JP2008044094A - 高周波放電加工方法およびその装置。 - Google Patents

高周波放電加工方法およびその装置。 Download PDF

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Abstract

【課題】電極の振動の影響を受けずに、被加工物の半鏡面仕上げ加工を行う装置および方法を提供する。
【解決手段】一連の加工パルスが加工電極と加工物と間の加工ギャップ(4)に適用される。加工パルスは、被加工物から材料を侵食するための侵食パルスと、測定パルスとを含み、該測定パルスの間、イグニション電圧(Uing)が、加工ギャップの中で放電を開始しかつ対応するイグニション遅延時間(TD)を測定するために、加工ギャップ(4)に印加される。イグニション遅延時間(TD)が静電引力および機械的復元力のために加工ギャップ(4)中で振動する加工電極の振動時間より短くなるように、イグニション電圧(Uing)および/または前記ギャップ間隔は調整される。
【選択図】図7

Description

本発明は、放電によって被加工物を加工するための方法およびその装置に関し、特に、高周波電圧を用いて仕上げ面を提供するための方法および装置に関する。
ワイヤ電気加工の分野では、電極と被加工物との間での短期間かつ限られた強度の高周波放電を生成することによって、0.1マイクロメートル(Ra:中心線平均粗さ)よりも低い面粗さの仕上げ加工面が得られることはよく知られている。0.5〜2MHzの範囲の高周波電圧が、一般的に、半鏡面仕上げ作業を実行するためにワイヤ電気加工に用いられている。
プロセス制御における最近の改良によって、高い形状忠実度の被加工物を実現することが、今や可能である。ワイヤ電極での最終カットの間に、1ミクロンの範囲内で、形状許容範囲、コーナ誤差および鉛直プロファイルを斟酌することができる。
ワイヤ電極を中立の静止位置に設定するために、最も有効な力、すなわち静電気および電磁気の引力、プラズマ圧力に対する斥力および機械的な復元力が相互作用することは知られている。偏位方向に応じて、あるときは引力であり、あるときは斥力であり、その結果として生じる力は、電極をその中立の静止位置に回復し、自然な平衡状態を達成する。今までのところ、それらの大多数の応用では、この最後の自動調整効果が安定した平衡を提供し、オープンループシステムとして最も簡素な経路送り制御を設計することができる。
仕上げ面を加工するための重要事項のいくつかは、次の通りである。(i)一定の加工条件を達成するための軸制御、(ii)これらの加工条件からの逸脱の適正な測定および(iii)完全な表面仕上げを保持するために測定する放電エネルギーの削減である。
(i)今やダイレクトカットと最初の仕上げモードとがよく制御できるので、最近の傾向は、数ミクロンを侵食するために、電極が材料に横に重なるように作用する状態で、超仕上げモードとして知られている一様なより精密な(半鏡面)粗さに向けられている。その放電の極めて弱いエネルギーのため、もはや形状忠実度を修正することはできない。それは、必要とされるところでのみ材料を除去し、放電あたりの除去率の低減にも拘わらずかなりの移動速度を達成するのを可能とするために、改善された軸サーボ制御を必要としている。
ワイヤ電極が横に働く超仕上げモードのほかに、他のもう一つの大きな傾向は、50ミクロンより小さく、15ミクロンと同じくらいの小さい直径のワイヤを使って、サブミリメートルの被加工物に加工を施すことである。同様に、そのようなワイヤのもろさのために、低減された放電エネルギーを有する高周波加工電圧が必要とされている。これらの最後の応用では、ワイヤ電極はダイレクトカットを達成し、前面のギャップを制御しなければならない。
両方の状況下では、上記した安定性モードはギャップ間隔の非常に狭い範囲に存在しているのみである。前記ワイヤを定速で移動させると効果的でないので、非常に敏感なサーボ制御を開発する必要がある。あいにく、後に述べるように、必要な入力信号は現在では利用できないか、あるいは、少なくともその測定に面倒が残る。実際のギャップの正確な像が得られず、そのとき、フィードバック制御は不可能である。
(ii)定電圧を加工ギャップの境界に印加する場合、イグニション遅延TDが真のギャップ間隔と相関した最も信頼できる信号であることは何の異論もなく認められる。イグニション遅延TDの測定はどのようなシステムの欠陥または許容範囲からの影響をも受け難く、電圧よりも時間を正確に測定することがより容易であることは実験的に知られている。標準の工業生産の範囲では、イグニション遅延はよりよい再現性を1つの機器から次のそれに与える。
高周波放電の中でのイグニション遅延の測定は、関連した話題によっても最も厄介な複雑さが特徴付けられており、高価な電子素子を必要とするであろう。安価な電子的取り扱いは、一般的に1マイクロ秒より大きな適度に長いイグニション周期を暗示している。
さらに、そのような作動状態では、高周波放電の中のイグニションは本質的に電圧スロープdV/dtに依るので、イグニション遅延を測定することは危険な結果を生むであろうし、またイグニション遅延と実際のギャップ間隔との相関関係は大いに知られている。
某かの信頼度をギャップセンサに与えるために、言及されるように相対的に長いイグニション遅延周期を導入することは、加工速度を遅くし、たとえ時間の無駄を無視したとしても、被加工物の表面上の縞、スクラッチまたは跡を残すリスクを伴なうワイヤ不平衡状態を導く。
イグニション遅延を使用できないと仮定すると、速度サーボ制御への入力信号として、平均的な加工電圧を使用する選択が残される。しかし、あいにく同様な結論が導き出されるであろう。高周波放電の持つノイズレベルはとても高いので、「アイドル加工」、「加工中」および「短絡」の各ケースを正しく区別することはより難しくなる。
(iii)最後に、浸食パルス発生器は1回の放電あたりに高エネルギーを出し、必要とされる洗練された表面粗さには不適合であり、さらに、加工ギャップの境界にある漂遊容量は放電のエネルギーを最小化することを困難にする。
米国特許第4,447,696号は、間欠的な高周波電圧およびDC(直流)電圧を、その一方が他方の休止時間の間に印加されるように、適用することによって被加工物を形作る放電のプロセスを取り扱う。高周波バーストを有する約20ボルトの間欠的な直流電圧の組み合わせは、減少する電極の消費率を低減させることを意図しているかもしれない。自動電極供給システムは、動作の進行に伴って電極を進めることにより、一定の加工ギャップを維持するように記載されている。高周波信号は、その平均値になるまでフィルタをかけられ、ギャップ調整のための入力を得るために基準値と比較される。それは、加工ギャップを横切って適用され、コンデンサで蓄積された電圧の波高値が加工ギャップ間隔に比例するという原理を仮定する必要がある。しかしながら、この方法の欠点は、ループ反応の速度を落としているフィルタリングによる情報の浪費であり、ワイヤ電極に適用される場合、短絡とアイドル状態との区別を困難にし、正確さの不足は、再現性および機械の同一性に困難を生じさせる。
米国特許第4,798,929号は、追加のAC(交流)電流源によって、電気絶縁の程度、すなわちスパークギャップの絶縁耐力を検出するために電気抵抗を測定する方法を教示する。スラッジおよびイオンが存在する所では、移動度すなわちイオンが高周波に鈍感なので、スラッジによる絶縁度合だけを独立して検出することができる。したがって、ギャップ状態は精密なギャップ間隔の測定で決定されるというよりも荒加工によって決定される。スラッジの集中によって起こるワイヤ切断を防止することは仕上げ加工段階において関心事ではない。そこから導き出される装置は、高周波交流(AC)電圧によって効率的に加工するためではなく該交流で測定を果たすためのみに適応されている。
