JP2008038848A - 燃料噴射ポンプ - Google Patents

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裕二 芝
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Abstract

【課題】エンジン回転の変動を直接カム軸に伝達しないようにカム軸固定フランジの構造を改良し、コントロールラックの挙動安定化に寄与する技術を提供する。
【解決手段】カム軸6と、カム軸駆動ギヤ34と、カム軸駆動ギヤ34をカム軸6上に固定するためのカム軸固定フランジ35とを具備し、エンジンクランク軸の回転をカム軸駆動ギヤ34を介してカム軸6に伝えて回転駆動する燃料噴射ポンプ1において、カム軸固定フランジ35は、カム軸6に固設されるインナー部材35aと、カム軸駆動ギヤ34に固設されるアウター部材35bと、に分割し、インナー部材35aとアウター部材35bの間にゴムパッキン36を介装した構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの技術に関し、より詳しくは、燃料噴射ポンプのカム軸駆動ギヤおよびカム軸固定フランジの構造に関する。
従来より、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置において、燃料噴射ポンプのカム軸は、エンジンクランク軸の回転をクランクギヤおよびアイドルギヤを介してカム軸駆動ギヤを回転駆動し、カム軸駆動ギヤとボルトにより締結され固定されたカム軸固定フランジを回転駆動することにより、カム軸を駆動するように構成されており、この技術は公知となっている。例えば、特許文献1にその技術が開示されている。
特開2001−234828号公報
しかしながら、従来の構成においては、エンジンクランク軸の回転をカム軸に伝達する各要素が全て固定されているため、エンジンのトルク変動等によりエンジン回転数が変動した場合には、カム軸の回転数も変動し直接的に影響を受ける構成となっていた。このため、カム軸の一側端部に配設されている燃料噴射量制御用のガバナウェイトの回転数も変動し、ガバナウェイトに作用するスラスト力が変動し、コントロールラックの動作に影響を与えていた。つまり、従来の構成では、エンジン回転数の変動によってラック位置が変動してしまうため、燃料噴射量が安定しないという問題があった。
そこで本発明では、このような状況を鑑み、エンジン回転の変動を直接カム軸に伝達しないようにカム軸固定フランジの構造を改良し、コントロールラックの挙動安定化に寄与する技術を提供することを課題としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、カム軸と、カム軸駆動ギヤと、該カム軸駆動ギヤをカム軸上に固定するためのカム軸固定フランジとを具備し、エンジンクランク軸の回転を前記カム軸駆動ギヤを介してカム軸に伝えて回転駆動する燃料噴射ポンプにおいて、前記カム軸固定フランジは、前記カム軸に固設されるインナー部材と、前記カム軸駆動ギヤに固設されるアウター部材と、に分割し、前記インナー部材と前記アウター部材の間に弾性部材を介装したこと、を特徴としたものである。
請求項2においては、前記カム軸の端部にエンドナットを螺設し、該エンドナットの締め付けにより前記インナー部材を固定するとともに、該エンドナットにより前記アウター部材を抜け止めすること、を特徴としたものである。
請求項3においては、前記アウター部材と前記インナー部材の境界部分に、それぞれアウター側係合部とインナー側係合部を形成し、該アウター側係合部と前記インナー側係合部との係合により、前記アウター部材と前記インナー部材の相対位置を制限したこと、を特徴としたものである。
