JP2008044804A - 割断装置および割断方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加圧機構で機械的応力を加えた際に被加工基板を綺麗に割断することができる適切なスクライブ速度を容易に得ることができる割断装置および割断方法を提供する。
【解決手段】本発明の割断装置は、基板ホルダ50と、被加工基板60に、レーザ光LBを照射して局部的に加熱するレーザ加熱部30と、被加工基板60に、流動性のある冷却剤Cを噴射して局部的に冷却して被加工基板60上に可視亀裂表面線を形成する冷却部40とを備えている。冷却剤Cが噴射される被加工基板60上の領域を撮像する観察ユニット10が設けられている。制御部70により、観察ユニット10からの可視亀裂表面線に関する情報に基づいて、レーザ光LBが照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび/または冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAの移動速度を可変とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、適切なスクライブ速度を容易に得ることができる割断装置、および当該割断装置を用いた割断方法に関する。
一般的に、液晶パネルや有機ELパネルなどのディスプレイを製造する際、ガラス基板(被加工基板)を割断する必要がある。レーザ光を用いてガラス基板を割断する方法には、スクライブ(表面割断)を行った後、機械的な応力を加えてブレイクするスクライブ&ブレイク(Scribe&Break)方法と、ブレイクエ程を用いない全割断(Full Body Cut)方法がある。
一般的に、レーザ光を用いて割断(レーザ割断)する際、割断速度を決定する必要があるが、割断速度を決定することは難しい。なお、割断速度は、割断プロセスの効率や、タクトタイムを決める上で極めて重要なパラメータである。
このように割断速度を決定することが難しい理由は、レーザ割断では、被加工基板の割断速度が、加熱のためのレーザ光のサイズ、レーザ光のパワー、冷却剤によって冷却される冷却領域の大きさ、レーザ光によって加熱される加熱領域と冷却剤によって冷却される冷却領域との距離などの複数のパラメータに依存した値であるためだけでなく、これら各パラメータと割断速度の関係が、線形でなく非線形になっていることなどにもよる。
このような割断速度の決定方法としては、割断速度VをV=ka(b+l)/δによって決定する方法がある(特許文献1参照)。ここで、Vは「ビームスポットおよび材料の相対的な移動速度」、kは「材料の熱物理特性およびビームの出力密度に依存した比例係数」、aは「材料表面上の加熱ビームスポットの横方向寸法」、bは「材料表面上の加熱ビームスポットの縦方向寸法」、1は「加熱ビームスポットの後端縁から冷却帯の前端縁までの距離」、δは「盲亀裂の深さ」である。
しかしながら、一般的に、スクライブ&ブレイク(Scribe&Break)方法を用いてガラス基板を割断する際、スクライブした後、ガラス表面に形成されているはずの割断線は見えない(このため、盲亀裂と呼ばれている)。これは、スクライブによってガラス基板に発生するスクライブ亀裂が浅いことや、スクライブ亀裂面の左右(オスとメス)の形状がまったく同一であり、スクライブ後密着接合していることによるものだと考えられる。
他方、ガラス基板をブレイクすると、スクライブによって発生していた亀裂(盲亀裂)において、破断面(この分野では破面という)に僅かな変化が見られる。上述した特許文献1に記載された発明は、スクライブした後に観察されるこのような盲亀裂の深さから、速度を決定するものである。
特表平8−509947号公報
しかしながら、このような割断方法においては、ガラス基板を実際にブレイクすることで初めて盲亀裂の深さを知ることができる。このため、多数のガラス基板をスクライブ&ブレイクして特性を求め、所用の深さを得るために、ガラス基板を割断して速度を決定する必要がある。
また、ガラス基板を割断することができなかった場合に、ガラス基板をスクライブする際の割断速度が適切でなかったのか、ガラス基板のブレイクを失敗したのか、どちらの理由によるものか判断することができない。このため、適切な割断速度を正確に決定することができない。
また、同種類のガラス基板であっても、レーザ光による加熱状態はさまざまな外乱をうけて変化する。例えば、割断対象であるガラス基板の成分のわずかな違いや、ガラス表面の粗さなどによる表面レーザ吸収率変化によって、レーザ光による加熱状態が変化する。また、ガラス基板の表面に膜等が設けられている場合には、当該膜の成分、膜厚、屈折率などによってもレーザ光による加熱状態が変化する。さらに、レーザ光のパワーの短時間変化や経時変化などによって、レーザ光自体の状態が変わってしまい、レーザ光による加熱状態も変化する可能性がある。
このような要素に起因するガラス基板の加熱状態の変化は、上述した盲亀裂の深さの変化になって現れる。このため、スクライブが不十分なガラス基板は、ブレイクできなかったり、割断予定線からずれてブレイクされたりする。この結果、プレイク不良の製品が発生してしまい、歩留まりが悪くなってしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、加圧機構で機械的応力を加えた際に被加工基板を綺麗に割断することができる適切なスクライブ速度を容易に得ることができる割断装置、および当該割断装置を用いた割断方法を提供することを目的とする。
本発明は、脆性材料からなる被加工基板を、割断予定線に沿って局部的に加熱および冷却し、その際に生じる応力によって、当該被加工基板に亀裂を生じさせて割断する割断装置において、被加工基板を保持する基板ホルダと、基板ホルダに保持された被加工基板の割断予定線近傍に、レーザ光を照射して局部的に加熱するレーザ加熱部と、レーザ加熱部の下流側に配置され、基板ホルダに保持された被加工基板のうち、レーザ加熱部からのレーザ光によって加熱された割断予定線近傍に、流動性のある冷却剤を噴射して局部的に冷却して被加工基板上に可視亀裂表面線を形成する冷却部と、冷却部近傍に配置され、冷却剤が噴射される被加工基板上の領域を撮像する観察ユニットと、基板ホルダに対して、加熱部による被加工基板上の加熱領域を相対的に移動させる加熱領域駆動機構と、基板ホルダに対して、冷却部による被加工基板上の冷却領域を相対的に移動させる冷却領域駆動機構とを備え、観察ユニットからの被加工基板上に生じる可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて、制御部により、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域の移動速度を調整することを特徴とする割断装置である。
