JP2008034540A - 光電変換装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 結晶半導体粒子と導電性基板との接合安定性が高い光電変換装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 導電性基板19と、導電性基板19上に形成され、所定の開口部を有し、且つ、導電性基板19と一導電型の結晶半導体粒子10との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層24と、導電性基板19上で絶縁層24の開口部内に形成された接合層18と、接合層18上に形成された結晶半導体粒子10とを有してなる光電変換装置とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 導電性基板19と、導電性基板19上に形成され、所定の開口部を有し、且つ、導電性基板19と一導電型の結晶半導体粒子10との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層24と、導電性基板19上で絶縁層24の開口部内に形成された接合層18と、接合層18上に形成された結晶半導体粒子10とを有してなる光電変換装置とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、太陽光発電などに使用される光電変換装置およびその製造方法に関する。
従来の粒状半導体を用いた光電変換装置を図2〜図5に示す。
例えば図2に示すように、第1のアルミニウム箔213に開口を形成し、その開口にp型の球状シリコン上にn型表皮部211を持つシリコン球210を挿着し、このシリコン球210の裏側のn型表皮部211を除去し、第1のアルミニウム箔213の裏面側に酸化物絶縁層212を形成し、シリコン球210の裏側の酸化物絶縁層212を除去し、シリコン球210と第2のアルミニウム箔214とを接合した光電変換装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、図3に示すように、基板319上に低融点金属層317を形成し、この低融点金属層317上に第1導電型の粒状結晶半導体310を配設し、この粒状結晶半導体310上に第2導電型のアモルファス半導体層315を低融点金属層317との間に絶縁層312を介して形成した光電変換装置が開示されている(例えば特許文献2参照)。図3において、316は透明導電膜などから成る電極である。
また、図4に示すように、シート状のモジュール基板519上に、複数の第1導電型の球状半導体510を導電ぺースト522によって接着した状態で熱可塑性透明柔軟樹脂523中に埋設し、球状半導体510の表面領域に不純物を熱拡散あるいはイオン注入によってドープすることで第2導電型の表面層511を形成した光電変換装置が開示されている(例えば特許文献3参照)。また、図5において、516は透明導電膜などから成る電極である。
また、図5に示すように、基板619上に多数の一導電型を呈する粒状結晶半導体610を配設して基板619と接合し、この一導電型を呈する粒状結晶半導体610間に絶縁体612を充填し、粒状結晶半導体610上に逆電導型を呈する半導体層611を配設するとともに、半導体層611に他方の電極層616を接続して設けた光電変換装置において、シリコン等からなる粒状結晶半導体610とアルミニウムからなる基板619との合金部618を形成するとともに、粒状結晶半導体610の下端部にp+形成領域を形成した光電変換装置が開示されている(例えば特許文献4参照)。
特開昭61−124179号公報
特許第2641800号公報
特開2001−230429号公報
特開2002−43602号公報
しかしながら、従来の図2の光電変換装置では、第1のアルミニウム箔213に開口を形成し、その開口にシリコン球210を押し込んでシリコン球210を第1のアルミニウム箔213に接合させる必要があるため、シリコン球210の球径および形状に均一性が要求され、その結果高コストになるという問題があった。また、シリコン球210と電極との位置合せの整合も困難であり問題があった。また、シリコン球210を第1のアルミニウム箔213に接合させるときの処理温度がアルミニウムとシリコンとの共晶温度である577℃以下であるため、接合が不安定になるという問題があった。