米国特許第6,320,151号は、ワイヤ電極と高周波電圧とによって被加工物を加工する際の高い形状忠実度を達成することを企図している。被加工物の不正確は仕上げ削りで修正され、すなわち、先行して行った加工によって残された曲がりや中空の形態は消去され、いくつかの仕上げ削りがなされるなら、その修正傾向が強調される。前記修正は、加工周期に周期的に続く測定周期によって実行され、その結果、それが湾曲するならば、ワイヤが先行加工周期の相反した力から解放されて、いくつかの振動の後で直線の形態が見出されるであろう。
ワイヤの送り制御は2つのプロセス値に基づき、それらは平均的なイグニション遅延または平均加工電圧と、該値との比較による誤差とである。ワイヤの曲がりのアロー(arrow)がギャップより小さい場合、イグニション遅延の測定は、2つの先行プロセス値にそれぞれ相関している前記アロー(arrow)とギャップとを同時に知ることを可能とする。
一連の侵食インパルスは、測定周期の間に、各インパルスのそれぞれのイグニション遅れを比較することができることが必要である。先行加工周期からあまりにも多く遅れないならば、最初のそれはギャップに特有であるかもしれない。それを引き続く以下のインパルスと比較し、一方では加工ギャップ間隔を測定し、他方ではワイヤの曲がりのアロー(arrow)を測定することによって、ワイヤが湾曲するか否かおよびその方向を推論することは可能になる。
ワイヤを直線に維持することを必要とし、そうでなければ、ワイヤは各測定周期でその静止位置に戻ろうとするので、スクラッチが被加工物上に出現する。スクラッチを作らずに湾曲したワイヤによって被加工物を精密仕上げすることが許されないので、ここにこの方法の欠点がある。そして、最初に被加工物を正しく作ることなしには、その任意の凸面または凹面の表面粗さを改良することはできない。また、ワイヤの曲がりのアロー(arrow)がギャップより明らかに大きいので、十分な高周波加工によってダイレクトカットを制御することはできない。
加工がいつまでも同じ状態を保たないので、加工中のワイヤのバランスの崩れが防止されておらず、前記表面にスクラッチがもたらされる。いくつかの直流インパルスが低周波で続く測定期間の間、全く加工プロセスを止めて、そして、超仕上げモードで仕上げ速度調節を達成するには長すぎる時間がそれに続いて継続する。
米国特許第6,930,273号は、高周波電圧でのワイヤ電極によって加工するときの表面均一性の制御の困難さを裏付ける。前記ワイヤが不規則な振動に委ねられると、被加工物上にスクラッチが出現する。ワイヤ電極の極めてわずかな振動も仕上げ面の品質に影響する。放電よる反発力や前記ワイヤと被加工物との間に作用する引力が制御されないと、縞模様は目視観測によって目立つかもしれない。前記縞模様は、前記ワイヤに平行な方向への表面粗さと、その垂直の方向への面粗さとの大きな違いによって、特徴付けられている。荒加工でプロセスがまずい制御を受けると、放電が連続して同じ位置に存在しようとすることを忘れてはならず、補正動作中に、交流高周波電圧が休止の間に断続的に印加されること、およびその期間が1マイクロ秒より短い周期または前もって決定された交替回数に制限されることを示唆している。
米国特許第4,447,696号明細書 米国特許第4,798,929号明細書 米国特許第6,320,151号明細書 米国特許第6,930,273号明細書
本発明の目的は、既知の従来技術の前記した問題に鑑み、被加工物の精密な放電加工を改善することにある。
この目的は、それぞれ独立請求項1および22に記載の発明によって達成される。好適な実施例は、それらの従属項において明らかにされる。
本発明に係る放電加工方法は、加工電極を用いた被加工物への放電加工のための方法であって、一連の加工パルスが前記加工電極と前記被加工物との間の加工ギャップに適用され、前記加工パルスは、前記被加工物から材料を侵食する侵食パルスと、測定パルスとを含み、該測定パルスの間、イグニション電圧(Uing)が、前記加工ギャップで放電を開始しかつ対応するイグニション遅延時間(TD)を測定するために、前記加工ギャップに印加され、また、イグニション電圧(Uing)および/または前記ギャップ間隔は、前記イグニション遅延時間(TD)が静電引力および機械的復元力のために前記加工ギャップ中で振動する前記加工電極の振動時間より短くなるように、調整される。
前記ギャップ間隔は、前記測定パルスの間に測定された前記イグニション遅延時間(TD)に基づいて前記侵食パルスの間に調節することができる。
予め決められた極性の連続するイグニション電圧(Uing)は測定パルスの間に加工ギャップに印加され、前記極性は、前記加工ギャップの平均電圧が予め決められた定数値、好ましくは零ボルトの傾向を示すように、個々の測定パルス毎に選ぶことができる。
前記イグニション遅延時間(TD)の大多数が予め決められた第1の最大時間値(TDmaxi)より小さくなるように、前記測定パルスの間に前記ギャップ間隔および/または前記イグニション電圧(Uing)を調整することができる。
予め決められた前記第1の最大時間値(TDmaxi)を、前記加工電極の基本固有周期(T0)より短く、好ましくは該周期の半値より短くすることができる。
前記イグニション遅延時間(TD)の平均値は、多数の前記測定パルス間に測定された多数の前記イグニション遅延時間(TD)に基づいて決定することができる。前記平均イグニション遅延時間(TDmoy)が予め決められた第2の最大時間値より小さくなるように、前記測定パルス間の前記ギャップ間隔および/またはイグニション電圧(Uign)が制御され、予め決められた前記第2の最大時間値は予め決められた前記第1の最大時間値(TDmaxi)より小さい。
予め決められた前記第2の最大時間値は前記ワイヤ電極の前記基本固有周期(T0)の少なくとも5分の1より短く、好ましくは該周期の10分の1より短くすることができる。
前記イグニション遅延時間(TD)が予め決められた前記第1の最大時間値(TDmaxi)を越えると、前記測定パルスの間に前記イグニション電圧(Uign)の印加を中断することができる。
前記加工ギャップに零の侵食電圧が印加される休止時間(TS)が前記侵食パルス後に続くことができる。
前記侵食パルスは、500KHzよりも高い周波数を有する多数の高周波パルスを含むことができる。
前記一連の加工パルスは、測定パルス(TD)、侵食パルス(TW)および第1の休止時間(TS)の連続からなる周期的な時間系列によって構成することができる。
前記測定パルスによって起動した後に流れる前記イグニション電流(Iign)は、前記高周波パルス中に流れる放電電流(Ihf)より小さな値に制限することができる。
前記測定パルス(TD)によって起動した後に流れる前記イグニション電流(Iign)は100nsより短い継続期間に制限することができる。
第2の休止時間(Tign_s)は、前記測定パルス(TD)によって起動された後で流れる前記イグニション電流(Iign)が停止した後に追加することができる。
前記第1(TS)および/または第2の休止時間(Tign_s)は、前記ワイヤ電極の前記基本固有周期(T0)の5分の1より短く、好ましくは該周期の10分の1より短い継続期間に制限することができる。
第3の休止時間(Thf_s)は、侵食パルスの中の各高周波パルスまたは各高周波交流の後に追加することができる。
前記第3の休止時間(Thf_s)は、前記第1の最初の休止時間(TS)より短く、より好ましくは前記高周波パルスの基本周期(2Thfs_w)よりも短い継続期間に制限することができる。
前記加工ギャップは、前記第1、第2および第3の休止時間(TS、Tign、Thf_s)の少なくとも1つの間に短絡することができる。
連続的な電圧が前記第3の休止時間(Thf_s)の間に多数の前記高周波パルスに重ね合わせられ、電圧源からの前記連続的な電圧は、前記高周波電圧によって開始される前記放電電流(Ihf)よりも小さな電流(Iign)を供給すべく適用することができる。
前記侵食パルス、第1および第2の休止時間(TW、Tign_s、Thf_s)の少なくとも1つの継続期間は、先行する前記イグニション遅延時間(TD)の測定された継続期間に基づいて調整することができる。
