JP2008047465A - 色覚障害者用照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】色覚障害者による対象物の色識別を向上させることができる色覚障害者用照明装置を提供する。
【解決手段】調整ボリューム1、誤差増幅器2、PWM制御回路3、LED駆動回路4、電流検出回路5、青色LED部6、調整ボリューム7、誤差増幅器8、PWM制御回路9、LED駆動回路10、電流検出回路11、赤色LED部12などを備え、色覚障害者が調整ボリューム1、7のつまみを回すことにより、青色LED部6、赤色LED部12それぞれに流れる電流を制御して各LEDの光の強度を個別に調整することができる。青色LED部6の青色LEDは、ドミナント波長が460nm〜480nmであり、赤色LED部12の赤色LEDのドミナント波長が610nm〜630nmである。
【選択図】図1
【解決手段】調整ボリューム1、誤差増幅器2、PWM制御回路3、LED駆動回路4、電流検出回路5、青色LED部6、調整ボリューム7、誤差増幅器8、PWM制御回路9、LED駆動回路10、電流検出回路11、赤色LED部12などを備え、色覚障害者が調整ボリューム1、7のつまみを回すことにより、青色LED部6、赤色LED部12それぞれに流れる電流を制御して各LEDの光の強度を個別に調整することができる。青色LED部6の青色LEDは、ドミナント波長が460nm〜480nmであり、赤色LED部12の赤色LEDのドミナント波長が610nm〜630nmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、対象物に光を照射して色覚障害者による対象物の色識別を支援する色覚障害者用照明装置に関する。
人間の目の視細胞は、その形態から杆体と錐体に分類され、錐体は、その異なる分光吸収特性により赤錐体、緑錐体、及び青錐体の3種類に分類されている。各錐体の分光吸収特性は、視物質の性質に依存し、赤錐体は赤視物質、緑錐体は緑視物質、青錐体は青視物質を発現しており、目に入った光がどのような波長成分を有するかに応じて、各視物質を介して各錐体が刺激され、色として知覚される。
赤視物質、緑視物質、青視物質のいずれかの機能が損なわれた状態を色覚障害という。色覚障害の大多数は、赤視物質の遺伝子に変異を生じた第1色覚障害(色覚障害全体の約25%)か、緑視物質の遺伝子に変異を生じた第2色覚障害(色覚障害全体の約75%)であり、赤視物質又は緑視物質のどちらの機能が失われても、緑〜赤の波長域で色の差を感じにくいという似た症状になるため、赤緑色覚障害と総称されている。一方、青視物質の遺伝子に変異を生じた第3色覚障害は、色覚障害全体の約0.02%と少ない。
色覚障害のうち大多数を占める赤緑色覚障害(第1色覚障害、第2色覚障害)は、緑〜赤の波長域において、明度が類似した色を見分けること(対象物の色識別)が困難になっている。特に、光の波長域において、黄緑〜黄の波長域を中心に左右(短波長側と長波長側)の色がほぼ同一に見えており、「緑と赤」、「黄緑と黄」の差を区別して認識することが困難となっている。また、「紫と青」の差を区別して認識することも困難となっている。このような色覚障害者の色の見え方である色覚特性は、色覚障害者個々に応じて異なる。
そこで、色覚障害者が見分けることが困難な2つの色(赤、緑)のうちの一方の色を透過するフィルタを装着した矯正メガネを用いることにより、例えば、赤色フィルタで赤色のコントラストを明るく強調し、あるいは、緑色フィルタで緑色のコントラストを明るく強調して、色を見分ける方法が提案されている(非特許文献1参照)。
岡部正隆、他1名、"色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション" 細胞工学 Vol.21 No.9 2002年
岡部正隆、他1名、"色覚の多様性と色覚バリアフリーなプレゼンテーション" 細胞工学 Vol.21 No.9 2002年
