JP2008043736A - 医用画像処理装置及び医用画像処理方法 - Google Patents

医用画像処理装置及び医用画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医用画像の位置合わせに掛かる時間の短縮を図りつつ、位置合わせを高い精度で行う。
【解決手段】医用画像処理装置1の抽出処理部2は、2つの医用画像のボリュームデータに基づいて、各医用画像のランドマークを設定する。位置関係情報生成部3は、2つの医用画像のそれぞれについて、ランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成する。ランドマーク対応付け部4は、この位置関係情報に基づいて、各医用画像のランドマークのうちの幾つかを除外する。更にランドマーク対応付け部4は、除外後に残った2つの医用画像のランドマークを互いに対応付けする。画像位置合わせ部5は、このランドマークの対応付け結果に基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、医用画像の画像データを処理する医用画像処理装置及び医用画像処理方法に関し、特に、2つの医用画像(の画像データ)の位置合わせを行う技術に関するものである。
従来から、或る被検体について、撮影時期の異なる複数の医用画像を比較することにより、疾患の進行や治癒の状況などを把握して治療方針を検討したりすることが行われている(たとえば特許文献1を参照)。このような比較読影においては、被検体のほぼ同じ位置のスライス画像(CT画像等)を比較するために、撮影時期の異なる画像間の位置合わせを行う必要がある。近年では、3次元の医用画像を撮影可能な装置の登場に伴い、3次元医用画像の位置合わせを行う必要も生じてきている。
画像間の位置合わせの手法としては、画像相関(image similarity)を用いた反復的位置合わせ法と、ランドマーク(landmark;「特徴点」等と呼ばれる。)を用いた位置合わせ法とが一般に知られている。
画像相関を用いた反復的位置合わせ法については、たとえば非特許文献1に開示されている。この手法は、相関係数等の画像相関を利用して反復的に位置合わせを行うもので、画像に変形を加えずに位置合わせを行う「rigid registration」と呼ばれる方法と、画像に変形を加えて位置合わせを行う「non−rigid registration」と呼ばれる方法とに分類される。この明細書においては、この2つの方法をまとめて「位置合わせ(registration)」と呼ぶことにする。
一方、ランドマークを用いた位置合わせ法については、たとえば非特許文献2に開示されている。この手法は、画像相関を用いた反復的位置合わせ法と比較して、本質的に処理時間が短い。すなわち、ランドマークを一旦指定してしまえば、ペアとなるランドマークの位置合わせに線形最適化手法を適用することができ、反復的な手法を用いる必要がないため、データ量が多くても1秒以下程度の処理時間にて画像の位置合わせを実行することが可能である。
特開2005−334219号公報 Jeongtae Kim、Jefferey A. Fessler、「Intensity−Based Image Registration Using Robust Correlation Coefficients」、IEEE TRANSACTIONS ON MEDICAL IMAGING、VOL.23、NO.11、NOVEMBER 2004、pp.1430−1444 四方秀則、外7名、「肺の非剛性レジストレーションのための血管分岐点位置検出アルゴリズム」、電子情報通信学会論文誌、Vol.J85−D−II、No.10、pp.1613−1623、2002
しかしながら、上記のような従来の位置合わせ方法には、次のような問題がある。
まず、画像相関を用いた反復的位置合わせ法においては、比較対象となる各画像に対して数十個程度の局所領域を設定し、対応する局所領域のペアについて画像相関を算出するとともに、その画像相関が高くなるように、画像の平行移動、回転、スケーリング(サイズ変更)、変形などの処理を反復的に施していく。この方法は、データ量の少ない2次元画像についてはある程度有効であるが、データ量が格段に多い3次元画像については、処理に長時間を要するため、現段階においては実用的とは言い難い。
たとえば、非特許文献1には、10×10ピクセルの2次元画像の局所領域の画像相関の算出時間は0.1秒程度であることが記載されている。同様の処理を3次元画像の10×10×10ボクセルの局所領域に適用すると、単純に10×0.1=1秒程度の時間が掛かるものと想定される。よって、たとえば50個の局所領域のペアを3次元画像に設定する場合、1回の計算に1×50=50秒程度の時間が必要となる。
また、画像の位置合わせのアルゴリズムには、公知の最適化手法が用いられるが、変数の個数が増加するほど計算の反復回数も増加することが知られている。たとえば3次元画像のnon−rigid registrationにおいては、数十個程度の変数を最適化することが必要であり、そのためには少なくとも100回程度の反復計算が要される。したがって、3次元画像の位置合わせには、50×100=5000秒(約83分)程度の時間が掛かるものと見積もられる。これでは、たとえ処理高速化のための手法を付加的に適用したとしても、実用的な処理時間の達成は困難であることが予想される。
一方、ランドマークを用いた位置合わせ方法においては、前述のように処理時間が短いというメリットはあるが、位置合わせの精度に困難性を有している。すなわち、たとえば肺血管を含む画像の位置合わせを行う場合、非特許文献2にも記載されているように、ランドマークを用いた位置合わせを精度良く実施するには、分岐点の位置の高精度な決定と血管の正確なグラフ表現が必要とされる。これは、比較対象となる2つの画像からそれぞれ独立に抽出されたランドマーク群について、対応するランドマークの特定の正確性が、位置合わせの精度に反映されることに起因している。
また、肺血管のように複雑に張り巡らされた対象物について正確にグラフ表現を取得することは現実的に非常に困難である。これも、ランドマークを用いた位置合わせ方法の精度向上を実現する上での大きな障害となっている。特に医療分野においては、医療ミス等を回避するために精度を重視する必要があるため、ランドマークを用いた方法の有用性は高いとは考えにくい。
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、医用画像の位置合わせに掛かる時間の短縮を図りつつ、位置合わせを高い精度で行うことが可能な医用画像処理装置及び医用画像処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理装置であって、各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定する設定手段と、各ボリュームデータについて、前記ランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成する生成手段と、前記位置関係情報に基づいて、前記ランドマークのうちの幾つかを除外し、前記除外後に残った2つの医用画像のランドマークを互いに対応付ける対応付け手段と、前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う位置合わせ手段と、を備える、ことを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理装置であって、各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定する設定手段と、前記2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付ける対応付け手段と、前記ランドマークの対応付けに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算する変換パラメータ演算手段と、前記パラメータに基づく位置合わせ後における前記対応付けられたランドマークの間の距離を演算し、前記距離に応じて前記パラメータを補正する変換パラメータ補正手段と、を備え、前記補正されたパラメータに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、ことを特徴とする。
また、請求項19に記載の発明は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理装置であって、各医用画像について、被検体の左右の肺に相当する画像領域を抽出する特定部位抽出手段と、前記画像領域における各肺の肺尖部の位置と下端の位置とを検出し、前記画像領域における前記肺尖部の位置と前記下端の位置とを所定の比で内分する断面位置における左肺の画像領域の左端位置と右肺の画像領域の右端位置とを検出し、前記肺尖部の位置、前記下端の位置、前記左端位置及び前記右端位置に基づいて各医用画像のランドマークを設定するランドマーク設定手段と、2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付ける対応付け手段と、前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う位置合わせ手段と、を備える、ことを特徴とする。
また、請求項20に記載の発明は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定し、各ボリュームデータについて、前記ランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成し、前記位置関係情報に基づいて、前記ランドマークのうちの幾つかを除外し、前記除外後に残った2つの医用画像のランドマークを互いに対応付け、前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、ことを特徴とする。
また、請求項21に記載の発明は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定し、前記2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付け、前記ランドマークの対応付けに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算し、前記パラメータに基づく位置合わせ後における前記対応付けられたランドマークの間の距離を演算し、前記距離に応じて前記パラメータを補正し、前記補正されたパラメータに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、ことを特徴とする。
また、請求項22に記載の発明は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、各医用画像について、被検体の左右の肺に相当する画像領域を抽出し、前記画像領域における各肺の肺尖部の位置と下端の位置とを検出し、前記画像領域における前記肺尖部の位置と前記下端の位置とを所定の比で内分する断面位置における左肺の画像領域の左端位置と右肺の画像領域の右端位置とを検出し、前記肺尖部の位置、前記下端の位置、前記左端位置及び前記右端位置に基づいて各医用画像のランドマークを設定し、2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付け、前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、ことを特徴とする。
請求項1又は請求項20に記載の発明によれば、医用画像のランドマークの位置関係に基づいてランドマークの幾つかを除外し、残ったランドマークを用いてボリュームデータの位置合わせを行うようになっているので、位置合わせに掛かる時間の短縮を図りつつ、高精度の位置合わせを実現することが可能である。
また、請求項16又は請求項21に記載の発明によれば、医用画像のランドマークの対応付けに基づいて座標変換のパラメータを演算し、このパラメータに基づいて位置合わせを行ったときのランドマークの間の距離を演算し、この距離に応じて補正されたパラメータに基づいて2つのボリュームデータの位置合わせを行うようになっているので、高精度の位置合わせを比較的短時間で実行することが可能である。
また、請求項19又は請求項22に記載の発明によれば、各医用画像について、被検体の左右の肺に相当する画像領域における各肺の肺尖部及び下端の各位置と、左肺の左端位置及び右肺の右端位置とを検出することができる。更に、この発明によれば、これらの位置に基づいて各医用画像のランドマークを設定し、2つの医用画像のランドマークを互いに対応付け、この対応付けに基づいて2つのボリュームデータの位置合わせを行うことができる。それにより、肺の画像のボリュームデータの高精度の位置合わせを比較的短時間で実行することが可能である。
この発明に掛かる医用画像処理装置及び医用画像処理方法の実施の形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施形態では、被検者の肺を撮影した医用画像の画像データの位置合わせについて説明する。一般に、肺を撮影した医用画像には、肺実質部、気管支、肺血管(肺動脈、肺静脈)などが映し出されている。なお、この実施形態において、画像データと、それに基づいて表示される医用画像とを同一視することがある。