前記イグニション遅延時間(TD)の端で生じる放電の浸食力は、前記侵食パルスの間に生じる如何なる放電よりも低いかまたは等しくすることができる。
本発明に係る放電加工装置は、加工電極を用いた被加工物への放電加工のための装置であって、前記加工電極と前記被加工物との間で加工ギャップ(4)のギャップ間隔を制御するための軸サーボコントローラ(14)と、前記被加工物から材料を侵食するために前記加工ギャップ(4)に適用される侵食パルスを生成し、また前記加工ギャップ(4)中での放電を開始するために前記加工ギャップ(4)に印加されるイグニション電圧(Uign)を有する測定パルスを生成するためのパルス発生器(1、2)と、測定パルス内の前記イグニション遅延時間(TD)を検出するように設計され、また測定パルス(TD)および侵食パルス(TW)からなる一連の加工パルスが前記加工ギャップ(4)に適用されるように前記前記パルス発生器(1、2)を制御するように設計され、また前記イグニション遅延時間(TD)が静電引力および機械的復元力によって前記加工ギャップ(4)内で振動する前記加工電極の振動時間よりも小さく保持されるように、前記ギャップ間隔の制御によって前記軸サーボコントローラと共同しおよび/または前記イグニション電圧(Uign)の制御によって前記パルス発生器(1、2)と共同するように設計されたコントローラ(3、12)とを含む。
前記パルス発生器(1、2)から前記加工ギャップ(4)に適用された前記測定パルスのイグニション遅延時間(TD)が予め決められた前記第1の時間値(TDmaxi)より長いとき、前記コントローラ(3、12)は、前記パルス発生器(1、2)を前記加工ギャップ(4)から切り離すように設計することができる。
さらに、平均イグニション遅延時間(TDmoy)を決め、前記パルス発生器(1、2)を整調するためのコントローラ(3、13)を含む第1の測定チェーン(10、11、12)と、測定パルスによって起動を検出するように設計され、また前記パルス発生器(1、2)によって適用された放電電流(Iign)を、第1のチェーン(10、11、12)が侵食パルスを前記測定パルスに続いて前記加工ギャップ(4)へ適用するための遅延より短い時間遅延で停止するように設計された、高速イグニション検出器(9)を含む第2の測定チェーンとを含むことができる。
前記コントローラ(3、12)は、さらに、連続的な測定パルスが生じている多数のイグニション遅延時間値(TD)をサンプリングし、前記ギャップ間隔を調整することによって前記イグニション遅延時間(TD)が予め決められた基準平均値を維持することを企図する前記軸サーボコントローラ(14)への入力として当該多数のイグニション遅延時間値(TD)の平均値(TDmoy)を計算するように設計することができる。
前記パルス発生器(1、2)は、500KHzより高い周波数を有する高周波侵食パルスを作ることができる。
前記コントローラ(3、12)は、前記パルス発生器(1、2)を前記加工ギャップ(4)に接続しまたこれからの接続を絶つために、ブリッジ形態に組み合わせられた一組の高速トランジスタ(17)から成ることができる。
前記高速イグニション検出器(9)は、コントローラ(3、12)のトランジスタ組(17)の直近に取り付けられており、イグニションが検出されると同時に100nsよりも速く前記パルス発生器(1、2)を前記加工ギャップ(4)から切り離すことができる。
前記高速イグニション検出器(9)は、入力が前記加工ギャップ(4)に接続され、また出力が、基準電圧(VDC)に対する比較器として作動する調整可能な抵抗分圧器(R1、R2、R3)に接続している光カプラ(18)を含むことができる。
前記コントローラ(3、12)は、前記加工ギャップ(4)に差動プローブ(10)およびオシロスコーププローブ(11)を介して接続することができる。
前記パルス発生器(1、2)のイグニション電圧(Uign)は、イグニション(ignition)が予め決められた第1の時間遅延(TDmaxi)中に多数に存在することおよびそれらの電流(Iign)が0.5Aより低いことを保証するために、20ないし100ボルトの範囲で調整可能とすることができる。
図7を参照するに、本発明の好適な実施例に係るシステムが、放電によって被加工物を加工するために記載されている。前記システムの構成要素のさらなる詳細な説明に先立って、本発明の原理を一般的な機能に基づいて説明する。
2種類の加工パルスが、電極と加工を受ける被加工物との間の加工ギャップに周期的に適用される。
第1のタイプは、好ましくは一定電圧であり比較的長い確率論的イグニション遅延時間を有する特有の侵食パルスという形態の測定パルスであり、その直後に極めて短い加工時間と小さな電流によって生じる低エネルギー放電が続く。第1のタイプの前記パルスは、予め決められた値の、望ましくは電気分解を防止する上で零値である、平均電圧を発生させるための両極性すなわち正極または負極を有する。
第2のタイプは、所定の時間長さ間、盲目的に作用し、如何なる定電圧成分とも同期するように制御される他、イグニションを起動するように制御される高周波電圧信号の重ね合わせからなる侵食パルスであり、その同期は、電気分解を防止するか、光沢表面仕上げを生じるためのいずれかのためである。
前記した2つのタイプの加工パルスのそれぞれの後に休止が続き、測定パルス、侵食パルスおよび休止の連続が完全な加工サイクルを形成する。好ましくは、少なくとも1つの単一休止が侵食パルスの後に現れる。表面粗さをより改良することを企図して、イオン化されたカナル(canal)が高周波侵食パルスの間に閉じ込められた反復性のイグニションを引き起こすことを防止すべく、他の休止を前記測定パルスの後に導入することができる。休止の間に、零電圧が短絡によって加工ギャップの境界に印加され、その結果、どのようなイオン化されたチャネルも加工液中から消える。
各測定パルスの確率論的イグニション遅延時間は測定され、比較的長いイグニション遅延時間の持続時間が、一時的に過度な静電気引力にもかかわらずワイヤ電極を慣性によってその安定均衡状態からミクロンの何分の一以上に逸脱させない程度に十分に小さく残されるように、ギャップ間隔は調整される。ワイヤ電極は、電気的引力、機械的復元力およびプラズマ反発圧力の相互作用に起因して、定常の位置を捜し、平衡状態のすぐ近くに保持され続ける。したがって、前記電極は、加工ギャップ内で振動を生じようとすることが考えられ、この振動過程は、主にその機械的な基本固有周期T0によって特徴付けられる。それは、次に、第1には測定パルスの期間に、また第2には、休止期間に対応する制限を意味する。
第1の制限は、加工サイクル中で、遅延時間が所定のしきい値を越えるとき、定まったイグニション電圧を中断することによって、測定パルスのイグニション遅れ時間を制御することが考えられる。そのような場合、定電圧パルスの後に、イグニションおよび加工放電のいずれも続かない。
前記システムは十分な数の連続した測定パルスのイグニション遅延時間の適切な平均を決定し、その移動経路上での電極速度および/または電極位置を制御する軸サーボコントローラに、入力信号としてそれを使う。前記軸サーボコントローラは、経路方向および横方向またはその両者の組合せで電極案内速度コマンドを規則的にアップデートする手段を与えることにより、高周波加工に適応する。アップデートは、好ましくは1ミリ秒、好ましくは前記軸サーボ制御をアップデートするコマンドに対応してなされて、したがって、制限基準を加工サイクルの全体の所要時間にもたらす。
前記システムは、以下の本質的機能を有する。それは、測定パルスの強度が、前記侵食パルスの高周波交番によって開始される如何なる放電の侵食性のエネルギー以下のエネルギーを生じること保証し、それは、時間内に測定パルスの持続時間を制限し、それは、イグニション遅延時間の最も最近のサンプルに応じて、休止の期間と高周波侵食パルスの持続時間とを修正し、また、それは、測定パルスの端で起動するかもしれない電流の放電の電圧プロファイルを分析し、そこから加工ギャップを埋めている誘電流体の状態に関連した情報を推論する機能である。
