JP2008037224A - 衝撃吸収部材及びこれを用いた車両用操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 緩衝しうる衝撃荷重値を容易に変更でき、その汎用性を高めることができる衝撃吸収部材及びこれを用いた車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】 本発明の衝撃吸収部材10は、一端部に車体側に固定するための当接部12dを有する車体側固定片12と、一端部にステアリングコラムCに固定するための固定部13b,14bを有し、他端部側が破断誘導用の第1及び第2の凹溝15,16を介して、車体側固定片12の他端部側に連接された第1及び第2のステアリング側固定片13,14と、を有している。両ステアリング側固定片13,14の内、少なくとも一のステアリング側固定片を選択的にブラケット20に固定することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、自動車等のステアリングコラムに取り付けられる衝撃吸収部材及びこれを用いた車両用操舵装置に関する。
従来から、車両用操舵装置においては、自動車の衝突事故の際、衝突の反動で運転者がステアリングホイールに衝突するいわゆる二次衝突が生じた場合に、ステアリングコラムを軸方向へ収縮させたり、車体から離脱させたりすることで、運転者を保護する構造を有している。
特に、ステアリングコラムを車体から離脱させる構造においては、ステアリングホイールに衝突した際の運転者への衝撃荷重を、金属板を引き裂く際に生じる抵抗によって、緩和する衝撃吸収部材を備えたものがある。
上記衝撃吸収部材は、ステアリングコラムを車体に固定するためのブラケットと、当該車体との間に設けられるものであり、引き裂かれることで衝撃を吸収する板状の本体部と、前記ブラケットに固定された一端部と、前記車体側に固定された他端部と、を有しており、二次衝突によってステアリングコラムが前記車体に対して相対移動したときに、前記本体部が、前記一端部と前記他端部との間で作用する剪断応力によって引き裂かれることで、運転者への衝撃荷重を緩和することができる。また、衝撃吸収部材の一側面には、前記一端部と前記他端部との間で作用する剪断応力によって引き裂かれるのを導くための溝部が形成されており、この溝部の深さを調整することで、当該車両用操舵装置が緩和しうる衝撃荷重を調整していた(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−217981号公報(図1〜3)
上記従来の車両用操舵装置において、前記衝撃吸収部材の緩和しうる衝撃荷重値は、当該衝撃吸収部材に形成された前記溝部の深さに依存しており、成形段階で前記溝部の深さが決まると、当該衝撃荷重値は一つの値に決まってしまう。
一方、軽自動車と大型自動車とでは、衝突の際の衝撃荷重が異なるため、二次衝突時の衝撃荷重も異なる。このため、衝撃吸収部材は、車種ごとに応じた衝撃荷重値に設定する必要があり、多様な車種に対応すべく、溝部の深さの異なる多種類の衝撃吸収部材を用意する必要があった。
他方、上記従来例の衝撃吸収部材において、所定の衝撃荷重に設定し量産を開始した後に、衝撃荷重値を変更する必要が生じたとしても、容易に衝撃荷重値を変更することができない。仮に、衝撃荷重値を変更しようとすると、成形プレス金型等の大規模な修正が必要となり、過大なコストを要する。
以上のように上記従来の衝撃吸収部材では、容易に衝撃荷重値を変更することができず、汎用性に乏しいという問題を有していた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、緩衝しうる衝撃荷重値を容易に変更できることができ、高い汎用性を有する衝撃吸収部材、及びこれを用いた車両用操舵装置を提供することを目的とする。
本発明は、一端部に車体側に対する固定部を有する車体側固定片と、一端部にステアリングコラムに対する固定部を有し、他端部側が破断誘導用の凹溝を介して前記車体側固定片の他端部側に連接されたステアリング側固定片とを備え、衝撃発生時のステアリングコラムと車体との相対移動に伴って前記凹溝に沿って引き裂かれることで衝撃を吸収する衝撃吸収部材であって、前記ステアリング側固定片が、前記ステアリングコラムに選択的に固定可能に複数列設けられていることを特徴としている。