[概要]
この発明は、医用画像診断装置により取得された医用画像の比較読影を行う際の画像の位置合わせを好適に行うためのものである。比較読影においては、最新の撮影画像(最新画像)と、それよりも過去に撮影された画像(過去画像)との比較して、傷病の進行具合や治療効果などの把握を行う。被検体のスライス画像を比較する場合、被検体の(ほぼ)同じスライス位置における最新画像と過去画像を表示させてやる必要がある。
なお、技術的には、比較対象となる画像の撮影時間の前後関係は当該位置合わせ方式の実現に関係ないため、本明細書では、一方の画像を「リファレンス画像」、他方の画像を「ターゲット画像」と呼ぶことにし、両者の位置合わせの方法について記載する。
図7は、この発明による処理の流れの一例を表している。まず、過去画像と最新画像かからランドマークをそれぞれ抽出する(S1、S2)。このランドマークとしては、たとえば肺血管の分岐点が抽出される。血管の分岐点を特定する手法については、前述の非特許文献2に一例が開示されている。なお、抽出されるランドマークは、過去画像と最新画像の間において互いに順序が不定でもよく、その個数も一致していなくてもよい。なお、ランドマークとは、医用画像中の特徴的な部位に対して人為的に設定されるマーク(特徴点)であり、2つの医用画像(の画像データ)の位置合わせを実施するときの基準となるものである。
次に、過去画像及び最新画像からそれぞれ抽出されたランドマークの対応を決定する(S3)。この実施形態では、ランドマーク間の距離の情報(又はランドマークが形成する角度の情報)を用いて過去画像のランドマークと最新画像のランドマークとの対応を決定する。詳細については後述するが、このような対応付けにより、ランドマークに抽出ミスがあった場合でも、血管の分岐構造を正確に特定ができない場合でも画像の位置合わせが可能になる。これは、この実施形態の特徴の一つとなっている。
続く変換パラメータの決定(I)では、対応付けられたランドマークに対して線形最適化法を適用し、これらランドマーク間の座標変換のパラメータを決定する(S4)。以下、この処理の一例を説明する。最新画像のランドマークの座標を(r1、r2、r3)とし、過去画像のランドマークの座標を(t1、t2、t3)とし、これらランドマークが対応付けられているとする。また、これらのランドマークは次のような関係を有するものとする。
[数1]
t1−r1=a1×r1+b1×r2+c1×r3+d1
t2−r2=a2×r1+b2×r2+c2×r3+d2
t3−r3=a3×r1+b3×r2+c3×r3+d3
ここで、12個の係数ai、bi、ci、di(i=1、2、3)が、求めるべき変換パラメータである。この連立方程式は、方程式の個数が3で、未知数の個数が12であるのため、そのままでは一意的に解くことは不可能であるが、4組以上のランドマークの座標が既知であれば、最小二乗法等の公知の線形最適化法を用いることにより、12個の変換パラメータを求めることができる。
ステップS1、S2で抽出されたランドマーク群のなかのいくつかが非常に近接している場合、ステップS3において対応付けミスが生じる可能性がある。対応付けミスが生じると、ステップS4において、間違って対応付けされたランドマークの位置合わせ結果が、画像全体(画像のボリュームデータ)の位置合わせに反映されて精度が劣化してしまう。
そこで、この実施形態では、変換パラメータの決定(II)において、位置合わせ後の残差が大きいランドマークの影響を除去又は小さくして再度変換パラメータを求めることにより、画像(のボリュームデータ)の位置合わせ精度の向上を図る(S5)。
このような位置合わせの結果を用いて、過去画像と最新画像について、(ほぼ)同じスライス位置における断層画像を並列表示させる(S6、S7)。読影医は、並列表示された過去と最新の断層画像の比較読影を行う。
[構成及び動作]
この発明に係る医用画像処理装置の構成及び動作を説明する。図1に示す医用画像処理装置1は、医用画像診断装置1000によって生成された医用画像の画像データを格納する医用画像データベース200に接続されている。医用画像処理装置1、医用画像診断装置1000、医用画像データベース2000は、たとえばLAN(Local Area Network)等の任意のネットワークによって通信可能に接続されている。
医用画像診断装置1000は、被検体(図示せず)の体内の形態を反映した信号に基づいて医用画像の画像データを生成する装置である、この医用画像診断装置1000の具体例としては、X線CT(Computed Tomography)装置、X線診断装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)、超音波診断装置などがある。この医用画像診断装置1000は、特に、被検体の3次元医用画像の画像データ(ボリュームデータ)を生成可能な装置とされる。
ここで、ボリュームデータとは、3次元的なボクセルを画素として有する画像データである。各ボクセルには、輝度、濃淡、色等の画素データがそれぞれ割り当てられている。なお、ボリュームデータは、ボクセルデータなどと呼ばれることもある。ボリュームデータに基づく画像を表示させるときには、ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection;最大値投影)等のレンダリング処理を施すことにより、この3次元的なボリュームデータを、画像表示用の2次元的な画像データに変換する。
医用画像データベース2000は、たとえば、各種の医用画像の画像データを管理するシステムであるPACS(Picture Archiving and Communication System)のデータベースや、医用画像が添付された電子カルテを管理する電子カルテシステムのデータベースによって構成される。
なお、医用画像診断装置1000から医用画像処理装置1に対して直接に画像データを入力できるようにネットワークを構築することも可能である。
医用画像処理装置1は、図1に示すように、抽出処理部2、位置関係情報生成部3、ランドマーク対応付け部4、画像位置合わせ部5、断層画像生成部6、表示部7及び操作部8を含んで構成されている。以下、これら各部について、それぞれ詳細に説明する。
〔表示部、操作部〕
まず、表示部7と操作部8について説明する。表示部7と操作部8は、医用画像処理装置1のユーザインターフェイスに含まれている。表示部7は、医用画像診断装置1000により取得された医用画像を表示する表示デバイスである。この表示部7には、たとえば、複数の医用画像(たとえば最新画像と過去画像)が並列表示される。表示部7は、この発明の「表示手段」の一例として機能するものである。
操作部8は、医用画像処理装置1に対する各種データの入力作業や操作要求の入力作業に供される操作デバイス(入力デバイス)である。ユーザは、この操作部8を操作することにより、たとえば、医用画像データベース2000からの画像データ取得の要求や、所望の医用画像を表示部7に表示させるための要求を入力する。
画像データの取得要求は、たとえば、読影対象の患者の患者IDを入力するとともに、画像データを取得を要求するソフトキーを操作することにより行う。
また、所望の医用画像の表示要求としては、たとえば、被検体の所望のスライス位置(断面位置)における断層画像の表示要求などがある。表示部7に表示された読影用の画面上には、スライス位置を指定するための画面領域が設けられている。この画面領域には、たとえば、スライス位置を数値(座標)で指定するための入力スペースや、スキャノ像上にスライス位置を指定するためのソフトキーや、複数の断層画像をスライス方向に応じて順次に表示させる画像めくり機能を行うためのソフトキーなどが設けられている。ユーザは、この画像領域に対して所定の操作を行うことによりスライス位置を指定する。表示部7には、指定されたスライス位置における断層画像が表示される。
〔抽出処理部〕
図2に示すブロック図は、抽出処理部2の構成の一例を表している。この抽出処理部2は、医用画像内のランドマークを設定する処理を行うもので、この発明の「設定手段」の一例に相当する。抽出処理部2は、画像領域抽出部21、シード設定部22、ランドマーク抽出部23及びランドマーク抽出禁止部24が設けられている。以下、これら各部21〜24についてそれぞれ詳細に説明する。
(画像領域抽出部)
画像領域抽出部21は、医用画像データベース2000から入力される医用画像のボリュームデータから、特定の部位に相当する画像領域を抽出する処理を行うものである。
この実施形態では、肺を撮影した医用画像に対して処理を行う。この医用画像には、気管支に相当する画像領域や、肺血管に相当する画像領域など、分岐構造を有する部位に相当する画像領域が含まれている。画像領域抽出部21には、気管支に相当する画像領域(気管支領域と呼ぶことがある。)の抽出を行う気管支抽出部211と、肺血管に相当する画像領域の候補となる画像領域(肺血管候補領域と呼ぶことがある。)の抽出を行う肺血管抽出部212とが設けられている。
まず、気管支領域の抽出について説明する。肺実質部に相当する画像領域(肺実質領域と呼ぶことがある。)の画素値(CT値等)は一様ではなく、また、気管支領域の画素値と近い値を有している。そのため、単一の閾値を用いて気管支領域の抽出を行う場合において、閾値を比較的低い値に設定すると、気管支の太い部分の画像領域しか抽出されない。また、閾値を比較的高い値に設定すると、気管支領域に隣接する肺実質領域まで抽出されることがある(これを本明細書では「あふれ」と呼ぶ。)。あふれを発生させずに、気管支のできるだけ遠位部(分岐した先の気管支の先端部分)に相当する画像領域まで抽出するためには、患者ごとに閾値の値を調節する必要がある。そこで、この実施形態では、局所的な閾値処理(局所閾値処理)を用いて気管支領域の抽出を行う。
気管支抽出部211は、局所閾値処理部211aと画像領域分離処理部211bを備えている。
局所閾値処理部211aは、気管支領域を局所閾値処理によって抽出する。より具体的に説明すると、局所閾値処理部211aは、まず、医用画像の画像データ(ボリュームデータや断層画像の画像データ)に基づいて閾値曲面を求める。閾値曲面は、たとえば、グレースケール(gray scale:モノクロ)の当該画像データに数ボクセル程度のエロージョン(erosion)等のモーフォロジー(Morphology)演算処理を施した結果に対して所定の定数を加算することによって取得することができる。
続いて、局所閾値処理部211aは、取得した閾値曲面を用いて画像データの画素値に対する閾値処理を行う。すなわち、各画素について、その画素値と閾値曲面の値とを比較し、その大小関係に基づいて気管支領域の候補となる画像領域を抽出する。
このような局所閾値処理による抽出結果は、単一の閾値を用いる場合よりも比較的遠位部の気管支まで抽出することができる一方で、気管支以外の領域(肺実質領域等)をも抽出してしまう可能性がある。
このような不都合の解消を図るために、画像領域分離処理部211bは、局所閾値処理部211aにより抽出された気管支領域と、この気管支領域の周囲の領域とをモーフォロジー演算によって分離する処理を行う。このモーフォロジー演算としては、たとえば2値画像に対するモーフォロジー演算処理が適用され、画像の画素数を減少させるように作用するエロージョンやこれに類似の処理を用いることが可能である。それにより、医用画像中の細線部分等が除去されて、気管支領域とそれ以外の領域とが分離される。
画像領域分離処理部211bにより得られる医用画像においては、気管支領域とそれ以外の領域とが分離されてはいるが、上記モーフォロジー演算により気管支領域がやせてしまっているために、この医用画像から気管支領域を抽出するのは好ましくない。
そこで、気管支抽出部211は、画像領域分離処理部211bにより分離された気管支領域以外の画像領域(気管支領域の周囲の画像領域)を抽出するとともに、この気管支領域以外の画像領域に対してダイレーション(dilation)処理等のモーフォロジー演算を施して若干太らせた後に、この気管支領域以外の画像領域を、局所閾値処理部211aにより抽出された画像領域から除去する。これにより、気管支領域からその周囲の領域へのあふれも除去される。最後に、気管に相当する画像領域の連結領域を検出し、この連結領域を抽出することにより、目的の気管支領域が抽出される。
(肺血管抽出部)
肺動脈及び肺静脈に相当する画像領域は、肺実質領域とは大きく異なる画素値を有するため、通常の閾値処理によりある程度の遠位部まで抽出することができる。しかし、気管支の壁と肺血管とが近い画素値を有し、肺門部において分離しにくいといった問題や、細い血管が多数抽出されるために非常に多くの分岐点(ランドマーク)が得られてしまうといった問題が生じる。そこで、肺血管抽出部212は、このような問題に対処するために、次のような閾値処理により肺血管の抽出を行う。
肺血管抽出部212は、まず、肺に相当する画像領域を抽出する。次に、この抽出した画像領域に対し、たとえば1〜5ボクセルのダイレーション等のモーフォロジー演算を行って、細い血管等による細かな穴を除去する。続いて、たとえば5〜30ボクセルのエロージョン等のモーフォロジー演算を行って、当該画像領域中の肺門部(気管が肺に入る入口付近の部位。両側の肺の気管支寄りの部位。)に相当する画像領域を除去する。これにより得られる画像が、肺血管の抽出対象の画像領域(肺血管抽出対象領域)となる。
