JP2008039060A - 流体圧機器のシール構造及びカウンターバランス弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用するという困難な条件下でも、シール性と低摩擦性を確保できるような流体圧機器のシール構造を提供する。
【解決手段】流体密な筒体1と、この筒体1内で流体圧を受けて摺動する移動体2とからなり、筒体1に形成したシール溝3と、このシール溝3にはめ込んだOリング4とを備えた流体機器のシール構造10であって、移動体2の両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態が維持されるような態様で用いられ、シール溝4の溝深さHをOリング4に対するシール溝の規格値H′より大きくし、溝幅Wを規格値W′より小さくした。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体密な筒体と、この筒体内で流体圧を受けて摺動する移動体とからなり、前記筒体か前記移動体のいずれか一方に形成したシール溝と、このシール溝にはめ込んだOリングとを備えた流体圧機器のシール構造、及び、このシール構造を用いたカウンターバランス弁に関する。
カウンターバランス弁は、例えば、特許文献1にも記載されているように、複動流体圧シリンダのロッド側及びボトム側と、流体圧ポンプ及び流体圧タンクとを、4ポート切換弁で連結した流体圧回路において、前記複動流体圧シリンダから前記流体タンクへの戻り側に設けられる。
このカウンターバランス弁は、パイロット回路を備え、負荷の変動に対して背圧を前記流体タンクの戻り側に立てて、これによりスプールを移動させて、複動流体圧シリンダのピストン速度が過剰になるのを押さえるカウンタバランス機能を備えている。
このようなカウンタバランス機能が十全に発揮されるようにするため、このカウンターバランス弁では、シール構造において、移動体であるスプールの移動を良好にする必要ある。このため、シールによる摺動抵抗を小さくするため、シール溝の深さを大きくして、Oリングの締め代を小さくしたシール構造が試みられた。
しかし、この流体圧回路では、複動流体圧シリンダに作用する負荷を保持する状態では、切換弁のポートがブロックされることで、流出入ポート(特許文献1の符号2)に圧力がこもり、移動体であるスプールの両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態となることがある。
その場合、上記のようなシール構造では、Oリングが軸方向に移動する際に起こると考えられる作動流体の漏れが発生し、シール性能を十分に発揮することができないことが解った。
つまり、特許文献1に示すようなカウンターバランス弁では、移動体であるスプールと、このスプールを移動可能に収容する筒体との間のシールは、この移動体か筒体のどちらか一方に設けたシール溝と、このシール溝に嵌め込まれるOリングからなるシール構造によって行われているが、上記シール性と、移動体のスムーズな移動、つまり、摩擦抵抗を少なくすることとを両立させることが求められている。
しかしながら、摩擦を少なくするためには、Oリングのつぶし代を少なくして、Oリングと移動体との接触面積を小さくすればよいが、上記負荷保持時のシール性が低下しまう。つまり、シール性と低摩擦性とは相反するものであり、双方を同時に達成することは一般に困難であると考えられていた。
特許文献1では、そのような解決課題の記載もなく、解決手段も記載はされていなかった。
特開2000−35147号公報(図1)
本発明は、上記問題を改善しようとするもので、移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用するという困難な条件下でも、シール性と低摩擦性を確保できるような流体圧機器のシール構造、及び、このシール構造を用いたカウンターバランス弁を提供することを目的としている。
本発明の流体圧機器のシール構造は、流体密な筒体と、この筒体内で流体圧を受けて摺動する移動体とからなり、前記筒体か前記移動体のいずれか一方に形成したシール溝と、このシール溝にはめ込んだOリングとを備え、
前記移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態が維持されるような態様で用いられ、前記シール溝の溝深さを、前記Oリングに対するシール溝の規格値より大きくし、溝幅を規格値より小さくしたことを特徴とする。
本発明のカウンターバランス弁は、複動流体圧シリンダのロッド側及びボトム側と、流体圧ポンプ及び流体圧タンクとを、切換弁で連結した流体圧回路において、前記複動流体圧シリンダと前記切換弁との間に設けられたカウンターバランス弁であって、