また、図3の光電変換装置は、第1導電型の粒状結晶半導体310上に第2導電型のアモルファス半導体層315を設けており、この場合に安定なpn接合を形成するには、アモルファス半導体層315を形成する前に粒状結晶半導体310の表面を十分にエッチングおよび洗浄する必要があった。また、アモルファス半導体層315の光吸収が大きいことからその膜厚を薄くしなければならず、アモルファス半導体層315の膜厚が薄いと、欠陥に対する許容度も小さくなり、その結果洗浄工程や製造環境の管理を厳しくする必要がある。従って、図3のものの場合高コストになるという問題があった。
また、図4の光電変換装置は、第1導電型の球状半導体510と導電性ペースト522との接合部には高濃度層が存在しないため、光子により励起された電子の障壁によるいわゆるバックフィールド効果(BSF)を得ることができず、光電変換効率(以下、「変換効率」ともいう)が低下することが判明した。
また、図5の光電変換装置は、合金部618の深さ制御が困難であるため、粒状結晶半導体610の高さ、大きさにバラツキが起こり、変換効率が低下した。また、半導体層611および他方の電極層616を連続させつつ各粒状結晶半導体610に電気的に接続させるためには、粒状結晶半導体610の形状精度を高くし、基板619上で精度良く配設する必要があるため、プロセスコストが高くなるという問題があった。図5の光電変換装置は変換効率12%程度である。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、結晶半導体粒子と導電性基板との接合安定性が高い光電変換装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明の光電変換装置は、導電性基板と、前記導電性基板上に形成され、所定の開口部を有し、且つ、前記導電性基板と一導電型の結晶半導体粒子との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層と、前記導電性基板上で前記絶縁層の開口部内に形成された接合層と、前記接合層上に形成された前記結晶半導体粒子とを有してなるものである。
また前記絶縁層は、前記導電性基板を成す材料の酸化物を主成分とするものであることを特徴とする。
さらに、前記開口部の直径が前記結晶半導体粒子の直径よりも小さいことを特徴とする。
またさらに、前記接合層は、前記導電性基板を成す材料と前記結晶半導体粒子を成す半導体とから成ることを特徴とする。
また本発明の光電変換装置の製造方法は、導電性基板上に、所定の開口部を有し、且つ、前記導電性基板と一導電型の結晶半導体粒子との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層を形成する工程と、前記一導電型の結晶半導体粒子の少なくとも一部が前記絶縁層の開口部内に収容されるように、前記一導電型の結晶半導体粒子を前記導電性基板上に載置する工程と、前記導電性基板と前記一導電型の結晶半導体粒子とを接合する工程とを有してなるものである。
本発明の光電変換装置は、導電性基板と、導電性基板上に形成され、所定の開口部を有し、且つ、導電性基板と一導電型の結晶半導体粒子との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層と、導電性基板上で絶縁層の開口部内に形成された接合層と、接合層上に形成された結晶半導体粒子とを有してなるものであることから、結晶半導体粒子を、絶縁層の開口部内で接合層を介して、導電性基板と安定的に接合することが可能となる。
また前記絶縁層は、前記導電性基板を成す材料の酸化物を主成分とするものであることが好ましく、これによって生産性良く且つより安定性の高い接合を構成することが可能となる。
さらに、前記開口部の直径が前記結晶半導体粒子の直径よりも小さいことが好ましく、これによって導電性基板上における結晶半導体粒子の沈み込みによる位置バラつきを抑制することが可能となる。
またさらに、前記接合層は、材料特性による信頼性の観点から、前記導電性基板を成す材料と前記結晶半導体粒子を成す半導体とから構成されることが好ましい。