このような構成により、例えば、次工程の加圧機構で機械的応力を加えた際に被加工基板を綺麗に割断することができる適切なスクライブ速度を容易に得ることができる。また、被加工基板を実際に割断することなく、適切にスクライブできたかを何度も実験することができるので、被加工基板を無駄にしないだけでなく、被加工基板をブレイクする労力を減らすこともできる。また、適切にスクライブできたかを判断することができるので、割断不良の原因がスクライブによるものか否かを正確に判断することができ、割断不良の原因を容易に解析することができる。
本発明は、加熱領域駆動機構が、レーザ加熱部を移動させる加熱部移動ユニットからなることを特徴とする割断装置である。
本発明は、冷却領域駆動機構が、冷却部を移動させる冷却部移動ユニットからなることを特徴とする割断装置である。
本発明は、加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構が、基板ホルダを移動させる基板ホルダ移動ユニットからなることを特徴とする割断装置である。
本発明は、加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構が、加熱領域駆動機構による基板ホルダに対する加熱領域の相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却領域駆動機構による基板ホルダに対する冷却領域の相対的な移動速度および/または移動方向を各々、独立に変更可能とすることを特徴とする割断装置である。
このような構成により、基板ホルダに保持された被加工基板に対する冷却領域の相対的な移動速度および/または移動方向を微調整することができる。
本発明は、加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構が、加熱領域駆動機構による基板ホルダに対する加熱領域の相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却領域駆動機構による基板ホルダに対する冷却領域の相対的な移動速度および/または移動方向を各々、リアルタイムで変更可能とすることを特徴とする割断装置である。
このような構成により、基板ホルダに保持された被加工基板に対する冷却領域の相対的な移動速度および/または移動方向を、迅速かつ確実に調整することができ、とりわけ、大きな被加工基板を割断する際に有益である。
本発明は、制御部が、観察ユニットからの前記可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて得られた被加工基板の割断率と、予め求められた所定の割断率とに従って、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を、被加工基板に対して相対的に移動させることを特徴とする割断装置である。
このような構成により、割断対象となる被加工基板を、容易かつ確実に割断することができる。
本発明は、制御部が、観察ユニットからの前記可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて得られた被加工基板の割断率が、予め求められた所定の割断率より小さい場合に、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を、遅い速度で、被加工基板に対して相対的に移動させることを特徴とする割断装置である。
本発明は、冷却部近傍に、被加工基板上の冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域に照明光を照射する照明部を設けたことを特徴とする割断装置である。
このような構成により、観察ユニットによって、被加工基板上に形成される可視亀裂表面線を、確実に観察することができる。
本発明は、観察ユニットが、被加工基板上の冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域に焦点を合わせる焦点調整機構を有することを特徴とする割断装置である。
このような構成により、観察ユニットによって、被加工基板上に形成される可視亀裂表面線を、鮮明な画像で観察することができる。
本発明は、観察ユニットが、CCDカメラ、撮像管またはMOSセンサを有することを特徴とする割断装置である。
本発明は、観察ユニットが、二次元のCCDカメラ、一次元のCCDセンサ、一次元のMOSセンサまたは光電子増倍管を有することを特徴とする割断装置である。
本発明は、照明部が、可視光、赤外光または紫外光を照射することを特特徴とする割断装置である。
本発明は、照明部が、インコヒーレント光またはコヒーレント光を照射することを特徴とする割断装置である。
本発明は、観察ユニットが、基板ホルダに対して冷却部側に配置されることを特徴とする割断装置である。
本発明は、基板ホルダが、冷却部側と反対側に開口部を有し、観察ユニットが、基板ホルダに対して冷却部側と反対側に配置され、開口部を介して可視亀裂表面線の有無および/または進展を観察することを特徴とする割断装置である。
本発明は、観察ユニットが、基板ホルダの側方に配置されることを特徴とする割断装置である。
本発明は、冷却部から冷却剤が噴射された被加工基板の割断予定線近傍に、局部的に機械的な応力を印加して被加工基板を割断する加圧機構をさらに備えたことを特徴とする割断装置である。
本発明は、予め得られた被加工基板上に生じた可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて、制御部により、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を所定の一定速度で移動させることを特徴とする割断装置である。
