JP2008039178A - アンギュラ玉軸受、建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置及びロボットアームの関節装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラジアル剛性とアキシアル剛性をバランスよく確保できるアンギュラ玉軸受を提供することである。
【解決手段】ボール3が内輪1および外輪2の各軌道面1a、2aと2点P1、P2およびQ1、Q2で接触する接触角のうちの、軸受中心線Cに近い側の接触角αP1、αQ1を15〜25°、軸受中心線Cから離れた側の接触角αP2、αQ2を40〜50°とすることにより、ラジアル剛性とアキシアル剛性をバランスよく確保できるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】ボール3が内輪1および外輪2の各軌道面1a、2aと2点P1、P2およびQ1、Q2で接触する接触角のうちの、軸受中心線Cに近い側の接触角αP1、αQ1を15〜25°、軸受中心線Cから離れた側の接触角αP2、αQ2を40〜50°とすることにより、ラジアル剛性とアキシアル剛性をバランスよく確保できるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、アンギュラ玉軸受、並びに、このアンギュラ玉軸受を使用した建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置及びロボットアームの関節装置に関する。
アンギュラ玉軸受は、ラジアル荷重とアキシアル荷重を受けられるように、軸受中心線の互いに反対側で内輪と外輪に盛り上がった肩部が設けられ、ボールが内輪および外輪の軌道面と、軸受中心線から各肩部側に偏った点で接触するようになっている。肩部と反対側のカウンタ部側では殆ど盛り上がりはなく、ボールが内外輪の各軌道面で受けられる中心角の範囲は、軸受中心線から肩部側へ約0〜78°程度である。
このようなアンギュラ玉軸受で、建設機械やロボットの減速機等に低速回転で使用され、高い剛性を要求されるものでは、内輪および外輪の軌道面の少なくとも一方と、ボールを異なる接触角の2点で接触させ、ボールと軌道面間の接触荷重を分散させて、その弾性接触変形量を低減するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。なお、ボールが異なる接触角の2点で軌道面と接触すると、両接触点での軌道面の周速差によって摩耗が生じやすくなるが、低速回転で使用されるアンギュラ玉軸受ではこの周速差が小さく、摩耗は問題とならない。
しかしながら、特許文献1に記載されたように、内輪および外輪の軌道面の少なくとも一方と、ボールが異なる接触角の2点で接触するアンギュラ玉軸受では、軸受中心線に近い側の接触角α1を大きくすると、ラジアル荷重に対するラジアル剛性が低下し、軸受中心線から離れた側の接触角α2を小さくすると、アキシアル荷重に対するアキシアル剛性が低下する問題がある。
そこで、本発明の課題は、ラジアル剛性とアキシアル剛性をバランスよく確保できるアンギュラ玉軸受を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は、ボールが内輪および外輪の軌道面と軸受中心線の互いに反対側で接触し、その少なくとも一方の軌道面と異なる接触角の2点で接触するアンギュラ玉軸受において、前記ボールが2点で接触する異なる接触角のうちの、前記軸受中心線に近い側の接触角α1を15〜25°、軸受中心線から離れた側の接触角α2を40〜50°とした構成を採用した。
本発明者らは、前記ボールと軌道面との弾性接触変形を弾性接触理論に基づいて計算し、各接触角α1、α2の違いによるラジアル剛性とアキシアル剛性を定量的に調査した。計算対象としたアンギュラ玉軸受のサイズは、外径380mm、内径290mm、幅40mmとした。図2は、接触角α2を45°一定として、接触角α1を変化させたときのラジアル荷重に対するラジアル変位の計算結果を、図3は、接触角α1を15°一定として、接触角α2を変化させたときのアキシアル荷重に対するアキシアル変位の計算結果を示す。図2および図3の各グラフは、接触角αが30°でボールが1点接触する場合を比較例として、計算結果を相対比較して示すものであるが、1点接触の場合は、ラジアル変位もアキシアル変位も2点接触の場合よりかなり大きくなっている。
上記各計算結果より、ラジアル変位は接触角α1を小さくするほど少なくなり、25°以下で十分なラジアル剛性を確保できることが分かった。また、アキシアル変位は接触角α2を大きくするほど少なくなり、40°以上で十分なアキシアル剛性を確保できることが分かった。これらの計算結果に基づいて、接触角α1の範囲を15〜25°、接触角α2の範囲を40〜50°に限定した。なお、接触角α1の下限値を15°としたのは、ボールがカウンタ部へ乗り上げる恐れをなくすためであり、接触角α2の上限値を50°としたのは、ボールが肩部へ乗り上げる恐れをなくすためである。