上記のように構成された衝撃吸収部材によれば、当該衝撃吸収部材をステアリングコラム及び車体に取り付ける際、ステアリング側固定片が複数列設けられているので、いずれか一の、もしくは複数のステアリング側固定片を選択的にステアリングコラムに固定することができる。二次衝突の際には、固定したステアリング側固定片と、車体側固定片との間に介している凹溝に対してのみ剪断応力が生じるので、当該凹溝のみが引き裂かれることとなる。すなわち、複数のステアリング側固定片を選択的にステアリングコラムに固定することで、複数のステアリング側固定片と、車体側固定片との間に介している複数の凹溝の中から、引き裂かれうる凹溝として、一もしくは複数個を選択することができる。これによって、二次衝突の際に、引き裂かれうる断面積を変化させることができ、引き裂く際の抵抗が変化するので、緩和しうる衝撃荷重値を種々の値に容易に設定することができる。
以上のように、本発明の衝撃吸収部材によれば、複数のステアリング側固定片を選択的にステアリングコラムに固定するだけで、二次衝突の際の、当該衝撃吸収部材の緩和しうる衝撃荷重値を選択して設定することができる。このため、当該衝撃吸収部材が用いられる車両に応じて、緩和しうる衝撃荷重を容易に変更し設定することができ、その汎用性を高めることができる。
また、本発明は、一端部に車体側に対する固定部を有する車体側固定片と、一端部にステアリングコラムに対する固定部を有し、他端部側が破断誘導用の凹溝を介して前記車体側固定片の他端部側に連接されたステアリング側固定片とを備え、衝撃発生時のステアリングコラムと車体との相対移動に伴って前記凹溝に沿って引き裂かれることで衝撃を吸収する衝撃吸収部材であって、前記車体側固定片が、前記車体側に選択的に固定可能に複数列設けられていることを特徴としている。
この場合においても、上記と同様に、複数の車体側固定片を選択的に車体側に固定するだけで、二次衝突の際の、当該衝撃吸収部材の緩和しうる衝撃荷重値を選択して設定することができる。このため、当該衝撃吸収部材が用いられる車両に応じて、緩和しうる衝撃荷重を容易に変更し設定することができ、その汎用性を高めることができる。
また、上記衝撃吸収部材において、前記各固定片の間に位置する前記凹溝は、その溝深さがそれぞれ互いに異なる値に設定されていることが好ましく、この場合、複数の凹溝において、引き裂かれる面積がそれぞれ異なるので、これら凹溝が単独で引き裂かれる際の緩衝しうる衝撃荷重値を異なるものにできる。このため、引き裂かれる凹溝として、複数の凹溝の中から所定のものを選択もしくは組み合わせることにより、緩衝しうる衝撃荷重値の自由度が高まり、より汎用性を高めることができる。
また、本発明は、ステアリングコラムと、前記ステアリングコラム及び車体側に固定されるとともに、前記ステアリングコラムと前記車体との相対移動に伴って引き裂かれることで衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、を有する車両用操舵装置において、前記衝撃吸収部材が上述の衝撃吸収部材であることを特徴としている。
上記のように構成された車両用操舵装置によれば、上述したように、複数のステアリング側固定片を選択的にブラケットに固定するだけで、二次衝突の際の、衝撃吸収部材の緩和しうる衝撃荷重値を選択して設定することができる。このため、当該衝撃吸収部材が用いられる車両に応じて、緩和しうる衝撃荷重を容易に変更し設定することができ、その汎用性を高めることができる。
本発明の衝撃吸収部材、及びこれを用いた車両用操舵装置によれば、緩衝しうる衝撃荷重値を容易に変更できることができるので、その汎用性を高めることができる。
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第一の実施形態である車両用操舵装置の要部構成を示す斜視図であり、図2は図1の要部拡大図である。
図1及び図2において、車両用操舵装置Sは、自動車などの車両の操舵車輪を操舵するための装置であり、ステアリングホイール及びステアリングギヤボックス等(いずれも図示せず)が取り付けられるステアリングコラムCと、このステアリングコラムCを車体に離脱可能に固定するためのブラケット20と、このブラケット20に取り付けられた断面凹型の部材であるカプセル30と、同じくブラケット20に取り付けられた衝撃吸収部材10と、を有している。
図1において、前記ステアリングコラムCは、長尺の部材であり、紙面右側の端部に前記ステアリングホイールが取り付けられ、また、紙面左側の端部には、前記ステアリングギヤボックス等が連結される。