請求項4においては、カム軸と、カム軸固定フランジと、カム軸駆動ギヤを具備し、エンジンクランク軸の回転を前記カム軸駆動ギヤに伝達して、前記カム軸固定フランジを介して、前記カム軸を回転駆動する燃料噴射ポンプにおいて、前記カム軸駆動ギヤと、前記カム軸に固設される前記カム軸固定フランジとの間にゴムスペーサを介装し、かつ、前記カム軸駆動ギヤと前記カム軸固定フランジを、前記カム軸駆動ギヤとの接触部にゴムブッシュを貫装したボルトにより締結したこと、を特徴としたものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、カム軸駆動ギヤに入力された回転は、弾性部材を介してカム軸に伝達されるため、エンジンの回転変動に起因するカム軸駆動ギヤの回転変動が、カム軸に直接伝達されないようにできる。また、これにより、ガバナウェイトに作用するスラスト力が安定し、ラック位置の変動を抑えることができる。
請求項2においては、カム軸固定フランジをカム軸上に固定するための部品点数を低減することができる。
請求項3においては、弾性部材が必要以上に変形することを抑えることにより、弾性部材の耐久性を向上させることができる。
請求項4においては、カム軸駆動ギヤに入力された回転は、ゴムブッシュを介してカム軸に伝達され、また、ゴムスペーサによりカム軸駆動ギヤとカム軸固定フランジのねじれを吸収することができるため、エンジンの回転変動に起因するカム軸駆動ギヤの回転変動が、カム軸に直接伝達されないようにできる。また、これにより、ガバナウェイトに作用するスラスト力が安定し、ラック位置の変動を抑えることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用する燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した側面断面図、図2は従来のカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤを示した側面断面図、図3は本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤを示した側面断面図、図4は本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジの図3中のA−A断面図、図5は本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジの詳細を示した側面断面図、図6は本発明の第二実施例に係るカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤを示した側面断面図、図7は本発明の第二実施例に係るカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤの全体的な構成を示した斜視図、図8は本発明の第二実施例に係るボルトの構成を示した側面図である。
まず、本発明を適用する燃料噴射ポンプの全体構成について、図1または図2を用いて説明をする。
なお、本実施の形態では、プランジャと分配軸とを並設する二軸式構造の分配型燃料噴射ポンプを用いて説明をするが、本発明に係る燃料噴射ポンプはこの構造に限定されるものではない。また、以下の説明においては図1の紙面右側を前側とする。
本発明を適用する燃料噴射ポンプ1は、ディーゼルエンジンに備えられるものであり、シリンダ内に形成される燃焼室内に臨ませて設けられる燃料噴射弁から噴射される燃料を、所定のタイミングで所定量圧送するためのものである。
燃料噴射ポンプ1は、ケース体に軸受5およびすべり軸受43を介してカム軸6を支持している。ケース体は、エンジンのシリンダブロックの一側に組み付けられるギヤケース2と、該ギヤケース2に組み付けられるとともに前記カム軸6を支持するポンプケース3と、ガバナ機構20を収容するガバナケース4とを備える。
ギヤケース2は、前記のとおりシリンダブロックの一側に組み付けられ、シリンダブロック内にて前後方向に支承されるクランク軸に設けられるクランクギヤ等を収容するとともに、シリンダブロックの側壁よりも横方向に突出する。このギヤケース2の突設部分にポンプケース3が組み付けられる。
ポンプケース3内には、カム軸6が前後方向を軸方向として支持されており、カム軸6の前後は、ポンプケース3の後部に位置決めされた状態で設けられる軸受5を介して支持されている。そして、ポンプケース3の後側にガバナケース4が組み付けられている。つまり、ポンプケース3は、その前側がギヤケース2に装着されるとともに後側にガバナケース4が装着されている。