本発明は、脆性材料からなる被加工基板を、割断予定線に沿って局部的に加熱および冷却し、その際に生じる応力によって、当該被加工基板に亀裂を生じさせて割断する割断方法において、基板ホルダにより、被加工基板を保持する基板保持工程と、レーザ加熱部により、基板ホルダに保持された被加工基板の割断予定線近傍に、レーザ光を照射して局部的に加熱するレーザ加熱工程と、レーザ加熱部の下流側に配置された冷却部により、基板ホルダに保持された被加工基板のうち、レーザ加熱部からのレーザ光によって加熱された割断予定線近傍に、流動性のある冷却剤を噴射して局部的に冷却して被加工基板上に可視亀裂表面線を形成する冷却工程と、冷却部近傍に配置された観察ユニットにより、冷却剤が噴射される被加工基板上の領域を撮像する観察工程と、加熱領域駆動機構により、基板ホルダに対して、加熱部による基板上の加熱領域を相対的に移動させる加熱領域移動工程と、冷却領域駆動機構により、基板ホルダに対して、冷却部による基板上の冷却領域を相対的に移動させる冷却領域移動工程とを備え、制御部により、観察ユニットからの被加工基板上に生じる可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域の移動速度を制御することを特徴とする割断方法である。
このような構成により、例えば、次工程の加圧機構で機械的応力を加えた際に被加工基板を綺麗に割断することができる適切なスクライブ速度を容易に得ることができる。また、被加工基板を実際に割断することなく、適切にスクライブできたかを何度も実験することができるので、被加工基板を無駄にしないだけでなく、被加工基板をブレイクする労力を減らすこともできる。また、適切にスクライブできたかを判断することができるので、割断不良の原因がスクライブによるものか否かを正確に判断することができ、割断不良の原因を容易に解析することができる。
本発明は、制御部が、観察ユニットからの前記可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて得られた被加工基板の割断率が、予め求められた所定の割断率より小さい場合に、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を、遅い速度で、もしくは条件によっては速い速度で、再度、被加工基板に対して相対的に移動させることを特徴とする割断方法である。
本発明によれば、加圧機構で機械的応力を加えた際に被加工基板を綺麗に割断することができる適切なスクライブ速度を容易に得ることができる。また、被加工基板を実際に割断することなく、適切にスクライブできたかを何度も実験することができるので、被加工基板を無駄にしないだけでなく、被加工基板をブレイクする労力を減らすこともできる。また、適切にスクライブできたかを判断することができるので、割断不良の原因がスクライブによるものか否かを正確に判断することができ、割断不良の原因を容易に解析することができる。
実施の形態
以下、本発明に係る割断装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図6は本発明の実施の形態を示す図である。
本発明の割断装置は、脆性材料からなる被加工基板60を、割断予定線65に沿って局部的に加熱および冷却し、その際に生じる応力によって、当該被加工基板60に亀裂を生じさせて割断するために用いられる(図1参照)。
図1に示すように、割断装置は、被加工基板60を保持する基板ホルダ50と、基板ホルダ50に保持された被加工基板60の割断予定線65近傍にレーザ光LB1を照射して、被加工基板60の割断予定線65近傍を予熱するレーザ予熱部20と、レーザ予熱部20によって予熱された被加工基板60上であって、割断予定線65近傍に、レーザ光LB2を照射して局部的に加熱するレーザ加熱部30と、レーザ加熱部30の下流側に配置され、基板ホルダ50に保持された被加工基板60のうち、レーザ加熱部30からのレーザ光LB2によって加熱された割断予定線65近傍に、流動性のある冷却剤Cを噴射して局部的に冷却して被加工基板60上に可視亀裂表面線S(図3参照)を形成する冷却部40とを備えている。このうち、基板ホルダ50は、水平方向に移動させる基板ホルダ移動ユニット52上に配置されている。
ここで、可視亀裂表面線Sとは、レーザ加熱部30からのレーザ光LB2によって加熱された被加工基板60上の局部的な加熱領域HA(図1および図2参照)が、冷却部40からの冷却剤Cによって冷却されることによって、盛り上がるように変形して地割れのように開くため、観察されるものである(図3参照)。
なお図3の断面Dは、被加工基板60を割断予定線65で切ったときの断面である。また、図3に示すように、被加工基板60を、レーザ加熱部30からのレーザ光LB2によって局部的に加熱した後、冷却部40からの冷却剤Cによって冷却する(スクライブする)ことによって形成されたスクライブ亀裂CRは、冷却領域CAを基点として、割断予定線65の直下で形成されている。
可視亀裂表面線Sは、被加工基板60を加熱した後で、冷却している際にのみ観察することができ、冷却が終わった後では観察することはできない。これは、スクライブすることによって形成されるスクライブ亀裂CRは深さが浅く、かつスクライブ亀裂CRの左右(オスとメス)の形状がまったく同一であって、ぴったり接合しているため、加熱し、冷却するように、被加工基板60に大きな応力が加わる際でないと観察できないためである。
なお、図1において、被加工基板60内に延在する割断予定線65の方向をX方向とし、被加工基板60内であって、X方向に直交する方向をY方向とし、被加工基板60の法線方向(X方向およびZ方向に直交する方向)をZ方向とする。
また、図1に示すレーザ予熱部20は、被加工基板60上にレーザ光LB1を照射して被加工基板60を局部的に予熱するためのものである。図1に示すように、レーザ予熱部20は、200W程度のCOレーザ光LB1を出射するレーザ発振器21と、レーザ発振器21により出射されたレーザ光LB1を反射する反射ミラー22と、反射ミラー22により反射されたレーザ光LB1を被加工基板60上で走査するポリゴンミラー23とを有している。そして、レーザ発振器21から出射したレーザ光LB1は、反射ミラー22を経てポリゴンミラー23で反射され、被加工基板60上で割断予定線65に沿った領域L1で、繰り返し走査される。
また、図1に示すレーザ加熱部30は、被加工基板60上にレーザ光LB2を照射して被加工基板60を局部的に加熱して、被加工基板60に亀裂を生じさせるためのものである。図1に示すように、レーザ加熱部30は、数十W〜百数十W程度のCOレーザ光LB2を出射するレーザ発振器31と、レーザ発振器31により出射されたレーザ光LB2を反射する反射ミラー32と、反射ミラー32により反射されたレーザ光LB2を被加工基板60上で走査するポリゴンミラー33とを有している。そして、レーザ発振器31から出射したレーザ光LB2は、反射ミラー32を経てポリゴンミラー33で反射され、被加工基板60上で割断予定線65に沿った領域L2、で繰り返し走査される。
