JP2008037315A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤ周方向に向けて配列されたコードを有する補強層を設けても、この補強層のタイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことを抑えた空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤは、コンビネーションコード24をタイヤ周方向に向けて配列したベルト補強層を有するタイヤである。コンビネーションコード24は、2本のコード24P、24Qで構成されている。コード24P、24Qにはそれぞれ切断箇所Cが等間隔で形成され、この切断箇所Cは互いに隣り合わない位置に形成されている。従って、ベルト補強層は、タイヤ加硫時などの製造時においてタイヤ周方向に伸張可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ゴム被覆した複数のコードをタイヤ周方向に向けて配列した補強層を有する空気入りタイヤ及びその製造方法に関し、更に詳細には、重荷重用空気入りラジアルタイヤとして好適で、特に建設機械車両用ラジアルタイヤとして最適な空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
空気入りタイヤに、ベルト層を補強するためにベルト補強層を設けることが広く知られている(例えば特許文献1参照)。また、ビード部を補強するためにビード補強層(ワイヤーチェーファー)を設けることや、サイド部を補強するためにサイド補強層を設けることも知られている(例えば特許文献2参照)。また、バスやトラックに用いられる重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいてもこれらの補強層を設けることが知られている(特許文献3〜7参照)。
ところで、従来から、この補強層を構成するコードをタイヤ周方向にスパイラル状(螺旋状)に巻き付けた構成にすることで耐久性が向上するとされており、スチールコードを波状にしてタイヤ周方向に巻き付けることが提案されている(特許文献3〜7参照)。しかし、このようにタイヤ周方向と略平行にコードを配列した補強層はタイヤ加硫時にタイヤ周方向に伸張しないため、製造し難いという難点がある。
この対策として、ベルト補強層を構成しタイヤ周方向に螺旋状に巻付けられるリボン状部材に切り込みを入れておくことが知られている(例えば特許文献1参照)。しかし、この対策では、コードを切断した部分のタイヤ周方向剛性が低下して、補強層のタイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくという新たな問題が生じている。
特開2001−039114号公報 特開2002−331808号公報 特開平9−156315号公報 特開平6−032108号公報 特開平6−191219号公報 特開平7−017209号公報 特開平8−188009号公報
本発明は、上記事実を考慮して、タイヤ周方向に向けて配列されたコードを有する補強層を設けても、この補強層のタイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことを抑えた空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、ゴム被覆した複数のコードをタイヤ周方向に向けて配列した補強層を有する空気入りタイヤにおいて、前記複数のコードの全てがタイヤ周上の少なくとも1箇所で切断されているとともに、タイヤ周方向の切断位置が各コード毎で異なっている、ことを特徴とする。
コードをタイヤ周方向に向けて配列する、とは、タイヤ中心軸まわりに螺旋状のように巻回するなど、コードの延びる方向がタイヤ周方向と略平行となるように、すなわちコードの延びる方向とタイヤ周方向とのなす角度が5°未満となるように配列することをいう。
請求項1に記載の発明では、このように、補強層を構成する複数のコードの全てがタイヤ周上の少なくとも1箇所で切断されているので、補強層は、タイヤ加硫時などの製造時においてタイヤ周方向に伸張可能である。従って、この複数のコードをタイヤ周方向に向けて配列しても、タイヤ製造時における製造し難さが解消される。
また、各コードのタイヤ周方向における切断位置が各コード毎で異なっているので、タイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことを抑えることができる。
なお、補強層の配置位置は、ベルト層を補強する位置、ビード部を補強する位置、サイド部を補強する位置などが主であるが、配置位置は特に限定しない。
請求項2に記載の発明は、前記コードが非伸張性の高弾性率の特性を有していることを特徴とする。
