JP2008040220A - 光変調器の製造方法 - Google Patents

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仁吾 安達
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晃 榎原
Teruhiro Ito
彰宏 伊藤
Takuya Iwamoto
卓也 岩本
Chiyoujitsuriyo Suzuki
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】エッチングによる微細加工の困難な電気光学結晶に対して、アスペクト比率の高い凹凸からなる周期構造を形成する。
【解決手段】本発明による光導波路の製造方法は、電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第1基板100を用意する。また、電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第2基板200を用意する。その後、第1基板の光導波領域が有する凸部と第2基板の光導波領域が有する凸部とが接するように第1基板100及び第2基板200を貼り合わせる。
【選択図】図8

Description

本発明は、光ファイバ通信などに好適に用いられる光変調器の製造方法に関する。
光変調器は、電気信号で光を変調させる装置である。例えばデジタル信号通信の場合、光出力の有無により、「1」と「0」の二値化信号を情報列として伝送することができる。光は、屈折率が周囲(クラッド部分)よりも高められた領域(コア部分)に閉じ込められて伝搬する。このように光を伝搬させる部分は「光導波路」と称されている。
光変調器における光導波路は、電気光学効果を有する材料から形成される。光導波路の近傍には、電極が設けられ、伝送したい情報に応じた電気信号が外部から電極に供給される。電極により、電気信号に応じた電圧が光導波路に印加され、光導波路の電気光学結晶内に電界が形成される。電気光学結晶内に所望の方位の電界が形成されると、ポッケルス効果により、結晶の屈折率がわずかに変化する。屈折率が変化すると、光導波路の実効光路距離が変化するため、光の位相がシフトすることになり、光の変調を実行することが可能になる。
光導波路が分枝したマッハツェンダー干渉計型の光変調器によれば、電極に印加する電圧により、分枝光導波路間に光路差を発生させ、伝搬する光を干渉させることにより、出力光をオン/オフさせることが可能である。
図1(a)は、埋め込み型光導波路を示している。基板1の表面にライン状に延びるコア層2が形成されている。コア層2は、チタン拡散などの金属拡散やプロトン交換などのイオン交換により形成され、その屈折率は基板1の屈折率よりも高められている。光は、屈折率の高いコア層2に集まり、伝搬していく。コア層2の周りはクラッド層として機能する。光導波路内での光の閉じ込めは、コア層2とクラッド層との境界における屈折率の差により実現する。
図1(b)は、図1(a)に示す構成の光伝播方向に垂直な断面図である。コア層2の中心に導波光が閉じ込められている。コア層2の上面には空気とコア層2との間の相対的に大きな屈折率差が存在するが、コア層2の側面及び下面には相対的に小さな屈折率差しか存在しない。屈折率差が大きいほど、導波光はコア層2内に強く閉じ込められる。電気光学結晶の代表であるニオブ酸リチウムの屈折率は2.14であり、空気の屈折率は約1である。
図1(c)は、リッジ型光導波路を示している。基板3の上面にリッジが形成され、リッジの上部にコア層4が形成されている。図1(d)の断面図に示されるように、コア層4の上面のみならず、両側面も空気と接するため、光閉じ込め効果が向上する。
このような光導波路を用いて光変調器を作製するには、光導波路の近傍に電極を配置し、光導波路のコア層内部に電界を形成する必要がある。図2(a)は、電極の形成が可能な3つの位置を示している。図2(a)に示す電極5はリッジ光導波路の真上に、電極6はリッジ光導波路の側面に、電極7はリッジ光導波路の側方の基板表面に位置している。図2(b)に示すように、電極5、6とリッジ型光導波路との間には、SiO2やサファイアなどからなるバッファ層が設けられる。これは、電極を構成する金属と光導波路とが接触していると、導波光の一部が電極に吸収され、伝送損失が生じるからである。