また本発明の光電変換装置の製造方法は、導電性基板上に、所定の開口部を有し、且つ、前記導電性基板と一導電型の結晶半導体粒子との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層を形成する工程と、前記一導電型の結晶半導体粒子の少なくとも一部が前記絶縁層の開口部内に収容されるように、前記一導電型の結晶半導体粒子を前記導電性基板上に載置する工程と、前記導電性基板と前記一導電型の結晶半導体粒子とを接合する工程とを有してなることから、結晶半導体粒子の導電性基板への接合を、絶縁層の開口部内という規制された領域で行われることで、両者間の安定的な接合が可能となる。
本発明の光電変換装置の実施の形態の例について、図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。なお、図面において同一部材には同一符号を付している。
図1は、本発明の光電変換装置について実施の形態の1例を示す断面図である。図1において、10は一導電型を呈する粒状半導体(結晶半導体粒子)、11は逆導電型を呈する半導体層、12は層間絶縁膜、16は他方の電極、18は接合層、19は導電性基板、24は高融点絶縁層、25は開口部である。
導電性基板19は一方の電極を兼ねるものであり、例えば、純アルミニウム,アルミニウム−マンガン系合金,アルミニウム−シリコン系合金,アルミニウム−マグネシウム系合金,アルミニウム−銅系合金,アルミニウム−銅−シリコン系合金,アルミニウム−マグネシウム−シリコン系合金,アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系合金,アルミニウム−銅−マグネシウム−シリコン系合金等からなる金属板を用いることができる。
また、導電性基板19として、上記純アルミニウム,アルミニウム−マンガン系合金,アルミニウム−シリコン系合金,アルミニウム−マグネシウム系合金,アルミニウム−銅系合金,アルミニウム−銅−シリコン系合金,アルミニウム−マグネシウム−シリコン系合金,アルミニウム−亜鉛−マグネシウム系合金,アルミニウム−銅−マグネシウム−シリコン系合金等を被着させた鉄鋼等の金属板でも良い。ここで、アルミニウムあるいはアルミニウム系合金が導電性基板の場合は、粒状半導体10の接合により、アルミニウム−シリコン共晶が形成され、アルミが良好なp型ドーパントであるため界面にp+層が形成されることでBSF効果が発現される。また、粒状半導体10と導電性基板19との強い接着強度が実現できる。
高融点絶縁層24とは、導電性基板19と一導電型の粒状半導体10との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる絶縁層を意味し、上記アルミニウムあるいはアルミニウム系合金導電性基板19上に粒状半導体10を接合させる領域に開口部25を設けたパターンで陽極酸化処理あるいは化成処理により形成することができる。
すなわち、開口部25は導電性基板19上に開口部25にレジストをスクリーン印刷等により最密六方状あるいは規則正しく多数個配置でパターン印刷し、マスキングした。開口部25以外の導電性基板表面を陽極酸化処理あるいは化成処理によりアルマイトの高融点絶縁層24を形成した。陽極酸化処理は硬質アルマイト処理(低温法、有機酸法)、硫酸法、蓚酸法などを用いた。化成処理はベーマイト法、MBV法、りん酸塩法、クロメート法などを用いた。上記高融点絶縁層24は多孔質体のため、加圧水蒸気法、沸騰水法、酢酸ニッケル法、重クロム酸法、低温法により封孔処理により、緻密化させ、耐食性、耐摩耗性を向上させた。アルマイトの高融点絶縁層24の膜厚は5〜30μmが望ましい。
ここで、開口部25の直径は粒状半導体10の直径よりも小さい方が望ましい。これは、アルミニウムあるいはアルミニウム系合金導電性基板19とシリコン粒状半導体10との接合が多い場合、シリコン粒状半導体10半球以上がアルミニウムあるいはアルミニウム系合金導電性基板19と共晶し接合することを抑制し、受光部面積を確保し、変換効率を安定したセルを作製することができる。
