JP2008043258A - 新規微生物、当該微生物腐食による耐食性の評価方法、当該微生物による腐食の判定方法、及び、当該微生物を用いたガス中の二酸化炭素の低減方法 - Google Patents

新規微生物、当該微生物腐食による耐食性の評価方法、当該微生物による腐食の判定方法、及び、当該微生物を用いたガス中の二酸化炭素の低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規微生物の提供。
【解決手段】本願発明に係る新規微生物は、メタノコッカレス(Methanococcales)目メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科に属する受領番号NITE ABP−252で特定される微生物である。本願発明は、上記微生物を、鉄若しくは鉄を含む合金と接触させ、又は鉄若しくは鉄を含む合金を有する水中に存在させて、当該鉄または鉄を含む合金を腐食させた後、当該腐食量を測定して、前記鉄または鉄を含む合金の前記微生物に対する耐食性を評価することを特徴とする微生物腐食による耐食性の評価方法にも関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、鉄または鉄を含む合金に対して腐食能を有する新規微生物、当該微生物が原因の腐食による鉄または鉄を含む合金の耐食性評価方法、当該微生物を腐食部位から検出して当該微生物による腐食の有無を判定する方法、および、当該微生物を利用したガス中の二酸化炭素の削減方法に関する。
2001年米国のFHWA(The US Federal Highway Administration)により金属の腐食に関わるコストの調査結果が報告された(非特許文献1)。本報告によると、米国では金属腐食による損失は年間2760億ドルに達し、国民総生産(GDP)の3.1%に相当すると報告されている。また、米国のガス産業において、パイプラインなどの腐食に掛かるコストが年間134億ドルに達し、このうちの約20億ドル(約15%)は微生物腐食によるものと報告されている(非特許文献2)。わが国においても腐食防食協会と日本防錆技術協会を中心とする腐食コスト調査委員会の調査により、1997年にわが国の腐食対策に講じた費用は3兆9千億円で、わが国の国民総生産(GDP)の0.8%に相当すると報告されている(非特許文献3)。以上のように、腐食による被害額は甚大であり、これを防ぐことは資源の乏しい我が国にとって重要な課題である。
微生物腐食はこれまで鉄鋼材料を中心に多く報告されている。酸素が利用できる好気条件と、酸素が利用できない嫌気条件でそれぞれ異なる種類の微生物が鉄鋼材料の腐食作用を示すことが知られている。嫌気条件の微生物腐食の原因微生物として硫酸塩還元菌に関する多くの報告がある。硫酸塩還元菌は、海水などに含まれる硫酸塩を硫化物に還元する活性を有する。その結果発生する硫化水素は、鉄をはじめとしてさまざまな金属と硫化物をつくるため、強い腐食性が知られている。
また、硫酸塩還元菌には、水素原子あるいは水素分子をプロトンに酸化できる酵素、ヒドロゲナーゼを有するものがある。嫌気条件下、すなわち酸化還元電位の低い還元的な環境条件では、中性条件においても水の分解により発生するプロトンを用いて、鉄表面でカソード反応が起こり、水素原子さらに水素分子が形成される(この反応にカップルして、アノードでは、鉄の酸化がおこり、Fe(II)が生成する)。この際、ヒドロゲナーゼ活性を有する硫酸塩還元菌は、カソード反応で生成する水素原子あるいは水素分子を、カソード反応で電子受容体となるプロトンに酸化し、鉄表面を復極させて、カソード反応を促進する。この結果、電子の授受が円滑にすすむため、嫌気条件における鉄の酸化、鉄のアノード溶解が促進される。このようなヒドロゲナーゼを有する硫酸塩還元菌による腐食促進メカニズムは、カソード復極説として知られている(非特許文献4)。
例えば油井など、石油環境では、硫酸塩還元菌による腐食影響は、大きな課題になっている。段階的な希釈により硫酸塩還元菌を検出、存在量をモニタリングするための簡易なキットなどが、石油生産に関わる産業分野では使用されている。(非特許文献5)
以上のように、嫌気条件における硫酸塩還元菌による微生物腐食は、広く知られており、その検出や存在量測定のための技術が報告されている。
また、硫酸塩還元菌の増殖を抑制する方法なども考案されている。例えば、非特許文献6では、抗生物質を生産する微生物を共存させることで、硫酸塩還元菌の増殖を抑制する方法などが報告されている。
また、温室効果ガスである二酸化炭素の削減は、重要な課題である。上記硫酸塩還元菌とともに主要な嫌気性微生物として知られるメタン生産菌は、水素を電子供与体として、二酸化炭素を還元して、エネルギー源として利用可能なメタンを発生できることから、有効な二酸化炭素削減への寄与が期待されている。
Report FHWA-RD-01-156, September 2001. National Energy Technology Laboratory, DE-FC26-01NT41158 わが国における腐食コスト(腐食防食協会、日本防錆技術協会)(1997) Von Wolzogen Kuehr and van der Vlugt, Water 16, 147 (1934) Microbiologically Influenced Corrosion, NACE International p.43(1997) Zuo R, Wood TK. Appl Microbiol Biotechnol. 65: 747(2004) 腐食反応とその制御(第3版)ユーリック、レヴィー共著(産業図書)(1989) Daniels, et al.,Science 237,509(1987) 環境省報道発表資料;「温暖化対策診断モデル事業」について〜平成14年度の診断結果のとりまとめ〜(2003)
以上のように、嫌気条件で微生物腐食の原因となる微生物として、硫酸塩還元菌は広く知られており、硫酸塩還元菌に対する検出方法や、腐食対策方法も報告されている。
また、嫌気環境に棲息する微生物生態系を構成する主要な微生物として、硫酸塩還元菌のほかに、メタン生成菌があるが、メタン生成菌を嫌気環境における腐食原因菌としては、一般的に認知されてはいない。例えば、非特許文献7には、微生物腐食の原因菌が紹介されているが、この中でメタン生成菌は、腐食原因菌として説明されていない。これは、硫酸塩還元菌の生成する硫化水素が極めて強力な腐食原因物質であるのに対して、メタン生成菌が生成するメタンは、腐食原因物質ではないことが、メタン生成菌が腐食原因菌としてみなされてこなかったことの、大きな要因として考えられる。