特許文献1〜3及び非特許文献1〜3は、種々の光導波路構造を開示している。
特開2004−102160号公報 特開平6−95044号公報 特開平11−101962号公報 "The LiNbO3 Electrooptic Modulator with Four-plate Electrode" S. Somkuarnpanit Micro Optics Conference 2001、 24−26 October 2001、 Osaka、 pp.134−137 "Photonic-crystal slow-light enhancement of nonlinear phase sensitivity"J.D.Joannopoulos、 J.Opt.Soc.Am.B、 Vol.19、 No.9、 September 2002 "Optical Filters from Photonic Band Gap Air Bridges"J.D. Joannopoulos、 Journal of Lightwave Technology、 vol.14、 no.11、 November 1996
近年、グレーティング構造やフォトニック結晶構造を備える光導波路が注目されている。このような周期構造を光導波路が備えていると、導波する光を共振させ、群速度を遅くすることができる。
図3(a)は、表面レリーフを有するグレーティング光導波路、図3(b)及び(c)は、フォトニック結晶構造を有する光導波路を示している。2つの周期構造部分の間に共振する部分が設けられている。この共振部分で光が共振し、群速度が低下する。光導波路を伝搬する光の群速度が低下すると、僅かな屈折率差でも光の位相を大きく変化させられることが非特許文献2に開示されている。例えば、群速度が1/10に低下すれば、光変調器の変調部分の長さを1/10に短縮することが可能になる。
光導波路が周期構造を有する光変調器を作製する場合、電気光学効果を示す結晶を微細加工して周期構造を作製する必要がある。電気光学効果を示す結晶として光変調器に広く用いられている材料の代表例は、ニオブ酸リチウムである。
図4(a)、(b)は、それぞれ、従来の光変調素子における光導波路12の構成を示す斜視図、断面図である。
光通信に処される光の波長を1550mn、光導波路の幅wを2.5μm、プロトン交換層の厚さdpを1μm、周期構造の凸部の光伝搬方向サイズlaをλ/4n1、凹部の光伝搬方向サイズlbをλ/4n2、凹部の深さdをlaの1〜2倍の大きさ(約200〜500nm)とする。ここで、n1は凸部の実効屈折率、n2は凹部の実効屈折率、λは光源の波長である。周期構造の凹部は空気孔として機能するため、屈折率n2の大きさは空気の屈折率に略等しい。
プロトン交換層が光が伝搬するコア層として機能する。コア層の厚さdp=1μmに対し、凹部深さdを300nmに設定すると、図4(b)に示すように、伝搬光の電界分布における上端部が凸凹部を伝搬する。結果的に、伝搬光は、実効屈折率の周期的変化を感じるため、伝搬光の共振が生じ、群速度が低下する。
実効屈折率差は、n1−n2は、0.01程度である。この実効屈折率差を大きくすることができれば、群速度の低下、または凹凸周期の数の低減が可能になる。実効屈折率差を拡大するには、周期構造の凹部を伝搬光の電界分布領域に比べて充分に深く形成することが好ましい。すなわち、コア層の厚さdp=1μmの場合、凹部深さdを、dp=1μm以上にすれば、コア層を伝播する光の電界分布領域全体に凸凹部が位置することとなるため、実効屈折率差を最大化することができる。
しかし、ニオブ酸リチウムなどの電気光学結晶に深さ1μmの凹部を高いアスペクト比で形成することは困難である。異方性の高いエッチング技術は、シリコンなどの半導体材料を対象として開発されてきており、電気光学結晶の微細加工技術の進展は充分に進んでいる状況にある。
このように、現在の技術水準では、電気光学結晶の代表例であるニオブ酸リチウムには、光導波路を伝搬する光の電界分布領域に比べて浅い周期構造しか形成できず、その結果、図4に示すように、伝播光の一部しか周期構造を感じないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされ、その目的は、光導波路の周期構造が伝搬光の群速度低下に及ぼす効果を高めることのできる光変調器の製造方法を提供することにある。
