JP2008040029A - モニタ用光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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文博 海老澤
Akihiro Takagi
章宏 高木
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博 照井
Akira Himeno
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Abstract

【課題】近年、光分岐結合回路やアドドロップ回路など多くの機能を備える多機能プレーナ光波回路が開発されている。このような多機能プレーナ光波回路では、光信号の光強度を多機能プレーナ光波回路中の導波路から直接モニタしなければならないこともある。しかし、従来の技術ではプレーナ光波回路中の導波路の任意の位置で光信号の光強度を直接モニタすることができないという課題があった。
【解決手段】本願第一の発明に係るモニタ用光学素子はプレーナ光波回路の導波路に誘電体多層反射膜を挿入して、プレーナ光波回路の導波路から直接光信号を取り出し、光強度を測定することとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、プレーナ光波回路内の導波路を伝搬する光を直接取り出し、モニタできるモニタ用光学素子とその製造方法に関するものである。
近年、映像信号等のデジタル信号を多量且つ高速に転送するために光を利用した通信システムや情報処理システムが普及してきている。光信号は光ファイバやプレーナ光波回路のような導波路を伝搬中、光ファイバと光ファイバとの接続点又は光ファイバとプレーナ光波回路との接続点で損失が発生するため、光信号の光強度をモニタする必要がある。
例えば、特許文献1には、光ファイバを伝搬する光信号の一部を光ファイバから直接取り出すファイバタップ回路の技術が開示されている。また、特許文献2には、プレーナ光波回路の導波路を通過してプレーナ光波回路の端面から出射する光信号の光強度を測定する技術が開示されている。
特開平10−300936号公報 特開平5−297233号公報
近年、光分岐結合回路やアドドロップ回路など多くの機能を備える多機能プレーナ光波回路が開発されている。このような多機能プレーナ光波回路では、光信号の光強度を多機能プレーナ光波回路中の導波路から直接モニタしなければならないこともある。しかし、特許文献1の技術は光ファイバの光信号の光強度をモニタするものであり、特許文献2の技術はプレーナ光波回路の端面で光信号の光強度をモニタするものである。そのため、従来の技術ではプレーナ光波回路中の導波路の任意の位置で光信号の光強度を直接モニタすることができないという課題があった。
そこで、本発明は、係る課題を解決するため、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で光信号の光強度をモニタできるモニタ用光学素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るモニタ用光学素子はプレーナ光波回路の導波路に誘電体多層反射膜を挿入して、プレーナ光波回路の導波路から直接光信号を取り出し、光強度を測定することとした。
具体的には、本発明は、基板上に形成されて光を伝搬する導波路ならびに前記導波路側の上面から前記基板への方向に対して所定の角度で形成されて前記導波路を分断するスリットを有するプレーナ光波回路と、前記スリットと嵌合し、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を参照光として前記プレーナ光波回路の上面方向へ反射させ、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を透過させて前記スリットで分断された前記導波路の他方へ結合する誘電体多層反射膜と、前記プレーナ光波回路の上で前記スリットの開口部の一部又は全部を覆うように配置され、前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を前記プレーナ光波回路の上面と相対する受光面で受光する受光素子と、を備えるモニタ用光学素子である。
また、本発明は、本発明に係るモニタ用光学素子の製造方法である。具体的には本発明は、コア材とクラッド材とで構成されて光を伝搬する導波路が基板上に形成されたプレーナ光波回路に、前記導波路を分断するスリットを前記プレーナ光波回路の前記導波路側の上面から前記基板への方向に対して所定の角度で形成するスリット形成工程と、前記スリット形成工程の後に、前記スリット形成工程で形成した前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を参照光として前記プレーナ光波回路の上面方向へ反射させ、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を透過させて前記スリットで分断された前記導波路の他方へ結合する誘電体多層反射膜を前記スリットに嵌合させる誘電体多層反射膜嵌合工程と、前記誘電体多層反射膜嵌合工程の後に、前記コア材と略等しい屈折率の接着剤を塗布し、前記誘電体多層反射膜嵌合工程で前記スリットに嵌合させた前記誘電体多層反射膜と前記スリットとを固定するとともに、前記誘電体多層反射膜の前記プレーナ光波回路の上面に突出する部分を包含するように接着剤で隆起物を形成する隆起物形成工程と、前記隆起物形成工程の後に、前記隆起物形成工程で形成された前記隆起物を前記誘電体多層反射膜の前記プレーナ光波回路の上面に突出する部分とともに研磨し、前記隆起物に前記プレーナ光波回路の上面と平行な平面を形成する又は前記隆起物を除去して前記プレーナ光波回路の上面を露出させる研磨工程と、前記研磨工程の後に、受光面を前記研磨工程で形成された前記隆起物の平面又は研磨工程で露出させた前記プレーナ光波回路の上面と相対させ、前記隆起物の平面又は前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を受光できる位置に受光素子を配置する受光素子配置工程と、を備えるモニタ用光学素子製造方法である。