しかしながら、非特許文献1の例にあっては、例えば、赤色フィルタを用いた場合には、赤の波長域は透過し、緑の波長域は吸収されるため、赤色は明るく見えるようになる。しかし、同じ色相でより明るい別の色が相対的に暗くなり、異なった色に見えるようになるため、赤色以外の別の色を識別することが困難な状態になるという問題があった。このため、色覚障害者が有する様々な色覚特性に合わせて色の差を容易に識別できることが望まれていた。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、青色光を発光する青色LEDと、赤色光を発光する赤色LEDとを備え、前記青色LED及び赤色LEDの光を出力するように構成することにより、色覚障害者による対象物の色識別を向上させることができる色覚障害者用照明装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、青色LEDは、波長470nm付近に発光ピークを有し、赤色LEDは、波長630nm付近に発光ピークを有することにより、色覚障害者による対象物の色識別を向上させることができる色覚障害者用照明装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、青色LED及び赤色LED夫々の光の強度を調節する強度調節手段を備えることにより、色覚障害者個々の色覚特性に合わせて色の識別度合いを調整することができる色覚障害者用照明装置を提供することにある。
第1発明に係る色覚障害者用照明装置は、対象物に光を照射して色覚障害者による該対象物の色識別を支援する色覚障害者用照明装置であって、青色光を発光する青色LEDと、赤色光を発光する赤色LEDとを備え、前記青色LED及び赤色LEDの光を出力するように構成してあることを特徴とする。
第2発明に係る色覚障害者用照明装置は、第1発明において、前記青色LEDは、波長470nm付近に発光ピークを有し、前記赤色LEDは、波長630nm付近に発光ピークを有することを特徴とする。
第3発明に係る色覚障害者用照明装置は、第1発明又は第2発明において、前記青色LED及び赤色LED夫々の光の強度を調節する強度調節手段を備えることを特徴とする。
第1発明にあっては、色覚障害者が見る対象物(例えば、印刷物)に赤色LED及び青色LEDの光を照射する。赤色LED及び青色LEDから発せられた光が、対象物で反射されて色覚障害者の目に入射する。この場合、色覚障害者の目に入射される光の分光分布は、蛍光灯若しくは白熱灯などの一般照明環境下又は屋外環境下において対象物から反射される光の分光分布と赤色LED及び青色LEDの光が有する分光分布とが合成されたものとなる。赤緑色覚障害者のうち、特に、第2色覚障害者は、緑視物質の機能に障害があるため、赤錐体及び青錐体の2つの錐体の反応度合いの差を利用して色を識別しているが、赤錐体及び青錐体の反応度合いの比が同程度となる光の波長では、同じ色と認識してしまう。赤色LEDが発する光により、赤波長付近の分光分布を大きくする。これにより、赤錐体の相対的な感度を大きくし、赤錐体及び青錐体の反応度合いの差を大きくして緑〜赤の波長域において同じ色と混同する波長域を小さくする。
また、青色LEDが発する光により、青波長付近の分光分布を大きくする。これにより、青錐体の相対的な感度を大きくし、赤錐体及び青錐体の反応度合いの差を大きくして紫〜青の波長域において同じ色と混同する波長域を小さくすることができ、さらに色の識別性を向上させる。また、赤色LEDと青色LEDとを組合せることにより、赤色LEDだけの場合に比較して、色再現性が良くなり、色覚障害者の色識別を向上させることができるのみならず、健常者にとっても違和感なく対象物を認識することができる。
また、赤緑色覚障害者のうち、第1色覚障害者は、赤視物質の機能に障害があり、赤錐体の相対的な反応度合いが低下している場合には、赤色LEDが発する光により、赤波長付近の分光分布を大きくする。これにより、赤錐体の相対的な感度を大きくし、緑錐体及び青錐体に加えて赤錐体の反応度合いの差により色覚障害者の色識別を向上させることができる。
第2発明にあっては、青色LEDは、波長470nm付近に発光ピークを有し、赤色LEDは、波長630nm付近に発光ピークを有する。赤錐体の相対的な感度は、波長550nm付近でピークを有し、550nm付近から700nm付近に至る波長域で減少する。一方、青錐体の相対的な感度は、440nm付近でピークを有し、440nm付近から540nm付近に至る波長域で減少し、540nm程度で急激に減少するが640nm付近まで感度を保っている。赤色LEDのドミナント波長を630nm付近とすることにより、赤錐体の相対的な感度が低下する波長域であって、青錐体の相対的な感度が保たれている波長域(例えば、620nm〜640nm)において、赤錐体に対する相対的な反応度合いを高める。また、青色LEDのドミナント波長を470nm付近とすることにより、青錐体の相対的な感度が低下する波長域(例えば、460nm〜480nm)において、青錐体に対する相対的な反応度合いを高める。