本発明による光導波路の製造方法は、電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第1基板を用意する工程と、電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第2基板を用意する工程と、前記第1基板の光導波領域が有する凸部と前記第2基板の光導波領域が有する凸部とが接するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる工程とを有する。
本発明による光変調素子の製造方法は、電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第1基板を用意する工程と、電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える電気光学効果を有する材料からなる第2基板を用意する工程と、前記第1基板の光導波領域が有する凸部と前記第2基板の光導波領域が有する凸部とが接するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる工程とを有し、前記第1基板の表面には、前記線状の光導波領域を挟む一対の電極が形成されており、前記一対の電極に印加する電界を変化させることにより、前記光変調素子に入力される光を変調する。
本発明では、基板の貼り合わせによって光導波路を形成するため、光導波路に形成すべき周期構造の空気孔の深さを2倍にすることができる。エッチングにより、例えば深さ500nmの凹部を各基板の表面に配列した場合、それらの基板を適切に貼り合わせることにより、高さ1μmの空気孔を周期的に配列した光導波路構造を形成することができる。このような光導波路によれば、光の群速度が効果的に低下するため、より高い効率で光変調を実行することができる。
(実施形態1)
まず、図5を参照して、本発明による光変調器の第1の実施形態を説明する。
図5(a)に示される本実施形態の光変調器は、電気光学効果を有する材料(例えばニオブ酸リチウム)から形成された2つの基板(第1基板100及び第2基板200)を、図5(b)に示すように貼り合わせることによって作製されている。
第1基板100は、図5(b)に示されるように、光伝搬方向(図の紙面に垂直な方向)に延びる第1領域110を挟んで配置された第1電極8及び第2電極9を支持している。第1基板100の第1領域110には、第1基板100と同じ材料からなるリッジ部が存在している。このリッジ部は、第1基板100の表面に形成されたプロトン交換層からなり、光導波路12の下半分を構成する。一方、第2基板200では、光伝搬方向に延びる第2領域210に、第2基板200と同じ材料からなるリッジ部が存在している。このリッジ部は、第2基板200の表面に形成されたプロトン交換層からなり、光導波路12の上半分を構成する。
2つの基板100、200を貼り合わせるとき、第2基板200の第2領域210が第1基板100の第1領域110に整合するように位置合わせが行われ、第1領域110上のリッジ部と第2領域210上のリッジ部とが接触し、合体することによって光導波路12を形成する。このようにして形成される光導波路12は、図5(a)に示されるように幅W、高さdrを有しており、その両側面は第1基板100と第2基板200との間に位置する空気に接している。
図6(a)は、光導波路12の周期構造を示す透過斜視図であり、図6(b)は、光導波路12の光伝搬方向に平行な断面図である。図6(a)には、光導波路12の周りに配置された2つの電極8〜9も記載されている。図6からわかるように、光導波路12は、等価屈折率が光伝搬方向に沿って周期的に変化する構造を備えるリッジ型光導波路である。周期構造は、高屈折率領域(プロトン交換層)と、空気からなる低屈折率領域とを交互に配列することによって形成されている。
図7(a)は、光導波路12における各部サイズの一例を示している。光伝搬方向に沿って定義される高屈折領域の長さla、及び低屈折領域(空気孔)の長さlbの長さは、それぞれ、例えば177nm及び387nmに設定される。この例では、光導波路12の高さは1000nmであり、各基板100,200に形成されるリッジ部の高さdpは、いずれも500nmに設定されている。この数値例は、光導波路12を伝搬する光の波長λが1.55μmのとき、一対の高屈折率領域及び低屈折領域の長さが光導波路12内の実効的な波長の4分の1に等しくなり、ブラッグ条件を満足する。