前記複動流体圧シリンダの負荷保持時に、前記カウンターバランス弁の流出入ポートが前記切換弁で閉止される態様で用いられ、前記カウンターバランス弁のスプール(移動体)の前記流出入ポート側と背圧側との間のシールに前記流体圧機器のシール構造を用いたことを特徴とする上記シール構造を用いたことを特徴とする。
本発明の流体圧機器のシール構造は、前記移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態が維持されるような態様で用いられ、前記シール溝の溝深さを、前記Oリングに対するシール溝の規格値より大きくし、溝幅を規格値より小さくしたので、規格通りのシール溝とした場合に比べ、Oリングの径方向のつぶし代は小さくなって、Oリングが移動体の移動を規制する摩擦力は低減されて低摩擦性が達成される。
一方、上記のような困難な圧力条件下でも、Oリングと移動体あるいは筒体との接触面積はあまりかわらないので、シール性は維持される。
結果、本発明の流体圧機器のシール構造は、移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用するという困難な条件下でも、シール性と低摩擦性を確保できる。
本発明のカウンターバランス弁は、上記シール構造を用いたので、上記シール構造の効果をカウンターバランス弁として発揮する。
以下、本発明の実施の形態(実施例)について、図面を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の流体圧機器のシール構造の一例を概念的に示す縦断面図、(b)はその横断面図、(c)はその要部説明図、(d)は規格上のシール構造の要部説明図である。
図1(a)、(b)に示した流体圧機器のシール構造10は、流体密な筒体1と、この筒体1内で流体圧を受けて摺動する移動体2とからなり、筒体1か移動体2のいずれか一方(この場合は、筒体1)に形成したシール溝3と、このシール溝3にはめ込んだOリング4とを備えたものである。
このような構成のシール構造10は、移動体2の両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態が維持されるような態様、具体的には、図2で後述するような、通常、カウンターバランス回路と称される流体圧回路のカウンタバランス弁の要部として用いられるものであり、産業上重要な役割を果たしている。
この流体圧機器のシール構造10の特徴は、シール溝3の溝深さをOリング4に対するシール溝の規格値より大きくし、溝幅を規格値より小さくしたことにあり、以下、詳しく説明する。
一般に、規格によれば、流体圧機器のシール構造80は、図1(d)のようになっている。この図1(d)のシール構造80において、流体密な筒体71、移動体72、シール溝73、Oリング74は、それぞれ、本発明のシール構造10の筒体1、移動体2、シール溝3、Oリング4に相当するものである。
ここで、規格によれば、図1(d)に示したように、Oリング74は、自由状態のOリング74F(図中に2点鎖線の想像線で示す。)に対して、シール溝73(ここでは、筒体71側のシール溝部分と、そのシール溝への蓋体となる移動体72の部分とを含めた概念とする。)によって、その径方向(図の上下方向)にのみ拘束され、軸方向(図の左右方向)には拘束されていないことが解る。
シール溝73側で考えれば、その溝深さH′が自由状態のOリング74Fに対して小さくなり、その溝幅W′は、自由状態のOリング74Fに対して十分余裕のある寸法となっている。
しかしながら、このような規格上のシール構造80では、径方向の拘束のみによってシール性を確保しようとするため、Oリング74による移動体72の移動を拘束する力、つまり摩擦力が過大となり、移動体72がスムーズに移動することを要求されるカウンターバランス弁のシール構造としては採用することが適切でないと考えられた。
ここで、シール溝の溝深さを規格より大きくすれば、この摩擦力を小さくすることができるが、それでは、背景技術で説明した通りシール性が低下することとなる。
そこで、本願発明者は、試行錯誤と鋭意探求の結果、図1(c)に示すように、シール溝3の溝深さHを規格の溝深さH′より大きくする一方、その溝幅Wを規格の溝幅W′より小さくすることを着想し、実験の結果、そのようにすることで、シール構造10の摩擦性を低下させながら、シール性が確保できることを確認したものである。