前記接触角α1、α2間の広がり角β(=α2−α1)を20°以上とすることにより、ボールが軌道面と接触する2点間での弾性接触変形領域の重なり合いを防止して、ボールを2点接触させることによる剛性向上効果を十分に確保することができる。
前記ボールを前記内輪および外輪の軌道面の両方と、前記異なる接触角の2点で接触させることにより、ラジアル剛性とアキシアル剛性をよりバランスよく確保することができる。
本発明のアンギュラ玉軸受は、ボールが2点で接触する異なる接触角のうちの、軸受中心線に近い側の接触角α1を15〜25°、軸受中心線から離れた側の接触角α2を40〜50°としたので、ラジアル剛性とアキシアル剛性をバランスよく確保することができる。
前記接触角α1、α2間の広がり角β(=α2−α1)を20°以上とすることにより、ボールが軌道面と接触する2点間での弾性接触変形領域の重なり合いを防止して、ボールを2点接触させることによる剛性向上効果を十分に確保することができる。
前記ボールを内輪および外輪の軌道面の両方と、異なる接触角の2点で接触させることにより、ラジアル剛性とアキシアル剛性をよりバランスよく確保することができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。このアンギュラ玉軸受は、図1に示すように、内輪1と外輪2の軌道面1a、2a間に複数のボール3が保持器4で保持され、内輪1と外輪2は、軸受中心Oを通る軸受中心線Cの互いに反対側で盛り上がった肩部1b、2bが設けられ、それぞれの軌道面1a、2aの反対側にはカウンタ部1c、2cが設けられている。
前記ボール3は、内輪1の軌道面1aと軸受中心線Cから肩部1b側に偏った2点P1、P2で接触するとともに、外輪2の軌道面2aとも軸受中心線Cから肩部2b側に偏った2点Q1、Q2で接触している。ボール3が各軌道面1a、2aと軸受中心線Cに近い側で接触する点P1、Q1の接触角αP1、αQ1は、いずれも15〜25°、軸受中心線Cから離れた側で接触する点P2、Q2の接触角αP2、αQ2は、いずれも40〜50°とされ、接触角αP1、αP2間の広がり角βPと接触角αQ1、αQ2間の広がり角βQは20°以上とされている。この実施形態では、内輪1側の各接触角αP1、αP2と外輪2側の各接触角αQ1、αQ2とは、軸受中心Oに対して互いに点対称に等しく設定されている。
上述した実施形態では、内輪と外輪の両方の軌道面とボールを2つの接触点で接触させるようにし、両方の軌道面の各接触点での接触角を点対称で等しく設定したが、これらの接触角は必ずしも点対称で等しく設定する必要はない。また、内輪と外輪のいずれか一方の軌道面のみとボールを2つの接触点で接触させるようにしてもよい。
以下、実施例に係るアンギュラ玉軸受(以下、単に実施例という)及び比較例に係るアンギュラ玉軸受(以下、単に比較例という)に対するアキシアル剛性測定試験の結果を示し、上記弾性接触理論に基づいた計算の妥当性を明らかにする。
実施例および比較例は、軸受内径dがφ240[mm]、軸受外径Dがφ310[mm]、軸受高さTが33[mm]のものである。
実施例は、上記接触角αP1、αQ1(以下、単にα1と呼ぶ)を20°とし、上記接触角αP2、αQ2(以下、単にα2と呼ぶ)を40°とした4点接触のものである。
比較例は、ボールが内輪および外輪の軌道面と軸受中心線の互いに反対側で1点接触し、各軌道面における接触角αを30°とした点でのみ実施例と相違する2点接触のものである。
実施例と比較例のアキシアル剛性は、それぞれ図4(a)に示す試験機EMを使用して測定されている。この試験機EMは、地上側に固定された測定台Mpと、実施例の内輪1の内径が外周に嵌合される荷重側ハウジングH1と、実施例の外輪2の外径が内周に嵌合される受け側ハウジングH2と、この受け側ハウジングH2を測定台Mpの水平板上に支持するスラスト軸受Bと、測定台Mpの水平板に対して測定子が垂直に設置されたダイヤルゲージDgとからなる。
試験機EMに実施例を組み込むと、軸受中心軸が垂直を向くようになっている。この状態で、内輪1の肩部側端面は、荷重側ハウジングH1の外周段部により垂直方向上側へのずれ動きが規制され、また、外輪2の肩部側端面は、受け側ハウジングH2の内周段部により垂直方向下側へのずれ動きが規制されるようになっている。