また、図6に示すように、両面対称に開口部25を設けた方が導電性基板の反りは少なくてよい。すなわち、アルマイトの高融点絶縁層24のパターンは導電性基板19両面対称に形成した方が望ましい。これは、導電性基板19としてアルミニウム系合金(熱膨張係数20x10-6)を用いた場合、陽極酸化により形成した高融点絶縁層24のアルマイト(酸化アルミ(熱膨張係数5x10-6))の熱膨張係数の差により、導電性基板19が反る原因となるためである。
一導電型を呈する粒状半導体10として、p型シリコンを用いることが好ましい。これは、粒状半導体10を接合する導電性基板19がシリコンのp型不純物であるアルミニウムを用いることによる。p型シリコンのp型不純物としてIII族元素のボロン,アルミニウム,ガリウム,インジウム等があるが、シリコンに対する偏析係数が大きい点やシリコン溶融時の蒸発係数が小さい点から特にボロンがよい。
粒状半導体10の形状としては、多角立体状のもの、球面等の曲面を持つもの、突起を持つもの、その他球形状、回転楕円体状、カプセル状(球形を一方向に引き伸ばした形状)等がある。また、粒状半導体10の粒径分布としては均一、不均一を問わないが、均一の場合は粒径を揃えるための工程が必要になるため、安価に製造するためには不均一な方が有利である。
粒状半導体10の平均粒径としては、0.1〜1.0mmがよく、1.0mmを超えると、シリコン等の半導体インゴットを切削加工して形成される切削部も含めた従来の結晶板型半導体を用いた光電変換装置の半導体使用量と変わらなくなり、粒状半導体10を用いるメリットがなくなる。また、0.1mmよりも小さいと、粒状半導体10の導電性基板19へのアッセンブルがしにくくなるという別の問題が発生する。より好適には、光吸収深さ、シリコン等の半導体の充填率、半導体の使用量の関係から、粒状半導体10の平均粒径は0.35mmがよい。
また粒状半導体10は、溶液成長法、融液落下法、粉砕法、粉砕粒再融解法等により形成することができる。さらに、粒状半導体10の結晶性を向上させるために、粒状半導体10に対して熱アニーリング法、光アニーリング法、リメルト法等の処理を行った方がよい。さらに、不純物を低減するために、リメルト法と、ウェットエッチング法あるいはドライエッチング法による表面エッチング法とを繰り返して、粒状半導体10の表面から不純物を除去してもよい。
このような粒状半導体10としてP型シリコン球を用いた場合、最密六方状あるいは規則正しく多数個配置された開口部25のアルミニウム基板19の上に設置され、アルミニウムとシリコンの共晶接合させるために、一定荷重を掛け、アルミニウム−シリコンの共晶温度577℃以上の温度で窒素、あるいは窒素水素の還元雰囲気の接合加熱炉内を通過させることで接合される。このとき、アルミニウム基板19とシリコン球10の界面にはアルミニウム−シリコン共晶の接合層18が形成される。上記加熱方法として、ランプ加熱法、マイクロ波加熱法、ヒータ加熱法等がある。
ここで、この接合層18はアルマイトの高融点絶縁層24により空間的に限定された合金層18を介して安定して接合することができ、導電性基板19と粒状半導体10との接合状態の信頼性が向上できる。
さらに、アルミニウム−シリコン共晶は、各々の固溶していない共晶合金のため表面が粗い。一方、アルマイトは緻密な酸化膜のため表面が滑らかであり、光反射率が高いため、導電性基板表面まで達した光をアルマイト表面で反射し、その反射光を光電変換部で利用することができ、高い光電変換効率の向上が図れる。
また、粒状半導体10間の導電性基板表面が滑らかなため、さらに上部の層間絶縁層のピンホールに対する絶縁膜となり、導電性基板とフィンガー電極間の短絡を抑制することができ、高変換効率な光電変換を達成することができる。
また、合金層18よりも反射率の高い高融点絶縁層24により光を反射することができ、高変換効率な光電変換を達成することができる。
また、高融点絶縁層24が前記導電性基板19の酸化物であることより、高融点で緻密な絶縁層24が形成でき、安定した接合層18が形成でき、生産性が向上できる。
また、高融点絶縁層24の開口部25は、前記一導電型を呈する粒状半導体10よりも小さいことより、粒状半導体10の導電性基板19への溶解、沈み込みを抑制し、安定した接合層18が形成でき、生産性の向上でき、高い変換効率が安定して得られる。