ブラケット20は、鋼板等をプレス成形することで形成された部材であり、前記ステアリングコラムを保持する断面凹型の保持部21と、保持部21の両端部から外方へ延びる一対の車体取付部22とを有している。このブラケット20は、前記ステアリングコラムCの軸線に直交するように当該ステアリングコラムCの外周面に保持部21を当接させて一体に固定されている。また、カプセル30及び衝撃吸収部材10を介在させた状態で、車体側の取付部Kに一対の車体取付部22を取り付けることで、ステアリングコラムCを、後述のように離脱可能に車体に固定している。
なお、以下の説明では、ステアリングコラムCの軸線方向において、紙面右側をステアリングホイール側、紙面左側をギヤボックス側という。
図2では、一対の車体取付部22の内の一方のみを示しており、以下の説明では、この一方のみに着目して説明する。
図3は、図2中III−III線矢視断面図であり、ブラケット20、カプセル30、及び衝撃吸収部材10をそれぞれ組み合わせたときの断面を示している。図2及び図3を参照して、ブラケット20の車体取付部22には、ステアリングホイール側に開放したスリット23が設けられている。
車体取付部22のスリット23が設けられている部分には、上記カプセル30が取り付けられている。このカプセル30は、上板部31と、下板部32と、これら端面を互いに連結する連結部33とを有する断面凹型の部材であり、鋼板等をプレス成形等で形成されている。カプセル30は、両板部31,32で車体取付部22を挟むようにかつ連結部33を車体取付部22の端面に当接させて取り付けられている。また、両板部31,32には、それぞれ長孔31a,32aが同軸となるように形成されている。これら長孔31a,32aは、車体取付部22のスリット23と一致するように形成されており、車体取付部22、カプセル30、及び後述する衝撃吸収部材10を車体に対して挟持する取付ボルトBが挿通される。
また、カプセル30の上板部31には、上下方向に貫通する3つの貫通孔24が形成されている。また、車体取付部22において、この貫通孔24に一致した3つの孔部22aが形成されている。そして、これら貫通孔24とそれに対応する孔部22aには、それぞれピン25が両孔24,22aに渡って圧入されている。このピン25は樹脂等から形成されたものであり、車体取付部22に対してカプセル30を位置決め固定している。また、このピン25は、後述するように、前記ステアリングコラムCが車体に対して相対移動し離脱したときに破断することで、運転者に作用する衝撃荷重を緩和することができる。
衝撃吸収部材10は、鋼板等をプレス成形加工等によって形成された部材であり、一端部に車体側に固定するための当接部12dを有する車体側固定片12と、第1及び第2の凹溝15,16を介して車体側固定片12の他端部側の両側方に連接された第1及び第2のステアリング側固定片13,14と、を有している。
車体側固定片12は、一端部側に車体側に対する固定部としての当接部12dと、他端部側に第1及び第2のステアリング側固定片13,14に連接された本体部12bと、を有している。
当接部12dは、本体部12bの上端からステアリングホイール側に延びる腕部12cの先端に設けられている。当接部12dには、車体取付部22のスリット23及びカプセル30の長孔31a,32aにほぼ一致する長孔12d1が形成されている。またさらに、当接部12dには、その端部を上方に折り曲げることで形成されたガイド部12eが形成されている。当接部12dは、その上面をカプセル30の下板部32の下面に重ね合わされるとともに、ガイド部12eをカプセル30の連結部33に当接させた状態で、下方から取付ボルトBが挿通される。
カプセル30の上板部31の上面には、車体側の取付部Kの取付面K1が当接しており、取付ボルトBを取付面K1に形成された図示しない雌ねじ部K2に螺合することで、車体取付部22、カプセル30、及び、衝撃吸収部材10の当接部12dを車体に対して挟持し固定している。
すなわち、当接部12dは、長孔12d1に取付ボルトBが挿通された状態で挟持、固定されているので、当該当接部12d(車体側固定片12)は、車体側に対する固定が解除されることはない。
一方、第1及び第2のステアリング側固定片13,14は、一端部側にステアリングコラムCに固定するための固定部13b,14bと、他端部側に車体側固定片12の本体部12bの側方に連接された本体部13a,14aと、この本体部13a,14aから上方に延ばされた固定部13b,14bと、を有している。
