JP2008041218A - 光ディスク装置及びサーボ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】近接場光(ニアフィールド光)を利用した光ディスク装置において、SILレンズが光ディスクに衝突するのを避け、レンズダメージを軽減する。
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ光源32と、レーザ光源32から出射されたレーザ光からニアフィールド光を発生するために光ディスク31に近接位置される対物レンズ群33を含む光ヘッド35と、対物レンズ群33を介したレーザ光の戻り光量に基づいて光ディスク31と対物レンズ群32中のソリッドイマージョンレンズ(SIL)33b端面間のギャップを制御するギャップサーボ部38とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】レーザ光を出射するレーザ光源32と、レーザ光源32から出射されたレーザ光からニアフィールド光を発生するために光ディスク31に近接位置される対物レンズ群33を含む光ヘッド35と、対物レンズ群33を介したレーザ光の戻り光量に基づいて光ディスク31と対物レンズ群32中のソリッドイマージョンレンズ(SIL)33b端面間のギャップを制御するギャップサーボ部38とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、近接場光を利用して光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置に関する。また、上記光ディスク装置に適用されるサーボ制御方法に関する。
従来、ディジタルバーサタイルディスク(Digital Versatile Disc:DVD)やブルーレイディスク(Blue-ray)等の光記録媒体(光ディスク)では、光記録媒体と光学ヘッド/光学ピックアップなどのレンズとの距離が1mm程度(DVDの場合)や200μm程度(Blue-rayの場合)開いている。このためレンズがディスクに衝突した場合のレンズダメージを軽減するために、例えば、レンズをプロテクトする保護材をレンズ周辺部に備えるなどしていた。
また、下記特許文献1には、フォーカス外れから復帰する際に対物レンズがディスク面に衝突してディスクを傷付けることを防止するとともに、フォーカス引き込みを迅速かつ正確に行うことを目的とし、フォーカスサーボ外れ時に、回避駆動信号をアクチュエータに印加して対物レンズをディスク記録面から離す方向に移動させる技術が開示されている。
また、下記特許文献2には、複数の記録層を持つ光ディスクを再生する光ディスク装置において、各記録層間の信号干渉によるフォーカスエラー信号の乱れ、ディスクの面ぶれ、ディスクの傷などによってフォーカスジャンプが失敗したときに、対物レンズとディスクが衝突して、ディスクに致命的な傷が付くのを防止することを目的とし、ディスクの傷などによりフォーカスジャンプの成功確立が低いエリアでは、フォーカスジャンプをオフする技術が開示されている。
ところで、近年、記録密度の高密度化、大容量化の要求から、開口数の大なる集光レンズを利用して、光記録媒体に対して近接場光を照射して記録、再生を行う方法が提案されている。このような近接場項を利用する集光レンズとして、ソリッドイマルジョンレンズ(Solid Immersion Lens:以下、SILと表記する)と非球面レンズ等の光学レンズとを組み合わせた開口数1以上を実現する集光レンズが提案されている。
近接場光を用いた光記録再生装置において、光ヘッドのSILなどの先端側レンズの端面と、光記録媒体の信号記録面との距離は、入射光の波長の1/4程度とされ、現在用いられている光源の波長範囲では略100nm以下、数十nm程度に保持することが要求されている。
しかし、上記近接場光を用いて光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置では、上記SILの端面と光記録媒体間が、100nm以下、数十nm程度、好ましくは例えば20nm程度に保持されているので、従来の例のようにレンズをプロテクトする保護材をレンズ周辺部に備えることは、物理的に不可能である。
また、上記特許文献1、特許文献2に開示されている技術をSILを用いたシステムに適用するのは、そのギャップ間距離が数十nmという距離であることから、極めて困難である。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、近接場光(ニアフィールド光)を利用した光ディスク装置において、SILレンズが光ディスクに衝突するのを避け、レンズダメージを軽減することを目的とする。
本発明に係る光ディスク装置は、上記課題を解決するために、近接場光を利用して光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置において、レーザ光を出射する光源と、上記光源から出射されたレーザ光から近接場光を発生するために上記光記録媒体に近接位置される対物レンズ群を含む光学手段と、上記光学手段を介した上記レーザ光の戻り光量に基づいて上記光記録媒体と上記光学手段のギャップを制御しながら、上記光記録媒体に発生するデフェクトを判定し、デフェクトの判定回数に基づいてギャップサーボを行うギャップサーボ手段とを備える。
例えば、ニアフィールド光ディスク装置におけるギャップサーボにあっては、ギャップサーボ動作中に、予め設定しておいた閾値をギャップエラーが超える回数が所定の回数を超えた場合に、ギャップサーボを強制的にオフにする。レンズとディスクとの衝突を回避することができる。