また、合金層18が前記導電性基板19と前記一導電型を呈する粒状半導体の合金であることより、材料機械特性が前記導電性基板19と粒状半導体10との中間になるので、信頼性が高い光電変換装置ができる。
次に、接合された粒状半導体10であるp型シリコンに半球にレジストをコートさせた。レジスト塗布方法は転写法、スクリーン印刷法、インクジェット法、ネガレジストとマスクを用いたフォトリソグラフ法等が望ましい。粒状半導体10下部の逆導電型を呈する半導体層11であるn型シリコンをエッチング除去した。
さらに、粒状半導体10であるp型シリコン表面に逆導電型を呈する半導体層11であるn型シリコンを形成させた。このn型シリコンはp型シリコン表面への不純物拡散法を行った。また、n型アモルファスシリコンあるいは微結晶シリコンの薄膜形成法により形成させてもよい。さらに、アモルファスシリコンからなる逆導電型を呈する半導体層11との間に、高抵抗を呈する半導体層(図示せず)として真性のアモルファスシリコン(i型a−Si)を挿入することにより、ドーパントの相互拡散が抑制でき、キャリヤの再結合を低減できる。また、キャリヤの分離効果を高めることができるので、光電変換装置の高変換効率化を達成することができる。なお、粒状半導体10の外郭に、n型を呈するリン,砒素,アンチモン等、またはp型を呈するボロン,アルミニウム,ガリウム,インジウム等が微量含まれている粒状半導体10を用いる場合、半導体層11はなくてもよく、粒状半導体10の上に他方の電極16としての導電層を形成してショットキー接合を形成してもよい。さらに、半導体層11と粒状半導体10との間に真性の半導体層を形成し、PIN構造を形成してもよい。なお、半導体層11の膜厚を最適化すれば反射防止膜としての機能も付与できる。
次に、粒状半導体10の隣接するもの同士の間に介在するように、導電性基板19上に層間絶縁膜12をコーティングする。層間絶縁膜12は、正極と負極の電極分離を行うための層間絶縁材料からなり、ポリイミド樹脂を主成分とする。絶縁材料としては、例えば酸化珪素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化鉛(PbO)、酸化硼素(B2O3)、酸化亜鉛(ZnO)等を任意な成分とするガラスも選択可能であるが、ポリイミドは、処理温度を低く抑えることが可能で、かつ、弾性係数も小さく、導電性基板と絶縁層の熱膨張差をより吸収するのに好ましい材料である。また、上記絶縁体は少なくとも半導体粒子の天頂部は露出してなることにより、上部に形成される他方の電極16である透明導電膜との有効な接触を可能とする。
他方の電極16は、気相成長法等の成膜形成方法あるいは塗布焼成法等によって形成され、透明電極材料であるSnO2,In2O3,ITO(SnドープIn2O3),ZnO,TiO2等から選ばれる1種または複数種の酸化物からなる酸化物膜、またはTi,Pt,Au、Ag等から選ばれる1種または複数種の金属からなる金属膜として形成する。
他方の電極16は膜厚を選べば反射防止膜としての効果も期待できる。他方の電極16上に直列抵抗を低減する集電極(グリッド電極)を形成してもよい。このような集電極は、カーボン,アルミニウム,銀,銀コート銅,ニッケル,白金,パラジウム,金等の導電性フィラー、樹脂バインダー、溶媒および粘度調整剤等を混合してペーストを作製し、このペーストを用いてディスペンサー法、スクリーン印刷法、転写法、インクジェット法等により塗布形成することがよい。このペーストは、熱硬化、光硬化、光熱硬化、溶媒乾燥および焼成等により固化されるものであり、これにより集電極が形成される。他方の電極16上に、集電極として、一定間隔のフィンガー電極やバスバー電極といったパターン電極を設けて、直接的または間接的に集電極を半導体層11と電気的に接続し、変換効率を向上させることも可能である。
また、他方の電極16を省略して、半導体層11上に集電極を直接形成し、集電極22を他方の電極16として用いてもよい。