これにより、空気充填時や走行経過時などでタイヤの径成長を効果的に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、前記複数のコードの全てが、タイヤ周方向に等間隔となる位置で切断されている、ことを特徴とする。
これにより、各コードについてタイヤ周方向張力を均等にすることができ、タイヤ周方向剛性の変動を最小限にすることが可能になる。
請求項4に記載の発明は、前記補強層が、ベルト層、サイド部、及び、ビード部の少なくとも1つを補強する層として設けられている、ことを特徴とする。
ベルト層、サイド部、及び、ビード部のうち2つを補強するようにそれぞれ設けられていてもよいし、3つ全てを補強するようにそれぞれ設けられていてもよい。
請求項5に記載の発明は、ゴム被覆した複数のコードをタイヤ周方向に向くように配列した補強層を有する空気入りタイヤの製造方法であって、少なくとも2本のコードを有するリボン状部材のコードを、隣り合うコードの切断位置が互いに異なるように一定間隔で切断し、かつ、切断位置がドラム周上で互いに異なるように成型ドラム上で螺旋巻きして前記補強層を形成する、ことを特徴とする。
これにより、タイヤ周方向張力を均等にした補強層を短時間で容易に製造することができる。
請求項6に記載の発明は、前記リボン状部材が有するコードの本数をP、前記コードが切断される切断数をC、前記螺旋巻きの巻き数をN、C/Nの余りをαとしたときに、前記αがPの倍数ではなく、かつ、ドラム周方向の切断位置の1ピッチが前記成型ドラムの中心となす角度をθ、1巻き毎の切断位置のずれが前記成型ドラムの中心となす角度をδとしたときにθ/δが整数ではないように前記リボン状部材のコードを切断する、ことを特徴とする。
これにより、簡易な設定によって、タイヤ幅方向のどの位置であってもタイヤ周方向張力が均等な重荷重用空気入りラジアルタイヤとすることができ、耐久力や操縦安定性が向上するとともに、タイヤ構造設計の自由度が上がる。
請求項7に記載の発明は、前記θ/δが前記Nと等しくなるようにコードを切断する、ことを特徴とする。
これにより、請求項6に記載の発明と同様の効果を奏することができる。
本発明によれば、タイヤ周方向に向けて配列されたコードを有する補強層を設けても、この補強層のタイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことを抑えた空気入りタイヤを容易に製造することができる。
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。なお、第2実施形態以下では、既に説明した構成要素と同様のものには同じ符号を付して、その説明を省略する。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態について説明する。本実施形態は、ベルト補強層にのみ本発明が適用されている形態である。
図1に示すように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ10には、一対のビードコア11の周りをタイヤ内側から外側に向けて巻き上げてトロイド状に跨っているカーカス層12が設けられている。カーカス層12は少なくとも1枚のスチールラジアルカーカスプライからなり、ビードコア11のタイヤ外側に折り返し部12Eを形成している。
また、重荷重用空気入りラジアルタイヤ10には、カーカス層12のタイヤ内側に密着されて気体不透過膜を形成するインナーライナー(図示せず)と、カーカス層12のクラウン領域のタイヤ径方向外側に配設されて接地部を形成しているトレッド部16と、カーカス層12のクラウン領域とトレッド部16との間に配置された複数枚のベルトで構成されるベルト層18と、が設けられている。
トレッド部16には、タイヤ赤道面CLの両側に、タイヤ周方向に沿った複数本の周方向溝(主溝)と、タイヤ周方向と交差する複数本の横溝とが形成されている。各横溝の端部は、タイヤ周方向溝に連通するか、又は、トレッド端を越えてタイヤ幅方向外側へ排水可能なように延びている。
ここで、トレッド端とは、空気入りタイヤをJATMA YEAR BOOK(2005年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%を内圧として充填し、最大負荷能力を負荷したときのタイヤ幅方向最外の接地部分を指す。なお、使用地又は製造地においてTRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