すなわち、嫌気微生物であるメタン生成菌を腐食の原因微生物としては必ずしも一般的には認識されていないのが現状である。しかしながら、メタン生成菌が腐食原因菌であることを示す学術的な報告はある。ダニエルス(Daniels)らは、メタン生成菌が鉄を腐食することを報告している(非特許文献8)。
以上のように、硫酸塩還元菌とともに主要な嫌気性微生物である、メタン生成菌の腐食原因性に関しては、学術的には一部報告があるが、一般的には認知されていない状況である。したがって、金属の腐食性能を有するメタン生成菌は殆ど知られておらず、腐食作用を調べるため産業目的に利用できる保存、確立されたメタン生成菌の菌株も無い。
また、産業目的に利用できるメタン生成菌の菌株が確立されていないことから、メタン生成菌による腐食作用を考慮した、金属の耐食性評価が困難である。
また、腐食原因となるメタン生成菌が、腐食部位あるいは環境中に存在するか否かを検出することは、微生物腐食であるか否かの、腐食原因の解析や、腐食の予防、対策に重要である。しかしながら、腐食原因となるメタン生成菌の検出方法も確立されていない。
また、メタン生成菌の重要な機能として、温室効果ガスである二酸化炭素をメタンに還元する作用が知られている。しかし、メタン生成菌は、電子供与体として、水素あるいは有機物を必要とするため、二酸化炭素のほかに、これらの電子供与体を供給する必要がある。微生物反応により水素を発生することは制御が容易ではなく、水素ガスを供給する場合は、コスト要因になるほか、安全上取り扱いも容易ではない。
また、有機物を用いる場合は、有機物の分解により副生成物を生じる。発生した副生成物の処理にもコストがかかる。また、有機物の種類により、メタン生産の効率も影響を受けるなどの問題がある。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、金属腐食能を有する微生物を単離、同定し、菌株を確立することに成功し、当該微生物を寄託した。また、当該微生物を用いた金属の耐食性を評価する方法、当該微生物による腐食を検出する方法、当該微生物を用いた二酸化炭素を含むガスからの二酸化炭素の低減方法を確立し、本発明を完成するに至った。本発明の要旨とするところは次の(1)〜(7)である。
(1)メタノコッカレス(Methanococcales)目メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科に属する受領番号NITE ABP−252で特定される微生物。
(2)前記(1)の微生物を、鉄若しくは鉄を含む合金と接触させ、又は鉄若しくは鉄を含む合金を有する水中に存在させて、当該鉄または鉄を含む合金を腐食させた後、当該腐食量を測定して、前記鉄または鉄を含む合金の前記微生物に対する耐食性を評価することを特徴とする微生物腐食による耐食性の評価方法。
(3)前記腐食量の測定を、2種類以上の鉄又は鉄を含む合金について行い、それぞれの腐食量の測定結果を比較して、前記2種類以上の鉄又は鉄を含む合金それぞれの前記微生物に対する耐食性を相対的に評価することを特徴とする前記(2)の方法。
(4)メタンの生成量を測定することによって前記腐食量を測定することを特徴とする前記(2)又は(3)の方法。
(5)鉄又は鉄を含む合金の腐食部位に接して存在する、腐食生成物、水、スラッジ、油、錆、土、又はバイオフィルムを採取し、当該採取物から前記(1)の微生物の遺伝子の塩基配列を検出することで、前記鉄又は鉄を含む合金の腐食が前記微生物による腐食かどうかを判定することを特徴とする前記微生物による腐食の判定方法。
(6)前記(1)の微生物と鉄又は鉄を含む合金とを含む水に、二酸化炭素を含むガスを接触させ、前記二酸化炭素を含むガス中の、二酸化炭素濃度を低減させることを特徴とするガス中の二酸化炭素の低減方法。
(7)前記(1)の微生物を、鉄または鉄を含む合金と接するあるいはこれらを含む水中に存在させた水のpHを6以上8.3以下に維持することを特徴とする前記(6)の方法。
本発明により、初めて産業上利用できる腐食に係わるメタン生成菌の菌株を確立した。
また、本発明の微生物を用いることにより、鉄または鉄を含む合金の微生物腐食に対する耐食性を評価することができる。
また、本発明の微生物を検出することにより、鉄または鉄を含む合金の微生物腐食の対策、防止に役立てることができる。
さらに、本微生物を使用することにより、地球温暖化ガスである二酸化炭素の削減が可能である。
本発明の微生物は、石油含有スラッジから単離した、メタノコッカレス(Methanococcales)目、メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科のKA1株(以下、「KA1株」と呼ぶ)である。当該微生物は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8)に2006年7月31日付で寄託されており、その受領番号は、NITE ABP−252である。
なお上記微生物において、自然的又は人工的手段によって変異した変異株は、本発明に含まれる。本発明の微生物、KA1株の16S rDNAの塩基配列は、配列番号1の塩基配列である。
配列番号1の本発明の微生物の16S rDNAの塩基配列に基づき、近隣結合法(Saito, N., and M. Nei. Molecular Biology and Evolution 4:406-425, 1987)とMEGA package (Kumar, S., K. Tomura, and M. Nei. MEGA:molecular evolutionary genetics analysis version 1.0. The Pennsylvania State University, University Park. 1993)を用いて分子系統樹を作成し、各系統枝の信頼度をブーツストラップ法(Felesenstein, J. Evolution 39:783-791, 1985)により評価したところ、本発明の微生物KA1株、は、メタノコッカレス(Methanococcales)目メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科のメタノコッカス マリパルディス(Methanococcus maripaludis)と系統枝を形成し、その枝はブーツストラップ確立100%で支持された。