その科学的根拠について、現時点では、Oリング4の径方向(シール溝3については溝深さ方向)の拘束の場合、Oリング4の円形断面上の弾性反発力に加えて、Oリング4の全体の径方向の弾性反発力が作用するのに対し、その軸方向(シール溝3については溝幅)の拘束の場合、その円形断面上の弾性反発力だけが主に作用するので、Oリング4とシール溝3の特に内周部分との接触長さ(図1(c)と(d)を比較されたい。)を同様に確保してシール性を保持しても、この部分での押圧力つまり摩擦力が大きくならない、からではと推察されるが、正しい究明は今後の研究に委ねたい。
こうして、本発明の流体圧機器のシール構造10によれば、シール溝3の溝深さHをOリング4に対するシール溝の規格値H′より大きくし、溝幅Wを規格値W′より小さくしたことにより、シール性、低摩擦性の双方を、移動体2の両側に圧力差の少ない流体圧が作用するという困難な条件下でも、確保することができる。
なお、上述したように、シール溝は、移動体側に設けるようにしてよいものである。
また、本発明のシール溝の具体的範囲は、その径方向の寸法許容差については、JIS B 2401で規定する値とした上で、その径方向のつぶししろ(=(P−H)/P*100。単位:%。但しPはOリングの太さ(単位:ミリ)を意味し、Hは図1(c)に示す溝深さを意味する。また、「*」は乗算を意味する。)の上限を10%程度にするとになるのが特に好ましい。
つまり、JISの規定寸法によれば、例えば、運動用OリングP22〜P50であれば、つぶししろの最大は16.7%、最小は9,4%であるが、この最大(上限)を本発明においては、その6割程度の約10%程度として、この径方向のつぶししろによる摩擦力を低減している。なお、つぶし代の最小(下限)は4%程度になる。
また、本発明のシール溝の溝幅の寸法許容差についても、JIS B 2401で規定する値とした上で、上記溝深さに対して、その占有率(シール溝の断面積に対する自然状態のOリングの断面積の占有度合いの百分率)が、最大(上限)95%となるようにする。
このような占有率は、規定の占有率に比べ、3割弱程度大きくなるが、これにより、上記つぶししろの変化に拘わらず、シール性を確保することができる。また、上限を95%としたのは、Oリングが膨潤する余裕を考慮したものである。なお、占有率の最小(下限)は80%程度となる。
なお、上記外の呼び番号のOリングに対しても、同様の発明思想に基づく、つぶししろ、占有率が適用可能である。
図2は、図1(a)〜(c)のシール構造を用いたカウンタバランス弁を含んだ流体圧回路の一例を示す図である。これより、既に説明した部分と同じ部分については、同じ符号を付して重複説明を省略する。
この流体圧回路60は、複動流体圧シリンダ11のロッド側室11a及びボトム側室11bと、流体圧ポンプ12及び流体圧タンク13とを、四ポート切換弁14で連結した基本構成であって、複動流体圧シリンダ11から流体タンク13への戻り側に設けられるカウンターバランス弁50のスプール(移動体)24の流体主通路(流出入ポート33)側と背圧側との間のシールに図1(a)〜(c)で説明したシール構造10と同様のシール構造43が採用されている。
カウンターバランス弁50は、弁本体21に流出入ポート33およびアクチュエータポート34を形成している。そして、流出入ポート33は、切換弁14の一方のポートaに接続され、アクチュエータポート34は複動流体圧シリンダ11のボトム側室11bに接続されている。
切換弁14の他方のポートbはシリンダ11のロッド側室11aに接続されている。切換弁14は図示の中立位置にあるとき、流体圧ポンプ12が接続されたポンプポートcおよび流体圧タンク13が接続されたタンクポートdとポートaおよびbとの連通が遮断されるセンタークローズドの構成となっている。
弁本体21には、スプール孔21aを形成するとともに、このスプール孔21aの両端をキャップ22、23でふさいでいる。このようにした弁本体21のスプール孔21aには、スプール24を摺動自在に組み込み、その一方の端面を第1圧力室31に臨ませ、他方の端面を第2圧力室32に臨ませている。
この第2圧力室32にはスプリング25を設け、このスプリング25のバネ力でスプール24を図面左方向に押すようにしている。
スプール24の上記一方の端面には、パイロットピストン26を固定し、このパイロットピストン26を、キャップ22に形成したパイロット室35に突出させている。そして、このパイロット室35は、パイロット回路15によって切換弁14のポートb(シリンダ11のロッド側室11aとも接続されている。)に接続されている。