前記モニタ用光学素子は、前記プレーナ光波回路の所望の位置で前記導波路を分断する前記スリットを形成し、前記スリットに前記誘電体反射膜を挿入し、前記プレーナ光波回路の上面で前記スリットの上に受光素子を配置して製造される。
前記導波路を伝搬する光信号が前記誘電体反射膜に入射すると、前記誘電体反射膜は光信号の一部を透過させ、一部を反射させる。そのため、前記スリットを所定の角度で形成することで、前記誘電体反射膜で反射した光は前記プレーナ光波回路の上面の前記スリット近傍に前記参照光として出射することになる。前記受光素子が前記プレーナ光波回路の上面から出射する参照光を受光することで、前記導波路を伝搬する光信号の所望の位置における光強度をモニタすることができる。
従って、本発明は、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で光信号の光強度をモニタできるモニタ用光学素子及びその製造方法を提供することができる。
本願第一の発明に係るモニタ用光学素子において、前記プレーナ光波回路の上面と前記受光素子の前記受光面との間に、前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を前記受光素子の前記受光面に集光する光学素子をさらに備えることが好ましい。
モニタ用光学素子の小型化や応答性向上のため、前記受光素子として高速動作のフォトダイオードチップを使用する場合がある。通常の受光素子の受光面が数百μmφであることに対し、前記フォトダイオードは浮遊静電容量を小さくするために受光面が10μmφ程度と小さい。そこで、前記光学素子を前記受光素子の受光面と前記プレーナ光波回路の上面との間に配置し、前記参照光を集光させて前記受光素子の受光面に照射させることとした。
また、前記プレーナ光波回路が並列した複数の前記導波路を有する場合、隣接する導波路からの参照光が受光素子の受光面に入射するクロストークが発生する。そこで、前記光学素子を前記受光素子の受光面と前記プレーナ光波回路の上面との間に配置することで、前記参照光を対応する受光面にのみ結合することができ、隣接する導波路からのクロストークを低減できる。
従って、本願第一の発明は、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で光信号の光強度をモニタでき、応答性がよく高精度のモニタ用光学素子を提供することができる。
プレーナ光波回路が複数の導波路を有する場合、導波路毎に前記参照光を対応する前記受光素子の受光面に集光する必要がある。導波路毎に参照光の光軸等の調整をすればモニタ用光学素子の製造が困難になる。そこで、プレーナ光波回路が複数の導波路を有する場合、前記光学素子として複数のレンズを並列に並べたレンズアレイを使用するとよい。
前記光学素子としてレンズアレイを備えるモニタ用光学素子の製造方法は、平面上を複数のV字型の溝が直線的に横断するV溝面を有するV溝基板の前記V字型の溝に屈折率分布型レンズを挿入し、前記V字型の溝側の前記V溝基板の表面をガラス板で覆い固定し、前記屈折率分布型レンズの光軸方向と垂直な方向に所定の間隔で切断してレンズアレイを形成する光学素子形成工程と、前記隆起物の平面に出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光が前記光学素子形成工程で形成した前記レンズアレイの前記屈折率分布型レンズに結合されるように、前記研磨工程で形成された前記隆起物の平面又は前記プレーナ光波回路の上面の上に前記レンズアレイを配置する光学素子配置工程と、をさらに備え、前記研磨工程の後且つ前記受光素子配置工程の前に前記光学素子配置工程を行う。
前記レンズアレイは前記光学素子形成工程で形成できる。所望のV字型の溝の間隔のV溝基板及び所望の外径、長さならびに特性の屈折率分布型レンズを選択し、組み立てることで容易に前記レンズアレイを製造できる。さらに、前記レンズアレイは個々の屈折率分布型レンズの調整が不要であり、前記光学素子配置工程で位置合わせをするだけで導波路の参照光を対応する受光素子の受光面に結合できる。
従って、本発明は、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で、複数の導波路からの光信号の光強度をそれぞれモニタでき、応答性がよく高精度のモニタ用光学素子を簡易に製造できる製造方法を提供することができる。
本発明に係るモニタ用光学素子は、前記プレーナ光波回路の前記導波路は複数であり、前記プレーナ光波回路は、前記基板上に形成され、一又は複数の入力信号導波路から入力される光多重信号を多重されている光信号毎に分波して前記導波路に結合する分波回路と、前記基板上に形成され、前記導波路からの光信号を合波した光多重信号を一又は複数の出力信号導波路へ結合する合波回路と、をさらに有してもよい。
前記プレーナ光波回路は、前記分波回路と前記合波回路との間を複数の導波路で接続し、複数の前記導波路を一つの前記スリットが横断する構成を有している。前記分波回路は光多重信号を分波して多重されている光信号毎に前記導波路に出力する。前記スリットに嵌合された誘電体多層反射膜は前述のようにそれぞれの前記導波路から参照光を前記プレーナ光波回路の上面に出射させる。また、前記受光素子の受光面は前記導波路毎に配置されており、それぞれの前記参照光を受光することができる。
従って、本願第一の発明は、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で、多重されている各光信号の光強度を個々にモニタできるモニタ用光学素子を提供することができる。
なお、本願において、プレーナ光波回路の上面とは基板上に形成されたプレーナ光波回路の当該基板とは反対側の表面をいう。また、プレーナ光波回路の上面方向とは、基板からプレーナ光波回路の上面に向かう方向をいう。