また、図1に示す冷却部40は、局部的に加熱された被加工基板60上の割断予定線65に冷却剤Cを吹き付けて冷却するためのものである。このような冷却剤Cとしては、水や霧(水と気体との混合物)、ヘリウム、窒素等の気体、二酸化炭素粒子(ドライアイス)等の微粒子固体、アルコール等の液体、霧状のアルコール、雪状のドライアイス等を用いることができる。
また、図1および図2に示すように、冷却部40近傍であって、基板ホルダ50に対して上方(冷却部40側)に、冷却剤Cが噴射される被加工基板60上の冷却領域CAを撮像する観察ユニット10が配置されている。
また、図7に示すように、冷却部40の下流側には、冷却部40から冷却剤Cが噴射された被加工基板60が配置される基板ホルダ50aと、当該被加工基板60の割断予定線65上に局部的に機械的な応力を印加する加圧機構46とを有する割断ユニット75が設けられている。なお、基板ホルダ50aは、基板ホルダ50aを水平方向に移動させる基板ホルダ移動ユニット52a上に配置されている。
また、図1に示すように、レーザ予熱部20には、レーザ予熱部20を水平方向に移動させ、基板ホルダ50に対してレーザ予熱部20による被加工基板60上の予熱領域を相対的に移動させる予熱部移動ユニット25が設けられている。
また、図1に示すように、レーザ加熱部30には、レーザ加熱部30を水平方向に移動させ、基板ホルダ50に対してレーザ加熱部30による被加工基板60上の加熱領域HAを相対的に移動させる加熱部移動ユニット35が設けられている。この加熱部移動ユニット35は、加熱領域駆動機構を構成している。
また、図1に示すように、冷却部40には、冷却部40を水平方向に移動させ、基板ホルダ50に対して冷却部40による被加工基板60上の冷却領域CAを相対的に移動させる冷却部移動ユニット45が設けられている。この冷却部移動ユニット45は、冷却領域駆動機構を構成している。
ところで、加熱領域駆動機構は、基板ホルダ50に対して加熱部による被加工基板60上の加熱領域HAを相対的に移動させる機構を有するものであればよい。また同様に、冷却領域駆動機構は、基板ホルダ50に対して冷却部40による被加工基板60上の冷却領域CAを相対的に移動させる機構を有するものであればよい。従って、上述した基板ホルダ50を水平方向に移動させる基板ホルダ移動ユニット52も、加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構を構成している。
加熱部移動ユニット35による、基板ホルダ50に対する加熱領域HAの相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却部移動ユニット45による、基板ホルダ50に対する冷却領域CAの相対的な移動速度および/または移動方向とは各々、独立に変更可能であるとともに、リアルタイムで変更可能になっている。
図1および図4に示すように、加熱部移動ユニット35、冷却部移動ユニット45および基板ホルダ50の各々に、制御部70が接続されている。この制御部70は、観察ユニット10からの被加工基板60上に生じる可視亀裂表面線Sの有無および/または進展に関する情報に基づいて、加熱部移動ユニット35、冷却部移動ユニット45および基板ホルダ50を制御し、スクライブ速度(レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび/または冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAの移動速度)を調整する。
また、図4に示すように、制御部70は、観察ユニット10に接続され、観察ユニット10から入力される観察画像より、可視亀裂表面線Sの有無および/または進展を抽出する画像処理装置71と、画像処理装置71に接続され、画像処理装置71からの可視亀裂表面線Sに関する情報に基づいて、加熱部移動ユニット35、冷却部移動ユニット45および基板ホルダ移動ユニット52を駆動する加工コントローラ72とを有している。
また、図1および図2に示すように、冷却部40近傍には、被加工基板60上の冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAに照明光を照射する照明部2が設けられている。この観察ユニット10は、被加工基板60上の冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAに焦点を合わせる焦点ステージ(焦点調整機構)5を有している。この焦点ステージ5のストロークは数十mmであり、精度数は数μmとなっている。
また、観察ユニット10として、(一次元または二次元の)CCDカメラ、撮像管、(一次元の)MOSセンサ、光電子増倍管などを用いることができる。観察ユニット10としてCCDカメラを用いる場合には、電子シャッター方式の高速度(1/2000秒〜1/10000秒)のシャッター速度を有し、シャッター速度を自在に調整できるものが好ましい。
照明部2は、可視光だけでなく、赤外光や紫外光を照射するものであってもよい。なお、照射部が赤外光や紫外光を照射する場合には、観察ユニット10をそれに対応させて選択する。
照明部2は、インコヒーレント光だけでなく、HeNeレーザなどからなるコヒーレント光を照射するものであってもよい。なお、照明部2は、ハロゲンランプやLEDなどからなる高輝度照明であるが好ましい。
上記では、観察ユニット10が、基板ホルダ50に対して上方(冷却部40側)に配置された態様を用いて説明したが、これに限ることなく、観察ユニット10を、基板ホルダ50に対して下方(冷却部40側と反対側)に配置してもよい。
この場合には、下方(冷却部40側と反対側)に開口部を有した基板ホルダ50を用いる必要がある。このような基板ホルダ50を用いることによって、観察ユニット10は、開口部を介して可視亀裂表面線Sの有無および/または進展を観察することができる。
また、被加工基板60の幅が比較的狭く、側面から可視亀裂表面線Sを観察することができる場合には、被加工基板60の側方(基板ホルダ50の側方)に、観察ユニット10を配置してもよい。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