スプール24の第1圧力室31側の受圧面積は、パイロットピストン26の分だけ、第2圧力室32側の受圧面積よりも小さくなる。また、スプール24の外周には、環状凹部24aを形成しているが、この環状凹部24aはスプール24の移動位置に係わりなく、アクチュエーターポート34に常時連通されている。
この環状凹部24aに連続してテーパ部が形成されているが、このテーパ部は、弁本体21のスプール孔21aに形成された環状凸部と相まって制御部37を構成している。
この制御部37は、スプール24が図示のノーマル位置にあるとき全閉状態を保ち、このノーマル位置からスプリング25のバネ力に抗してスプール24が図の右方向に移動したときに、この制御部37が徐々に開くようになっている。つまり、スプール24の移動位置に応じて、この制御部37の開度が制御されることになる。
また、スプール24の外周にはポペット部分が形成されているが、このポペット部分は、スプール24の対応したシート部分と共にポペット弁38を構成し、このポペット弁38を構成するポペット部分とシート部分とは、圧接、離間して開閉の機能を持つ。
このポペット弁38は、スプール24が図示したノーマル位置にあるとき閉止状態となり、このポペット弁38が開くと、流出入ポート33と流路45とが連通している結果、上記制御部27と流出入ポート33とが連通することになる。図中符号27はチェック弁で、スプール24に形成した流路45からアクチュエータポート34への流通のみを許容するものである。
このような構成のカウンターバランス弁50において、本発明のシール構造に相当する部分が、第2圧力室32側のシール構造44であり、このシール構造44は、流体密な筒体であるキャップ23と、移動体であるスプール24とを備え、このスプール24との摺動面であってキャップ23側に形成したシール溝41にOリング42とバックアップリング43とを組み込んだものである。
このシール構造44は、第2圧力室32(背圧側となる。)内の作動流体が、流出入ポート33(流体主通路側となる。)側に流れないようにするためのものである。
なお、シール構造44に備えられたバックアップリング43は、シール構造44に高い差圧が作用する場合に、Oリング42の変形を少なくするために補助的に用いられるもので、そのような高い差圧が作用しない場合には、必ずしも必要なものではない。
ここで、カウンターバランス弁50の作用を説明する。今、切換弁14を図示の中立位置から、右側位置Rに切り換えると、ポートaとポンプポートcとが連通し、ポートbとタンクポートdとが連通する。
したがって、流体圧ポンプ12からの作動流体が、流出入ポート33からスプール24に形成した流路45に流入する。この流路45に流入した作動流体は、チェック弁27を押し開いて、アクチュエータポート34からシリンダ11のボトム側室11bに供給される。
シリンダ11のロッド側室11aの作動油はポートbからタンクポートdを経由して流体圧タンク13に戻され、負荷WAが上昇する。このように負荷WAを上昇させるために、切換弁14を右側位置Rに切り換えたときには、流体圧ポンプ12の作動流体がチェック弁27を経由してボトム側室11bに流れる自由流れの状態になる。
上記の状態から、切換弁14を再び図示の中立位置にもどすと、負荷WAがその位置を保持する。この時のシリンダ11の負荷圧は、第1、2圧力室31、32のそれぞれに導かれる。
すなわち、上記負荷圧は、アクチュエータポート34→チェック弁23に形成した第1連通路28→ダンパオリフィス29を経由して第1圧力室31に導かれる。これと同時に、その負荷圧は、スプール24に形成した第2連通路36およびダンパオリフィス31を経由して第2圧力室32にも導かれる。
この時に、第2圧力室32側の受圧面積の方が、第1圧力室31側の受圧面積よりも大きいので、スプール24は、そのポペット弁38の閉止方向の力を受けて、ポペット弁38が完全に閉止される。このようにポペット弁38が完全に閉止されれば、ボトム側室11bの作動油がリークすることもなくり、負荷WAは、しっかりと保持される。
この負荷保持時には、流出入ポート33と切換弁14のポートaとの間に圧力がこもり、この流出入ポート33と第2圧力室32との間の圧力が拮抗した状態、より具体的には、上述したシール構造44のスプール(移動体)24の両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態となる。
このときにシール構造44のシール性が良好でなければ、第2圧力室32側の作動流体が流出入ポート33側に漏れ出てしまう。この漏れ出た作動流体の圧力が、切換弁14に作用すると、この切換弁14には負荷保持能力がほとんどないので、その作動流体が切換弁14を経由してタンク13に戻されてしまう。