KA1株は上記系統解析からのデータ、並びにメタン生成菌に特有なF420の自家蛍光を有することや、水素を唯一の電子供与体とし炭酸を唯一の炭素源として培養した場合にメタンを生産することから、メタン生成菌である。
本微生物の培養方法および基本的な性状について以下に記す。尚、記述する培養方法はあくまで一つの例であり、本発明の微生物の培養方法は、下記方法に限定されるものではない。本発明の微生物は、例えば、表1に記載の培地を用いて、鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源として培養できる。
Figure 2008043258
上記培養における温度条件は、当該微生物の成育温度の範囲、好ましくは最適生育温度の範囲に設定する。例えば、温度は18 から 47℃、好ましくは25 から 37℃である。また培地のpHは、6 〜8.3、好ましくは7.0に設定すればよい。尚、上記培養条件では必然的に無酸素条件になるはずであるが、嫌気性微生物であるため、可能であれば、溶存酸素濃度DO<0.2mg/Lになっていることを確認するのがよい。
本発明の微生物の生理学的特徴を表2に示す。
Figure 2008043258
本発明の微生物を表1の培地で培養した場合、観察される特徴は以下のとおりである。
(巨視的観察結果)
37℃、2週間における生育は、108 cells/mlに達する。培養4日目を経過すると、鉄表面が灰色に変化し、金属光沢が失われる。培養2週間以上では、培地に多量の炭酸鉄、水酸化鉄などの沈殿物が形成され、培地が濃い灰色に濁る。
(顕微鏡観察結果)
37℃、2週間培養における細胞の形状は、ややいびつな円形をした球菌である。直径は0.5から1.2umであり、蛍光顕微鏡観察では、メタン生成菌に特有なF420の自家蛍光を有することが認められる。
基質の利用性については、培地の組成が、気相N2=100%でNaHCO3及び顆粒状鉄(Iron granule)なしの時、終濃度20 mMの酢酸、酪酸、エタノール、メタノール、2−プロパノール、メチルアミン、ジメチルスルフィド、ピルビン酸を用いての生育は認められない。唯一蟻酸のみ生育可能である。気相H2:CO2=80%:20%でNaHCO3及びIron granuleなしの時、或いは気相N2:CO2=80%:20%でNaHCO3なしIron granule有りの時も生育可能である。また気相N2=100%でNaHCO3及びIron granule有りの時は生育可能である。
本発明の微生物が鉄若しくは鉄を含む合金を腐食するメカニズムは、先述のヒドロゲナーゼ活性を有する硫酸塩還元菌の腐食メカニズムで説明した、カソード復極が主な腐食メカニズムである。すなわち、本発明の微生物であるメタン生成菌は、鉄若しくは鉄を含む合金の表面で、カソード反応で生成する水素原子あるいは水素分子を、カソード反応で電子受容体となるプロトンに酸化し、鉄表面を復極させて、カソード反応を促進する。この結果、電子の授受が円滑にすすむため、嫌気条件における鉄の酸化、鉄のアノード溶解が促進される。したがって、鉄若しくは鉄を含む合金の腐食を促進するのである。
非特許文献8には、鉄腐食の原因となるメタン生成菌が報告されている。これらはメタノコッカス テルモリソトロフィカス(Methanococcus thermolithotrophicus)、メタノバクテリウム テルモオートロフィカム(Methanobacterium thermoautotrophicum)、メタノサルシナ バルケリ(Methanosarcina barkeri)、メタノスピリラム フンガテイ(Methanospirillum hungatei) である。本発明の微生物であるKA1株は、先述のようにメタノコッカス マリパルディス(Methanococcus maripaludis)と系統枝を形成しており、非特許文献8に記載されているメタン生成菌とは異なる腐食原因微生物である。
また、本発明の微生物であるKA1株は、実腐食環境から、激しい鉄の腐食を起こす複合微生物の腐食原因菌として単離されたものであり、非特許文献8のメタン生成菌とは異なる。非特許文献8で、実際に鉄の腐食を調べているのは、メタノコッカス テルモリソトロフィカス(Methanococcus thermolithotrophicus)のみである。他の3種類の菌株については、メタンの生成量を測定しているのみで、鉄の腐食に関するデータが示されていない。また、このメタノコッカス テルモリソトロフィカス(Methanococcus thermolithotrophicus)は、海底の熱水噴出場所付近の底泥からとられたメタン生成菌である。非特許文献8に記載のメタノコッカス テルモリソトロフィカス(Methanococcus thermolithotrophicus)を用いた鉄の腐食試験では、64℃という高温で試験が行なわれている。本発明の微生物KA1株のように、微生物腐食が問題となる常温域で使用できるメタン生成菌ではない。
次に、本発明の微生物を用いて鉄または鉄を含む合金の耐食性を評価する方法について説明する。ここでいう鉄を含む合金とは、鉄をその成分として含む合金を意味し、鉄の含有割合が低いものも含む。該当する鉄または鉄を含む合金としては、純鉄、炭素鋼、マンガン鋼、ニッケル鋼、ステンレス鋼などがある。ステンレス鋼では、高耐食性ステンレス鋼では、鉄の質量含有率は50%以下になる場合もある。
本発明の微生物を耐食性を評価しようとする鉄若しくは鉄を含む合金と接触させ、あるいは鉄若しくは鉄を含む合金を有する水の中に、本発明の微生物を存在させて、本発明の微生物に対する耐食性の評価を行なう。本発明の微生物を耐食性を評価しようとする鉄若しくは鉄を含む合金と接触させる方法では、本発明の微生物を直接、耐食性を評価しようとする鉄若しくは鉄を含む合金の表面で、これらと接触するように存在させる。
例えば、本発明の微生物を含む水を直接、鉄若しくは鉄を含む合金の表面に付着させたり、本発明の微生物を含む寒天状ゲル、スラッジ、錆、土壌などを直接、鉄若しくは鉄を含む合金の表面に付着させる方法などがある。