最初に、被加工基板60に形成される可視亀裂表面線Sと、スクライブ速度(レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび/または冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAの移動速度)Vとの関係について説明する。
割断条件が適切な場合には、可視亀裂表面線Sが、被加工基板60上の始端部(割断予定線65の始点)から終端部(割断予定線65の終点)まで発生する。しかしながら、割断条件が適切でない場合には、可視亀裂表面線Sは、割断予定線65の途中で消失してしまう。ここで、図2に示すように、被加工基板60上の始端部から可視亀裂表面線Sが消滅した位置までの距離をLcとする。また、割断予定線65の始点から終点までの距離をLtとする。
スクライブ速度(レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび/または冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAの移動速度)Vが十分速い場合には、可視亀裂表面線Sは、被加工基板60の始端部でのみ発生する(図5参照)。
ところが、スクライブ速度Vを遅くすると、図5に示すように、Lcは徐々に大きくなる(図5において、P1→P2→P3と移動する)。そして、スクライブ速度Vがある程度遅くなると(図5において、1/Vが1/Eaより大きくなると)、割断率Lc/Ltは、後工程の加圧機構46によって機械的応力を加えた際に、被加工基板60を綺麗に割断することができる所定の割断率aに達する(図5において、P4になる)。
なお、図5の横軸は、スクライブ速度Vの逆数1/Vであり、縦軸は割断率Lc/Ltである。そして、このようにスクライブ速度Vの逆数1/Vと、割断率Lc/Ltとの関係を示す曲線を、速度割断率曲線F(V)という。
しかしながら、スクライブ速度Vが遅くなりすぎると(図5において、1/Vが1/Edより大きくなると)、被加工基板60の単位面積あたりに加えられるエネルギー(特にレーザ加熱部30からのレーザ光LB2によるエネルギー)が大きくなりすぎ、被加工基板60に不要な不規則な亀裂が発生してしまう。
本発明によれば、後述するように、図1、図2および図3において、被加工基板60上で発生する可視亀裂表面線Sを観察ユニット10で観察しつつ、制御部70でスクライブ速度Vを調整することによって、後工程の加圧機構46で機械的応力を加えた際に被加工基板60を綺麗に割断できるスクライブ速度(Ea以下)を容易に得ることができる。
また、被加工基板60に不要な不規則な亀裂が発生しないようにスクライブ速度Vを調整することによって、遅すぎないスクライブ速度(Ed以上)を得ることができる。
このため、本発明によれば、後述のように、被加工基板60に対応した、適切なスクライブ速度(Ed以上Ea以下)を容易に導くことができる。これに対して、上述した特許文献1の発明によれば、単一の割断速度が導かれるだけである。
また、被加工基板60を実際に割断することなく、適切にスクライブできたかを何度も実験することができるので、被加工基板60を無駄にしないだけでなく、被加工基板60をブレイクする労力を減らすこともできる。
また、被加工基板60を適切にスクライブできたかを判断することができるので、割断不良の原因がスクライブによるものか否かを正確に判断することができ、割断不良の原因を容易に解析することができる。
次に、割断装置により、被加工基板60を割断する方法について説明する。
まず、基板ホルダ50により、被加工基板60が保持される(基板保持工程81)(図1および図6参照)。
次に、レーザ予熱部20から照射されるレーザ光LB1により、基板ホルダ50に保持された被加工基板60が、割断予定線65上で局部的に予熱される(レーザ予熱工程82)(図1および図6参照)。このとき、ポリゴンミラー23によって、レーザ発振器21から出射したレーザ光LB1が、被加工基板60の割断予定線65上で走査される。
次に、予熱部移動ユニット25(または基板ホルダ移動ユニット52)により、レーザ予熱部20による被加工基板60上の予熱領域が、基板ホルダ50に対して相対的に移動する(予熱領域移動工程83)(図1および図6参照)。このことにより、被加工基板60が割断予定線65上で予熱される。
次に、レーザ加熱部30から照射されるレーザ光LB2により、予熱された被加工基板60が、割断予定線65上で局部的に加熱される(レーザ加熱工程84)(図1、図2および図6参照)。このとき、ポリゴンミラー33によって、レーザ発振器から出射したレーザ光LB2が、被加工基板60の割断予定線65上で走査される。なお、レーザ光LB2のパワーは、冷却剤Cの流量に対応する最大のパワーになっている。
このとき、加熱部移動ユニット35(または基板ホルダ移動ユニット52)により、レーザ加熱部30による被加工基板60上の加熱領域HAが、基板ホルダ50に対して相対的に移動する(加熱領域移動工程85)(図1および図6参照)。このことにより、被加工基板60が割断予定線65上で加熱される。
次に、レーザ加熱部30の下流側に配置された冷却部40により、被加工基板60のうち、レーザ加熱部30からのレーザ光LB2によって加熱された割断予定線65近傍に、流動性のある冷却剤Cが噴射され、被加工基板60が局部的に冷却される(冷却工程87)(図1、図2および図6参照)。このとき、初期クラック(図示せず)が、被加工基板60の割断予定線65上の端部に予め形成されている。
このとき、冷却部移動ユニット45(または基板ホルダ移動ユニット52)により、冷却部40による被加工基板60上の冷却領域CAが、基板ホルダ50に対して相対的に移動する(冷却領域移動工程88)(図1および図6参照)。このことにより、被加工基板60が割断予定線65上で冷却され、被加工基板60の割断予定線65上に、可視亀裂表面線Sが形成される。
なお、上述したレーザ加熱工程84、加熱領域移動工程85、冷却工程87および冷却領域移動工程88によって、被加工基板はスクライブされる(スクライブ工程90)(図6参照)。
このようなスクライブ工程90において、加熱部移動ユニット35および冷却部移動ユニット45は、加熱部移動ユニット35による基板ホルダ50に対する加熱領域HAの相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却部移動ユニット45による基板ホルダ50に対する冷却領域CAの相対的な移動速度および/または移動方向とを各々、独立に変更することができる。