また、本発明に係る光ディスク装置は、ギャップサーボ手段によってギャップサーボが行われている状態で、光学手段の上記光記録媒体上に照射した上記近接場光の戻り光を用いて上記光記録媒体上のトラックに対する上記光学手段のトラッキングを行うトラッキングサーボ手段をさらに備える。
例えば、ニアフィールド光ディスク装置におけるトラッキングサーボにあっては、トラッキングサーボ動作中に、予め設定しておいた閾値をトラッキングエラーが超える回数が所定の回数を超えた場合に、トラッキングサーボを強制的にオフにする。レンズとディスクとの衝突を回避することができる。
本発明に係るサーボ制御方法は、上記課題を解決するために、近接場光を利用して光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置によって実行されるサーボ制御方法において、光源より出射されたレーザ光から近接場光を発生するために上記光記録媒体に近接位置される対物レンズ群を含む光学手段を介した上記レーザ光の戻り光量に基づいて上記光記録媒体に発生するデフェクトを判定するデフェクト判定工程と、上記デフェクト判定工程で判定したデフェクトの判定回数に基づいて上記光記録媒体と上記光学手段のギャップサーボを行うギャップサーボ工程とを備える。
このサーボ制御方法は、デフェクト判定工程が光源より出射されたレーザ光から近接場光を発生するために上記光記録媒体に近接位置される対物レンズ群を含む光学手段を介した上記レーザ光の戻り光量に基づいて上記光記録媒体に発生するデフェクトを判定し、ギャップサーボ工程がデフェクト判定工程で判定したデフェクトの判定回数に基づいて上記光記録媒体と上記光学手段のギャップサーボを行う。
このサーボ制御方法は、ギャップサーボ工程によってギャップサーボが行われている状態で、上記光学手段の上記光記録媒体上に照射した上記近接場光の戻り光を用いて上記光記録媒体上のトラックに対する上記光学手段のトラッキングを行うトラッキングサーボ工程をさらに備える。
したがって、このサーボ制御方法をニアフィールド光ディスク装置におけるギャップサーボに適用すれば、ギャップサーボ動作中に、予め設定しておいた閾値をギャップエラーが超える回数が所定の回数を超えた場合に、ギャップサーボを強制的にオフにすることができる。このため、レンズとディスクとの衝突を回避することができる。
また、ニアフィールド光ディスク装置におけるトラッキングサーボに適用すれば、トラッキングサーボ動作中に、予め設定しておいた閾値をトラッキングエラーが超える回数が所定の回数を超えた場合に、トラッキングサーボを強制的にオフにすることができる。このため、レンズとディスクとの衝突を回避することができる。
本発明によれば、近接場光を利用して光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置において、傷、ダスト等のディスク上のデフェクトがあった場合に、その影響からレンズ、ディスクを保護するために、強制的にサーボをオフする手段を提供する。本手法により、レンズ、メディアの衝突によるダメージを軽減し、ニアフィールド光ディスクシステムの信頼性を高めることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限定されないものとする。
図1は、本発明の実施の形態による光ディスク再生装置の構成を示す図である。この光ディスク再生装置は、近接場光(ニアフィールド光)を利用して光ディスク31から信号を再生するニアフィールド光ディスク再生装置である。
このニアフィールド光ディスク再生装置は、レーザ光を出射するレーザ光源32と、レーザ光源32から出射されたレーザ光からニアフィールド光を発生するために光ディスク31に近接位置される対物レンズ群33を含む光ヘッド35と、対物レンズ群33を介したレーザ光の全反射戻り光量に基づいて光ディスク31と対物レンズ群32中の後述するソリッドイマージョンレンズ(SIL)33b端面間のギャップを制御するギャップサーボ部38とを備える。
対物レンズ群(二群レンズ)33は、図2に示すようにNA<1以下の非球面レンズ33aと、屈折率nのソリッドイマージョンレンズ(SIL)33bからなり、この2つのレンズを組み合わせることで、NA>1のレンズを形成している。例えば、超半球型のSILを用いた場合は、NAは次の式(1)のように表せる。
NA=n2*NA ・・・(1)
非球面レンズ33aは、入射されたレーザ光を収束させてSIL33bに入射させる。SIL33bは、球形レンズの一部を山型に切り取り、その頂上部を例えば平坦にしたものである。詳しくは、図3に示すように、超半球型に形成されており、球面330を非球面レンズ33a側に、反対側であるディスク側には山を形成するように、テーパ331が形成され、そのテーパ331はディスク31の面と平行に保たれるように形成された、平坦部(山頂部)331に対して、あたかも山頂に至る尾根のように位置している。よって、平坦部331は、下部から見ると円形状となり、その直径は例えば約40μmである。
NA=n2*NA ・・・(1)
非球面レンズ33aは、入射されたレーザ光を収束させてSIL33bに入射させる。SIL33bは、球形レンズの一部を山型に切り取り、その頂上部を例えば平坦にしたものである。詳しくは、図3に示すように、超半球型に形成されており、球面330を非球面レンズ33a側に、反対側であるディスク側には山を形成するように、テーパ331が形成され、そのテーパ331はディスク31の面と平行に保たれるように形成された、平坦部(山頂部)331に対して、あたかも山頂に至る尾根のように位置している。よって、平坦部331は、下部から見ると円形状となり、その直径は例えば約40μmである。
ニアフィールド光ディスク装置では、SIL33b端面と光ディスク31間を、λ/4