上記ハウジングH1には、図4(a)中に白抜き矢で示すように、この上面に垂直方向下向きの荷重、すなわち、実施例に対する純アキシアル荷重が負荷される。実施例に純アキシアル荷重が負荷されても、両ハウジングH1、H2による内外輪1、2の肩部側端面のずれ動き規制により、実施例は両ハウジングH1、H2から脱落しない。
ここで、両ハウジングH1、H2は、組み込まれた実施例の軸受中心軸と同一直線上に対称軸を有し、その対称軸に直交するどの横断面においても円状ないし円環状になっており、周方向の剛性バランスが均一になっている。
なお、この試験機EMでは、スラスト軸受Bにより受け側ハウジングH2が軸受中心軸回りで回転可能に支持されるため、実施例のボール3を転動させた状態で測定することも可能である。
上記ダイヤルゲージDgの測定子は、荷重側ハウジングH1の下面中心(すなわち、荷重側ハウジングH1の剛性バランスの中心線である対称軸上の位置)に接触するようになっている。荷重側ハウジングH1の垂直方向下向きの変位を最も正確に測定することができるからである。
なお、ボールの接触態様のみが実施例と異なる比較例も、試験軸受として試験機EMに実施例と同じように組み込むことができるのは勿論である。
上記試験機EMを使用したアキシアル剛性測定試験測定方法を説明する。
(I)試験機の剛性を測定する。すなわち、図4(b)に示すように、荷重側ハウジングH1と受け側ハウジングH2との間にスペーサリングSrを組み込む。このスペーサリングSrは、内径:d=φ240[mm]、外径:D=φ310[mm]、高さ:T=33[mm]であり、実施例に対応するサイズになっている。
(I)試験機の剛性を測定する。すなわち、図4(b)に示すように、荷重側ハウジングH1と受け側ハウジングH2との間にスペーサリングSrを組み込む。このスペーサリングSrは、内径:d=φ240[mm]、外径:D=φ310[mm]、高さ:T=33[mm]であり、実施例に対応するサイズになっている。
スペーサリングSrを組み込んだ状態で、荷重側ハウジングH1に対して純アキシアル荷重を負荷する。純アキシアル荷重は、9807[N]から98067[N]まで変化させた。
ここで、9807[N]の純アキシアル荷重の負荷時にダイヤルゲージDの指示値を0とした。荷重を抜いた状態では、落ち着き性が悪いため、少し荷重を掛けた所で0セットとしたのである。
なお、試験機の剛性を測定する目的から、スペーサリングSrは、最大純アキシアル荷重の負荷時においてそのアキシアル方向変位を無視することができる剛性のものを利用した。
(II)次に、試験軸受を組み込んだ状態における試験機の剛性を測定する。荷重側ハウジングH1と受け側ハウジングH2との間に試験軸受(実施例又は比較例)を組み込んだ状態とし、スペーサリングSrの場合と同じようにして測定を実施する。
(III)次に、試験軸受の剛性を算出する。その算出は、同一の純アキシアル荷重値において、上記(II)の測定値から上記(I)の測定値を減算することによる。この減算により、試験機自体のアキシアル変位の影響が除去され、試験軸受のアキシアル変位を得ることができる。
実施例と比較例のそれぞれに上記(I)〜(III)の測定を実施した結果を図5に線グラフとして示す。
図3と図5を見比べると、純アキシアル荷重の変化に対するアキシアル変位(すなわちアキシアル剛性)の変化の傾向は、弾性接触理論に基づいた計算による線グラフ(図3参照)と上記測定の結果(図5参照)との間でよく合致しており、上記弾性接触理論に基づいた計算の妥当性を確認することができた。
次に、上記実施例において、広がり角β(α2−α1)の変更による接触応力の変化について数値解析を行った。この数値解析の目的は、接触角α1、α2の各接触点における接触楕円を考えたとき、互いの接触楕円同士の重なりによる接触応力の変化を確認することである。
具体的には、各広がり角βにおけるα1、α2の各接触点におけるラジアル荷重が作用した際の接触応力を、第1に、弾性接触理論で個々に計算し、第2に、境界要素法(BEM)により計算した。
上記数値解析は、実施例の広がり角βは、10°、20°、30°の3例でそれぞれ行った。
図6に、第1の計算結果を分母とし、第2の計算結果を分子として各設定例における相対比率を示す。この相対比率は、その値が大きい程、α1、α2の各接触点において、互いの接触楕円同士の重なりにより接触応力が大きくなることを示唆する。
上記数値解析は、実施例の広がり角βは、10°、20°、30°の3例でそれぞれ行った。
図6に、第1の計算結果を分母とし、第2の計算結果を分子として各設定例における相対比率を示す。この相対比率は、その値が大きい程、α1、α2の各接触点において、互いの接触楕円同士の重なりにより接触応力が大きくなることを示唆する。
図6からは、広がり角βが小角度から大角度に変化する程、相対比率の値が小さくなる、すなわち、接触応力の上昇が抑えられることが分かる。
