JP2008038919A - バルブ - Google Patents
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Abstract
【課題】ボールバルブのような流路を遮蔽体で断続するタイプのバルブにあっては遮蔽体を駆動するステムの軸周りのシールが不十分で、十分な機能が発揮されなかった。
【解決手段】この発明は、2個のステムリングsの上下を、ゴムを基質として被覆したフッ素重合体操からなるOリング(ゴムをテフロン(デユポン社の商標)で被覆したOリング(「カルレッツ」、デユポン社商標)k)でこれらを挟持し、更にステムベアリングで挟持して(シール部材)パッキング部材Mを構成したもの。
【選択図】図1
【解決手段】この発明は、2個のステムリングsの上下を、ゴムを基質として被覆したフッ素重合体操からなるOリング(ゴムをテフロン(デユポン社の商標)で被覆したOリング(「カルレッツ」、デユポン社商標)k)でこれらを挟持し、更にステムベアリングで挟持して(シール部材)パッキング部材Mを構成したもの。
【選択図】図1
Description
本発明は、流路中に挿入されて流体の流れを制御するバルブのうち特にそのシール構造に関する。
従来のバルブ、例えばボールバルブにあっては、ステムを駆動してその先端に組み込まれているボール(遮蔽体)を回動させ、ボールに開孔されている流路とバルブの前後に接続されている流入・流出用流路との断続制御を行って、流体の制御が行われている。
また、上記のボールバルブ以外のバルブにあってもステムを回動・動作させ遮蔽体を操作して流路の遮断操作をしているが、いずれのタイプにあってもステム周りの気密なシール構造が問題となっている。
また、上記のボールバルブ以外のバルブにあってもステムを回動・動作させ遮蔽体を操作して流路の遮断操作をしているが、いずれのタイプにあってもステム周りの気密なシール構造が問題となっている。
このシール構造としては、従来例えば、ステムとステムが回動するバルブ本体に開孔されたステム孔との間隙に管状スペーサーを挿入し、このスペーサーの外面と内面とに複数の環状の溝を設け、この溝にOリングを装着することで、ステムとバルブ本体間とのシール機能を発揮させようとしている(特許文献1を参照)。
しかしながら、上記のような従来のシール構造においては、管状のスペーサーの外面と内面に環状の溝を削工しOリングを装着するため、加工に時間と手間を要しかつ、サイズの問題などもあり十分なシール効果が発揮されないという問題があった。特に高真空対応、高熱対応、大きな流量対応においては従来のバルブでは十分なシール機能が発揮されていなかった。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたもので、シール効果が十分に発揮される新規なバルブのシール構造を提供することを目的としている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたもので、シール効果が十分に発揮される新規なバルブのシール構造を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バルブ本体内の流路を開閉可能とする遮蔽体を、ステム孔を介して連結されるステムにより動作させてバルブに接続される流路の開閉制御を行うものにおいて、2個のステムベアリングと、これらを挟持するゴムを基質として被覆したフッ素重合体相からなるOリングと、更にこれらの2個のベアリング、Oリングを挟持するように配置されるステムベアリングとから成るパッキング部材に上記ステムが貫通し、これらのパッキング部材がステム孔内でステム周りを圧接シールしていることを特徴とするバルブを提供するものである。
このゴムを基質として被覆したフッ素重合体相からなるOリングとしては、例えば、ゴムを「テフロン」(イー・アイ・デユポン社の商標)で被覆した、米国のイー・アイ・デユポン社から「KALREZ」あるいは「カルレッツ」の商標名で販売されているOリングを示すことができ、その成分などは、特表2000−500161号公報内で詳細に説明されている。
以上のように、本発明のバルブの流路の遮蔽体を駆動するステムが、2個のステムベアリングと、これらを挟持するゴムを基質として被覆したフッ素重合体相からなるOリング、及びこれらを挟持するように配置されるステムベアリングとで構成されるパッキング部材でステム周りが圧接シールされているので、テフロンの持つ優れた特性とゴムの柔軟性とがあいまって、従来のシール部材では使用が難しかったエーテル類、溶剤、アミン類、ケトン類、酸化剤、燃料、酸、アルカリなどほとんどの薬品に対して安定であり、且つ耐熱性においても約290℃という高温においても長時間シール特性を発揮させ、断続使用なら310℃程度までの使用も可能となった。
