の場合と同様に動体側RFID無線送受信装置4を止着し、競技者の人間骨格画像を画像表示部7cに表示させる場合に準じて、必要な情報を模範動作記録部d6に記録させる。このさい、模範動作記録部でメモリに記録された情報は、これに類似した機能を奏するものであれば任意なものでよいのであって、例えば経験データや理論データなどの他の基礎データなどで置き換えることも差し支えない。
次にステップ212に示すように、画像変形処理部d7は、模範動作記録部d6で作成された水泳熟練者の人間骨格画像の画像身長を支援情報を受ける特定の競技者の人間骨格画像の画像身長に概略合致させるための処理を行うのであって、具体的には、例えば、特定の競技者における頭部先端p1の位置情報と、左右の大腿部関節の位置情報から得られる左右の大腿部関節の相互間距離の中央点p2の位置情報とにより頭部先端p1から該中央点p2までの長さである上半身部長さを演算し、一方ではこれに準じて水泳熟練者の上半身部長さを演算し、これらの演算の結果からその大きさの比を求めて、水泳熟練者の画像身長をその比に関連して拡大又は縮小し特定競技者の画像身長に概略合致させる処理を、模範動作記録部d1で記録した画像情報に対して行い、このように処理された後の画像情報をメモリ7Bに記憶させる。
次にステップ213に示すように、画像重合表示処理部d8は、特定の競技者の人間骨格画像上に水泳熟練者の拡大縮小された人間骨格画像を出来るだけ符合するように重ね合わせて表示するのであり、例えば特定の競技者の人間骨格画像における頭部先端p1と上記中央点p2との中間点p3上に、水泳熟練者の人間骨格画像における対応する点を合致させ、両者の頭部先端p1と中央点p2とを結ぶ2つの直線を符合させるようにする。そして、時間と共に変化する水泳熟練者の人間骨格画像はその手足の基本運動動作サイクルの時間位相が競技者のそれらと合致するように早送り或いは遅送りするように調整される。この水泳熟練者の人間骨格画像は競技中の競技者のリアルタイムの人間骨格画像と同時に画像表示部7cに表示させるのがよいが、競技後の競技者の再生画像上に表示させることも差し支えない。
次にステップ214に示すように、支援情報生成部d9は同一時点において特定の競技者の人間骨格画像上の関節などの部位と水泳熟練者の人間骨格画像上の対応する部位との位置ズレが予め定めた特定大きさを越えたときにこれを修正するための支援情報を予めメモリ7Bに記録された種々の支援情報の中から択一したり組み合わせるなどして出力する。この際の支援情報は、例えば、「右手の肘を高くせよ」「左足の脛を低くせよ」「手のピッチを早くせよ」「足のピッチを遅くせよ」などのようなものでよい。
こうして出力された支援情報は固定側RFID無線送受信装置6、動体側RFID無線送受信装置4を経て知覚付与手段10に伝達されるのであり、この後、ステップs215に示すように、知覚付与手段10はその対応する競技者にその支援情報に対応する知覚を生じさせるものとなる。
この第二の実施の形態は、個人の競技者の技が重視されるような競技、例えばピンポン、テニス、スカッシュ、ラケットボール、ゴルフ、スキーなどにおいて略々同様に実施することができるほか、多数の競技者が対戦するような競技において1人の競技者の競技能力を向上させる場合にも略々同様に実施できる。
上記ピンポン、テニス、スカッシュ、ゴルフ、スキーなどにあっては、用具を持って運動動作することになるが、この場合にはピンポンパドル、ラケット、クラブ、ステッキ、スキーボードなどにも動体側RFID無線送受信装置4を必要な位置に単数又は複数固定し、これの位置情報を演算して、その位置表示像及びこれに対応した速度ベクトル表示像9a及び加速度ベクトル表示像9bを画像表示部7cに表示させ、関節などの身体部分の運動動作と用具の動作との関連などを分析する。
本発明をサッカーにおいて実施したときの競技場の様子を示す斜視図である。 本発明の一部をなすRFID無線送受信装置を示すものでAは動体側RFID無線送受信装置のブロック図でBは固定側RFID無線送受信装置のブロック図である。 本発明に係る競技能力向上支援ツールの概要を説明したブロック図である。 前記支援ツールの一部をなす画像表示部に表示された画像であって競技中の競技場の状態を表すものものである。 本発明をサッカーにおいて実施したときのフロー図である。 本発明を水泳において実施したときの競技中の競技者の人間骨格画像を示している 本発明を水泳において実施したときのフロー図である。 図7のフロー図に続くフロー図である。