本実施形態では、ベルト層18は、1ベルト20A、2ベルト20B、3ベルト20C、4ベルト20D、5ベルト20E、及び、6ベルト20Fの計6枚のベルトで構成されている。図2に示すように、1ベルト20Aは周方向に向けて配列したベルト補強層であり、2ベルト20Bも周方向に向けて配列したベルト補強層である。以下、3ベルト20Cから6ベルト20Fにまで必要に応じてベルト補強層を用いることができる。
各ベルト補強層には、ゴム被覆された複数のコード(例えば図3に示すように2本のコード24P、24Q)がタイヤ周方向に向けて配列されている。コードの本数は何本であってもよいが、簡明のため、以下の説明では2本である場合について説明する。
図3に示すように、各コード24P、24Qは、全て、タイヤ周方向に等間隔となる位置で切断されている。この切断されているタイヤ周方向の位置は各コード毎で異なっており、切断箇所Cがタイヤ幅方向Wの同一線上に2つ以上位置することは回避されている。また、各コード24P、24Qは非伸張性の高弾性率の特性を有するスチール撚りコードで構成されている。
また、重荷重用空気入りラジアルタイヤ10には、ビード部26を補強するビード補強層29と、サイド部32を補強するサイド補強層34とが設けられている。なお、サイド補強層34は、カーカス層12のタイヤ幅方向外側に配置されたサイド補強層34Pと、カーカス層12のタイヤ幅方向内側に配置されたサイド補強層34Qとで構成されている。ビード補強層29及びサイド補強層34は何れもワイヤーチェーファーで構成されている。このワイヤーチェーファーを構成するコードはタイヤ周方向に対して傾斜しており、ベルト補強層を構成するコード24P、24Qのようには切断されていない。
(製造方法)
以下、重荷重用空気入りラジアルタイヤ10の製造方法を説明する。なお、ベルト補強層の形成以外は従来の製造方法と同様であるので、ベルト補強層に関すること以外の説明を省略する。
重荷重用空気入りラジアルタイヤ10を製造するには、以下のようにして予めベルト補強層を形成しておく。まず、上記コード24P、24Qを略平行に複数本配置し(例えば2本配置し)、ゴムで被覆する。そして、被覆したゴムの外側から切れ目を入れることにより、各コードをタイヤ周方向に等間隔となる位置で切断する。その際、切断箇所Cがタイヤ幅方向Wの同一線上に2つ以上位置しないように配慮する。この結果、コンビネーションコード24を有するリボン状部材25(図3参照)が形成される。
更に、このリボン状部材25を成型ドラム上で、所定の位置に螺旋状に巻回することによって配置する。コンビネーションコード24のピッチ数、切断数、巻回数、層数などについては、製品タイヤで所望のタイヤ周方向剛性(張力)が得られるように設定する。
このようにしてコンビネーションコード24が巻回された生タイヤを加硫成形することによって重荷重用空気入りラジアルタイヤ10を製造する。
以上説明したように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ10は、上記のコンビネーションコード24を有するベルト補強層が1ベルト20A、2ベルト20B、その他必要に応じて他のベルトに設けられているので、コンビネーションコード24を有するベルト補強層は、タイヤ加硫時などの製造時においてタイヤ周方向に伸張可能である。従って、このコンビネーションコード24をタイヤ周方向に向けて配列しても、タイヤ製造時における製造し難さが解消される。しかも、各コード24P、24Qのタイヤ周方向における切断位置が各コード毎で異なっているので、タイヤ幅方向Wの同一線上に切断箇所Cが2つ以上位置することは回避されており、これにより、タイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことを抑えることができる。
また、各コード24P、24Qが非伸張性の高弾性率の特性を有しているので、空気充填時や走行経過時などでタイヤの径成長を効果的に抑制することができる。
更に、コンビネーションコード24の全てが(すなわちコード24P、24Qの両者が)、タイヤ周方向に等間隔となるように切断されている。これにより、各コード24P、24Qについてタイヤ周方向張力を均等にすることができ、タイヤ周方向剛性の変動を最小限にすることが可能になる。また、タイヤ幅方向Wにおけるタイヤ周方向張力の分布も調整することが可能になる。
更に、コンビネーションコード24の巻回数、ピッチ数などを調整することでタイヤ周方向剛性の分布を容易にコントロールでき、タイヤ構造設計の自由度が上がる。また、リボン状部材25を巻回してなる層(ベルト補強層)を複数層にすることでタイヤ周方向剛性を容易に上げることが可能である。