なお、電極8〜9は、図5(c)の断面図に示されるように、光導波路12の側面及び上下面を覆っておらず、光導波路12の両側面は、空気という最も屈折率の低い媒体と接している。このため、光導波路12の内部に効率的に光を閉じ込めることが可能になる。
次に、本実施形態における光変調素子を製造する方法を説明する。
本実施形態では、まず図8(a)に示すように、ニオブ酸リチウムからなる第1基板100を用意する。次に、図8(b)に示すように、第1基板100の表面に厚さ500nm程度の高屈折率層を形成する。高屈折率層は、例えば、イオン交換または金属拡散により、第1基板100の表面におけるニオブ酸リチウムの屈折率を局所的に増加させることにより形成され得る。また、第1基板100の上にニオブ酸リチウムよりも屈折率の高い材料からなる薄膜(厚さ:500nm程度)を成長させても良い。本実施形態では、第1基板100の表面を230℃程度の安息香酸中に約40分のあいだ浸漬することによりプロトン交換を行い、厚さ500nm程度のプロトン交換層を形成する。第1基板100の内部において、プロトン交換が行われていない部分の屈折率は2.138(異常軸1550nm波長に対する)であるが、プロトン交換層の屈折率は2.262に上昇する。
次に、光導波路12の空気孔として機能する複数の溝(凹部)を第1基板100の表面に形成する。溝は、第1基板100の表面においてリッジが形成されるべき領域を横切るように配列され、その配列パターンは、光導波路12の周期構造を規定することになる。
溝は、公知のフォトリソグラフィ及びエッチング技術により形成され得る。本実施形態では、まず、第1基板100の表面にクロムなどの金属膜をスパッタリング法により堆積する。その後、金属膜上にレジストを塗布し、電子ビーム直接描画法によってレジストをパターニングする。レジストには、第1基板100に形成する溝の形状及び位置を規定する開口部を形成する。その後、塩素系ガスを用いたドライエッチングにより、レジストの開口部を介して露出する金属膜の所定部分を除去し、更に、その金属膜をマスクとして第1基板100の露出表面をエッチングする。エッチングは、溝の深さが500nm程度になるまで行う。この後、レジスト及び金属膜を除去することにより、図8(c)に示す溝の形成工程が完了する。
次に、図8(d)に示すように、第1基板100の表面をエッチングすることにより、リッジを形成する。このリッジは、光導波路12の下半分として機能する部分である。リッジは、前述の工程によって形成した複数の溝の中央部を垂直に横切るように形成される。このリッジの形成も、公知のフォトリソグラフィ及びエッチング技術により形成され得る。本実施形態では、まず、第1基板100の表面にフォトレジストを塗布した後、フォトレジストに対する露光・現像を行うことにより、レジストマスクを形成する。このレジストマスクは、リッジを形成すべき領域(第1領域110に対応)を覆い、その領域(第1領域110に対応)の両側に幅広の開口部を有している。次に、このレジストマスクの開口部を介して露出している第1基板100の表面を500nm程度の深さまでエッチングすることにより、リッジの両側に幅広の溝(凹部)を形成する。この幅広の溝の深さdrがリッジの高さを規定する。本実施形態では、リッジの高さdrをプロトン交換層の厚さに一致させ、光の閉じ込め効率を高めている。リッジの幅wは、光がシングルモードで伝播するように、2.5μmに設定している。
次に、図8(e)に示すように、リッジの両側に広がる溝の底部に一対の電極8、9を形成する。電極は、リフトオフ法などにより形成され、例えば、蒸着したアルミニウムなどの金属から構成される。電極8、9は、リッジの側面及び上面を覆わないように形成される。本実施形態では、電極8、9の幅を3.25μmに設定している。
同様の方法により、第2基板200を作製する。ただし、第2基板200には、電極を形成しない。図8(f)に示すように、第1基板100と第2基板200とを貼り合わせる。その際、第1基板100のリッジ(高屈折領域)の表面が、第2基板200のリッジ(高屈折率領域)の表面と整合し、かつ、接触するように位置合わせが行われる。