第3発明にあっては、強度調節手段は、青色LED及び赤色LED夫々の光の強度を調節する。これにより、色覚障害者個々の異なる色覚特性に合わせて、赤色LED及び/又は青色LEDの光の強度を調節する。
第1発明にあっては、青色光を発光する青色LEDと、赤色光を発光する赤色LEDとを備え、前記青色LED及び赤色LEDの光を照射するように構成することにより、色覚障害者による対象物の色識別を向上させることができる。
第2発明にあっては、青色LEDは、波長470nm付近に発光ピークを有し、赤色LEDは、波長630nm付近に発光ピークを有することにより、色覚障害者による対象物の色識別を向上させることができる。
第3発明にあっては、青色LED及び赤色LED夫々の光の強度を調節する強度調節手段を備えることにより、色覚障害者個々の色覚特性に合わせて色の識別度合いを調整することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る照明装置の要部構成を示すブロック図である。図中1は、調整ボリュームである。調整ボリューム1は、後述する青色LED部6が発する光の強度を調整するためのつまみを有し、色覚障害者がつまみを回すことにより、つまみの回動に応じた出力電圧を誤差増幅器2へ出力する。例えば、出力電圧が大きくなるようにつまみを回した場合、青色LED部6の光の強度は強くなり、出力電圧が小さくなるようにつまみを回した場合、青色LED部6の光の強度は弱くなる。
誤差増幅器2は、調整ボリューム1が出力した電圧と、後述する電流検出回路5が出力した電圧とを入力電圧として取得し、両入力電圧が等しくなるように出力電圧をPWM制御回路3へ出力する。これにより、誤差増幅器2は、調整ボリューム1から入力された電圧に応じて、青色LED部6に流れる電流を制御する。具体的には、誤差増幅器2は、調整ボリューム1から入力された電圧が大きい場合、青色LED部6に流れる電流を多くするように制御し、調整ボリューム1から入力された電圧が小さい場合、青色LED部6に流れる電流を少なくするように制御する。
PWM制御回路3は、発振回路を備え、誤差増幅器2から入力された電圧に応じて、所定の周波数(例えば、1kHz〜10kHz)のパルス信号のデューティー比を変化させたPWM信号をLED駆動回路4へ出力する。例えば、PWM制御回路3は、誤差増幅器2から入力された電圧が小さい場合、デューティー比が20%程度のPWM信号を出力し、誤差増幅器2から入力された電圧が大きい場合、デューティー比が80%程度のPWM信号を出力するように構成してある。
LED駆動回路4は、トランジスタなどのスイッチング素子を備え、PWM制御回路3から入力されたPWM信号に基づいてスイッチング素子をオン/オフして出力する電流(青色LED6部に流れる電流)を制御する。LED駆動回路4は、PWM制御回路3から入力されたPWM信号のデューティー比が20%の場合、出力電流を少なくし、PWM信号のデューティー比が80%の場合、出力電流を多くする。
電流検出回路5は、抵抗素子などで構成され、LED駆動回路4から青色LED部6に流れる電流を電圧に変換し、変換した電圧を誤差増幅器2の入力端へ出力する。電流検出回路5は、青色LED部6に流れる電流が多い場合、大きい電圧を誤差増幅器2の入力端へ出力し、青色LED部6に流れる電流が少ない場合、小さい電圧を誤差増幅器2の入力端へ出力するように構成してある。
青色LED部6は、複数の青色LEDを直列に接続したもの、あるいは、複数の青色LEDを直列に接続したものをさらに複数並列に接続したものであり、青色LEDを複数備えることにより、所要の照度が得られるように構成してある。
調整ボリューム7、誤差増幅器8、PWM制御回路9、LED駆動回路10、電流検出回路11、赤色LED部12の各構成、機能は、それぞれ調整ボリューム1、誤差増幅器2、PWM制御回路3、LED駆動回路4、電流検出回路5、青色LED部6と同様であるので、説明は省略する。以上の構成により、色覚障害者が調整ボリューム1、7のつまみを回すことにより、青色LED部6、赤色LED部12それぞれの光の強度を個別に調整することができる。
図2は青色LED及び赤色LEDの発光スペクトルを示す説明図である。図に示すように、青色LEDの発光ピークは、470nm付近(例えば、ドミナント波長が460nm〜480nm)にある。また、赤色LEDの発光ピークは、630nm付近(例えば、ドミナント波長が610nm〜630nm)にある。本発明に係る照明装置は、上述の構成を備えることにより、青色LED、赤色LEDに流れる電流をPWM制御して、発光スペクトルを変化させることなく、光の強度を調整する。
