JP2008038196A - プラズマ成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、アノードの清掃を容易に行うことができるプラズマ成膜装置を提供することを目的とする。
【解決手段】容器101と、容器101の内部にプラズマを発生させるプラズマガン1と、容器101の内部においてプラズマを受けるアノード50と、プラズマガン1で発生したプラズマをアノード50の側へ流動させるプラズマ流動機構21と、容器101の一部を成すように形成された成膜室4と、容器101にプラズマが通過するように設けられたプラズマ通過口54と、プラズマ通過口54を開閉するための開閉部材48と、開閉部材48がプラズマ通過口54を容器101の外側から開閉することが可能なように開閉部材48を支持する支持機構51と、を備え、アノード50が開閉部材48のプラズマ通過口54に面する面に設けられている、プラズマ成膜装置。
【選択図】図6

Description

本発明は、プラズマ成膜装置の構造に関する。
プラズマ成膜装置は、プラズマガンから発生したプラズマをイオン源として用いて成膜する装置である。このような成膜装置では、基板を成膜する成膜材料(例えば、絶縁材料)の一部が、発生したプラズマを受けるアノードに付着する。これにより、アノードに絶縁膜が形成され、プラズマガン(正確には、カソード)−アノード間の見かけ上の抵抗値が高くなり、主電源からプラズマガンに印加する放電電圧が高くなる。そして、プラズマガン−アノード間の抵抗値が、主電源の電圧限界を超えると放電が起こらなくなるという問題があった。
また、プラズマ成膜装置に設けられているアノードは、通常は、チャンバを構成する壁にボルトで締結して取り付けられている。このため、アノードを清掃するためには、このボルトを取り外して行わなければならず、アノードの清掃時間がかかり、また、ボルトを取り外すことによって必要となるメンテナンスの作業時間がかかるという問題があった。
このような問題に対して、アノードをスパッタリングするイオンドーピング装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているイオンドーピング装置では、イオン源内壁(チャンバ内壁)とフィラメントの間でプラズマを発生させ、このプラズマを利用してアノード電極をスパッタリングし、アノード電極上の堆積物を除去することが可能である。
特開2000−340165号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているようなイオンドーピング装置では、除去した堆積物は、チャンバ内を浮遊し、チャンバ内に配設されている基板やターゲット等に付着するため、基板に不純物が成膜されるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で、アノードの清掃を容易に行うことができるプラズマ成膜装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係るプラズマ成膜装置は、内部を減圧可能な容器と、該容器の内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、前記容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、前記プラズマガンで発生したプラズマを前記アノードの側へ流動させるプラズマ流動機構と、前記容器の一部を成すように形成され、その内部に、基板及びターゲットが前記流動するプラズマを挟んで対抗するように設けられた成膜室と、前記容器に前記プラズマが通過するように設けられたプラズマ通過口と、該プラズマ通過口を開閉するための開閉部材と、該開閉部材が前記プラズマ通過口を前記容器の外側から開閉することが可能なように前記開閉部材を支持する支持機構と、を備え、前記アノードが前記開閉部材の前記プラズマ通過口に面する面に設けられている。
これにより、簡易な構成で、アノードを大気側に開放することができ、アノードの清掃を容易に行うことができる。