以下に保持することで、NA>1以上の光をエバネセント光としてディスク側に透過させ、あるいはレンズ側にディスクからの反射光を戻している。このエバネセント光により信号を記録、再生することが、ニアフィールド光ディスク装置の特徴である。また、エバネセント光を得るために、レンズとディスク間をλ/4以下、例えば波長=405nmであれば、略100nm、さらに好ましいレベルのエバネセント光を得るため20nm程度に保持する必要があることも、従来の光ディスクと異なる大きな特徴である。
以下に保持することで、NA>1以上の光をエバネセント光としてディスク側に透過させ、あるいはレンズ側にディスクからの反射光を戻している。このエバネセント光により信号を記録、再生することが、ニアフィールド光ディスク装置の特徴である。また、エバネセント光を得るために、レンズとディスク間をλ/4以下、例えば波長=405nmであれば、略100nm、さらに好ましいレベルのエバネセント光を得るため20nm程度に保持する必要があることも、従来の光ディスクと異なる大きな特徴である。
光ヘッド35は、レーザ光源32から出射されたレーザ光を対物レンズ群33にフォーカス調整をして導くと共に対物レンズ群33からの戻り光を後述する二つの検出部36及び37に導くフォーカス&偏光光学部34も備える。なお、レーザ光源32は広い意味では光ヘッド35に含まれるが、発明の構成要件を明確にするために、本明細書では光ヘッド35と別に特定している。
図4にはニアフィールド光ディスク装置の光ヘッド35の詳細を示す。この光ヘッド35にあって、青色LEDのような半導体レーザ(Blue LD)であるレーザ光源32から出射されたレーザ光は、紙面に平行な偏光面(矢印記号348)を持つ直線偏光レーザ光であり、上記フォーカス&偏光光学部34中のコリメータレンズ341によって平行光束とされてから偏光ビームスプリッタ(PBS)342に入射する。レーザ光源32から、出射されたレーザ光の波長は例えば405nmである。
偏光ビームスプリッタ342を透過した上記レーザ光は、さらに偏光ビームスプリッタ343を透過してから、結晶軸が入射偏光方向に対して45°傾けられて配置された四分の一波長(λ/4)板(QWP)344を透過して円偏光とされてから、フォーカス調整用のエキスパンダレンズ群345に導かれる。エキスパンダレンズ群345は、凹レンズ345aと凸レンズ345bの組み合わせから成り、円偏光とされたレーザ光のフォーカスを調整するフォーカス調整部として用いられる。エキスパンダレンズ群345を通過したレーザ光は、SIL33bとともに対物レンズ群33を構成する非球面レンズ33aに入射する。
SIL33b端面と光ディスク31間のギャップGが上述したように、λ/4以下、例えば20nmに保持されると、上記レーザ光は、SIL33b端面からエバネセント光としてディスク側に透過される。このエバネセント光は、NA>1以上の光となり、ディスク側に透過されることによって、光ディスクの信号記録面に集光され、このエバネセント光により信号を記録、再生することできる。上記ギャップがλ/4より大きいとSIL端面での全反射光は、後述するように規格化して1.0となる。上記ギャップがλ/4以下となると、エバネセント光が生じ、NA>1の成分の光の一部がディスク側に入射されるため全反射戻り光量は減少することになる。
この光ヘッド35は、凹凸のピットパターンにより情報信号が記録された光ディスク、あるいは、相変化を利用して情報信号が記録される光ディスクに情報を記録/再生するために用いられる。すなわち、この光ヘッド35に設けたレーザ光源32から出射され、非球面レンズ33aとSIL33bからなる対物レンズ群33によって集光されて光ディスク31の信号記録面に照射された光束は、この信号記録面によって反射され、再び対物レンズ群33に入射される。
光ディスク31の信号記録面からの反射光は、光ディスクの信号記録面に形成されたピットパターンの有無などにより異なる反射の仕方をして再び対物レンズ群33に入射する。対物レンズ群33に入射した反射光は、SIL33b及び非球面レンズ33a、凸レンズ345b及び凹レンズ345aからなるエキスパンダレンズ群345、さらにQWP344を透過してPBS343に入射される。
PBS343は、QWP344を透過してきた戻り光を入射レーザ光と垂直な偏光面を持つ光成分(紙面に垂直な記号350)と、平行な偏光面を持つ光成分(紙面に平行な矢印記号349)とに分離する。前者(入射レーザ光と垂直な偏光面を持つ光成分)は、光ディスク31に記録された情報を再生したRF信号であり、第1の検出器36に検出される。後者は入射レーザ光と平行な偏光面を持つ光成分であり、全反射戻り光として、図5のような特性を持つ信号として第2の検出器37に検出される。
ギャップサーボに用いられるギャップエラー信号は、例えば第2の検出器37が二分割検出領域を有しているのであれば、それら二分割検出領域の検出信号の和信号として得られる。また、トラッキングサーボに用いられるトラッキングエラー信号は、二分割検出領域の差信号、つまりプッシュプル信号として得られる。もちろん、第2の検出器37が四分割検出領域を有するものであれば、それに適した方法により、ギャップエラー信号、トラッキングエラー信号が生成されることになる。
図1に戻り、ニアフィールド光ディスク再生装置の構成をさらに説明する。このニアフィールド光ディスク再生装置は、第1の検出器36によって検出されたRF信号に再生信号処理を施して出力端子41に供給するRFアンプ39と、ギャップサーボ部38によってギャップサーボが行われている状態で、光ディスク31上の記録トラックに対する光ヘッド35のトラッキングを制御するトラッキングサーボ部40を備える。さらに、第1の検出器36又は第2の検出器37の検出信号などに基づいて光ディスク1のスピンドルモータ43の回転を制御するスピンドルサーボ部42も備える。