更に、肺血管抽出部212は、この肺血管抽出対象領域に対して閾値処理を行うことにより、たとえば(−300)〜(−700)HU(Hounsfield Unit;CT値の単位)以上のCT値の画像領域を抽出する。次に、たとえば1〜5ボクセルのエロージョン等のモーフォロジー演算を行って、細い血管を除去する。続いて、細い血管が除去された当該画像領域と肺血管抽出対象領域との共通領域を抽出する。以上のような処理により、肺血管抽出部212は、肺血管に相当する画像領域の候補となる画像領域(肺血管候補領域)を求める。
(シード設定部)
シード設定部22は、肺血管抽出部212により抽出された肺血管候補領域内に、肺血管のランドマーク(分岐点)を抽出するための起点(シード)となる位置を設定する処理を行う。
より具体的に説明すると、シード設定部22は、まず、肺血管抽出対象領域に対してエロージョン等のモーフォロジー演算を行い、この肺血管抽出対象領域の内部領域を抽出するとともに、この内部領域を肺血管抽出対象領域から除去して(肺血管抽出対象領域と当該内部領域との差分を演算して)、肺血管抽出対象領域の境界領域を取得する。そして、この境界領域と肺血管候補領域との共通領域を抽出することにより、肺血管の端部に相当する画像領域(肺血管端部領域)を取得する。
シード設定部22は、この肺血管端部領域内の任意の位置、たとえば当該画像領域の各連結領域の重心位置に、あるいは肺血管端部領域の全部に、肺血管のランドマーク抽出用のシードを設定する。
また、シード設定部22は、肺血管と同様の方法で、気管支抽出部211により抽出された気管支領域内における気管の最も根元の位置にシードを設定する処理を行う。
(ランドマーク抽出部)
ランドマーク抽出部23は、被検体の分岐構造を有する部位のランドマーク(分岐点)を抽出する処理を実行するものである。ランドマーク抽出部23は、次の2つのランドマーク抽出処理を行う:(1)気管支抽出部211により抽出された気管支領域におけるランドマークの抽出処理;(2)シード設定部22により設定されたシードに基づく、肺血管領域におけるランドマークの抽出処理。なお、これら2つのランドマーク抽出処理は、本質的に同じものであるので、ここでは、気管支領域におけるランドマーク抽出処理について詳しく説明することにする。
ところで、分岐構造を有する対象のランドマーク抽出としては、細線化処理が広く利用されている。しかし、細線化による方法では、対象の表面の小さな凹凸によって、分岐点でない部分に細い「ヒゲ」が発生し、分岐点を精度良く抽出できないという問題がある。この問題を解決するには、この細線化画像の「ヒゲ」を除去する必要があるが、気管支や肺血管の太さが部位によって変化するため、「ヒゲ」除去のための良好な基準を設定することが困難であることから、当該問題の解決は容易ではない(以上の内容については、たとえば次の文献を参照:前述の特許文献2;斉藤豊文、外2名、「ユークリッド距離変換を用いた3次元ディジタル画像の薄面化および細線化の逐次型アルゴリズムとその諸性質」、電子情報通信学会論文誌D−11、Vol.J79−D−II、no.10、pp.1675−1685、1996を参照)米倉達広、外3名、「3次元ディジタル画像における1−要素の消去可能性と図形収縮について」、電子通信学会論文誌、Vol.J65−D、no.12、pp.1543−1549、1982)。
そこで、この実施形態では、分岐構造を有する対象の画像領域(気管支領域、肺血管領域)内における領域を段階的に拡張して、順次に分岐点を抽出していく手法を採用する。この手法については、前述の特許文献2に記載されている。なお、この実施形態では、ランドマーク抽出と同時にあふれの発生を防止するための処理を行うようになっている(ランドマーク抽出禁止部24:後述)。
ランドマーク抽出部23は、まず、シード設定部22が気管支領域に設定したシード(気管の根元位置)を起点としてボクセルを1層ずつ拡張し、各段階において拡張(追加)されたボクセルと気管支領域との共通領域(の断面)を取得する。このようにボクセルを拡張しつつ共通領域(の断面)を取得していくと、分岐点を通過したときに、共通領域の連結領域(又は共通領域の断面)が複数に分離される。
ランドマーク抽出部23は、この連結領域や断面の個数の変化を検出することで分岐点を検出する。そして、たとえば、当該段階の一つ前の段階においてボクセルの重心位置や中心位置を算出して分岐点の位置とする。
(ランドマーク抽出禁止部)
ランドマーク抽出禁止部24は、ランドマーク抽出部23によるランドマーク抽出処理と並行して、あふれの発生を防止するための処理を実行するものである。
なお、気管支抽出部211による気管支領域の抽出時にもあふれを除去する処理を行っている。しかし、ランドマーク抽出時にあふれの発生を防止する処理を再度行うことにより、気管支抽出時に見逃されたあふれを除去するように構成することが望ましい。
ランドマーク抽出禁止部24は、ランドマーク抽出部23がボクセルを拡張する各段階において、抽出された共通領域や断面が、その一つ前の段階において抽出された共通領域や断面よりも所定のサイズ以上大きくなったか判断する。この処理は、各段階における共通領域(又はその断面)のサイズを算出し、当該段階におけるサイズと一つ前の段階におけるサイズとを比較し、サイズの変化が所定値以上であるか否かを判定することにより行う。
ランドマーク抽出禁止部24は、サイズの変化が所定値未満であると判断された場合、当該気管や血管の枝についてのランドマークの抽出処理の続行をランドマーク抽出部23に指示する。一方、サイズの変化が所定値以上であると判断された場合、当該気管や血管の枝について、当該段階以降のランドマークの抽出処理の終了を指示する。それにより、ランドマーク抽出部23による処理は、当該段階の一つ前の段階までで終了することになる。このような処理により、共通領域や断面が急に大きくなっている部分(つまり、あふれが発生している部分)を検出し、それ以降のランドマーク抽出処理を禁止することができる。
なお、ランドマーク抽出禁止部24による処理は、ボクセル拡張の各段階で実行する必要はない。たとえば、シードから数段階だけボクセルを拡張したときなど、気管や血管がある程度の太さを有している領域において分岐点を探索しているときには、ランドマーク抽出禁止処理を行う必要はない。そのためには、たとえば、共通領域や断面のサイズを算出し、そのサイズが所定サイズ以下であるときにのみ、前段階とのサイズの比較処理を行うように構成すればよい。
以上に説明したように、ランドマーク抽出処理とあふれ除去処理とを並行して実行することは、この実施形態の特徴の一つである。この並行処理は、たとえば次のようにして実行する。ランドマーク(分岐点)は、シードを起点として段階的にボクセルを拡張していく前述の手法によって抽出する。このとき、各拡張段階において、当該段階において追加された層の各ボクセルに対して、この層を区別するための識別情報(ラベル)を付与する。また、共通領域や断面の各ボクセル、若しくは、共通領域や断面を代表するボクセルに対してフラグを付与するとともに、当該共通領域の体積や断面の面積(サイズ)を示す情報(サイズのフラグ)を付与する。このようなラベルやフラグを参照することにより、ランドマーク抽出処理とあふれ除去処理とを並行して行うことができる。
〔位置関係情報生成部〕
位置関係情報生成部3は、ランドマーク抽出部23により抽出されたランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成するもので、この発明の「生成手段」の一例として機能するものである。
位置関係情報は、比較読影に供されるリファレンス画像とターゲット画像との位置合わせに利用される情報であり、双方の画像のランドマークを対応付けるための情報である。この位置関係情報としては、たとえば、2つのランドマーク間の距離の情報を含む距離リスト(距離情報)や、3つ(以上)のランドマークが形成する多角形の角度の情報を含む角度リスト(角度情報)などがある。ここでは、距離リストを用いる場合について説明することとし、角度リストを用いる場合については[変形例]の項において後述することにする。
位置関係情報生成部3は、距離リストを生成するために、ランドマーク抽出部23により抽出されたランドマークに基づいて、その内の2つのランドマークからなる対を複数形成し、その各対の2つのランドマークの間の距離を演算する。そして、各ランドマークを識別する情報(又は各対を識別する情報)と、各対の間の距離とを関連付けて距離リストを生成する。
位置関係情報生成部3は、リファレンス画像とターゲット画像のそれぞれについて、距離リストを生成する。リファレンス画像の距離リストは、このリファレンス画像から抽出されたランドマークを基に形成された複数の対のそれぞれについて、その対に含まれる2つのランドマークri1、ri2の間の距離Dr(i1、i2)を集めたリスト情報である。また、ターゲット画像の距離リストは、このターゲット画像から抽出されたランドマークを基に形成された複数の対のそれぞれについて、その対に含まれる2つのランドマークtj1、tj2の間の距離Dt(j1、j2)を集めたリスト情報である。各距離リストは、たとえば、ランドマーク間の距離が小さいものから順に、ランドマークの対を並べるようにして生成される。
ここで、ランドマーク間の距離は、抽出された全てのランドマークから2つを選択する全ての組合せ(対)について演算するよりも、抽出されたランドマークに含まれる所定数のランドマークを選択的に用いて処理を行うことが望ましい。詳細は後述するが、この実施形態では、2つのランドマークの各対に対し、新たなランドマークを順次に追加して、ランドマークの3つの組、4つの組、・・・、というように点を増やしつつリファレンス画像とターゲット画像の対応付けを行う。したがって、点を増やしていく処理に要する演算回数は、最初に設定するランドマークの対の個数と、処理に供するランドマークの個数との積程度の値となる。たとえば、100個程度のランドマークについて100程度の対を考慮する場合、10000回程度の演算を行うことになる。なお、新たなランドマークを追加していくに連れて、演算回数は減少していくことになる。したがって、抽出されたランドマークの内から所定数(たとえば100個)のランドマークを選択して処理に供することにより、現実的な処理時間で目的の処理を実施することが可能になる。
また、通常の画像位置合わせの手法においては、被検体の部位に変形があったとしても、さほど大きなものではない。たとえ変形が大きく見えるとしても、局所的には小さな変形とみなせる場合が多い。また、被検体の部位の大きさそのものの変化についても、被検者が子供であるときなどの特殊なケースを除いて、一般に、数ヶ月や数年程度の間に大きく拡大、縮小することはないと考えられる。
一方、画像位置合わせにおいては、大きな変位の平行移動や回転が必要になることがある。従来のように点(ランドマーク)の座標値そのものを用いて、点同士の対応を探索する場合、対応関係を評価するために何度も平行移動や回転を繰り替える必要があり、処理時間の増大を招いていた。
この実施形態では、2点間の距離や複数の点が成す角度を用いることにより、平行移動や回転を考慮することなく、リファレンス画像とターゲット画像のランドマークの対応関係を評価することにより、処理時間の短縮を図る。これは、距離や角度が平行移動や回転よって不変であることを利用したものである。なお、角度については、サイズ変化(拡大、縮小)に対しても不変であるので、被検者の部位のサイズが変化するケースであっても、好適に応用することができる。
〔ランドマーク対応付け部〕
ランドマーク対応付け部4は、位置関係情報生成部3により生成された位置関係情報に基づいて、リファレンス画像とターゲット画像のランドマークを互いに対応付ける処理を行うもので、この発明の「対応付け手段」の一例として機能するものである。
このランドマーク対応付け部4には、図3に示すように、線分対応付け部41、多角形対応付け部42、ランドマーク選択部43、評価値設定部44及び対応付け評価処理部45が設けられている。これら各部41〜45が実行する処理については後述する。
リファレンス画像のランドマークをri(i=1〜M)で表し、ターゲット画像のランドマークをtj(j=1〜N)で表すことにする。これらは、(選択的に)処理に供されるランドマークであるとする(前述)。なお、各画像のランドマークの個数(M、N)は、等しくてもよいし、等しくなくてもよい。
ランドマーク対応付け部4は、ランドマークri、tjについて、これらが対応している度合い(可能性)を示す評価値fijを演算し(後述)、たとえば次の評価処理(段階1〜3)を実行することにより、これらランドマークri、tjが対応しているかを判断する。この評価処理は、対応付け評価処理部45によって実行される。
(段階1)
i=i0を固定する。j=1〜Nについて、評価値fi0jの総和Si0を演算する。あらかじめ設定された定数Cfと総和Si0との積を超える評価値fi0j0を有するj=J0があるか否か判断する(つまり、fi0j0>Cf×Si0となるようなj0が存在するか否かを判断する)。
(段階2)
j=j0を固定する。i=1〜Mについて、評価値fij0の総和Sj0を演算する。定数Cfと総和Sj0との積を超える評価値fi1j0を有するi=i1があるか否か判断する(つまり、fi1j0>Cf×Sj0となるようなi1が存在するか否かを判断する)。