本発明のプラズマ成膜装置では、前記支持機構は、前記容器に取り付けられ、前記開閉部材が所定の支軸の回りに揺動して前記プラズマ通過口を前記容器の外側から開閉することが可能なように前記開閉部材を保持するヒンジ部材であってもよい。
本発明のプラズマ成膜装置では、前記プラズマ通過口を閉鎖した前記開閉部材をロックするためのロック機構を備えていてもよい。
本発明に係るプラズマ成膜装置では、前記アノードと前記成膜室との間に設けられ、その開閉により前記容器の内部空間の前記アノード側の部分と前記成膜室側の部分とを連通及び遮断するゲート機構を備えていてもよい。
これにより、成膜室を真空状態に保ったまま、アノードを大気中に開放して清掃を行うことができるので、成膜室を再度真空状態にする必要がなく、成膜作業を短縮することができる。
本発明のプラズマ成膜装置では、前記容器の外部に、前記流動するプラズマをシート状に変形するシートプラズマ変形機構が設けられていてもよい。
本発明のプラズマ成膜装置によれば、簡易な構成で、アノードの清掃を容易に行うことができ、その作業時間を短縮することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプラズマ成膜装置の概略構成を示す模式図である。図2は、図1に示したプラズマ成膜装置のII−II線に沿った断面を示す断面図である。なお、図2においては、一部を省略している。また、図1及び図2において、プラズマ成膜装置の構造における方向を、便宜上、三次元直交座標系のX軸、Y軸及びZ軸の方向で表わす。
まず、本実施の形態1に係るプラズマ成膜装置の構成について、図1および図2を参照しながら説明する。
図1に示すように、プラズマ成膜装置100は、YZ平面において略十字形状をなしており、Z軸方向から見て順番に、プラズマガン1と、シートプラズマ変形室2と、成膜室4と、アノード室6と、を有している。プラズマガン1の一端は、その端壁を構成する第1フランジ12によって閉鎖されている。プラズマガン1の他端は、プラズマガン1とシートプラズマ変形室2とが気密に連通するようにしてシートプラズマ変形室2の一端に接続されている。シートプラズマ変形室2の他端は、シートプラズマ変形室2と成膜室4とが気密に連通するようにして成膜室4の一端に第1ボトルネック部3を介して接続されている。成膜室4の他端は、成膜室4とアノード室6とが気密に連通するようにしてアノード室6の一端に第2ボトルネック部5を介して接続されている。アノード室6の他端はその端壁を構成する第2フランジ47によって閉鎖されている。このようにして、プラズマガン1と、シートプラズマ変形室2と、第1ボトルネック部3と、成膜室4と、第2ボトルネック部5と、アノード室6と、第1フランジ12と、第2フランジ47と、が容器101を構成している。容器101の内部は、後述するように減圧可能である。
プラズマガン1は、円筒状の第1筒部材10を有している。第1筒部材10の内部空間により、放電空間11が形成される。第1筒部材10の一方の端部は、放電空間11を塞ぐように第1フランジ12が配置されている。第1フランジ12には、第1フランジ12の中心部を気密的に貫通して、Z軸に沿って延びるように、タンタル(Ta)で構成された円筒状の補助陰極13が配設されている。補助陰極13の基端は、図示されないアルゴン(Ar)ガスタンクと適宜な配管により接続されており、補助陰極13の先端からArガスが放電空間11内に供給される。また、補助陰極13の先端近傍の外周面には、6ホウ化ランタン(LaB6)で構成された円環状の主陰極14が設けられている。補助陰極13と主陰極14によって、カソード15が構成されている。カソード15は、直流電源からなる主電源18の負極と抵抗体R1を介して電気的に接続されている。
プラズマガン1には、補助陰極13と同軸状にZ軸に沿って延びるように、補助陰極13よりも径の大きいモリブデン(Mo)、又は、タングステン(W)で構成された円筒状の保護部材16が、第1フランジ12に気密的に配設されている。保護部材16の先端には、タングステンで構成された円環状の窓部材17が設けられている。この保護部材16と窓部材17により、カソード15が保護される。