図4に表されているシーケンスは、先で説明したような機能を実行可能とする信号のスケジュールの実例を示し、線図UUSは、加工ギャップの境界で見られた電圧を描き、線図IUSは、前記ギャップを横切る電流を描く。
前記シーケンスは、前記ギャップの境界の正極または負極の連続するイグニション電圧Uignの印加によって起動する。前記ギャップの境界での平均電圧を調整することによって、電気分解を克服することを意図した既知の原則に従って、Uignの極性は次々にシーケンスを与えられる。EP 1 097 773号は、この現象を扱い、その開示事項は参照によってここに含まれる。等価のギャップ容量が、前記ギャップの境界で現れる前記イグニション電圧Uignの端で時間TC間、ロードされる。図4に示すように、ギャップ容量をロードするのに必要な時間TCは平衡して自発的に終わり、過度なギャップ漂遊容量によって起こされるかもしれない測定誤差が強調されることは注目される。無視できない場合、適正なギャップ評価を保証するために、時間TCは前記イグニション遅延時間TDから差し引かれるべきである。
時間TD間に印加された連続する電圧Uignは、最大時間TDmax前にイグニションを起動することを意図している。確率的性質のイグニション遅延時間TDは、その適切な平均値の計算の後に、リアルタイムでギャップ幅を推定することを可能にすることを思い出そう。この原理によると、その適切な平均値を計算するために、装置は各イグニション遅延時間TDを測定し、その平均値は軌跡上の前記ワイヤ電極の前進の制御のための入力値として使われている。
イグニション遅延時間TDの後端では、電圧Uignによって起こり得るイグニションで加工時間TWが始まり、それは加工電流Iignに通路を開く。EDM(放電加工機)の放電の開始は、容易に検出可能でありかつイグニション遅延時間TDの後端のように通常索引を付けられたギャップ電圧の急落によって特徴付けられる。
イグニションの後に前記加工電流を適用するために、2つの主要なアプローチがある。最初のそれほど好ましくないアプローチは、第1のイグニション源および第2の加工源の2つの出力源を使用する。イグニション源は、ほとんどが浸食的な放電を起動するために使われる。次に、加工源は、イグニションが検出されると同時に前記ギャップ上にできるだけ速く接続される。スパークは消失し易く、高インピーダンスを取り戻す前記ギャップの境界で過度の電圧を印加するリスクがあるので、あまりに大きな遅延は避けなければならず、それは必然的に短絡や加工の中断を引き起こす被加工物への前記ワイヤのタックルとなるであろう。このような理由により、加工源がギャップに接続されているが、また、イグニション源が接続されておかれる。それらが同時に中断されるまで、前記した2つの出力源は、両方とも電流を出力することができる。
より好ましい第2のアプローチは、加工源を接続しようとしているギャップインピーダンスを破壊するためには、イグニション源を使用しない。このイグニション源は、主として、イグニション遅延の測定の実行に使用される。これは、最小化されなければならないという有害な副作用を伴って実現されるであろう。すなわち、その後の浸食的な放電Iignは、緻密な表面粗さを保存するために最小に減少しなければならない。特に、以下に、より詳細に説明されるように、低速検出チャネルのヘッドに配置された従来のイグニション検出器が有利に使われ、該イグニション検出器は前記ギャップへの前記加工源の接続を指示する。その同じチャネルは、また、平均的なイグニション遅延を計算するため、すなわち軸サーボコントローラに必要な入力信号を策定するために従来と同様に利用される。他方、後で、より詳細に説明されるように、高速検出チャネルが設けられており、その機能は測定インパルスに続く浸食的な放電Iignを迅速に止めること、すなわちイグニション源の接続を絶つことである。以下に説明されるように、従来の検出チャネルが普通約500nsで反応するのに対し、後者は、例えば100nsより短時間で反応することができる。したがって、測定パルス電流Iignの端と、前記高周波加工パルスの開始との間で、前記高速検出チャネルおよび前記低速検出チャネル間の経過時間の差による約400ns以下の短移行休止Ting_tが現れる。Tign_tの時間長さは、前記ギャップの境界で零電圧を安定させることに十分でないかもしれない。
前記短移行休止Tign_tの後、加工時間TWは、前記ギャップ境界への電圧信号、例えば継続する生じ得る電圧成分および好ましくは500KHzを越える基本周波数の高周波電圧信号の重ね合せの適用で延長される。当業者は、印加電圧信号は、前記ギャップが浸食的な放電によって横切られている時間以外またはそれが内部の短絡を受けるかあるいは人為的に短絡されている期間以外に前記ギャップ上で測定可能であると知っている。高周波電圧は、前記ギャップ中の電界の極めて高速な変動によって、正極または負極でいくつかのイグニションを起こすことができる。前記イグニションは、振幅Ihfの短い電流インパルスに通路を開く。
加工時間TWの間に適用された生じ得る連続した電圧成分は、通常、ギャップの境界での平均電圧をよりきめ細かく調整することを意図している。それらの場合に、前記連続する電圧成分を配送する電源は、大きな電流を供給しない。前記した連続的な電圧源は、他の場合を除いて、光沢表面仕上げを生成する等、電界の高速な変動がプラズマチャネルを開始した後に、このチャネルが自発的にまたは人為的に消滅するまで、前記ギャップを通して流れ続ける小さな加工電流の供給に適合するかもしれない。
加工時間TWの後端でまた連続するイグニション電圧Uignが新たに適用されて次のイグニション遅延TDが開始するまで、前記ギャップの境界に零電圧が適用される休止時間TSが実行される。休止時間TSの後端は、また次の加工シーケンスの始まりである。
本発明を正しく理解するために、前記ワイヤは、共に作用する相反した力の影響下で平衡していると想像するべきである。前記ワイヤが、これらの力のいくつかから解放されると、主としてイグニション遅延時間TDの間に、そしてそれより短いが休止時間TSの間に前記ワイヤの平衡にずれ、すなわち、シフトが生じる。休止時間TS間、前記ワイヤが湾曲しているならば、該ワイヤは機械的復元力だけを受ける。他方、前記ワイヤが直線的であれば、この後者の復元力は無効であり、前記ワイヤは前記休止時間時にどのような力をも受けない。その結果、前記ワイヤが直線状に維持されている状態では、明らかにTSの不特定の長い持続時間が制御ループの安定性を損なうであろうから、ある限定された範囲までは、休止の持続時間TSは前記ワイヤの平衡について臨界パラメータであるようには見えない。典型的には、信頼できるTDmoy平均値を計算するために、一制御ループ周期の間に10個のTDサンプルが集められるべきである。先に述べたように、湾曲したワイヤでは、機械的な復元力は休止の間に作用し、ワイヤの平衡にずれが生じる。難題は2つの状況に出るかもしれない。小さなワイヤで直接のカットを行うとき、および形の不正確さ(凸面または凹面)の影響を受けた被加工物が前記不正確さを取り除くことなくその表面を改良しなければならないときである。両ケースの場合、ワイヤの曲がりが維持されるように、また該ワイヤがその平衡位置から一定の許容量を超えてシフトしないように、休止時間TSを十分に制限することが好ましい。
前記測定パルスのイグニション遅延時間TDの間、その平衡からずれた前記ワイヤの移動は、即座に作用することが可能な2つのパラメータ、すなわちイグニション遅延時間IDの持続時間および印加されたイグニション電圧Uignの値に関連している。イグニション遅延時間TDの間に、前記放電によって引き起こされたプラズマ圧力に対する斥力が消える。前記ワイヤは、その時、静電引力にさらされ、また湾曲しているならば、機械的な復元力にもさらされ、該復元力は静電引力に追加されているか、またはこの静電引力から差し引かれる。イグニション遅延時間TDの間に適用したイグニション電圧Uignの値は、過度に減少させることができず、そうでなければ所定時間TDmaxi以内に規則的にイグニションを開始することができないことから、正しい平均を正確に計算することができない。その結果、両ケースの場合、直線状または湾曲した前記ワイヤに、イグニション遅延時間TDの持続時間に制限が課される。