したがって、この発明に係るアンギュラ玉軸受においては、広がり角βを可及的に大きく設定することが好ましく、互いの接触楕円同士を重なることのないように設定することが最も好ましいことが分かった。
したがって、この発明に係るアンギュラ玉軸受においては、広がり角βを可及的に大きく設定することが好ましく、互いの接触楕円同士を重なることのないように設定することが最も好ましいことが分かった。
次に、この発明に係るアンギュラ玉軸受をロボットアームの関節装置に使用した一例を図7に基づいて説明する。 図7に示したロボットアームの関節装置は、偏心差動型減速機からなる減速機21を有する。減速機21は、その出力軸22がアームと一体化される旋回部材23を動かすようになっている。
具体的には、減速機21は、旋回部材23と基座側との間に固定されるケース24と、ケース24内に配され、旋回部材23に一体化されたキャリアからなる出力軸22と、ケース24の内周に設けられたピン歯に噛み合う外歯付ピニオン25とを備える。出力軸22とケース24との間には、主軸受26が装着されている。
主軸受26は、上記実施形態に係るアンギュラ玉軸受を背面組合せ軸受としたものである。主軸受26は、出力軸22をケース24に対し回転可能に支持するように出力軸22の外周とケース24の内周間に介在されている。出力軸22の両側フランジ部とケース24の両端部との間にはシール部材27が介装されており、主軸受26は、グリース潤滑の環境下にある。
ピニオン25の貫通孔には、複数のクランクピン28が挿通されており、クランクピン28は、軸受29、30を介して出力軸22に対して回転可能に支持されている。また、クランクピン28は、中央部に偏心した2個のクランク部を有し、これらクランク部がニードル軸受31を介した状態でピニオン25に挿入されている。
旋回部材23には、駆動モータ32が取り付けられている。モータ32の出力軸の先端に外歯車33が固定され、前記クランクピン28のうちの1つに外歯車34が固定されている。この外歯車33と34は直接噛み合っており、外歯車33の回転駆動力が外歯車34に伝達されることにより、前記のクランクピン28が回転される。
また、外歯車34には、軸受を介して旋回部材23に回転可能に支持された歯車35が直接噛み合っている。この歯車35は外歯車34からの回転駆動力を受けて回転し、前記のクランクピン28以外の他のクランクピンに噛み合い、回転トルクを分配するようになっている。
上記の構成により、ピニオン25がクランクピン28と同一回転数で偏心回転(公転)するが、クランクピン28に伝達された回転駆動力は、ピニオン25の外歯がケース24のピン歯より少なく、ケース24が基座側に固定されているため、ケース24、ピニオン25によって高比で減速されて出力軸22に取り出され、旋回部材23に伝達される。
アームを動かす駆動力が入力される減速機21の出力軸の支持に、この発明に係るアンギュラ玉軸受を採用すれば、上記実施例等から明らかになったように、アンギュラ玉軸受の剛性が向上するため、アーム関節の小型化や軽量化が可能になり、その剛性向上とアーム関節に生じる慣性力の軽減により、位置決め精度や制御応答性の向上を図ることができる。
次に、この発明に係るアンギュラ玉軸受を建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置に使用した一例を図8に基づいて説明する。
図8に示した建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置は、スプロケット100と、走行体側に固定するハウジング110と、スプロケット100の内周とハウジング110の外周との間に組み込んだアンギュラ玉軸受120、120とを備えている。
図8に示した建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置は、スプロケット100と、走行体側に固定するハウジング110と、スプロケット100の内周とハウジング110の外周との間に組み込んだアンギュラ玉軸受120、120とを備えている。
この種の走行減速機は、例えば、油圧ショベル、ショベル系掘削機、ブルドーザ、ローダ、トレンチャ、ダンパ、スクレーパ、パイプレイヤなどの履帯式建設機械に適用され、特にショベル、ブルドーザによく利用されている。
スプロケット100は、回転ドラム101と、この回転ドラム101の外周部に取り付けられたスプロケットホイル102とからなる。スプロケットホイル102には、履帯130が掛け回される。
ハウジング110は、油圧ショベル又はブルドーザの走行サイドフレーム(図示省略)に固定される。
ハウジング110は内周部を有し、その内方には、油圧モータ140が設けられている。ハウジング110の外周部には、回転ドラム101の内周部との間にアンギュラ玉軸受120、120を装着するための軸受座111が設けられている。