本発明に係る照明装置は、例えば、商用電源に接続され、入力された交流電圧を整流回路で整流した後、直流に変換して各LEDに電流を流すような構成でもよく、また、バッテリーから入力される直流電圧に基づいて各LEDに電流を流すような構成でもよい。また、照明装置としては、卓上のスタンドライト、懐中電灯のようなハンディライト、天井、壁、通路などに設置される投光器タイプなどがある。さらに、蛍光灯照明器具又は白熱灯照明器具内に各LEDを補助光源として付加したものでもよく、各LEDのみを備えた照明装置でもよい。
図3は健常者の各錐体の相対的な感度を示す説明図である。横軸は光の波長を示し、縦軸は各錐体の相対的な感度(分光感度)をLog換算で示している。青錐体の相対的な感度(受光スペクトル)は、440nm付近でピークを有し、440nm付近から540nm付近に至る波長域で減少し、540nm程度で急激に減少するが640nm付近まで感度を保っている。また、赤錐体の相対的な感度は、波長550nm付近でピークを有し、550nm付近から700nm付近に至る波長域で減少する。また、緑錐体の相対的な感度は、540nm付近でピークを有し、広い波長域で赤錐体の相対的な感度と重複しているが、少しずれている。
健常者では、ある波長の光が目に入った場合、青錐体、緑錐体及び赤錐体の3つの各錐体がその波長での分光感度に応じて反応し、3種の反応度合いが異なることにより、光の色を弁別することができる。すなわち、健常者は、各錐体の反応度合いの違いにより、異なる色として知覚することができる。
図4は赤緑色覚障害者(第2色覚障害者)の各錐体の相対的な感度の一例を示す説明図である。横軸は光の波長を示し、縦軸は各錐体の相対的な感度(分光感度)をLog換算で示している。第2色覚障害者のように緑錐体の機能が失われた場合、残る青錐体と赤錐体との2色型色覚となる。青錐体の相対的な感度(受光スペクトル)は、440nm付近でピークを有し、440nm付近から540nm付近に至る波長域で減少し、540nm程度で急激に減少するが640nm付近まで感度を保っている。また、赤錐体の相対的な感度は、波長550nm付近でピークを有し、550nm付近から700nm付近に至る波長域で減少する。
2色型色覚の場合、3種類の錐体ではなく、2種類の錐体で色を知覚するため、例えば、赤錐体の反応度合いと青錐体の反応度合いとの比が同程度になるような波長A1、A2では、健常者であれば異なる色として知覚できるのに対して、赤緑色覚障害者は、同じ色として知覚してしまい色識別をすることができない。黄緑〜黄の波長域を中心に左右(短波長側・長波長側)の色がほぼ同一に見えており、「緑と赤」、「黄緑と黄」の差を区別して認識することが困難となっている。
色覚障害者が見る対象物(例えば、印刷物、展示物、案内表示など)に本発明に係る照明装置で光を照射した場合、赤色LEDが発する光により、対象物が反射する光の波長630nm付近の分光分布を大きくする。これにより、赤錐体の相対的な感度を大きくし、赤錐体及び青錐体の反応度合いの差を大きくして緑〜赤波長域において同じ色と混同する波長域を小さくする。本来の色で見ることができない場合であっても、色の識別を可能にすることができる。
また、青色LEDが発する光により、対象物が反射する光の波長470nm付近の分光分布を大きくする。これにより、青錐体の相対的な感度を大きくし、赤錐体及び青錐体の反応度合いの差を大きくして紫〜青の波長域において同じ色と混同する波長域を小さくする。赤色LEDと青色LEDとを組合せることにより、さらに色の識別性を向上させることができ、赤色LEDだけの場合に比較して、色再現性が良くなり、色覚障害者の色識別を向上させることができるのみならず、健常者にとっても違和感なく対象物を認識することができる。
また、赤緑色覚障害者のうち、第1色覚障害者は、赤視物質の機能に障害があり、赤錐体の相対的な反応度合いが低下している場合には、赤色LEDが発する光により、対象物が反射する光の630nm付近の分光分布を大きくする。これにより、赤錐体の相対的な感度を大きくし、緑錐体及び青錐体に加えて赤錐体の反応度合いの差により色覚障害者の色識別を向上させることができる。
図5は蛍光灯照明環境下での対象物から反射される光の分光分布の一例を示す説明図である。横軸は光の波長を示し、縦軸は反射光の相対的強度を示す。なお、光の分光分布は、対象物に応じて異なることはいうまでもない。