休止時間TSおよび/またはイグニション遅延時間TDは、ワイヤ平衡状態が全体として次のようないくつかの独立変数に依存する場合には、すべての可能な場合に適正な持続時間値に固定される。それらは、単位長さあたりのワイヤ質量、適用される長手方向の力、2つのワイヤガイド間のワイヤ長さ、電気引力、浸食的性の放電によって引き起こされる反発力、誘電体媒質の粘性減衰等である。簡単な一般的原則を得るために、前記ワイヤ振動の基本固有周期が基準値として使われ、また、図1に例示するように容易な計算パラメータが使われる。4つの平行四辺形が形成されたエリアは4種類の異なるワイヤタイプの標準的な使用の領域を示す。ST25およびST10は、それぞれ直径が0.25および0.10mmの黄銅コアを有する亜鉛合金被覆ワイヤであり、AT05およびAT03はそれぞれ0.05mmおよび0.03mmの直径を有するスチールコアワイヤである。平行四辺形のそれぞれの左下点は、ワイヤガイド間の最も低い長手方向予荷重力およびその最も高い距離を示す。右上点はワイヤガイド間の最も高い予荷重およびその最も低い距離を示す。
以下では、電気浸食によって加工する間のワイヤ電極の平衡および動力学を説明する物理法則または数学的モデルを示さないが、どのような限定されたフィールドでそれらを使うかを示す。振動コードとそれらの固有周期の理論とを見つけるために、例えば容易に初歩の物理学をまたはより具体的にはハンス・セーガンによる「数理物理学における境界と固有値との問題」を参照することができる。
ワイヤ電気浸食の最近の発展は当業者に知られており、以下の刊行物に詳細に説明されている。
「細いワイヤでのカットによる鋼および硬質金属の火花放電マイクロ処理(Funkenerosive Mikrobearbeitung von Stahl und Hartmetall durch Schneiden mit duennen Draehten)」、トビアスノーズ、RWTHアーヘン、シェーカー出版社、ボリューム5/2001
「表面およびエッジゾーン形成に及ぼす火花放電微細カット方法(Funkenerosives Feinstschneiden Verfahrenseinfluesse auf die Oberflaechen- und Randzonenausbildung)」、ルドルフシール、RWTHアーヘン、1994、プログレスレポートVDI。
「ワイヤ放電加工の制御における関連トピック(Relevant topics in wire electrical discharge machining control)」、フリードヘルム・アルトペータ、ロベルト・ペレス、チャーミレス技術SA、ジャーナル・オブ・マテリアル・プロセシング・テクノロジー149(2004) 147-151。
既知の理論に基づいて、ある一つの持続時間を有する周期中に、それに適用される電気力の影響下でのワイヤの変位を計算することができる。図2aないし2cと図3aないし3cの線図は、標準フォームにおける横軸および縦軸上の変動を描く。横軸上に、励起信号、すなわち、ワイヤを横方向に移動させることを意図する電圧の印加時間が表されている。この横軸上の計量単位は、ワイヤの基本固有周期T0に等しい時間である。縦軸上に、ワイヤの側面変位すなわち2つのワイヤガイドの中間位置でのアロー(arrow)が表されている。この縦軸の計量単位は、恒久的に印加された所定電圧の影響下で、定常状態に達した最大振幅に等しい変位である。
図2aないし2cは、あまり粘性を示さない媒体、例えば空気に浸されたワイヤのシフト変位を表している。図3aないし3cは、水に浸されたワイヤのシフト変位を表している。点線は励起信号、すなわち、入力の適用時間を示し、それのうちの3つの値が示されている。
1)T≧10×T0(図2aおよび3a参照)は、先に述べられた米国特許第6,320,151号により説明された分域である。
2)T≒T0(図2bおよび3b参照)は、本発明に関連した分域の限界の特徴を示す。
3)T≦T0/10(図2cおよび3c参照)は、本発明の好ましい機能エリアである。
T0/10にほぼ近いかそれよりも小さい適用時間Tの間、ワイヤが無視し得る変位を生じることを知らなければならず、水の粘性は、さらに、この変位を減少させる。それは、この現象に関係した多数の変数の特定の値に拘わらず、イグニション電圧の印加時間をワイヤの基本固有周期の20%に制限すれば十分であり、好ましくはこの固有周期の10%よりも小さい値に制限され、その結果、ワイヤはイグニション遅延時間TDの間に、無視し得る変位を受ける。
延長線上で考えてみると、さらに、ダイレクトカットまたはすでに上述したように表面形状が完全でない被加工物を湾曲したワイヤによって超仕上げ加工を行おうとする用途では、休止時間TSに適用されたと同じ制限が同様な効果を生み出すであろう。
以下に、第1の測定パルスのイグニション遅延時間TDを減少させ、ワイヤ平衡、従って測定されるべき時間に適度な影響を与える装置を詳細に説明する。この装置の一部は、プログラムされた軌跡の方向および/またはこれと垂直な方向へワイヤガイドの前進を強要し、またイグニション遅延の適正な平均値TDmoyを得るための、既知の実施規定に従った機械軸速度の制御ループである。そのような装置の利点は、制御ループ周期よりかなり小さなイグニション遅延時間TDを維持できることである。例えば、実に2msの典型的な制御ループ周期のために、仕上げ面の欠陥に順応することができる強力な制御ループを作ることが可能である。平均値TDmoyを真のギャップ寸法の典型に決めることができるように、例えば10個に及ぶTDのいくつかのサンプルをループ周期の間に収集することができる。さらに、TDmoyがT0/10に等しいか好ましくはそれより小さいので、ループ周期の所定の値が、一般的に使われるワイヤ電極のためのオペレーション範囲を決定する。図1は、本発明が50KHzより低い固有振動数のワイヤを使ってダイレクトカットまたは超仕上げ加工に適用できる例を示す。
イグニション遅延の確率的特性を克服するために、すなわち、TDmoy値を維持できるが、TDの統計的な過度の長時間(そのような事象は頻繁ではないが)は避ける必要があり、仕上げ段階でワイヤ電極の逸脱を制御できないと、加工面に目に見える痕跡が残り易い。このように、TDが経験的に決められているある値のTDmaxiより偶然にもさらに長いと、イグニション電圧Uignの印加を停止することができる装置が提供される。適切な制御ループの対数またはイグニション遅延の体系的な記録は、その平均値がlog(TDmoy)についてのガウシアン関数のように見える分布を示す。10×TDmoyより大きなイグニション遅延TDを記録する可能性は、0.1%より小さいと判明した。従って、如何なるリスクをも伴わないのでTDをTDmaxi=10×TDmoyに制限することが好ましく、それはワイヤの前記固有周期T0より小さい、好ましくはT0/2より小さいTDmaxiに等しい。そのような場合に、TDがそれに応じて制限されると、先に簡素化されて記載されたシーケンスすなわちIign電流パルスを欠き、加工時間TWは高周波交流電圧の印加から始まる。