本発明によれば、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で光信号の光強度をモニタできるモニタ用光学素子及びその製造方法を提供することができる。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。
(実施の形態1)
本実施形態は、基板上に形成されて光を伝搬する導波路ならびに前記導波路側の上面から前記基板への方向に対して所定の角度で形成されて前記導波路を分断するスリットを有するプレーナ光波回路と、前記スリットと嵌合し、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を参照光として前記プレーナ光波回路の上面方向へ反射させ、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を透過させて前記スリットで分断された前記導波路の他方へ結合する誘電体多層反射膜と、前記プレーナ光波回路の上で前記スリットの開口部の一部又は全部を覆うように配置され、前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を前記プレーナ光波回路の上面と相対する受光面で受光する受光素子と、を備えるモニタ用光学素子である。
図1は、本願第一の発明の実施形態のひとつであるモニタ用光学素子501の構成を示す図である。図2は図1のモニタ用光学素子501のA−A’における切断面を示した図である。なお、図3以降の図で使用する符号のうち、図1及び図2で使用した符号と同じ符号は同じ部品及び光信号を示す。
モニタ用光学素子501は基板10、下部クラッド層18、上部クラッド層17、石英コア13〜石英コア13(nは任意の自然数)、受光素子14、受光面14a、スリット15、誘電体多層反射膜16及び接着剤19を備える。なお、以下の説明において石英コア13と表したときは石英コア13〜石英コア13のいずれかの石英コアを意味するものとする。
基板10はモニタ用光学素子501を物理的に支えるために1mm程度の厚みのシリコン板を使用する。下部クラッド層18は石英で形成され、厚みは20μmである。上部クラッド層17も石英で形成される。
石英コア13はそれぞれ光を伝搬する導波路として機能する。石英コア13はA−A’の方向に垂直な断面において厚さ6μm、幅6μmである。また、石英コア13はモニタ用光学素子501の一の側面にある入力ポート11から他の側面にある出力ポート21へ至るように配置される。
前記プレーナ光波回路は下部クラッド層18、上部クラッド層17及び石英コア13を含む。プレーナ光波回路の上面とは上部クラッド層17の下部クラッド層18と反対側の表面を意味する。
スリット15は前記プレーナ光波回路の上面から基板10までの深さの溝である。スリット15の溝幅が大きいと光が漏洩し透過光損失を与えるため、スリット15の溝幅は25μm以下とすることが好ましい。図2のようにスリット15はモニタ用光学素子501の表面から基板10への方向に対して角度αを有するように斜めに形成されている。角度αは30°以上45°以下が例示できる。
誘電体多層反射膜16は表面に入射する光の一部を透過し、一部を反射する。誘電体多層反射膜16はスリット15と嵌合させるため、誘電体多層反射膜16の厚みはスリット15の溝幅以下に設計される。また、誘電体多層反射膜16として偏波依存損失の少ないものを選択することが好ましい。例えば、誘電体多層反射膜16の偏波依存損失は0.1dB以上0.5dB以下であることが例示できる。参照光Mmは石英コア13を伝搬する光信号Lmの偏波状態の影響を受け難くなるため、信号光Lmの偏波状態に関わらず参照光の光強度を正確にモニタすることができる。
受光素子14は受光面14aに入射する光強度を電気信号に変換する光電素子である。受光素子14は受光面14aが窓ガラスのパッケージに入れられ気密封止されたものでも良い。受光素子14としてフォトダイオードが例示できる。
基板10の上に下部クラッド層18を配置し、下部クラッド層18と上部クラッド層17とで石英コア13を挟み、石英コア13を導波路とするプレーナ光波回路を形成する。これらの石英コア13は250μm間隔にn本並んでいる。nや石英コア13の間隔はモニタ用光学素子501の用途や設計により変更される。
スリット15は前記プレーナ光波回路に形成されており、石英コア13を分断する。モニタ用光学素子501において、スリット15の開口部の長手方向と導波路の方向との成す角度は直角であるが、該角度はモニタ用光学素子501の用途や設計により任意の角度としてよい。
スリット15には誘電体多層反射膜16が挿入され接着剤19で固定される。接着剤19の屈折率は導波路を伝搬する光の損失や反射を低減するため、石英コア13の屈折率と略等しいことが望ましい。具体的には、接着剤19の屈折率が1.49以上1.51以下であることが例示できる。屈折率が上記範囲にある紫外線硬化型の接着剤としてエポキシ接着剤及びアクリル系接着剤が使用できる。また、屈折率が上記範囲にある熱硬化型接着剤としてエポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコン系接着剤及びポリウレタン系接着剤が使用できる。
受光素子14は受光面14aがモニタ用光学素子501の表面と相対しており、受光素子14はモニタ用光学素子501の表面に出射する誘電体多層反射膜16からの参照光Mmを受光できる位置に配置される。受光面14aは光信号の光強度のモニタが必要な導波路に対応する箇所に配置される。
なお、図1及び図2のモニタ用光学素子501では、受光素子14はスリット15を全て覆うように配置しているが、スリット15と受光素子14との相対位置や大きさにより受光素子14がスリット15の一部を覆う場合、あるいは受光素子14がスリット15を覆わない場合もある。
モニタ用光学素子501は次のように動作して導波路を伝搬する光信号の光強度をモニタする。なお、以下の説明においてスリット15で分断された入力ポート11側の石英コア13を石英コア13mI、出力ポート21側の石英コア13を石英コア13mOと記す。