以上のような構成を備えるニアフィールド光ディスク再生装置の動作原理などについて以下に説明する。図5は、横軸をギャップ長、縦軸をSIL端面での全反射戻り光量としている。図5に示す光量の特徴として、エバネセント光が生じる距離以上(λ/4以上)では、エバネセント光は生じず、NA>1の成分の光が全てSIL端面で全反射される。このため、戻り光は一定となる。例えば、規格化して1.0とする。
一方、エバネセント光が生じる距離以下(λ/4以下)では、エバネセント光が生じ、NA>1の成分の光の一部がディスク側に入射されるため全反射戻り光は減少する。そして、SIL端面とディスク間が完全接触するところで、全反射戻り光はゼロとなる。従って、図5のような特性となる。このエバネセント光が生じる距離以下(λ/4以下)では、ギャップ長と全反射戻り光量の関係は、略線形となる。ギャップ長が0でSIL端面とディスク間が完全に接触するところでは、全反射光量は0となり、SIL端面からディスク側には全ての光量がエバネセント光として照射される。しかし、SIL端面と光ディスクとを接触させることは、双方を傷つけてしまうことになりかねない。そこで、この実施の形態では、望ましいRF信号レベルが得られ、かつSIL端面とディスクとの接触が避けられるということで、上記ギャップ長を例えば20nmとしている。もちろん、このギャップ長は、20nmに限定されるものではなく、使用するレーザ光の波長に基づいて異なる。
エバネセント光により情報信号を光ディスクの信号記録層に記録再生を安定に行うためには、上述したようにSILのようなレンズ端面とディスク間を、λ/4以下、例えば20nm一定に保持する必要がある。このためには、図5において、λ/4以下の全反射戻り光量をギャップエラー信号として、フィードバックサーボを行うことで実現できる。つまり、λ/4以下では、上述したように、ギャップ長と全反射戻り光は線形な関係が成立するので、全反射戻り光量を一定に制御することで、ギャップ長を一定に保持することが可能である。
図6には、上述したように、ギャップ長と全反射戻り光量の線形な関係を利用したギャップサーボ部38’のブロック図を示す。ただし、このギャップサーボ部38’は、本実施の形態のニアフィールド光ディスク再生装置で用いているギャップサーボ部38とは異なり、光ディスク31に発生するデフェクトの判定回数に基づいてギャップサーボを行ってはいない。
図6において、入力端子51に供給されるrは目標値(図5に示した0.4に相当)、Cは制御器(例えば、PID、位相進み補償)53、Pはアクチュエータ54、yは出力端子18から出力されると共にフィードバック経路56により減算器52に戻される全反射戻り光量である。全反射戻り光量yを減算器52を用いて目標値にフィードバックすることで、ギャップを一定に保持することが可能となる。詳細な動作には以下のとおりである。減算器52により目標値rと全反射戻り光量yとの差分を算出し、これを偏差として制御器53に入力する。制御器53の出力を制御量として制御対象である対物レンズ群(二群レンズ)33が内蔵されたアクチュエータ、例えばピエゾ素子を駆動することで、全反射戻り光量yを一定量の制御目標値rに合致するようにする。
SIL端面とディスクとのギャップを一定に保持した場合、全反射戻り光量は図7のようになる。図7は横軸に時間を、縦軸に全反射戻り光量をとったものである。上記ギャップを例えば20nmに保つことができれば、全反射戻り光量は時間が経過しても0.4一定となる。これは理想的な特性図であり、光ディスク上に傷もダストも全くない状態のものである。
ところが、ディスクにデフェクト(ダスト、傷)があると、図8の縦軸に示した全反射戻り光量上に表れるギャップエラー信号にスパイク61(61a及び61b)、62(62a及び62b)、63(63a及び63b)が生じる。これらスパイクが発生しているときには、SIL端面がディスクに衝突する可能性がある。
図9の(a)には、ディスク31上の傷64を示す。傷64がなければSIL33b端面332とディスク31の間のギャップGの大きさ(距離)はgである。しかし、ディスク31に傷64があるとSIL33b端面332とディスク31の間のギャップGの大きさg’となる。もちろん、g’>gである。図5に示した特性図によれば、ギャップエラーが例えば20nmであるようなxより大きくなると、全反射光量は0.4より大となり、よって、図9の(b)に示すように上方向にスパイク61aが生じる。下方向には、スパイクの反動としてオーバーシュート61bが現れる。
また、図10の(a)には、ディスク上のダスト65を示す。ダスト65がなければSIL33bの端面332とディスク31の間のギャップGの距離はgである。しかし、ディスク31にダスト65があるとSIL33bの端面332とディスク31の間のギャップGの距離はg''となる。もちろん、g''<gである。図5に示した特性図によれば、ギャップエラーが例えば20nmであるようなxより小さくなると、全反射光量は0.4より小となり、よって、図10の(b)に示すように下方向にスパイク63aが生じる。上方向には、スパイク63aの反動としてオーバーシュート63bが現れる。
以上に説明したディスク上に傷とダストがあった場合の現象は後述のデフェクト判定器の判定原理に関係する。つまり、ディスク上に傷64があった場合、傷64の箇所では、SIL33bとディスク31間の距離がg’のようにgより遠くなるため、ギャップエラーは大きくなる。一方、ディスク31上にダスト65があった場合。ダスト65の箇所では、SIL33bとディスク31間の距離g''がgより短くなるため、ギャップエラーは小さくなる。デフェクト判定器は、スパイク部に応じたギャップエラーの大小が所定の閾値を超える回数に応じてデフェクトを判定する。詳細は後述する。
図8、図9及び図10に示した上方向及び下方向のスパイク部分で、SIL33bがディスク31に衝突する可能性があり、衝突した場合、レンズ、メディアが破損する恐れがある。