ポンプケース3に支承されるカム軸6は、ポンプケース3からギヤケース2内へ延設されており、この延設部に、エンジンのクランク軸からの動力が伝達されるカム軸駆動ギヤ(ポンプ駆動ギヤ)7が固設されている。
図2に示す如く、従来のカム軸駆動ギヤ7は、カム軸6上に固設されたカム軸固定フランジ32に固設されるような構成としている。
これにより、エンジンのクランク軸の回転が、前記クランクギヤ及び該クランクギヤに噛合するアイドルギヤ等を介してカム軸駆動ギヤ7に伝達され、カム軸6が回転する構成となっている。
ポンプケース3の上側には、ハイドロリックヘッド8が接合されており、このハイドロリックヘッド8にプランジャ9を上下摺動自在に内装するプランジャバレル10が挿嵌されている。プランジャ9は、該プランジャ9の下端に付設されるタペット11が、カム軸6に形成されるカム6aに当接するようにスプリング等の付勢手段により下方へ付勢されており、カム軸6の回転にともなうカム6aの回転により上下摺動する構成となっている。
また、カム軸6にはベベルギヤ12が固設されており、該ベベルギヤ12と噛合するベベルギヤ13を有する駆動軸14が、カム軸6の上方において垂直方向に回転自在にポンプケース3に支持されている。この駆動軸14の上端部には、分配軸15の下端部が係合されている。つまり、カム軸6の回転にともないベベルギヤ12・13を介して駆動軸14が回転し、これにより分配軸15が回転する構成となっている。
このような構成により、プランジャ9が上下動範囲の下端部に位置すると、図示せぬフィードポンプ等から供給経路を介して圧送される燃料は、プランジャバレル10内に形成される燃料圧室16内へ圧送される。そして、プランジャ9がカム6aにより押し上げられて上昇することにともない、燃料圧室16内の燃料は、プランジャバレル10に形成される分配ポート10aから、ハイドロリックヘッド8に形成される油路を介して分配軸15へと送られ、該分配軸15を介し、ハイドロリックヘッド8において分配軸15の近傍に挿嵌されるデリベリバルブ18へと圧送され、エンジンのシリンダヘッド部に設けられる燃料噴射弁から燃焼室内に噴射される構成となっている。
また、プランジャ9の外周部には、該プランジャ9と一体的に回動する制御スリーブ17が設けられており、該制御スリーブ17が後述するガバナ機構20により回動されることで、プランジャ9がプランジャバレル10に対して回動する。また、プランジャ9にはプランジャリード9aが形成されており、制御スリーブ17が回動されることでプランジャリード9aのプランジャバレル10に対する角度が変更され、燃料の噴射量が調整される構成となっている。
また、ハイドロリックヘッド8におけるプランジャバレル10の近傍には、低温始動進角機構(以下、「CSD」)19が設けられている。CSD19においては、燃料圧室16内の燃料が、プランジャバレル10に形成される油路からハイドロリックヘッド8に形成される一連のサブポートを介して同じくハイドロリックヘッド8に形成される低圧室19a側に溢流されるように構成されている。つまり、CSD19は、低温始動時において、前記サブポートを閉じ、燃料圧室16内の燃料の溢流をなくすことによって燃料圧室16から高圧の燃料を供給し、燃料の噴射タイミングを早める進角制御を行うものである。
一方、ガバナケース4内のガバナ機構20は、次のような構成となっている。すなわち、ポンプケース3内に支持されるカム軸6は、ポンプケース3からガバナケース4内へ延設されており、この延設部にガバナウェイト21及びガバナスリーブ22が装着されている。ガバナスリーブ22は、カム軸6の回転によりガバナウェイト21に生じる遠心力とガバナスプリング44の力のつり合いにより、カム軸6の軸方向に移動する。また、ガバナケース4内に架設されるガバナ軸23には、第一ガバナレバー24、第二ガバナレバー25及びテンションレバー26が回動自在に支持されている。第一ガバナレバー24と第二ガバナレバー25は、スプリング27により連結されている。第二ガバナレバー25の上端部は、リンク28を介して図示せぬコントロールラックに連結されている。