図4に示されたシーケンス信号のさらなる改善が経験によって得られた。追加の休止が加工時間TWに挿入されないと、シーケンス中の放電は、加工面の同じ場所で起こりやすい。「局在性(localization)」の名前の下でよく知られたこの現象は、表面粗さの劣化を引き起こす。この現象を避けるため、および面粗さの改良のために、加工ギャップが短絡される間の追加の休止が、図5に示されているように、TWの間に望ましくは導入される。休止Tign_sは、放電Iignの直後に起こすことができる。Tign_sは、図4の小さな遷移休止Tign_tを含み、これにより、休止TSの持続時間を減少させることができ、またはその置き換えが可能となり、したがって、前記したと同じ時間制限を受ける。また、いくつかの小さな休止Thf_sをTWの端まで高周波交番内に置くことができる。図5には、Thf_wが高周波交流電圧の一周期全域の持続時間として描かれている。前記した小さな追加の休止Thf_sは、本格的な休止時間TSより短く、図5に例示するように、望ましくは2Thf_wに等しい時間より短い。
図5で示された先のモードは極めて良質で、また正確な表面粗さを与えるが、それにもかかわらず、なぜか暗くなった鈍い外観によって価値が減じられている。前記した外観をよくするために、図6で示されているように、加工時間の間に小さな電流を出力するために連続的に電源を調整することにより、きめ細かな表面粗さは低下するが、光輝く面(光沢表面仕上げ)を得ることができる。図6で示されているように、光沢効果は、例えば、図7(後でより詳細に説明する)の補助の高インピーダンス電圧源1を高周波電圧信号の適用の間にギャップに連続して接続することによって、また延長した休止Thf_sを含めることによって、得ることができる。高周波電圧インパルス19は、図7(後でより詳細に説明する)の主電源2によってもたらされる強い電流インパルス21に通路を開くプラズマチャネル20を開始する。Thf_w周期の端22で、図7の補助の高インピーダンス電圧源1が小電流23で引き継ぐので前記プラズマチャネルは崩壊しない。交流電圧25が前記電流を停止させかつ前記電圧を前記Uign値に回復させる前に、前記プラズマチャネルは、24で、時期尚早に崩壊するかもしれない。
侵食時間TWの期間は、例えば零から12msにプログラム可能であり、通常の動作は、先行するイグニション遅延時間TDの測定された持続時間に依存する存続期間TWを作ることを含む。例えば、短いTWは短いTDの後に続き、またその逆でもある。また、休止時間TSの持続時間は、通常、TDの実際の値またはその後の放電すなわちTDではない放電の特定の特性に従って、プログラムすることができる。以下の特許がそのような問題に対処しており、それらの開示事項はここに参照によって含まれる。米国特許第5,336,864号、中国特許第644290号および中国特許第554215号である。Uignの印加の間の電圧信号のプロファイルは、ギャップ中の汚染度を表す指標であり、一連のより長い休止を開始するために使うことができる。
例として、電気浸食による窪みの寸法は、放電の間にもたらされた電荷(クーロン)に比例する。前記した電荷は、以下の3つの高周波加工モード(光沢モードを除く)で測られ、予備的仕上げモード、仕上げモードおよび超仕上げモードである。
Q_TDは、測定放電によってもたらされた電荷であり、Q_HFは高周波加工放電によってもたらされた電荷であり、すべてがQ_TD≦Q_HFのケースでてチェックされた。
最小の加工電流の予備的仕上げモードのために、
Q_TD=0.5[A]×0.6[us]=0.3[Cb]
Q_HF=2.0[A]×0.4[us]=0.8[Cb]
仕上げモードのために、
Q_TD=0.5[A]×0.1[us] =0.05[Cb]
Q_HF=1.5[A]×0.18[us]=0.27[Cb]
超仕上げモードのために、
Q_TD=0.5[A]×0.1[us] =0.05[Cb]
Q_HF=1.0[A]×0.05[us]=0.050[Cb]
再び図7を参照するに、前記システムの主要な構成要素は、加工電源として作用する主要電圧源2と、イグニション電圧Uignおよびイグニション電流Iignを生じることによってイグニション電源として作用する補助の高インピーダンス電圧源1と、高周波コントローラ3と、荒加工専用の発電機7(その構成および機能は、当業者に知られているので、以下ではその詳細は記載しない。)とである。主要電圧源2と、補助の高インピーダンス電圧源1とは、高周波コントローラ3の入力に並列に接続されている。加工ゾーンすなわち加工ギャップ4は、同軸HF用二重シールドケーブル5を介して高周波コントローラ3の出力に接続されている。加工ゾーン4に発電機7を接続する電力ケーブル6は、リレー8を用いて接続を断つことができる。その結果、それらの容量は加工ゾーン4の漂遊容量に付加されない。
前記システムは、0.1マイクロメートル(Ra)より低い粗さまたは光沢表面仕上げのいずれかを生産するために500KHzよりも高い高周波電圧を用いて仕上げ面を加工するように、設計することができる。仕上げ加工のために、同軸HF用二重シールドケーブル5は、典型的には、50pF/mの低インピーダンス容量を有し、補助の高インピーダンス電圧源1の電流は0.5Aに制限される。
その電圧は、大多数のイグニションが予め決められた遅延時間TDmaxi中に存在することを保証するために、20から100ボルトの範囲内で調整することができる。
高周波コントローラ3は、以下で説明するように、主電源2および補助電源1の加工ゾーン4への接続を同期させるために、図4、5または6に表されているように、加工シーケンスを制御する。高周波コントローラ3は、加工サイクル(すなわちTD、TWおよびTS)の基本的な継続時間を制御するために、主系列コントローラ12から送られる2つのロジック信号によって駆動される。高周波コントローラ3は、図示されないが当業者によって知られているようなブリッジ形態に組み立てられた一組の高速トランジスタを含む。
加工ギャップ4にイグニション電圧Uignを接続しまた侵食パルスTWの適用を開始するために、主系列コントローラ12は、2つのロジック信号の平均によって高周波コントローラ3を制御し、後でより詳細に説明されるように、全体で比較的遅い検出チャネルを作り上げる。主系列コントローラ12は放電電流Iignを止めず、その代わりに、図9にその詳細が例示された高速なイグニション検出器9がIignを止めるための義務を引き継ぐ。高速イグニション検出器9は、高周波コントローラ3に、そのトランジスタであってイグニション電流Iignを切り換えるトランジスタ17(以下を参照)の直近で、内部に直接に取り付けられており、該トランジスタの出力に接続されている。これにより、前記制御信号の送信時間は、イグニションが検出されると同時に迅速に浸食的な放電電流Iignを止めるように、可能な限り短くされる。高速イグニション検出器9は、測定に必要な放電Iignのエネルギーが如何なる高周波電流放電Ihfのエネルギーほども高くないことを可能にする。
高周波コントローラ3の好適な実施例が、主系列コントローラ12および加工ゾーン4への接続とともに、図8に示されている。イグニションが生じる時、高速イグニション検出器9は、加工ゾーン4から来る信号UUSに反応し、またコマンドをブリッジ制御ロジック15に送るために、例えば約50nsを必要とする。例えば、約30ns後に、ブリッジ制御ロジック15は、フルブリッジ形態に結合された4つのクールモス(Coolmos)トランジスタ17に作用する4つの高速MOSFETドライバ16に密接に結合された4つの高速光カプラを作動させる。イグニション情報は、図8に示されるような一連の構成要素9、15、16、17の直列からなる完全なチャネルを通して、例えば100ns未満で加工ギャップ4から伝えられ、従って、迅速にイグニション電流Iignを止める。上述したように、この構成は、より高速な構成要素を使用することにより、50nsよりも短い反応速度を可能とする高速検出チャネルを可能とする。
図7および9に示された高速イグニション検出器9は、アジレント(Agilent)社の製造によるHCPL0631の高速光カプラ18からなる例として、図9に、より詳細に示されている。光カプラ18の上流部で、入力信号UUSの2つの極性は電源電圧VDCによって比較器として作用する調整可能な抵抗分圧器R1、R2およびR3を動作させる。光カプラ18は、その出力でブリッジ制御ロジック15の入力に接続されており、これによりその電気絶縁が補なわれている。