このため、基板ホルダ50に保持された被加工基板60に対する冷却領域CAの相対的な移動速度および/または移動方向を微調整することができる。
また、加熱部移動ユニット35および冷却部移動ユニット45は、加熱部移動ユニット35による基板ホルダ50に対する加熱領域HAの相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却部移動ユニット45による基板ホルダ50に対する冷却領域CAの相対的な移動速度および/または移動方向とを各々、リアルタイムで変更することができる。
このため、基板ホルダ50に保持された被加工基板60に対する冷却領域CAの相対的な移動速度および/または移動方向を、迅速かつ確実に調整することができ、とりわけ、大きな被加工基板60を割断する際に有益である。
また、冷却部40からの冷却剤Cによって被加工基板60が冷却されるとともに、被加工基板60上の冷却領域CAが移動する間(冷却工程87および冷却領域移動工程88の間)、冷却部40近傍に配置された観察ユニット10により、冷却剤Cが噴射される被加工基板60上の領域が撮像され、被加工基板60に発生する可視亀裂表面線Sが撮像される(観察工程91)(図1、図2、図4および図6参照)。
このとき、冷却部40近傍に設けられた照明部2によって、被加工基板60上の冷却領域CAに、上方から照明光が照射される(図1、図2および図4参照)。このため、観察ユニット10によって、被加工基板上60に形成される可視亀裂表面線Sを、確実に観察することができる。
また、焦点ステージ5によって、観察ユニット10の被加工基板60上の冷却領域CAに対する焦点が合わせられる(図2および図4参照)。このため、観察ユニット10によって、被加工基板60上に形成される可視亀裂表面線Sを、鮮明な画像で観察することができる。
このような観察工程91において、画像処理装置71は、観察ユニット10から入力される観察画像より、可視亀裂表面線Sの有無および/または進展を抽出する。次に、加工コントローラ72が、画像処理装置71からの可視亀裂表面線Sに関する情報に基づいて、被加工基板60の割断率Lc/Ltを計算する。そして、この割断率Lc/Ltが、予め求められた所定の割断率aより大きい場合には、後述する加圧工程98を行う(図6参照)。
他方、割断率Lc/Ltが、予め求められた所定の割断率aより小さい場合には、拭取部(図示せず)により、被加工基板60から冷却剤Cを拭き取った後、加熱部移動ユニット35と冷却部移動ユニット45、および/または基板ホルダ移動ユニット52によって、レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAを、割断を開始する初期位置に移動する(初期位置配置工程93)。
次に、制御部70により、観察ユニット10からの被加工基板60上に生じる可視亀裂表面線Sの有無および/または進展に関する情報に基づいて、スクライブ速度が、所定量だけ遅くなるよう調整される(速度調整工程94)
次に、このように遅くしたスクライブ速度で、上述した方法で、被加工基板60をスクライブする(スクライブ工程90)。
後は、割断率Lc/Ltが、予め求められた所定の割断率aより大きくなるまで、上述の工程を繰り返し行う(図6参照)。
具体的には、比較的速いスクライブ速度E3で被加工基板60をスクライブすると、被加工基板60は位置P3までスクライブされ、Lc=L3となる(図8(a)(b)参照)。このとき、L3/Lt<aとなっているためスクライブが不十分である(図5参照)。このため、次に、スクライブ速度を遅くしてスクライブ速度Eaで被加工基板60をスクライブする。このとき、被加工基板60は位置Paまでスクライブされ、Lc=Laとなり、La/Lt=aとなる(図5および図8(a)(b)参照)。
なお、スクライブを十分確実に行うため、さらにスクライブ速度を遅くしてスクライブ速度E5で被加工基板60をスクライブすることもできる。このとき、被加工基板60は位置P5までスクライブされてLc=L5となり、L5/Lt>aとなる(図5および図8(a)(b)参照)。
また、このように、最初の被加工基板60(または、テストのために予め用いられるテスト基板)から好ましいスクライブ速度が導き出されると、次の被加工基板60からは、このように導き出されたスクライブ速度を用いてスクライブしてもよい。
すなわち、最初の被加工基板60(または、テストのために予め用いられるテスト基板)から得られた被加工基板60上に生じた可視亀裂表面線Sの有無および/または進展に関する情報に基づいて、制御部70により、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび/または冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAを所定の速度で移動させてもよい。
例えば、図8(b)に示すように、被加工基板60上の始端部からの距離がL3となるまでは、スクライブ速度E3でスクライブし、被加工基板60上の始端部からの距離がL3を超えてLaとなるまでは、スクライブ速度Eaでスクライブし、被加工基板60上の始端部からの距離がLa以上になった後は、スクライブ速度E5でスクライブすることができる。
また、上記のようにスクライブ位置に応じてスクライブ速度をステップ状に変化させるのではなく、図8(b)に示したEsmoothのように、スクライブ位置に応じてスクライブ速度を滑らかに変化させてもよい。
さらに、上記のようにスクライブ速度をスクライブ位置に応じて変化させるのではなく、最初の被加工基板60(または、テストのために予め用いられるテスト基板)から導き出された、好ましい一定のスクライブ速度(例えば、図8(b)のスクライブ速度E5)で、被加工基板60をスクライブすることもできる。
次に、冷却部40の下流側(すなわち、次工程を行う位置)に配置された基板ホルダ50a上に被加工基板60を配置する。その後、加圧機構46により、当該被加工基板60の割断予定線65上に局部的に機械的な応力が印加され、被加工基板60が割断予定線65に沿って割断される(加圧工程98)(図6参照)。このとき、基板ホルダ移動ユニット52aによって、基板ホルダ50aおよび基板ホルダ50a上の被加工基板60が水平方向に移動する。