また、重荷重用空気入りラジアルタイヤ10を製造する際、リボン状部材25を成型ドラム36の円周面上に螺旋状に巻回しているので、コンビネーションコード24の巻回始端部分と巻回終端部分との成型ドラム面上における重なり接合もしくは突合せ接合を有効に排除して、所望の位置に精度良くベルト補強層(例えば1ベルト20Aや2ベルト20B)を配置することが可能である。この結果、タイヤ周方向張力が一定となるベルト補強層(90°Ch)を得ることができ、耐久力および操縦安定性を向上させることができるので、比較的大きな外部入力、たとえばロードハザード的な入力があってもカ一カス層12を保護することができる。
[実施例1]
以下、第1実施形態の実施例を説明する。本実施例の重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、リボン状部材25が有するコードの本数をP、コード24P、24Qが切断されるカット数(切断数)をC、リボン状部材25の螺旋巻きにおける巻き数をN、C/Nの余りをα、成型ドラム36の円周方向の切断位置の1ピッチが成型ドラム36の中心軸となす角度をθ、1巻き毎の切断位置のずれが成型ドラム36の中心軸となす角度をδとしたとき、以下の(1)、(2)の関係式が成立している。
α≠n×P(n:自然数) (1)
θ/δ≠n(n:自然数) (2)
本実施例により、簡易な設定によって、タイヤ幅方向のどの位置であってもタイヤ周方向張力が均等な重荷重用空気入りラジアルタイヤとすることができ、この結果、耐久力や操縦安定性が向上するとともに、タイヤ構造設計の自由度が上がる。
[実施例2]
以下、第1実施形態の別の実施例を説明する。本実施例の重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、実施例1に比べ、(1)、(2)式を満たすことに代えて、以下の(3)式を満たしている。
θ/δ=N(α=1) (3)
本実施例により、実施例1と同様、簡易な設定によって、タイヤ幅方向のどの位置であってもタイヤ周方向張力が均等な重荷重用空気入りラジアルタイヤとすることができ、この結果、耐久力や操縦安定性が向上するとともに、タイヤ構造設計の自由度が上がる。
[実施例1、実施例2の具体例]
以下、具体的な数値を挙げて実施例1、実施例2を更に詳細に説明する。巻き数Nを5、リボン状部材25のコンビネーションコード24のコード本数を2本とした場合(すなわちコンビネーションコード24がペアコードである場合)において、カット数Cをパラメータとして変化させたときにおけるθ、δ、α等の数値を表1に示す。
Figure 2008037315
表1では、実施例1又は実施例2に該当する場合には評価として白丸を表示している。なお、白三角は上記(1)式が満たされていない場合を示し、×はαが0である場合を示す。
表1に示したもののうち、カット数Cが16〜21のものについて、コード24P、24Qの切断位置を図4に示す。図4では、黒丸が一方のコード(例えばコード24P)の切断位置を、黒逆三角が他方のコード(例えばコード24Q)の切断位置をそれぞれ示す。また、図4では、θの値、及び、表1に示した評価(白丸、白三角、×)も併せて示す。図4から判るように、評価が白丸であるもの(カット数Cが16、18、21であるもの)は、1〜5巻目で全周において、切断位置が重なる箇所、すなわちタイヤ幅方向の同一線上に切断位置が2つ以上位置する箇所は、1箇所も生じていない。
以上の説明ではNが5である場合に限定して説明したが、Nが3以上の全ての自然数である場合についても、図5に示すように、同様にして評価を行うことができる。図5では、簡明のため、実施例1又は実施例2に該当する場合、白丸を付すことに代えて枠内の背景色を灰色にしている。
なお、図5では、巻き数Nが5でカット数Cが18である場合について、コード24P及びコード24Qの切断位置を拡大表示しており、白丸で囲んだ数字は切断位置の通し番号を示している。この拡大表示から判るように、切断位置が重なる箇所、すなわちタイヤ幅方向の同一線上に切断位置が2つ以上位置する箇所は、1箇所も生じていないことが明らかである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、ビード補強層にのみ本発明が適用されている形態である。
図6に示すように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ40では、第1実施形態で説明した重荷重用空気入りラジアルタイヤ10に比べ、ベルト層18に代えてベルト層48が設けられ、ビード補強層29に代えてビード補強層49が設けられている。
ベルト層48に設けられているベルト補強層のコードは、タイヤ周方向に対して略平行ではなく傾斜していて、しかも切断されていない。その代わり、ビード補強層49を構成するコードは、第1実施形態で説明したコンビネーションコード24と同様のコンビネーションコードとされており、所定箇所で切断されている。