高周波コントローラ3のトランジスタ17の直近で該コントローラ内に配置された高速イグニション検出器9は、軸制御ループのための入力信号を成形するために設けられてはいない。この目的のために、個別の差動プローブ10が電子装置すなわち主系列コントローラ12に接続されている。差動プローブ10は、加工ゾーン4を、軸速度制御装置すなわち軸サーボコントローラ14に必要な実際の平均値TDmoyを一般的な方法で計算する前記電子装置12に接続する。構成要素10、11および12の接続は、例えば400nsより小さな遅延での信号の帰還を可能とする。軸サーボコントローラ14と、残余の処理との間の接続は、当業者に知られているので、図7には示されていない。
ここでの困難は、プローブ10が、例えば4mの共通のケーブル長11と共に、必要な表面粗さを損なう追加の漂遊容量を放電回路に導入することである。
この困難を克服するために、従来オシロスコーププローブの原則が図10に従って用いられる。並列に接続された抵抗および容量からなるRCデバイダがケーブル11の上流側および下流側の両端にそれぞれ挿入されている。その結果、加工ギャップ4での全体の漂遊容量は、下流のRC容量にだけ依存し、前記ケーブルの長さに拘わらず該ケーブルの容量とは無関係になる。図9は一方の分岐を代表して示すが、実際には、正負の2つの同一プローブ10が必要となる。
上記に説明したハードウェア構成は例に過ぎない。所望の加工信号を得るために、直流(DC)電源に関連して加工ギャップ4に並列または直列に接続された個別の高周波源を利用することができる。
要約すると、イグニション遅延TDの測定装置は、イグニション遅延時間TDに続く放電測定に必要なエネルギーが高周波交流電圧の印加によって生じる如何なる放電エネルギーよりも高くないように、測定のエネルギーを制限する。この目的のために、測定装置は、図7に例示するように、以下の機器から成る。
イグニション電圧Uignおよびイグニション電流Iignを生じるための分離された、高インピーダンスの調整可能な電圧源1
電流Iignを止めるために、イグニション電圧Uignをスイッチオフするトランジスタ17の直近に位置する高速イグニション検出器9
放電回路の漂遊容量を減少させ、またイグニション遅延を測定する高インピーダンス検出器10
放電回路に存在する漂遊容量の主要な部分6を取り除くためにケーブルを粗加工用発電機7から切り離す一組のリレー8
本発明は、上記の好適な実施例に制限されない。ワイヤ電極に代えて、棒電極のような如何なる他の種類の電極をも使用することができる。同様に、高周波パルスでの加工に代えて、低周波交番侵食パルスを適用することができる。本発明は、加工の仕上げ工程への適用に限らず、荒削りのような初期工程にも適用できる。
予荷重力と、4つの平行四辺形によって描かれた通常使用されるそれらの分域中の4つのワイヤ電極の固有振動数との間の対数関係を説明するグラフである。 点線で示された電圧励起信号によって起こされたワイヤ電極の側方変位を実線で示すタイムチャート(その1)である。 点線で示された電圧励起信号によって起こされたワイヤ電極の側方変位を実線で示すタイムチャート(その2)である。 点線で示された電圧励起信号によって起こされたワイヤ電極の側方変位を実線で示すタイムチャート(その3)である。 点線で示された電圧励起信号によって起こされたワイヤ電極の側方変位を実線で示すタイムチャート(その4)である。 点線で示された電圧励起信号によって起こされたワイヤ電極の側方変位を実線で示すタイムチャート(その5)である。 点線で示された電圧励起信号によって起こされたワイヤ電極の側方変位を実線で示すタイムチャート(その6)である。 本発明の3つの代替的な装置の実施形態を説明することを目的として、加工ギャップ内およびその境界での放電の電圧と電流との間の同期を示すタイムチャート(その1)である。 本発明の3つの代替的な装置の実施形態を説明することを目的として、加工ギャップ内およびその境界での放電の電圧と電流との間の同期を示すタイムチャート(その2)である。 本発明の3つの代替的な装置の実施形態を説明することを目的として、加工ギャップ内およびその境界での放電の電圧と電流との間の同期を示すタイムチャート(その3)である。 本発明に係るシステムの主要構成要素間の電気的およびロジック的相互接続を示すブロック図である。 図7の高周波コントローラのより詳細を示す図面である。 図7および8の高速イグニション検出器のより詳細を示す図面である。 加工ギャップと図7のイグニション遅延検出器との間の接続のより詳細を示す図面である。
符号の説明
1 補助の高インピーダンス電圧源(パルス発生器)
2 主要電源(パルス発生器)
3 コントローラ
4 加工ゾーン(加工ギャップ)
9 高速イグニション検出器
10、11、12 第1のチェーン
12 コントローラ
14 軸サーボコントローラ
17 トランジスタ
18 光カプラ

Claims (31)

  1. 加工電極を用いた被加工物への放電加工のための方法であって、
    一連の加工パルスが前記加工電極と前記被加工物との間の加工ギャップに適用され、
    前記加工パルスは、前記被加工物から材料を侵食する侵食パルスと、測定パルスとを含み、該測定パルスの間、イグニション電圧(Uing)が、前記加工ギャップで放電を開始しかつ対応するイグニション遅延時間(TD)を測定するために、前記加工ギャップに印加され、
    また、イグニション電圧(Uing)および/または前記ギャップ間隔は、前記イグニション遅延時間(TD)が静電引力および機械的復元力のために前記加工ギャップ中で振動する前記加工電極の振動時間より短くなるように、調整される、放電加工方法。
  2. 前記ギャップ間隔は、前記測定パルスの間に測定された前記イグニション遅延時間(TD)に基づいて前記侵食パルスの間に調節される、請求項1に記載の方法。
  3. 予め決められた極性の連続するイグニション電圧(Uing)は測定パルスの間に加工ギャップに印加され、前記極性は、前記加工ギャップの平均電圧が予め決められた定数値、好ましくは零ボルトの傾向を示すように、個々の測定パルス毎に選ばれる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記イグニション遅延時間(TD)の大多数が予め決められた第1の最大時間値(TDmaxi)より小さくなるように、前記測定パルスの間に前記ギャップ間隔および/または前記イグニション電圧(Uing)は調整される、先の請求項のいずれか一に記載の方法。
  5. 予め決められた前記第1の最大時間値(TDmaxi)は、前記加工電極の基本固有周期(T0)より短い、好ましくは該周期の半値より短い、請求項4に記載の方法。
  6. 前記イグニション遅延時間(TD)の平均値は、多数の前記測定パルス間に測定された多数の前記イグニション遅延時間(TD)に基づいて決定され、前記平均イグニション遅延時間(TDmoy)が予め決められた第2の最大時間値より小さくなるように、前記測定パルス間の前記ギャップ間隔および/またはイグニション電圧(Uign)が制御され、予め決められた前記第2の最大時間値は予め決められた前記第1の最大時間値(TDmaxi)より小さい、請求項4または5に記載の方法。
  7. 予め決められた前記第2の最大時間値は前記ワイヤ電極の前記基本固有周期(T0)の少なくとも5分の1より短い、好ましくは該周期の10分の1より短い、請求項6に記載の方法。