固定部13b,14bは、本体部13a,14aから上方に延ばされるとともに、その上端がギヤボックス側に折り曲げられた折曲部13c,14cが形成されている。固定部13b,14bは、この折曲部13c,14cの上面をブラケット20の車体取付部22の下面に当接させかつ、当接した状態でその境界周囲を、例えばアーク溶接することによって、当該ブラケット20に強固に固定されている。従って、両ステアリング側固定片13,14は、ブラケット20に固定されている。
なお、本実施形態では、上記のように両ステアリング側固定片13,14をブラケット20に固定したが、両ステアリング側固定片13,14の内、いずれか一方のみを選択して、固定することもできる。
また、両ステアリング側固定片13,14は、ブラケット20に対して、溶接により固定されているので、これらのブラケット20(ステアリングコラムC)に対する固定が解除されることはない。
図4は、図2中、IV−IV線矢視断面図である。第1及び第2の凹溝15,16は、図4のように、その板厚方向に凹む断面V字型の溝であり、第1の凹溝15の溝深さh1は、第2の凹溝16の溝深さh2よりも小さく設定されている。
上記のような第1の凹溝15を介して、第1のステアリング側固定片13の本体部13aは、車体側固定片12の本体部12bの側方に連接され、同じく、第2の凹溝16を介して、第2のステアリング側固定片14の本体部14aは、車体側固定片12の本体部12bの側方に連接されている。
また、両凹溝15,16を介した、本体部13aと本体部12bとの境界部、及び、本体部14aと本体部12bとの境界部は、後述のように、両凹溝15,16に沿って引き裂かれるが、この引き裂かれた際の断面がステアリングコラムCの軸方向に平行となるように、当該両凹溝15,16は形成されている。
次に、両固定部13b,14bを、上記のようにブラケット20の車体取付部22に溶接し、両ステアリング側固定片13,14をブラケット20に固定した場合の車両用操舵装置Sのハンドル側に二次衝突による衝突荷重が加わったときの、当該車両用操舵装置S及び衝撃吸収部材10の動作について説明する。
当該車両用操舵装置Sが取り付けられた自動車において衝突事故が生じ、運転者が前記ステアリングホイールに二次衝突したとき、運転者は、前記ステアリングホイールを車体前方側に押すように衝突するので、運転者及びステアリングホイールには衝撃荷重が作用するとともに、前記ステアリングホイールが取り付けられた前記ステアリングコラムCは前方、すなわち、ギヤボックス側へ押される。
前記ステアリングコラムCには、上述したように、ブラケット20が固定されている。このブラケット20は、取付ボルトBによってその車体取付部22を挟持されており、ステアリングコラムCを車体に対して支持するものであるが、取付ボルトBの軸部B1は、車体取付部22のステアリングホイール側に開放したスリット23に通されているので、上記のように、前記ステアリングコラムCに衝撃荷重が作用し、ステアリングコラムCがギヤボックス側に向かって押されると、車体取付部22(ブラケット20)は、ギヤボックス側に向かって相対移動し、ステアリングコラムCごとギヤボックス側に離脱する。
一方、取付ボルトBによって挟持されていたカプセル30、及び、衝撃吸収部材10の当接部12dは、それぞれ、長孔31a,32a、及び、長孔12d1に挿通されているので、ブラケット20等とともにギヤボックス側には離脱せず、車体側に残る。なお、カプセル30と車体取付部22とを固定しているピン25は、樹脂等からなるものであるため、比較的軽い衝撃荷重を緩和すべく破断するので、カプセル30は、ブラケット20と分離し、上記のように車体側に残る。
このとき、ギヤボックス側に向かって相対移動し車体から離脱するブラケット20には、上述したように、衝撃吸収部材10の第1及び第2のステアリング側固定片13,14が溶接により固定されている。つまり、衝撃吸収部材10の当接部12dは、車体側に残り、ブラケット20に固定された衝撃吸収部材10の第1及び第2の固定部13b,14bはギヤボックス側に相対移動するので、車体側固定片12の本体部12bと、それぞれ両ステアリング側固定片13,14の本体部13a,14aとが互いに隣接する上方の基端部13d,14dには、剪断応力が作用する。そして、この剪断応力によって、衝撃吸収部材10は両凹溝15,16に沿って引き裂かれる。このように、両凹溝15,16は、車体側固定片12とステアリング側固定片13,14との破断を誘導する。