プラズマガン1は、一対の円環状の中間電極19、20を有している。これらの中間電極19、20は、それぞれ主電源18と適宜の抵抗体R2、R3を介して電気的に接続され、所定のプラス電圧が中間電極19、20に印加される。これにより、カソード15で発生したアーク放電が維持され、プラズマガン1の放電空間11には、荷電粒子(ここではAr+と電子)の集合体としてのプラズマが形成される。
第1筒部材10の径方向の外側(プラズマガン1の周囲)には、磁力の強さをコントロールできる環状の第1電磁コイル(プラズマ流動機構)21が、第1筒部材の周壁を取り囲むように設けられている。この第1電磁コイル21に電流を流すことにより、プラズマガン1の放電空間11には、コイル磁界及び中間電極19、20による電界に基づく磁束密度のZ軸方向の勾配が形成される。このような磁束密度のZ軸方向の勾配により、プラズマを構成する荷電粒子は、この放電空間からZ軸方向に運動するよう、磁力線の回りを旋回しながらZ軸方向に進み、これらの荷電粒子の集合体としてのプラズマが、略等密度分布してなる円柱状のプラズマ(以下、円柱プラズマという)CPとして、シートプラズマ変形室2へ引き出される。
第一筒部材10の他方の端部には、シートプラズマ変形室2が設けられており、シートプラズマ変形室2とプラズマガン1とは、適宜な手段により、気密的に、かつ、電気的に絶縁されて接続されている。
シートプラズマ変形室2は、Z軸方向の軸を中心とした第2筒部材22を有しており、第2筒部材22は、非磁性体(例えば、ステンレスやガラス)で構成されている。そして、第2筒部材22の内部空間により、輸送空間23が形成される。
また、第2筒部材22の適所には、バルブ24により開閉可能な真空ポンプ接続口25が設けられている。真空ポンプ接続口25には、図示されない真空ポンプ(例えば、ターボポンプ)が接続されている。この真空ポンプにより、真空引きされ、シートプラズマ変形室2の内部空間(輸送空間23)は、円柱プラズマCPを輸送可能なレベルの真空度にまで速やかに減圧される。
さらに、第2筒部材22の外側(シートプラズマ変形室2の周囲)には、第2筒部材22(正確には、輸送空間23)を挟んで、互いに同極(ここではN極)が対向するようにして、Y軸方向に磁化され、かつ、X軸方向に延びる一対の角形の永久磁石26A、26Bが設けられている。
また、永久磁石26A、26Bのカソード15に近い側には、環状の成形電磁コイル27(空心コイル)が、第2筒部材22の周面を囲むように配設されている。なお、成形電磁コイル27には、カソード15側をS極、アノード50側をN極とする向きの電流が通電されている。この永久磁石26A、26Bと成形電磁コイル27からシートプラズマ変形機構102が構成される。
そして、成形電磁コイル27に電流を流すことによって、シートプラズマ変形室2の輸送空間23に形成されるコイル磁界と、永久磁石26A、26Bによって、この輸送空間23に形成される磁石磁界との相互作用により、シートプラズマ変形室2の輸送空間23を円柱プラズマCPがZ軸方向に移動する。この間に、円柱プラズマCPは、XZ平面に沿って拡がる、均一なシート状のプラズマ(以下、シートプラズマという)SPに変形される(図2参照)。このようにして変形されたシートプラズマSPは、成膜室4へ流入する。
成膜室4は、Y軸方向の軸を中心とした円筒状の第3筒部材28を有しており、第3筒部材28は、非磁性体(例えば、ステンレス)で構成されている。第3筒部材28の一方の端部は、第1蓋部材29で閉鎖されており、また、他方の端部は、第2蓋部材30で閉鎖されている。
第3筒部材28のシートプラズマ変形室2近傍側の周面の中央部には、X軸方向に延びる第1スリット孔31が形成されている。この第1スリット孔31には、シートプラズマ変形室2と成膜室4の内部空間が連続するように、筒状の第1ボトルネック部3が気密的に設けられている。なお、第1ボトルネック部3の高さ(Y軸方向寸法)及び長さ(Z軸方向寸法)並びに幅(X軸方向寸法)は、シートプラズマSPを適切に通過するように設計されている。また、第1スリット孔31の幅は、変形されたシートプラズマSPの幅よりも大きく形成されていればよく、適宜な大きさに設計される。これにより、シートプラズマSPを構成しない余分なアルゴンイオン(Ar+)と電子が、成膜室4に導入されるのを防止することができ、シートプラズマSPの密度を高い状態に保つことができる。