すなわち、ガバナ機構20においては、カム軸6の回転によってガバナスリーブ22が第一ガバナレバー24の下端部を押すことにより、第一ガバナレバー24がガバナ軸23を中心に回動し、これに連動して第二ガバナレバー25が回動する。この第二ガバナレバー25の回動により、リンク28を介して前記コントロールラックが移動し、燃料噴射ポンプの燃料噴射量が変化する構成となっている。
また、テンションレバー26の近傍にはコントロールレバー29が設けられており、該コントロールレバー29はテンションレバー26にガバナスプリング44を介して連結されている。コントロールレバー29が外部から回動操作されることによりガバナスプリング44による付勢力が変化し、テンションレバー26が回動され、このテンションレバー26の回動が第二ガバナレバー25に伝達され、ガバナウェイト21の遠心力とのつり合いにより前記コントロールラックが移動して、燃料の噴射量が変化する構成となっている。
なお、図1中30は、噴射量減量用アクチュエータであり、その電子制御されるピストン31を作動させることで第二ガバナレバー25に作用し、燃料噴射量を減量する。
以上が、本発明の一実施例に係る燃料噴射ポンプの全体構成についての説明である。
クランク軸の回転変動に起因するカム軸6の回転変動は、燃料の供給量を自動的に調整してトルク変動により増減する回転速度を維持するガバナ機構20の不要な挙動、具体的には、カム軸6に装着されるガバナスリーブ22の本来位置すべき場所からの変動の原因となり、エンジンの回転変動やトルク特性の不安定化を招く。
そこで、本発明においては、前述のようなクランク軸の回転変動に起因するカム軸6の回転変動を最小限にするため、従来のカム軸駆動ギヤ7およびカム軸固定フランジ32の構造を改良し、カム軸駆動ギヤに伝達される駆動力を直接カム軸に伝達せずに、ゴムパッキン等の弾性部材を介してカム軸に駆動力を伝達する構成としている。
次に、本発明に係る改良したカム軸駆動ギヤおよびカム軸固定フランジの詳細構造について、図3乃至図8を用いて説明をする。
図3乃至図5に示す如く、本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジ35は、円筒状の軸心側部材(インナー部材35a)と円板状の外周側部材(アウター部材35b)に分割され、その間に断面視C字状の弾性部材(ゴムパッキン36)を介装する構成としている。
即ち、インナー部材35aは、鋼製の円筒部材を側面視略凸字状に形成した部材であり、軸芯上には円錐台状の孔35cが形成され、該孔35cにカム軸6を貫装可能としている。
アウター部材35bは、鋼製のフランジ部材であり、軸心上には、前記インナー部材35aの形状と合致する孔35dが形成されており、インナー部材35aと一体的に合体可能として、カム軸固定フランジ35を構成している。また、アウター部材35bの表面には、カム軸6を軸心とする同一円周上にボルト33・33・・・を螺挿するためのメネジが刻設されたボルト孔35h・35h・・・が所定角度毎に形成されている。
そして、図3に示す如く、カム軸駆動ギヤ34にボルト33・33・・・を貫装した状態で、該ボルト33・33・・・をアウター部材35bのボルト孔35h・35h・・・と螺合することにより、カム軸駆動ギヤ34をアウター部材35bに固定するようにしている。
また、図3乃至図5に示す如く、インナー部材35aの外面と、アウター部材35bの内面とが接触する軸心方向中央部の箇所においては、部分的に断面視略扇型の中空部35eが形成されており、該中空部35eにはゴムパッキン36を介装し、該ゴムパッキン36の円周方向端面は略均等にインナー部材35aとアウター部材35bの中空部35eに当接するようにしている。即ち、中空部35eはインナー部材35aとアウター部材35bの両方に凹むように形成されている。