本実施形態により、コンビネーションコードを有するビード補強層49は、タイヤ加硫時などの製造時においてタイヤ周方向に伸張可能である。従って、ビード補強層49を構成するコードをタイヤ周方向に向けて配列しても、タイヤ製造時における製造し難さが解消される。しかも、各コードのタイヤ周方向における切断位置が各コード毎で異なっているので、タイヤ幅方向Wの同一線上に切断箇所が2つ以上位置することは回避されており、これにより、重荷重用空気入りラジアルタイヤ40のビード部46においてタイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことを抑えることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、サイド補強層にのみ本発明が適用されている形態である。
図7に示すように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ50では、第1実施形態で説明した重荷重用空気入りラジアルタイヤ10に比べ、ベルト層18に代えて第2実施形態で説明したベルト層48が設けられ、サイド補強層34に代えてサイド補強層54が設けられている。なお、サイド補強層54は、カーカス層12のタイヤ幅方向外側に配置されたサイド補強層54Pと、カーカス層12のタイヤ幅方向内側に配置されたサイド補強層54Qとで構成されている。
サイド補強層54を構成するコード53は、図8に示すように、所定箇所で部分的にコードが除去されており、第1実施形態で説明したコンビネーションコード24と同様の作用、効果を奏するコンビネーションコードを形成している。
本実施形態により、このようなコード53が配列されたサイド補強層54は、タイヤ加硫時などの製造時においてタイヤ周方向に伸張可能であり、しかも、重荷重用空気入りラジアルタイヤ50のサイド部52においてタイヤ周方向剛性がタイヤ周上でばらつくことが抑えられている。これにより、タイヤ負荷転時のサイド部の変形等に基づくラジアルカーカスプライの損傷を効果的に防止して耐久性の向上を図るとともに、サイド部52の剛性を高めることで操縦安定性の向上を図ることができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態は、ベルト補強層及びサイド補強層にのみ本発明が適用されている例である。
図9に示すように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ60では、第1実施形態で説明した重荷重用空気入りラジアルタイヤ10に比べ、サイド補強層34に代えて、第3実施形態で説明したサイド補強層54が設けられている。
これにより、第1実施形態で奏される効果、及び、第3実施形態で奏される効果の両効果を得ることができる。
[第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態は、ベルト補強層及びビード補強層にのみ本発明が適用されている例である。
図10に示すように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ70では、第1実施形態で説明した重荷重用空気入りラジアルタイヤ10に比べ、ビード補強層29に代えて、第2実施形態で説明したビード補強層49が設けられている。
これにより、第1実施形態で奏される効果、及び、第2実施形態で奏される効果の両効果を得ることができる。
[第6実施形態]
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態は、ベルト補強層、ビード補強層、及びサイド補強層の全てに本発明が適用されている例である。
図11に示すように、本実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ80では、第5実施形態で説明した重荷重用空気入りラジアルタイヤ70に比べ、サイド補強層34に代えて、第3実施形態で説明したサイド補強層54が設けられている。
これにより、第1〜第3実施形態で奏される全ての効果を奏することができる。
<耐久性試験>
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ10の二例(以下、実施例C、Dのタイヤという)、第2実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ40の一例(以下、実施例Bのタイヤという)、第5実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ70の一例(以下、実施例Aのタイヤという)と、従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤの二例(以下、従来例のタイヤA、Bという)とを用意した。各タイヤのタイヤ条件を表2に示す。表2で、ベルト補強層のコードがタイヤ周方向となす角度が0°とは、第1実施形態のようにリボン状部材25を螺旋状に巻回してベルト補強層を形成したことを意味しており、0°以外(例えば21°、27°、31°)の場合には、ベルト補強層を構成するコードが、切断されていない従来のようなコードであることを示す。