すなわち、本実施形態の衝撃吸収部材10によれば、二次衝突が生じ、ステアリングコラムCがギヤボックス側に相対移動して離脱したときに、この衝撃吸収部10が引き裂かれ、この引き裂く際の抵抗によって、ステアリングホイールから運転者へ伝わる衝撃荷重を緩和することができる。
以上のように、両ステアリング側固定片13,14を、ブラケット20の車体取付部22に固定した場合には、両凹溝15,16の両方を引き裂く抵抗によって、衝撃荷重の緩和効果が得られる。
また、例えば、両固定部13b,14bの内、第1の固定部13のみを溶接によって固定した場合、第2のステアリング側固定片14と車体側固定片12との間には剪断応力は作用せず、第1の凹溝15のみが引き裂かれる。ここで、第1の凹溝15のみが引き裂かれる場合、上述のように両凹溝15,16が引き裂かれる場合と比較すると、その引き裂かれうる断面積が小さくなるので、その引き裂く際の抵抗も小さくなり、緩和しうる衝撃荷重値が小さくなる。
また、第2の固定部14のみを溶接によって固定した場合、第1のステアリング側固定片13と車体側固定片12との間には剪断応力は作用せず、第2の凹溝16のみが引き裂かれる。ここで、第2の凹溝16のみが引き裂かれる場合、上述のように第1の凹溝15のみが引き裂かれる場合と比較すると、第2の凹溝16の溝深さh2は、第1の凹溝15の溝深さh2よりも深いので、その引き裂かれうる断面積が小さくなり、緩和しうる衝撃荷重がより小さくなる。
つまり、上記のように構成された本実施形態による車両用操舵装置S、及び衝撃吸収部材10によれば、当該衝撃吸収部材10をブラケット20(ステアリングコラムC)に取り付ける際に、両ステアリング側固定片13,14の内、いずれか一方、もしくは両方を選択的に固定するだけで、二次衝突の際の、当該衝撃吸収部材10の緩和しうる衝撃荷重値を選択して設定することができる。このため、衝撃吸収部材10が用いられる車両に応じて、緩和しうる衝撃荷重値を容易に変更し設定することができるので、その汎用性を高めることができる。
また、上記実施形態では、第1の凹溝15の溝深さh1と、第2の凹溝16の溝深さh2とを異なる値に設定したので、いずれか一方のステアリング側固定片のみをブラケット20に固定する場合において、引き裂く凹溝を選択することで、衝撃荷重値の設定を選択できる自由度が高まり、より汎用性を高めることができる。つまり、上記実施形態では、一つの衝撃吸収部材10によって、3種類の衝撃荷重値に設定できる。
またさらにこの衝撃吸収部材10は、一対の車体取付部22の両方に取り付けられるものであり、例えば、他方側の衝撃吸収部材10の両破凹溝の溝深さをそれぞれ上記一方側のh1及びh2と異なる値に設定すれば、これらの組み合わせによって、最大9通りの衝撃荷重値に設定でき、より汎用性を高めることができる。
図5は、本発明の第二の実施形態に係る車両用操舵装置Sの要部構成を示す斜視図である。本実施形態と、第一の実施形態との主な相違点は、両ステアリング側固定片13,14の固定部13b,14bを上方に延びるように形成した点、及び、車体取付部22の端部に衝撃吸収部材10の両固定部13b,14bを固定する切り欠き部26,27を設けた点である。その他の点については第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態では、両ステアリング側固定片13,14の固定部13b,14bは、上方に延ばされた状態で、その側面をブラケット20の車体取付部22に当接させるとともに、切り欠き部26,27に組み合わせて溶接されている。
この場合、両固定部13b,14bは、上方に延ばされているので、両固定部13b,14bの側面を、ブラケット20の移動方向に対して直交した状態とすることができる。このため、ブラケットの相対移動に対して、互いに溶接により接合固定されている両固定部13b,14bのブラケット20に対する接合面を移動方向に対して直交した状態にできる。このため、容易に溶接等の接合が外れるのを防止でき、より強固に接合できる。
また、車体側固定片12のガイド部12eとともに、両固定部13b,14bを切り欠き部26,27に組み合わせることで、衝撃吸収部材10をブラケット20に固定する際の位置決めがより確実に行える。