ゴムパッキン36は、図4に示す断面視略扇型の中空部35eに沿う形状としたゴム製の弾性部材である。該ゴムパッキン36は、インナー部材35aとアウター部材35bの相対位置が変化することによって、中空部35eを形成する内壁により押圧されて圧縮力が加えられたり、またその圧縮力から開放されたりする状態が繰り返されるものである。そして、インナー部材35aとアウター部材35bの相対位置が変化する際の衝撃力を、ゴムパッキン36が変形することにより吸収する構成としている。尚、ゴムパッキン36は、潤滑油等に触れるため、耐油性のある材質とすることが望ましい。
本実施例においては、衝撃力を吸収するための弾性体としてゴムパッキンを使用しているが、これに限定するものではなく、バネ部材等の他の弾性体を用いることも可能である。
また、本実施例においては、ゴムパッキン36を介装した中空部35eを2箇所設ける構成としているが、箇所数はこれに限定するものではなく、カム軸6に作用するトルクの大小等に応じて設ける箇所数を適宜増減することができる。
図3乃至図5に示す如く、インナー部材35aおよびアウター部材35bは、インナー部材35aの外面部とアウター部材35bの内面部が摺接しており、カム軸6周りに互いに独立して摺接しつつ回動することが可能な構成としている。
ここで、アウター部材35bのみを独立して回転させると、アウター部材35bの回転に伴って中空部35eの形状が変形し、該中空部35e内部に介装されているゴムパッキン36を変形させるようになる。このとき、この変形を伴ったゴムパッキン36を介してインナー部材35aにも回転が伝達される。
つまり、アウター部材35bに伝達された回転が、ゴムパッキン36を介して、回転力の一部がゴムパッキン36に吸収されつつ、インナー部材35aに伝達されるように構成している。
尚、カム軸固定フランジ35とカム軸6の間にはキーが配置されて相対回転不能な構成としている。
さらに、図4に示す如く、インナー部材35aの外面とアウター部材35bの内面とが接触する箇所に両者の相対回転範囲(相対位置)を規制するストッパー部材が設けられている。即ち、インナー部材35aの外周面の一部には、インナー側係合部となるキー状の凸部35fが形成されている。また、アウター部材35bの内周面の一部には、アウター側係合部となる前記凸部35fよりも大きいキー溝状の凹部35gが形成されている。
但し、凸部をアウター部材35b側に配置し、かつ、凹部をインナー部材35a側に配置することも可能である。また、配置数も本実施例に示す1箇所に限定するものではない。
そして、インナー部材35aとアウター部材35bが合体された状態においては、凸部35fと凹部35gが遊嵌され、凸部35fが凹部35gの略中央に位置する状態となる。これにより、凸部35fと凹部35gが接触しない範囲でのみインナー部材35aとアウター部材35bは摺接しつつ回動可能な構成としている。
つまり、インナー部材35aとアウター部材35bの取り得る相対位置を制限することができ、ゴムパッキン36の変形量を制限することが可能となる。よって、ゴムパッキン36の劣化が抑制されて、ゴムパッキン36の寿命を延ばすことが可能となる。
図3に示す如く、カム軸固定フランジ35は、カム軸6端部に螺設されたエンドナット37によってカム軸6上に固定されている。詳しくは、カム軸固定フランジ35のインナー部材35aの端面を、エンドナット37を締め付けて押圧することにより、カム軸6上にインナー部材35aが押圧されるようにして、カム軸固定フランジ35を固定するようにしている。
また、エンドナット37は、拡径部37aを有しており、該拡径部37aがアウター部材35bの側部を掛止して、アウター部材35bの抜け止めとして機能するような外径寸法および形状に構成されている。これにより、エンドナット37とインナー部材35aにワッシャ等を介装することなくアウター部材35bの抜け止め機能を持たせることができ、部品点数を削減するとともに、組立作業の簡素化にも寄与することができる。
カム軸6の回転変動を低減する本発明の第二実施例について、図6または図7を用いて説明をする。
即ち、カム軸固定フランジ45とカム軸駆動ギヤ42とを固定するボルト41の外周に弾性部材を配置する構成としている。