また、第3筒部材28の内部には、シートプラズマSPを挟んで対抗するように、基板ホルダ34と、成膜材料としてターゲット37と、が配設されている。基板ホルダ34は、基板33を保持しており、基板ホルダ34は、ホルダ部34aと支持部34bを有している。支持部34bは、第2蓋部材30を気密的に、かつ、進退自在に貫通し、第2駆動機構35と接続されており、Y軸方向に移動可能に構成されている。また、基板ホルダ34は、第2バイアス電源32と電気的に接続されており、第2バイアス電源32は、ホルダ部34aにシートプラズマSPに対して負のバイアス電圧を印加する。なお、基板ホルダ34の支持部34bと第2蓋部材30とは、絶縁されている。
一方、ターゲット37は、ターゲットホルダ38に保持されており、該ターゲットホルダ38は、ホルダ部38aと支持部38bを有している。支持部38bは、第1蓋部材29を気密的に、かつ、進退自在に貫通し、第1駆動機構39と接続されており、Y軸方向に移動可能に構成されている。また、ターゲットホルダ38は、第1バイアス電源36と電気的に接続されており、第1バイアス電源36は、ホルダ部38aにシートプラズマSPに対して負のバイアス電圧を印加する。なお、ターゲットホルダ38の支持部38bと第1蓋部材29とは、絶縁されている。また、ここでは、ターゲットホルダ38と基板ホルダ33にバイアス電圧を印加するバイアス電源を別々に設けたが、これらを1つの共通のバイアス電源で構成してもよい。さらに、第1駆動機構39及び第2駆動機構35は、公知の駆動機構を使用しており、例えば、エアシリンダ、伝導モータによるねじ送り方式(ボールネジ機構)、ラック&ピニオン方式、手動によるねじ送り方式等を使用することができる。
そして、この基板33とターゲット37との間の空間が、成膜空間42を構成する。
また、第2蓋部材30の適所には、バルブ40により開閉可能な真空ポンプ接続口41が設けられている。真空ポンプ接続口41には、図示されない真空ポンプが接続されている。この真空ポンプ(例えばターボポンプ)により真空引きされ、第3筒部材28の内部空間は、スパッタリングプロセス可能なレベルの真空度にまで速やかに減圧される。
第3筒部材28の外部には、磁力の強さをコントロールできる第2電磁コイル43及び第3電磁コイル44が、互いに対を成して第3筒部材28の周面を囲むように配設されている。第2電磁コイル43と第3電磁コイル44は、互いに異極同士(ここでは、第2電磁コイル43はN極、第3電磁コイル44はS極)を向かい合わせて設けられている。
この第2電磁コイル43及び第3電磁コイル44に電流を流すことにより作られるコイル磁界(例えば5G〜300G程度)によって、シートプラズマSPの幅方向(X軸方向)は、成膜室4の成膜空間42を跨ぐようにZ軸方向に移動する間に、ミラー磁界として、その幅方向拡散を適切に抑えるように形状を整形される。
また、第3筒部材28のアノード室6近傍側の周面の中央部には、X軸方向に延びる第2スリット孔45が形成されている。この第2スリット孔45には、成膜室4とアノード室6の内部空間が連続するように、筒状の第2ボトルネック部5が気密的に設けられている。なお、第2ボトルネック部5の高さ(Y軸方向寸法)及び長さ(Z軸方向寸法)並びに幅(X軸方向寸法)は、第1ボトルネック部3と同様にシートプラズマSPを適切に通過するように設計されている。また、第2スリット孔45の高さ及び幅は、上述した第1スリット孔31と同様に構成されている。
アノード室6は、第2ボトルネック部5を介して成膜室4(正確には、第3筒部材28)と連通するZ軸方向に中心軸を有する第4筒部材46を有している。第4筒部材46は、非磁性体(例えば、ステンレス)で構成されている。第4筒部材46の一方の(成膜室4側)端部には、第2ボトルネック部5が気密的に設けられている。そして、他方の端部には、その内部空間を塞ぐように第2フランジ47が気密的に設けられている。