Figure 2008037315
そして、各タイヤについて、総合耐久ドラムで走行試験を行って耐久性を評価した。本試験例ではタイヤサイズは全て40.00R57であり、TRA、JATMA、ETRTOの優先順位で最新のYEAR BOOKに準拠して試験を行った。ドラム走行における試験条件を表3に示す。
Figure 2008037315
なお、表3で「正規内圧」とは、JATMAが発行する2005年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズ・プライレーティングにおける最大荷重に対する空気圧を指す。使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は、各々の規格に従う。
本試験例では、各タイヤについて、ベルトエンドセパレーション及びビードバルヂの少なくとも一方が発生するまでの走行時間を測定した。そして、従来例Bのタイヤにおける評価をドラム走行時間指数(耐久性指数)100とし、他のタイヤについては相対評価となる指数を算出した。評価結果を表2に併せて示す。表2では指数が大きいほど性能が高いこと、すなわちベルトエンドセパレーションやビードバルヂが発生し難くて耐久性が高いことを示す。
表2から判るように、実施例A〜Dのタイヤでは、従来例Bのタイヤに比べ、ドラム走行時間指数は何れも高くなっていた。
また、実施例Aのタイヤのほうが実施例Bのタイヤよりもドラム走行時間指数が高く、ベルト補強層がタイヤ周方向となす角度は0°であるほうが5°である場合よりもベルトエンドセパレーションが発生し難いという結果になっていた。従って、ベルト補強層において本発明を適用することにより、ベルト端における歪が低減してベルトエンドセパレーションが発生し難くなっていることが判った。
また、実施例Aのタイヤのほうが、実施例Cや実施例Dのタイヤよりもドラム走行時間指数が高く、実施例Aのほうがビードバルヂが発生し難いという結果になっていた。従って、ビード補強層において本発明を適用することにより、ビード部のタイヤ周方向の動きが抑制されてタイヤ周方向歪が低減するとともにビード補強層端の周囲で発生する歪が低減していることが判った。
なお、実施例Cのタイヤよりも実施例Dのタイヤのほうがドラム走行時間指数が高く、実施例Aのほうがビードバルヂが発生し難いという結果になっていた。従って、ビード補強層のコードがタイヤ周方向となす角度が0°に近いほどビードバルヂが発生し難いと考えられる。
<操縦安定性試験>
本発明の効果を確かめるために、本発明者は、第1実施形態の重荷重用空気入りラジアルタイヤ10の一例(以下、実施例Eのタイヤという)、第4実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ60の一例(以下、実施例Fのタイヤという)、第5実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ70の一例(以下、実施例Gのタイヤという)、及び、第6実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤ90の一例(以下、実施例Hのタイヤという)を用意した。そして、各タイヤについて、一般的なローダー車両に装着し、熟練ドライバーによりLoad/Unloadによる操縦安定性のフィーリング評価を行った。評価方法としては、10点満点の採点方式で10人の合計点をそのタイヤの評価点とした。
本試験例ではタイヤサイズは全て55.5/80R57であり、正規リムに組み込み後、正規内圧で試験を行った。なお、正規リムとは、JATMAが発行する2004年版のYEAR BOOKに定められた適用サイズにおける標準リムを指す。各タイヤのタイヤ条件及び評価結果を表4に示す。
Figure 2008037315
表4から判るように、実施例E〜Hのタイヤでは、ベルト補強層、ビード補強層及びサイド補強層の全てに本発明が適用されているタイヤ(実施例Hのタイヤ)が最も評価点が高く、以下、ベルト補強層とビード補強層とにのみ本発明が適用されているタイヤ(実施例Gのタイヤ)、ベルト補強層とサイド補強層とにのみ本発明が適用されているタイヤ(実施例Fのタイヤ)、ベルト補強層にのみ本発明が適用されているタイヤ(実施例Eのタイヤ)、の順に評価点が高いという結果になった。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されないことは言うまでもない。