本実施の形態では、上述したようなスパイク部分を後述のデフェクト判定器で検出し、SILがディスクに衝突し、レンズ、メディアが破損する恐れがある場合、ギャップサーボを強制的にオフにする。
図11には、デフェクト判定器77を組み込んだギャップサーボ部38のブロック図を示す。図1に示した本実施の形態のニアフィールド光ディスク装置で用いられるギャップサーボ部38の詳細な構成である。このギャップサーボ部38は、光ディスク31に発生するデフェクトの判定回数に基づいてギャップサーボを行う。
図11において、入力端子71に供給されるrは目標値(図5に示した0.4に相当)、Cは制御器(例えば、PID、位相進み補償)73、Pはアクチュエータ75、yは出力端子76から出力されると共にフィードバック経路78によりデフェクト判定器77に供給される全反射戻り光量である。デフェクト判定器77は全反射戻り光量yを用いて光ディスク31に発生した傷やダストのようなデフェクトを判定する。このデフェクト判定器77は、判定したデフェクトの判定回数に基づいて、切り換えスイッチ74のオン又はオフを制御する。
また、全反射戻り光量yはデフェクト判定器77及び減算器72を介して、目標値rにフィードバックされることで、ギャップを一定に保持することが可能となる。詳細な動作は以下のとおりである。減算器72により目標値rと全反射戻り光量yとの差分を算出し、これを偏差として制御器73に入力する。制御器73の出力を制御量として制御対象である対物レンズ群(二群レンズ)33が内蔵されたアクチュエータ、例えばピエゾ素子を駆動することで、全反射戻り光量yを一定量の制御目標値rに合致するようにする。
さらに、制御器73とアクチュエータ75との間に設けた切り換えスイッチ74を、デフェクト判定器77の判定結果に基づいてオン又はオフし、SILレンズが光ディスクに衝突するのを避け、レンズダメージを軽減する。
また、デフェクト判定器77の判定結果は、システム制御部に供給され、システム制御部がデフェクト判定器によるデフェクトの判定回数に基づいて切り換えスイッチ74のオンオフを制御してもよい。
図12にデフェクト判定器77の処理手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS1にて、最初に、デフェクトカウンタを初期化する(N=0)。次に、ギャップサーボを開始し、かつディスク回転を開始する(ステップS2)。ギャップサーボ、ディスク回転の順序は問わない。
次に、図11に示すような閾値Th1より全反射戻り光量yが大きいか、または閾値Th2より全反射戻り光量yが小さいかをステップS3にて判定する。これは、図8、図9及び図10を参照して既に説明した上方向又は下方向へのスパイク部、またはそのオーバーシュートがこれら閾値Th1、Th2を超えたことを検出するものである。閾値Th1はディスク上の傷の影響を検出するための基準値(所定値)であり、ピーク部分が閾値Th1を超えてしまったスパイク部があるか否かを判定することになる。また、閾値Th2はディスク上のダストの影響を検出するための基準値(所定値)であり、ピーク部分が閾値Th2より小さいスパイク部があるか否かを判定することになる。
つまり、閾値Th1はディスク上の傷の影響検出に、閾値Th2はディスク上のダストの影響検出に用いる。上述したように、ディスク上に傷があった場合、傷の箇所では、SIL端面とディスク間の距離が長く(遠く)なるため、ギャップエラーは大きくなる。一方、ディスク上にダストがあった場合、ダストの箇所では、SIL端面とディスク間の距離が近く(短く)なるため、ギャップエラーは小さくなる。
デフェクト判定器77は、図13に示すように、ギャップエラー61a等が閾値Th1より大きいか、又はエラー63a等が閾値Th2より小さい場合は、デフェクトの影響があると判断し、ステップS4にてデフェクトカウンタ値Nを1プラス(N+1)する。さらに、このデフェクト判定器77は、ステップS5にて所定のデフェクトカウンタ閾値αを設定し、このデフェクトカウンタ閾値αよりカウント値Nが小さい場合は、影響が軽微であると判断し、切り換えスイッチ74をオンにしたままにし、そのままギャップサーボを続ける。一方、カウンタ値Nがデフェクトカウンタ閾値αより大きい場合は、影響が大きいと判断し、切り換えスイッチ74をオフしてギャップサーボを停止する(ステップS6)。
ニアフィールド光ディスク装置にあっては、上述したように、SIL端面と光ディスク間のギャップが例えば僅か20nmであるので、例えば一時的にホコリなどのダストが付着すると、すぐにステップS3にあっては、全反射戻り光量が閾値Th1又はTH2を超えるか又は下回る。そこで、ギャップサーボを停止すると、ギャップサーボの停止が頻繁に発生してしまいかねない。このため、ステップS5のデフェクトカウンタ閾値αの設定及びその比較が必要となる。例えば、デフェクトカウンタ閾値αは、100トラック当たりの基準値でよいし、ディスク1枚の再生が終わるまでの間の基準値でもよい。ギャップサーボが開始された以降、ギャップサーボが終了するまでの間における基準値としてもよい。
次に、本実施の形態のニアフィールド光ディスク装置にて行われるトラッキングサーボについて説明する。上述したように、図1のトラッキングサーボ部40は、ギャップサーボ部38によってギャップサーボが行われている状態で、光ディスク31上の記録トラックに対する光ヘッド35のトラッキングを制御する。トラッキングサーボ部40は、第2の検出器37の検出出力に基づいて得られるトラッキングエラー信号にしがたって光ヘッド35、詳細には対物レンズ群33のSIL33bから照射される近接場光のトラックに対するトラッキングを行う。第2の検出器37が二分割検出領域を有しているのであれば、前述したようにそれらのプッシュプル信号としてトラッキングエラー信号が得られる。