上記方法により第一基板100と第2基板200とを貼り合わせた後、電極8〜9をワイヤボンディングなどの方法により、外部回路と接続する。このような外部回路との接続を容易に行うためには、第1基板100または第2基板の裏面に複数のボンディング用パッド(不図示)を形成し、これらのパッドと電極8〜9とを配線により接続しておくことが好ましい。
なお、リッジの高さが不均一であると、貼り合わせ時に両基板100、200のリッジ間に隙間が形成されてしまう可能性がある。このため、基板100、200の表面は、できるだけ平坦化されていることが好ましく、本実施形態では、CMP(ChemicalMechanical Polishing)による平坦化工程及び洗浄工程を行った後、貼り合わせ工程を実行する。CMPにより、プロトン交換層の厚さも薄くなってしまうが、そのことを考慮してプロトン交換層の厚さを予め大きく設定すればよい。なお、プロトン交換層の厚さは、第1基板100における厚さと第2基板200における厚さの合計値が600nm以上であれば、シングルモードの伝搬が実現する。
2つの基板100、200の電気光学結晶のc軸は反転している。第1基板100の+の面と第2基板200の−の面とが接触することになるため、2つの基板100、200を相互に密着させ、接合させることができる。
貼り合わせた後、ダイシングにより、一体化した基板100、200の端を切り、端面を露出させる。この露出端面を研磨し、光導波路12に光が効率良く入射できるようにする。
本実施形態では、2つの基板100、200を貼り合わせることにより、リッジ型の光導波路12が完成する。周期構造を形成するためのエッチングは、各々の基板100、200の主面に対して垂直な方向に行えばよく、そのエッチングによって形成する凹凸の段差は、公知の方法でリッジ型光導波路を1つの基板に形成する場合に比べて半減する。電気光学効果を有する材料は、単結晶シリコンなどの半導体材料に比べ、アスペクト比の高い周期構造をエッチングによって形成することが格段に難しいため、貼り合わせ技術は極めて有益である。貼り合わせ技術を用いると、例えば500nmの深さの2つの周期構造を重ね合わせることにより、1μmの深さの周期構造を得ることができるからである。
本実施形態によれば、プロトン交換により形成されたコア層の厚さに相当する深さの空気孔を形成しているため、空気孔の実効屈折率n2空気の屈折率に等しい大きさとして評価できる。本実施形態の構成によれば、実効屈折率差n1−n2が約1.18の大きさに達し、従来の0.01に比べて大幅に向上する。
このように大きな実効屈折率差が実現することにより、群速度の低下や、周期構造の光伝搬方向サイズの短縮が可能になる。具体的には、従来の構成において、光導波路の凹凸周期数が100〜200だった場合、本実施形態の構成によれば、凹凸周期数を2〜8程度に減少させることが可能となる。
また、屈折率n2が空気の屈折率に略等しくなるため、凹部のサイズlbを拡大し、微細加工を容易にすることが可能になる。すなわち、従来のlbが100〜200nmだったとすると、本実施形態では、lbを387nm程度に増加する。
図7(a)に示す数値例によると、空気孔の部分では、1550/n2/4nm=387nmの長さ(n2は空気の屈折率)、空気孔でない部分では、1550/n1/4(n1は、コア層の実効屈折率)となる。なお、図6(b)に示すような周期構造を電気光学結晶に形成することは、前述したように、現在のリソグラフィ技術を用いて行うことは極めて困難である。
なお、本実施形態における光導波路12は、図7(a)に示されるように単純な周期構造を有するものに限定されず、図7(b)に示すような共振器型の周期構造を有していてもよい。図7(a)の例では、周期構造の中央部に、他の位置の高屈折率領域に比べて光伝搬方向サイズが大きな欠陥部分(位相シフト)が配置されており、群速度の低減に必要な共振を引き起こすことができる。図7(b)に示す例では、光伝搬方向に沿って定義される高屈折領域の長さla、低屈折領域(空気孔)の長さlb、及び欠陥部分の長さは、それぞれ、例えば177nm、387nm、及び354nmに設定される。欠陥部分の長さ(354nm)は、1.55μmの波長を有する光の欠陥部分における実効的な波長の半分に相当することになる。言い換えると、伝播する光の波長λが1.55μmのとき、光導波路12における2つの周期構造部分は「ブラッグリフレクタ」として機能するとともに、その間に位置する欠陥部分は共振器として機能する。