このように、観察ユニット10によって可視亀裂表面線Sを観察し、被加工基板60を加圧機構46によって割断する前に、再度、被加工基板60をスクライブすることができるので、歩留まりの低下を防止することができる。
また、割断対象となっている被加工基板60の割断率Lc/Ltを、予め求められた所定の割断率aと比較して、スクライブを確実に行えたかを確かめることができるので、被加工基板60を、容易かつ確実に割断することができる。
また、図1、図2および図3において、被加工基板60上で発生する可視亀裂表面線Sを観察ユニット10で観察しつつ、制御部70でスクライブ速度Vを調整することによって、加圧機構46で機械的応力を加えた際に被加工基板60を綺麗に割断できるスクライブ速度(Ea以下)を容易に得ることができる。
また、被加工基板60に不要な不規則な亀裂が発生してしないようにスクライブ速度Vを調整することによって、遅すぎないスクライブ速度(Ed以上)を得ることができる。
このため、本発明によれば、被加工基板60に対応した、適切なスクライブ速度(Ed以上Ea以下)を容易に導くことができる。
また、被加工基板60を実際に割断することなく、適切にスクライブできたかを何度も実験することができるので、被加工基板60を無駄にしないだけでなく、被加工基板60をブレイクする労力を減らすこともできる。
また、被加工基板60を適切にスクライブできたかを判断することができるので、割断不良の原因がスクライブによるものか否かを正確に判断することができ、割断不良の原因を容易に解析することができる。
なお、上述の実施の形態では、割断率Lc/Ltが予め求められた所定の割断率aよりも小さい場合には、レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAを、割断を開始する初期位置に移動させる態様を用いて説明したが、これに限ることなく、レーザ光LB2が照射されて局部的に加熱される加熱領域HAおよび冷却剤Cが噴射されて冷却される冷却領域CAを、可視亀裂表面線Sが消滅した位置の少し前(上流側)に移動させてもよい。
また、上記では、割断率Lc/Ltが、予め求められた所定の割断率aより大きくなるまで、スクライブ速度を遅くする態様を用いて説明したが、これに限ることなく、レ−ザ予熱部20から照射されるレーザ光LB1のパワー、レーザ加熱部30から照射されるレーザ光LB2のパワーまたは冷却部40による冷却能力(冷却剤Cの噴霧流量、温度など)を適宜調整する態様を用いてもよい。当然、これら各々を組み合わせることもできる。
本発明の実施の形態による割断装置を示す側方図。 本発明の実施の形態による割断装置の観察ユニット、照明部および焦点ステージを示す斜視図。 本発明の実施の形態による割断装置の観察ユニットによって観察される可視亀裂表面線を示す斜視図。 本発明の実施の形態による割断装置の制御部の構成を示す概略図。 スクライブ速度Vの逆数1/Vと、割断率Lc/Ltとの関係を示す速度割断率曲線F(V)を示すグラフ図。 本発明の実施の形態による割断方法を示すフロー図。 本発明の実施の形態による割断ユニットを示す側方図。 本発明の実施の形態による割断方法において、好ましいスクライブ速度を説明するための概略図。
符号の説明
2 照明部
5 焦点ステージ(焦点調整機構)
10 観察ユニット
30 レーザ加熱部
35 加熱部移動ユニット
40 冷却部
45 冷却部移動ユニット
46 加圧機構
50 基板ホルダ
52 基板ホルダ移動ユニット
60 被加工基板
65 割断予定線
70 制御部
81 基板保持工程
82 レーザ予熱工程
84 レーザ加熱工程
85 加熱領域移動工程
87 冷却工程
88 冷却領域移動工程
91 観察工程
98 加圧工程
C 冷却剤
CA 冷却領域
HA 加熱領域
LB1,LB2 レーザ光
S 可視亀裂表面線

Claims (21)

  1. 脆性材料からなる被加工基板を、割断予定線に沿って局部的に加熱および冷却し、その際に生じる応力によって、当該被加工基板に亀裂を生じさせて割断する割断装置において、
    被加工基板を保持する基板ホルダと、
    基板ホルダに保持された被加工基板の割断予定線近傍に、レーザ光を照射して局部的に加熱するレーザ加熱部と、
    レーザ加熱部の下流側に配置され、基板ホルダに保持された被加工基板のうち、レーザ加熱部からのレーザ光によって加熱された割断予定線近傍に、流動性のある冷却剤を噴射して局部的に冷却して被加工基板上に可視亀裂表面線を形成する冷却部と、
    冷却部近傍に配置され、冷却剤が噴射される被加工基板上の領域を撮像する観察ユニットと、
    基板ホルダに対して、加熱部による被加工基板上の加熱領域を相対的に移動させる加熱領域駆動機構と、
    基板ホルダに対して、冷却部による被加工基板上の冷却領域を相対的に移動させる冷却領域駆動機構とを備え、
    観察ユニットからの被加工基板上に生じる可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて、制御部により、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域の移動速度を調整することを特徴とする割断装置。
  2. 加熱領域駆動機構は、レーザ加熱部を移動させる加熱部移動ユニットからなることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  3. 冷却領域駆動機構は、冷却部を移動させる冷却部移動ユニットからなることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  4. 加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構は、基板ホルダを移動させる基板ホルダ移動ユニットからなることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  5. 加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構は、加熱領域駆動機構による基板ホルダに対する加熱領域の相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却領域駆動機構による基板ホルダに対する冷却領域の相対的な移動速度および/または移動方向を各々、独立に変更可能とすることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  6. 