以下、図面を参照しつつこの発明を実施するための形態について説明する。
図1は、この発明のバルブの断面図を示すもので、ボールバルブを例にとって説明する。バルブはセンター部品Aと、サイド部品BおよびCと、これらを一体に4箇所で強固に固定する4個(この図では2個を示す)のボルト・ナットDとからボールバルブの外観・外形が構成され、センター部品Aには、遮蔽体としてのボールEが回動自在に内蔵される。そしてこれらの各部品B,Cには外部流路と接続される流路b,cが、ボールEには流路b,cと接続する流路eが、それぞれ削孔され、バルブ内の流路が形成されている。
図1は、この発明のバルブの断面図を示すもので、ボールバルブを例にとって説明する。バルブはセンター部品Aと、サイド部品BおよびCと、これらを一体に4箇所で強固に固定する4個(この図では2個を示す)のボルト・ナットDとからボールバルブの外観・外形が構成され、センター部品Aには、遮蔽体としてのボールEが回動自在に内蔵される。そしてこれらの各部品B,Cには外部流路と接続される流路b,cが、ボールEには流路b,cと接続する流路eが、それぞれ削孔され、バルブ内の流路が形成されている。
Fは、ステムで、センター部品Aに削孔されたステム孔Gに挿入され、この先端はボールを回動させるために更にボールEの凹部Hに嵌合され、このステムの回動操作でボールEが回転して、両流路b,cを流路eで連通、あるいは遮断する。また、上記ステムFには、ハンドルHがステムナットIにより固定されており、このハンドルの回転操作によりステムFが回動し、換言すればボールEが回転する。
ステム孔G内のフランジ部JとステムナットI間には、ステンレスあるいは真鍮などの金属で形成されたグランドK,ポリエーテルエーテルケント(PEEK)のパッキンサポートL、この発明のシール部材(パッキング部材)M、テトラフルオルエチレン(TFE)のボトムパッキンNなどが、ステムナットI、グランドK、パッキンサポートLの作用でステム孔G内のステムとステム孔壁間に圧接挿入されシール効果を発揮する。
また、ステム先端部の凸部OとフランジJ間には合金あるいはポリエーテルエーテルケント(PEEK)製のステムベアリング、あるいはワッシャーPが挿入され、これらでもスムーズな操作が得られ、またステム周りをシールしている。
なお、他の符号、Qは、テトラフルオルチレン(TFE)のシートで、このシートは、シートを包み、シートの膨張、早期磨耗を防ぐステンレス銅製のサポートリングRと同じくシートをボールに押し付け、シートの磨耗、温度・圧力による変化を補正するステンレス鋼製のシートスプリングSとで、ボールに押し付けられており、結果としてシートの磨耗、温度・圧力による変化を補正しシールを確実なものにしている。また、Tは、Oリングでセンター部品Aとサイド部品B、Cと間のシールをつかさどっている。
次に図1において示したこの発明のシール部材(パッキン)Mの詳細を図2にもとづいて説明する。
図2において、sは、2個のステムベアリングで、合金あるいはポリエーテルエーテルケント(PEEK)から構成されており対磨耗性が優れている。kは、ゴムを基質として被覆したフッ素重合体相からなるシール部材で、例えばゴムをテフロン(デユポン社の商標)で被覆したOリングで、テフロンの持つ特性とゴムの柔軟性をかねたシール部材(「KALREZ」(カルレッツ)デユポン社の商標)である。
これらの図のような2個のステムベアリングを2個のOリング(「カルレッツ」、デユポン社商標)で挟持し、更にステムベアリングでこれらを挟持してパッキング部材を構成しているので、夫々の間でシール機能が発揮され、結局これらでダブルあるいはトリプルシール効果が発揮される。
図2において、sは、2個のステムベアリングで、合金あるいはポリエーテルエーテルケント(PEEK)から構成されており対磨耗性が優れている。kは、ゴムを基質として被覆したフッ素重合体相からなるシール部材で、例えばゴムをテフロン(デユポン社の商標)で被覆したOリングで、テフロンの持つ特性とゴムの柔軟性をかねたシール部材(「KALREZ」(カルレッツ)デユポン社の商標)である。
これらの図のような2個のステムベアリングを2個のOリング(「カルレッツ」、デユポン社商標)で挟持し、更にステムベアリングでこれらを挟持してパッキング部材を構成しているので、夫々の間でシール機能が発揮され、結局これらでダブルあるいはトリプルシール効果が発揮される。
以下にこのパッキンMを用いたボールバルブの使用効果を示す実験結果を示す。
実験装置としては、MSI/MSII装置を使用(日立M−80B型二重収束質量分析計(MSI)にこの発明のボールバルブを介してMSIIとして中間スリット、ガス衝突室、第2電場、検出器、排気部、制御部を付加)。