図9は、本実施形態の光変調器における光共振状態を示す図である。
本実施形態の光変調器の光導波路の一端から波長1550nmのTMモードの光が入射した場合における電界文分布を示している。TMモードは、電界が図の上下方向または周期構造の凹部深さ方向に成分を有するシングルモードである。電界分布は、2次元FDTDD(Finite Difference Time Domain法)シミュレーションによって求めた。
図9に示す光導波路は、図3(b)に示す周期構造を備えており、計算を簡単にするため、光導波路の横幅(図の紙面に垂な直方向)は「無限」に設定している。
図9(a)は屈折率分布を示し、図9(b)は、電界Ex成分(図の上下方向に平行な成分)の分布、図7(c)は、磁界Hy成分(図の紙面に垂直な方向に平行な成分)の分布を示している。
図9からわかるように、光導波路の中心に位置する欠陥部分により、伝播光の共振・圧縮が生じている。光の強度(Hy成分)と波長との関係を調べるために、図9(a)に示されたA点及びB点にモニターを置いた。測定結果を図10、図11に示す。
図10に示すように、共振部分(A点)のモニターによると、約1550nmの波長で強度が選択的に高くなっている。このような波長選択性は、光導波路の周期構造により効果的に得られたものである。図11は、B点における光強度と波長との関係を示し、この関係は透過特性に相当する。図11からわかるように、損失は存在するが、約1550nmの波長の光が選択的に投下している。
共振をさらに高めるには、光入射側に位置する空気孔の脇からの光導波路外への光の漏れを抑制することが好ましい。コア層に光を効率的に閉じ込めるには、以下の数1に示す関係を満たすようにすることが好ましい。すなわち、周期構造における空気孔の深さをプロトン交換層の厚さ以上にすることが好ましい。
(数1)
dp(プロトン交換層の厚さ)≦d(周期構造の凹部深さ)
本実施形態の場合、貼り合わせ時の位置合わせずれが生じると、周期構造が理想的な形態から外れてしまう。2次元FDTDシミュレーションによると、50nm程度の位置あわせズレが生じると、共振部分の光強度が60%にまで下がる。さらにそれに加え、貼り合わせの間に80nmの隙間ができた場合は20%まで共振する光強度が下がる。これらの誤差の値は、作製の誤差の範囲にあり、貼り合わせ構造による周期構造、それによる共振器が実現可能の範囲である。
本実施形態では、上下の基板100、200の間に形成された中空部がリッジ型光導波路の両側面と対向しているため、中空部内の空気(屈折率:約1)と光導波路の側面との間に大きな屈折率差が生じている。このため、電極がリッジ型光導波路の側面に設けられる従来例に比べ、光を光導波路内に強く閉じ込めることが可能になる。このような中空部は、リッジ型光導波路に沿って基板表面に平行に延びるため、本発明で採用する基板貼り合わせ法以外の方法では形成することが極めて困難である。
本実施形態では、図2(b)に示すようなバッファ層をリッジ光導波路の表面に設ける必要がなくなる。仮に、図2(b)の構成において、バッファ層を取り除き、リッジ光導波路の表面に直接に電極を形成した場合の問題点を考察する。
図12(a)は、ニオブ酸リチウム(LN)基板の表面に形成されたコア層の上面に金属アルミニウムが堆積された構成を示している。コア層は、プロトン交換によって屈折率が高められた領域であり、その厚さは1μmに設定している。コア層とLN基板との間にある屈折率差は、0.124となる。
図9(a)の構造から、アルミニウム電極に光が吸収されることを考慮して、光損失を計算した結果を図12(b)に示す。アルミニウム電極による単位長さあたりの吸収損失であり、横軸はコア層の厚さである。図12(b)からわかるように、コア層の厚さが小さいほど、吸収損失が急激に増加する。
本発明における光導波路はシングルモードの光を伝送するため、コア層の厚さは0.1〜5.0μm(本実施形態では1μm)に設定される。このとき、上記の結果から、損失はTE基本モードで212dB/cm、TM基本モードで29300dB/cmであることがわかる。