また、上記の鉄若しくは鉄を含む合金の表面に付着させる本発明の微生物を含む水、あるいは、鉄若しくは鉄を含む合金を有する水の中に、本発明の微生物を存在させて、本発明の微生物に対する耐食性の評価を行なう際に用いる水は、本発明の微生物を添加する前に、実際の使用環境で想定される腐食環境水をフィルターろ過あるいはオートクレーブで滅菌したものを使用することが好ましいが、入手が困難な場合は、腐食環境の水の成分を模擬した水を用いることももちろん可能である。
これに本発明の微生物を添加して、耐食性評価に用いることができる。微生物の添加量は例えば初期濃度で10細胞/mL以上10細胞/mL以下とすることが耐食性評価を短期間で効率的に行なうためには望ましいが、これ以外の初期濃度でも構わない。
本発明の微生物を用いて耐食性の評価をする場合、本微生物が嫌気性微生物であることから、溶存酸素濃度が0.2mg/L未満であることをあらかじめ確認することが望ましい。嫌気環境で腐食試験をするため、試験液が接する気相は、アルゴンガス、窒素ガスを不活性な嫌気性のガスとして使用することが可能である。
しかし、より好ましくは、本発明の微生物の炭素源となる二酸化炭素を含むことが好ましい。メタン生成菌は二酸化炭素を基質として還元して、メタンを生成するからである。
二酸化炭素の濃度について特に限定条件は無い。ただし、メタン生成を促進するために、二酸化炭素濃度が1%以上であることがより望ましい。二酸化炭素と混合するガスとしては、窒素やアルゴンなどを用いることができる。例えば、窒素あるいはアルゴンに対して二酸化炭素を19:1から1:1の比率の間で用いることがより望ましい。
尚、試験片の形状は、試験液に浸漬できれば、どのような形状でもかまわない。
耐食性の評価に用いる試験液は、当該微生物が増殖できるものであれば、いずれのものであってよい。例えば、すでに記載した組成からなる鉄を唯一の電子供与体、二酸化炭素を唯一の炭素源とした培地の、鉄として、鉄を含む材料の試験片を用いることも可能である。
耐食性の評価における温度条件は、当該微生物の成育温度の範囲、好ましくは最適生育温度の範囲に設定する。例えば、温度は18 から 47℃、好ましくは25から37℃である。また培地のpHは、6.4 から 8.2、好ましくは7.0に設定すればよい。
耐食性評価に要する時間は、栄養源の量や種類により異なるが、通常7日以上、好ましくは14日以上である。例えば、腐食試験に供する試験片に含まれる鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源とした培地に添加して、37℃で14日間培養する。14日間の試験終了後に、試験片を取り出して、試験片質量の変化、培養物中に鉄片から溶出した鉄の量のフェナントロリン法等による測定、などによって耐食性を評価可能である。
また、試験片を電子顕微鏡等を用いて観察することや、電気化学的解析により腐食に関わる電流量を測定することによっても、耐食性の評価が可能である。また、本発明の微生物は、鉄を唯一の電子供与体としてメタンを生成できるメタン生成菌であることから、腐食がすすむほど、鉄由来の電子を用いて、二酸化炭素の還元により発生するメタンの生成量は増加することになる。したがって、メタンの生成量を測定することによっても耐食性の評価が可能である。
メタンの測定方法としては、例えば、上記、鉄または鉄を含む合金で腐食試験を行なった水の上部の気体を回収して、ガスクロマトグラフ分離管でメタンを分離した後、水素炎イオン化検出器に導入してメタンを測定する方法や、ガスクロマトグラフ質量分析計でメタンを測定する方法、レーザガス検知器を用いてメタンを測定する方法などがある。
以上のように、本発明の微生物を作用させた場合の、鉄または鉄を含む合金の腐食量を材料ごとに比較することによって、材料の耐食性を評価することが可能となる。また、鉄または鉄を含む合金と接するまたはこれらを含む水の中に、本発明の微生物の存在有無の条件で、鉄または鉄を含む合金の腐食量を比較することによって、本発明の微生物に対する耐食性を評価することが可能である。
次に、鉄又は鉄を含む合金の腐食部位に接して存在する、腐食生成物、水、スラッジ、油、錆、土、又はバイオフィルムを採取し、当該採取物から本発明の微生物の遺伝子の塩基配列を検出することで、前記鉄又は鉄を含む合金の腐食が本発明の微生物による腐食かどうかを判定する方法について説明する。
鉄又は鉄を含む合金の腐食部位から、水、スラッジ、油、錆、土又はバイオフィルム等を採取する。採取の方法は、いかなる方法でもよい。例えば、スパーテル等を用いて、これらを直接採取しても構わないし、あるいは、無菌の水を腐食部位にかけて、水に懸濁状にして採取することなども可能である。
これら、腐食部位から採取した腐食生成物、水、スラッジ、油、錆、土、又はバイオフィルム等から、例えば、本発明の微生物が有する遺伝子の塩基配列と相補的な塩基配列のプローブを用いて、FISH法により、本発明の微生物を、腐食部位から回収した試料から可視化して検出することが可能である。
FISH法では、例えば、配列表1の16S rDNAの塩基配列が利用できる。また、本発明の微生物を検出する遺伝子の塩基配列としては、例えば、配列表1に示した本発明の微生物の16S rDNA遺伝子の塩基配列のほか、ジャイレースB遺伝子の塩基配列、ヒドロゲナーゼ遺伝子の塩基配列や、メタン生産に関わる各遺伝子の塩基配列が挙げられる。
また、FISH法のほかにも、本発明の微生物上記の特異的遺伝子配列を上記の腐食部位から採取した腐食生成物、水、スラッジ、油、錆、土、又はバイオフィルム等の環境サンプルから検出する方法としては、サンプルから抽出されたDNAを鋳型とし、本発明に係る微生物の遺伝子配列をもとに設計されたプライマーを用いたPCR法などによって検出することが可能である。
或いはサンプルから抽出されたRNAを鋳型とし、本発明に係る微生物の遺伝子配列をもとに設計されたプライマーを用いたリアルタイムPCR法によって当該微生物の定量を行うことも可能である。
このほか、本発明の微生物に対する抗体あるいは本発明の微生物のタンパク質や糖鎖などに対する抗体を用いても、抗原抗体反応により、本発明の微生物を検出することも可能である。
本発明の微生物は、鉄を唯一の電子供与体として生育できる。そして先述のカソード復極のメカニズムにより、鉄の表面でカソード反応により発生する水素原子または水素分子を消費する機能を有するとともに、同時に嫌気条件での鉄の酸化、すなわちアノード溶解も促進させる。