第1実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ径方向断面図である。 第1実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのベルト層の構成を示すタイヤ径方向部分断面図である。 第1実施形態で、成型ドラム上にリボン状部材を巻回して補強層を形成することを示す模式的な斜視部分断面図である(図3ではリボン状部材を5回巻いた状態を示しており、断面における黒塗り部分はコードの切断箇所を示す)。 実施例1、実施例2の具体例を説明する説明図である。 実施例1、実施例2の具体例を説明する説明図である。 第2実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ径方向断面図である。 第3実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ径方向断面図である。 図7の矢視8−8から見たサイド補強層のコード配置を説明する説明図である。 第4実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ径方向断面図である。 第5実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ径方向断面図である。 第6実施形態に係る重荷重用空気入りラジアルタイヤのタイヤ径方向断面図である。
符号の説明
10 重荷重用空気入りラジアルタイヤ(空気入りタイヤ)
18 ベルト層
20A〜F 1ベルト(補強層)
24P、Q コード
25 リボン状部材
26 ビード部
29 ビード補強層(補強層)
32 サイド部
34P、Q サイド補強層(補強層)
36 成型ドラム
40 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
46 ビード部
48 ベルト層
49 ビード補強層(補強層)
50 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
52 サイド部
53 コード
54P、Q サイド補強層(補強層)
60 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
70 重荷重用空気入りラジアルタイヤ
80 重荷重用空気入りラジアルタイヤ

Claims (7)

  1. ゴム被覆した複数のコードをタイヤ周方向に向けて配列した補強層を有する空気入りタイヤにおいて、
    前記複数のコードの全てがタイヤ周上の少なくとも1箇所で切断されているとともに、タイヤ周方向の切断位置が各コード毎で異なっている、ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記コードが非伸張性の高弾性率の特性を有していることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記複数のコードの全てが、タイヤ周方向に等間隔となる位置で切断されている、ことを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層は、ベルト層、サイド部、及び、ビード部の少なくとも1つを補強する層として設けられている、ことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. ゴム被覆した複数のコードをタイヤ周方向に向くように配列した補強層を有する空気入りタイヤの製造方法であって、
    少なくとも2本のコードを有するリボン状部材のコードを、隣り合うコードの切断位置が互いに異なるように一定間隔で切断し、
    かつ、切断位置がドラム周上で互いに異なるように成型ドラム上で螺旋巻きして前記補強層を形成する、ことを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
  6. 前記リボン状部材が有するコードの本数をP、前記コードが切断される切断数をC、前記螺旋巻きの巻き数をN、C/Nの余りをαとしたときに、
    前記αがPの倍数ではなく、
    かつ、ドラム周方向の切断位置の1ピッチが前記成型ドラムの中心となす角度をθ、1巻き毎の切断位置のずれが前記成型ドラムの中心となす角度をδとしたときにθ/δが整数ではないように前記リボン状部材のコードを切断する、ことを特徴とする請求項5記載の空気入りタイヤの製造方法。
  7. 前記θ/δが前記Nと等しくなるようにコードを切断する、ことを特徴とする請求項5記載の空気入りタイヤの製造方法。
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