このようにして第2圧力室32の作動流体がタンク13に戻されると、そのタンク13に戻された流量分だけ負荷WAが降下してしまう。つまり、このカウンターバランス弁50の負荷保持能力が極端に落ちてしまう。このような観点から、第2圧力室32側のシール構造44のシール性は大変重要となっている。
上記の中立状態から、切換弁14を左側位置Lに切り換えると、ポートAがタンクポートdに連通し、ポートbがポンプポートcに連通する。したがって、この時には、ポンプ12から吐出される作動流体がシリンダ11のロッド側室11aに直接供給される。
それとともに、ポンプ12の吐出圧が、パイロット回路15を介してパイロット室35に導かれるので、スプール24がこのパイロット室35の圧力作用で、スプリング25に抗して図面右方向に移動する。
スプール24が図面右方向に移動すれば、制御部37がその移動量に応じて開くとともに、ポペット弁38も開く。また、この時にはポートaがタンクポートdに連通するので、シリンダ11のボトム側室11bの作動油は、制御部37で絞られながら、タンク13に戻される。
こうして、切換弁14を左側位置Lに切り換えたときには、シリンダ11の負荷WAが、制御部37で制御されながら、その速度が過度にならないように調整されながら下降することになる。
このような流体圧回路60において、複動流体圧シリンダ11、四ポート切換弁14と共に用いられるカウンタバランス弁50のスプール24のシールに用いられるシール構造44は、そのカウンタバランス弁50のカウンターバランス機能故に、負荷WA保持時には、スプール24の両側に差圧の少ない流体圧が作用した状態でそのシール性を発揮する必要がある。
ここで、このシール構造44は、図1(a)〜(c)で説明したシール構造10と同様の構成を備えているので、そのような困難な状況下でも、良好なシール性を発揮し、かつ、スプール24の円滑な移動を補償する低摩擦性も発揮する。
このようなシール構造44の効果は、そのシール構造44を備えたカウンタバランス弁50においては、カウンターバランス弁として発揮される。
流体圧機器のシール構造及びカウンターバランス弁は、上記の実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲、実施例の範囲で、種々の変形例、組み合わせが可能である。
本発明の流体圧機器のシール構造及びカウンターバランス弁は、移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用するという困難な条件下でも、シール性と低摩擦性を確保することが要請される産業分野に用いることができる。
(a)は、本発明の流体圧機器のシール構造の一例を概念的に示す縦断面図、(b)はその横断面図、(c)はその要部説明図、(d)は規格上のシール構造の要部説明図 図1(a)〜(c)のシール構造を用いたカウンタバランス弁を含んだ流体圧回路の一例を示す図
符号の説明
1 筒体
2 移動体
3 シール溝
4 Oリング
10 流体圧機器のシール構造
11 複動流体圧シリンダ
11a ロッド側流体室
11b ボトム側流体室
12 流体圧ポンプ
13 流体圧タンク
14 四ポート切換弁
23 キャップ(筒体)
24 スプール(移動体)
41 シール溝
42 Oリング
44 流体圧機器のシール構造
50 カウンターバランス弁
60 流体圧回路

Claims (2)

  1. 流体密な筒体と、この筒体内で流体圧を受けて摺動する移動体とからなり、前記筒体か前記移動体のいずれか一方に形成したシール溝と、このシール溝にはめ込んだOリングとを備えた流体圧機器のシール構造であって、
    前記移動体の両側に圧力差の少ない流体圧が作用した状態が維持されるような態様で用いられ、前記シール溝の溝深さを、前記Oリングに対するシール溝の規格値より大きくし、溝幅を規格値より小さくしたことを特徴とする流体圧機器のシール構造。
  2. 複動流体圧シリンダのロッド側及びボトム側と、流体圧ポンプ及び流体圧タンクとを、切換弁で連結した流体圧回路において、前記複動流体圧シリンダと前記切換弁との間に設けられたカウンターバランス弁であって、
    前記複動流体圧シリンダの負荷保持時に、前記カウンターバランス弁の流出入ポートが前記切換弁で閉止される態様で用いられ、
    前記カウンターバランス弁のスプール(移動体)の前記流出入ポート側と背圧側との間のシールに請求項1記載の流体圧機器のシール構造を用いたことを特徴とするカウンターバランス弁。
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