リッジ型光導波路の上面ではなく、2つの側面にアルミニウム電極を接触させる場合は、図12(a)の構造の下のLN基板をアルミニウムに置き換え、TEモードをTMモードと置き換えた場合と実質的に等価である。このような置き換えを行った場合、TEモードの損失がTMよりも大きくなる。この損失は、コア層を薄くするほど(リッジの幅を狭くするほど)、急激に増加する。
本実施形態では、図5(b)に示すように第1基板100に形成したリッジの高さと第2基板200に形成したリッジの高さが略等しいが、これらのリッジ高さの組み合わせは任意である。極端な場合、一方の基板のリッジの高さはゼロであってもよい。
本発明による光変調器の製造方法によれば、エッチングによる微細加工の困難な電気光学結晶に対して、アスペクト比率の高い凹凸からなる周期構造を形成することが可能になる。
(a)は、埋め込み型光導波路の斜視図、(b)は、(a)の光導波路光の伝搬方向に垂直な面で切った断面図、(c)は、リッジ型光導波路の斜視図、(d)は、(c)の光導波路光の伝搬方向に垂直な面で切った断面図である。 (a)は、図1(c)のリッジ光導波路に形成され得る電極の配置を示す斜視図であり、(b)は、その断面図である。 (a)は、表面レリーフブラッググレーティング型共振器を示す斜視図であり、(b)は、穴型フォトニック結晶共振器の斜視図であり、(c)は、フォトニック結晶共振器の斜視図である。 (a)は、従来の光変調器における光導波路の主要部の斜視図であり、(b)は、その光伝搬方向に平行な断面図である。 (a)から(c)は、本発明の実施形態1の光変調器を示す断面図である。 (a)は、実施形態1の光変調器の構成を示す透過斜視図であり、(b)は、その光伝搬方向に平行な断面図である。。 (a)及び(b)は、実施形態1の光変調器の周期構造を示す図である。 (a)から(f)は、実施形態1の光変調器の製造方法を示す斜視図である。 (a)から(c)は、本実施形態の光変調器における光共振状態を示す図である。 実施形態1の光変調器のA点における光強度の波長依存性を示すグラフである。 実施形態1の光変調器のB点における光強度の波長依存性を示すグラフである。 (a)は、アルミニウムからなる電極がコア層上に設けられた光導波路構造を示す断面図であり、(b)は、(a)の構造について得られる光伝播損失とコア層厚さとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 埋め込み光導波路
3 基板
4 リッジ光導波路とその上表面にできたコア層
5 リッジの上表面に配置された電極
6 リッジの側面に配置された電極
7 リッジの横の基板に配置された電極
8 リッジの左上に配置する電極
9 リッジの右上に配置する電極
12 周期構造を持つリッジ光導波路
100 第1基板
200 第2基板

Claims (2)

  1. 電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第1基板を用意する工程と、
    電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第2基板を用意する工程と、
    前記第1基板の光導波領域が有する凸部と前記第2基板の光導波領域が有する凸部とが接するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる工程と、
    を有する光導波路の製造方法。
  2. 電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える第1基板を用意する工程と、
    電気光学効果を有する材料から形成され、複数の凸部及び凹部が周期的に配列された線状の光導波領域を備える電気光学効果を有する材料からなる第2基板を用意する工程と、
    前記第1基板の光導波領域が有する凸部と前記第2基板の光導波領域が有する凸部とが接するように前記第1基板及び前記第2基板を貼り合わせる工程と、
    を有し、
    前記第1基板の表面には、前記線状の光導波領域を挟む一対の電極が形成されており、前記一対の電極に印加する電界を変化させることにより、前記光変調素子に入力される光を変調する、光変調素子の製造方法。
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