(段階3)
段階1においてfi0j0>Cf×Si0となるj0が存在すると判断され、かつ、段階2においてfi1j0>Cf×Sj0となるようなi1が存在すると判断された場合に、i0とi1とが等しいか否か判断する。i0=i1の場合、リファレンス画像のランドマークri0と、ターゲット画像のランドマークtj0とは対応しているものと判定し、これらを対応付ける。一方、i0≠i1の場合には、これらのランドマークは対応していないものと判定する。
なお、たとえば定数Cf>0.5とすることにより、1つのランドマークriに対しして2つ以上のランドマークtjが対応付けられるケースや、その逆のケースを排除することができる。
また、次のような処理を行って対応の重複を排除することも可能である。まず、1つのランドマークri0に対応するランドマークtjのうち、評価値fi0jの値が最大のものをtj0とする。同様に、1つのランドマークtj0に対応するランドマークtjのうち、評価値fij0の値が最大のものをri1とする。そして、i0=i1か否か判断し、i0=i1のときに、リファレンス画像のランドマークi0とターゲット画像のランドマークj0とは対応するものと判定する。
以上に説明したように、評価値fijが構成されれば、ランドマークの対応付けは容易に行うことができる。以下、評価値fijの構成方法の一例を説明する。この評価値構成処理は、ランドマーク対(線分)の対応付け処理→多角形の対応付け処理→ランドマーク選択処理→評価値設定処理という段階を経る。
(ランドマーク対の対応付け処理)
ランドマークの対(線分)の対応付け処理は、図3に示す線分対応付け部41により実行される。線分対応付け部41は、位置関係情報生成部3により生成された距離リストに基づいて、リファレンス画像のランドマーク対の間の距離と、ターゲット画像のランドマーク対の間の距離とを比較し、それらの距離の差を演算する。そして、その距離の差が所定値よりも小さな対同士を暫定的に対応付けする。
たとえば、リファレンス画像の距離リストに示すランドマーク対〈ri1、ri2〉の間の距離がDr(ri1、ri2)であり、ターゲット画像の距離リストに示すランドマーク対〈tj1、tj2〉の間の距離がDt(tj1、tj2)である場合、線分対応付け部41は、距離Dr(ri1、ri2)、Dt(tj1、tj2)の差ΔD=|Dr(ri1、ri2)−Dt(tj1、tj2)|を算出する。そして、この距離差ΔDが所定の定数Cd2以下であるか否か判定する。ΔD<Cd2の場合、線分対応付け部41は、リファレンス画像のランドマーク対〈ri1、ri2〉と、ターゲット画像のランドマーク対〈tj1、tj2〉とを暫定的に対応付けする。
ここで、2つのランドマークによって形成される対を〈・、・〉によって表現した(後述する3つ以上のランドマークの組についても同様に表現することにする。)。
なお、以上に説明した対応付け処理は、リファレンス画像の距離リストに含まれる対(線分)のうち、距離Dr(ri1、ri2)が小さいものから所定個数の対と、ターゲット画像の距離リストに含まれる対(線分)のうち、距離Dt(tj1、tj2)が小さいものから所定個数の対とのみについて実行することが望ましい(処理時間の増大を避けるため)。また、この対応付け処理においては、重複した対応付けを行ってもよい。たとえば、リファレンス画像の1つのランドマーク対に、2つ以上のターゲット画像のランドマーク対を対応付けることができる。
(多角形の対応付け処理)
多角形(3つ以上のランドマークの組)の対応付け処理は、多角形対応付け部42によって実行される。多角形対応付け部42は、線分対応付け部41により対応付けられたリファレンス画像のランドマーク対とターゲット画像のランドマーク対のそれぞれについて、その対に含まれないランドマークを付加して3つ(以上)のランドマークの(暫定的な)組を形成する。
この処理についてより具体的に説明する。多角形対応付け部42は、まず、リファレンス画像のランドマーク対〈ri1、ri2〉の各ランドマークri1、ri2と、リファレンス画像の他のランドマークri3(i3≠i1、i2)との間の距離Dr(ri1、ri3)、Dr(ri2、ri3)を演算する。同様に、ターゲット画像のランドマーク対〈tj1、tj2〉の各ランドマークtj1、tj2と、ターゲット画像の他のランドマークtj3(j3≠j1、j2)との間の距離Dt(tj1、tj3)、Dt(tj2、tj3)を演算する。
次に、多角形対応付け部42は、リファレンス画像の3つのランドマークの(暫定的な)組〈ri1、ri2、ri3〉が成す三角形の3辺の長さDr(ri1、ri2)、Dr(ri1、ri3)、Dr(ri2、ri3)と、ターゲット画像の3つのランドマークの(暫定的な)組〈tj1、tj2、tj3〉が成す三角形の3辺の長さDt(ti1、ti2)、Dt(tj1、tj3)、Dt(tj2、tj3)との距離差が所定値Cd3以下であるか判定する。
この処理は、たとえば、リファレンス画像側の距離Dr(ri1、ri2)、Dr(ri1、ri3)、Dr(ri2、ri3)と、ターゲット画像側の距離Dt(ti1、ti2)、Dt(tj1、tj3)、Dt(tj2、tj3)との全ての組合せの距離差が、所定値Cd3以下であるか否か判定することにより行う。すなわち、次式が成立するか否かを判定する。
[数2]
max{|Dr(ri1、ri2)−Dt(ti1、ti2)|、
|Dr(ri1、ri2)−Dt(tj1、tj3)|、
|Dr(ri1、ri2)−Dt(tj2、tj3)|、
|Dr(ri1、ri3)−Dt(ti1、ti2)|、
|Dr(ri1、ri3)−Dt(tj1、tj3)|、
|Dr(ri1、ri3)−Dt(tj2、tj3)|、
|Dr(ri2、ri3)−Dt(ti1、ti2)|、
|Dr(ri2、ri3)−Dt(tj1、tj3)|、
|Dr(ri2、ri3)−Dt(tj2、tj3)|} ≦ Cd3
ここで、max{・}は、括弧内の複数の値の最大値を採用する演算を表している。この式が成立することは、リファレンス画像側の三角形の任意の辺の長さと、ターゲット画像側の三角形の任意の辺の長さとの差が、所定値Cd3以下であることを示している。これは、リファレンス画像側の3つのランドマークの組〈ri1、ri2、ri3〉のうちの任意の2つの間の距離と、ターゲット画像側の3つのランドマークの組〈tj1、tj2、tj3〉のうちの任意の2つの間の距離との誤差が、所定値Cd3以下であることと同値である。
多角形対応付け部42は、このようなリファレンス画像のランドマークの組〈ri1、ri2、ri3〉とターゲット画像のランドマークの組〈tj1、tj2、tj3〉とのペアを探索し、このペアを成すランドマークの組(三角形)同士を対応付ける。
同様に、多角形対応付け部42は、対応付けられた三角形のペア〈ri1、ri2、ri3〉、〈tj1、tj2、tj3〉に対して他のランドマークri4、tj4をそれぞれ追加し、4つのランドマークの組(四角形)〈ri1、ri2、ri3、ri4〉、〈tj1、tj2、tj3、tj4〉をそれぞれ形成する。更に、リファレンス画像側の四角形の任意の辺の長さと、ターゲット画像側の四角形の任意の辺の長さとの差が、所定値Cd4以下であるかを判定する。そして、この判定基準が充足されるような四角形のペアを探索して、互いに対応付ける。
このような処理をL個のランドマークの組(L角形)のペアを対応付けるまで繰り返す。ここで、Lは、3以上の任意の整数である。但し、処理時間を勘案すると、Lとして大きな値を適用することは望ましくない。実用上、L=3、4、5程度で十分であることが多い。
(ランドマーク選択処理)
ランドマーク選択部43は、多角形対応付け部42により対応付けられたリファレンス画像側及びターゲット画像側のL角形のペアに基づいて、評価値fijの算出に供されるランドマーク(の組のペア)を選択する処理を行う。そのために、ランドマーク選択部43は、たとえば次のような処理(段階1〜4)を実行して、評価値fijの算出に好適なランドマークを選択する。
(段階1)
まず、リファレンス画像側及びターゲット画像側のL角形のそれぞれについて、2つの頂点を結んだ線分の長さ(つまり、2つのランドマーク間の距離)を演算する。この演算処理は、L角形を成すL個のランドマークの全ての組合せ(L個から2個を選択するときの全ての組合せ)について実施する。
この処理の具体例として、リファレンス画像側の四角形〈ri1、ri2、ri3、ri4〉と、ターゲット画像側の四角形〈tj1、tj2、tj3、tj4〉とが対応付けられている場合を説明する。ランドマーク選択部43は、リファレンス画像側の四角形〈ri1、ri2、ri3、ri4〉について、距離Dr(ri1、ri2)、Dr(ri1、ri3)、Dr(ri1、ri4)、Dr(ri2、ri3)、Dr(ri2、ri4)、Dr(ri3、ri4)をそれぞれ算出する。また、ターゲット画像側の四角形〈tj1、tj2、tj3、tj4〉について、距離Dt(ti1、ti2)、Dt(tj1、tj3)、Dt(tj1、tj4)、Dt(tj2、tj3)、Dt(tj2、tj4)、Dt(tj3、tj4)をそれぞれ算出する。なお、既に算出されている距離、たとえばDr(ri1、ri2)、Dr(ri1、ri3)、Dr(ri2、ri3)、Dt(ti1、ti2)、Dt(tj1、tj3)、Dt(tj2、tj3)等については、ここで再度算出する必要はなく、以前の算出結果を参照するようにしてもよい。
(段階2)
次に、段階1で求めたリファレンス画像側のL角形を成すランドマーク間の距離(線分の長さ)と、ターゲット画像側のL角形を成すランドマーク間の距離(線分の長さ)との差が、所定値Cdfを超えているか否か判断する。この処理は、たとえば、リファレンス画像側の線分と、ターゲット画像側の線分との全ての組合せについて実行する。
距離が所定値Cdfを超えていると判断された線分の両端の各ランドマークに対して点数1を加える。この処理は、たとえば、L角形を成すL個のランドマークのそれぞれについてカウンタを設け、当該ランドマークを端点とする線分の長さが所定値Cdfを超えたときに、そのカウンタの値を+1することによって行うことができる。
このような処理により、リファレンス画像のランドマークと、ターゲット画像のランドマークについて、他方の画像のランドマークとの対応関係が良好でないランドマークに大きな点数が付与されることになる。
(段階3)
続いて、段階2にて付与された点数が多い幾つかのランドマークを除外する処理を行う。このとき、点数の閾値をあらかじめ設定し、この閾値よりも大きな点数のランドマークを除外するように構成できる。また、除外するランドマークの個数をあらかじめ設定しておき、点数の多いランドマークから順に当該個数だけ除外するように構成するようにしてもよい。それにより、リファレンス画像のランドマークと、ターゲット画像のランドマークについて、他方の画像のランドマークとの対応関係が良好なランドマークのみが残ることになる。
(段階4)
次に、段階3の処理の後に残ったランドマークに対して段階2、3と同様の処理を行う。このときに除外の基準となる所定値Cdf′を、段階2の所定値Cdfよりも小さな値に設定する。このような処理を、たとえば、残った全てのランドマークの点数が0になるまで繰り返す。
それにより、リファレンス画像側において残った全ランドマークにより形成される任意の線分と、ターゲット画像側において残った全ランドマークによる任意の線分との距離差が所定値以下になる。すなわち、他方の画像のランドマークとの対応関係が非常に良好なランドマークのみが残されることになる。
なお、全ランドマークの点数が0になるまでランドマークの除外処理を行う必要はなく、一般に、付与された点数が所定範囲に含まれるランドマークのみを残すようにすれば十分である。ここで、点数の所定範囲は、点数0を下限とすることが望ましく、また、上限として大きな値を用いることは望ましくない(他方の画像のランドマークとの対応関係が良好でないランドマークが残存してしまうため)。
ランドマーク選択部43は、以上のような処理(段階1〜4)によって、評価値fijを算出するためのランドマークを選択する。
(評価値設定処理)
評価値設定部44は、ランドマーク選択部43により選択されたランドマークに基づいて、リファレンス画像のランドマークとターゲット画像のランドマークとが対応している度合い(可能性)を示す評価値fijを設定する処理を行う。
評価値fijとしては、たとえば、ランドマーク選択部43の除外処理により残ったリファレンス画像側及びターゲット画像側のランドマークの個数を設定することができる。
対応付け評価処理部45は、評価値設定部44により設定された評価値fijを用いて、リファレンス画像の各ランドマークriと、ターゲット画像の各ランドマークtjとが、互いに対応しているか否かを判断する(この判断処理の具体例については前述した)。
なお、ランドマーク選択部43により選択されたランドマークのペアを、そのまま対応付けるようにしてもよい。すなわち、評価値fijの設定及び対応付けの評価処理を実施せず、ランドマーク選択部43による除外処理の後に残ったリファレンス画像のランドマークとターゲット画像のランドマークとのペアを、最終的に対応するランドマークとして以降の処理を行うようにしてもよい。
〔画像位置合わせ部〕
画像位置合わせ部5は、ランドマーク対応付け部4によって対応付けられたリファレンス画像及びターゲット画像のランドマークに基づいて、この2つの画像(のボリュームデータ)の位置合わせ処理を行うもので、この発明の「位置合わせ手段」の一例に相当するものである。