第2フランジ47の中央部には貫通孔が設けられ、この貫通孔を塞ぐようにアノード50を有する開閉部材48が気密的に設けられている。アノード50は、適宜な配線によって主電源18の正極と電気的に接続されている。アノード50には、カソード15との間で適宜の正の電圧(例えば100V)が印加される。
開閉部材48の裏面(カソード15から遠い方の面)には、開閉部材48を第2フランジ47に取り付け、第2フランジ47の外側から開閉部材48を開閉することが可能なように保持するための支持機構51が配設されている。また、開閉部材48の裏面には、アノード50側をS極、大気側をN極とした永久磁石49が配設されている。これにより、永久磁石49のN極から出てS極に入るXZ平面に沿った磁力線により、アノード50に向かうシートプラズマSPの幅方向(X軸方向)の拡散を抑えるようにシートプラズマSPが幅方向に収束され、シートプラズマSPの荷電粒子が、アノード50に適切に回収される。
次に、本実施の形態1に係るプラズマ成膜装置100の開閉部材48及び支持機構51について、図3乃至図6を参照しながら詳細に説明する。
図3は、図1におけるプラズマ成膜装置100のアノード室6近傍を拡大した模式図であり、図4は、図2におけるプラズマ成膜装置100のアノード室6近傍を拡大した模式図である。また、図5は、図1において矢印Vの方向から見たプラズマ成膜装置100を示す模式図である。さらに、図6は、図1に示したプラズマ成膜装置100のアノード50を大気側に開放した状態を示す模式図である。
図3乃至図5に示すように、第2フランジ47は、板状(ここでは、円盤状)に形成されており、第2フランジ47のカソード15から遠い側の面(以下、裏面という)の略中央には、凹部61が設けられている。そして、この凹部61の底面における略中央には、厚み方向に貫通する貫通孔が設けられており、この貫通孔が、プラズマ通過口54を構成する。なお、貫通孔の高さ(Y軸方向寸法)及び幅(X軸方向寸法)は、シートプラズマSPを適切に通過するように設計されている。
第2フランジ47の凹部61には、板状の開閉部材48が支持機構51、51によって取り付けられている(図5参照)。開閉部材48のプラズマ通過口54に面する面(以下、表面という)には、プラズマ通過口54を閉鎖するように、板状のアノード50が設けられている。また、開閉部材48の表面には、アノード50を囲むようにして溝が設けられ、該溝中にOリング55が配設されている。一方、開閉部材48の裏面(カソード15から遠い方の面)で、アノード50と対向する位置には、永久磁石49が設けられている。
支持機構51は、蝶番型のヒンジ部材で構成されており、開閉部材48は、ヒンジ部材の支軸60の周りに揺動するように支持機構51によって第2フランジ47に取り付けられている。これにより、開閉部材48は、プラズマ通過口54を容器101の外側から開閉することができる。
なお、支持機構51は、蝶番型のヒンジ部材に限定されず、例えば、トーション型のヒンジ等の種々のヒンジ部材やローラガイド、スライドガイド等のガイド部材で構成されてもよい。また、ここでは、開閉部材48を揺動させることにより、プラズマ通過口54を容器101の外側から開閉したが、これに限定されず、支持機構51が、開閉部材48をスライドさせて、プラズマ通過口54を容器101の外側から開閉するような構成としてもよい。
開閉部材48の裏面には、冷却媒体供給口52a及び冷却媒体排出口52bが設けられている。また、開閉部材48には、冷却媒体52aと冷却媒体排出口52bとを接続し、アノード50と平行となる部分を有するように冷却媒体流路52が設けられている。冷却媒体供給口52a及び冷却媒体排出口52bには、適宜な配管を通じて冷却媒体供給装置(図示せず)が接続されている。これにより、シートプラズマSPを受けることによって加熱されるアノード50を冷却することができる。なお、ここでは、冷却媒体として、水を使用している。