したがって、本発明の微生物が腐食部位から採取した上記サンプル中で、上記のFISHやPCR等により、わずかにでも検出された場合、本発明の微生物が原因となる腐食が起こりえると判定される。したがって、本発明の微生物がわずかにでも腐食部位に存在する場合、本微生物による腐食に対する予防、対策を速やかに講じることが可能となるのである。
尚、本発明の微生物はメタン生成菌であり、その腐食メカニズムは、先述のカソード復極によるが、同じような嫌気条件で腐食の原因となる微生物として硫酸塩還元菌がある。硫酸塩還元菌による腐食と本発明の微生物による腐食の区別の方法について説明する。硫酸塩還元菌による腐食では、硫酸塩還元菌が鉄に対して腐食性の硫化水素を発生するため、硫化鉄が発生する。
したがって、腐食生成物をX線回折等で解析する等により、硫化鉄が検出されれば硫酸塩還元菌による腐食が生じていると判断できる。
一方、本発明の微生物による腐食では、炭酸鉄が形成される特徴を有する。したがって、腐食生成物をX線回折等で解析する等により、硫化鉄が検出されず、炭酸鉄が検出されれば、本微生物のようにメタン生成菌による腐食であることが区別され得る。
ただし、実際の腐食環境では、メタン生成菌と硫酸塩還元菌が共存して腐食する場合が多く、このような場合、硫化鉄と炭酸鉄が、共に検出されることになる。
次に、本発明の微生物を用いた二酸化炭素の削減方法について説明する。
メタン生成菌の重要な機能として、温室効果ガスである二酸化炭素をメタンに還元する作用は広く知られている。しかし、本発明の微生物であるメタン生成菌は、鉄と共存させることで、二酸化炭素の還元によるメタン発生(式(1))のほか、アノード溶解した鉄により炭酸鉄として二酸化炭素を固定化できる特徴を有する(式(2)、式(3))。
4Fe0 + CO2 +6H2O → CH4 +4Fe2+ +8OH- 式(1)
CO2 + H2O HCO3 - + H+ 式(2)
Fe2+ + HCO3 - FeCO3 + H+ 式(3)
したがって、本発明の微生物は、二酸化炭素の効率的な還元と固定化を同時におこなうことができるので、二酸化炭素の削減に効果がある。
メタンも温室効果ガスではあるが、メタンは酸化燃焼させてエネルギー源として利用できる点で、二酸化炭素とは大きく異なる。
また、一般には、メタン生成には、電子受容体となる二酸化炭素のほかに、電子供与体としては鉄ではなく、水素ガスや有機物が利用される。しかし、本発明の微生物をもちいることで、鉄を電子供与体として利用できるため、例えば屑鉄などの廃棄物に含まれる鉄や地中から得られる砂鉄などを用いてもメタン生成をおこないかつ、二酸化炭素を削減することが可能である。
尚、式(1)から式(3)より、1モルのCO2すなわち約44gのCO2を削減するために2モルのFe0すなわち約127gのFe0が必要となる計算になる。ただし、これは式(1)〜式(3)の反応を仮定した場合であり、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明の微生物を、鉄または鉄を含む合金と接するあるいはこれらを含む水中に存在させる。この水は、例えば表1に記載の本発明の微生物の培養液も使用できるが、本発明の微生物が生育できる水であれば、どのような水でも構わない。嫌気条件とするため、この水の溶存酸素濃度は、0.2mg/L未満であることが望ましい。
また、この水のpHは、本発明の微生物が生育できる6以上、8.3以下であることが望ましい。温度は、本発明の微生物が生育できる、18℃以上47℃以下であることが望ましい。鉄または鉄を含む合金は、反応のための比表面積を高めるため、顆粒状であることがより好ましい。
鉄または鉄を含む金属の、この水に対する質量比は、鉄または鉄を含む金属の質量:この水の質量=1:100〜10:1であることが好ましい。鉄または鉄を含む金属のこの水に対する質量比が1:100より低い場合は、鉄を電子供与体とし、二酸化炭素の還元によるメタン生成、および、腐食した鉄による炭酸鉄の生成が相対的に低くなるため、コスト的にも非効率である。
また、鉄または鉄を含む金属のこの水に対する質量比が10:1を超える場合は、鉄または鉄を含む金属の比率が高まることで、二酸化炭素の還元によるメタン生成や、炭酸鉄の生成の効率は高まることが期待されるものの、メタン生成の際、溶液がアルカリ化するため、その影響でメタン生成菌の増殖が阻害されるからである。
二酸化炭素を含むガスは、本発明の微生物と鉄または鉄を含む金属が共存する水と接触させることにより、二酸化炭素がこの水の中に溶存することで、メタン生成菌による二酸化炭素の還元によるメタン生成、あるいは、腐食した鉄イオンとの結合による炭酸鉄形成により、前記二酸化炭素を含むガス中の二酸化炭素を低減させることが可能である。
二酸化炭素を含むガスを、本発明の微生物と鉄または鉄を含む金属が共存する水と接触させる方法としては、例えば、二酸化炭素を含むガスを、直接この水の中に吹き込むことなどがあるが、これ以外の方法でも構わない。例えば、二酸化炭素を含むガスを微小な気泡として、この水との接触面積を増せば、効率的に二酸化炭素をこの水に溶存させ、反応を効率化するなどの方法もある。二酸化炭素の吹込みにより、水は酸性化するが、一方、二酸化炭素の還元によるメタン生成では、水はアルカリ化するため、pHの緩衝作用が期待でき、本発明の微生物の生育に良好なpHに保たれることが期待できるからである。
尚、効率的に二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を低減させようとする場合は、本発明の微生物であるメタン生成菌を含む水のpHを、その生育に適した、6以上8.3以下に、維持することが望ましい。通常、本発明の微生物を嫌気条件で、鉄または鉄を含む合金と接するまたはこれらを含む水の中に存在させると、水が分解してpHが上昇する。特にpH8.3を超えると、本発明の微生物の増殖速度が抑制される。また、二酸化炭素を含むガスを水と接触させると、二酸化炭素が溶解して重炭酸または炭酸となり、酸性化する。本発明の微生物は、pH6未満で増殖速度が落ちる。このため、二酸化炭素を含むガスと接触させる水のpHは、6以上8.3以下に、例えば、アルカリ又は酸を用いて維持することが望ましい。尚、pHを維持することで、本発明の微生物の良好な増殖が可能となる。
具体的な、ケースで想定すると、わが国の一世帯あたりの平均的な二酸化炭素排出量は、4800kg/年・世帯と報告されている。(非特許文献9)