入射光Lmはモニタ用光学素子501の一の側面にある入力ポート11から石英コア13mIに入射される。入射光Lmは石英コア13mIを伝搬して誘電体多層反射膜16に角度αで入射する。入射光Lmは誘電体多層反射膜16の反射率並びに透過損失に応じて、一部が反射し、一部が透過する。誘電体多層反射膜16で反射された入射光Lmは参照光Mmとしてプレーナ光波回路の上面方向へ進む。また、誘電体多層反射膜16を透過した入射光Lmは透過光Tmとして石英コア13mOへ結合される。透過光Tmは石英コア13mOを伝搬し、モニタ用光学素子501の他の側面にある出力ポート21から出射される。
参照光Mmは上部クラッド層17を通過してプレーナ光波回路の上面から出射して受光素子14の受光面14aに受光される。受光素子14から出力される信号(例えば電流値)を測定し、誘電体多層反射膜16の反射率並びに透過損失とともに計算することで入射光Lmの光強度ならびに透過光Tmの光強度をモニタできる。
モニタ用光学素子501の典型的な特性を表1に示す。誘電体多層反射膜16の偏波依存損失(反射光偏波依存損失)が表1程度であれば、信号光Lmの偏波状態に関わらず参照光の光強度を正確にモニタすることができ、応答性がよく高精度のモニタ用光学素子とすることができる。なお、表1に示す特性はモニタ用光学素子501の一例であり、誘電体多層反射膜16の種類やスリット15の角度αの変更で特性仕様は要求に応じて変更可能である。
Figure 2008040029
参照光Mmは前記プレーナ光波回路の上面に対して角度γで出射するため、受光面14aが前記プレーナ光波回路の上面と平行に配置されていれば、受光面14aにおける参照光Mmの照射形状は楕円となる。角度γが大きい場合、長軸と短軸との差が大きくなる。受光素子14の受光感度を一定に保つため、受光面14aを大きくしておく必要があり、受光素子14の小型化が困難という課題がある。
また、複数の導波路をもつプレーナ光波回路の場合、受光面14aを大きくすれば隣接導波路とのクロストークが問題となる。そのため、導波路間隔を広くする必要があり、プレーナ光波回路の小型化が困難という課題もある。
例えば、この課題を解決するために、受光面14aの垂線と参照光Mmの光軸方向とを一致させるように、前記プレーナ光波回路の上面で受光素子14を傾斜させ、受光面14aにおける参照光Mmの照射形状を円形に近づけることもできる。しかし、受光素子14を最大受光感度となるように受光面14aを傾斜させて配置することは困難である。
そこで、本発明のようにスリット15の角度αを表1に示す入射角とすることが好ましい。参照光Mmは前記プレーナ光波回路の上面に対して約60°から約90°の角度γで出射することになる。角度γが上記範囲であれば受光面14aにおける参照光Mmの照射形状は円形に近づくため、受光面14aを大きくすることや受光素子14を傾斜させることが不要となる。
従って、スリット15の角度αを前記範囲とすることで受光面14aを小さくすることができ、モニタ用光学素子501の小型化を図ることができる。さらに、複数の導波路が存在してもクロストークが低減するので、導波路間隔を狭くでき、モニタ用光学素子501の小型化を図ることができる。
モニタ用光学素子501は、コア材とクラッド材とで構成されて光を伝搬する導波路が基板上に形成されたプレーナ光波回路に、前記導波路を分断するスリットを前記プレーナ光波回路の前記導波路側の上面から前記基板への方向に対して所定の角度で形成するスリット形成工程と、前記スリット形成工程の後に、前記スリット形成工程で形成した前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を参照光として前記プレーナ光波回路の上面方向へ反射させ、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を透過させて前記スリットで分断された前記導波路の他方へ結合する誘電体多層反射膜を前記スリットに嵌合させる誘電体多層反射膜嵌合工程と、前記誘電体多層反射膜嵌合工程の後に、前記コア材と略等しい屈折率の接着剤を塗布し、前記誘電体多層反射膜嵌合工程で前記スリットに嵌合させた前記誘電体多層反射膜と前記スリットとを固定するとともに、前記誘電体多層反射膜の前記プレーナ光波回路の上面に突出する部分を包含するように接着剤で隆起物を形成する隆起物形成工程と、前記隆起物形成工程の後に、前記隆起物形成工程で形成された前記隆起物を前記誘電体多層反射膜の前記プレーナ光波回路の上面に突出する部分とともに研磨し、前記隆起物に前記プレーナ光波回路の上面と平行な平面を形成する又は前記隆起物を除去して前記プレーナ光波回路の上面を露出させる研磨工程と、前記研磨工程の後に、受光面を前記研磨工程で形成された前記隆起物の平面又は研磨工程で露出させた前記プレーナ光波回路の上面と相対させ、前記隆起物の平面又は前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を受光できる位置に受光素子を配置する受光素子配置工程と、を備えるモニタ用光学素子製造方法で製造できる。
スリット形成工程は前記プレーナ光波回路の導波路に垂直な線25に対して角度αでスリット15を形成する工程である。スリット15は汎用のダイシング装置で形成できる。ダイシング装置のブレードを幅15〜25μm程度のブレードとし、前記プレーナ光波回路を載せたダイシング装置の台座を傾斜させる。前記ブレードにより前記プレーナ光波回路の上面から基板10まで切れ込みを入れることで前記プレーナ光波回路の所望の箇所にスリット15を形成できる。ダイシング装置を使用せず、反応性イオンエッチングによる方法でもスリット15を形成することができる。この場合、スリット15の幅を5〜15μmとすることができる。スリット形成工程後のプレーナ光波回路を図3に示す。図4は図3のプレーナ光波回路のA−A’における切断面を示した図である。