EI法またはCI法で生成した正イオンをMSI部で質量選択し、ボールバルブを介して反応室内のアルカリ金属ガスと衝突させ、MSII部の極性を負イオン検出用にネガテイブに設定して、負イオンのスペクトル(Nega−Appスペクトル)を第3図のように得た。
実験装置としては、MSI/MSII装置を使用(日立M−80B型二重収束質量分析計(MSI)にこの発明のボールバルブを介してMSIIとして中間スリット、ガス衝突室、第2電場、検出器、排気部、制御部を付加)。
EI法またはCI法で生成した正イオンをMSI部で質量選択し、ボールバルブを介して反応室内のアルカリ金属ガスと衝突させ、MSII部の極性を負イオン検出用にネガテイブに設定して、負イオンのスペクトル(Nega−Appスペクトル)を第3図のように得た。
この図において明らかなように、測定は全部で10回スキャンした。ボールバルブを閉めた状態(アルカリ金属ガスがない状態)で1〜2回のスキャンをする。次いでアルカリ金属ガスを反応室内に導入する。3〜4回目のスキャンはガス濃度が安定していないのでデータは不採用。5〜6回のスキャンのデータを採用。7〜8回のスキャン時はバルブを閉じ、反応室へのガスの供給を断つ。9〜10回のスキャンは、アルカリ金属ガスのない状態の測定である。
以上の結果から、アルカリ金属ガスの反応室内の存在、不存在に対応する測定結果が明確にデータとして現れており、高温、真空中で反応ガスとしてのアルカリ金属ガスがこの発明のボールバルブで十分コントロール出来ることが明らかとなった。なお、この実験装置の真空値は、5,0×10−7Torr、温度は約200〜250℃であった。
また、単にボールバルブの両端にガスの導入口、排出口を接続してバルブを開閉してガスの漏洩程度を測定してみたところ、300℃の温度程度まで十分にバルブ機能が発揮されていた。
以上、この発明によって機密性の高いボールバルブを構成でき、分析機器などのような高温、高気密性が要求されるところにおいても使用可能であり、利用価値は高いものである。
A センター部品
B,C サイド部品
D ボルト・ナット
E ボール
F ステム
G ステム孔
H ボールの凹部
I ステムナット
J フランジ
K グランド
L パッキンサポート
M シール部材
N ボトムパッキン
O 凸部
P ステムベアリング(ワッシャー)
Q シート
R サポートリング
S シートスプリング
T Oリング
b,c,e 流路
k Oリング
s ステムベアリング
B,C サイド部品
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G ステム孔
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Claims (1)
- バルブ本体内の流路を開閉可能とする遮蔽体を、ステム孔を介して連結されるステムにより動作させて流路の開閉制御を行うものにおいて、2個のステムベアリングと、これら2個のベアリングを挟持するゴムを基質として被覆したフッ素重合体相からなるOリングと、更にこれらのベアリング、Oリングを挟持するように配置されるステムベアリングとから成るパッキング部材がステム孔内でステム周りを圧接シールしていることを特徴とするバルブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006209505A JP2008038919A (ja) | 2006-08-01 | 2006-08-01 | バルブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006209505A JP2008038919A (ja) | 2006-08-01 | 2006-08-01 | バルブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008038919A true JP2008038919A (ja) | 2008-02-21 |
Family
ID=39174191
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006209505A Pending JP2008038919A (ja) | 2006-08-01 | 2006-08-01 | バルブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008038919A (ja) |
-
2006
- 2006-08-01 JP JP2006209505A patent/JP2008038919A/ja active Pending
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