つまり、カム軸固定フランジ45は、ゴムスペーサ38を介して、かつ、ゴムブッシュ39およびワッシャ40を貫装したボルト41によりカム軸駆動ギヤ42を固設するように構成している。
カム軸固定フランジ45は、鋼製のフランジ部材であり、フランジ表面のカム軸6を軸心とする同一円周上に所定間隔をあけてボルト41・41・・・を螺挿するためのメネジが刻設されたボルト穴45a・45a・・・が形成されている。
ゴムスペーサ38は、平板状のゴム製シート部材を環状に切り取った部材であり、表面のカム軸6を軸心とする同一円周上には、前記ボルト41・41・・・を貫装するための孔38a・38a・・・が形成されている。また、ゴムスペーサ38の軸心上には、カム軸固定フランジ45のボス部45bを貫装する孔38bが形成されている。
カム軸駆動ギヤ42は、鋼製の円形状歯車部材であり、表面のカム軸6を軸心とする同一円周上には、前記ボルト41・41・・・を貫装するための孔42a・42aが形成されている。該孔42a・42a・・・は、前記ゴムスペーサ38に形成された孔38aの径に比して、ゴムブッシュ39を装着する分大きな径としている。また、カム軸駆動ギヤ42の軸心上には、カム軸固定フランジ45のボス部45aを貫装する孔42bが形成されている。
図8に示す如く、ボルト41には、ゴムブッシュ39およびワッシャ40が貫装される拡径部41aと、カム軸固定フランジ45と螺合するネジ部41bが形成されている。
そして、図6または図7に示す如く、カム軸固定フランジ45とカム軸駆動ギヤ42にゴムスペーサ38を介装して、カム軸駆動ギヤ42およびゴムスペーサ38を貫装するボルト41・41・・・をカム軸固定フランジ45と螺合して、カム軸駆動ギヤ42およびゴムスペーサ38をカム軸固定フランジ45に固設するようにしている。
このように構成することにより、カム軸駆動ギヤ42は、ゴムブッシュ39およびゴムスペーサ38が弾性変形することによりカム軸固定フランジ45に対して相対変位することが可能となっている。
つまり、カム軸駆動ギヤ42に伝達された回転が、ゴムブッシュ39およびゴムスペーサ38を介して伝達されることにより、回転力の一部や回転伝達時の衝撃力がゴムブッシュ39およびゴムスペーサ38に吸収されつつ、カム軸固定フランジ45に伝達されて、カム軸6を回転駆動するように構成している。
以上が、本発明の要部であるカム軸固定フランジの詳細構造についての説明である。
以上の説明に示す如く、カム軸6と、カム軸駆動ギヤ34と、カム軸駆動ギヤ34をカム軸6上に固定するためのカム軸固定フランジ35とを具備し、エンジンクランク軸の回転をカム軸駆動ギヤ34を介してカム軸6に伝えて回転駆動する燃料噴射ポンプ1において、カム軸固定フランジ35は、カム軸6に固設されるインナー部材35aと、カム軸駆動ギヤ34に固設されるアウター部材35bと、に分割し、インナー部材35aとアウター部材35bの間にゴムパッキン36を介装した構成としている。
これにより、カム軸駆動ギヤ34に入力された回転は、ゴムパッキン36を介してカム軸6に伝達されるため、エンジンの回転変動に起因するカム軸駆動ギヤ34の回転変動が、カム軸6に直接伝達されないようにできるのである。また、これにより、ガバナウェイト21に作用するスラスト力が安定し、ラック位置の変動を抑えることができるのである。
また、カム軸6の端部にエンドナット37を螺設し、エンドナット37の締め付けによりインナー部材35aを固定するとともに、エンドナット37によりアウター部材35bを抜け止めする構成としている。
これにより、カム軸固定フランジ35をカム軸6上に固定するための部品点数を低減することができるのである。
また、アウター部材35bとインナー部材35aの境界部分に、それぞれ凹部35gと凸部35fを形成し、凹部35gと凹部35fとの係合により、アウター部材35bとインナー部材35aの相対位置を制限した構成としている。
これにより、ゴムパッキン36が必要以上に変形することを抑えることにより、ゴムパッキン36の耐久性を向上させることができるのである。