さらに、保護層(図示せず)を形成してもよい。保護層としては、透明誘電体の特性を持つものがよく、CVD法やPVD法等で例えば酸化珪素,酸化セシウム,酸化アルミニウム,窒化珪素,酸化チタン,SiO2−TiO2,酸化タンタル,酸化イットリウム、ポリイミド、シリコーン、エポキシ等の熱硬化樹脂、フッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイモノマー等の熱可塑樹脂を、単一組成または複数組成で単層または複数層に組み合わせて、半導体層11、他方の電極16または集電極上に形成する。この保護層は、光の入射面に設けられるために透明性が必要であり、また半導体層11、他方の電極16、集電極22と外部との間の電流リークを防止するために、誘電体であることが必要である。なお、保護層の膜厚を最適化すれば反射防止膜としての機能も付与できる。
本発明の光電変換装置を発電手段として用い、発電手段の発電電力の供給先である負荷を含めて光発電装置を構成することができ、これにより高効率で耐久性のある光発電装置を低コストに提供することができる。
本発明の光電変換装置の実施例を以下に説明する。
p型結晶シリコン粒子を、p型シリコン融液の液滴を容器のノズルから噴出させ自由落下させて固化させることにより製造する、いわゆるジェット法によって、製造した。即ち、ArまたはHeの不活性ガスの雰囲気中で、坩堝へp型シリコン原料を充填して昇温し溶解したp型シリコン融液を、坩堝下端に形成されたノズルより噴出させて自由落下させ、固化させることにより、直径350μmの球状のp型結晶シリコン粒子を作製した。
次に、上記p型結晶シリコン粒子を石英ボート上に載置して熱処理することにより、p型結晶シリコン粒子の結晶性を高めた
次に、このp型結晶シリコン粒子を石英ボート上に載置して熱処理することにより、結晶シリコン粒子の表面にリン不純物を熱拡散させて、p型結晶シリコン粒子表面におよそ1μmの厚さのn型シリコン層を形成した。
次に、このp型結晶シリコン粒子を石英ボート上に載置して熱処理することにより、結晶シリコン粒子の表面にリン不純物を熱拡散させて、p型結晶シリコン粒子表面におよそ1μmの厚さのn型シリコン層を形成した。
次にアルミニウム基板上に直径250μmのレジストパターンをスクリーン印刷で塗布した。
次に、上記レジストを塗布したアルミニウム基板を陽極酸化させ硬質アルマイトを30μm厚で形成させ、有機溶剤により、レジストを除去した。さらに、酢酸ニッケルにより封孔処理を施し、硬質アルマイトを緻密化させた。
次に、規則正しく配置した硬質アルマイトの開口部のアルミニウム基板上にn型半導体層を形成させたp型結晶シリコン粒子を密着配設し、基板テーブルを窒素雰囲気で共晶温度577℃より低い500℃に設定し、加圧ロッドに取り付けられた昇降テーブル上に、シリコン粒子を配設したアルミニウム基板セットし、600℃に設定された熱板に1分間0.5kg/cm2を押し付けることで共晶接合をアルミニウム基板と結晶シリコン粒子間で形成することができた。
次に、接合された結晶シリコン粒子の半球上部に転写法によりレジストを形成させた。HF−HNO3−CH3COOH系のエッチング液を用いて、接合層と接しているn型シリコン層を除去した。
次に、シリコン粒子間にポリイミド樹脂からなる絶縁体を約20μmの厚みになるように充填塗布し、窒素雰囲気中200℃で30分乾燥させた後、400℃で30分間キュアーし、層間絶縁層を形成した。
次に、多数の結晶シリコン粒子上の全面に、上部電極膜としての透明導電膜(ITO(錫ドープ酸化インジウム)膜)を、スパッタリング法により、85nmの厚みで形成した。この上部電極膜は反射防止膜としても機能する。
最後に、銀ペーストをディスペンサーでグリッド状にパターン形成して、大気中200℃で焼成を行い、フィンガー電極およびバスバー電極を形成した(図示せず)。
この光電変換装置の電気特性をAM1.5のソーラシミュレーターで評価した結果、光電変換効率は14.0%であった。
実施例の光電変換装置の変換効率は、図5に示すような従来構成の光電変換装置の12%程度の変換効率に比較して優れたものであった。
1:光電変換装置
10:一電導型を呈する粒状半導体(結晶半導体粒子)
11:逆電導型を呈する半導体層
12:層間絶縁膜
16:他方の電極
18:合金層(接合層)
19:導電性基板
24:高融点絶縁層
25:開口部
210:シリコン球
211:n型表皮部
212:酸化物絶縁層
213:第1のアルミニウム箔
214:第2のアルミニウム箔
310:第1導電型の粒状結晶半導体