加熱領域駆動機構および冷却領域駆動機構は、加熱領域駆動機構による基板ホルダに対する加熱領域の相対的な移動速度および/または移動方向と、冷却領域駆動機構による基板ホルダに対する冷却領域の相対的な移動速度および/または移動方向を各々、リアルタイムで変更可能とすることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  7. 制御部は、観察ユニットからの前記可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて得られた被加工基板の割断率と、予め求められた所定の割断率とに従って、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を、被加工基板に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  8. 制御部は、観察ユニットからの前記可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて得られた被加工基板の割断率が、予め求められた所定の割断率より小さい場合に、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を、遅い速度で、被加工基板に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  9. 冷却部近傍に、被加工基板上の冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域に照明光を照射する照明部を設けたことを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  10. 観察ユニットは、被加工基板上の冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域に焦点を合わせる焦点調整機構を有することを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  11. 観察ユニットは、CCDカメラ、撮像管またはMOSセンサを有することを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  12. 観察ユニットは、二次元のCCDカメラ、一次元のCCDセンサ、一次元のMOSセンサまたは光電子増倍管を有することを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  13. 照明部は、可視光、赤外光または紫外光を照射することを特徴とする請求項9記載の割断装置。
  14. 照明部は、インコヒーレント光またはコヒーレント光を照射することを特徴とする請求項9記載の割断装置。
  15. 観察ユニットは、基板ホルダに対して冷却部側に配置されることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  16. 基板ホルダは、冷却部側と反対側に開口部を有し、
    観察ユニットは、基板ホルダに対して冷却部側と反対側に配置され、開口部を介して可視亀裂表面線の有無および/または進展を観察することを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  17. 観察ユニットは、基板ホルダの側方に配置されることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  18. 冷却部から冷却剤が噴射された被加工基板の割断予定線近傍に、局部的に機械的な応力を印加して被加工基板を割断する加圧機構をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  19. 予め得られた被加工基板上に生じた可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて、制御部により、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を所定の一定速度で移動させることを特徴とする請求項1記載の割断装置。
  20. 脆性材料からなる被加工基板を、割断予定線に沿って局部的に加熱および冷却し、その際に生じる応力によって、当該被加工基板に亀裂を生じさせて割断する割断方法において、
    基板ホルダにより、被加工基板を保持する基板保持工程と、
    レーザ加熱部により、基板ホルダに保持された被加工基板の割断予定線近傍に、レーザ光を照射して局部的に加熱するレーザ加熱工程と、
    レーザ加熱部の下流側に配置された冷却部により、基板ホルダに保持された被加工基板のうち、レーザ加熱部からのレーザ光によって加熱された割断予定線近傍に、流動性のある冷却剤を噴射して局部的に冷却して被加工基板上に可視亀裂表面線を形成する冷却工程と、
    冷却部近傍に配置された観察ユニットにより、冷却剤が噴射される被加工基板上の領域を撮像する観察工程と、
    加熱領域駆動機構により、基板ホルダに対して、加熱部による基板上の加熱領域を相対的に移動させる加熱領域移動工程と、
    冷却領域駆動機構により、基板ホルダに対して、冷却部による基板上の冷却領域を相対的に移動させる冷却領域移動工程とを備え、
    制御部により、観察ユニットからの被加工基板上に生じる可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域の移動速度を制御することを特徴とする割断方法。
  21. 制御部は、観察ユニットからの前記可視亀裂表面線の有無および/または進展に関する情報に基づいて得られた被加工基板の割断率が、予め求められた所定の割断率より小さい場合に、加熱領域駆動機構および/または冷却領域駆動機構を制御して、レーザ光が照射されて局部的に加熱される加熱領域および/または冷却剤が噴射されて冷却される冷却領域を、遅い速度で、被加工基板に対して相対的に移動させることを特徴とする請求項18記載の割断方法。
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JP2019177694A (ja) * 2019-04-10 2019-10-17 三星ダイヤモンド工業株式会社 ブレーク装置

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