誘電体多層反射膜嵌合工程はスリット15に誘電体多層反射膜16を挿入する工程である。隆起物形成工程はスリット15に嵌合させた誘電体多層反射膜16を接着剤19で固定する工程である。誘電体多層反射膜嵌合工程の後、前記プレーナ光波回路の上面から誘電体多層反射膜16の一部が突起した状態になる。前記プレーナ光波回路の上面に突起した誘電体多層反射膜16の部分を覆うように接着剤19を塗布する(図5)。接着剤の塗布によりスリット15と誘電体多層反射膜16との隙間に接着剤19が流れ込み、スリット15と誘電体多層反射膜16とを固定することができる。また、前記プレーナ光波回路の上面に突起した誘電体多層反射膜16の部分は接着剤19で覆われ接着剤の隆起物59となる。
接着剤塗布の際に接着剤に泡が含まれる場合又はスリット15と誘電体多層反射膜16との隙間に接着剤19が充填されない箇所が生ずる場合、誘電体多層反射膜16における透過率及び反射率が変化するため、予め接着剤から脱気しておくこと又は粘度の低い接着剤を使用することが望ましい。例えば、接着剤の粘度として22mPa・sが例示できる。図5は隆起物形成工程後のプレーナ光波回路の石英コア13を含む面で切断した切断面を示した図である。
研磨工程は、接着剤の隆起物59を前記プレーナ光波回路の上面に突起した誘電体多層反射膜16の一部とともにラッピングなどで研磨して平らな面を形成する工程である。参照光が伝搬する距離を短縮し、参照光の広がりを抑えるために接着剤の隆起物59及び誘電体多層反射膜16を研磨する。なお、前記プレーナ光波回路の上面を研磨しないように、接着剤の隆起物59を全て研磨せず、接着剤の薄膜59aを残してもよい。図6は研磨工程後のプレーナ光波回路を石英コア13を含む面で切断した切断面を示した図である。図6は接着剤の薄膜59aが残された状態の図である。なお、図2に示すモニタ用光学素子501は研磨工程で接着剤の隆起物59を全て研磨して製造したものである。
受光素子配置工程は、誘電体多層反射膜16からの参照光を受光する受光素子14を配置する工程である。研磨工程の後にプレーナ光波回路の上面又は接着剤の薄膜59a上に受光面14aを下にして受光素子14を配置する。受光素子14とプレーナ光波回路の上面又は接着剤の薄膜59aとはUV接着剤で固定する。受光素子14の電極接続はプレーナ光波回路上に形成された配線パターンとの間をワイヤボンドで行っても良い。また、受光素子14が前面電極構造のフォトダイオードチップの場合、BGA(ボールグリットアレイ)の手法でプレーナ光波回路に形成された電極パッドに直接受光素子14を接続しても良い。図7は受光素子配置工程後のプレーナ光波回路を石英コア13を含む面で切断した切断面を示した図である。図7では受光素子14の電気配線の記載を省略している。
従って、スリット形成工程から受光素子配置工程で、プレーナ光波回路の導波路の任意の位置で光信号の光強度をモニタできるモニタ用光学素子を製造することができる。
(実施の形態2)
本実施形態は、前記プレーナ光波回路の上面と前記受光素子の前記受光面との間に、前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を前記受光素子の前記受光面に集光する光学素子をさらに備えるモニタ用光学素子である。
図8は、本願第一の発明の他の実施形態であるモニタ用光学素子508の構成を示す図である。図9は石英コア13mを含む面で切断した図8のモニタ用光学素子508の切断面を示した図である。図1のモニタ用光学素子501とモニタ用光学素子508との違いは、モニタ用光学素子508が光学素子87をさらに備えていることである。
光学素子87はレンズ85を含む。そのため、光学素子87の一方から入射した光はレンズ85を通り、光学素子87の他方から出射してレンズ85の焦点に集光する。具体的には、レンズ85は参照光Mmを受光面14aに集光できるように設計されている。光学素子87は前記プレーナ光波回路の上面と受光素子14の受光面14aとの間に配置される。参照光Mmが角度γで出射するため、図9のようにレンズ85の光軸を参照光Mmの光軸に合わせてもよい。
モニタ用光学素子508は次のように動作して導波路を伝搬する光信号の光強度をモニタする。モニタ用光学素子508は図1のモニタ用光学素子501の動作説明と同様に、入射光Lmの一部を参照光Mmとして前記プレーナ光波回路の上面に出射させる。前記プレーナ光波回路の上面に出射した参照光Mmは光学素子87に入り、集光されて受光面14aに結合される。
参照光Mmは集光しており、受光面14aをさらに小さくできるため、受光素子14の小型化ができる。また、浮遊静電容量を低減することができるため、受光素子14は高速動作が可能となる。従って、モニタ用光学素子508は、モニタ用光学素子501に比べ小型化でき、高速通信の光信号の光強度を直接且つ正確に測定することができる。
また、プレーナ光波回路が複数の導波路を有する場合、光学素子87を複数のレンズ85が一次元あるいは二次元に配置されたレンズアレイとすることが好ましい。例えば、前記レンズアレイのレンズ85として、微小なマイクロレンズ、フレネルレンズ及び屈折率分布型レンズが例示できる。屈折率分布型レンズとしてはGRINレンズやGI(グレーテッドインデックス)型の光ファイバが例示できる。光学素子87はクロストークを防止できるため、モニタ用光学素子508の小型化が図れる。さらに、個々のレンズの位置合わせ等の調整が不要になり製造コストの低減を図ることができる。
次に、屈折率分布型レンズを利用したレンズアレイの光学素子87を備えたモニタ用光学素子508の製造方法を説明する。モニタ用光学素子508は、図1で説明したモニタ用光学素子501の製造方法において、研磨工程の後且つ受光素子配置工程の前に光学素子87を配置する光学素子配置工程を行うことで製造できる。光学素子87としてレンズアレイを配置する場合、レンズアレイを製造する光学素子形成工程が必要である。
具体的には、モニタ用光学素子508の製造方法は、平面上を複数のV字型の溝が直線的に横断するV溝面を有するV溝基板の前記V字型の溝に屈折率分布型レンズを挿入し、前記V字型の溝側の前記V溝基板の表面をガラス板で覆い固定し、前記屈折率分布型レンズの光軸方向と垂直な方向に所定の間隔で切断してレンズアレイを形成する光学素子形成工程と、前記隆起物の平面に出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光が前記光学素子形成工程で形成した前記レンズアレイの前記屈折率分布型レンズに結合されるように、前記研磨工程で形成された前記隆起物の平面又は前記プレーナ光波回路の上面の上に前記レンズアレイを配置する光学素子配置工程と、をさらに備え、前記研磨工程の後且つ前記受光素子配置工程の前に前記光学素子配置工程を行う。