図14は、トラッキングサーボ部40のブロック図を示す。トラッキングサーボ部40は、デフェクト判定器87を有しており、光ディスク31に発生するデフェクトの判定回数に基づいてトラッキングサーボを行う。トラッキングサーボ動作中に、予め設定しておいた閾値をトラッキングエラー信号が超える回数が所定の回数を超えた場合に、トラッキングサーボを強制的にオフにする。レンズのディスク衝突によるダメージを軽減する効果がある。
図14において、入力端子81に供給されるrはトラッキングエラー信号の目標値であり、例えば0.0である。Cは制御器(例えば、PID、位相進み補償)83、Pはアクチュエータ85、tは出力端子86から出力されると共にフィードバック経路88によりデフェクト判定器87に供給されるトラッキングエラー信号である。デフェクト判定器87はトラッキングエラー信号tを用いて光ディスク31に発生した傷やダストのようなデフェクトを判定する。このデフェクト判定器87は、判定したデフェクトの判定回数に基づいて、切り換えスイッチ84のオンオフを制御する。
トラッキングエラー信号tはデフェクト判定器87及び減算器82を介して、目標値rにフィードバックされることで、トラッキングエラーを一定(0.0)に保持することが可能となる。詳細な動作は以下のとおりである。減算器82により目標値rとトラッキングエラー信号tとの差分を算出し、これを偏差として制御器83に入力する。制御器83の出力を制御量として制御対象である対物レンズ群(二群レンズ)33が内蔵されたアクチュエータ、例えばピエゾ素子を駆動することで、トラッキングエラー信号tを一定量の制御目標値rに合致するようにする。
さらに、制御器83とアクチュエータ85との間に設けた切り換えスイッチ84を、デフェクト判定器87の判定結果に基づいてオン又はオフし、SILレンズが光ディスクに衝突するのを避け、レンズダメージを軽減する。
また、デフェクト判定器87の判定結果は、システム制御部に供給され、システム制御部がデフェクト判定器によるデフェクトの判定回数に基づいて切り換えスイッチ84のオン又はオフを制御してもよい。
図15にデフェクト判定器87の処理手順を説明するためのフローチャートを示す。この処理手順は、既にギャップサーボ部38によりギャプサーボが行われていることが前提となっている。まず、ステップS11にて、最初に、デフェクトカウンタを初期化する(N=0)。次に、トラッキングサーボを開始する(ステップS12)。
次に、図16に示すような閾値Th1よりトラッキングエラー信号tが大きいか、または閾値Th2よりトラッキングエラー信号tが小さいかをステップS13にて判定する。これは、光ディスク31上の傷、ダストによって発生する上方向又は下方向へのスパイク部、またはそのオーバーシュートがこれら閾値Th1、Th2を超えたことを検出するものである。閾値Th1はディスク上の傷の影響を検出するための基準値(所定値)であり、ピーク部分が閾値Th1を超えてしまったスパイク部があるか否かを判定することになる。また、閾値Th2はディスク上のダストの影響を検出するための基準値(所定値)であり、ピーク部分が閾値Th2より小さいスパイク部があるか否かを判定することになる。
デフェクト判定器87は、トラッキングエラー信号tが閾値Th1より大きいか、又は閾値Th2より小さい場合は、デフェクトの影響があると判断し、ステップS14にてデフェクトカウンタ値Nを1プラス(N+1)する。さらに、このデフェクト判定器87は、ステップS15にて所定のデフェクトカウンタ閾値αを設定し、このデフェクトカウンタ閾値αよりカウント値Nが小さい場合は、影響が軽微であると判断し、切り換えスイッチ84をオンにしたままにし、そのままトラッキングサーボを続ける。一方、カウンタ値Nがデフェクトカウンタ閾値αより大きい場合は、影響が大きいと判断し、切り換えスイッチ74をオフしてトラッキングサーボを停止する(ステップS16)。
なお、トラッキングサーボ部40によるトラッキングサーボは、ギャップサーボが既に行われていることが前提であり、ギャップサーボがかかっていないとトラッキングサーボは行われない。しかし、ギャップサーボは、トラッキングサーボが行われていない状態、つまりトラッキングサーボがオフの状態でも実行される。ギャップサーボ部38側から見ればトラッキングサーボとは独立してギャップサーボを行っていることになる。
以下には、本実施の形態のニアフィールド光ディスク装置におけるギャップサーボ、トラッキングサーボの実験結果を、本発明の特徴であるデフェクト判定を採用していない場合と比較しながら説明する。
図17は、ギャップサーボ時にデフェクトに対して何も対策を採らない場合の実験例を示す。図17の(a)は、デフェクトによりレンズが光ディスクに衝突し、その結果サーボが発振してしまった例である。横軸は時間を、縦軸は全反射戻り光量(ギャップエラー信号)を示している。時刻t1にて閾値Th1を超えるほどのアタック部がディスク上の傷によって発生しているが、一度収束している。しかし、時刻t2では再度、傷又はデフェクトの影響により全反射戻り光量に閾値Th1を超えるアタック部が発生し、それ以降ギャップサーボが発振している。このような状態になると、光ディスクの信号記録面側とSILとが衝突してしまう。図17の(b)はディスク表面の様子であり、ディスクがダメージを強く受けているのがわかる。SILの端面の形跡が残り、それが下方向に連続して衝突している痕跡が残っている。また、図17の(c)には、レンズ上のダメージを示す。直径が例えば40μmであるSILの端面にディスクの材料が付着してしまっている。あるいは、レンズに傷がついてしまっている。この図17より、デフェクトに対して何も手段を講じないとレンズ、ディスク双方にダメージが生じうることが分かる。