上記式(1)〜式(3)で記述した二酸化炭素の削減メカニズムを仮定すると、仮に一世帯で発生する二酸化炭素の一割にあたる480kgの二酸化炭素の削減を考える場合、必要な鉄の質量は1400kgとなる。
仮に、表1の鉄炭酸培地のように、培養液1Lあたり鉄を75g添加する場合、すなわち鉄を質量体積比で7.5%添加する場合を仮定すると、上記、1400kgの鉄を体積1900m3、すなわち10 m x 10 m x 20 m程度の規模の培養タンクに1400kgの鉄を入れることで、一家庭で排出するCO2の一割を吸収できることになる。
これは、あくまで、表1の培養液の組成を仮定した場合であり、培養条件の最適化によって、培養タンクの容積を縮小して、体積あたりの二酸化炭素の削減効率を高めることは十分可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範囲が限定されるものではない。
{実施例1}KA1株の系統解析
1.ゲノムDNAの単離
本発明の微生物KA1株の検体を、顆粒状鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源とした培地で37℃で14日間培養した。ついで集菌した菌体から、Zhouらの方法(Zhou, J. -Z., M. A. Bruns, and J. M. Tiedje. Applied and Environmental Microbiology 62:316-322. 1996)によりゲノムDNAを抽出した。
2.16S rDNAの単離及び配列決定分析
得られたゲノムDNAを鋳型として16S rDNAフラグメントのPCR増幅を行った。なお、PCRは、TaKaLa LA Taq (TAKARA, Japan)と以下のプライマー(ARC8F及びARC1406R) (Huber, H., M. J. Hohn, R. Rachel, T. Fuchs, V. C. Wimmer, and K. O. Stetter. Nature 417:63-67. 2002)を用いて、T-3000 Thermocycler (Biometra, Germany)上でサーマルサイクルを行った。
プライマー;
ARC8F: 5’-TCYGGTTGATCCTGCC-3’ (配列番号2)
ARC1406R: 5’-ACGGGCGGTGTGTRCAA-3’ (配列番号3)
得られたDNAフラグメントをQIAquick PCR Purification Kit (QIAGEN, USA)を用いて精製し、pGEM-T vector (Promega, USA)とライゲーションさせ、大腸菌コンピテントセルを形質転換させる事によりDNAフラグメントをクローン化した。クローンからQIAquick Miniprep Purification Kit (QIAGEN, USA)を用いてプラスミドを抽出・精製して、サイクルシークエンシング反応に供した。なお、サイクルシークエンシング反応には、ABI PRISM BigDye Terminator Kit (Applied Biosystems, USA)と以下のプライマー(T7W及びSP6W)を用いて、T-3000 Thermocycler (Biometra, Germany)上でサーマルサイクルを行った。
T7W: 5’-TAATACGACTCACTATAGGGC-3’ (配列番号4)
SP6W: 5’-ATTTAGGTGACACTATAGAATACTC-3’ (配列番号5)
反応生成物を、DyeEx2.0 Spin Kit (QIAGEN, USA)を用いて精製し、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems, USA)で配列決定を行い、さらにAuto Assembler (Applied Biosystems, USA)を用いて各シークエンス断片を結合させ、目的の16S rDNAの塩基配列を得た。
決定されたKA1株の16S rDNA塩基配列を配列番号1に示す。
3.16S rDNA遺伝子の塩基配列を用いた分子系統樹の作製
KA1株の16S rDNA塩基配列に類似する塩基配列をGenBank (GenBank/EMBL/DDBJ 国際DNA配列データベース)から検出するために、BLAST (Altschul, S. F. ら、Nucleic Acids Research 25:3389-3402, 1997)による相同検索を行った。さらに、近隣結合法 (Saitou, N. and Nei, M., Molecular Biology and Evolution 4:406-425, 1987)による分子系統樹を作製した。進化距離の算出には、木村の2変数法 (Kimura, M., Journal of Molecular Evolution 16:111-120, 1980)を用いて、各系統枝の信頼度をブーツストラップ法 (Felsenstein, J., Evolution 39:783-791, 1985)により評価した。
4.結果
得られたKA1株の分子系統樹解析の結果を図1に示す。図1から、KA1株は、メタノコッカレス(Methanococcales)目、メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科のメタノコッカス マリパルディス(Methanococcus maripaludis)と系統枝を形成し、その枝はブーツストラップ確立100%で支持された。
{実施例2}液体培地における鉄の腐食実験
1.種菌の調整
KA1株を血清ビンに顆粒状鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源とした培地で、37℃で14日間培養した。これを以下の実験に使用する種菌とした。
2.金属試料の調整
顆粒状鉄3.0 gを窒素雰囲気下で122 ml容血清ビンに内封し、オートクレーブ滅菌した。
3.培養
気相(N2:CO2 = 80%:20%)雰囲気下で、122 ml容血清ビンに培地40 mlを無菌的に添加した。
次いで、準備した培地に上記種菌を接種し、37℃で14日間静地培養した。
4.二価鉄、水素、メタン、菌数の定量
培養物から数日ごとに培養液及び気相を抜き取り、培地中に溶出した鉄の量、気相に含まれるメタンの量を定量した。なお、種菌を接種していないサンプルを対照サンプルとした。