図10にレンズアレイの製造工程を示す。シリコンあるいはガラスの基板95にV字型のV溝を形成する(図10(a))。図10(a)で形成したV溝付の基板95のV溝に屈折率分布型レンズ96を配列させる(図10(b))。例えば、125μm間隔のV溝に直径125μmの屈折率分布型レンズ96を配列することが例示できる。V溝の間隔および屈折率分布型レンズ96の直径、本数は任意で良い。
図10(b)の後に屈折率分布型レンズ96を含む基板95の表面に接着剤を塗布し、カバーガラス97を取り付ける(図10(c))。接着剤としては熱硬化型や紫外線硬化型を用いることができるが、ここでは作業性の良さから紫外線を照射して、接着剤を硬化させた。予備実験等で参照光を受光素子の受光面に集光できる最小の屈折率分布型レンズの長さを測定しておき、屈折率分布型レンズ96を長手方向に基板95、屈折率分布型レンズ96及びカバーガラス97をまとめて前記長さ毎にダイシングソーで切断する。
基板95、屈折率分布型レンズ96及びカバーガラス97を屈折率分布型レンズ96に対して垂直に切断し完成させたレンズアレイ98を図10(d)に示す。任意の長さに切断することや屈折率分布型レンズ96に対して斜めに切断することで特性が変化するため、モニタ用光学素子の要求特性(例えば隣接間クロストークの改善、感度改善、周波数特性改善)に合わせてカスタマイズが可能である。
光学素子配置工程では図8又は図9の光学素子87の代替として光学素子形成工程で作成したレンズアレイ98を配置する。レンズアレイ98は研磨工程後のプレーナ光波回路の上面又は接着剤の薄膜59aの上に配置される。平らな切断面を薄膜59a上に配置するため、作業が容易である。レンズアレイ98の位置は次のように決定してもよい。あらかじめレンズアレイ98に光を照射し、前記光のうち屈折率分布型レンズ透過したビームがプレーナ光波回路の上面に対して垂直になるようにレンズアレイ98の位置を調整し、その位置に目印を置く。前記目印に合わせてレンズアレイ98を取り付ける。あるいは、プレーナ光波回路の入力ポート11の両側(例えば、図8の石英コア131−Iと139−I)に光を入射し、レンズアレイ98からの出射光がプレーナ光波回路の上面に対して垂直になるように合わせ、そのまま接着固定する方法がある。入射光の波長が1.55μm帯の近赤外光の場合にはレンズアレイの出射上部付近に赤外線撮像装置(例えば、焦電ビジコンなど)を配置し、ビームの垂直性を確認しながら接着固定することができる。また、簡便にはヘリウムネオンレーザーを入射して、目視又はCCDセンサーで垂直性を出すこともできる。
さらに、受光素子配置工程で、レンズアレイ98の上に受光素子14を受光感度が最大になるように配置する。平らな切断面上に受光素子14を配置するため、作業が容易である。
(実施の形態3)
本実施形態に係るモニタ用光学素子は、前記プレーナ光波回路の前記導波路は複数であり、前記プレーナ光波回路は、前記基板上に形成され、一又は複数の入力信号導波路から入力される光多重信号を多重されている光信号毎に分波して前記導波路に結合する分波回路と、前記基板上に形成され、前記導波路からの光信号を合波した光多重信号を一又は複数の出力信号導波路へ結合する合波回路と、をさらに有している。
図11は本願第一の発明の他の実施形態であるモニタ用光学素子511の概念図である。モニタ用光学素子511は導波路126、入力信号導波路127、前記分波回路としての分波用AWG120、前記合波回路としての合波用AWG125、出力信号導波路128ならびに前記スリット15を有するプレーナ光波回路と、前記誘電体多層反射膜16と、受光素子14と、を備える。
モニタ用光学素子511と図1のモニタ用光学素子501との違いは、モニタ用光学素子511のプレーナ光波回路に入力信号導波路127、分波用AWG120、合波用AWG125、出力信号導波路128をさらに有していることである。
入力信号導波路127は外部の光ファイバなどと接続され、WDM信号のような多重光信号が結合される。図11で入力信号導波路127は1本であるが、複数本であってもよい。分波用AWG120は入力される一又は複数のWDM信号を多重されている光信号の波長毎に分派して出力する。合波用AWG125は波長の異なる光信号を合波して一又は複数のWDM信号を出力する。出力信号導波路128は外部の光ファイバなどと接続され、該光ファイバにWDM信号を結合する。図11で出力信号導波路128は1本であるが、複数本であってもよい。
導波路126は図1で説明した石英コア13と同じ構成であり、同様に機能する。スリット15、誘電体多層反射膜16及び受光素子14は図1のモニタ用光学素子501の説明のように機能する。
モニタ用光学素子511は次のように製造できる。基板上にプレーナ光波回路として公知の製造方法で導波路126、入力信号導波路127、前記分波回路としての分波用AWG120、前記合波回路としての合波用AWG125、出力信号導波路128を形成しておき、図1のモニタ用光学素子501の製造方法で説明したように、導波路126にスリット15を形成する。次いで、図1のモニタ用光学素子501の製造方法で説明したように、誘電体多層反射膜16を挿入して固定し、受光素子14を配置する。
モニタ用光学素子511に入力されたWDM信号は、分波用AWG120で波長毎の光信号に分割され、それぞれ導波路126に結合される。それぞれの導波路126を伝搬する光信号は図1のモニタ用光学素子501の説明のように一部が参照光として受光素子14に受光される。図1のモニタ用光学素子501の説明のように誘電体多層反射膜16を透過した光信号は合波用AWG125で合波され、WDM信号として外部へ出力される。