この画像位置合わせ部5には、変換パラメータ演算部51と変換パラメータ補正部52が設けられている。変換パラメータ演算部51は、ランドマーク対応付け部4によって対応付けられたランドマークに基づいて、リファレンス画像とターゲット画像(のボリュームデータ)の一方の位置を他方の位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算する処理を行うもので、この発明の「変換パラメータ演算手段」の一例として機能するものである。
また、変換パラメータ補正部52は、この演算された変換パラメータを補正する処理を行うもので、この発明の「変換パラメータ補正手段」の一例として機能するものである。また、変換パラメータ補正部52は、変換パラメータ演算部51により演算された変換パラメータに基づいて、当該演算処理に用いられたランドマークから幾つかのランドマークを選択して、新たなランドマークを演算するように作用する。
(変換パラメータ演算部)
リファレンス画像(のボリュームデータ)には、3次元座標系(ri、rj、rk)があらかじめ定義されている(この3次元座標系を「リファレンス座標系」と呼ぶことがある。)。また、ターゲット画像(のボリュームデータ)には、3次元座標系(ti、tj、tk)があらかじめ定義されている(この3次元座標系を「ターゲット座標系」と呼ぶことがある。)。変換パラメータ演算部51は、リファレンス座標系の座標(ri、rj、rk)をターゲット座標系の座標(ti、tj、tk)に変換する座標変換のパラメータ(座標変換式)を演算する。
なお、ターゲット座標系をリファレンス座標系に変換するパラメータを演算するようにしてもよいし、また、リファレンス座標系とターゲット座標系の双方を、それぞれ他の3次元座標系に変換するパラメータを演算するようにしてもよい。すなわち、変換パラメータ演算部51は、リファレンス座標系とターゲット座標系とを相対的に変換して、同じ3次元座標系に移行させるようなパラメータを演算する。
変換パラメータ演算部51は、たとえば、従来と同様の線形最適化法を用いて、変換パラメータを演算するようになっている。
その一例として、まず、リファレンス座標系の座標riに対するターゲット座標系の座標tiの差ti−riを、パラメトリック関数(parametric function)、たとえば3次多項式(各係数は未定)で表現し、リファレンス座標系の座標rjに対するターゲット座標系の座標tjの差tj−rjを3次多項式(各係数は未定)で表現し、リファレンス座標系の座標rkに対するターゲット座標系の座標t×の差tk−rkを3次多項式(各係数は未定)で表現する。これらの3次多項式の係数(パラメータ)を決定することにより、リファレンス座標系の座標(ri、rj、rk)をターゲット座標系の座標(ti、tj、tk)に変換する座標変換式(3次多項式で表現される)が得られる。
これらの3次多項式の係数の演算手法の一例を説明する。ランドマーク対応付け部4により対応付けられたリファレンス画像のランドマークrとターゲット画像のランドマークtについて、ランドマークrのリファレンス座標系による座標を(ri、rj、rk)とし、ランドマークtのターゲット座標系による座標を(ti、tj、tk)とする。
このとき、ランドマークrの座標(ri、rj、rk)の、ランドマークtの座標を(ti、tj、tk)への変換は、前述の3つの3次多項式を満たすものとなる。ランドマーク対応付け部4により対応付けられた各ランドマーク(P個とする)について、このような関係が成り立つので、これらを連立させることにより、3P次の連立一次方程式が得られる。この連立方程式を行列によって表現すると、その変換行列は3P×60次の行列になる。
3P次の連立一次方程式の最小ノルム解は、周知のように、当該変換行列を用いて表現することができる。また、各未知数が独立変数であり、それらの標準偏差を仮定するとともに、測定ノイズの標準偏差を仮定することにより、上記の連立方程式の最小ノルム解を求めることができる。それにより、リファレンス画像とターゲット画像(のボリュームデータ)の一方の位置を他方の位置に合わせるための座標変換のパラメータ(座標変換式)が得られる。
(変換パラメータ補正部)
ランドマーク対応付け部4によるランドマークの対応付け処理や、変換パラメータ演算部51による演算処理には、ある程度の誤差が介入してしまう。たとえば、非常に近い位置に異なるランドマークが存在する場合、ランドマークの対応付けにおいて、間違ったランドマークが対応付けられる可能性がある。このような場合、前述の変換パラメータ演算部51は、間違ったランドマークが対応付けられているにも拘わらず、その間違った対応付けのランドマークと、正しく対応付けられた他のランドマークとを同等に扱って、変換パラメータを演算するため、リファレンス画像とターゲット画像の位置合わせ結果に、間違った対応付けに基づく悪影響が反映されて位置合わせ精度が悪化してしまう。
そこで、この実施形態では、このような悪影響を減少させる又は除去するために、変換パラメータ補正部52が変換パラメータの補正や再演算を実施するように作用する。それにより、正しく対応付けされたランドマークの情報を有効に用いた高精度の画像位置合わせを実現することができるようになる。
以下、このような変換パラメータ補正部52による処理の具体例を説明する。以下、3つの具体例について説明するが、この発明に係る医用画像処理装置は、これら具体例のうちの少なくとも1つを備えていればよい。2つ以上を備えている場合、ユーザが所望の処理を適宜に選択できるように構成してもよいし、装置が自動的に1つを選択適用するように構成してもよい。
(具体例1)
第1の具体例は、変換パラメータ演算部51により得られた変換パラメータに基づいてランドマークの座標変換を行ったときの残差を算出し、その残差が所定値以上であるランドマークを除外して、残ったランドマークのみを用いて再度変換パラメータの演算を行うものである。
この処理の一例について、より詳しく説明する。変換パラメータ補正部52は、変換パラメータ演算部51により得られた変換パラメータを用いて、リファレンス画像の各ランドマークrの座標(ri、rj、rk)をターゲット座標系の座標(ti′、tj′、tk′)に変換する。
次に、この変換により得られた座標(ti′、tj′、tk′)と、当該ランドマークrに対応付けられたターゲット画像のランドマークtのターゲット座標系の座標(ti、tj、tk)との差Δ(r、t)を演算する。この差Δ(r、t)は、たとえば、演算式Δ(r、t)={(ti′−ti)^2+(tj′−tj)^2+(tk′−tk)^2}^(1/2)によって得られる。なお、差Δ(r、t)の演算式は、これに限定されるものではなく、たとえば、差Δ(r、t)=max{ti′−ti、tj′−tj、tk′−tk}など、変換パラメータによる座標変換の残差を表す任意の演算式を用いることが可能である。
続いて、各ランドマークのペアr、tについて、差Δ(r、t)と所定値δ1とを比較して、条件Δ(r、t)<δ1を満たすランドマークのペアを探索する。そして、当該条件を満たすランドマークのペアのみを用いて、新たな変換パラメータを演算する。この演算処理は、変換パラメータ演算部51と同様の処理により行う。
このような処理を、上記条件における閾値を順次に小さくしながら反復することが望ましい。すなわち、閾値δ1>δ2>δ3>・・・をあらかじめ設定しておき、第1回目の処理では、上記のように閾値δ1を使用し、第2回目の処理では閾値δ2を使用し、第3回目の処理では閾値δ3を使用し、・・・というようにして、新たな変換パラメータを繰り返し求めていく。それにより、より高い精度で位置合わせを行うことが可能な変換パラメータを取得することができる。
また、上記の処理では、残差が大きなランドマークのペアを除外するのみであるが、座標変換後の座標座標を用いて距離リストを再び作成し、ランドマークの対応付けを再び実施し、その結果を基に不適切に対応付けられたランドマーク(誤差が大きいもの)を除去するように構成することが望ましい。それにより、より高い精度で位置合わせを行うことが可能な変換パラメータを取得することができる。なお、再度のランドマーク対応付け処理において、対応付けの判定基準となる値Cd、Cfをより小さな値に設定して、対応付けの精度を上げることが望ましい。
(具体例2)
第2の具体例は、具体例1と同様に得られる差Δ(r、t)に応じた重み付け関数(目的関数)を用いて、ランドマークのペア毎に重み付けを行うことにより変換パラメータを補正するものである。
図5は、この重み付け関数の一例を表している。同図に示す重み付け関数Fは、差Δ(r、t)の値が小さいとき(変換パラメータによる残差が小さいとき)には勾配(傾き)F′Δ(r、t)の値が大きく、差Δ(r、t)の値が大きくなるに従って、勾配F′Δ(r、t)の値が徐々に小さくなるような非線形関数である。この重み付け関数Fは、差Δ(r、t)の値が小さいときには、たとえば勾配F′Δ(r、t)=1を有している。
変換パラメータ補正部52は、重み付け関数Fに基づく反復解法による非線形最適化法により、変換パラメータを補正する。この処理は、反復解法によるものであるが、重み付け関数Fが単純な関数であるため、演算を高速で行うことができ、処理時間の増大を引き起こすことはない。
また、この重み付け関数Fは、差Δ(r、t)が小さいときには勾配F′Δ(r、t)が大きく、差Δ(r、t)が大きいときには勾配F′Δ(r、t)が小さいことから、最適化の過程において、差Δ(r、t)が小さいランドマークのペアが位置合わせに与える影響が大きくなるとともに、差Δ(r、t)が大きいランドマークのペアが与える影響が小さくなる。特に、差Δ(r、t)が大きいランドマークのペアの個数が、差Δ(r、t)が小さいランドマークのペアの個数と比べて十分に少ない場合、差Δ(r、t)が大きいランドマークのペアが与える影響はほとんど無視されることになる。その結果、差Δ(r、t)が大きいランドマークのペアが存在していても、それによる位置合わせ結果への影響が低減(無視)されるため、高精度の位置合わせが可能になる。
なお、この具体例にて使用する重み付け関数は、上記のものに限定されるものではなく、任意の関数を用いることが可能である。但し、差Δ(r、t)が小さいランドマークのペアによる位置合わせへの影響を大きくし、差Δ(r、t)が大きいランドマークのペアによる位置合わせへの影響を小さくするような関数を採用する必要はある。
(具体例3)
第3の具体例は、具体例2の変形である。この具体例は、具体例2で説明した反復解法による非線形最適化法の反復過程において、重み付け関数(目的関数)を変更することを特徴とするものである。
図6は、この具体例にて使用される重み付け関数の一例を表している。同図には、2つの重み付け関数F1、F2が示されている。重み付け関数F1は、反復解法による非線形最適化法の初期の反復過程において使用され、重み付け関数F2は、後期の反復過程において使用される。重み付け関数F2は、重み付け関数F1よりも小さい差Δ(r、t)の値において勾配F′Δ(r、t)が次第に小さくなるように設定されている。
変換パラメータ補正部52は、反復回数が所定回数に達するまで重み付け関数F1を用いて処理を行い、所定回数に達したときに重み付け関数F2に切り替えて処理を行うようになっている。なお、反復毎に残差を演算し、その残差が所定値以下になったときに重み付け関数F2に切り替えるようにしてもよい。
このような構成を適用することにより、次のようなメリットを享受することができる。重み付け関数F2は、重み付け関数F1と比較して、差Δ(r、t)がある程度小さいランドマークのペアについても、位置合わせに与える影響を小さくするように作用するので、反復の最初から重み付け関数F2を用いても良いように思われる。しかし、最初から重み付け関数F2を使用すると、位置合わせに与える影響が大きなランドマークのペア(つまり、差Δ(r、t)が非常に小さなランドマークのペア)の個数が極端に少なくなり、位置合わせ結果の誤差がかえって大きくなるおそれがある。
そこで、反復初期においては、重み付け関数F1を用いて、ある程度の差Δ(r、t)を有するランドマークのペア(比較的多数存在する)を用いて変換パラメータを好適に補正する。そして、反復回数が進んだときに重み付け関数F2に変更することにより、高精度の位置合わせが可能な変換パラメータを求める。
なお、図6に示す例では、2つの重み付け関数F1、F2を切り替え使用するようになっているが、使用する重み付け関数の個数は3つ以上であってもよい。また、反復回数に応じて連続的に変化する重み付け関数を適用することも可能である。
〔断層画像生成部〕
断層画像生成部6は、画像位置合わせ部5により位置合わせされたリファレンス画像とターゲット画像のボリュームデータに基づいて、位置合わせにより同じ位置とされた断面における断層画像の画像データをそれぞれ生成する処理を行うもので、この発明の「断層画像生成手段」の一例に相当する。なお、ボリュームデータに基づく断層画像の画像データの生成処理は、たとえばMPR(Multi−Planar Reconstruction;多断面再構成法)により行うことができる。
断層画像生成部6の処理について、より具体的に説明する。画像位置合わせ部5は、前述の処理を行うことにより、リファレンス画像とターゲット画像の位置合わせを行う。たとえば、リファレンス座標系で表現されるリファレンス画像のボリュームデータの座標と、ターゲット座標系で表現されるターゲット画像のボリュームデータの座標とを、変換パラメータによる座標変換によって対応付ける。