二価鉄の定量はo-phenanthrolineを利用した比色法を用いた(Sandell, E. B. Colorimetric Determination of Trace Metals, 2nd ed. P.362. John Wiley and Sons, Inc., New York. 1950)。標準としてはFeSを用いた。
サンプル中の気相のメタンの生成量をガスクロマトグラフィーにより定量した。なお、ガスクロマトグラフィーの条件は以下の表3に示した通りであった:
Figure 2008043258
5.結果
定量結果を図2から図4に示す。
図2より、JJ株及び無菌の対照では殆ど培地中に鉄が溶出せず、腐食が起こっていないのと比較して、本発明の微生物KA1株を接種したサンプルでは、培地中に溶出した鉄の量が著しく増大し、激しい腐食が起こることが確認された。また、この鉄の溶出に伴い、図3により、本発明の微生物KA1株によりメタンの発生が確認された。また、この鉄の溶出に伴い、図4により、本発明の微生物KA1株では微生物数が増加していることが確認された。従って、本発明の微生物KA1株はメタン生産に伴って鉄を腐食させることが示された。
{実施例3}腐食材料における当該微生物の検出
1.種菌の調整
本発明の微生物KA1株を含む集積培養物を、血清ビンに顆粒状鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源とした培地で、37℃で14日間培養した。これを以下の実験に使用する種菌とした。
2.金属試料の調整
炭素綱片10 gを窒素雰囲気下で122 ml容血清ビンに内封し、オートクレーブ滅菌した。
3.培養
気相(N2:CO2 = 80%:20%)雰囲気下で、122 ml容血清ビンに培地40 mlを無菌的に添加した。
次いで、準備した培地に上記種菌を接種し、37℃で14日間静地培養した。
4.ゲノムDNAの単離
炭素綱片の付着物を回収し、Zhouらの方法(Zhou, J. -Z., M. A. Bruns, and J. M. Tiedje. Applied and Environmental Microbiology 62:316-322. 1996)により、付着物よりゲノムDNAを抽出した。
5.16S rDNAの単離及び配列決定分析
得られたゲノムDNAを鋳型として16S rDNAフラグメントのPCR増幅を行った。なお、PCRは、TaKaLa LA Taq (TAKARA, Japan)と以下のプライマー(ARC344F及びARC915R) (Casamayor, E. O., H. Schafer, L. Baneras, C. Pedros-Alio, and G. Muyzer. Applied and Environmental Microbiology 66:499-508. 2000)を用いて、T-3000 Thermocycler (Biometra, Germany)上でサーマルサイクルを行った。
プライマー;
ARC344F: 5’-ACGGGGGYGCAGCAGGCGCGA -3’ (配列番号6)
ARC915R: 5’-GTGCTCCCCCGCCAATTCCT-3’ (配列番号7)
得られたDNAフラグメントをQIAquick PCR Purification Kit (QIAGEN, USA)を用いて精製し、pGEM-T vector (Promega, USA)とライゲーションさせ、大腸菌コンピテントセルを形質転換させる事によりDNAフラグメントをクローン化した。クローンからQIAquick Miniprep Purification Kit (QIAGEN, USA)を用いてプラスミドを抽出・精製して、サイクルシークエンシング反応に供した。なお、サイクルシークエンシング反応には、ABI PRISM BigDye Terminator Kit (Applied Biosystems, USA)と以下のプライマー(T7W及びSP6W)を用いて、T-3000 Thermocycler (Biometra, Germany)上でサーマルサイクルを行った。
T7W: 5’-TAATACGACTCACTATAGGGC-3’ (配列番号4)
SP6W: 5’-ATTTAGGTGACACTATAGAATACTC-3’ (配列番号5)
反応生成物を、DyeEx2.0 Spin Kit (QIAGEN, USA)を用いて精製し、ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Applied Biosystems, USA)で配列決定を行い、目的の16S rDNAの塩基配列を得た。
6.結果
クローン化された50クローンのうち、そのすべてがKA1株の16S rDNA塩基配列と99%以上の相同性を示した。以上の結果より、腐食金属試料からDNAを抽出し、KA1株の特異的遺伝子配列をPCR法により増幅することによって、腐食試料中の菌の検出が行えることが示された。
{実施例4}炭素鋼の耐食性評価実験
容積125mLの密栓可能なガラス容器に、表1に記載の鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源とした培地から鉄のみを除いた耐食性評価試験液を50mL用意した。気相はN2:CO2 = 80%:20%として、この試験液中に、炭素鋼(鉄の質量含有率99%)試験片(10mm×10mm×2mm)を浸漬した。本発明の微生物KA1株を、本腐食試験液に添加した。本腐食試験液中のKA1株の初期添加濃度は3×105細胞/mLであった。37℃で14日間静置して、耐食性を評価した。尚、対照として、微生物を添加しない無菌の系でも耐食性を評価した。
試験片は、試験開始前と、試験後に質量を測定して、腐食速度を求めた。試験後の試験片については、腐食生成物を取り除いて質量測定をおこなった。
結果を表4に示す。
Figure 2008043258
表4に示したように、本発明の微生物KA1株を添加した系では、炭素鋼の腐食が促進された。無菌の系に比べて、腐食速度は約60倍になった。
以上のように、本発明の微生物を用いて、鉄を含む合金の耐食性を評価できる。
{実施例5}鉄を含む合金の耐食性評価実験