従って、モニタ用光学素子511は簡易な構造でWDM信号に多重されている光信号毎の光強度を直接測定することができる。例えば、モニタ用光学素子511をWDM信号が伝送される光ファイバに挿入することで、特許文献1に記載されるような部品点数の多いファイバタップ回路及び高価なスペクトロアナライザを使用せず光強度を直接測定することができる。
(実施の形態4)
図12は本願第一の発明の他の実施形態であるモニタ用光学素子512の概念図である。図12で使用する符号と図11で使用した符号と同一の符号は同一の部品を示す。モニタ用光学素子512と図11のモニタ用光学素子511との違いは、モニタ用光学素子512には可変減衰器124がさらに備えられていることである。
可変減衰器124は入力された光信号の光強度を減衰して出力する。光強度の減衰量は図示しない外部からの信号で変化させることができる。例えば、可変減衰器124としてTOMZ型光減衰器が例示できる。TOMZ型光減衰器とは、導波路をカプラあるいはY分岐で2つに分岐し、それぞれの導波路を一定の長さに保持して、カプラあるいはY分岐でさらに1つの導波路に結合してマッハゼンダー(MZ)光学干渉光学系を形成したものである。2つに分岐した導波路の片方を加熱するなどして、熱光学効果により位相差を与えるとその位相差の程度によりこの干渉系を通過した光を可変減衰させることが可能である。可変減衰器124は図示しない制御回路を介して受光素子14と接続している。
モニタ用光学素子512は図11のモニタ用光学素子511と同様に製造できる。モニタ用光学素子512は図11のモニタ用光学素子511と同様に動作する。さらに、モニタ用光学素子512は、受光素子14で測定した光信号の光強度を基に、可変減衰器124へフィードバック制御することができる。具体的には、それぞれの導波路126を伝搬する光信号の内、最も光強度が弱い光信号の光強度に他の光信号の光強度を合わせるように可変減衰器124を調整することができる。
従って、モニタ用光学素子512は図11のモニタ用光学素子511で説明した効果の他に、分波した光信号毎に光強度を調整できる。例えば、WDM通信の場合、波長毎に光強度が異なる光信号を合波すると伝送特性の劣化が生ずる。そこで、WDM通信の伝送路にモニタ用光学素子512を挿入すれば、波長毎の光強度が揃うため、WDM通信の伝送特性の向上を図ることができる。
(実施の形態5)
図13は本願第一の発明の他の実施形態であるモニタ用光学素子513の概念図である。図13で使用する符号と図11及び図12で使用した符号と同一の符号は同一の部品を示す。モニタ用光学素子513と図11のモニタ用光学素子511との違いは、モニタ用光学素子513には可変減衰器124及び光再配置型アドドロップ回路132がさらに備えられていることである。
光再配置型アドドロップ回路132は、ドロップ用導波路121、アド用導波路122及び熱光学効果型光スイッチ123を含む。ドロップ用導波路121及びアド用導波路122は入力信号導波路127や出力信号導波路128とは別にモニタ用光学素子513の外部から光信号を入力又は外部へ光信号を出力する。熱光学効果型光スイッチ123は主導波路へ他の光回路からの光信号を挿入(アド)するあるいは主導波路から他の光回路へ信号を転送するために取り出す(ドロップ)。
熱光学効果型光スイッチ123は分波用AWG120とスリット15との間で、導波路126毎に配置される。さらに、それぞれの熱光学効果型光スイッチ123には外部からの光信号が入力されるアド用導波路122及び外部へ光信号を出力するドロップ用導波路121が接続される。
モニタ用光学素子513は、熱光学効果型光スイッチ123によりアド用導波路122からの光信号を導波路126毎にアドする。また、モニタ用光学素子513は、熱光学効果型光スイッチ123によりドロップ用導波路121へ光信号を導波路126毎にドロップする。モニタ用光学素子513は、アド又はドロップされた光信号の光強度を図11のモニタ用光学素子511で説明したように導波路毎に測定することができる。さらに、モニタ用光学素子513は、その測定結果に基づき、図示しないフィードバック回路で可変減衰器124にフィードバックして、スルーあるいはアドされる光信号の光強度を調整し、合波用AWG125で合波される光信号の光強度をそろえることができる。
従って、モニタ用光学素子513は図11のモニタ用光学素子511で説明した効果の他に、分波した光信号毎にアド又はドロップができ、スルーあるいはアドされる光信号の光強度を調整できる。例えば、WDM通信の場合、アドドロップ装置としてモニタ用光学素子513を使用すれば、波長毎の光強度が揃うため、WDM通信の伝送特性の向上を図ることができる。
アドドロップ装置としてモニタ用光学素子513を使用すれば、ファイバタップ回路やスペクトロアナライザを使用しないため、小型で低価格のアドドロップ装置を製造することができる。
本発明のモニタ用光学素子は、プレーナ光波回路であれば、基板上にアドドロップ機能以外にも、光結合分岐機能やスプリット機能などの光波回路を含むことができ、導波路の所望の位置で光信号の光強度を測定できる。
本願第一の発明の一実施形態に係るモニタ用光学素子501の概念図である。 モニタ用光学素子501をA−A’(石英コア13を含む平面)で切断した切断面を示した図である。 スリット形成工程後のプレーナ光波回路の概念図である。 スリット形成工程後のプレーナ光波回路を石英コア13を含む平面で切断した切断面を示した図である。 隆起物形成工程後のプレーナ光波回路を石英コア13を含む平面で切断した切断面を示した図である。 研磨工程後のプレーナ光波回路を石英コア13を含む平面で切断した切断面を示した図である。 受光素子配置工程後のプレーナ光波回路を石英コア13を含む平面で切断した切断面を示した図である。 本願第一の発明の他の実施形態に係るモニタ用光学素子508の概念図である。 モニタ用光学素子508を石英コア13を含む平面で切断した切断面を示した図である。 レンズアレイの製造工程を示す図である。(a)は基板にV溝を形成する工程後の図である。(b)はV溝に屈折率分布型レンズを配列する工程後の図である。(c)カバーガラス取り付け工程後の図である。(d)ダイシングソーで切断する工程後の図である。 本願第一の発明の他の実施形態に係るモニタ用光学素子511の概念図である。 本願第一の発明の他の実施形態に係るモニタ用光学素子512の概念図である。 本願第一の発明の他の実施形態に係るモニタ用光学素子513の概念図である。