第2フランジ47の裏面の適所には、L字状のロック機構53、53が設けられている(図4及び図5参照)。ロック機構53は、その基端部を中心に水平方向に回動し、開閉部材48でプラズマ通過口54を閉鎖したときに、ロック機構53の先端部が開閉部材48の裏面と当接して、開閉部材48が傾倒しない(開閉部材48をロックする)ように構成されている。そして、開閉部材48でプラズマ通過口54を閉鎖し、図示されない真空ポンプで容器101の内部を真空引きすると、開閉部材48は、Z軸方向のカソード15側に移動し、開閉部材48の表面が第2フランジ47の凹部61の底面と密着する。このとき、Oリング55の弾性作用によって、開閉部材48と第2フランジ47との間が気密状態に保たれる。なお、ロック機構53は、ここでは、トグル型のクランプを使用しているが、これに限定されず、開閉部材48が傾倒しない(開閉部材48をロックする)ように構成されていれば、引っ掛け式等の種々のクランプ、ファスナー類や蝶ボルト、ローレッロネジ等のボルト締め方式を使用してもよい。
なお、本実施の形態では、プラズマガン1、シートプラズマ変形室2及びアノード室6のXY平面に平行な断面を、円形であると説明したが、これに限定されるものではなく、多角形等であってもよい。また、成膜室4のXZ平面に平行な断面を、円形であると説明したが、これに限定されるものではなく、多角形等であってもよい。
次に、本実施の形態1に係るプラズマ成膜装置100の動作について説明する。
まず、プラズマ成膜装置100の成膜室4内に、基板33とターゲット37が搬入される。そして、真空ポンプの真空引きにより、プラズマ成膜装置100を構成するプラズマガン1、シートプラズマ変形室2、成膜室4及びアノード室6内のそれぞれが真空状態になる。このとき、真空ポンプ接続口が2箇所に設けられているので、プラズマ成膜装置内の減圧を迅速に行うことができる。
次に、プラズマガン1に設けられた補助陰極13の先端から、Arガスが放電空間11内に供給され、補助陰極13でグロー放電が行われる。このグロー放電により、補助陰極13の先端部分の温度が上昇すると、この熱で主陰極14が加熱されて高温になり、アーク放電が行われる。このようにして、カソード15からプラズマ放電誘発用熱電子が放出され、プラズマが発生する。発生したプラズマは、中間電極19、20による電界と第1電磁コイル21による磁界により、カソード15からアノード50側に引き出され、円柱状に成形される。そして、形成された円柱プラズマCPは、第1電磁コイル21によって形成される磁場の磁力線に沿ってシートプラズマ変形室2に導かれる。
シートプラズマ変形室2に導かれた円柱プラズマCPは、一対の永久磁石26A、26Bと成形電磁コイル27から発生する磁場によってシート状に広がって(XZ平面に延びるように)、シートプラズマSPに変形される。このシートプラズマSPは、第1ボトルネック部3及び第1スリット孔31を通過して成膜室4に導かれる。
成膜室4に導入されたシートプラズマSPは、第2電磁コイル43、第3電磁コイル44による磁場によって、幅方向の形状が整えられ、ターゲット37と基板33の間の空間にまで導かれる。ターゲット37には、ターゲットホルダ38を介して、シートプラズマSPに対して負のバイアス電圧が印加される。また、基板33にも、基板ホルダ34を介して、シートプラズマSPに対して負のバイアス電圧が印加される。ターゲット37が負にバイアスされることにより、Ar+イオンがターゲットを効率よくスパッタする。スパッタされたターゲット37を構成する原子は、垂直方向にシートプラズマSP中を通過し、このとき陽イオンにイオン化される。この陽イオンは、負にバイアスされた基板33上に堆積し、電子を受け取り、基板33を成膜する。
そして、シートプラズマSPは、永久磁石49の磁力線により幅方向に収束され、アノード50が、シートプラズマSPを受ける。
次に、本実施の形態1に係るプラズマ成膜装置100のアノードの清掃について説明する。
上述のように、スパッタされたターゲット37を構成する原子は、シートプラズマSP中を通過するときに、陽イオンにイオン化される。そして、この陽イオンの一部が、第3電磁コイル44の磁場や永久磁石49の磁力線により、プラズマ通過口54にまで導かれ、アノード50上に堆積して絶縁膜等が形成される。
この形成された絶縁膜を放置すると、カソード15−アノード50間の電圧値が上昇し、プラズマが形成されなくなるため、アノード50を清掃しなければならないが、本実施の形態では、以下のようにしてアノード50を清掃する。