ユーザが操作部8を操作してリファレンス画像のスライス位置を指定すると(前述)、断層画像生成部6は、リファレンス画像のボリュームデータに基づいて、このスライス位置におけるリファレンス画像の断層画像の画像データを生成する。また、断層画像生成部6は、画像位置合わせ部5による位置合わせ結果(変換パラメータ)に基づいて、指定されたスライス位置に対応するターゲット画像のスライス位置を演算する。そして、ターゲット画像のボリュームデータに基づいて、この演算されたスライス位置における断層画像の画像データを生成する。リファレンス画像及びターゲット画像のそれぞれについて生成された画像データは、表示部7に送られる。
なお、医用画像処理装置1が、或るスライス位置における断層画像の画像データをあらかじめ記憶している場合において当該スライス位置が指定されたときには、指定されたスライス位置に対応する断層画像の画像データを生成する代わりに、そのスライス位置に対応する断層画像の画像データを読み出して表示部7に送るように構成することも可能である。
表示部7は、断層画像生成部6から画像データを受けて、リファレンス画像の断層画像とターゲット画像の断層画像とを並列表示する。これらの断層画像は、前述のように、画像位置合わせ部5による位置合わせ結果に基づくものであり、(ほぼ)同じスライス位置における断層画像である。
〔ハードウェア構成〕
医用画像処理装置1のハードウェア構成について説明する。医用画像処理装置1は、一般的なコンピュータ装置を含んで構成されている。この医用画像処理装置1には、マイクロプロセッサ、揮発性記憶装置、不揮発性記憶装置、ユーザインターフェイス、通信インターフェイスなどが搭載されている。
マイクロプロセッサは、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等により構成される。揮発性記憶装置は、RAM(Random Access Memory)等により構成される。
不揮発性記憶装置は、ROM(Read Only Memory)やハードディスクドライブ等により構成される。ハードディスクドライブには、前述した処理をコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラムがあらかじめ記憶されている。また、ハードディスクドライブには、医用画像の画像データや患者に関するデータ(カルテ情報など)が記憶される。
ユーザインターフェイスは、表示デバイスと操作デバイス(入力デバイス)とを有している。表示デバイスは、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の任意の表示装置により構成される。操作デバイスは、マウス、キーボード、トラックボール、コントロールパネルなどの任意のデバイスにより構成される。なお、タッチパネル方式のLCD等を適用することにより、表示デバイスと操作デバイスとを一体的に構成することも可能である。
通信インターフェイスは、LANカード等のネットワークアダプタを含んで構成される。また、モデムを搭載することにより、インターネットを介してデータ通信を行えるように構成することも可能である。
図1等に示す抽出処理部2、位置関係情報生成部3、ランドマーク対応付け部4、画像位置合わせ部5及び断層画像生成部6は、それぞれ、上記のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサを含んで構成される。
また、表示部7は表示デバイスを含んで構成され、操作部8は操作デバイス(入力デバイス)を含んで構成される。
また、前述の処理を実行するための医用画像処理装置1の全体制御は、実行マイクロプロセッサが上記のコンピュータプログラムを実行することにより行う。たとえば、マイクロプロセッサは、各種の画面や画像を表示デバイス(表示部7)に表示させるための制御を行う。また、マイクロプロセッサは、操作デバイス(操作部8)からの操作信号(操作に対応して出力される信号)に基づいて、装置各部の制御を行う。
[作用効果]
以上に説明した医用画像処理装置1によれば、主として、以下のような作用、効果を奏することができる。
まず、この医用画像処理装置1は、次のように作用するように構成されている:(1)抽出処理部2が、リファレンス画像とターゲット画像のボリュームデータのそれぞれについて、画像内のランドマークを抽出する;(2)位置関係情報生成部3が、これら2つのボリュームデータのそれぞれについて、抽出されたランドマークの位置関係を示す距離リスト(位置関係情報)を生成する;(3)ランドマーク対応付け部4が、生成された位置関係情報に基づいて、リファレンス画像及びターゲット画像のそれぞれのランドマークのうちの幾つかを除外し、残ったリファレンス画像とターゲット画像のランドマークを互いに対応付ける;(4)画像位置合わせ部5が、ランドマーク対応付け部4により対応付けられたランドマークに基づいて、これら2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
この画像位置合わせ処理は、処理に長時間を要する従来の反復的位置合わせ法の代わりに、ランドマークを用いた位置合わせ方法を採用するとともに、ランドマーク自体の位置を解析してランドマークを対応付けるのではなく、距離リストに示すランドマークの位置関係(ランドマーク間の距離)に基づいて幾つかのランドマークを除外し、残ったランドマークを対応付けるようになっている。ここで、ランドマーク間の距離は、画像の平行移動や回転によって不変な量である。
ここで、医用画像処理装置1が実行する処理について、図8及び図9を参照して説明する。ここでは、図8(A)に示す過去画像GPと図8(B)に示す最新画像GNとの位置合わせ処理を説明する。
まず、医用画像処理装置1は、過去画像GPと最新画像GNのランドマークをそれぞれ抽出する。図8(A)に示す円で囲まれた数字1〜7は、過去画像GPから抽出された7つのランドマークを表す。また、図8(B)に示す四角形で囲まれた数字1〜8は、、最新画像GNから抽出された8個のランドマークを表す。
次に、医用画像処理装置1は、過去画像GPのランドマーク1〜7及び最新画像GNのランドマーク1〜8の位置関係を表す距離リストを生成する。
続いて、医用画像処理装置1は、この距離リストに基づいてランドマークを除外する。この例では、過去画像GPのランドマーク7が除外されるとともに、最新画像GNのランドマーク7、8が除外される。それにより、残されたランドマークは、過去画像GPのランドマーク1〜6、及び最新画像GNのランドマーク1〜6となる。
図9は、双方の画像GP、GNの残されたランドマークの位置関係を表している。この例では、過去画像GPのランドマーク1、2、・・・、6と、最新画像GNのランドマーク1、2、・・・、6とがそれぞれ対応付けられる。
医用画像処理装置1は、過去画像GPのランドマーク1〜6の位置を、各々対応する最新画像GNのランドマーク1〜6の位置に合わせるように変換パラメータを決定することで、双方の画像GP、GNの位置合わせを行う。なお、最新画像GNのランドマーク1〜6の位置を最新画像GNのランドマーク1〜6の位置に合わせるように変換パラメータを決定するなどしてもよい。
このように、距離リストを用いて幾つかのランドマークを除外してから対応付けを行うことで、処理時間の短縮を図ることが可能である。特に、ランドマークの除外により単純な閾値処理によって画像の位置合わせを行うことが可能となり、処理時間を短縮できる。また、従来のようにランドマークを平行移動させたり回転させたりする必要がないため、従来と比較して処理時間の短縮を図ることが可能である。また、前述したように、画像の位置合わせ精度も良好である。また、ランドマークの抽出に誤りがあったとしても、ランドマークの対応付けの段階でこの誤りが除去されるので、画像の位置合わせを高確度でかつ迅速に行うことができるという効果もある。
また、医用画像処理装置1は、次のように作用するように構成されている:(1)抽出処理部2が、リファレンス画像とターゲット画像のボリュームデータのそれぞれについて、画像内のランドマークを抽出する;(2)ランドマーク対応付け部4が、これら2つの医用画像の間において、抽出処理部2により抽出されたランドマークを対応付ける;(3)変換パラメータ演算部51が、ランドマーク対応付け部4により対応付けられたランドマークに基づいて、これら2つのボリュームデータの一方の位置を他方の位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算する;(4)変換パラメータ補正部52が、演算されたパラメータに基づいて位置合わせされた2つのボリュームデータにおける、対応付けられたランドマークの間の距離を演算し、この演算された距離に応じてパラメータを補正する;(5)画像位置合わせ部5が、補正されたパラメータに基づいて、これら2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
このような画像位置合わせ処理によれば、ランドマークを用いた位置合わせ方法を採用して処理時間の増大を回避するとともに、ランドマーク間の距離に基づいてパラメータを補正し、この補正されたパラメータを用いてリファレンス画像とターゲット画像のボリュームデータの位置合わせを行うので、画像位置合わせを良好な精度で行うことが可能である。
また、医用画像処理装置1は、次のように作用するように構成されている:(1)抽出処理部2が、分岐構造を有する被検体の部位(肺血管)について取得されたリファレンス画像とターゲット画像のボリュームデータのそれぞれについて、画像内のランドマークを抽出する。このとき、抽出処理部2は、(1a)これら2つのボリュームデータのそれぞれについて、分岐構造を有する部位に相当する画像領域を抽出し、(1b)これら2つの画像のそれぞれについて、抽出された画像領域の少なくとも一部を含む画像の部分領域の境界領域と、抽出された画像領域との共通領域を抽出し、(1c)抽出された共通領域内の位置をシードに設定する、(1d)このシードを起点として、分岐構造を有する部位の分岐位置に相当する画像領域のランドマークを抽出する;(2)ランドマーク対応付け部4が、これら2つの医用画像について抽出されたランドマークを互いに対応付ける;(3)画像位置合わせ部5が、対応付けられたランドマークに基づいて、これら2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
このような画像位置合わせ処理によれば、分岐構造を有する部位のランドマークを抽出するときに、抽出処理の起点となるシードを自動的に設定することができるので、処理時間の増大の防止を図ることができるとともに、画像の位置合わせを良好な精度で行うことができる。
[変形例]
以上に説明した内容は、この発明を実施するための具体的な構成例に過ぎず、任意の変形を適宜に施すことが可能である。
〔変形例1〕
まず、上記の実施形態の説明中でも触れたが、医用画像から抽出されたランドマークの位置関係を示す位置関係情報として、3つ以上のランドマークからなる多角形の頂点の角度を含む角度リスト(角度情報)を使用する変形例について説明する。
ここでは、3つのランドマークからなる三角形の頂点の角度を含む角度リストを具体例として取り上げる。位置関係情報生成部3は、ランドマーク抽出部23により抽出されたランドマークに基づいて、その内の3つのランドマークからなる組を複数形成する。より具体的には、最初に、互いの間の距離が短い2つのランドマークを選択し、それらの対を形成する。このとき、距離の短いものから順に対を形成していってもよいし、距離が所定値以下となる対を形成するようにしてもよい。次に、位置関係情報生成部3は、上記実施形態の他覚形態対応付け部42と同様に、各対に対して新たなランドマークを追加して3つのランドマークの組を形成する。
続いて、位置関係情報生成部3は、各組の3つのランドマークが形成する三角形の頂点の角度を演算する。そして、各ランドマークを識別する情報(又は各組を識別する情報)と、演算された角度とを関連付けて、リファレンス画像とターゲット画像のそれぞれについて角度リストを生成する。
次に、角度リストを用いたランドマークの対応付け処理について説明する。リファレンス画像側の三角形(3つのランドマークの組)を〈ri1、ri2、ri3〉とし、ターゲット画像側の三角形を〈tj1、tj2、tj3〉とする。更に、三角形〈ri1、ri2、ri3〉の頂点ri1の角度をθr(ri1)、頂点ri2の角度をθr(ri2)、頂点ri3の角度をθr(ri3)とする。また、三角形〈tj1、tj2、tj3〉の頂点tj1の角度をθt(tj1)、頂点tj2の角度をθt(tj2)、頂点tj3の角度をθt(tj3)とする。
ランドマーク対応付け部4は、リファレンス画像側の角度をθr(ri1)、θr(ri2)、θr(ri3)と、ターゲット画像側の角度θt(tj1)、θt(tj2)、θt(tj3)との差が所定値以下であるか判定し、差が所定値以下の三角形同士を対応付けする(つまり、当該差が所定値を超える三角形を除外して対応付けを行う)。このとき、双方の画像の角度の全ての組合せについて角度の差を演算し、全ての組合せの角度差が所定値以下になるかを判定する。