容積125mLの密栓可能なガラス容器に、表1に記載の鉄を唯一の電子供与体、炭酸を唯一の炭素源とした培地から鉄のみを除いた耐食性評価試験液を50mL用意した。気相はN2:CO2 = 80%:20%として、この試験液中に、汎用ステンレス鋼(鉄の質量含有率72%)と高耐食性ステンレス鋼(鉄の質量含有率50%)の試験片(10mm×10mm×2mm)を浸漬した。
本発明の微生物KA1株を、本腐食試験液に添加した。本腐食試験液中のKA1株の初期添加濃度は3×105細胞/mLであった。37℃で1ヶ月間静置して、耐食性を評価した。尚、対照として、微生物を添加しない無菌の系でも耐食性を評価した。
試験片は、試験開始前と、試験後に質量を測定して、腐食速度を求めた。試験後の試験片については、腐食生成物を取り除いて質量測定をおこなった。
結果を表5に示す。
Figure 2008043258
表4に示したように、本発明の微生物KA1株を添加した系では、鉄を含む合金である、汎用ステンレス鋼(鉄の質量含有率72%)では無菌の系に比べて、腐食速度が増加すること。高耐食性ステンレス鋼(鉄の質量含有率50%)と汎用ステンレス鋼(鉄の質量含有率72%)を比較すると、高耐食性ステンレス鋼の方が耐食性が高いことが確認された。
以上のように、本発明の微生物を用いて、鉄を含む合金の耐食性を評価できる。
{実施例6}二酸化炭素低減実験1
容積2Lの気密な容器に、0.2μm孔径のフィルタによりろ過して無菌化し、かつ窒素ガスによる曝気で溶存酸素濃度を0.2mg/L未満に下げた海水1Lを入れ、さらに顆粒状鉄100gを添加した。本試験液に本発明の微生物KA1株を初期濃度105 細胞/mLとなるように添加した。この試験液上部の気相部1Lに窒素と二酸化炭素の混合ガス(N2:CO2=80:20)を、大気圧下で1L充填した。本容器を密閉して、37℃で14日間、2rpmで容器ごと天地回転させた。14日後、気相部のガスを回収して、二酸化炭素分析計により気相中の二酸化炭素濃度を分析した。
また、試験液から遠心分離により腐食生成物を含む顆粒状鉄を回収して、X線回折により腐食生成物の構成成分を調べた。
尚、対照として、微生物を添加しない無菌系に関しても試験を行った。
試験開始前の気相と、試験後の気相中の二酸化炭素濃度を表6に示す。
Figure 2008043258
気相の二酸化炭素濃度は本発明の微生物KA1株を添加した系では、大きく削減されたのに対し、無菌系では殆ど削減されなかった。また、表3に記載のガスクロマトグラフで本発明の微生物KA1株を添加した系の試験後の気相のガスを分析した結果、メタンが検出された。
また、本発明の微生物KA1株を添加した系から回収した顆粒状鉄の腐食生成物をX線回折で調べた結果、炭酸鉄が主要な腐食生成物として同定された。
以上の結果より、本発明の微生物KA1株を用いることにより、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を削減できる。
{実施例7}二酸化炭素低減実験2
孔径0.45μm孔径のフィルタで濾過して滅菌した海水1m3に、鉄粉を10kg添加した。この海水中に10体積%の二酸化炭素を含むガスを吹き込むことにより、海水中の溶存酸素濃度を0.2mg/L未満にした。また、海水のpHを6以上8.3以下の範囲に、希釈した塩酸及び希釈した水酸化ナトリウムを加えて維持した。さらにこの海水中に、本発明の微生物KA1株を初期濃度104細胞/mLとなるように添加した。また、対照として、本発明の微生物を添加しない無菌系でも試験した。
吹き込んだ二酸化炭素を含むガスは、回収して、再び、この海水中に吹き込むよう、二酸化炭素を含むガスを海水中に循環させた。大気圧で1m3の10体積%の二酸化炭素を含むガスを1m3/hrの流量で吹き込み、25℃で2週間処理した。
処理前と処理後のこの二酸化炭素を含む牌ガスの二酸化炭素濃度を表7に示す。
Figure 2008043258
表7の試験結果のように、本発明の微生物を添加することにより、排ガスの二酸化炭素濃度が低減した。
図1は、本発明の微生物KA1株の分子系統樹解析の結果を示す図である。 図2は、本発明の微生物KA1株による鉄の腐食試験により発生した培地中の二価鉄の濃度の経時変化を示す図である。 図3は、本発明の微生物KA1株による鉄の腐食試験により発生した気相のメタン濃度の経時変化を示す図である。 図4は、本発明の微生物KA1株による鉄の腐食試験において、試験液中の微生物数の経時変化を示す図である。

Claims (7)

  1. メタノコッカレス(Methanococcales)目メタノコッカシアエ(Methanococcaceae)科に属する受領番号NITE ABP−252で特定される微生物。
  2. 請求項1に記載の微生物を、鉄若しくは鉄を含む合金と接触させ、又は鉄若しくは鉄を含む合金を有する水中に存在させて、当該鉄または鉄を含む合金を腐食させた後、当該腐食量を測定して、前記鉄または鉄を含む合金の前記微生物に対する耐食性を評価することを特徴とする微生物腐食による耐食性の評価方法。
  3. 前記腐食量の測定を、2種類以上の鉄又は鉄を含む合金について行い、それぞれの腐食量の測定結果を比較して、前記2種類以上の鉄又は鉄を含む合金それぞれの前記微生物に対する耐食性を相対的に評価することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. メタンの生成量を測定することによって前記腐食量を測定することを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 鉄又は鉄を含む合金の腐食部位に接して存在する、腐食生成物、水、スラッジ、油、錆、土、又はバイオフィルムを採取し、当該採取物から請求項1に記載の微生物の遺伝子の塩基配列を検出することで、前記鉄又は鉄を含む合金の腐食が前記微生物による腐食かどうかを判定することを特徴とする前記微生物による腐食の判定方法。
  6. 請求項1に記載の微生物と鉄又は鉄を含む合金とを含む水に、二酸化炭素を含むガスを接触させ、前記二酸化炭素を含むガス中の、二酸化炭素濃度を低減させることを特徴とするガス中の二酸化炭素の低減方法。
  7. 請求項1に記載の微生物を、鉄または鉄を含む合金と接するあるいはこれらを含む水中に存在させた水のpHを6以上8.3以下に維持することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
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