図18に本発明を用いた実験例の結果の例を示す。一定以上のデフェクトがあった場合、強制的にギャップサーボを自動的にオフにしている様子がわかる。横軸は時間を、縦軸は全反射戻り光量を示す。時刻t1では、ディスク上の傷の影響でアタック部が生じているが、閾値Th1には至っていない。しかし、時刻t2では閾値Th1を超えてしまうほどのアタック部がディスク上のデフェクトによって生じている。さらに、時刻t3でも閾値Th1を超えてしまうほどのアタック部がディスク上のデフェクトによって生じている。このまま再生を継続すれば、図17のようにレンズとディスクが衝突することになってしまうので、時刻t3の時点でギャップサーボをオフにしている。
図19にトラッキングサーボに本発明を適用した例を示す。図19の(a)では、閾値Th1及びTh2以内にトラッキングエラーが収まっているので問題ないが、図19の(b)では、デフェクトの影響で閾値を超えてる。このため、ある一定以上の回数、閾値Th1、Th2を超えた場合に、トラッキングサーボを強制的にオフにしている。
図20には、ギャップサーボ、トラッキングサーボそれぞれに本発明を独立動作させた例を示す。図20の(a)では、時刻t1で光ディスク上のデフェクトによりトラッキングエラー信号が閾値Tht1を大きく超えそのまま連続して所定回数(α)まで超えたので、トラッキングサーボを強制オフとしているが、ギャップサーボは閾値Thg1を時刻t1で越えたもののその後は収束しているので、そのまま続行している。
図20の(b)では、時刻t1でトラッキングサーボが強制オフ後、しばらくして時刻t2でギャップサーボを強制OFFしている。このように、本発明は、ギャップサーボ、トラッキングサーボそれぞれ独立に適用することが可能である。
また、図12及び図15の処理手順において、カウンタ値Nの閾値αを1として、1回でも閾値Th1,Th2を超えた時点で、サーボを強制的にオフにすることも可能であるが、実用上は、一時的なデフェクト(例えば、空中を浮遊しているダストがレンズに衝突する場合など)に対しても直ちに強制的にオフとなり、実用上は使いにくいものになる。このため、αは1より大きい数が望ましい。
なお、本発明は、ニアフィールド光を用いてディスク状記録媒体に信号を記録するニアフィールド光ディスク記録装置にも適用可能である。このディスク記録装置は、具体的には、レジストが塗布されたガラス原盤の表面に、記録情報に応じて変調されたレーザ光を照射し、記録情報をカッティング記録する、いわゆるカッティングマシーンである。この信号記録装置は、図21に示すように、情報源1、記録信号発生器2、音響光学素子(AOM)3、レーザ素子4、電気−光変換素子(EOM)5、アナライザ6、ビームスプリッタ(BS)7、フォトディテクタ8、18、自動パワー制御装置(APC)9、ミラー10、集光レンズ11、17、コリメータレンズ12、偏光ビームスプリッタ(PBS)13、1/4波長板(λ/4板)14、光ヘッド15、ガラス原盤16、ギャップサーボ部24を有する。
このうち、レーザ素子4は、被照射体(光記録媒体)とされるガラス原盤16に照射されるレーザ光を出射する光源であり、光ヘッド15は、ガラス原盤16に近接配置され、ガラス原盤16にレーザ光による近接場光を集光させる光学手段である。
また、ギャップサーボ部24は、戻り光量(全反射光量)に応じて、光ヘッド15とガラス原盤16との間の距離を制御するギャップ制御手段である。このギャップサーボ部24は、対物レンズ群を有する光ヘッド15からの戻り光量に応じて、光ヘッド15とガラス原盤16との間の距離を一定に制御している。このギャップサーボ部24の構成については、図11などを参照して既に説明したとおりである。デフェクト判定器77が全反射戻り光量yを用いて光ディスク31に発生した傷やダストのようなデフェクトを判定する。このデフェクト判定器77は、判定したデフェクトの判定回数に基づいて、切り換えスイッチ74のオン又はオフを制御する。
以下、ニアフィールド光ディスク記録装置の動作をレーザ光及び信号の流れに沿って詳細に説明する。この信号記録装置において、ガラス原盤16への信号の記録の際には、レーザ素子4から出射され、電気−光変換素子(EOM)5、偏光板であるアナライザ6、及びビームスピリッタ(BS)7を介して音響光学素子(AOM)3に入射した記録用レーザ光LB1が、このAOM3において変調される。具体的には、AOM3には情報源1からの情報が記録信号発生器2でディジタル化されて入力されており、AOM3は、上述のように入射されている記録用レーザ光LB1を、このディジタル化された情報記録信号に応じて変調する。次に、このAOM3により変調されたレーザ光LB2は、第1のミラー10により反射されて、集光レンズ11及びコリメータレンズ12を介することにより平行ビームとなり、偏向ビームスピリッタ(PBS)13を通過し、λ/4板14に入射される。
λ/4板14では入射光は円偏光とされ、この円偏光された変調光LB3は、第2のミラー10により反射され、光ヘッド15に入射される。光ヘッド15は、レジストが塗布されたガラス原盤16に円偏光とされたレーザ光をスポット状に照射する。光ヘッド15は、例えば、2群レンズから構成されるSIL(Solid Immersion Lens)を用いている。この信号記録装置では、光ヘッド15にSILを採用することで、近接場光状態で生じる近接場光を利用して、スポット光を一層微細化して信号の記録を可能としている。
ガラス原盤16に対する光ヘッド15のギャップは、上述したように、ギャップサーボ部24により制御され、ガラス原盤16と光学ヘッド15との間の距離が一定に保持されている。これにより、光ヘッド15に入射されたレーザ光LB4は、大きさを一定に制御された光スポットをレジストが塗布されたガラス原盤16上に形成されることになる。この光スポットにより、記録情報に応じてレジストが塗布されたガラス原盤16がカッティングされる。