ここで、必要があれば、上記の実施形態と同様に、ランドマークを追加してL角形を形成し、その頂点の角度について上記と同じ判定処理を実施してL角形同士を対応付けする。以下の処理は、上記の実施形態と同様である。
〔変形例2〕
上記の実施形態では、気管支や肺血管の分岐点をランドマークとして2つの医用画像の位置合わせを実施したが、この変形例では、肺の境界部分(輪郭)の形状を用いてランドマークを決定する手法を説明する。
この変形例に係る医用画像処理装置の構成の一例を図10に示す。同図に示す医用画像処理装置100は、特定部位抽出処理部110、ランドマーク設定部120、ランドマーク対応付け部130、画像位置合わせ部140、断層画像生成部150、表示部160及び操作部170を備えている。断層画像生成部150、表示部160及び操作部170は、それぞれ、上記の実施形態の断層画像生成部6、表示部7及び操作部8と同様の構成を有している。
(特定部位抽出処理部)
特定部位抽出処理部110は、リファレンス画像とターゲット画像のそれぞれについて、被検体の特定部位に相当する画像領域を抽出する処理を行うもので、この発明の「特定部位抽出手段」の一例として機能する。特定部位抽出処理部110は、被検体の肺に相当する画像領域を特定部位として抽出する。なお、この変形例では、肺門部の小さな凹凸を詳細に抽出する必要はなく、肺の境界形状(輪郭形状)を抽出すれば十分である。
そのために、特定領域抽出処理部110は、まず、肺の画像領域を含む医用画像(リファレンス画像、ターゲット画像)に対して閾値処理を行って、たとえば−400HU以下の画像領域を抽出する。次に、たとえば公知の手法(connected component labelingなど)を用いて、抽出された画像領域の各連結領域(連結成分)にラベル(識別情報)を付与する。
続いて、各連結領域のボクセル数をカウントするとともに、医用画像のボリュームデータの8隅のいずれも含まない連結領域のうち、ボクセル数が最大の連結領域を選択する。ここで、ボリュームデータの8隅のいずれかを含む連結領域を除外するのは、被検体の体外の空気領域のボクセル数が最大である場合に、この空気領域が選択されることを回避するためである。以上により、医用画像(のボリュームデータ)から肺に相当する領域(のボクセル)が抽出される。
(ランドマーク設定部)
ランドマーク設定部120は、特定部位抽出処理部110により抽出された特定部位に相当する画像領域に基づいて、この特定部位のランドマークを設定する処理を行うもので、この発明の「ランドマーク設定手段」の一例として機能するものである。
このランドマーク設定部120は、特定部位として抽出された肺に相当する画像領域(肺領域)の上位置、左位置、右位置、前位置及び後位置に位置するランドマークをそれぞれ設定するように作用する。なお、この発明においては、これらの位置の少なくともいずれかに位置するランドマークを設定すれば十分である。以下、これらの位置のランドマークの設定処理についてそれぞれ説明する。
まず、上位置のランドマークの設定処理について説明する。ランドマーク設定部120は、上位置のランドマークを設定するために、まず、抽出された肺領域の側部位置を検出する。側部位置とは、左肺の左端位置及び/又は右肺の右端位置を意味するものとする。ここでは、両肺に上位置のランドマークを設定するので、左肺の左端位置と右肺の右端位置の双方を検出する。
左肺の左端位置の検出は、たとえば、抽出された左肺に相当する画像領域(左肺領域)のボクセルのうち、左右方向の座標値が最大(又は最小:左右方向の座標軸の向きに依存する)のものを探索することにより行う。右肺の右端位置の検出も同様にして行う。
次に、ランドマーク設定部120は、検出された側部位置を起点として、肺領域内を上方(頭部の方向)に辿っていくことで肺尖部に相当する位置を検出する。左肺の肺尖部の位置を検出する場合の例を具体的に説明する。まず、検出された左肺の左端位置のボクセルの1つ上方(頭部方向)のボクセルが、左肺領域に含まれるか判定する。含まれている場合には、更に1つ上方のボクセルが左肺領域に含まれるか判定する。一方、左端位置の1つ上方のボクセルが左肺領域に含まれない場合、1つ右方のボクセルが左肺領域に含まれるか判断する。上方のボクセルも右方のボクセルも左肺領域に含まれないと判定されるまで、このような判定処理を反復する。それにより、左肺の肺尖部に相当する位置が検出される。
続いて、ランドマーク設定部120は、検出された肺尖部に相当する位置よりも所定距離だけ下方の位置に上位置のランドマークを設定する。この所定距離としては、たとえば、肺尖部から、肺の前後左右方向のスライス面の面積が所定値(700平方ミリメートル等)以上になる最も上方のスライス位置までの距離を採用する。当該スライス位置の取得方法としては、たとえば、肺尖部の位置から下方に向かって所定間隔でスライス面の面積を演算し、面積が最初に所定値以上となった位置を当該スライス位置とする。
ランドマーク設定部120は、当該スライス位置における肺の断面のたとえば重心位置に、上位置のランドマークを設定する(左肺、右肺のそれぞれについて設定する。)。このランドマークを、肺尖下ランドマークと呼ぶことがある。
なお、肺に相当する画像領域を上方(頭部方向)から下方(足部方向)に向かって解析していくことで肺尖部の検出を行うことも考えられる。しかし、特定部位抽出処理部110による抽出処理では気管も一緒に抽出されることから、肺尖部に到達する前に気管が検出されるため、肺尖部の抽出が有効に実施されないおそれがある。この変形例では、上記のように側部位置から肺の領域を上方に辿っていくことにより肺尖部を抽出するので、このような事態を回避できるというメリットがある。
次に、左位置、右位置のランドマークの設定処理について説明する。そのためにランドマーク設定部120は、左右の肺の下端位置を検出する。下端位置は、左肺領域、右肺領域のそれぞれのボクセルの座標を参照して、下端に位置するボクセルを探索することにより得られる。なお、この下端位置にランドマーク(下位置のランドマーク)を設定してもよい。
ランドマーク設定部120は、肺尖下ランドマーク(のスライス位置)と下端位置とを所定の比(たとえば8:2)で内分するスライス位置を求める。そして、このスライス位置において、左肺領域の左端位置と右肺領域の右端位置とを検出する。この検出処理は、当該スライス位置における左肺領域、右肺領域のボクセルの座標を参照することにより行う。
更に、ランドマーク設定部120は、検出された左肺の左端位置と右肺の右端位置とに基づいて、左位置のランドマーク及び右位置のランドマークを設定する。これらのランドマークは、左肺の左端位置と右肺の右端位置を基に任意の手法で設定することができる。たとえば、これらのランドマークの左右方向の位置としては、肺領域を左右方向に4分割する3つの線(又は面)のうち、左側の線及び右側の線の上に設定できる。また、前後方向の位置についても同様に設定できる(たとえば肺領域を前後方向に2分割する線や面の上の位置に設定できる。)。
最後に、前位置、後位置のランドマークの設定処理について説明する。これらのランドマークは、たとえば左位置、右位置のランドマークを基に設定される。そのために、ランドマーク設定部120は、上記の内分位置のスライス位置における前端位置と後端位置とを検出する。そして、設定された左位置及び右位置のランドマークと、当該スライス位置の前端位置及び後端位置とに基づいて、前位置のランドマークと後位置のランドマークを設定する。その設定方法は任意である。たとえば、左右のランドマークの中点を求め、この中点から左右ランドマークを結ぶ線分に直行する前方向に延びる直線を考える。そして、中点から当該直線に沿って、肺の前後方向の長さの半分だけ進んだ位置に前位置のランドマークを設定する。後位置のランドマークも同様に設定できる。
(ランドマーク対応付け部)
ランドマーク対応付け部130によるランドマークの対応付け処理は容易である。つまり、この変形例では、各ランドマークに意味づけ(上位置、右位置、左位置、前位置、後位置)が為されている。この意味づけは、各ランドマークを設定するときに、フラグ等の識別情報を付与することにより為される。ランドマーク対応付け部130は、この意味づけに応じて、リファレンス画像のランドマークとターゲット画像のランドマークとを対応付ける(たとえば、左肺の上位置のランドマーク同士が対応付けられる。)。なお、上記の実施形態のように幾つかのランドマークを除外し、残ったランドマークを対応付けるようにしてもよい。
(画像位置合わせ部)
画像位置合わせ部140は、ランドマーク対応付け部130により対応付けられたランドマークのペアについて、たとえばリファレンス画像側のランドマークの座標(リファレンス座標系の座標)を、ターゲット画像側のランドマークの座標(ターゲット座標系の座標)に変換するような変換パラメータを演算する。この演算は、公知の手法を用いることができる。
この変形例によれば、処理時間が長い従来の反復的位置合わせ法を用いる代わりに、ランドマークを用いた位置合わせ方法を採用し、更に、各ランドマークに意味づけを持たせることにより、短い処理時間で画像の位置合わせを行うことができる。また、考慮するランドマークの個数も非常に少ないことから、極めて短い時間で画像の位置合わせを行うことができる。また、意味づけが為されたランドマーク同士を対応付けるようになっているので、対応付けの間違いが無く、高い精度での画像の位置合わせを行うことが可能である。
[医用画像処理方法]
この発明に係る医用画像処理方法について説明する。上記の実施形態の医用画像処理装置は、この医用画像処理方法を実現するための装置の一例である。
この発明に係る第1の医用画像処理方法は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、以下の処理を含むものである:(1)各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定する;(2)各ボリュームデータについて、ランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成する;(3)位置関係情報に基づいて、ランドマークのうちの幾つかを除外し、除外後に残った2つの医用画像のランドマークを互いに対応付ける;(4)ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
このような医用画像処理方法によれば、上記の実施形態で説明したように、処理時間の短縮を図ることが可能であり、また画像の位置合わせを高い精度で行うことが可能である。
この発明に係る第2の医用画像処理方法は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、以下の処理を含むものである:(1)各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定する;(2)2つの医用画像のランドマークを互いに対応付ける:(3)ランドマークの対応付けに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算する;(4)パラメータに基づく位置合わせ後における、対応付けられたランドマークの間の距離を演算する;(5)距離に応じてパラメータを補正する;(6)補正されたパラメータに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
このような医用画像処理方法によれば、ランドマークを用いることで処理時間の増大を回避できる。また、ランドマーク間の距離に基づいてパラメータを補正し、この補正されたパラメータを用いて画像の位置合わせを行うので、画像の位置合わせを高い精度で行うことが可能である。
この発明に係る第3の医用画像処理方法は、2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、以下の処理を含むものである:(1)各医用画像について、被検体の左右の肺に相当する画像領域を抽出する;(2)画像領域における各肺の肺尖部の位置と下端の位置とを検出する;(3)画像領域における肺尖部の位置と下端の位置とを所定の比で内分する断面位置における左肺の画像領域の左端位置と右肺の画像領域の右端位置とを検出する;(4)肺尖部の位置、下端の位置、左端位置及び右端位置に基づいて各医用画像のランドマークを設定する;(5)2つの医用画像のランドマークを互いに対応付ける;(6)ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う。
このような医用画像処理方法によれば、ランドマークを用いるとともに各ランドマークに意味づけを持たせることにより、短い処理時間で画像の位置合わせを行うことができる。また、考慮するランドマークの個数も非常に少ないことから、極めて短い時間で画像の位置合わせを行うことができる。また、意味づけが為されたランドマーク同士を対応付けるようになっているので、対応付けの間違いが無く、画像の位置合わせを高い精度で行うことが可能である。