アンギュラ玉軸受120、120は、上記実施形態に係るものであり、スプロケット100をハウジング110に対し回転自在に支持する。
なお、アンギュラ玉軸受120、120は、背面組合せ軸受として構成されており、それぞれに所定の予圧が付与されている。
なお、アンギュラ玉軸受120、120は、背面組合せ軸受として構成されており、それぞれに所定の予圧が付与されている。
油圧モータ140の出力軸141は、この出力軸141の回転を減速してスプロケット100に伝達する減速機150に接続されている。減速機150は、回転ドラム101の油圧モータ140と反対側に取り付けられたケーシング160の内部に設けられている。なお、ケースシング160の回転ドラム101と反対側の側面は、着脱式のカバー161になっている。
減速機150は、ケーシング160の内周に設けられたリングギヤ151と、油圧モータ140の出力軸141に結合されたプロペラシャフト152の第1サンギヤ153aと、第1サンギヤ153aとリングギヤ151との間に設けられた遊星歯車減速機構とからなる。遊星歯車減速機構は、第1キャリア154a、第1ピン155a、第1プラネタリギヤ156a、第2サンギヤ153b、第2キャリア154b、第2ピン155b、第2プラネタリギヤ156b、第3サンギヤ153c、第3キャリア154c、第3ピン155c、第3プラネタリギヤ156cからなる周知の構成のものが採用されている。
油圧モータ140が駆動されると、前述の遊星歯車減速機構により回転力が増大する。最終段減速部である第3キャリア154cはハウジング110に結合されており、回転不可能となっている。第3プラネタリギヤ156cの自転力がリングギヤ151を回転させ、ケーシング160、回転ドラム101を介してリングギヤ151と一体化されているスプロケットホイル102が一体回転し、履帯130が移動させられ、建設機械の走行が行なわれる。
回転ドラム101とハウジング110との回転摺動部には、外部からの土砂、泥水の侵入を防ぐためラビリンス部170が形成されている。ラビリンス部170の内側には、フローティングシール部171が設けられている。フローティングシール部171は、回転ドラム101、ハウジング110の内周部に対向するOリング溝が形成された一対のリング部材と、Oリングとからなる周知の構成のものが採用されている。フローティングシール部171は、走行減速機内からの油漏れや走行減速機内への異物侵入を防止する。
上記のスプロケット支持装置において、アンギュラ玉軸受120は、上記実施例等から明らかになったように、アキシアル荷重を1点で受けるものと比べ、分散軽減され軸受の変形量が小さくなる。すなわち、軸受の剛性が増大する。その分、フローティングシール部171への負担を軽減し、又は、回転ドラム101の薄肉化を図り、走行減速機をコンパクトにすることができる。
また、回転ドラム101が薄肉なため、回転ドラム101とケーシング160とを溶接することが可能になる。溶接によれば、ボルト、ボルト穴の形成が不要になり、製造コストを低減することができる。
また、回転ドラム101が薄肉なため、回転ドラム101とケーシング160とを溶接することが可能になる。溶接によれば、ボルト、ボルト穴の形成が不要になり、製造コストを低減することができる。
1 内輪
2 外輪
1a、2a 軌道面
1b、2b 肩部
1c、2c カウンタ部
3 ボール
4 保持器
2 外輪
1a、2a 軌道面
1b、2b 肩部
1c、2c カウンタ部
3 ボール
4 保持器
Claims (5)
- ボールが内輪および外輪の軌道面と軸受中心線の互いに反対側で接触し、その少なくとも一方の軌道面と異なる接触角の2点で接触するアンギュラ玉軸受において、前記ボールが2点で接触する異なる接触角のうちの、前記軸受中心線に近い側の接触角α1を15〜25°、軸受中心線から離れた側の接触角α2を40〜50°としたことを特徴とするアンギュラ玉軸受。
- 前記接触角α1、α2間の広がり角β(=α2−α1)を20°以上とした請求項1に記載のアンギュラ玉軸受。
- 前記ボールが前記内輪および外輪の軌道面の両方と、前記異なる接触角の2点で接触するようにした請求項1または2に記載のアンギュラ玉軸受。
- アームを動かす駆動力が入力される減速機と、この減速機の出力軸に装着された請求項1乃至3のいずれかに記載のアンギュラ玉軸受とを有するロボットアームの関節装置。
- スプロケットと、走行体側に固定する軸受ハウジングと、前記スプロケットの内周と前記ハウジングの外周との間に組み込んだ請求項1乃至3のいずれかに記載のアンギュラ玉軸受とを備えた建設機械用走行減速機のスプロケット支持装置。
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