  8. 前記イグニション遅延時間(TD)が予め決められた前記第1の最大時間値(TDmaxi)を越えると、前記測定パルスの間に前記イグニション電圧(Uign)の印加は中断される、請求項4ないし7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記加工ギャップに零の侵食電圧が印加される休止時間(TS)が前記侵食パルス後に続く、先の請求項のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記侵食パルスは、500KHzよりも高い周波数を有する多数の高周波パルスを含む、先に記載のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記一連の加工パルスは、測定パルス(TD)、侵食パルス(TW)および第1の休止時間(TS)の連続からなる周期的な時間系列によって構成されている、先のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記測定パルスによって起動した後に流れる前記イグニション電流(Iign)は、前記高周波パルス中に流れる放電電流(Ihf)より小さな値に制限される、請求項10または11に記載の方法。
  13. 前記測定パルス(TD)によって起動した後に流れる前記イグニション電流(Iign)は100nsより短い継続期間に制限される、請求項10ないし12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 第2の休止時間(Tign_s)は、前記測定パルス(TD)によって起動された後で流れる前記イグニション電流(Iign)が停止した後に追加される、先のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1(TS)および/または第2の休止時間(Tign_s)は、前記ワイヤ電極の前記基本固有周期(T0)の5分の1より短い、好ましくは該周期の10分の1より短い継続期間に制限される、請求項14に記載の方法。
  16. 第3の休止時間(Thf_s)が侵食パルスの中の各高周波パルスまたは各高周波交流の後に追加される、請求項10ないし15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第3の休止時間(Thf_s)は、前記第1の最初の休止時間(TS)より短く、より好ましくは前記高周波パルスの基本周期(2Thfs_w)よりも短い継続期間に制限される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記加工ギャップは、前記第1、第2および第3の休止時間(TS、Tign、Thf_s)の少なくとも1つの間に短絡される、請求項9ないし17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 連続的な電圧が前記第3の休止時間(Thf_s)の間に多数の前記高周波パルスに重ね合わせられ、電圧源からの前記連続的な電圧は、前記高周波電圧によって開始される前記放電電流(Ihf)よりも小さな電流(Iign)を供給すべく適用される、請求項16ないし18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記侵食パルス、第1および第2の休止時間(TW、Tign_s、Thf_s)の少なくとも1つの継続期間は、先行する前記イグニション遅延時間(TD)の測定された継続期間に基づいて調整される、請求項19に記載の方法。
  21. 前記イグニション遅延時間(TD)の端で生じる放電の浸食力は、前記侵食パルスの間に生じる如何なる放電よりも低いかまたは等しい、先のいずれか一項に記載の方法。
  22. 加工電極を用いた被加工物への放電加工のための装置であって、
    前記加工電極と前記被加工物との間で加工ギャップ(4)のギャップ間隔を制御するための軸サーボコントローラ(14)と、
    前記被加工物から材料を侵食するために前記加工ギャップ(4)に適用される侵食パルスを生成し、また前記加工ギャップ(4)中での放電を開始するために前記加工ギャップ(4)に印加されるイグニション電圧(Uign)を有する測定パルスを生成するためのパルス発生器(1、2)と、
    測定パルス内の前記イグニション遅延時間(TD)を検出するように設計され、また測定パルス(TD)および侵食パルス(TW)からなる一連の加工パルスが前記加工ギャップ(4)に適用されるように前記前記パルス発生器(1、2)を制御するように設計され、また前記イグニション遅延時間(TD)が静電引力および機械的復元力によって前記加工ギャップ(4)内で振動する前記加工電極の振動時間よりも小さく保持されるように、前記ギャップ間隔の制御によって前記軸サーボコントローラと共同しおよび/または前記イグニション電圧(Uign)の制御によって前記パルス発生器(1、2)と共同するように設計されたコントローラ(3、12)とを含む、放電加工装置。
  23. 前記パルス発生器(1、2)から前記加工ギャップ(4)に適用された前記測定パルスのイグニション遅延時間(TD)が予め決められた前記第1の時間値(TDmaxi)より長いとき、前記コントローラ(3、12)は、前記パルス発生器(1、2)を前記加工ギャップ(4)から切り離すように設計される、請求項22に記載の装置。
  24. さらに、平均イグニション遅延時間(TDmoy)を決め、前記パルス発生器(1、2)を整調するためのコントローラ(3、13)を含む第1の測定チェーン(10、11、12)と、
    測定パルスによって起動を検出するように設計され、また前記パルス発生器(1、2)によって適用された放電電流(Iign)を、第1のチェーン(10、11、12)が侵食パルスを前記測定パルスに続いて前記加工ギャップ(4)へ適用するための遅延より短い時間遅延で停止するように設計された、高速イグニション検出器(9)を含む第2の測定チェーンとを含む、請求項22または23に記載の装置。
  25. 前記コントローラ(3、12)は、さらに、連続的な測定パルスが生じている多数のイグニション遅延時間値(TD)をサンプリングし、前記ギャップ間隔を調整することによって前記イグニション遅延時間(TD)が予め決められた基準平均値を維持することを企図する前記軸サーボコントローラ(14)への入力として当該多数のイグニション遅延時間値(TD)の平均値(TDmoy)を計算するように設計される、請求項22ないし24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記パルス発生器(1、2)は、500KHzより高い周波数を有する高周波侵食パルスを作る、請求項22ないし25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記コントローラ(3、12)は、前記パルス発生器(1、2)を前記加工ギャップ(4)に接続しまたこれからの接続を絶つために、ブリッジ形態に組み合わせられた一組の高速トランジスタ(17)から成る、請求項22ないし26のいずれか一項に記載の装置。
  28. 前記高速イグニション検出器(9)は、コントローラ(3、12)のトランジスタ組(17)の直近に取り付けられており、イグニションが検出されると同時に100nsよりも速く前記パルス発生器(1、2)を前記加工ギャップ(4)から切り離す、請求項27に記載の装置。
  29. 前記高速イグニション検出器(9)は、入力が前記加工ギャップ(4)に接続され、また出力が、基準電圧(VDC)に対する比較器として作動する調整可能な抵抗分圧器(R1、R2、R3)に接続している光カプラ(18)を含む、請求項22ないし28のいずれか一項に記載の装置。
  30. 前記コントローラ(3、12)は、前記加工ギャップ(4)に差動プローブ(10)およびオシロスコーププローブ(11)を介して接続される、請求項22ないし29のいずれか一項に記載の装置。
  31. 前記パルス発生器(1、2)のイグニション電圧(Uign)は、イグニションが予め決められた第1の時間遅延(TDmaxi)中に多数に存在することおよびそれらの電流(Iign)が0.5Aより低いことを保証するために、20ないし100ボルトの範囲で調整可能である、請求項22ないし30のいずれか一項に記載の装置。
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