また、この信号記録装置は、上述のようにガラス原盤16のカッティングを行う一方で、次のようなギャップ制御のための処理を行う。まず、記録に用いるレーザ素子4から出射され、EOM5及びアナライザ6を通り、ビームスプリッタ7を通過した一部のレーザ光LB6は、第1のフォトディテクタ(PD1)8により検出される。この第1のフォトディテクタ(PD1)8に入射したレーザ光LB6は、ここで電気信号に変換され、自動パワー制御装置(APC)9に入射され、その値がEOM5にフィールドバックされて、レーザ素子4から出力されるレーザパワーが一定に制御される。
一方、レーザ光LB4に対する光ヘッド15からの全反射戻り光は、λ/4板14を通り直線偏光に変換された後、偏光ビームスピリッタ13の反射面において反射され、さらに第3のミラー10にて反射された集光レンズ17に入力される。そして、この集光レンズ17を通った全反射戻り光LB5の光量(以下、全反射戻り光量という)として第2のフォトディテクタ(PD2)18によって検出される。
検出された全反射戻り光量(信号)は、ギャップサーボ部24に入力される。ギャップサーボ部24は、上記例えばr=0.4を制御目標値とし、変調除去後の全反射戻り光量を被制御量として、それらの情報に基づいてギャップ制御電圧を出力する。そして、このギャップ制御電圧は光ヘッド15に入力される。光ヘッド15は、ピエゾ素子に取り付けられており、ギャップ制御電圧に応じてピエゾ素子が伸縮制御されることにより、光ヘッド15とガラス原盤16との間の距離が制御される。
31 光ディスク、32 レーザ光源、33 対物レンズ群、33a 非球面レンズ、33b SIL、35 光学系、36 第1の検出器、37 第2の検出器、38 ギャップサーボ部、39 RFアンプ、40 トラッキングサーボ部
Claims (6)
- 近接場光を利用して光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置において、
レーザ光を出射する光源と、
上記光源から出射されたレーザ光から近接場光を発生するために上記光記録媒体に近接位置される対物レンズ群を含む光学手段と、
上記光学手段を介した上記レーザ光の戻り光量に基づいて上記光記録媒体と上記光学手段のギャップを制御しながら、上記光記録媒体に発生するデフェクトを判定し、デフェクトの判定回数に基づいてギャップサーボを行うギャップサーボ手段と
を備えることを特徴とする光ディスク装置。 - 上記ギャップサーボ手段は、上記光記録媒体に発生するデフェクトを判定するデフェクト判定手段を備え、上記デフェクト判定手段によって判定されたデフェクトの判定回数に基づいて上記ギャップサーボを制御することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 上記ギャップサーボ手段によってギャップサーボが行われている状態で、上記光学手段の上記光記録媒体上に照射した上記近接場光の戻り光を用いて上記光記録媒体上のトラックに対する上記光学手段のトラッキングを行うトラッキングサーボ手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 近接場光を利用して光記録媒体に対し、情報を記録及び/又は再生する光ディスク装置によって実行されるサーボ制御方法において、
光源より出射されたレーザ光から近接場光を発生するために上記光記録媒体に近接位置される対物レンズ群を含む光学手段を介した上記レーザ光の戻り光量に基づいて上記光記録媒体に発生するデフェクトを判定するデフェクト判定工程と、
上記デフェクト判定工程で判定したデフェクトの判定回数に基づいて上記光記録媒体と上記光学手段のギャップサーボを行うギャップサーボ工程と
を備えることを特徴とするサーボ制御方法。 - 上記ギャップサーボ工程は、上記デフェクト判定工程によって判定されたデフェクトの判定回数に基づいて上記ギャップサーボを行うことを特徴とする請求項4記載のサーボ制御方法。
- 上記ギャップサーボ工程によってギャップサーボが行われている状態で、上記光学手段の上記光記録媒体上に照射した上記近接場光の戻り光を用いて上記光記録媒体上のトラックに対する上記光学手段のトラッキングを行うトラッキングサーボ工程をさらに備えることを特徴とする請求項4記載のサーボ制御方法。
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JP2006217494A JP2008041218A (ja) | 2006-08-09 | 2006-08-09 | 光ディスク装置及びサーボ制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010032938A1 (en) * | 2008-09-17 | 2010-03-25 | Lg Electronics Inc. | Collision prevention method and apparatus between recording medium and lens |
US8208357B2 (en) | 2008-12-05 | 2012-06-26 | Sony Corporation | Optical disc apparatus and optical disc drive control method |
-
2006
- 2006-08-09 JP JP2006217494A patent/JP2008041218A/ja not_active Withdrawn
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