この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態の抽出処理部の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態のランドマーク対応付け部の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態の画像位置合わせ部の構成の一例を表す概略ブロック図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態の画像位置合わせ部による処理の一例を説明するためのグラフ図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態の画像位置合わせ部による処理の一例を説明するためのグラフ図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態による処理の流れの一例を表す概略図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態による処理を説明するための概略図である。 この発明に係る医用画像処理装置の実施の形態による処理を説明するための概略図である。 この発明に係る医用画像処理装置の変形例の全体構成の一例を表す概略ブロック図である。
符号の説明
1、100 医用画像処理装置
2 抽出処理部
21 画像領域抽出部
211 気管支抽出部
211a 局所閾値処理部
211b 画像領域分離処理部
212 肺血管抽出部
22 シード設定部
23 ランドマーク抽出部
24 ランドマーク抽出禁止部
3 位置関係情報生成部
4、130 ランドマーク対応付け部
41 線分対応付け部
42 多角形対応付け部
43 ランドマーク選択部
44 評価値設定部
45 対応付け評価処理部
5、140 画像位置合わせ部
51 変換パラメータ演算部
52 変換パラメータ補正部
6、150 断層画像生成部
7、160 表示部
8、170 操作部
F、F1、F2 重み付け関数(目的関数)
110 特定部位抽出処理部
120 ランドマーク設定部

Claims (22)

  1. 2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理装置であって、
    各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定する設定手段と、
    各ボリュームデータについて、前記ランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成する生成手段と、
    前記位置関係情報に基づいて、前記ランドマークのうちの幾つかを除外し、前記除外後に残った2つの医用画像のランドマークを互いに対応付ける対応付け手段と、
    前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする医用画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、
    前記設定手段により設定されたランドマークに基づいて、同一の医用画像の2つのランドマークからなる対を複数形成し、
    前記複数の対のそれぞれについて、ランドマーク間の距離を演算し、
    前記距離を含む距離情報を前記位置関係情報として生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  3. 前記生成手段は、
    前記設定手段により設定されたランドマークに基づいて、同一の医用画像の3つ以上のランドマークからなる組を複数形成し、
    前記複数の組のそれぞれについて、3つ以上のランドマークを頂点とする多角形の前記頂点の角度を演算し、
    前記角度を含む角度情報を前記位置関係情報として生成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  4. 前記対応付け手段は、
    前記位置関係情報に基づいて、2つの医用画像についてそれぞれ設定されたランドマークの対応度合いを示す評価値を演算し、
    前記評価値に基づいて、2つの医用画像の間の前記ランドマークの対応付けを行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  5. 前記対応付け手段は、
    前記距離情報に基づいて、一方の医用画像のランドマークの対の間の距離と、他方の医用画像のランドマークの対の間の距離とを比較し、これらの距離の差が所定値以下となる対同士を暫定的に対応付け、
    前記暫定的な対のそれぞれについて、当該対に含まれないランドマークを付加して3つ以上のランドマークの組を形成し、
    当該組に含まれる2つのランドマーク間の距離に基づいて、2つの医用画像の間における前記組の対応度合いを示す評価値を演算し、
    前記評価値に基づいて、2つの医用画像の間の前記ランドマークの対応付けを行う、
    ことを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
  6. 前記対応付け手段は、
    前記暫定的な対に含まれない1つのランドマークを付加して3つのランドマークの組を形成したときに、当該1つのランドマークと当該対の各ランドマークとの間の距離を演算し、
    これらの距離の差が所定値以下である場合に、2つの医用画像の当該組同士を暫定的に対応付け、
    当該暫定的な組に基づいて前記評価値を演算する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の医用画像処理装置。
  7. 前記対応付け手段は、
    前記距離の差が所定値以下であるランドマークを前記暫定的な対に順次に付加することにより、前記3つ以上のランドマークの組同士を暫定的に対応付け、
    当該暫定的な組に基づいて前記評価値を演算する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の医用画像処理装置。
  8. 前記対応付け手段は、
    前記ランドマークの組に含まれる2つのランドマークの間の距離を演算し、
    2つの医用画像の間における当該距離の差が所定値を超えるランドマークに対して点数を付与し、前記点数が所定範囲に含まれるランドマークに基づいて前記評価値を演算する、
    ことを特徴とする請求項5に記載の医用画像処理装置。
  9. 前記評価値は、前記点数が所定範囲に含まれるランドマークの個数とされる、
    ことを特徴とする請求項8に記載の医用画像処理装置。
  10. 前記位置合わせ手段は、
    前記対応付け手段により対応付けられたランドマークに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算し、
    前記パラメータに基づく位置合わせ後における前記対応付けられたランドマークの間の距離を演算し、
    当該距離が所定値以下であるランドマークのみに基づいて、新たな前記パラメータを演算する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  11. 前記位置合わせ手段は、
    前記対応付け手段により対応付けられたランドマークに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算し、
    前記パラメータに基づく所定の連続関数に基づいて2つのボリュームデータの位置合わせを行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  12. 前記所定の連続関数は滑らかな関数である、
    ことを特徴とする請求項11に記載の医用画像処理装置。
  13. 前記滑らかな関数は多項式である、
    ことを特徴とする請求項12に記載の医用画像処理装置。
  14. 前記位置合わせ手段は、前記多項式の解を線形最適化法により演算し、前記解に基づいて2つのボリュームデータの位置合わせを行う、
    ことを特徴とする請求項13に記載の医用画像処理装置。
  15. 前記位置合わせ手段により位置合わせされた2つのボリュームデータに基づいて、前記位置合わせにより同じ位置とされた断面における断層画像の画像データをそれぞれ生成する断層画像生成手段と、
    前記画像データに基づく2つの断層画像を表示する表示手段と、
    を更に備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
  16. 2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理装置であって、
    各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定する設定手段と、
    前記2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付ける対応付け手段と、
    前記ランドマークの対応付けに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算する変換パラメータ演算手段と、
    前記パラメータに基づく位置合わせ後における前記対応付けられたランドマークの間の距離を演算し、前記距離に応じて前記パラメータを補正する変換パラメータ補正手段と、
    を備え、
    前記補正されたパラメータに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、
    ことを特徴とする医用画像処理装置。
  17. 前記変換パラメータ補正手段は、前記距離が所定値以下であるランドマークのみに基づいて前記パラメータを補正する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の医用画像処理装置。
  18. 前記変換パラメータ補正手段は、前記距離を変数とする非線形関数の関数値に基づいて前記パラメータを補正する、
    ことを特徴とする請求項16に記載の医用画像処理装置。
  19. 2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理装置であって、
    各医用画像について、被検体の左右の肺に相当する画像領域を抽出する特定部位抽出手段と、
    前記画像領域における各肺の肺尖部の位置と下端の位置とを検出し、前記画像領域における前記肺尖部の位置と前記下端の位置とを所定の比で内分する断面位置における左肺の画像領域の左端位置と右肺の画像領域の右端位置とを検出し、前記肺尖部の位置、前記下端の位置、前記左端位置及び前記右端位置に基づいて各医用画像のランドマークを設定するランドマーク設定手段と、
    2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付ける対応付け手段と、
    前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    を備える、
    ことを特徴とする医用画像処理装置。
  20. 2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、
    各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定し、
    各ボリュームデータについて、前記ランドマークの位置関係を示す位置関係情報を生成し、
    前記位置関係情報に基づいて、前記ランドマークのうちの幾つかを除外し、前記除外後に残った2つの医用画像のランドマークを互いに対応付け、
    前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、
    ことを特徴とする医用画像処理方法。
  21. 2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、
    各ボリュームデータに基づいて医用画像のランドマークを設定し、
    前記2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付け、
    前記ランドマークの対応付けに基づいて、一方のボリュームデータの位置を他方のボリュームデータの位置に合わせるための座標変換のパラメータを演算し、
    前記パラメータに基づく位置合わせ後における前記対応付けられたランドマークの間の距離を演算し、
    前記距離に応じて前記パラメータを補正し、
    前記補正されたパラメータに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、
    ことを特徴とする医用画像処理方法。
  22. 2つの医用画像のボリュームデータの位置合わせを行う医用画像処理方法であって、
    各医用画像について、被検体の左右の肺に相当する画像領域を抽出し、
    前記画像領域における各肺の肺尖部の位置と下端の位置とを検出し、
    前記画像領域における前記肺尖部の位置と前記下端の位置とを所定の比で内分する断面位置における左肺の画像領域の左端位置と右肺の画像領域の右端位置とを検出し、
    前記肺尖部の位置、前記下端の位置、前記左端位置及び前記右端位置に基づいて各医用画像のランドマークを設定し、
    2つの医用画像の前記ランドマークを互いに対応付け、
    前記ランドマークの対応付けに基づいて、2つのボリュームデータの位置合わせを行う、
    ことを特徴とする医用画像処理方法。
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