なお、本発明の車両用操舵装置及び衝撃吸収部材は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の衝撃吸収部材では、一の車体側固定片12と、その両側に第1及び第2のステアリング側固定片13,14を有する構成としたが、例えば、図6に示す衝撃吸収部材40のように、一対の車体側固定片42と、これら一対の車体側固定片42の間に、一のステアリング側固定片43を設けた構成とすることもできる。すなわち、この衝撃吸収部材40は、一端部に固定部42aを有する車体側固定片42と、一端部にステアリングコラムCに対する固定部43cを有し他端部側が破断誘導用の凹溝45,46を介して車体側固定片42の他端部側に連接されたステアリング側固定片43とを備えており、車体側固定片42が一対(複数)設けられていることで、これら車体側固定片42を選択的に車体側に固定することができる。
また、当該衝撃吸収部材が備える車体側固定片及びステアリング側固定片の数量は限定されない。
また、上記実施形態では、両ステアリング側固定部をアーク溶接により溶接した場合を例示したが、例えば、スポット溶接等充分な接合強度が得られれば特に限定されない。
また、上記各実施形態で示した衝撃吸収部材の車体側固定片、ステアリング側固定片、及び、ブラケットの形状等は、本発明の趣旨に基づいて適宜変更することができる。
本発明の第一の実施形態である車両用操舵装置の要部構成を示す斜視図である。 図1の要部拡大図である。 図2中III−III線矢視断面図であり、ブラケット、カプセル、及び衝撃吸収部材をそれぞれ組み合わせたときの断面を示している。 図2中、IV−IV線矢視断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る車両用操舵装置Sの要部構成を示す斜視図である。 本発明の衝撃吸収部材の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
10 衝撃吸収部材
12 車体側固定片
12d 当接部(固定部)
13 第1のステアリング側固定片
13b 固定部
14 第2のステアリング側固定片
14b 固定部
15 第1の凹溝
16 第2の凹溝
40 衝撃吸収部材
42 車体側固定片
42a 固定部
43 ステアリング側固定片
43a 固定部
45,46 凹溝
C ステアリングコラム
S 車両用操舵装置

Claims (4)

  1. 一端部に車体側に対する固定部を有する車体側固定片と、一端部にステアリングコラムに対する固定部を有し、他端部側が破断誘導用の凹溝を介して前記車体側固定片の他端部側に連接されたステアリング側固定片とを備え、衝撃発生時のステアリングコラムと車体との相対移動に伴って前記凹溝に沿って引き裂かれることで衝撃を吸収する衝撃吸収部材であって、
    前記ステアリング側固定片が、前記ステアリングコラムに選択的に固定可能に複数列設けられていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 一端部に車体側に対する固定部を有する車体側固定片と、一端部にステアリングコラムに対する固定部を有し、他端部側が破断誘導用の凹溝を介して前記車体側固定片の他端部側に連接されたステアリング側固定片とを備え、衝撃発生時のステアリングコラムと車体との相対移動に伴って前記凹溝に沿って引き裂かれることで衝撃を吸収する衝撃吸収部材であって、
    前記車体側固定片が、前記車体側に選択的に固定可能に複数列設けられていることを特徴とする衝撃吸収部材。
  3. 前記各固定片の間に位置する前記凹溝は、その溝深さがそれぞれ互いに異なる値に設定されている請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材。
  4. ステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラム及び車体側に固定されるとともに、前記ステアリングコラムと前記車体との相対移動に伴って引き裂かれることで衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、を有する車両用操舵装置において、
    前記衝撃吸収部材が請求項1又は2に記載の衝撃吸収部材であることを特徴とする車両用操舵装置。
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