図6は本発明に係る照明装置の照明環境下での対象物から反射される光の分光分布の一例を示す説明図である。横軸は光の波長を示し、縦軸は反射光の相対的強度を示す。図6は、図5で示される蛍光灯照明に加えて、本発明に係る照明装置を付加して、従来の蛍光灯照明に赤色LED及び青色LEDの照明を加えた場合における対象物から反射される光の分光分布を示す。図に示すように、分光分布は、赤色LEDにより波長630nm付近の分光分布が大きくなり、また、青色LEDにより波長470nm付近の分光分布が大きくなる。
これにより、従来のフィルタを用いた矯正メガネによる場合の如く、同じ色相でより明るい別の色が相対的に暗くなることがなく、特定の色以外の色が却って見えにくくなるということも防止することができ、色覚障害者が有する様々な色覚特性に合わせて色の差を容易に識別することができる。
次に、本発明に係る照明装置を用いて、石原色覚検査表(国際版38表)の判読正誤率を測定した結果について説明する。被検者は、石原色覚検査表(国際版38表)によるタイプ判定を行い、赤緑色覚障害者(第2色覚障害者(強))である。実験方法は、石原色覚検査表(国際版38表)で赤緑色覚障害者(第2色覚障害者)が判読できない表のみを用いて、蛍光灯による照明環境下、及び蛍光灯と本発明に係る照明装置とによる照明環境下における正誤率(正解数/回答数)を比較した。
実験結果は、蛍光灯による照明環境下では、正誤率は0%(正解数が0)であったのに対し、蛍光灯と本発明に係る照明装置とによる照明環境下では、正誤率は70%であった。特に、赤色LED及び青色LEDの光強度を同等にした場合には、正誤率は70%を超えた。また、蛍光灯の照度を500Lxとし、赤色LED及び青色LEDそれぞれの照度を200Lxとした場合、正誤率が70%となった。さらに、蛍光灯の照度と、赤色LED及び青色LEDによるLED照度との比が、1:1程度の場合、正誤率が70%を超えた。
以上説明したように、本発明にあっては、色覚障害者による対象物の色識別を向上させることができる。また、色覚障害者個々の色覚特性に合わせて色の識別度合いを調整することができる。
上述の実施の形態では、PWM制御によりLEDに流れる電流を制御する構成であったが、これに限定されるものではなく、LEDの発光スペクトルを変化させることなくLEDに流れる電流を可変できるものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、LEDに印加する電圧を変化させるような構成でもよい。
上述の実施の形態においては、各LEDの光の強度を調整するのに調整ボリュームを用いる構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、調節用のタッチパネル、スライド式など、いずれの構成であってもよい。
上述の実施の形態では、複数の青色LEDと赤色LEDを用いる構成であったが、照明装置内にどのように各LEDを配置するかは、照明装置の大きさ、形状などに応じて適宜決定することができる。また、使用するLEDの数も適宜設定することができる。
1、7 調整ボリューム
2、8 誤差増幅器
3、9 PWM制御回路
4、10 LED駆動回路
5、11 電流検出回路
6 青色LED部
12 赤色LED部
2、8 誤差増幅器
3、9 PWM制御回路
4、10 LED駆動回路
5、11 電流検出回路
6 青色LED部
12 赤色LED部
Claims (3)
- 対象物に光を照射して色覚障害者による該対象物の色識別を支援する色覚障害者用照明装置であって、
青色光を発光する青色LEDと、
赤色光を発光する赤色LEDと
を備え、
前記青色LED及び赤色LEDの光を出力するように構成してあることを特徴とする色覚障害者用照明装置。 - 前記青色LEDは、
波長470nm付近に発光ピークを有し、
前記赤色LEDは、
波長630nm付近に発光ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の色覚障害者用照明装置。 - 前記青色LED及び赤色LED夫々の光の強度を調節する強度調節手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の色覚障害者用照明装置。
Priority Applications (1)
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- 2006-08-18 JP JP2006223265A patent/JP2008047465A/ja active Pending
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