符号の説明
1 フィールド(特定空間)
2 競技者(動体)
3 サッカーボール(動体、運動用具)
3a 位置表示像
4 動体側RFID無線送受信装置
6 固定側RFID無線送受信装置
7 コンピュータ
7B メモリ
8a 位置表示像
8b 位置表示像
9a 速度ベクトル
9b 加速度ベクトル
10 知覚付与手段

Claims (8)

  1. 競技者に競技能力向上のための支援を行うさい、特定空間内で運動動作する前記競技者のほか必要に応じてその使用する運動用具の特定部分に動体側RFID無線送受信装置を止着し、この動体側RFID無線送受信装置に、これの位置を2次元的又は3次元的に特定するための位置基礎情報を適当時間間隔で連続的に生成させ発信させることを特徴とする競技能力向上支援方法。
  2. 前記動体側RFID無線送受信装置に知覚付与手段を電気的に結合させ、前記競技者の競技能力を向上させるための支援情報を前記特定空間の外方から前記動体側RFID無線送受信装置に無線送信し、次にこの動体側RFID無線送受信装置から知覚付与手段を経て前記競技者に伝達させるように実施することを特徴とする請求項1記載の競技能力向上支援方法。
  3. 特定空間内の競技者のほか必要に応じて該競技者の使用する運動用具を含む動体の特定部分に止着され該特定部分の現位置を特定するための位置基礎情報を一定時間ごとに生成し発信する動体側RFID無線送受信装置と、前記位置基礎情報に基づいて画像表示部に前記特定部分の現時点の位置に対応した位置表示像のほか、必要に応じて、前記位置基礎情報から得られる他の位置関連情報に対応した画像を表示するコンピュータとを備えてなることを特徴とする競技能力向上支援ツール。
  4. 特定空間内の動体の特定部分に止着される動体側RFID無線送受信装置と、特定空間の外方近傍の固定個所に位置される固定側RFID無線送受信装置と、前記動体側RFID無線送受信装置から発信され前記固定側RFID無線送受信装置の受信した位置基礎情報に基づいて一定時間間隔ごとの前記動体側RFID無線送受信装置についての位置情報を演算し記憶すると共に該位置情報に基づいて画像表示部に前記特定部分の現時点の位置に対応した位置表示像のほか、必要に応じて、前記位置基礎情報から得られる他の位置関連情報に対応した画像を表示するコンピュータとを備えてなることを特徴とする競技能力向上支援ツール。
  5. 前記動体側RFID無線送受信装置に電気的に結合され且つ競技者に止着された状態の下で前記競技者にその競技能力を向上させるための支援情報に対応した知覚を付与するものとした知覚知覚付与手段を備えており、このさい、支援情報が前記コンピュータから前記固定側RFID無線送受信装置及び前記動体側RFID無線送受信装置を経て前記知覚付与手段に伝達されることを特徴とする請求項4記載の競技能力向上支援ツール。
  6. 前記固定側RFID無線送受信装置が複数設けられており、各固定側RFID無線送受信装置から一定時間ごとに同時に位置特定用の電波信号が発信され、前記動体側RFID無線送受信装置は前記電波信号のそれぞれの到達時点についての時刻又はそれぞれの到達時点間の時間差である前記位置基礎情報に基づいて、前記動体側RFID無線送受信装置の2次元空間内位置又は3次元空間内位置を特定するための前記位置情報を生成し発信することを特徴とする請求項4又は5記載の競技能力向上支援ツール。
  7. 前記他の位置関連情報が、前記動体側RFID無線送受信装置の現時点の位置に対応した速度ベクトル及び又は加速度ベクトルであることを特徴とする請求項3、4又は5記載の競技能力向上支援ツール。
  8. 前記コンピュータが、前記動体側RFID無線送受信装置から発信される一定時間ごとの位置基礎情報と、予めメモリに記録された経験データや理論データなどの基礎データなどとに基づいて、前記特定部分の現時点の動作を修正するための支援情報を生成するものとした支援情報生成部を備えていることを特徴とする請求項3、4、5、6又は7記載の競技能力向上支援ツール。
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