また、カム軸6と、カム軸固定フランジ45と、カム軸駆動ギヤ42を具備し、エンジンクランク軸の回転をカム軸駆動ギヤ42に伝達して、カム軸固定フランジ45を介して、カム軸6を回転駆動する燃料噴射ポンプ1において、カム軸駆動ギヤ42と、カム軸6に固設されるカム軸固定フランジ45との間にゴムスペーサ38を介装し、かつ、カム軸駆動ギヤ42とカム軸固定フランジ45を、カム軸駆動ギヤ42との接触部(孔42a)にゴムブッシュ39を貫装したボルト41により締結した構成としている。
これにより、カム軸駆動ギヤ42に入力された回転は、ゴムブッシュ39を介してカム軸6に伝達され、また、ゴムスペーサ38によりカム軸駆動ギヤ42とカム軸固定フランジ45のねじれを吸収することができるため、エンジンの回転変動に起因するカム軸駆動ギヤ42の回転変動が、カム軸6に直接伝達されないようにできるのである。また、これにより、ガバナウェイト21に作用するスラスト力が安定し、ラック位置の変動を抑えることができるのである。
本発明を適用する燃料噴射ポンプの全体的な構成を示した側面断面図。 従来のカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤを示した側面断面図。 本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤを示した側面断面図。 本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジの図3中のA−A断面図。 本発明の第一実施例に係るカム軸固定フランジの詳細を示した側面断面図。 本発明の第二実施例に係るカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤを示した側面断面図。 本発明の第二実施例に係るカム軸固定フランジおよびカム軸駆動ギヤの全体的な構成を示した斜視図。 本発明の第二実施例に係るボルトの構成を示した側面図。
符号の説明
1 燃料噴射ポンプ
6 カム軸
34 カム軸駆動ギヤ
35 カム軸固定フランジ
35a インナー部材
35b アウター部材
36 ゴムパッキン

Claims (4)

  1. カム軸と、
    カム軸駆動ギヤと、
    該カム軸駆動ギヤをカム軸上に固定するためのカム軸固定フランジとを具備し、
    エンジンクランク軸の回転を前記カム軸駆動ギヤを介してカム軸に伝えて回転駆動する燃料噴射ポンプにおいて、
    前記カム軸固定フランジは、
    前記カム軸に固設されるインナー部材と、
    前記カム軸駆動ギヤに固設されるアウター部材と、
    に分割し、
    前記インナー部材と前記アウター部材の間に弾性部材を介装したこと、
    を特徴とする燃料噴射ポンプ。
  2. 前記カム軸の端部にエンドナットを螺設し、
    該エンドナットの締め付けにより前記インナー部材を固定するとともに、
    該エンドナットにより前記アウター部材を抜け止めすること、
    を特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
  3. 前記アウター部材と前記インナー部材の境界部分に、それぞれアウター側係合部とインナー側係合部を形成し、
    該アウター側係合部と前記インナー側係合部との係合により、
    前記アウター部材と前記インナー部材の相対位置を制限したこと、
    を特徴とする請求項1記載の燃料噴射ポンプ。
  4. カム軸と、
    カム軸固定フランジと、
    カム軸駆動ギヤを具備し、
    エンジンクランク軸の回転を前記カム軸駆動ギヤに伝達して、
    前記カム軸固定フランジを介して、
    前記カム軸を回転駆動する燃料噴射ポンプにおいて、
    前記カム軸駆動ギヤと、
    前記カム軸に固設される前記カム軸固定フランジとの間にゴムスペーサを介装し、
    かつ、前記カム軸駆動ギヤと前記カム軸固定フランジを、
    前記カム軸駆動ギヤとの接触部にゴムブッシュを貫装したボルトにより締結したこと、
    を特徴とする燃料噴射ポンプ。
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