図1に示すように開閉部材48が、プラズマ通過口54を閉鎖している状態にあるとする。
まず、ロック機構53、53の先端部を開閉部材48から離間させるようにして、ロック機構53、53のそれぞれを回動させる。そして、作業者が図示されない取っ手を引く。すると、開閉部材48は、支持機構51、51の支軸60を軸にして揺動し、プラズマ通過口54を開放する。これにより、図6に示すように、アノード50が大気側に開放され、アノード50に付着した絶縁膜等を清掃することができる。そして、アノード50を清掃後に、開閉部材48の表面と第2フランジ47の凹部61の底面とを当接させ、開閉部材48がプラズマ通過口54を閉鎖している状態に戻す。次に、ロック機構53、53の先端部を、それぞれ開閉部材48と当接させ、図示されない真空ポンプで真空引きすることにより、開閉部材48が、Z軸方向カソード15側に移動し、Oリング51の弾性作用によって、開閉部材48と第2フランジ47との間が気密状態に保たれ、成膜作業が行うことができる程度まで、容器101内が減圧される。そして、上述した成膜作業が行われる。
このように、本実施の形態1に係るプラズマ成膜装置100では、簡易な構成で、アノードの清掃を容易に行うことができ、その作業時間を短縮することが可能となる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るプラズマ成膜装置は、基本的構成は、実施の形態1に係るプラズマ成膜装置と同じであるが、以下の点で異なる。
図7は、本実施の形態2に係るプラズマ成膜装置の概容構成を示す模式図である。図8は、図7に示したプラズマ成膜装置のアノードを大気側に開放した状態を示す模式図である。なお、以下の説明では、図1と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図7及び図8に示すように、本実施の形態2に係るプラズマ成膜システム200では、第4筒部材の第2フランジ47が配設されている側の端部に、ゲート機構56が気密的に設けられている。ゲート機構56は、プラズマ通過口54を開閉するゲート部材57と、ゲート部材57をプラズマ通過口54の開口面に平行に移動させる駆動機構58と、を有する。ゲート部材57は、プラズマ通過口54を閉鎖したときに、容器101の内部空間(正確には、第1フランジ12とゲート部材57との間の空間)を、気密状態に保たれるように構成されている。具体的には、ゲート機構56は、ゲートバルブで構成されており、ゲート部材57が、その弁体で構成され、駆動機構58がその弁体駆動装置(電磁駆動機構、エアシリンダ等)で構成されている。これにより、ゲート部材57でプラズマ通過口54を閉鎖することで、プラズマ成膜装置200を構成するプラズマガン1、シートプラズマ変形室2、成膜室4及びアノード室6内のそれぞれを真空状態に保ちながら、開閉部材48を傾倒させて、アノード50の清掃を行うことができる。
なお、本実施の形態では、ゲート機構56は、ゲート弁を使用したが、これに限定されず、ゲート部材57でプラズマ通過口54を閉鎖したときに、容器101の内部空間(正確には、第1フランジ12とゲート部材57との間の空間)を、気密状態に保つことができれば、バタフライ弁等を使用してもよい。また、ゲート機構56を第4筒部材の第2フランジ47が配設されている側の端部に配設する構成としたが、これに限定されず、容器101の内部空間の大部分を気密状態に保つことができるような構成にすればよく、例えば、第2ボトルネック部5にゲート機構56を配設する構成としてもよい。
このように、本実施の形態2に係るプラズマ成膜装置200では、ゲート部材57でプラズマ通過口54を閉鎖することにより、容器101内を気密状態に保った状態で、開閉部材48を傾倒させて、アノード50の清掃を行うことが可能である。また、容器101内が気密状態に保たれているため、容器101内を真空ポンプで再度真空引きする時間が短縮され、アノード清掃動作から成膜動作への移行を容易に行うことが可能である。