312:絶縁層
315:第2導電型のアモルファス半導体層
316:透明導電膜
317:低融点金属層
319:基板
510:第1導電型の球状半導体
511:第2導電型の表面層
516:透明導電膜
519:モジュール基板
522:導電ペースト
523:熱可塑性透明柔軟樹脂
610:一電導型を呈する粒状結晶半導体
611:逆電導型を呈する半導体層
612:絶縁体
616:他方の電極層
618:合金部
619:基板
10:一電導型を呈する粒状半導体(結晶半導体粒子)
11:逆電導型を呈する半導体層
12:層間絶縁膜
16:他方の電極
18:合金層(接合層)
19:導電性基板
24:高融点絶縁層
25:開口部
210:シリコン球
211:n型表皮部
212:酸化物絶縁層
213:第1のアルミニウム箔
214:第2のアルミニウム箔
310:第1導電型の粒状結晶半導体
312:絶縁層
315:第2導電型のアモルファス半導体層
316:透明導電膜
317:低融点金属層
319:基板
510:第1導電型の球状半導体
511:第2導電型の表面層
516:透明導電膜
519:モジュール基板
522:導電ペースト
523:熱可塑性透明柔軟樹脂
610:一電導型を呈する粒状結晶半導体
611:逆電導型を呈する半導体層
612:絶縁体
616:他方の電極層
618:合金部
619:基板
Claims (5)
- 導電性基板と、
前記導電性基板上に形成され、所定の開口部を有し、且つ、前記導電性基板と一導電型の結晶半導体粒子との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層と、
前記導電性基板上で前記絶縁層の開口部内に形成された接合層と、
前記接合層上に形成された前記結晶半導体粒子と、を有してなる光電変換装置。 - 前記絶縁層は、前記導電性基板を成す材料の酸化物を主成分とするものであることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
- 前記開口部の直径が前記結晶半導体粒子の直径よりも小さいことを特徴とする請求項1または2記載の光電変換装置。
- 前記接合層は、前記導電性基板を成す材料と前記結晶半導体粒子を成す半導体とから成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の光電変換装置。
- 導電性基板上に、所定の開口部を有し、且つ、前記導電性基板と一導電型の結晶半導体粒子との接合温度よりも高い融点を有する材料からなる、絶縁層を形成する工程と、
前記一導電型の結晶半導体粒子の少なくとも一部が前記絶縁層の開口部内に収容されるように、前記一導電型の結晶半導体粒子を前記導電性基板上に載置する工程と、
前記導電性基板と前記一導電型の結晶半導体粒子とを接合する工程と、を有してなる光電変換装置の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2006205040A JP2008034540A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 光電変換装置およびその製造方法 |
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JP2006205040A JP2008034540A (ja) | 2006-07-27 | 2006-07-27 | 光電変換装置およびその製造方法 |
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-
2006
- 2006-07-27 JP JP2006205040A patent/JP2008034540A/ja active Pending
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JP2010199203A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Toyoda Gosei Co Ltd | 発光装置及びその製造方法 |
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