JP2008047535A - 誘電面をイオンビーム処理する方法、および当該方法を実施するための装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カソード4の材料にグラファイトまたはボロンを使用し、かつ作動ガスとして酸素またはその混合物を使用することによって、スパッタリング生成物が被処理面1上に凝縮しなくなることで、被処理面1への汚染を最小限にする。また被処理面1へのイオン流の作用領域と、この面とトンネル状の磁界部分との交差領域とが、部分的重なるようにすることによって、被処理面1上の電荷の中和効果を向上させる。種々の形状のイオンビームを生成する加速器をイオン源2として使用することで、平坦な面も曲線状の面もイオンビーム処理できるようにする。
【選択図】図1
Description
−消費されるエネルギーと比較して電子源の作動効率が低いこと、
−白熱要素(incandescent element)を使用するので耐用年数が短いこと、
−装置の設計が複雑であり、面積が広い面の処理に当該装置を適用することが困難であること、
−直線状でない面の処理が複雑であること、
という欠点がある(特許文献4)。
図1に、特許請求の範囲に記載の方法の実施を説明する装置を概略的に示し、当該装置では、1が被処理面で、2がイオン源であり、3が、カソード放電装置のカソード4と磁気システム5とからなる電子源で、6は、磁気システム5により生成されたトンネル状の磁束である。
−機器製造業において使用される狭い面から、建築物を建造するときに使用される非常に広い面まで、種々の寸法のタイプおよび形状の誘電面が、イオンビーム処理されること、
−外形が直線状、曲線状の誘電面が、処理されること、
−イオンおよび電子流の作動効率が、消費電力と比較して高くなること、
−カソードの耐用年数が長くなること、
−面の洗浄効率をこのように保証する高強度のイオンおよび電子流で、作動が行われること、
−前記面へのスパッタリング生成物の堆積が実際にゼロになるので、面をイオンビーム処理するプロセスにおいて生じる誘電面の汚染が減少すること、
が可能になる。
例1
ガラスプレートをイオンビーム処理するプロセスを行うために、極低温真空ポンプにより、残圧が5.5×10−4Paになるまで、真空チャンバを排気する。
イオンビーム洗浄プロセスを実行するために、極低温真空ポンプにより、真空チャンバを、残圧が5.5×10−4Paになるまで排気する。
−機器製造業において使用される狭い面から、建築物を建造するときに使用される非常に広い面まで、種々の寸法のタイプおよび形状の誘電面が、イオンビーム処理されること、
−面のイオンビーム処理の質が向上すること、
−外形が直線状、曲線状の面が、処理されること、
−被処理面上の欠陥の発生が、最小限になること、
−消費電力と比較してイオンおよび電子源の作動効率が高いままで、面が処理されること、
−耐用年数が長くなること、
−本方法を実施することを目的とする装置が、単純化されること、
−面を洗浄する効率をこのように保証する高強度のイオンおよび電子流で、作動が行われること、
−前記面上のスパッタリング生成物の濃度が実際にゼロになるので、誘電面をイオンビーム処理するプロセスにおいて生じる面の汚染が減少すること、
−被処理面の洗浄の質が高くなり、予備的に処理された面への薄膜成膜の質が高くなること、
が、保証される。
2:イオン源
3:電子源
4:カソード
5:磁気システム
6:トンネル状の磁束
Claims (19)
- 指向性のあるイオン流および指向性のある電子流を、生成し、誘電体の面に作用させて、当該誘電面上に発生する正の電荷を中和することを含む、被処理誘電面をイオン処理する方法であって、
前記電子流が、プラズマカソード放電によりトンネル状の磁界とともに生成され、さらに、前記トンネル状の磁界の前記磁束の一部分は、前記カソード面と、前記被処理誘電面とを同時に横切り、前記カソードは、グラファイトおよび/またはボロンから製造されることを特徴とする方法。 - カソード面と前記被処理誘電面とを同時に横切る前記トンネル状の磁界部分は、全磁束の少なくとも20%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記イオン流が前記被処理面上に作用する領域と、この面と前記トンネル状の磁界とが交差する領域とは、相互に部分的に重なることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の方法。
- 前記カソード面上における前記トンネル状の磁界の平行成分の強度は、20から100mTの範囲内で調節されることを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに記載の方法。
- 前記カソードの組成には、電子の仕事関数が低い材料、一連のCs、Ba、Laなどの1つの材料が0.1から5.0%ドープされることを特徴とする請求項1、2、4のいずれかに記載の方法。
- 前記指向性のあるイオン流の生成が、前記作動ガスイオンを制御し得る発生器により行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 閉じ込められた電子をドリフトさせる前記加速器が、前記作動ガスイオンの発生器として使用されることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記作動ガスの組成には、10から100%の含有量で酸素が含まれることを特徴とする請求項6、7のいずれかに記載の方法。
- 真空チャンバを含み、当該真空チャンバ内に配置される誘電面と、前記作動ガスイオン源と、電子源と、前記被処理誘電面に対して配置される磁束を生成することを目的とした磁気システムとを有する誘電面イオン処理装置であって、
グラファイトおよび/またはボロンからなるカソードを有するカソード放電装置が、電子源として使用され、前記カソード面上にトンネル状の磁束を生成するための前記磁気システムが、前記カソード面の下に装着され、さらに、前記誘電面と前記イオン源の出力開口部とに対する前記カソード放電装置の配置は、イオン流が前記被処理面に作用する領域と、この面と前記磁束とが交差する領域とが、前記相互に部分的に重なる領域を形成するような配置にされることを特徴とする装置。 - 前記相互に部分的に重なる領域は、前記磁気システムにより生成される前記磁束の少なくとも20%を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記カソード面上への前記トンネル状の磁束の平行成分の強度は、20から100mTの範囲内であることを特徴とする請求項9、10のいずれかに記載の装置。
- 前記カソードの材料には、重量で0.1から5.0%の量の、一連のCs、Ba、Laからの元素および/または化合物がドープされることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 閉じ込められた電子をドリフトさせる加速器が、前記作動ガスイオン源として使用されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記被処理誘電面の外形は、平坦であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記被処理誘電面の外形は、曲線状であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記イオン源の出力開口部は、前記被処理誘電面に対して平行にまたは角度をつけて配置されることを特徴とする請求項9、13のいずれかに記載の装置。
- 前記イオン源の出力開口部と前記被処理誘電面との間の角度は、0°から90°までであることを特徴とする請求項16に記載の装置。
- 前記カソード面は、前記被処理誘電面に対して平行にまたは角度をつけて配置されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
- 前記カソード面と前記被処理誘電面との間の角度は、0°から90°までであることを特徴とする請求項18に記載の装置。
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