本発明のプラズマ成膜装置は、容易にアノードの清掃を行うことができるプラズマ成膜装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係るプラズマ成膜装置の概略構成を示す模式図である。 図1に示したプラズマ成膜装置のII−II線に沿った断面を示す断面図である。 図1におけるプラズマ成膜装置のアノード室近傍を拡大した模式図である。 図2におけるプラズマ成膜装置のアノード室近傍を拡大した模式図である。 図1において矢印Vの方向から見たプラズマ成膜装置の構成を示す模式図である。 図1に示したプラズマ成膜装置のアノードを大気側に開放した状態を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係るプラズマ成膜装置の概略構成を示す模式図である。 図7に示したプラズマ成膜装置のアノードを大気側に開放した状態を示す模式図である。
符号の説明
1 プラズマガン
2 シートプラズマ変形室
3 第1ボトルネック部
4 成膜室
5 第2ボトルネック部
6 アノード室
10 第1筒部材
11 放電空間
12 第1フランジ
13 補助陰極
14 主陰極
15 カソード
16 保護部材
17 窓部材
18 主電源
19 中間電極
20 中間電極
21 第1電磁コイル(プラズマ流動機構)
22 第2筒部材
23 輸送空間
24 バルブ
25 真空ポンプ接続口
26A 永久磁石
26B 永久磁石
27 成形電磁コイル
28 第3筒部材
29 第1蓋部材
30 第2蓋部材
31 第1スリット孔
32 第2バイアス電源
33 基板
34 基板ホルダ
34a ホルダ部
34b 支持部
35 第2駆動機構
36 第1バイアス電源
37 ターゲット
38 ターゲットホルダ
38a ホルダ部
38b 支持部
39 第1駆動機構
40 バルブ
41 真空ポンプ接続口
42 成膜空間
43 第2電磁コイル
44 第3電磁コイル
45 第2スリット孔
46 第4筒部材
47 第2フランジ
48 開閉部材
49 永久磁石
50 アノード
51 支持機構
52 冷却媒体流路
52a 冷却媒体供給口
52b 冷却媒体排出口
53 ロック機構
54 プラズマ通過口
55 Oリング
56 開閉機構
57 ゲート部材
58 駆動機構
60 支軸
61 凹部
100 プラズマ成膜装置
101 容器
102 シートプラズマ変形機構
CP 円柱プラズマ
R1 抵抗体
R2 抵抗体
R3 抵抗体
SP シートプラズマ

Claims (5)

  1. 内部を減圧可能な容器と、
    該容器の内部にプラズマを発生させるプラズマガンと、
    前記容器の内部において前記プラズマを受けるアノードと、
    前記プラズマガンで発生したプラズマを前記アノードの側へ流動させるプラズマ流動機構と、
    前記容器の一部を成すように形成され、その内部に、基板及びターゲットが前記流動するプラズマを挟んで対抗するように設けられた成膜室と、
    前記容器に前記プラズマが通過するように設けられたプラズマ通過口と、
    該プラズマ通過口を開閉するための開閉部材と、
    該開閉部材が前記プラズマ通過口を前記容器の外側から開閉することが可能なように前記開閉部材を支持する支持機構と、を備え、
    前記アノードが前記開閉部材の前記プラズマ通過口に面する面に設けられている、プラズマ成膜装置。
  2. 前記支持機構は、前記容器に取り付けられ、前記開閉部材が所定の支軸の回りに揺動して前記プラズマ通過口を前記容器の外側から開閉することが可能なように前記開閉部材を保持するヒンジ部材である、請求項1に記載のプラズマ成膜装置。
  3. 前記プラズマ通過口を閉鎖した前記開閉部材をロックするためのロック機構を備える、請求項1に記載のプラズマ成膜装置。
  4. 前記アノードと前記成膜室との間に設けられ、その開閉により前記容器の内部空間の前記アノード側の部分と前記成膜室側の部分とを連通及び遮断するゲート機構を備える、請求項1に記載のプラズマ成膜装置。
  5. 前記容器の外部には、前記流動するプラズマをシート状に変形するシートプラズマ変形機構が設けられている、請求項1に記載のプラズマ成膜装置。

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