符号の説明
501、508、511、512、513 モニタ用光学素子
10 基板
11 入力ポート
13 石英コア、mは1からnまでの自然数(石英コアは導波路として機能する)
13m―I 入力側石英コア(石英コアは導波路として機能する)
13m―O 出力側石英コア(石英コアは導波路として機能する)
14 受光素子
14a 受光面
15 スリット
16 誘電体多層反射膜
17 上部クラッド層
18 下部クラッド層
19 接着剤
21 出力ポート
25 プレーナ光波回路の導波路に垂直な線
59 接着剤の隆起物
59a 接着剤の隆起物59を研磨して作成した薄膜
85 レンズ
87 光学素子
95 V溝基板
96 屈折率分布型レンズ
97 カバーガラス
98 レンズアレイ
120 分波用AWG
121 ドロップ用導波路
122 アド用導波路
123 熱光学効果型光スイッチ
124 可変減衰器
125 合波用AWG
126 導波路
127 入力信号導波路
128 出力信号導波路
132 光再配置型アドドロップ回路

Claims (5)

  1. 基板上に形成されて光を伝搬する導波路ならびに前記導波路側の上面から前記基板への方向に対して所定の角度で形成されて前記導波路を分断するスリットを有するプレーナ光波回路と、
    前記スリットと嵌合し、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を参照光として前記プレーナ光波回路の上面方向へ反射させ、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を透過させて前記スリットで分断された前記導波路の他方へ結合する誘電体多層反射膜と、
    前記プレーナ光波回路の上で前記スリットの開口部の一部又は全部を覆うように配置され、前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を前記プレーナ光波回路の上面と相対する受光面で受光する受光素子と、
    を備えるモニタ用光学素子。
  2. 前記プレーナ光波回路の上面と前記受光素子の前記受光面との間に、前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を前記受光素子の前記受光面に集光する光学素子をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のモニタ用光学素子。
  3. 前記プレーナ光波回路の前記導波路は複数であり、
    前記プレーナ光波回路は、
    前記基板上に形成され、一又は複数の入力信号導波路から入力される光多重信号を多重されている光信号毎に分波して前記導波路に結合する分波回路と、
    前記基板上に形成され、前記導波路からの光信号を合波した光多重信号を一又は複数の出力信号導波路へ結合する合波回路と、
    をさらに有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のモニタ用光学素子。
  4. コア材とクラッド材とで構成されて光を伝搬する導波路が基板上に形成されたプレーナ光波回路に、前記導波路を分断するスリットを前記プレーナ光波回路の前記導波路側の上面から前記基板への方向に対して所定の角度で形成するスリット形成工程と、
    前記スリット形成工程の後に、前記スリット形成工程で形成した前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を参照光として前記プレーナ光波回路の上面方向へ反射させ、前記スリットで分断された前記導波路の一方からの光の一部を透過させて前記スリットで分断された前記導波路の他方へ結合する誘電体多層反射膜を前記スリットに嵌合させる誘電体多層反射膜嵌合工程と、
    前記誘電体多層反射膜嵌合工程の後に、前記コア材と略等しい屈折率の接着剤を塗布し、前記誘電体多層反射膜嵌合工程で前記スリットに嵌合させた前記誘電体多層反射膜と前記スリットとを固定するとともに、前記誘電体多層反射膜の前記プレーナ光波回路の上面に突出する部分を包含するように接着剤で隆起物を形成する隆起物形成工程と、
    前記隆起物形成工程の後に、前記隆起物形成工程で形成された前記隆起物を前記誘電体多層反射膜の前記プレーナ光波回路の上面に突出する部分とともに研磨し、前記隆起物に前記プレーナ光波回路の上面と平行な平面を形成する又は前記隆起物を除去して前記プレーナ光波回路の上面を露出させる研磨工程と、
    前記研磨工程の後に、受光面を前記研磨工程で形成された前記隆起物の平面又は研磨工程で露出させた前記プレーナ光波回路の上面と相対させ、前記隆起物の平面又は前記プレーナ光波回路の上面から出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光を受光できる位置に受光素子を配置する受光素子配置工程と、
    を備えるモニタ用光学素子製造方法。
  5. 平面上を複数のV字型の溝が直線的に横断するV溝面を有するV溝基板の前記V字型の溝に屈折率分布型レンズを挿入し、前記V字型の溝側の前記V溝基板の表面をガラス板で覆い固定し、前記屈折率分布型レンズの光軸方向と垂直な方向に所定の間隔で切断してレンズアレイを形成する光学素子形成工程と、
    前記隆起物の平面に出射する前記誘電体多層反射膜からの前記参照光が前記光学素子形成工程で形成した前記レンズアレイの前記屈折率分布型レンズに結合されるように、前記研磨工程で形成された前記隆起物の平面又は前記プレーナ光波回路の上面の上に前記レンズアレイを配置する光学素子配置工程と、
    をさらに備え、
    前記研磨工程の後且つ前記受光素子配置工程の前に前記光学素子配置工程を行うことを特徴とする請求項4に記載のモニタ用光学素子製造方法。


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